JP2003182278A - コーナークリップ - Google Patents

コーナークリップ

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JP2003182278A
JP2003182278A JP2001402769A JP2001402769A JP2003182278A JP 2003182278 A JP2003182278 A JP 2003182278A JP 2001402769 A JP2001402769 A JP 2001402769A JP 2001402769 A JP2001402769 A JP 2001402769A JP 2003182278 A JP2003182278 A JP 2003182278A
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Yoshiaki Nobata
義昭 野畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、書類に密着し、かさばること
の無いコーナークリップを提供する。 【解決手段】 板状部材で形成された上下挟持部のコー
ナー2辺に、垂直に伸縮する弾性体を設けることによ
り、どんな厚みを持つ書類を挟持しても、上下挟持部が
書類に密着し、かさばることなく書類を挟持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクリップに関し、よ
り詳細には、書類等のコーナーに装着するコーナークリ
ップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コーナークリップとしては、挟持
部の形状が略直角二等辺三角形に形成されたクリップで
あって、その斜辺となる先端部分が閉じる力で、挟持物
を挟むプラスチック製のクリップが市販されている。こ
の場合、当該先端部分に挟持力を与えるため、様々な工
夫がされている。
【0003】ひとつには、線状部材で構成されたバネ
を、当該クリップの斜辺と直角方向に配置して、クリッ
プ挟持板の斜辺部分で挟持物を挟持する方法を採用した
クリップ。すなわち、通常のクリップの形状を三角形に
したもので、そのバネの支点となる部分はクリップの縁
から各々はみ出ている。
【0004】今ひとつは、書類のコーナー部に装着され
た状態において、その書類の水平端縁部、および垂直端
縁部と平行に位置するクリップの2辺に、その各々の辺
と直角となる方向にバネを配置して、その先端部分が閉
じようとする力を挟持板に伝達し、挟持板の斜辺部分で
挟持物を挟持する方法を採用したクリップがある。この
場合はバネの閉じる方向と、クリップそのものが閉じる
方向とが異なるため、バネの背板、すなわち支点となる
部分を中心として、挟持板が回転するように、バネと挟
持板とが接する部分の形状を工夫している。そしてその
形状を挟持板の厚さの範囲内で処理しているため、挟持
板が厚くならざるを得ない。
【0005】また、金属製のコーナークリップとして、
いわゆるダブルクリップの背板部分に開口を設けて、そ
の部分から書類のコーナー部分が、とび出し可能とする
ことで、書類のコーナー部に装着できるようにしたコー
ナークリップが考案されている。この場合、クリップの
挟持板の形状は矩形であるため、書類等に装着した時に
は、クリップそのものの角が書類からはみ出し、また、
クリップを開くため、回転するハンドルが設けられてお
り、かさばる要因ともなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】プラスチック製にして
も、金属製にしても、従来のコーナークリップは先に説
明したように、書類等に装着した時に、書類の端縁部か
ら必要以上にクリップが突出する、あるいは挟持板が必
要以上にかさばるという不都合がある。
【0007】また、挟持できる書類の厚みという観点か
ら言えば、バネの支点部分における上下両挟持板の離間
距離、あるいはダブルクリップ形式の場合はその背板部
分における上下両挟持板の離間距離が、挟むことのでき
る書類の厚さの限界である。そのため、厚みが極端に大
きい挟持物を挟むクリップは、クリップそのものが大き
くなりすぎて、実用性に欠ける。
【0008】そして、従来のコーナークリップの場合、
そのバネの支点部分における上下両挟持板の離間距離、
あるいはダブルクリップの場合はその背板部分における
上下両挟持板の離間距離は、いずれの場合も固定的な幅
である。そのため、その幅よりも薄い書類等を挟んだ場
合には、書類の厚さと上下両挟持板の離間距離との差
が、挟持板の厚さに加えて必要以上にかさばる要因とな
る。
【0009】クリップで綴じることに起因する押圧跡な
ど、書類の傷みという観点から従来のコーナークリップ
をみると、その先端部分で挟持物を挟持しているため、
局所的に大きな力がかかることになる。特に厚い書類等
を挟んだ後には、その部分が凹みになって跡が残る場合
がある。
【0010】また、クリップを形態という観点からみる
と、従来のコーナークリップは、先に説明したとおり、
先端の線状部分で挟持するため、その力点となる先端部
分は常に直線的であり、さらには、挟持する部分、すな
わち力点は平面上、上下同一でなければ、書類を挟んだ
ときにバランスが保てない。したがって、その形状は、
おのずと制限され、たとえば、丸いコーナークリップ、
あるいは、キャラクターの形をしたクリップ等、自由な
形状を持つクリップは不可能である。また、上下挟持板
の形状は、常に同一形状としなければならない。
【0011】
【発明の目的】以上が、従来のコーナークリップの構造
上発生し、避けることのできない不都合な点である。本
発明は、これら従来のコーナークリップの持つ不都合な
点のすべてを同時に解消する構造のコーナークリップを
提供することを目的とする。
【0012】。すなわち、本発明は簡単な構造で、書類
等を挟持したときに、クリップが突出することなく、挟
持板の厚さが必要以上に厚くならず、どんな厚さの書類
を挟んだ時にも、挟持板が書類に密着してかさばること
がなく、強い挟持力で挟持物を挟んだ時にも跡が残ら
ず、開くためのハンドルも不要で、そしてなお、挟持板
を自由な形状にできるコーナークリップを提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、垂直に位置し、垂直方向に伸縮して、挟
持物を挟持する力を上下挟持部に与える一対の弾性体
と、前記垂直に位置する弾性体に対して90度内外、す
なわちほぼ水平となる上下一対の挟持部とで構成された
形成体をコーナークリップの構造として採用した。
【0014】より具体的には、本発明の目的は、書類
等、任意の挟持物のコーナーに装着することで、挟持物
を挟持するクリップであって、少なくても内面が平面で
あり、略直角のコーナー部を有する略板状の上挟持部
と、少なくとも内面が平面であり、略直角のコーナー部
を有する略板状の下挟持部とを備え、且つ、前記挟持部
のコーナー各辺に配置された垂直方向に伸縮する一対の
弾性体が、上下挟持部をつなぎ、上挟持部および下挟持
部を双方が近接する向きで付勢するように形成されたこ
とを特徴とするクリップによって達成される。
【0015】より好ましい実施態様においては、前記弾
性体の上下両端部から、前記上挟持部または下挟持部と
略平行に延び、上挟持部および下挟持部を双方が近接す
る向きに付勢する一対の押圧部を備えている。
【0016】より好ましい実施態様においては、前記弾
性体が弾性を有する線材または板状部材等で垂直な面形
状として形成され、前記押圧部がその弾性体と同一垂直
面上で前記上挟持部または下挟持部の外側に架け回され
ている。
【0017】さらに好ましい実施態様においては、前記
弾性体の内側(挟持物が位置する側)に、挟持物の端縁
部を揃えるための挟持物整頓部と、前記弾性体の外側
(挟持物と反対側)に、弾性体を隠し、意匠性を高める
ための弾性体隠蔽部とを備えている。前記挟持物整頓
部、および前記弾性体隠蔽部は、そのどちらか一方を備
えても良いし、あるいはその両方を備えても良い。前記
挟持物整頓部と弾性体隠蔽部を設けることで、前記挟持
物整頓部と弾性体隠蔽部は同時に、弾性体の水平方向の
ぶれを防止する弾性体収納部としての機能も有する。ま
た、前記挟持物整頓部、あるいは弾性体隠蔽部を設ける
ことで、挟持物を挟持しない状態での上下両挟持部の上
下位置は定まる。この状態で弾性体にあらかじめ縮む力
を付加しておけば、当該クリップの初期挟持力を高める
ことが可能となる。
【0018】さらに好ましい実施態様においては、各弾
性体が、線材等で構成され、かつ、伸縮自在の一対の弾
性部材と、前記弾性部材の端部を連結する結節部とを有
する。また、前記弾性体の結節部が、前記上挟持部およ
び下挟持部のそれぞれのコーナー部近傍に位置しても良
いし、あるいは上挟持部および下挟持部の端部付近すな
わちコーナー部と反対側に位置しても良い。また、弾性
体の数は一対に限定されるものではない。たとえば、複
数の対であってもよい。
【0019】別の好ましい実施態様においては、前記上
挟持部および下挟持部の少なくとも一方が、挟持物を挟
持した状態における背面側で、前記上挟持部あるいは下
挟持部と略平面をなす延長部を有する。この延長部は見
出しとして利用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るコーナークリップの形態、その使用方法などに
つき説明を加える。
【0021】図1は、本発明の第1の実施形態にかかる
コーナークリップの平面図、図2は背面図、図3はX−
X側断面図、図4はY部分断面詳細図である。図1、図
2に示すように、本実施の形態にかかるコーナークリッ
プ100は、略水平に位置する上挟持部111および下
挟持部112と、垂直に位置し、垂直方向に伸縮する弾
性体113、113、および押圧部114,114,1
14,114とから構成されている。
【0022】図1に示すように、上挟持部111および
下挟持部112は、略二等辺三角形の形状をなし、下挟
持部112は上挟持部111より大きい。また、図1お
よび図2に示すように、クリップのコーナー部2辺に沿
って、クリップの背面側に弾性体113、113、およ
び前記弾性体113の端部が延びて、上挟持部111と
下挟持部112の上下に架け回された押圧部114、1
14が配置されている。第1の実施の形態において、押
圧部114、114と連結された弾性体113は、上挟
持部111および下挟持部112にて確定される垂直面
と整列するような復元力を備えた弾性部分116、11
6と、前記弾性部分の端部を連結し垂直方向に延びる結
節部117とを有している。
【0023】本実施の形態にかかるコーナークリップ1
00は、従来のコーナークリップと異なり、何も挟持し
ない状態では、図3に示すように開いた状態、つまり、
上挟持部111および下挟持部112の、コーナー部と
先端部が同一の高さ(h)だけ離間した状態で略平行と
なっている。また、挟持できる挟持物の厚みは、従来の
コーナークリップでは、そのバネの支点における上下両
挟持部の離間距離、あるいはバネの背板の高さに相当す
る厚みまでという制限があったが、本実施の形態にかか
るコーナークリップ100では、上挟持部111および
下挟持部112との離間距離、つまり(h)を超える厚
さであれば、弾性体の性能が許す限り、任意の厚みの挟
持物、言い換えればどんな厚さの挟持物でも挟むことが
できる。
【0024】本実施の形態にかかるコーナークリップ1
00にて、挟持物110を挟もうとするときにつき、以
下に説明する。まず、使用者は、図5に示すように、挟
持物110で下挟持部112を押えながら、上挟持部1
11、下挟持部112をそれぞれ離間するように手で開
く。この場合、開くために必要とする力は、弾性体11
3、113が閉じようとする力に抗する力である。そし
て、図5のように、挟持物110が差し込めるだけ、先
端部分の離間距離が確保できたら、挟持物110を、そ
の先端部分が、上下両挟持部のコーナー部に到達するま
で押し込む。このとき、挟持物110に備わる厚みが、
上挟持部111と下挟持部112との離間距離を押し広
げると同時に、押圧部114、114の先端を、互いに
離間する方向に押し広げる。そして、上挟持部111と
下挟持部112との離間距離が挟持物110と同一とな
ったときに、図6に示すように上挟持部111、下挟持
部112、並びに、挟持物110の表面および裏面は平
行になる。そして弾性体113の縮もうとする力、およ
び離間した押圧部114が復元しようとする力、すなわ
ち上挟持部および、下挟持部が互いに近接する方向に働
く力が、上挟持部111および下挟持部112に伝達さ
れ、上挟持部111および下挟持部112は挟持物11
0に密着し、上挟持部111の下面および下挟持部11
2の上面全体で、挟持物110を挟持する。
【0025】なお、本実施の形態にかかるクリップで
は、挟持部を背面側に延長させて見出し部118を設け
てもよい。これは図1において破線で示されているよう
に、上挟持部111あるいは、下挟持部112に設ける
ことができる。従来のクリップでは、薄い挟持物を挟ん
だ場合、挟持部が傾くため、挟持部に設けた見出しも傾
いてしまう。このため、見出しつきクリップは、現実的
でなかったが、本発明によれば、挟持部は先に説明した
とおり、常に挟持物と平行に保たれる。したがって、見
出しも挟持物と平行になり、実用性の高い見出しとなり
得る。
【0026】図8は、弾性体113が伸長し、さらに押
圧部114が開いて、挟持物110を挟持している状態
の背面図である。図8に示すように、挟持物110を挟
持することにより、上挟持部111と下挟持部112と
の離間距離が、初期状態(図2参照)より大きくなって
おり、これに伴って、弾性体113の弾性部分116
が、外方に引き伸ばされる状態となっている。また、押
圧部114と弾性部分116との離間距離が、初期状態
(図2参照)より開いた状態となっている。ここで弾性
部分116の復元力と押圧部114の復元力とが合わさ
れて、上挟持部111および下挟持部112に、双方を
近接する方向の力として加わり、これが強い挟持力とな
る。ちなみに、先に説明した挟持物を挟もうとするとき
に、上下両挟持部を開くために必要とする力は、弾性部
分116を開くためだけの力で足りるので、最終的に挟
持物に加わる挟持力、つまり、弾性部分116の復元力
と押圧部114の復元力とが合わされた力より小さくて
済む。すなわち、小さな力で簡単に開くことができる。
【0027】挟持物110からコーナークリップ100
を外す場合には、使用者は挟持物110を片手で保持
し、コーナークリップ100を引き抜くだけでよい。
【0028】図9は、第2の実施の形態にかかるコーナ
ークリップの平面図である。このコーナークリップ20
0においては、図11の部分断面詳細図に示すように、
弾性体213の内側(挟持物が在る側)に挟持物整頓部
219、219が、弾性体213の外側に弾性体隠蔽部
218、218が設けられている。前記挟持物整頓部2
19、219は、図9に示すように一対の弾性体21
3、213と各々平行(押圧部214と平行)に配置さ
れ、平面的に略直角のコーナー部を形成している。この
ため、挟持物210を押し込んだときに、挟持物を停止
し、且つ、挟持物のコーナーを揃えて整頓する機能を持
つ。すなわち、クリップを装着すると同時に書類を揃え
ることが可能となる。
【0029】また、弾性体隠蔽部218は、弾性体を覆
うことで、外観の意匠性を高めると同時に、前記挟持物
整頓部219と併設することで、弾性体213を収納
し、水平方向のぶれを防止する、いわばガイドとして機
能する。
【0030】さらには、図10に示すように、挟持物を
挟持しない状態では、前記挟持物整頓部219、219
および弾性体隠蔽部218、218が、上挟持部211
と下挟持部212との最低限の離間距離を保つため、図
10のように何も挟持物を挟持していない状態でも、弾
性体213に縮もうとする力、すなわち初期挟持力を付
加しておくことが可能になる。これにより、挟持物を挟
持していない状態、つまり、図10における、上挟持部
211と下挟持部212との離間距離よりもわずかに厚
みの大きい挟持物を挟持した場合でも、じゅうぶんな挟
持力を得ることが可能になる。なお、コーナークリップ
200の取り付け、取り外し方法も、コーナークリップ
100と同様である。
【0031】次に、本発明の第3の実施形態につき、図
12ないし図15を参照して説明を加える。図12は第
3の実施の形態にかかるコーナークリップ300の平面
図、図13は背面図、図14はX−X側断面図、図15
はY−Y部分断面詳細図である。
【0032】このコーナークリップ300は、最小限の
挟持物、すなわち紙1枚でも挟持できるコーナークリッ
プである。無論、2枚以上どんな厚みであっても、弾性
体313の性能が許す限り、挟持することが可能であ
る。それは図14に示すように、上挟持部311と、下
挟持部312との離間距離を略0(ゼロ)とすること
で、実現される。
【0033】また、このコーナークリップ300では、
上挟持部311の先端部(斜辺)に沿って、折り曲げ用
溝320が設けられている。例えば、プラスチック等、
柔軟性を持つ素材で上挟持部を形成すれば、図14に示
すように、この折り曲げ用溝320を中心として、上挟
持部311の先端部分を開くことが可能となる。したが
って、この開いた部分に挟持物を差込み、さらに押し込
むことで、上挟持部311と下挟持部312との離間距
離は広がり、挟持物を挟持することが可能になる。無
論、コーナークリップ100のように、先端部分を手で
開いて、挟持物を挟持することも可能であることは、い
うまでもない。
【0034】次に、本発明の第4の実施形態につき、図
16ないし図19を参照して説明を加える。図16は第
4の実施の形態にかかるコーナークリップ400の平面
図、図17は背面図、図18はY−Y部分断面詳細図、
図19は挟持物を挟持した状態の背面図である。第4の
実施形態、コーナークリップ400は、コーナークリッ
プ300と同様、最小限の挟持物を挟持できるコーナー
クリップであり、且つコーナークリップ200と同様、
弾性体隠蔽部418を設けた実施例である。この場合も
コーナークリップクリップ300と同様、上挟持部41
1の先端部に折り曲げ用溝420を設け、先端部を開け
るようになっている。使用方法は、コーナークリップ3
00と同様である。このコーナークリップ400は、弾
性体隠蔽部418を設けることで、コーナークリップ2
00と同様に、外観の意匠性を高めることができる。ま
た、コーナークリップ300のように、弾性体413が
挟持部の外側に突出することもなく、じゃまにならず
に、極めてスマートになる。
【0035】本発明は、以上の実施の形態に限定される
ことなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内
で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内
に包含されるものであることは言うまでもない。たとえ
ば、すべての実施の形態において弾性体の結節部が、上
挟持部および下挟持部のコーナー部付近に位置している
が、このような構成に限定されるものではない。図21
は、弾性体613の結節部617を反対側、すなわち上
挟持部611の端部(斜辺)近辺に配置している。この
ようにしてもコーナークリップとしての機能は、基本的
に変わらない。この場合、挟持物を差し込むために、ク
リップ先端を開く時に必要な力は、押圧部の復元力に抗
する力であるが、挟持物を挟持した時に生じる挟持力
は、他の例と同様、弾性体の復元力に押圧部の復元力が
加わったものとなる。
【0036】同様に、弾性体の形状、素材、数等は、各
実施の形態にて例示したものに限定されることはない。
たとえば、挟持部に弾性を持つ金属板を使用し、その端
部を板バネ形状の弾性体として加工し、一体的なクリッ
プを形成しても良い。たとえば図20のように、弾性体
にコイルバネを使用し、その端部を延ばして、弾性部分
および押圧部を形成しても良い。
【0037】また、すべての実施例では、弾性体が上挟
持部と下挟持部との範囲内に納まっているが、たとえ
ば、図23のように上下挟持部間の範囲からはみ出して
も良い。このようにすることで弾性体の性能は向上し、
より厚みのある挟持物を挟持することも可能となる。
【0038】また、すべての実施例では、何も挟持しな
い状態で、上挟持部と下挟持部とは平行、すなわち水平
となっているが、これに限定されるものではない。たと
えば、図22に示すように先端部分(斜辺の部分)が開
いていてもよい。このように先端を開くことで、挟持物
を差込み易くすることが可能となる。あるいは、逆に従
来のコーナークリップのように、先端が閉じていてもよ
い。この場合は、挟持力をより高める効果が期待でき
る。また、弾性体の数は、基本的に一対、すなわち2つ
の弾性体が用いられているが、これに限定されるもので
はなく、複数の対あるいは奇数であってもよい。
【0039】同様に、押圧部の形状、素材、取り付け方
法は各実施の形態にて例示したものに限定されることは
ない。たとえば、すべての実施例では、弾性体の弾性部
分と挟持部に形成された溝の中に収納された押圧部と
が、弾性体の端部において、上挟持部あるいは下挟持部
を挟みつけることで、弾性体の位置を保持しているが、
押圧部を上挟持部、あるいは下挟持部に埋め込むことで
弾性体を固定しても良い。あるいは、図20に示すよう
に、押圧部514の先端を折り曲げて、上挟持部および
下挟持部に差込むことで、抜け落ち防止部515、51
5を形成し、弾性体の抜け落ちを防止しても良い。
【0040】同様に、挟持部の素材、形状等も、例示さ
れた素材、形状に限定されることはない。図25、2
6、27に示したコーナークリップ1000は、上下挟
持部1011、1012に金属板を使用し、当該金属板
の端部を折り曲げて、弾性体隠蔽部1018、および、
挟持物整頓部1019を形成したコーナークリップの実
施例である。図26の背面図、並びに図27のY−Y部
分断面図に示すとおり、本発明によれば、強度のある金
属板を素材として用いることで、挟持部を薄くすること
が可能となり、図のごとく、上下挟持部1011、10
12は挟持物1010に密着し、ほとんどかさばること
のない極めてスマートなコーナークリップを提供するこ
とができる。無論、弾性体隠蔽部1018、および、挟
持物整頓部1019は、設けなくても良い。
【0041】また、本発明にかかるコーナークリップに
おいては、従来のクリップのように、挟持物を挟持する
位置が、その先端部分に限られたものではなく、挟持部
の面全体で挟持物を挟持するため、挟持力が挟持部に伝
達されれば、挟持部の形状を制限するものはない。した
がって、挟持部の先端が曲線であっても、クリップの機
能を、何ら損なうことはなく、たとえば従来では不可能
であった、キャラクターのデザインを挟持部に採用した
ような、自由な形状のコーナークリップを提供すること
も、可能となる。図24は、上挟持部911および、下
挟持部912を背面側に延ばして、挟持部にキャラクタ
ーの顔の形状を採用し、押圧部914、914、91
4、914を上下挟持部911、912の中に埋め込ん
だ実施例である。本発明によれば、挟持物を面で挟持す
るため、挟持部先端の形状は、従来のクリップのよう
に、直線状の形態に限定されることなく、このように自
由な形状が可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来、特別な工夫なしには不可能であったコーナークリ
ップを、簡単な構造、部材によって提供できるだけでは
なく、自由な形状のコーナークリップ、あるいは見出し
付きのコーナークリップ等、今までにない新たな機能を
もつコーナークリップを提供することが可能である。
【0043】また、本発明によれば、どんな厚みの書類
を挟持しても、挟持部が挟持物に密着するので、挟持物
の上下に出っ張るのは、挟持部の厚みだけである。挟持
部に強度のある素材、たとえば金属板等を使用すれば、
クリップを意識しなくても済むような、かさばることの
ないコーナークリップを提供することが可能になる。
【0044】本発明によれば、上下挟持部の離間距離を
越えるものであれば、弾性体の性能の許す限り、どんな
厚みの挟持物を挟むことも可能であり、極めて汎用性の
高いコーナークリップを提供することが可能となる。
【0045】本発明によれば、クリップの力点、すなわ
ち挟持物を挟持する部分は、従来のクリップのように、
先端の局所的な線状部分ではなく、挟持部の面全体であ
るので、強い挟持力で挟持したときでも、従来のように
挟持跡が残ることがなく、書類を傷めることがない。
【0046】本発明によれば、面全体で挟持物を挟持す
るため、挟持部の形状は自由な形とすることができる。
また、従来のクリップのように上下挟持部において、挟
持する位置(力点)を同一位置に合わせる必要がないた
め、挟持部の形状、大きさを上下で異なる形状、大きさ
にしてもクリップの機能を何ら損なうことはない。
【0047】本発明によれば、挟持物を挟持するとき
に、クリップを開くために必要とする力は、従来のクリ
ップのように挟持力すべてに抗する力ではなく、弾性体
の縮もうとする力、あるいは押圧部の復元力に抗する力
のどちらか一方であり、その両方が合わさった最終的な
挟持力に比べればはるかに少ない。また、従来のクリッ
プの場合には、どんな厚みの挟持物を挟む場合でも、ク
リップが閉じた状態から最低限、挟持物の厚みの分開か
なければならないが、本発明にかかるクリップでは、何
も挟持しないで開いているクリップの上下両挟持部の離
間距離と、挟持物の厚みとの差の分だけ開けばよいの
で、開くために必要とする力は、従来のクリップに比べ
ればはるかに少なくて済む。
【0048】本発明によれば、挟持部を変えずに弾性体
を替える(高さが異なる弾性体に取り替える)だけで、
様々な厚みの挟持物に対応できるため、製造コストの低
減を図ることが可能になる。また、従来のクリップの場
合、挟持できる挟持物の厚さには、おのずと限界があ
る。すなわち、あまりに挟持物が厚い、たとえば、普通
紙250枚(約4cm)を超える挟持物を挟持できるダ
ブルクリップは市販されていない。それは、挟持物を挟
持するときに、クリップが閉じた状態から最低限、クリ
ップの厚みの分開かなければならず、開くために必要と
する力が大きくなりすぎて、現実的でないからである。
しかしながら、先に説明したとおり、本発明にかかるク
リップでは、何も挟持しないで開いているクリップの上
下両挟持部の離間距離と、挟持物の厚みとの差の分だけ
開けばよいので、開くために必要とする力は、従来のク
リップのように挟持物の厚みに比例して大きくなること
はない。そのため、どんな厚い書類でも、挟持すること
ができるコーナークリップを提供することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかるクリップの平
面図である。
【図2】図2は、第1の実施形態にかかるクリップの背
面図である。
【図3】図3は、第1の実施形態にかかるクリップで、
何も挟持していない状態のX−X側断面図である。
【図4】図4は、第1の実施形態にかかるクリップのY
部分断面詳細図である。
【図5】図5は、第1の実施形態にかかるクリップで、
挟持物を挟持しようとするためにクリップを開いた状態
を示すX−X側断面図である。
【図6】図6は、第1の実施形態にかかるクリップで、
挟持物を挟持した状態を示すX−X側断面図である。
【図7】図7は、第1の実施形態にかかるクリップで、
挟持物を挟持した状態を示す平面図である。
【図8】図8は、第1の実施形態にかかるクリップで、
挟持物を挟持した状態を示す背面図である。
【図9】図9は、第2の実施形態にかかるクリップの平
面図である。
【図10】図10は、第2の実施形態にかかるクリップ
の背面図である。
【図11】図11は、第2の実施形態にかかるクリップ
で、挟持物を挟持した状態のY−Y部分断面詳細図であ
る。
【図12】図12は、第3の実施形態にかかるクリップ
の平面図である。
【図13】図13は、第3の実施形態にかかるクリップ
の背面図である。
【図14】図14は、第3の実施形態にかかるクリップ
で、何も挟持していない状態のX−X側断面図である。
【図15】図15は、第3の実施形態にかかるクリップ
で、何も挟持していない状態のY−Y部分断面詳細図で
ある。
【図16】図16は、第4の実施形態にかかるクリップ
の平面図である。
【図17】図17は、第4の実施形態にかかるクリップ
の背面図である。
【図18】図18は、第4の実施形態にかかるクリップ
で、何も挟持していない状態のY−Y部分断面詳細図で
ある。
【図19】図19は、第4の実施形態にかかるクリップ
で、挟持物を挟持した状態の背面図である。
【図20】図20は、第5の実施形態にかかるクリップ
の背面図である。
【図21】図21は、第6の実施形態にかかるクリップ
の背面図である。
【図22】図22は、第7の実施形態にかかるクリップ
の背面図である。
【図23】図23は、第8の実施形態にかかるクリップ
の背面図である。
【図24】図24は、第9の実施形態にかかるクリップ
の平面図である。
【図25】図25は、第10の実施形態にかかるクリッ
プの平面図である。
【図26】図26は、第10の実施形態にかかるクリッ
プで、挟持物を挟持した状態の背面図である。
【図27】図27は、第10の実施形態にかかるクリッ
プで、挟持物を挟持した状態のY−Y部分断面詳細図で
ある。
【符号の説明】
100 第1の実施形態にかかるクリップ 110 挟持物 111 上挟持部 112 下挟持部 113 弾性体 114 押圧部 116 弾性部材 117 結節部 118 見出し部 h 上下挟持部の離間距離 200 第2の実施形態にかかるクリップ 210 挟持物 211 上挟持部 212 下挟持部 213 弾性体 214 押圧部 218 弾性体隠蔽部 219 挟持物整頓部 300 第3の実施形態にかかるクリップ 311 上挟持部 312 下挟持部 313 弾性体 314 押圧部 320 折り曲げ用溝 400 第4の実施形態にかかるクリップ 410 挟持物 411 上挟持部 412 下挟持部 413 弾性体 414 押圧部 418 弾性体隠蔽部 420 折り曲げ用溝 500 第5の実施形態にかかるクリップ 511 上挟持部 512 下挟持部 513 弾性体 514 押圧部 515 抜け落ち防止部 600 第6の実施形態にかかるクリップ 611 上挟持部 612 下挟持部 613 弾性体 614 押圧部 616 弾性部材 617 結節部 700 第7の実施形態にかかるクリップ 711 上挟持部 712 下挟持部 713 弾性体 714 押圧部 800 第8の実施形態にかかるクリップ 811 上挟持部 812 下挟持部 813 弾性体 814 押圧部 900 第9の実施形態にかかるクリップ 910 挟持物 911 上挟持部 912 下挟持部 914 押圧部 918 弾性体隠蔽部 919 挟持物整頓部 1000 第10の実施形態にかかるクリップ 1010 挟持物 1011 上挟持部 1012 下挟持部 1013 弾性体 1014 押圧部 1015 抜け落ち防止部 1018 弾性体隠蔽部 1019 挟持物整頓部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 書類等、任意の挟持物のコーナー部に装
    着され、挟持物を挟持するクリップであって、少なくと
    も内面が平面であり、隣り合う端縁部2辺が略直角を形
    成するコーナー部を有する略板状の上挟持部と、少なく
    とも内面が平面であり、隣り合う端縁部2辺が略直角を
    形成するコーナー部を有する略板状の下挟持部と、前記
    上挟持部、および下挟持部にあって、コーナー部を形成
    する前記2辺の端縁部それぞれに配置された、少なくと
    も一対の弾性体とを備え、前記弾性体が、その両端部そ
    れぞれにおいて、上挟持部の端縁部、下挟持部の端縁部
    それぞれと少なくとも1点接触させることで、上挟持部
    および下挟持部を、双方が近接する向きに付勢するよう
    に形成されたことを特徴とするクリップ。
  2. 【請求項2】 前記弾性体が、前記コーナー部を形成す
    る2辺それぞれにおいて、略垂直方向に形成され、且
    つ、挟持物を挟持した状態で、前記弾性体が前記上挟持
    部および下挟持部のそれぞれの一端から、前記挟持物の
    背面に沿って位置するように配置されたことを特徴とす
    る請求項1に記載のクリップ。
  3. 【請求項3】 前記弾性体が、その両端部から、上挟持
    部にあってはその上方で上挟持部の上面と略平行に延
    び、下挟持部にあってはその下方で下挟持部の下面と略
    平行に延び、上挟持部および下挟持部を、双方が近接す
    る向きで付勢する対の押圧部を有することを特徴とする
    請求項2に記載のクリップ。
  4. 【請求項4】 前記弾性体が、線材あるいは板状部材で
    垂直な面を成すように形成され、かつ、伸縮自在の一対
    の弾性部材と、前記弾性部材の端部を連結する結節部と
    を有することを特徴とする請求項3に記載のクリップ。
  5. 【請求項5】 前記弾性体の結節部が、前記上挟持部お
    よび下挟持部のそれぞれのコーナー部近傍に位置するこ
    とを特徴とする請求項4に記載のクリップ。
  6. 【請求項6】 前記弾性体の結節部が、前記上挟持部お
    よび下挟持部のそれぞれ端部付近に位置することを特徴
    とする請求項4に記載のクリップ。
  7. 【請求項7】 前記弾性体の上下各端部が、前記弾性体
    を形成する垂直面と同一面上で、上挟持部にあってはそ
    の上挟持部の上面と、下挟持部にあっては下面と、略平
    行に延びた押圧部を有することを特徴とする請求項3な
    いし6の何れか一項に記載のクリップ。
  8. 【請求項8】 前記弾性体の背面側(挟持物と反対側)
    に、前記弾性体が形成する垂直な面に沿って、上挟持部
    にあってはその下面から下方に、下挟持部にあってはそ
    の上面から上方に延びる、略板状の弾性体隠蔽部を有す
    ることを特徴とする請求項2ないし7の何れか一項に記
    載のクリップ。
  9. 【請求項9】 前記弾性体の内側(挟持物が位置する
    側)で、前記弾性体が形成する垂直な面に沿って、上挟
    持部にあってはその下面から下方に、下挟持部にあって
    はその上面から上方に延びる略板状の挟持物整頓部を有
    することを特徴とする請求項2ないし8の何れか一項に
    記載のクリップ。
  10. 【請求項10】 前記上挟持部、あるいは下挟持部が、
    略直角を形成するコーナー部1辺あるいは2辺におい
    て、それぞれ背面側に延びることで、任意の形状を形成
    することを特徴とする請求項2ないし9の何れか一項に
    記載のクリップ。
  11. 【請求項11】 前記上挟持部、あるいは下挟持部の略
    直角を形成するコーナー部2辺において、どちらか1辺
    あるいは2辺が背面側に延びることで、見出し部を形成
    することを特徴とする請求項2ないし9の何れか一項に
    記載のクリップ。
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