JP2003182410A - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JP2003182410A JP2002320572A JP2002320572A JP2003182410A JP 2003182410 A JP2003182410 A JP 2003182410A JP 2002320572 A JP2002320572 A JP 2002320572A JP 2002320572 A JP2002320572 A JP 2002320572A JP 2003182410 A JP2003182410 A JP 2003182410A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 挙動安定化制御装置による挙動安定化作動
と、直結クラッチ付流体伝動装置、自動変速機、差動制
限クラッチ等の駆動系装置の作動との間での種々の不都
合が好適に解消される車両の制御装置を提供する。 【解決手段】 変速変更中判定手段190(SC3)に
より変速変更手段188による自動変速機14の変速段
を固定するコーナリング制御中であると判定されている
ときには、旋回挙動制御優先手段192(SC8)によ
り、旋回挙動制御手段160による車両の旋回挙動安定
化作動が優先的に実行させられることから、自動変速機
14の変速段を固定する車両のコーナリング制御時に
は、旋回挙動制御手段160による旋回挙動安定化作動
が行われてスロットル弁開度θTHが減少させられたり或
いはそれに加えて自動変速機14のアップ変速を行うこ
とがあったとしても、制御間の干渉が好適に防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のエンジンお
よび自動変速機などの制御を行う車両の制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】路面摩擦抵抗が低い走行、高車速走行、
緊急回避操作時の走行などにおいて車両の挙動たとえば
旋回挙動のなかで車輪の横方向のグリップ限界を越える
不安定な状況が発生するおそれがある。その不安定な状
況としては、たとえば後輪が前輪に対して相対的にグリ
ップを失うことにより操舵角に対して過剰な旋回角(ス
ピン)を示すオーバステア傾向となったり、前輪が後輪
に対して相対的にグリップを失うことにより操作角に対
して過少な旋回角を示すアンダステア傾向となったりす
る場合である。
【0003】これに対し、車両の旋回挙動が不安定とな
った場合には、車両の制動力或いはエンジン出力を制御
してその車両の旋回挙動を安定化させる旋回挙動安定化
制御装置が提案されている。たとえば、特開平4−26
6538号公報に記載された装置がそれである。そのよ
うな装置は、たとえばVSC(Vehicle Stability Cont
rol )システムとも称されるものであり、車両状態がオ
ーバーステア傾向又はアンダーステア傾向にあると判定
された場合は、エンジン出力を低下させるとともに、前
輪又は後輪に制動力を与えてオーバーステア抑制モーメ
ント又はアンダーステア抑制モーメントを発生させ、車
両の旋回挙動を安定化させる。
【0004】
【特許文献1】特開平4−266538号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記挙動安
定化制御装置が用いられた従来の車両では、その挙動安
定化制御装置による挙動安定化作動と、直結クラッチ付
流体伝動装置、自動変速機、差動制限クラッチなどによ
る駆動系装置の作動との間で、種々の不都合が発生する
という可能性があった。
【0006】たとえば、車両のコーナリング時、登坂走
行中、降坂走行中には自動変速機の変速段を固定するコ
ーナリング制御時に前記挙動安定化制御装置による挙動
安定化作動が行われてスロットル弁開度が減少させられ
たり或いはそれに加えてアップ変速を行うことも考えら
れるため、制御間の干渉が発生するという不都合が発生
する可能性があった。また、上記挙動安定化制御装置に
より自動変速機の変速段が所定のギヤ段に固定された
後、その変速段の固定を解除することによって、直ちに
ダウン変速或いはアップ変速が行われるので、車両の走
行状態によってはそのダウン変速によるショックやアッ
プ変速による駆動力の抜け感が発生する可能性があっ
た。
【0007】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、挙動安定化制御
装置による挙動安定化作動と、直結クラッチ付流体伝動
装置、自動変速機、差動制限クラッチなどによる駆動系
装置の作動との間での不都合が好適に解消される車両の
制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための第1発明の要旨とするところは、車両が予め
設定された走行状態となったときは自動変速機の変速制
御を変更する変速変更手段と、車両の挙動が不安定とな
る場合には、車両の挙動を安定化させる挙動制御手段と
を備えた車両の制御装置であって、(a) 前記変速変更手
段により自動変速機の変速制御が変更中であるか否かを
判定する変速変更中判定手段と、(b) その変速変更中判
定手段により前記変速変更手段による自動変速機の変速
の変更中であると判定されているときには、変速変更手
段による変速変更作動を停止させて前記挙動制御手段に
よる車両の挙動安定化作動を優先的に実行させる挙動制
御優先手段とを、含むことにある。
【0009】
【第1発明の効果】このようにすれば、変速変更中判定
手段により前記変速変更手段による自動変速機の変速制
御の変更中であると判定されているときには、挙動制御
優先手段により、前記挙動制御手段による車両の挙動安
定化作動が優先的に実行させられることから、例えば車
両のコーナリング時、登坂走行中、降坂走行中等には自
動変速機の変速段を固定すなわち他の変速段への変速を
禁止する制御時に前記挙動制御手段による挙動安定化作
動が行われてスロットル弁開度が減少させられたり或い
はそれに加えてアップ変速を行うことがあったとして
も、制御間の干渉が好適に防止される。
【0010】
【第1発明の他の態様】ここで、好適には、上記変速変
更手段は、車両がコーナリング走行状態、登坂走行状
態、或いは降坂走行状態となったとき、車両の安定性或
いは運転性を高めるために、自動変速機の変速段をその
ときの変速段に固定するものである。
【0011】また、好適には、前記車両の制御装置は、
前記挙動制御手段による挙動安定化作動の終了後におい
て、前記変速変更手段に従う変速段へショックを発生さ
せることなく安定的に復帰できるか否かを判定する安定
復帰判定手段と、この安定復帰判定手段により変速変更
手段に従う変速段へショックを発生させることなく安定
的に復帰できると判定された場合には、前記自動変速機
の変速段をその変速変更手段に従う変速段へ復帰させる
変速段復帰手段を含むものである。
【0012】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、第1発
明の車両の制御装置において、前記挙動制御手段は車両
の挙動が不安定となる場合には、自動変速機の変速段を
固定するとともに、車両の挙動を安定化させるものであ
り、(a) 前記自動変速機の変速段の固定を解除したとき
のショックが少なくなるように予め設定された変速段固
定解除走行状態であるか否かを判定する変速段固定解除
走行状態判定手段と、(b) その変速段固定解除走行状態
判定手段によって車両の走行状態が前記予め設定された
変速段固定解除走行状態であると判定された場合には、
前記自動変速機の変速段の固定を解除する変速段固定解
除手段とを、含むことにある。
【0013】
【第2発明の効果】このようにすれば、変速段固定解除
走行状態判定手段によって車両の走行状態が前記予め設
定された変速段固定解除走行状態であると判定された場
合には、変速段固定解除手段によって、前記自動変速機
の変速段の固定が解除されることから、その変速段の固
定を解除することによって、ダウン変速或いはアップ変
速が直ちに行われても、車両の走行状態が変速段固定解
除走行状態であるので、そのダウン変速によるショック
やアップ変速による駆動力の抜け感が好適に防止され
る。
【0014】
【第2発明の他の態様】ここで、好適には、上記変速段
固定解除走行状態判定手段は、予め設定された変速線図
から実際の車速およびスロットル弁開度に基づいて決定
される変速段と、車両の挙動が不安定となったときに固
定された自動変速機の変速段とが一致したことに基づい
て、車両の走行状態が予め設定された変速段固定解除走
行状態であると判定するものである。
【0015】また、好適には、前記変速段固定解除手段
は、前記変速段固定解除走行状態判定手段により、駆動
力が駆動輪からエンジンに向かって伝達されている走行
状態すなわちパワーオフ走行状態或いはエンジンブレー
キ走行状態であると判定されたとき、前記自動変速機の
アップ変速を解除するものである。
【0016】また、好適には、前記変速段固定解除手段
は、前記変速段固定解除走行状態判定手段により、駆動
力がエンジンから駆動輪に向かって伝達されている走行
状態すなわちパワーオン走行状態であると判定されたと
き、前記自動変速機のダウン変速を予め設定された変速
幅の範囲内で解除するものである。この予め設定された
変速幅の範囲は、その後のアクセルペダルの踏み込み時
に違和感が発生しないように予め設定されたものであ
る。
【0017】
【発明の実施の態様】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施例の変速制御装置
により変速制御される車両用自動変速機の一例を示す骨
子図である。図において、エンジン10の出力は、トル
クコンバータ12を介して自動変速機14に入力され、
図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝
達されるようになっている。
【0019】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプ翼車18と、自
動変速機14の入力軸20に連結されたタービン翼車2
2と、それらポンプ翼車18およびタービン翼車22の
間を直結するロックアップクラッチ24と、一方向クラ
ッチ26によって一方向の回転が阻止されているステー
タ28とを備えている。
【0020】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。
【0021】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0022】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0023】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0024】中央差動歯車装置45は、ピニオンP4を
回転可能に支持し且つ出力軸42に連結されたキャリヤ
K4と、トランスファ装置46を介して前輪側シャフト
47に連結されたサンギヤS4と、後輪側シャフト48
に連結されたリングギヤR4と、キャリヤK4とサンギ
ヤS4との間に設けられた差動制限クラッチ49とを備
え、自動変速機14から出力された駆動力を前輪側シャ
フト47と後輪側シャフト48とに分配する。前輪側シ
ャフト47および後輪側シャフト48にそれぞれ伝達さ
れた駆動力は、図示しない差動歯車装置を介して一対の
前輪および後輪へそれぞれ伝達される。
【0025】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
変速比が順次異なる前進5段のギヤ段のいずれかに切り
換えられる。図2において○印は係合状態を示し、空欄
は解放状態を示し、●はエンジンブレーキのときの係合
状態を示している。この図2からも明らかなように、ブ
レーキB3は、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換
える変速に際して係合させられるようになっている。
【0026】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセル操作量センサ52により検出さ
れたアクセルペダル50の操作量に基づいてスロットル
アクチュエータ54により駆動されるスロットル弁56
が設けられている。また、エンジン10の回転速度NE
を検出するエンジン回転速度センサ58、エンジン10
の吸入空気量Q/Nを検出する吸入空気量センサ60、
吸入空気の温度TA を検出する吸入空気温度センサ6
2、上記スロットル弁56の開度θTHを検出するスロッ
トルセンサ64、出力軸42の回転速度NOUT すなわち
車速Vを検出する車速センサ66、エンジン10の冷却
水温度TW を検出する冷却水温センサ68、ブレーキの
作動を検出するブレーキスイッチ70、シフトレバー7
2の操作位置PSHを検出する操作位置センサ74、入力
軸20すなわちクラッチC0の回転速度NC0を検出する
クラッチC0回転センサ73、油圧制御回路84の作動
油温度TOIL を検出する油温センサ75などが設けられ
ており、それらのセンサから、エンジン回転速度NE
吸入空気量Q/N、吸入空気温度TA 、スロットル弁の
開度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの
作動状態BK、シフトレバー72の操作位置PSH、クラ
ッチC0の回転速度NC0、作動油温度TOIL を表す信号
がエンジン用電子制御装置76或いは変速用電子制御装
置78に供給されるようになっている。
【0027】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁
80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ80を
制御し、アイドルスピード制御のために図示しないバイ
パス弁を制御し、トラクション制御のためにスロットル
アクチュエータ54によりスロットル弁56を制御す
る。このエンジン用電子制御装置76は、変速用電子制
御装置78およびVSC用電子制御装置82と相互に通
信可能に接続されており、一方に必要な信号が他方から
適宜送信されるようになっている。
【0028】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、スロットル弁52の開度θ
THに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるた
めにリニヤソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を制御す
るためにリニヤソレノイド弁SLN を、ロックアップクラ
ッチ24の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3の直
接制御、およびクラッチツウクラッチのシフトを制御す
るためにリニヤソレノイド弁SLU をそれぞれ駆動する。
また、変速用電子制御装置78は、たとえば図23に示
す予め記憶された変速線図から実際のスロットル弁開度
θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機14のギヤ段を
決定し、この決定されたギヤ段および係合状態が得られ
るように電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブ
レーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。
【0029】また、車両には、ヨーレートを検出するヨ
ーレートセンサ83、加速度センサ84、舵角センサ8
5、車輪回転速度センサ86が設けられており、それら
のセンサから、車体の鉛直軸まわりの回転角速度(ヨー
レート)ωY 、車体の前後方向の加速度G、ステアリン
グホイールの舵角θW 、4つの車輪の回転速度NW1〜N
W4を表す信号がVSC用電子制御装置82に供給される
ようになっている。このVSC用電子制御装置82も、
上記と同様のマイクロコンピュータであって、CPUは
RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶さ
れたプログラムに従って入力信号を処理し、スロットル
アクチュエータ54を介してスロットル弁56を駆動す
るとともに、ハイドロブースタアクチュエータ87に備
えられた図示しない電磁弁を駆動して4つの車輪のブレ
ーキ油圧をそれぞれ制御する。このハイドロブースタア
クチュエータ87は図示しない制動用油圧回路に組入れ
られており、必要に応じて4つの車輪の制動力が独立に
制御されるようになっている。上記VSC用電子制御装
置82も、エンジン用電子制御装置76および変速用電
子制御装置78と相互に通信可能に接続されており、一
方に必要な信号が他方から適宜送信されるようになって
いる。
【0030】図4および図5は上記油圧制御回路84の
要部を示している。図4および図5において、1−2シ
フト弁88および2−3シフト弁90は、電磁弁S1、
S2の出力圧に基づいて、第1速ギヤ段から第2速ギヤ
段への変速時および第2速ギヤ段から第3速ギヤ段への
変速時においてそれぞれ切り換えられる切換弁であり、
その切換位置を示す数値はギヤ段を示している。前進レ
ンジ圧PD は、シフトレバー72が前進レンジ(D、
4、3、2、L)へ操作されているときに図示しないマ
ニュアル弁から発生される圧であり、図示しないライン
圧調圧弁によりスロットル弁開度θTHに応じて高くなる
ように調圧されるライン圧PL を元圧としている。
【0031】第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換え
る変速出力が出された時には、上記前進レンジ圧P
D は、1−2シフト弁88、2−3シフト弁90、油路
L01、B3コントロール弁92、油路L02を経てブ
レーキB3へ供給される。なお、94は緩衝用のダンパ
である。また、第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へ切り換
える変速出力が出された時には、前進レンジ圧PD は、
2−3シフト弁90、油路L03を経て、ブレーキB2
およびB2アキュムレータ100へ供給されると同時
に、ブレーキB3内の作動油は、油路L02、B3コン
トロール弁92、油路L01、2−3シフト弁90、戻
り油路L04、2−3タイミング弁98を経て調圧ドレ
ンされるとともに、戻り油路L04から分岐する分岐油
路L05およびB2オリフィスコントロール弁96を経
て急速ドレンされるようになっている。
【0032】上記B2アキュムレータ100の背圧室1
00B には、リニヤソレノイド弁SLT の出力圧PSLT
リニヤソレノイド弁SLN の出力圧PSLN に基づいてアキ
ュム背圧PACC を発生させる図示しないアキュム背圧制
御弁からのアキュム背圧PAC C が、各変速に際して供給
される。
【0033】前記B3コントロール弁92は、油路L0
1と油路L02との間を開閉するスプール弁子104
と、スプリング106を挟んでスプール弁子104と同
心に設けられ且つそのスプール弁子104よりも大径の
プランジャ108と、スプリング106を収容し、前記
2−3シフト弁90が第3速側へ切り換えられたときに
それから出力される前進レンジ圧PD を油路L07を介
して受け入れる油室110と、プランジャ108の軸端
に設けられてリニヤソレノイド弁SLU の出力圧P SLU
受け入れる油室112とを備えている。このため、B3
コントロール弁92は、第2速ギヤ段の成立過程では、
リニヤソレノイド弁SLU の出力圧PSLU に従ってスプー
ル弁子104を中心線の左側に示す開位置に位置させて
ファーストフィルをその初期に行うとともに、その後は
油路L01からの作動油を油路L02に供給したり或い
は油路L02内の作動油を排出油路L06へ流出させる
ことによりブレーキB3内の係合圧PB3の立ち上がりを
数式1から上記出力圧PSLUに基づき、アキュムレータ
による緩衝作用の如くに、直接的に調圧する。前記リニ
ヤソレノイド弁SLU は、その出力圧PSLU が変速用電子
制御装置78からリニヤソレノイド弁SLU へ供給される
指令値DSLU(駆動デューティ比:単位は%)に応じ
て増加するように構成されている一方、数式1から明ら
かなように、ブレーキB3内の係合圧PB3とリニヤソレ
ノイド弁SLU の出力圧PSLU とは相互に比例的に対応し
ているので、上記指令値DSLUとブレーキB3内の係
合圧PB3とは一義的に対応している。なお、数式1にお
いて、S1 およびS2 はプランジャ108およびスプー
ル弁子104の断面積である。
【0034】(数1) PB3=PSLU ・S1 /S2
【0035】B2オリフィスコントロール弁96は、ブ
レーキB2およびB2アキュムレータ100と油路L0
3との間を開閉すると同時に排出油路L06とドレンポ
ート113との間を開閉するスプール弁子114と、ス
プール弁子114をファーストドレン位置へ向かって付
勢するスプリング116と、スプール弁子114の軸端
に設けられて第3電磁弁S3の出力圧PS3を3−4シフ
ト弁118を通して受け入れる油室120とを備えてい
る。これにより、3→2変速時などには第3電磁弁S3
がオン状態とされてその出力圧PS3が油室120に供給
されなくなるので、スプール弁子114によりブレーキ
B2およびB2アキュムレータ100と油路L03との
間を開かれて、それらブレーキB2およびB2アキュム
レータ100からの作動油の排出を速やかに行うファー
ストドレン作動が行われる。また、1→2変速において
は、上記第3電磁弁S3がオフ状態とされてその出力圧
S3が油室120に供給されることにより、B3コント
ロール弁92の調圧作動によりそれから排出される作動
油を排出させる排出油路L06とドレンポート113と
の間が開かれてそのB3コントロール弁92の調圧作動
が許容されるが、1→2変速が完了すると第3電磁弁S
3がオン状態とされて排出油路L06とドレンポート1
13との間が閉じられることによりB3コントロール弁
92の調圧作動が停止させられる。
【0036】2−3タイミング弁98は、第2速ギヤ段
から第3速ギヤ段への変速に関与し、ブレーキB3から
の解放圧をリニヤソレノイド弁SLU から出力圧PSLU
従って調圧する調圧弁として機能する。すなわち、2−
3タイミング弁98は、2→3変速が出力されたときに
2−3シフト弁90から出力された前進レンジ圧PD
3−4シフト弁118およびソレノイドリレー弁122
を通して供給される供給ポート124と、ドレンポート
126と、油路L04をその供給ポート124またはド
レンポート126に連通させることによりブレーキB3
のドレン期間の圧力PB3を調圧するスプール弁子128
と、スプリング130を介してスプール弁子128と同
心に設けられ且つそのスプール弁子128と同径の第1
プランジャ132と、スプール弁子128と同心に且つ
その一端に当接可能に設けられ且つそのスプール弁子1
28よりも大径の第2プランジャ134と、スプリング
130を収容し、前記2−3シフト弁90が第2速側へ
切り替えられたときにそれから出力される前進レンジ圧
D を油路L08を介して受け入れる油室136と、第
1プランジャ132の軸端に設けられ、リニヤソレノイ
ド弁SLU からの出力圧PSLU を受け入れる油室138
と、第2プランジャ134の軸端に設けられ、ブレーキ
B2内の油圧PB2を受け入れる油室140と、フィード
バック圧を受け入れるフィードバック油室142とを備
えている。
【0037】したがって、スプール弁子128および第
1プランジャ132の断面積をS3、スプール弁子12
8の第2プランジャ134側のランドの断面積をS4
第2プランジャ134の断面積をS5 とすると、2→3
変速出力が出された状態における解放過程のブレーキB
3の圧力PB3は、2−3タイミング弁98による調圧作
動により、数式2から、ブレーキB2の係合圧PB2の増
加に応じて減少し、リニヤソレノイド弁SLU の出力圧P
SLU に応じて増加するように調圧される。
【0038】(数2) PB3=PSLU ・S3 /(S3 −S4 )−PB2・S5
(S3 −S4
【0039】また、上記2−3タイミング弁98は、第
2速側へ切り換えられた2−3シフト弁90から出力さ
れる前進レンジ圧PD が油室136へ供給されると、上
記スプール弁子128がロックされるようになってい
る。これも、2−3タイミング弁98の油室138とB
3コントロール弁92の油室112とが接続されている
ことから、第1速および第2速の状態では2−3タイミ
ング弁98の油室138の容積変化を阻止して、B3コ
ントロール弁92の調圧作動に影響を与えないようにす
るためである。
【0040】C0エキゾースト弁150は、第3電磁弁
S3の出力圧PS3および油路L01内の油圧に従って閉
位置に位置させられるが、第4電磁弁S4の出力圧PS4
に従って開位置に位置させられるスプール弁子152を
備え、図示しない4−5シフト弁が第4速以下の切り換
え状態であるときにそれを経由して供給されるライン圧
L を、第2速および第5速時以外のときにクラッチC
0およびC0アキュムレータ154に供給する。
【0041】上記油圧制御回路84では、たとえば2→
1変速判断が行われて第1速ギヤ段を達成するための変
速出力が出されると、1−2シフト弁88がその第2速
側から第1速側へ切り換えられる。これにより、ブレー
キB3内の作動油が、B3コントロール弁92、油路L
01、2−3シフト弁90、油路L04、2−3タイミ
ング弁98を経てドレンされる。このような2→1変速
の変速期間では、B3コントロール弁92を用いてブレ
ーキB3内の係合圧PB3を直接的に制御することによ
り、ブレーキB3の係合圧PB3を予め決定された急速低
下値PD まで急速低下させ、その急速低下値PD に所定
の保持期間だけ保持させ、所定の速度で連続的に低下さ
せ、変速完了時に大気圧とする制御が実行される。上記
B3コントロール弁92は、リニヤソレノイド弁SLU の
出力圧PSLU すなわちそのリニヤソレノイド弁SLU への
指令値(駆動デューティ比)DSLUに従って制御され
る。たとえば、上記急速低下値PD は、ブレーキB3の
解放直前の値であって基本的には自動変速機14の入力
トルクに基づいて決定されるが、ブレーキB3の摩擦特
性の経時変化に対応するために、2→1変速の進行状態
が目標進行状態となるように、たとえば2→1変速開始
からブレーキB3の解放開始或いは2→1変速完了まで
の時間が目標時間となるように、学習により補正され
る。
【0042】また、たとえばクラッチツウクラッチ変速
である2→3変速判断が行われて第3速ギヤ段を達成す
るための変速出力が出されると、2−3シフト弁90が
その第2速側から第3速側へ切り換えられる。これによ
り、ブレーキB3内の作動油が、B3コントロール弁9
2、油路L01、2−3シフト弁90、油路L04、2
−3タイミング弁98を経てドレンされると同時に、前
進レンジ圧PD が2−3シフト弁90、油路L03を経
てブレーキB2へ供給される。このような2→3変速の
変速期間では、ブレーキB2内の係合圧PB2は、アキュ
ムレータ100の作用により所定の速度で上昇させら
れ、そのアキュムレータ100の蓄圧作用が終了すると
最大値へ急速昇圧させられる。同時に、B3コントロー
ル弁92を用いてブレーキB3内の係合圧PB3を直接的
に制御することにより、ブレーキB3の係合圧PB3は予
め決定された急速低下値PD まで急速低下させられ、そ
の急速低下値PD に所定の保持期間だけ保持され、所定
の低下速度ΔPで連続的に低下させられ、変速完了時に
大気圧とする制御が実行される。このとき、たとえば、
上記急速低下値PD 、保持期間、或いは低下速度ΔP
は、上記2→3変速期間内において、エンジン回転速度
の一時的上昇であるオーバシュート量或いは自動変速機
14の出力軸トルクの一時的下降であるタイアップ量が
予め設定された目標範囲内となるように学習により補正
される。
【0043】図6は、エンジン用電子制御装置76、変
速用電子制御装置78、VSC用電子制御装置82によ
る制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
図において、旋回挙動制御手段160は、車両の旋回挙
動が不安定となると判定された場合には、たとえば図1
8に示すように、前記ハイドロブースタアクチュエータ
87を含む制動装置162を介して車両の制動力を制御
し、或いはスロットルアクチュエータ54を介してスロ
ットル弁56を変化させることによりエンジン出力を制
御して、車輪の横すべりを抑制して車両の旋回挙動を安
定化させる。たとえば、旋回挙動制御手段160は、車
体の進行方向と車両重心の進行方向との間のスリップ角
βが設定スリップ角よりも大きく且つスリップ角βの変
化速度dβ/dtが設定スリップ角速度よりも大きい場
合には車両走行状態がオーバーステア傾向であると判定
し、その傾向に応じて旋回外側の前輪に制動をかけてオ
ーバーステア抑制モーメントを発生させることにより旋
回挙動を安定化し、同時に制動力により車速を低下させ
て車両の安定性を高める。また、旋回挙動制御手段16
0は、実際の車両のヨーレートωY が操舵角θW と車速
Vとから設定される目標ヨーレートを下回ったことに基
づいて車両走行状態がアンダーステア傾向にあると判定
し、その傾向に応じてエンジン出力を抑制し且つ後輪に
制動力を与えてアンダーステア抑制モーメントを発生さ
せることにより、車両の旋回挙動を安定化させる。
【0044】学習制御手段164は、車両の動力伝達経
路に設けられた油圧式摩擦係合装置の作動に関連する学
習制御を実行するものであり、たとえば、変速油圧学習
制御手段166は、自動変速機14の変速過程において
作動させられる油圧式摩擦係合装置の油圧たとえばブレ
ーキB3の係合圧PB3を、その自動変速機14の2→1
変速或いは2→3変速の進行状態が予め設定された目標
変速進行状態となるように、たとえば変速開始からブレ
ーキB3の解放開始或いは変速完了までの時間が目標変
速時間と一致するように、学習により制御するものであ
る。たとえば、ブレーキB3の解放とブレーキB2の係
合とが同時期に行われることによって達成される2→3
変速では、上記変速油圧学習制御手段166は、それら
ブレーキB3およびブレーキB2のうち、B3コントロ
ール弁92により直接的に制御されるブレーキB3の係
合圧PB3を、エンジン回転速度NE の一時的上昇である
オーバシュート量或いは自動変速機14の出力軸トルク
の一時的下降であるタイアップ量が予め設定された目標
範囲内となるように、学習により制御するものである。
学習制御手段164には、上記の他に、特開平1−15
0050号公報、特開平2−42265号公報、特開平
5−296323号公報、特開平6−331016号公
報に記載されたような学習制御手段が含まれてもよい。
【0045】ロックアップスリップ学習制御手段168
は、エンジン10と自動変速機14との間に設けられた
流体式伝動装置であるトルクコンバータ12のポンプ翼
車(入力側回転体)18およびタービン翼車(出力側回
転体)22を直結するロックアップクラッチ24の実際
のスリップ量を目標スリップ量と一致させるためのスリ
ップ制御時において、摩擦特性の変化に拘わらず安定し
た制御が得られるように、その実際のスリップ量を目標
スリップ量と一致させるための制御式に設けられたフィ
ードフォワード項の一部を学習により補正する。
【0046】差動制限クラッチ学習制御手段170は、
中央差動歯車装置45に設けられてその差動を制限する
ことにより駆動力の分配率を車両走行状態に応じて制御
する差動制限クラッチ49の押付け力を制御するための
油圧を、摩擦特性の変化に拘わらず分配率が得られるよ
うに、学習により制御するものである。
【0047】旋回挙動制御作動中判定手段172は、前
記旋回挙動制御手段160による車両の旋回挙動制御作
動中であるか否かをVSC用電子制御装置82の出力な
どに基づいて判定する。学習制御中止手段173は、そ
の旋回挙動制御作動判定手段172により旋回挙動制御
手段160による車両の旋回挙動制御作動中であると判
定された場合には、学習制御手段164による学習制御
を中止させる。
【0048】図7は、VSC用電子制御装置82の制御
作動の要部を説明するフローチャートである。図7のス
テップ(以下、ステップを省略する。)SA1では、各
カウンタ、フラグのクリアや各入力信号の読み込みを行
う初期処理が実行される。次いで、SA2では各センサ
が正常であるか否かが判断される。このSA2の判断が
否定された場合は、誤った学習が行われることになるの
で、SA5において前記学習制御手段164による学習
制御が中止される。
【0049】しかし、上記SA2の判断が肯定された場
合は、前記旋回挙動制御作動中判定手段172に対応す
るSA3において、旋回挙動制御手段160による旋回
挙動制御作動中であるか否かが、たとえばVSC用電子
制御装置82内の信号に基づいて判断される。上記SA
3の判断が否定された場合は、SA4において、前記学
習制御手段164による学習制御の実行が許可される
が、上記SA3の判断が肯定された場合は、前記学習制
御中止手段173に対応するSA5において、旋回挙動
制御作動中における学習制御手段164による学習制御
の実行が阻止される。
【0050】本実施例によれば、旋回挙動制御作動中判
定手段172(SA3)により旋回挙動制御手段160
による車両の旋回挙動制御作動中であると判定された場
合には、学習制御中止手段173(SA5)により、学
習制御手段164による学習制御が中止されることか
ら、上記旋回挙動制御手段160によって、スロットル
弁開度θTH、車輪の制動装置162などが旋回挙動安定
化のために制御される過程で駆動系装置の学習制御が実
行されることがなくなるので、誤った学習が行われるこ
とに起因して駆動系装置の制御が不安定となったりショ
ックが発生したりすることが好適に解消される。したが
って、旋回挙動制御手段160による旋回挙動安定化作
動と、直結クラッチ付トルクコンバータ12、自動変速
機14、差動制限クラッチ49などによる駆動系装置の
作動との間での不都合が発生することが防止される。
【0051】次に、他の実施例を説明する。なお、以下
の説明においては、前述の実施例と相違する部分を専ら
説明し、その前述の実施例と共通する部分には同一の符
号を付して説明を省略する。
【0052】図8および図9は、エンジン用電子制御装
置76、変速用電子制御装置78、VSC用電子制御装
置82による制御機能の要部を示す機能ブロック線図お
よび制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【0053】図8において、自動変速制御手段174
は、たとえば図23に示すような、各ギヤ段間の変速の
種類に対応する複数本のアップシフト用変速線およびダ
ウンシフト用変速線から成る予め記憶された基本変速線
図から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基づ
いて自動変速機14の変速判断を実行し、その変速判断
されたシフト先のギヤ段を達成させるように電磁弁S
1、S2、S3を駆動するための駆動信号の出力すなわ
ち変速出力を実行する。
【0054】変速中判定手段176は、エンジンの出力
が駆動輪へ向かって伝達される車両のパワーオン走行状
態において、前記自動変速機14の変速中すなわち所定
の変速を実現するための変速出力が開始されてからその
変速が完了するまでの変速過渡期間であるか否かを、変
速用電子制御装置78或いは上記自動変速制御手段17
4からの変速出力状態などに基づいて判定する。
【0055】駆動力算出手段178は、旋回挙動制御作
動中判定手段172によって旋回挙動制御手段160に
よる旋回挙動制御作動中であると判定された場合は、た
とえば数式3に示す予め設定された関係から実際のエン
ジンの出力トルク、トルクコンバータのトルク比t、自
動変速機14の変速比ig 、差動歯車装置の減速比i f
に基づいて車両の実際の駆動力DFを算出する。数式3
において、右辺第1項はエンジン10の実際の有効出力
(出力トルク)を示し、GNは吸入空気量、GNFWD
吸入空気量フィードフォワード補正値、Mは補機負荷お
よびエンジン回転損失である。前記旋回挙動制御手段1
60は、上記車両の実際の駆動力DFに基づいてその車
両の旋回挙動を安定化させる旋回挙動制御を実行する。
なお、上記駆動力算出手段178は、たとえば特開平5
−164233号公報、特開平5−77660号公報、
特開平5−65843号公報に記載されたトルク推定方
法が用いられてもよい。
【0056】(数3) DF=〔f(GN)+f(GNFWD )−M〕×t×ig
×if +IΔω
【0057】駆動力補正手段180は、旋回挙動制御作
動中判定手段172によって旋回挙動制御手段160に
よる旋回挙動制御作動中であると判定され、且つ上記変
速中判定手段176により自動変速機14の変速中であ
ると判定された場合には、上記駆動力算出手段178に
より算出される車両の実際の駆動力DFを、自動変速機
14の変速による影響を加味して補正する。たとえば、
上記数式3の右辺にイナーシャ項IΔωが設けられ、駆
動力補正手段180は、変速過程において回転変化する
回転部材の回転角速度の変化率Δωをその回転軸まわり
の慣性モーメントIに乗算して得た変速過程で発生する
駆動力(イナーシャトルクに基づく駆動力)を加算する
ことによって、上記駆動力算出手段178により算出さ
れる車両の実際の駆動力DFを補正する。すなわち、変
速期間内では、回転角速度の変化率Δωが逐次求められ
ることにより車両の実際の駆動力DFが逐次算出され
る。
【0058】図9は、VSC用電子制御装置82などの
制御作動の要部を説明するフローチャートである。図9
のSB1では、各カウンタ、フラグのクリアや各入力信
号の読み込みを行う初期処理が実行される。次いで、S
B2では各センサが正常であるか否かが判断される。こ
のSB2の判断が否定された場合は本ルーチンが終了さ
せられるが、肯定された場合には、前記旋回挙動制御作
動中判定手段172に対応するSB3において、旋回挙
動制御手段160による旋回挙動制御作動中であるか否
かが、たとえばVSC用電子制御装置82内の信号に基
づいて判断される。このSB3の判断が否定された場合
は本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合に
は、前記変速中判定手段176に対応するSB4におい
て、車両のパワーオン走行において自動変速機14の変
速中であるか否かが判断される。
【0059】上記SB4の判断が否定された場合には、
駆動力算出手段178に対応するSB5において、変速
中のイナーシャトルクに基づく駆動力を考慮しない通常
の算出式すなわち右辺からイナーシャ項IΔωが除去さ
れた数式3から車両の実際の駆動力DFが算出される。
しかし、上記SB4の判断が肯定された場合には、前記
駆動力算出手段178および駆動力補正手段180に対
応するSB6において、数式3から変速期間内の車両の
実際の駆動力DFが算出される。そして、SB7におい
て、駆動力DFの演算精度に影響するスリップ制御を中
止するためにロックアップクラッチ24が解放される。
【0060】上述のように、本実施例によれば、変速中
判定手段176(SB4)により自動変速機14の変速
中であると判定された場合には、駆動力補正手段180
(SB6)により、駆動力算出手段178により算出さ
れる駆動力DFが、自動変速機14の変速中に発生する
イナーシャトルクによる影響を加味して補正されること
から、旋回挙動制御手段160が自動変速機14などの
駆動系装置の制御のために算出されたエンジンの出力ト
ルクを用いて駆動力制御を実行しようとする場合に、自
動変速機14の変速過渡中はイナーシャトルクが加わっ
たとしても、駆動力制御の精度が充分に得られる。した
がって、自動変速機14などの駆動系装置の制御のため
に算出されたエンジンの出力トルクを用いて駆動力制御
を実行しようとする場合でも、旋回挙動制御手段160
による旋回挙動安定化作動と、自動変速機14などの駆
動系装置の制御作動との間での不都合が発生することが
防止される。
【0061】なお、自動変速機14の変速期間内におけ
る自動変速機14の出力トルクは、たとえばクラッチツ
ウクラッチ変速である2→3変速では、図10に示すよ
うに、解放側のブレーキB3および係合側のブレーキB
2が共に滑った状態で係合しているイナーシャ相におい
て、イナーシャトルクの影響によって次第に大きくなる
性質があり、上記実施例では、そのときの駆動力DFが
逐次算出されるのであるが、上記SB6においては、上
記イナーシャ相の平均値に対応する補正値Aを、イナー
シャ項IΔωに代えて数式3に設けてもよい。この補正
値Aは、たとえば2→3変速開始直前に駆動力算出手段
178により算出された駆動力に基づき、その駆動力に
一定の値を加算し或いは一定の割合で増加させることに
より決定される。
【0062】図11および図12は、エンジン用電子制
御装置76、変速用電子制御装置78、VSC用電子制
御装置82による制御機能の要部を示す機能ブロック線
図および制御作動の要部を説明するフローチャートであ
る。
【0063】図11の機能ブロック線図において、動力
伝達状態変更抑制手段184は、旋回挙動制御作動中判
定手段172により旋回挙動制御手段160による旋回
挙動を安定化作動中であると判定された場合に、車両の
駆動系の動力伝達状態の変更を抑制する。たとえば、自
動変速機14の変速を禁止することによりその変速比変
化を抑制し、ロックアップクラッチ24の解放状態、係
合状態、およびスリップ状態の間の切り換えを禁止して
動力伝達状態の変化を抑制、或いは、差動制限クラッチ
49の解放状態、係合状態、およびスリップ状態の間の
切り換えを禁止して動力伝達状態の変化を抑制する。
【0064】図12は、VSC電子制御装置82などに
よる制御作動の要部を説明するフローチャートである。
この図12は、図9に対して、SB1乃至SB5が共通
し、SB61およびSB71が相違する。本実施例で
は、旋回挙動制御作動中判定手段172に対応するSB
3において旋回挙動制御手段160による旋回挙動を安
定化作動中であると判定され、且つ変速中判定手段17
6に対応するSB4において変速中であると判定された
ときに、動力伝達状態変更抑制手段184に対応するS
B61およびSB71が実行される。このSB61では
自動変速機14の変速が禁止され、SB71ではロック
アップクラッチ24の係合状態の切り換えが禁止され
る。
【0065】本実施例では、旋回挙動制御作動中判定手
段172(SB3)により旋回挙動制御手段160によ
る旋回挙動の安定化作動中であると判定された場合に
は、動力伝達状態変更抑制手段184(SB61、SB
71)により前記車両の駆動系の動力伝達状態の変更が
抑制されることから、エンジン10の出力トルクを用い
て駆動力制御を実行しようとする場合、ロックアップク
ラッチ24の係合状態に関連してそのトルク比tが変化
したとしても、駆動力制御の精度が充分に得られる。し
たがって、ロックアップクラッチ24などの駆動系装置
の制御のために算出されたエンジンの出力トルクを用い
て駆動力制御を実行しようとする場合でも、旋回挙動制
御手段160による旋回挙動安定化作動と、ロックアッ
プクラッチ24などの駆動系装置の制御作動との間での
不都合が発生することが防止される。
【0066】図13および図14は、第1発明が好適に
適用されたエンジン用電子制御装置76、変速用電子制
御装置78、VSC用電子制御装置82による制御機能
の要部を示す機能ブロック線図および制御作動の要部を
説明するフローチャートである。
【0067】図13の機能ブロック線図において、変速
変更手段188は、車両の舵角が所定値を越えたコーナ
リング走行状態、路面勾配が所定値を越えた登坂走行状
態或いは降坂走行状態のような予め設定された車両走行
状態となったとき、自動変速制御手段174による変速
制御を変更する。たとえば、変速変更手段188は、車
両走行状態が上記予め設定された走行状態となると、車
両の安定性或いは運転性を高めるために、そのときの自
動変速機14の変速段に固定し、自動変速制御手段17
4の変速判断に拘わらず、それ以後はその変速段に保持
する。変速変更中判定手段190は、上記変速変更手段
188により自動変速制御手段174による変速を変更
中であるか否かを判定する。旋回挙動制御優先手段19
2は、その変速変更中判定手段190により変速変更手
段188の変速変更中であると判定される間、上記変速
変更手段188の変速変更作動を停止させて、旋回挙動
制御手段160による車両の旋回挙動安定化作動を優先
的に実行させる。
【0068】安定復帰判定手段194は、上記旋回挙動
制御優先手段192による旋回挙動制御手段160の優
先的作動が終了すると、変速変更手段188の変速変更
作動に従う変速段へショックを発生させることなく安定
的に復帰できる状態か否かを判定する。たとえば、スロ
ットル弁開度θTHが所定値以下の走行状態であるか否
か、或いは変速変更手段188の変速変更作動に従う変
速段と自動変速制御手段174により変速判断された変
速段とが一致するか否かが判断される。この安定復帰判
定手段194により変速変更手段188の変速変更作動
に従う変速段へショックを発生させることなく安定的に
復帰できる状態であると判定された場合には、変速段復
帰手段196により、自動変速機14のギヤ段が変速変
更手段188の変速変更作動に従う変速段へ復帰させら
れる。
【0069】図14は、VSC電子制御装置82などに
よる制御作動の要部を説明するフローチャートである。
SC1において前記SA1と同様にして初期処理が行わ
れた後、SC2では、SB2と同様にして各センサが正
常であるか否かが判断される。このSC2の判断が否定
された場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定され
た場合は、前記変速変更中判定手段190に対応するS
C3において、変速用電子制御装置78或いは変速変更
手段188によるコーナリング制御中であるか否かが判
断される。このコーナリング制御では、舵角が車速Vが
高くなる程小さく設定される判断基準値を越えている期
間において自動変速機14の変速段が固定される。
【0070】上記SC3の判断が否定された場合は、S
C4においてフラグF1 の内容が「0」にクリアされた
後、本ルーチンが終了させられる。このフラグF1 は、
その内容が「1」であるときに前記旋回挙動制御手段1
60による旋回挙動安定化作動中であることを示すもの
である。
【0071】上記SC3の判断が肯定された場合は、S
C5において、旋回挙動制御手段160による旋回挙動
安定化作動中であるか否かが判断される。旋回挙動安定
化作動開始前である場合は、そのSC5の判断が否定さ
れ、続くSC6においてフラグF1 の内容が「1」では
ないと判断されるため、SC7において、前記コーナリ
ング制御が継続される。
【0072】しかし、旋回挙動制御手段160による旋
回挙動安定化作動が開始されると、上記SC5の判断が
肯定されるので、前記旋回挙動制御優先手段192に対
応するSC8において、コーナリング制御が中止される
ことにより旋回挙動制御手段160による旋回挙動安定
化作動が優先的に実行された後、SC9においてフラグ
1 の内容が「1」にセットされる。
【0073】旋回挙動制御手段160による旋回挙動安
定化作動が終了すると、上記SC5の判断が否定され且
つSC6の判断が肯定されるので、SC10において再
びコーナリング判定が行われた後、前記安定復帰判定手
段194に対応するSC11において、スロットル弁開
度θTHが所定値を下回ったことに基づいて安定復帰条件
が成立したか否かが判断される。このSC11の判断が
否定された場合は待機させられるが、肯定された場合
は、前記変速段復帰手段196に対応するSC12にお
いて、変速変更手段188に従う変速段すなわち前記コ
ーナリング制御において固定判断された変速段へ復帰さ
せられた後、SC13においてフラグF1が「0」にク
リアされた後、本ルーチンが終了させられる。
【0074】上述のように、本実施例によれば、変速変
更中判定手段190(SC3)により変速変更手段18
8による自動変速機14の変速段を固定するコーナリン
グ制御中であると判定されているときには、旋回挙動制
御優先手段192(SC8)により、旋回挙動制御手段
160による車両の旋回挙動安定化作動が優先的に実行
させられることから、自動変速機14の変速段を固定す
る車両のコーナリング制御時には、旋回挙動制御手段1
60による旋回挙動安定化作動が行われてスロットル弁
開度θTHが減少させられたり或いはそれに加えて自動変
速機14のアップ変速を行うことがあったとしても、制
御間の干渉が好適に防止される。
【0075】また、本実施例では、旋回挙動制御手段1
60による旋回挙動安定化作動の終了後において、変速
変更手段188に従う変速段へショックを発生させるこ
となく安定的に復帰できるか否かを判定する安定復帰判
定手段194(SC11)と、この安定復帰判定手段1
94により変速変更手段188に従う変速段へショック
を発生させることなく安定的に復帰できると判定された
場合には、自動変速機14の変速段をその変速変更手段
188に従う変速段へ復帰させる変速段復帰手段196
(SC12)とが設けられているので、旋回挙動制御手
段160による旋回挙動安定化作動の終了後において、
自動変速機14の変速段がショックを発生させることな
く安定的に変速変更手段188に従う変速段へ復帰させ
られる。
【0076】なお、上記において、変速変更手段188
が、車両のコーナリング走行中に自動変速機14の変速
段を固定するコーナリング制御を行うものとして説明さ
れていたが、車両の登坂走行中或いは降坂走行中に自動
変速機14の変速段を固定する登坂制御或いは降坂制御
を行うものであってもよい。この場合には、SC3にお
いて登坂制御中或いは降坂制御中であるか否かが判断さ
れ、SC7において登坂制御或いは降坂制御が継続さ
れ、SC10において路面勾配が再判定される。
【0077】図15および図16は、エンジン用電子制
御装置76、変速用電子制御装置78、VSC用電子制
御装置82による制御機能の要部を示す機能ブロック線
図および制御作動の要部を説明するフローチャートであ
る。
【0078】図15の機能ブロック線図において、ロッ
クアップクラッチ制御手段200は、たとえば図17に
示す予め記憶された関係(線図)から実際の車速Vおよ
びスロトル弁開度θTHに基づいてロックアップクラッチ
24の係合或いは解放を判断し、判断された状態を達成
するための油圧をロックアップクラッチ24に付与す
る。旋回挙動制御開始判定手段202は、旋回挙動制御
手段160による旋回挙動開始を判定する。アンダース
テア判定手段204は、車両の旋回走行状態における実
際のヨーレートωY に基づいて所定値よりも大きい強い
アンダーステアを判定する。ロックアップクラッチ係合
判定手段206は、上記ロックアップクラッチ制御手段
200により制御されるロックアップクラッチ24が係
合状態にあることを判定する。
【0079】ロックアップクラッチ解放手段208は、
上記旋回挙動制御開始判定手段202により車両旋回挙
動の安定化作動の開始が判定され、アンダーステア判定
手段204により車両の強いアンダーステアが判定さ
れ、且つロックアップクラッチ制御手段200によりロ
ックアップクラッチ24が係合状態にあることが判定さ
れた場合に、ロックアップクラッチ24を優先的に解放
させる。このロックアップクラッチ解放手段208は、
旋回挙動制御手段160によるエンジン出力制御、車輪
の制動力制御が実行される前にロックアップクラッチ2
4を優先的に解放させ、旋回挙動制御手段160による
旋回挙動安定化作動中はそれを継続する。
【0080】図16は、VSC電子制御装置82などに
よる制御作動の要部を説明するフローチャートである。
SD1において前記SA1と同様にして初期処理が行わ
れた後、旋回挙動制御開始判定手段202に対応するS
D2では、旋回挙動制御手段160による旋回挙動制御
が開始されたか否かが判断される。このSD2の判断が
肯定された場合には、前記ロックアップクラッチ係合判
定手段206に対応するSD3において、ロックアップ
クラッチ制御手段200により制御されるロックアップ
クラッチ24が係合状態にあるか否かが判断される。こ
のSD3の判断が肯定された場合には、前記アンダース
テア判定手段204に対応するSD4において、旋回中
の車両が所定以上の強いアンダーステアであるか否かが
判断される。上記SD2、SD3、SD4の何れかの判
断が否定された場合は本ルーチンが終了させられるが、
SD2、SD3、SD4の判断がすべて肯定された場合
は、SD5以下が実行される。
【0081】前記ロックアップクラッチ解放手段208
に対応するSD5では、ロックアップクラッチ24が、
旋回挙動制御手段160によるエンジン出力低下制御の
実行および制動制御の実行に先立って、優先的に解放さ
れる。図18のt0 時点とt 1 時点との間はこの状態を
示している。次いで、SD6およびSD7において、旋
回挙動制御手段160によるエンジン出力制御および制
動制御がそれぞれ実行される。図18のt1 時点とt2
時点とはその状態をそれぞれ示している。
【0082】次いで、SD8では、旋回挙動制御手段1
60による旋回挙動制御作動が終了したか否かが判断さ
れる。このSD8の判断が否定された場合は上記SD5
以下が繰り返し実行されるが、肯定された場合(図18
のt4 時点)は、SD9において図17に示す関係から
ロックアップクラッチ24の係合領域であるか否かが判
断される。このSD9の判断が否定された場合は本ルー
チンが終了させられるが、肯定された場合は、SD10
においてロックアップクラッチ24が再び係合させられ
る。図18のt5 時点はこの状態を示す。
【0083】上述のように、本実施例によれば、旋回挙
動制御開始判定手段202(SD2)により車両旋回挙
動の安定化作動の開始が判定された場合には、ロックア
ップクラッチ解放手段208(SD5)により、ロック
アップクラッチ24が優先的に解放させられることか
ら、強いアンダーステア傾向が発生した場合には、旋回
挙動制御手段160によってスロットル弁開度θTHが減
少させられてエンジン出力が低下させられると同時に旋
回外側の前輪に制動が行われて、スロットル弁開度θTH
の減少や制動作動によるエンジン回転の急減が発生して
も、それらに起因するショックが発生することが好適に
防止される。
【0084】また、本実施例によれば、ロックアップク
ラッチ解放手段208(SD5)により、旋回挙動制御
手段160によるエンジン出力低下制御および制動制御
の実行に先立って、ロックアップクラッチ24が優先的
に解放させられることから、ロックアップクラッチ24
の解放の時間遅れがあっても、その時間遅れに起因する
ショックが好適に防止される。
【0085】また、本実施例によれば、旋回挙動制御開
始判定手段202(SD2)により車両旋回挙動の安定
化作動の開始が判定され、且つアンダーステア判定手段
204(SD4)により車両のアンダーステアが安定さ
れた場合に、ロックアップクラッチ解放手段208(S
D5)により、ロックアップクラッチ24が優先的に解
放させられるので、スロットル弁開度θTHの減少や制動
作動によるエンジン回転の急減によるショックが問題と
なるようなロックアップクラッチ24の解放が必要なと
きだけ解放される利点がある。
【0086】図19および図20は、エンジン用電子制
御装置76、変速用電子制御装置78、VSC用電子制
御装置82による制御機能の要部を示す機能ブロック線
図および制御作動の要部を説明するフローチャートであ
る。
【0087】図19の機能ブロック線図において、本実
施例の旋回挙動制御手段160は、旋回挙動を安定化さ
せるために、エンジン出力低下制御および制動制御を実
行するだけでなく、車両の駆動力を低減するために自動
変速機14の変速段を固定し或いはその自動変速機14
をアップ変速させる。変速状態変更可否判定手段212
は、自動変速機14の変速段を固定し或いはその自動変
速機をアップ変速させることが不可能な状態であるか否
かを判定する。たとえば、その変速状態変更可否判定手
段212は、自動変速機14の変速に関与する油圧式摩
擦係合装置を制御する切換弁或いは電磁弁の故障を検出
することに基づいて、自動変速機14の変速段を固定し
或いはアップ変速させることが不可能な状態であると判
定する。或いは、その変速状態変更可否判定手段212
は、自動変速機14のアップ変速が他の制御により禁止
されている変速であることに基づいて、自動変速機14
の変速段を固定し或いはアップ変速させることが不可能
な状態であると判定するものである。
【0088】旋回挙動安定化作動変更手段214は、旋
回挙動制御手段160による旋回挙動安定化作動により
変速機14の変速段の固定或いはアップ変速が要求され
た状態において、上記変速状態変更可否判定手段212
によって自動変速機14の変速段を固定し或いはその自
動変速機14をアップ変速させることが不可能な状態で
あると判定された場合には、旋回挙動制御手段160に
よる旋回挙動安定化作動を、その旋回挙動安定化作動を
中止し或いはその旋回挙動安定化作動の内容を切り換え
ることにより、変更する。
【0089】図20は、VSC電子制御装置82などに
よる制御作動の要部を説明するフローチャートである。
SE1において前記SA1と同様にして初期処理が行わ
れた後、SE2において旋回挙動制御手段160による
旋回挙動安定化作動中であるか否かが判断される。この
SE2の判断が否定された場合は本ルーチンが終了させ
られるが、肯定された場合には、SE3において、上記
旋回挙動制御手段160による旋回挙動安定化作動によ
って変速機14の変速段を固定或いはアップ変速させる
要求が出たか否かが判断される。このSE3の判断が否
定された場合は本ルーチンが終了させられる。
【0090】しかし、上記SE3の判断が肯定された場
合には、前記変速状態変更可否判定手段212に対応す
るSE4において、自動変速機14の変速段を固定或い
はアップ変速させるための電磁弁のソレノイドが故障で
あるか否かが判断される。このSE4の判断が否定され
た場合には、SE5において、旋回挙動制御手段160
による旋回挙動安定化作動の要求に従って変速機14の
変速段を固定し或いはアップ変速させる。
【0091】しかし、上記SE4の判断が肯定された場
合は、旋回挙動安定化作動変更手段214に対応するS
E6において、旋回挙動制御手段160による旋回挙動
安定化作動が中止させられるとともに、SE7において
その中止が図示しない表示器に表示される。
【0092】上述のように、本実施例においては、旋回
挙動制御手段160の要求により、自動変速機14の変
速段が所定のギヤ段に固定され或いはアップ変速させら
れると、その分の駆動力変化を予定してスロットル弁開
度が制御されるのであるが、変速状態変更可否判定手段
212(SE4)によって自動変速機14の変速段を固
定し或いはアップ変速させることが不可能な状態である
と判定された場合には、旋回挙動安定化作動変更手段2
14(SE6)によって旋回挙動制御手段160による
旋回挙動安定化作動が中止されることにより変更される
ことから、故障或いは変速禁止などの何らかの事情によ
り自動変速機14側で上記ギヤ段に固定或いはアップ変
速できない場合でも、旋回挙動の安定性が充分に得られ
る。
【0093】ここで、上記旋回挙動安定化作動変更手段
214(SE6)では、旋回挙動制御手段160による
旋回挙動安定化作動を中止させることにより、その旋回
挙動安定化作動が変更されていたが、自動変速機14の
変速段をアップ変速させることに代えて、旋回挙動安定
化作動を中止させ且つスロットル弁開度θTHを減少させ
ることにより、そのアップ変速による駆動力低下作用と
同様の駆動力低下作用を発生させるようにしてもよい。
【0094】図21および図22は、第2発明が好適に
適用されたエンジン用電子制御装置76、変速用電子制
御装置78、VSC用電子制御装置82による制御機能
の要部を示す機能ブロック線図および制御作動の要部を
説明するフローチャートである。
【0095】図21の機能ブロック線図において、旋回
挙動制御手段160は、旋回挙動を安定化させるため
に、エンジン出力低下制御および制動制御を実行するだ
けでなく、車両の駆動力を低減するために自動変速機1
4の変速段を固定させる。変速段固定解除走行状態判定
手段218は、上記旋回挙動制御手段160によって自
動変速機14の変速段の固定を解除したときのショック
が少なくなるように予め設定された変速段固定解除走行
状態であるか否かを判定する。
【0096】たとえば、上記変速段固定解除走行状態判
定手段218は、自動変速制御手段174によりたとえ
ば図23に示す予め設定された変速線図から実際の車速
Vおよびスロットル弁開度θTHに基づいて決定される変
速段と、旋回挙動制御手段160により車両の旋回挙動
が不安定となったときに固定された自動変速機14の変
速段とが一致したことに基づいて、車両の走行状態が予
め設定された変速段固定解除走行状態であると判定す
る。また、上記変速段固定解除走行状態判定手段218
は、駆動力が駆動輪からエンジン10に向かって伝達さ
れている走行状態すなわちパワーオフ走行状態或いはエ
ンジンブレーキ走行状態であると判定されたこと、或い
は駆動力がエンジン10から駆動輪に向かって伝達され
ている走行状態すなわちパワーオン走行状態であると判
定されたことに基づいて、車両の走行状態が予め設定さ
れた変速段固定解除走行状態であると判定する。
【0097】変速段固定解除手段220は、上記変速段
固定解除走行状態判定手段218によって車両の走行状
態が前記予め設定された変速段固定解除走行状態である
と判定された場合には、旋回挙動制御手段160による
自動変速機14の変速段の固定を解除する。たとえば、
上記変速段固定解除手段220は、変速段固定解除走行
状態判定手段218により、自動変速制御手段174に
より予め設定された変速線図から実際の車速Vおよびス
ロットル弁開度θTHに基づいて決定される変速段と、旋
回挙動制御手段160により車両の旋回挙動が不安定と
なったときに固定された自動変速機14の変速段とが一
致したと判定されたとき、旋回挙動制御手段160によ
る自動変速機14の変速段の固定を解除し、いずれの方
向の変速をも許容する。また、上記変速段固定解除手段
220は、変速段固定解除走行状態判定手段218によ
り車両のパワーオフ走行状態或いはエンジンブレーキ走
行状態であると判定されたとき、自動変速機14の変速
段の固定を解除してその自動変速機14のアップ変速を
許容する。また、上記変速段固定解除手段220は、前
記変速段固定解除走行状態判定手段218により、駆動
力がエンジン10から駆動輪に向かって伝達されている
走行状態すなわちパワーオン走行状態であると判定され
たとき、自動変速機14の変速段の固定を解除してその
自動変速機14のダウン変速を予め設定された変速幅の
範囲内で許容する。
【0098】図22は、たとえばDレンジが選択された
車両において、VSC電子制御装置82などによる制御
作動の要部を説明するフローチャートである。SF1に
おいて前記SA1と同様にして初期処理が行われた後、
SF2では、SB2と同様にして各センサが正常である
か否かが判断される。このSF2の判断が否定された場
合は本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合
は、前記旋回挙動制御作動中判定手段172に対応する
SF3において、旋回挙動制御手段160による旋回挙
動安定化作動中であるか否かが判断される。この旋回挙
動制御手段160による旋回挙動安定化作動中でない場
合は、SF3の判断が否定されるので、SF4において
フラグF2 の内容が「1」であるか否かが判断される。
このフラグF2 はその内容が「1」であるときに、旋回
挙動制御手段160による自動変速機14の固定状態を
示している。旋回挙動制御手段160による旋回挙動安
定化作動中でない場合は、上記SF4の判断も否定され
るので、本ルーチンが終了させられる。
【0099】旋回挙動制御手段160による旋回挙動安
定化作動中である場合は、上記SF3の判断が肯定され
るので、SF5において、旋回挙動制御手段160によ
る変速段の固定要求中であるか否かが判断される。旋回
挙動制御手段160による旋回挙動安定化作動中であっ
ても変速段固定要求が出ていない場合は、そのSF5の
判断が否定され、続くSF4においてフラグF2 の内容
が「1」ではないと判断されて本ルーチンが終了させら
れ、旋回挙動制御手段160による旋回挙動安定化作動
が継続される。
【0100】しかし、旋回挙動制御手段160による自
動変速機14の変速段固定要求が出されると、上記SF
5の判断が肯定されるので、SF6において自動変速機
14の変速段がそのときのギヤ段に固定された後、続く
SF7においてフラグF2 の内容が「1」にセットされ
る。
【0101】その状態において、旋回挙動制御手段16
0による旋回挙動安定化作動が終了し、或いは自動変速
機14の変速段固定要求が出されなくなると、SF3或
いはSF5の判断が否定され、且つSF4の判断が肯定
されるので、前記変速段固定解除走行状態判定手段21
8に対応するSF8において、変速段固定解除条件が成
立したか否か、すなわち変速段の固定を解除したときの
ショックが少なくなるように予め設定された変速段固定
解除走行状態であるか否かを判定する。この変速段固定
解除走行状態とは、たとえば、自動変速制御手段174
により予め設定された変速線図から実際の車速Vおよび
スロットル弁開度θTHに基づいて決定される変速段と、
旋回挙動制御手段160により車両の旋回挙動が不安定
となったときに固定された自動変速機14の変速段とが
一致した状態、駆動力が駆動輪からエンジン10に向か
って伝達されている走行状態すなわちパワーオフ走行状
態或いはエンジンブレーキ走行状態、或いは駆動力がエ
ンジン10から駆動輪に向かって伝達されている走行状
態すなわちパワーオン走行状態である。
【0102】上記SF8の判断が否定された場合は本ル
ーチンが終了させられるが、肯定された場合は、前記変
速段固定解除手段220に対応するSF9において自動
変速機14の固定状態が解除された後、SF10におい
てフラグF2 が「0」にクリアされて、本ルーチンが終
了させられる。上記SF9では、たとえばSF8によ
り、自動変速制御手段174によりたとえば図23に示
す予め設定された変速線図から実際の車速Vおよびスロ
ットル弁開度θTHに基づいて決定される変速段と、旋回
挙動制御手段160により車両の旋回挙動が不安定とな
ったときに固定された自動変速機14の変速段とが一致
したと判定されたときは、旋回挙動制御手段160によ
る自動変速機14の変速段の固定が解除され、いずれの
方向の変速をも許容される。また、たとえばSF8によ
り、車両のパワーオフ走行状態或いはエンジンブレーキ
走行状態であると判定されたときは、自動変速機14の
変速段の固定が解除されてその自動変速機14のアップ
変速が許容される。また、たとえばSF8により、駆動
力がエンジン10から駆動輪に向かって伝達されている
走行状態すなわちパワーオン走行状態であると判定され
たときは、自動変速機14の変速段の固定が解除されて
その自動変速機14のダウン変速がたとえば1段のダウ
ン範囲のように予め設定された変速幅の範囲内で許容さ
れる。この予め設定された変速幅の範囲は、その後のア
クセルペダルの踏み込み時に違和感が発生しないように
予め設定されたものである。
【0103】上述のように、本実施例によれば、変速段
固定解除走行状態判定手段218(SF8)によって車
両の走行状態が前記予め設定された変速段固定解除走行
状態であると判定された場合には、変速段固定解除手段
220(SF9)によって、自動変速機14の変速段の
固定が解除されることから、その変速段の固定を解除す
ることによってダウン変速或いはアップ変速が直ちに行
われても、車両の走行状態が変速段固定解除走行状態で
あるので、そのダウン変速によるショックやアップ変速
による駆動力の抜け感が好適に防止される。
【0104】また、本実施例によれば、変速段固定解除
走行状態判定手段218(SF8)によって車両のパワ
ーオフ走行状態或いはエンジンブレーキ走行状態である
と判定されたとき、或いは、駆動力がエンジン10から
駆動輪に向かって伝達されている走行状態すなわちパワ
ーオン走行状態であると判定されたときは、変速段固定
解除手段220(SF9)によって、自動変速機14の
変速段の固定が解除されてその自動変速機14のアップ
変速が許容され、或いは、自動変速機14のダウン変速
が許容されるので、違和感を発生させることなく固定解
除条件が拡大される利点がある。
【0105】また、本実施例によれば、変速段固定解除
走行状態判定手段218(SF8)によって駆動力がエ
ンジン10から駆動輪に向かって伝達されている走行状
態すなわちパワーオン走行状態であると判定されたとき
は、変速段固定解除手段220(SF9)によって、自
動変速機14の変速段の固定が解除されてその自動変速
機14のダウン変速がたとえば1段のダウン範囲のよう
に予め設定された変速幅の範囲内で許容されるので、そ
の後のアクセルペダルの踏み込み時に違和感の発生が一
層好適に抑制される。
【0106】なお、上記の実施例では、シフトレバー7
2によりDレンジが選択された場合が説明されていた
が、3レンジ、2レンジなどのようなエンジンブレーキ
レンジが選択された場合には、アップ変速の後にもエン
ジンブレーキが急に作用することがあることから、エン
ジンブレーキレンジ走行である場合には、変速段固定解
除手段220(SF9)によって、自動変速機14の変
速段の固定が解除されてその自動変速機14のダウン変
速のみが許容されるようにしてもよい。また、そのとき
には、急激なエンジンブレーキ作用を避ける目的で、そ
のダウン変速に際して等速シフトが実行されるようにし
てもよい。
【0107】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0108】たとえば、前述の実施例の車両では、ロッ
クアップクラッチ24を有するトルクコンバータ12に
ついて説明されていたが、ロックアップクラッチ24を
有するフルードカップリングでも差し支えないし、差動
制限クラッチ49はトランスファ装置46に設けられて
いてもよい。
【0109】また、前述の実施例においては、ブレーキ
B3を係合させる1→2変速について説明されていた
が、3→2変速であってもよい。また、反対に、ブレー
キB3を解放させる2→1変速や2→3変速であっても
よい。要するに、変速途中でブレーキB3内の油圧PB3
が変化させられる期間に、その油圧PB3がスロットル弁
開度θTHに応じた変化率R(θTH)で増加或いは減少さ
せられる場合に、本発明が適用され得るのである。
【0110】また、前述の実施例では、エンジン負荷と
してスロットル弁開度θTHが用いられていたが、それに
替えて、アクセルペダル50の操作量、エンジン吸気管
内の負圧、エンジンの出力トルクなどが用いられ得る。
【0111】また、前述の実施例では、自動変速機14
のブレーキB3の係合或いは解放によって達成される変
速について説明されていたが、他の摩擦係合装置の係合
によって達成される変速に用いられても差し支えない。
【0112】また、前述の図7、図9、図12、図1
4、図16、図20、図22では、同様の制御機能を達
成する範囲でステップが追加されたり、或いはステップ
内容の変更が行われても差支えない。また、上記図7、
図9、図12、図14、図16、図20、図22のフロ
ーチャートに示す各実施例は必要に応じて相互に結合し
て実行され得るものである。
【0113】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて、種々の変更、改良を加えた態様で
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の変速制御装置によって制御
される車両用自動変速機の構成を説明する骨子図であ
る。
【図2】図1の自動変速機における、複数の摩擦係合装
置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関
係を示す図表である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路およ
び電気制御回路を含むブロック線図である。
【図4】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図5】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図6】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図7】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部を
説明するフローチャートである。
【図8】他の実施例における変速用電子制御装置の制御
機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図6
に対応する図である。
【図9】図8の実施例における変速用電子制御装置の制
御作動の要部を説明するフローチャートであって、図7
に対応する図である。
【図10】図8の実施例における2→3変速時の変速機
の出力トルクを示すタイムチャートである。
【図11】他の実施例における変速用電子制御装置の制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図
6に対応する図である。
【図12】図11の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、
図7に対応する図である。
【図13】本発明の実施例における変速用電子制御装置
の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であっ
て、図6に対応する図である。
【図14】図13の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、
図7に対応する図である。
【図15】他の実施例における変速用電子制御装置の制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図
6に対応する図である。
【図16】図15の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、
図7に対応する図である。
【図17】図15の実施例においてロックアップクラッ
チの係合制御に用いられる関係を示す線図である。
【図18】図15の実施例において旋回挙動制御手段の
旋回挙動安定化作動を説明するタイムチャートである。
【図19】他の実施例における変速用電子制御装置の制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図
6に対応する図である。
【図20】図19の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、
図7に対応する図である。
【図21】本発明の実施例における変速用電子制御装置
の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であっ
て、図6に対応する図である。
【図22】図21の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、
図7に対応する図である。
【図23】図21の実施例における変速制御手段におい
て変速制御に用いられる変速線図である。
【符号の説明】
14:自動変速機 160:旋回挙動制御手段 174:自動変速制御手段 188:変速変更手段 190:変速変更中判定手段 192:旋回挙動制御優先手段 194:安定復帰判定手段 196:変速段復帰手段 218:変速段固定解除走行状態判定手段 220:変速段固定解除手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60T 8/58 B60T 8/58 E F02D 29/00 F02D 29/00 H F16H 61/16 F16H 61/16 // F16H 59:50 59:50 63:12 63:12 (72)発明者 甲斐川 正人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA40 AA53 AA66 AB01 AC01 AC09 AC15 AC26 AD02 AD04 AD05 AD10 AD14 AD17 AD31 AD51 AE03 AE04 AE09 AE16 AE31 AE38 AE41 AF01 3D046 BB21 GG06 HH02 HH05 HH07 HH08 HH15 HH17 HH21 HH22 HH26 HH36 3G093 AA05 BA01 BA03 BA15 CB09 DA01 DA03 DA05 DA06 DA09 DB05 DB10 DB11 DB15 EA01 EA03 EA05 EA06 EA07 EA09 EA10 EA13 EB03 FA04 3J552 MA02 MA12 NA01 NB01 PA02 PA34 RB21 RB22 RB23 SB13 TB01 UA08 VA32Y VB01Z VB16Z VC01Z VC03Z VD04Z VD14W

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両が予め設定された走行状態となった
    ときは自動変速機の変速制御を変更する変速変更手段
    と、車両の挙動が不安定となる場合には、該車両の挙動
    を安定化させる挙動制御手段とを備えた車両の制御装置
    であって、 前記変速変更手段により自動変速機の変速制御が変更中
    であるか否かを判定する変速変更中判定手段と、 該変速変更中判定手段により前記変速変更手段による自
    動変速機の変速の変更中であると判定されているときに
    は、該変速変更手段による変速変更作動を停止させて前
    記挙動制御手段による車両の挙動安定化作動を優先的に
    実行させる挙動制御優先手段とを、含むことを特徴とす
    る車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記挙動制御手段は、車両の挙動が不安
    定となる場合には、自動変速機の変速段を固定するとと
    もに、該車両の挙動を安定化させるものであり、前記自
    動変速機の変速段の固定を解除したときのショックが少
    なくなるように予め設定された変速段固定解除走行状態
    であるか否かを判定する変速段固定解除走行状態判定手
    段と、 該変速段固定解除走行状態判定手段によって車両の走行
    状態が前記予め設定された変速段固定解除走行状態であ
    ると判定された場合には、前記自動変速機の変速段の固
    定を解除する変速段固定解除手段とを、含むことを特徴
    とする請求項1に記載の車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016155445A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 マツダ株式会社 車両のパワートレイン制御装置

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