JPWO2003026901A1 - クリップおよびクリップボード - Google Patents
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Abstract
従来の不都合な点、たとえば、嵩張る点などを解消し、かつ、十分な挟持力をもつクリップを提供する。クリップ100は、線材から構成され、少なくとも挟持物の表面に、当該表面の部分を取り囲むような形状の上挟持部111と、少なくとも挟持物の裏面に、当該裏面の部分を取り囲むような形状の下挟持部112と、前記上挟持部の端部と下挟持部の端部とをそれぞれ連結した一以上、たとえば、一対の弾性体と110を備えている。弾性体110は、上挟持部111および下挟持部112のそれぞれの一端から、挟持物114を挟持した状態でその背面に沿って位置するように形成され、伸縮自在の一対の弾性部材115と、弾性部材115の端部を連結する垂直方向に延びる結節部113とを有するのが望ましい。
Description
発明が属する技術分野
本発明は、クリップに関し、より詳細にはクリップの基本的な構造、および、当該クリップを利用したクリップボードやファイルに関する。
発明の背景
公知のクリップとして最も一般的に知られているものとして、コイルバネ等を利用し、支点を中心に挟持部である力点と、開くための操作部とが、おのおの反対側に位置し、バネの力で回転して書類等を挟持する、いわゆる洗濯バサミ型のクリップがある。また、金属板などで側面ほぼコの字状に形成され、金属板の弾性力により、その先端が閉じようとする力で書類等を挟持するクリップがある。
ほぼコの字型のクリップでは、挟持物を挟む時、開くための操作部が必要以上にかさばらないように様々な工夫が施されている。よく知られているものとして、線状部材で構成された操作部が回転して挟持物と平行になり、かさばらなくした、いわゆるダブルクリップ。操作部を持たず、ほぼコの字状になった二重の金属板がスライドして内部金属板が挟持物を挟持するクリップ。そして挟持するための操作部を一切持たず、書類等を挟持するためクリップを開く場合には専用の器具を必要とするクリップ等がある。その他として、薄いものを挟むクリップとして線材を曲げたり、板状部材を加工して形成された、いわゆるゼムクリップがある。
挟持できる書類等の厚みという観点からいえば、従来のクリップの場合、洗濯バサミ型は支点部分の開き幅が、ほぼコの字型のクリップはその支点となる背板の高さが、挟む事のできる書類の厚みの限界である。このため多くのクリップにおいて、様々な厚みの書類に対応できるように大小数種類のクリップを用意し、挟持力を確保するために、その厚みに比例してクリップの大きさも大小異なる大きさになっている。
書類等を挟持したときのかさばりという観点からいえば、最もかさばりが少ないのは専用の器具を使用する前記のクリップであるが、綴じるときに別途、専用の器具を必要とし、またその器具も使用するクリップの大きさにあわせていちいち変えなくてはならないという不便さがある。特に打ち合わせ先等、外出先で一度クリップをはずしたりしたら、器具がない限り書類はバラバラのままで持ち帰らざるを得ず、大変不便である。さらにはその器具の形態上あまり大きなクリップは非現実的で薄い書類のみに使われる。
しかしながら、洗濯バサミ型にしても、コの字型のクリップにしても従来のクリップは、すべてが先に説明したようにその背板の高さ、あるいは支点部分の開き幅は固定的な高さである。そのため、当該高さ又は開き幅より薄い書類等を挟んだ時にはその高さと書類の厚みとの差が、出っ張りとして必要以上にかさばるものとなる。
つぎに、挟持物を挟むときに必要とするクリップを開くための力という観点から従来のクリップをみると、専用の器具を使用するクリップや、スライドすることで挟持するクリップなどを除けば、すべてクリップを開く操作部を押圧することで挟持部を開く構造となっている。さらには先端が完全に閉じた状態から、最低限、挟持物の厚みの分開かなければならず、とくに厚い書類等の場合には大きな力を必要とする。またその開くために必要とする力は挟持物そのものを挟む力に抗して開くため、挟持力の強いクリップほど大きな力を必要とする。
取り付け、取り外しの容易さという観点から従来のクリップを見ると洗濯バサミ型やスライド型は取り付け、取り外しともにワンタッチで可能であるが、専用器具を用いるクリップは別として、最もよく利用されているいわゆるダブルクリップの場合でも、その両側操作部を回転して操作しなければならず、若干のわずらわしさがある。
クリップで綴じることに起因する押圧跡など、書類の傷みという観点から従来のクリップをみると、いわゆるゼムクリップを除けば、すべてあるひとつの支点のもとに挟持部がほぼ回転し、その先端部分となる線状又は点状の部分で挟持物を挟持している。そのため局所的に大きな力がかかることとなり、とくに厚い書類等を挟んだ後には、その跡が凹みとなって残る場合がある。
従来のクリップについてその材料の観点からみると、とくにその構造原理から使用できる素材が限定されるという不都合がある。すなわちゼムクリップを除けば、どの形態のクリップでも支点と力点との間に最小限の距離を保つ必要がある。そのため材料強度の低いプラスチック製のクリップではその支点と力点との間の曲げ剛性を確保するため、リブをつける、あるいは材厚を確保するなどクリップそのものが大きくかさばる物となり、事務書類等のクリップには不向きである。
さらに、従来のクリップの製造コストという観点からみると、どのクリップもその挟持できる書類の厚みに応じて数種類の大きさや材厚の異なるクリップを製品化している。従って種類が多いため、その製造コストも増える。さらには使用する際にも、厚みが大きく異なる数種類の綴じられた書類では、そのクリップの大きさが書類ごとに異なり、見苦しさは否めない。
また、クリップを形態という観点からみると、従来のクリップの多くはさきに説明したとおり、先端の線状部分で挟持するため、その力点となる先端部分は常に直線的であり、さらには、上下挟持部は常に同じ長さにしなければ、書類を挟んだ時にバランスが保てない。また挟持部がほぼ回転して書類等を挟むため、直角方向に回転して力が加わるクリップ、例えばコーナークリップなどは現実的に不可能である。
以上が、従来のクリップの構造上発生し、避けることのできない不都合な点である。本発明は、これら従来のクリップの持つ不都合な点のすべてを同時に解消する構造のクリップを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、厚みの違う書類であってもクリップの形態が大きく変わらず、専用の器具なしに容易に取り付け取り外しができ、どんな厚みの書類を綴じても必要以上にかさばらず、クリップを開くために大きな力を必要とせず、綴じた時に書類を傷めず、プラスチック等強度の小さい素材を使用してもかさばらず、製造コストを抑えることができ、そしてなお、特殊な形態にも対応できる。
発明の開示
前記目的を達成するため、本発明は、垂直に位置し、垂直方向に伸縮して、挟持物を挟持する力を上下挟持部に与える弾性体と、前記垂直に位置する弾性体に対してほぼ水平となる90度内外、あるいはそれ以下の角度を持つ上下2つの挟持部とで構成された形成体をクリップの構造として採用した。
より具体的には、本発明の目的は、任意の挟持物を挟持するクリップであって、線材から構成され、少なくとも挟持物の表面に、当該表面の部分を取り囲むような形状の上挟持部と、少なくとも挟持物の裏面に、当該裏面の部分を取り囲むような形状の下挟持部と、前記上挟持部の端部と下挟持部の端部とをそれぞれ連結した弾性体とを備え、前記弾性体が、前記上挟持部および下挟持部のそれぞれの一端から、挟持物を挟持した状態でその背面に沿って位置するように形成されたことを特徴とするクリップにより達成される。
より好ましい実施態様においては、前記上挟持部および下挟持部が、それぞれ、挟持物を挟持しない状態で、前記弾性体に対してほぼ90度あるいはそれ以下の角度に維持される。
また、挟持物を挟持したときに、前記上挟持部および前記下挟持部が、それぞれ、前記弾性体に対してほぼ90度の角度に保持されるように、前記弾性体に曲げに対する剛性を持っているのが望ましい。
より好ましい実施態様においては、前記弾性体が、少なくとも一対設けられ、かつ、各弾性体が、伸縮自在の一対の弾性部材と、前記弾性部材の端部を連結する垂直方向に延びる結節部とを有する。
上挟持部および下挟持部が、それぞれ、矩形の3辺を画定するような形状であっても良いし、或いは、上挟持部および下挟持部が、それぞれ、三角形の2辺を画定するような形状であっても良い。
さらに、対の弾性体が、所定の角度、たとえば、90度にて配置されても良い。これにより、いわゆるコーナークリップを実現できる。
また、本発明の目的は、任意の挟持物を挟持するクリップであって、少なくとも内面が平面であるほぼ板状の上挟持部と、少なくとも内面が平面であるほぼ板状の下挟持部と、線材で形成され、前記上挟持部の部分と下挟持部の対応する部分とを連結した少なくとも一以上の弾性体とを備え、前記弾性体が、前記上挟持部および下挟持部のそれぞれの一端から、挟持物を挟持した状態でその背面に沿って位置するように形成されたことを特徴とするクリップによっても達成される。
好ましい実態態様においては、前記弾性体が、両端部から、当該弾性体自体からほぼ90度或いはそれ以下の角度をなして延び、上挟持部および下挟持部を、双方が近接する向きで付勢する一対の押圧部を有する。
弾性体が、前記背面において、ほぼ垂直方向に形成されていても良い。また、前記上挟持部および下挟持部が、それぞれ、挟持物を挟持しない状態で、前記弾性体に対してほぼ90度あるいはそれ以下の角度に維持されるのが望ましい。
さらに好ましい実施態様においては、挟持物を挟持したときに、前記上挟持部および前記下挟持部が、それぞれ、前記弾性体に対してほぼ90度の角度に保持されるように、前記弾性体に曲げに対する剛性を持たせている。これを実現するために、上挟持部および下挟持部の各々で、前記少なくとも一点で弾性体と接することで、当該弾性体の曲げ剛性が伝達される曲げ剛性伝達部が設けられてもよい。或いは、上挟持部および下挟持部の各々の背面側端部が折り曲げられ、入れ子状となることで、弾性体の曲げに対する剛性を持たせても良い。
別の好ましい実施態様においては、弾性体が、少なくとも一対設けられ、かつ、各弾性体が、線材で形成され、かつ、伸縮自在の一対の弾性部材と、前記弾性部材の端部を連結する垂直方向に延びる結節部とを有する。
また、弾性体の端部が、前記上挟持部および下挟持部のそれぞれの端部近傍に位置しても良いし、或いは、前記弾性体の結節部が、上挟持部および下挟持部のそれぞれ端部付近に位置していても良い。
また、少なくとも対の弾性体が、所定の角度にて配置されても良い。上記角度をほぼ90度とすることで、いわゆるコーナークリップを実現できる。この形態では、上挟持部および下挟持部が、それぞれ、前記所定の角度をなす2辺および当該2辺の端部を結ぶ三角形となっても良い。
別の好ましい実施態様においては、前記上挟持部および下挟持部の少なくとも一方が、挟持物を挟持した状態における背面側で、前記上挟持部或いは下挟持部とほぼ平面をなす延長部を有する。この延長部は、見出しとして利用することができる。また、弾性体の数は1つ或いは2つに限定されるものではない。たとえば、複数の対であってもよい。或いは、奇数の弾性体が設けられていても良い。
別の好ましい実施態様において、上挟持部および下挟持部の少なくとも一方の内面に、部分的に凸部が形成されている。また、上挟持部および下挟持部の他方の内面に、前記凸部と整合するような凹部が形成されていてもよい。
たとえば、内面には、挟持物の挿入方向に沿った一以上の細長い凸部、および/または、その垂直方向に沿った細長い凹部が形成される。或いは、凸部の平面形状がほぼ円形であっても良い。
さらに、一方の内面に凸部が設けられるとともに、前記他方の内面に、凹部が設けられ、かつ、前記凸部の断面形状が、挿入方向に傾斜し、かつ、前記他方の内面に設けられた前記凹部の断面形状が、前記凸部と整合するように構成されていても良い。
さらに、本発明の別の実施態様においては、上記クリップと、当該クリップの下挟持部を取り付けた、所定の大きさの平面板状の、挟持物を載置する基盤とによりクリップボードが構成される。
別の実施態様にかかるクリップボードにおいて、上記クリップの下挟持部が、所定の大きさの平面板状をなすことにより、挟持物を載置する基盤を形成しても良い。
発明を実施するための望ましい形態
以下、添付図面を参照して、本発明に係るクリップの構造、その使用方法などにつき説明を加える。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるクリップの斜視図である。第1の実施の形態は、本発明の構造原理を用い、弾性を有する金属線材のみで形成したクリップであり、本発明の原理が最もわかり易いものである。
図1に示すように、本実施の形態にかかるクリップ100は、ほぼ水平に位置する上挟持部111および下挟持部112と、垂直に位置し垂直方向に伸縮する弾性体110、110とから構成されている。
図1に示すように、上挟持部111および下挟持部112は、矩形の3辺に対応する形状をなしている。それぞれの端部から弾性体110が連なり、上挟持部111および下挟持部112が連結されている。第1の実施の形態において、弾性体110は、上挟持部111および下挟持部112の一方の端部にそれぞれ連結され、上挟持部111および下挟持部112にて、それぞれ確定される面と整列するような復元力を備えた弾性部分115、115と、弾性部分115、115の他端を連結する前記平面と垂直方向に延びる結節部113とを有している。
本実施の形態にかかるクリップ100は、従来のクリップと異なり、何も挟持しない状態では、図1に示すように開いた状態、つまり、上挟持部111および下挟持部112が、結節部113の長さ(高さ)だけ離間した状態でほぼ平行となっている。また、挟持できる挟持物の厚みは、従来のクリップでは背板の高さまでであったが、本実施の形態にかかるクリップ100では、従来のクリップの背板に相当する弾性体110の高さ(つまり、結節部113の長さ)を超えるものであれば、弾性体110の性能が許す限り、任意の厚みの挟持物を挟むことができる。
本実施の形態にかかるクリップ100にて、挟持物114を挟もうとするときにつき、以下に説明する。まず、使用者は、上挟持部111、下挟持部112を、それぞれ離間するように手で開く。この場合も、開くために必要な力は従来のように挟持力そのものに抗する力ではなく、図2に示すように面剛性をもつ弾性体110の曲げに抗する力であり、挟持力に比べればはるかに小さい。このとき、上挟持部111および下挟持部112は、弾性体110の上下中央を中心に回転して開くので、上挟持部111と下挟持部112との間の根元側、つまり、弾性体110に連結される側における角度は小さくても、先端部分は十分に広く開くことができる。さらには本実施の形態にかかるクリップ100では、挟持物114の厚みと、上挟持部111と下挟持部112との離間距離との差だけ開けばよいので、挟持物の厚み分開かなければならなかった従来のクリップより、はるかに容易に開くことができる。
このように挟持物114が差し込めるだけの離間距離が確保できたら、挟持物114を、その端部が弾性体110に到達するまで押し込む。このとき、挟持物114に備わる厚みが上挟持部111と下挟持部112との離間距離を押し広げると同時に弾性体110を伸長させる。弾性体110が伸張して、その高さが、挟持物114の厚みと同一となったときに、図3に示すように上挟持部111、下挟持部112、並びに、挟持物の表面および裏面は平行になる。そして弾性体110が縮もうとする力が、上挟持部111および下挟持部112に伝達され、上挟持部111および下挟持部112は挟持物114に密着し、上挟持部111の下面および下挟持部112の上面全体で、挟持物114を挟持する。
図4は、弾性体110が伸長して、挟持物114を挟持している状態の斜視図である。図4に示すように、挟持物114を挟持することにより、上挟持部111および下挟持部112との距離が、初期状態(図1参照)より長くなっており、これに伴って、弾性体110の弾性部分115が、外方に引き延ばされる状態となっている。ここで弾性部分115の復元力により、上挟持部111および下挟持部112には、近接する方向の力が加わり、これが挟持力となる。
挟持物114からクリップ100を外す場合に、使用者は、挟持物114を片手で保持し、クリップ100を引き抜くだけでよい。
図5は、第2の実施の形態にかかるクリップの斜視図である。このクリップ100aにおいては、結節部の形状が、第1の実施の形態のものと異なる。図1に示すように、クリップ100のほぼ中央部に、上挟持部111の一端に連結された弾性部分115と、下挟持部112の一端に連結された弾性部分115とを連結する結節部113が設けられていれば、上挟持部111と下挟持部112との間を小さくすることができるが、その点を中心にねじれが生じ、上挟持部111と下側挟持部112とがずれてしまう可能性がある。薄い挟持物用のクリップとしては、図1に示すような形状でも十分な挟持力があり、差し支えなく使用できるが、特に厚みのある挟持物を挟持しようとすると、挟持部が回転して、ずれが起こり、不安定になる。これを防止するために、第2の実施の形態においては、上挟持部111aおよび下挟持部112aの両端付近に、結節部113aを配置することにより、上挟持部111aおよび下挟持部112aが、それぞれ、ずれのない状態つまりねじれの少ない状態で挟持することができる。したがって、比較的厚みのある挟持物を挟持する場合にも安定する。
次に、本発明の第3の実施の形態につき、図6ないし図10、および、図12Aないし図12Dを参照して説明を加える。図6は、第3の実施の形態にかかるクリップの平面図、図7および図8は、それぞれ、クリップの何も挟持していない状態の背面図および側断面図である。第3の実施の形態にかかるクリップ200は、プラスチック或いは金属などの材料で作られた、完全に分離した板状の上挟持部211および下挟持部212と、板状の上挟持部211および下挟持部212を連結するとともに、バネとしても作用する弾性体210、210とを備えている。弾性体210は、金属線材を折り曲げて、平面を画定するような形状となっている。
第3の実施の形態は、綴じた時に挟持物がどんな厚みであっても、図示するように、挟持物214の表面および裏面から、上挟持部211および下挟持部212の厚み、つまり、金属或いはプラスチック製の板の厚みのみが突出するような、最もかさばらない理想的なクリップの構造を示す基本的な例である。
このクリップ200においては、分離した上挟持部211および下挟持部212のそれぞれに、弾性体210、210の垂直方向に伸縮する力を伝えるため、上挟持部211および下挟持部212の、背面側の一辺に沿って、それぞれ、挟持力伝達部215が設けられている。挟持力伝達部215は、上側部材211および下側部材212の背面側の端部に形成され、図12Bに示すように、その断面形状が「コの字」状となっており、前面つまり挟持物が挿入される側が解放されている。本実施の形態においては、背面側の両端部、背面の長さのほぼ1/4にわたって、2つの挟持力伝達部215が形成されているが、これは弾性体210の形状等により変更され得ることは言うまでもない。さらには、本挟持力伝達部215を設けず、後述される剛性伝達部216に挟持力伝達機能を持たせることで、両機能を1つで兼用することも可能である。特に、挟持部の幅が小さいクリップでは、弾性体210の幅(水平方向長さ)が小さくなるため、このような構成を採用することは有効である。
これに対して、本実施の形態において、図12Aに示すように、上挟持部211および下挟持部212の中央部の断面形状は、2辺が解放されるようなものとなっている。したがって、後述するように、挟持物を挟持しようとする際に、弾性体210が矢印X方向に伸びることができる。
また、上挟持部211および下挟持部212のそれぞれの両端部には、上挟持部211および下挟持部212が回転して開くことを防止するように、弾性体210の曲げ剛性を、上挟持部211および下挟持部212に、それぞれ伝達する剛性伝達部216が設けられている。図12Cおよび図12Dに示すように、剛性伝達部216は、上下が開放された筒状になっており、当該筒の内部に、弾性体210の、上挟持部211および下挟持部212の面に鉛直に折り曲げられた端部222が収容されるようになっている。本実施の形態においては、鉛直に延びる弾性体210を上挟持部211または下挟持部212が拘束することで、曲げ剛性を伝達しているが、弾性体210の形状等により、その形態や伝達方法が変更され得ることは言うまでもない。
弾性体210は、両端部に鉛直方向に折り曲げられた端部222と、端部222から連なり、挟持部の挟持力伝達部215と接触する水平部221と、挟持物の挟持の際に、引き伸ばされる弾性部223と、上下の弾性部223を連結する鉛直方向に延びる結節部213とを有している。
本実施の形態にかかるクリップ200は、図8に示すように、さらに、挟持力を高め、かつ、上挟持部211および下挟持部212の開きを防止するために、上挟持部211および下挟持部212のそれぞれの前方端すなわち弾性体210を収容していない側の端を内方に折り曲げた加力部217、217を設けている。加力部217は、折り曲げられた位置(符号219参照)を支点として、上挟持部211と連結された加力部217では、当該上挟持部211と離間する方向に、下挟持部212と連結された加力部217であれば、当該下挟持部212と離間する方向に付勢されている。この加力部217は、たとえば、上挟持部211や下挟持部212よりも厚みの薄い金属板などから形成すれば良い。
無論、曲げ剛性が十分確保かつ伝達でき、上挟持部211および下挟持部212が挟持物を挟持したときに、弾性体210に対して常に90度の向きに保持され得るのであれば、加力部217を設けなくとも良い。
また、本実施の形態にかかるクリップ200においては、上挟持部211と下挟持部212との前後方向(挟持物の挿入方向)の長さが異なっている。これは、挟持物214を挟もうとするときに、挟持物214の底面で、より長い下挟持部212を押えることで、上挟持部211を容易に開くことができるようにするためである。無論、上挟持部211および下挟持部212の前後方向の長さが同じであっても良いことは言うまでもない。
使用において、使用者は、上述したように挟持物214の底面で、下挟持部212の内面(加力部217があれば加力部の面)を押え、上挟持部211を必要なだけ上方に開いて、これらの間に挟持物214を滑り込ませる。挟持物214が、クリップ200の背面側に進むのにしたがって、図9に示すように、結節部213を介して対向する弾性部分223、223が相互に離間する方向に、力が加えられる。ここで、弾性部分223、223は、相互に近接する方向に向かうバネ力があるため、その力が挟持力伝達部215、215を経て、上挟持部211および下挟持部212に伝達される。したがって、図10に示すように、挟持物214を、上挟持部211および下挟持部212の内面(加力部217が設けられていれば、二つの加力部217、217の面)にてしっかりと挟持することができる。
上記実施の形態の変形例として、クリップ200の先端を開くために、クリップ200の上挟持部211および下挟持部212の背面側を延長させて、操作部218、218を設けても良い。これは、図6および図8において破線にて示されている。必ずしも、操作部218を設ける必要はないが、この部分を見出しとして利用するなど、種々の利用が可能となる。上記操作部218を設けた場合に、当該操作部218は、挟持物をした際つまり綴じた際に、挟持物の表面や裏面と平行に突出する。従来のクリップでは、このような操作部が、挟持物の面から傾いた状態であったため、これを見出しとして利用することは現実的ではなかったが、上記実施の形態により、このようにクリップを見出しとして使うことを実現できる。
第1ないし第3の実施の形態においては、上挟持部と下挟持部とが、初期状態つまり挟持物を挟持していない状態でほぼ平行となるように構成していた。しかしながら、これに限定されるものではなく、挟持力を高めるために、その先端がほぼ閉じた状態であっても良い。図11は、第4の実施の形態にかかるクリップ200aの側断面図である。図11に示すように、第4の実施の形態においては、弾性体210aの結節部213aを、背面方向に湾曲させ、かつ、上挟持部211aおよび下挟持部212aと弾性体210aとが接触する付近において、これらの間のなす角が、それぞれほぼ直角となるようにするのが望ましい。このように構成することで、挟持物を挟持したときに、挟持部211aおよび挟持部212aの内面が、それぞれ、挟持物の表面および裏面に密着することができる。
次に、本発明の第5の実施の形態につき説明を加える。図13は、第5の実施の形態にかかるクリップの平面図、図14および図15は、それぞれ、クリップの何も挟持していない状態の背面図および側断面図である。これら図に示すように、第5の実施の形態にかかるクリップ300は、プラスチック或いは金属などの材料で作られた、完全に分離した板状の上挟持部311および下挟持部312と、金属線材で構成され、上挟持部311および下挟持部312を連結するとともにバネとしても作用する弾性体310、310および弾性体310のそれぞれの端部から上挟持部311および下挟持部312の外面に沿って延びる挟持部押圧部319、319、319、319を有する線状部材322とを備えている。
この実施の形態にかかるクリップ300においては、挟持力は弾性体310および挟持部押圧部319により保たれる。上挟持部311および下挟持部312は、これら挟持力を、面として均等に挟持物に伝えるための部材である。このため、これら上挟持部311および下挟持部312は、上記機能、つまり、挟持力を伝達するための最低限の厚みがあればよい。したがって、たとえば、上挟持部311および下挟持部312の材料としてプラスチックを利用しても、その厚みを最小限にでき、かさばることのないクリップを提供することができる。さらに、先端部分の辺で挟持物を挟持することがないため、たとえばプラスチック素材のメリットを生かして、様々な形状のクリップを作ることができる。
図14および図15に示すように、本実施の形態にかかる上挟持部311および下挟持部312においては、その内面に背面側の辺に沿って、溝330が形成され、当該溝330に弾性体310が収容されるようになっている。また、上挟持部311および下挟持部312の外面において、前後方向に挟持部押圧部319を収容するような溝が形成され、挟持部押圧部319が少なくとも部分的に埋め込まれるように構成しても良い。たとえば、完全に埋め込むことで外部から挟持部押圧部319を見えなくすることで意匠性を高めることができる。
さらに、第5の実施の形態においては、第3の実施の形態と同様に、前後方向の長さが、下挟持部312の方が長いようになっている。しかしながら、これに限定されるものではなく、上挟持部311と下挟持部312の前後方向の長さが等しくても良いことは言うまでもない。
また、第5の実施の形態においては、図15に示すように、上挟持部211の先端側に、左右方向つまり前後方向に垂直な方向に折り曲げ溝320が設けられ、上挟持部311の先端側が外向きに折り曲げられている。これは挟持物314を差し込みやすくするために設けられている。しかしながら、このような溝を設けなくても良く、より柔軟な材料にて挟持部の先端部を形成しても良いし、第1の実施の形態と同様に弾性体310の曲げ抵抗に抗する力で開くようにしても良い。
さらに、図13および図15において破線にて示すように、上挟持部311や下挟持部312の背面側を延長させて操作部321を設けても良い。操作部321は、何れかの挟持部一方に設けても良いし、双方に設けても良い。これらは、第3の実施の形態と同様に、見出しとしても利用することができる。また、挟持部をプラスチック材料にて形成する場合には、その形状や色を自由に設定することができるため、実用価値の高いものとなる。
使用の際の動作は、第1ないし第4の実施の形態と同様であり、挟持物314が背面側に進むと、図16に示すように、弾性体310の、結節部313にて連結された対向する弾性部分323、323が相互に離間する方向に、力が加えられる。ここで、弾性部分323、323は、相互に近接する方向に向かうバネ力があるため、その力が、挟持部押圧部319を介して、上挟持部311および下挟持部312に伝達される。したがって、図17に示すように、挟持物314を、上挟持部311および下挟持部312の内面にてしっかりと挟持することができる。
図18は、第6の実施の形態にかかるクリップの側断面図である。図18に示すように、このクリップ300bは、最小単位の挟持物、すなわち、1枚の紙などを挟持できるようにしたものである。これは、図18に示すように、上挟持部311aの内面と下挟持部312aの内面との間の距離をほぼ0(ゼロ)とすることにより実現される。
この例において、弾性体310aは、図26に示すように、上挟持部311aおよび下挟持部312aの厚みよりも小さな高さであっても良い。或いは、弾性体の性能を向上させるために、図27に示すように、上挟持部311cおよび下挟持部312cから部分的に突出するような構造を採っても良い。この場合には、上挟持部311cおよび下挟持部312cの背面側に、弾性体310cが通りぬけるための穴が形成されている。
次に、第7の実施の形態につき説明を加える。図19は、第7の実施の形態にかかるクリップの背面図である。このクリップ300cは、第5の実施の形態にかかるクリップ300の上挟持部311および下挟持部312を流用し、結節部313bが、第3の実施の形態にかかる弾性体310のものよりも長いような弾性体310bを用いて、より厚みのある挟持物を挟持できるようにしている。或いは、図5に示す例のように、弾性体の弾性部分の形状を変更して、結節部の位置を挟持部の両端付近に配置するようなものを利用しても良い。
図20ないし図24は、上記実施の形態にかかる種々のクリップの構造原理を利用したクリップの応用例を示す図である。図20は、本発明の第1の応用例を示す正面図、図21は、その側面図である。従来のクリップは、上下2つの挟持部が、背面側を軸にして回転して挟持物を挟むという構造のため、その背面が直角となるように挟持部を配置する、いわゆる三角形のコーナークリップを実現することが実質的に不可能であった。
しかしながら、本発明の原理を利用すれば、両挟持部は回転するのではなく、上下動によって挟持物を挟む。また、図20および図21に示すように、2つの弾性体410を、背面側の2辺に沿って配置すれば、あたかも背面側の2辺の交差する頂点を中心にクリップ400を開くことができる。このような三角形のクリップは、書類を挟むものとしては最もじゃまにならず、理想的なクリップということができる。さらに、破線で示しているような見出し421をつければ、書類棚に多数、立てて置いても判別し易く、便利である。また、弾性体の端部から延びる4つの押圧部419を、上記三角形の前方側の一辺に沿い、かつ、所定の位置で前記頂点に向かってほぼ直角に曲げるような形状とすれば、上挟持部411および下挟持部412を適切に押さえることができる。
図22は、第2の応用例を示す平面図である。従来のクリップは、上下2つの挟持部がほぼ回転して挟持物を挟む構造のため、その先端部分となる力点は、すべて支点から等距離にならざるを得なかった。しかしながら、本発明において、挟持物を挟持する部分は、従来のような限定された部分(たとえば先端だけ)ではなく、挟持部全面であるため、挟持部に弾性体の伸縮力が伝われば、その形状は制限されるものではない。図22においては、挟持部511の平面形状を、キャラクタの顔となるように構成している。このような形状としても、上述した理由により、クリップとしての機能を何ら損なわない。図22の例では、挟持部511をプラスチック材料で形成している。また、弾性体510として金属線材を利用している。弾性体の形状は、図7などに示す第3の実施の形態のようなものでもよいし、或いは、図14などに示す第5の実施の形態のように、挟持部押圧部が設けられたものであっても良い。図22においては、第3の実施の形態に示したような弾性体を利用し、弾性体510の端部を、プラスチックで形成された挟持部511内に埋めることで、その曲げ剛性を伝達している。
図23は、第3の応用例を示す平面図である。本発明によれば、余分な操作部を設ける必要性がないため、綴じた書類において、挟持部の板厚以上に突出する部分が無いようなクリップを実現できる。この例でも、弾性体の形状は第3の実施の形態に示すものであっても良いし、第5の実施の形態に示すものであっても良い。さらに、弾性体の形状および数を工夫することで、挟持物の辺方向に延びる長さのある形状のクリップを実現することもできる。たとえば、図23において、両端の弾性体610、610は第3の実施の形態に示すものと同様に形成し、中央にさらに他の弾性体611aを設けても良い。無論、弾性体の数を調整することにより、クリップの長さを所望のものにすることができる。さらに、クリップの所定の位置に綴じ孔622を作ることで、クリップにて挟持した状態のままで挟持物をパイプファイル等に収容することも可能となる。無論、破線621に示すように見出しを付加しても良いことは言うまでもない。
図24は、第4の応用例を示す正面図である。この例においては、図23に示すようなクリップの下挟持部(図示せず)を延ばすことでクリップボード基盤723を形成し、或いは、下挟持部(図示せず)に載置すべき紙(挟持物)714より若干大きなサイズを有する板状部材からなるクリップボード基盤723を取り付けることにより、従来のクリップボードに比べて、クリップ部分がかさばらないようなクリップボードを実現できる。必要以上にかさばらないので重ねておいてもじゃまにならず、見た目もスマートである。また普段の収納時にも必要以上にかさばることがなく、従来品のごとく収納棚を大きく占有することがない。挟持物を挟持し易くするための操作部を設けても良いし、設けなくとも良い。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
たとえば、前記第1の実施の形態や第3の実施の形態、或いは、第5の実施の形態において、弾性体の端部が、上挟持部および下挟持部の端部に位置し、その一方、結節部がほぼ中央に位置しているが、このような構成に限定されるものではない。図25は、図6、図7などに示す第3の実施の形態にかかるクリップの変形例の背面図である。この例では、弾性体210b、210bの結節部213b、213bを、上挟持部211bおよび下挟持部212bの両端に配置している。また、上挟持部211bおよび下挟持部212bのそれぞれ中央部付近に、挟持力伝達部215bおよび曲げ剛性伝達部216bの双方として機能させている。このように弾性体、挟持力伝達部、曲げ剛性伝達部その他各部材の位置、形状等は、第3の実施の形態に限られず、すべての実施の形態において様々な位置、形態等に変更することが可能である。
同様に、弾性体の形状、素材、数等は、各実施の形態にて例示したものに限定されることはない。たとえば、挟持部に弾性を持つ金属板を使用し、その端部を板バネ形状の弾性体として加工し、一体的なクリップを作成しても良い。また、弾性体の高さも上下両挟持部間の範囲に納まっているが、上下両挟持部間より高くして、はみ出してもよい。とくに、弾性体の数について、基本的には2つの弾性体が用いられているが、1つでも良いし、或いは、より多くの弾性体を用いれば、上下挟持板のねじれも少なく、より強固なものになるのはいうまでもない。図28および図29は、単一の弾性体を利用したクリップの例を示す部分断面斜視図である。図28においては、クリップ800は、上挟持部811および下挟持部812は、コイルバネからなる弾性体810にて連結されている。また、弾性体の曲げ剛性を伝達し、かつ、曲げに対する剛性を確保するために、上挟持部811の背面部および下挟持部812の背面部に、それぞれ、垂直方向に延びる中空の部材816、817が設けられ、これらが入れ子状に配置され、その内部に弾性体810が収容できるようになっている。図28は、コイルバネの代わりに、板バネからなる弾性体910を用いた他の例を示している。
また、挟持部の素材・形状等も、例示された素材、形態に限定されることはない。無論、挟持部押圧部、結節部など種々の部材の位置、形状、素材、数等も、例示された実施の形態に限定されることはない。さらに、挟持力伝達部、曲げ剛性伝達部の位置、形状、素材、数さらには挟持力伝達方法、曲げ剛性の伝達方法等も例示された実施の形態に限定されることはない。とくに、挟持力伝達部と曲げ剛性伝達部は、一箇所にして両方の機能を兼ねることも可能である。
さらに、すべての実施例で示された、上下両挟持部の弾性体に対する開き角度は、90度内外あるいはそれより小さく、例えば、従来のクリップと同様に先端が閉じていてもよい。上下両挟持部は、挟持力を高めるため、湾曲してもよい。操作部、見出し、加力部は必要に応じて付加すればよい。
また、明細書においては、4つの応用例が示されているが、これに限定されるものではない。たとえば、本発明にかかる構造を採用し、クリップの下挟持部に磁石を付ければマグネット付きのクリップとなり、壁面に取り付けたときにも、従来のマグネット付きのクリップと異なり、上挟持部と壁面とを平行に保つことができる。したがって、上挟持部の表面を見出しとして利用しても、従来のクリップのように傾くことなく、見やすい見出し付きのクリップを提供することができる。
さらに、ファイルの綴じ具の代わりに、第3の応用例と同様の長めのクリップを取り付ければ、書類に穴を開けず、しかも簡単に書類の脱着が可能なファイルを提供することができる。また、ファイルの表紙裏に、第4の応用例と同様のクリップボード用クリップを取り付ければ、クリップ部分がかさばらないため、ファイルを閉じても厚くならず、実用価値の高いクリップボード付きファイルを提供できる。
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。第8の実施の形態にかかるクリップは、第3の実施の形態ないし第7の実施の形態のような、板状の上挟持部および下挟持部を有するタイプである。しかしながら、第8の実施の形態においては、上挟持部および下挟持部の対向する面に、凹部や凸部が設けられ、これらが嵌合或いは突合することにより、挟持物をしっかりと挟み込めるように構成している。なお、第3の実施の形態ないし第7の実施の形態においても、上挟持部および下挟持部の対向する面(内面)に、以下に述べるような凸部や凹部を形成してもよい。また、本明細書において、内面が「ほぼ平面状」であるとは、内面全体が平滑な単一の面を構成する場合に限定されず、内面の一部に凸部や凹部が形成された場合も含む。
図30は、第8の実施の形態にかかるクリップの平面図、図31は、挟持物を挟持しない状態の背面図、図32は、挟持物を挟持しない状態の、XXXII線−XXXII線部分断面図である。
図30ないし図32に示すように、第8の実施の形態にかかるクリップ3100は、上挟持部3111と、下挟持部3112と、上挟持部3111および下挟持部3112を連結するとともに、ばねとして作用する弾性体3110、3110とを備えている。下挟持部3112は、上挟持部3111よりも、挟持物の挿入方向(矢印X方向)に長く延び、かつ、上挟持部3111は、下挟持部3112によりも、挿入方向と垂直方向に長く延びる。したがって、上挟持部3111と下挟持部3112との間で、これらの端縁が、ほぼ平面上で交差する上下端縁交差部3125が形成される。
弾性体3110の両端には、それぞれ、上挟持部3111および下挟持部3112の外側面に延び、上挟持部3111および下挟持部3112が接近する或いは密着するように付勢する押圧部3114、3114が形成される。また、弾性体3110は、上挟持部3111の端縁部、および、下挟持部3112の端縁部にて画定される垂直面と整列するような復元力を備えた弾性部材3116、3116と、前記弾性部材の端部を連結した結節部3117とを有している。
第8の実施の形態においては、図30および図32に示すように、上挟持部3111の内面に、所定の間隔で、挿入方向に沿った細長い凹部3133が複数形成され、かつ、下挟持部の内面にも、前記凹部3133とそれぞれ嵌合するように、挿入方向に沿った細長い凸部3132が複数形成されている。本実施の形態においては、それぞれ3本の凹部および凸部が設けられる。無論、凹部および凸部の数は、これに限定されるものではない。
第8の実施の形態にかかるクリップ3100を用いて、挟持物3113を挟もうとする場合について、図33ないし図36を参照して説明する。まず、使用者は、図33に示すように、上下端縁交差部3125に、斜め方向に向けた挟持物3113をあてがい、且つ、上挟持部3111は挟持物3113の上に、下挟持部3112は挟持物3113の下に位置するようにクリップを保ちながら、挟持物3113を差し込む。このとき、クリップ3100は、図34に示すように先端部分のみが開く。
この状態で、開くために必要とする力は、従来のように挟持力そのものに抗する力ではなく、図34に示すように(弾性体が湾曲している)、面剛性をもつ弾性体3110の曲げに抗する力であり、挟持力に比べれば小さい。
このように、挟持物3113が差し込めるだけの離間距離が確保できたら、挟持物3113を、その先端部分が、弾性体3110に到達するまで押し込む。このとき、挟持物3113に備わる厚みが、上挟持部3111と下挟持部3112との離間距離を押し広げると同時に、弾性体3110を伸張させる。弾性体3110が伸張して、その高さが挟持物3113の厚みと同一になったときに、図35に示すように上挟持部3111、下挟持部3112、並びに、挟持物3113の表面および裏面は平行になる。そして、弾性体3110が縮もうとする力が、上挟持部3111および下挟持部3112に伝達され、上挟持部3111および下挟持部3112は、挟持物3113に密着し、上挟持部3111の下面および下挟持部3112の上面全体で、挟持物3113を挟持する。
図36は、弾性体3110が伸張して、挟持物3113を挟持している状態の背面図である。図に示すように、挟持物3113を挟持することにより、上挟持部3111と下挟持部3112との離間距離が、初期状態(図31参照)より大きくなっており、これに伴って、弾性体3110の弾性部材3116が、外方に引き伸ばされた状態となっている。ここで弾性部材3116の復元力により、上挟持部3111および下挟持部3112には、相互に近接する方向の力が加わり、これが挟持力となる。
なおこのとき、互いに勘合する複数の凸部3132と凹部3133が挟持物にくい込み、挟持物3113はしっかりと保持される。
従来のクリップの場合、このような突起は、クリップの力点、すなわちクリップ先端の線状部分のみにしか設けることはできなかったが(先端以外に設けても力点とならず効果が無い)、本発明にかかるクリップでは上下挟持部の内面全体が力点をとなるため、第8の実施の形態のように、先端部分ではなく背面端縁とほぼ直角に配置することが可能であり、しかも図のように複数の突起を離間した位置に設けることができるため、強い挟持力を離間した複数の力点で同時に挟持物に作用させることが可能となる。このため、挟持物はずれることなく、よりしっかりと挟持することが可能となる。さらには、凸部、凹部をクリップ端縁とほぼ直角に配置している本実施例の場合は、挟持物を差し込む方向と凸部の方向が一致しているため、挟持物はより差し込みやすい。
挟持物3113からクリップ3100を外す場合には、使用者は挟持物3113を片手で保持し、クリップ3100を引き抜くだけでよい。
第8の実施の形態においては、上挟持部或いは下挟持部のいずれか一方の内面に、細長い凹部を形成し、他方の内面に、前記凹部と対向する位置に、凹部と嵌合するように細長い凸部を形成した。しかしながら、このような構成に限定されるものではなく、双方の内面に細長い凸部を形成しても良い。図37および図38は、クリップのさらに他の例を示す正面図および背面図である。この例にかかるクリップ3200は、第8の実施の形態にかかるクリップ3100と類似するが、挟持力が最も大きく作用する押圧部3214、3214を、上下挟持部3211、3212に、それぞれ埋め込み、かつ、押圧部3214が埋め込まれた部分に沿って、内面に凸部3232を形成することで、より強い挟持力を作用させることを可能としている。この例では、上述した凸部3232以外に、上側挟持部3214には、複数(この例では3つ)の細長い凸部3232が形成されている。
図39に示すように、このクリップ3200においては、弾性体3210の結節部3217に、弾性部3216からほぼ90度で、上下挟持部3211、3212から離間するように延びる屈曲部34が形成される。クリップ3200の使用方法もクリップ3100と同様である。つまり、クリップに挟持物を斜め方向に差し込み、その後、挟持物が弾性体3210に到達するまで押し込む。
挟持物を挟持した状態で、弾性体3216は互いに離間して開いているが、結節部3217における角度(屈曲部3234と結節部3217とで形成するほぼ90度の角度)は、ほとんど変わることが無い。すなわち、屈曲部3234のねじれにより弾性部材3216の成す角度が吸収されているのである。したがって、弾性体3210は結節部3217における部材の局部的な大きな変形を回避することが可能となり、より広い弾性域を得ることが可能となる。言い換えれば、より厚手の挟持物を挟んでも弾性体3210が塑性変形を起こして損傷することなく、性能の良いクリップを提供できる。
上述したような凸部や凹部を、コーナークリップに形成しても良い。図40は、コーナークリップの上下挟持部に凸部を形成した例の平面図である。このクリップ3300においては、上挟持部3311および下挟持部3312の内面に、それぞれ、複数の、脱落防止用の円状の凸部3332が設けられている。上挟持部3311の凸部3332と、下挟持部3312の凸部3332は、それぞれ、対向しないように配置される。
また、図41に示すように、コーナークリップ3300の弾性体3310の結節部3317には、弾性部材316から垂直方向に離間するように延びる屈曲部3334が形成される。
このクリップ3300の使用にあたっては、上下端縁交差部3325に、斜め方向に向けた挟持物をあてがい、且つ、上挟持部3311は挟持物の上に、下挟持部3312は挟持物の下に位置するように、クリップを保ちながら、挟持物を差し込む。この場合、差し込むために必要とする力は、弾性部材3316、3316が閉じようとする力に抗する力である。そして挟持物が差し込めるだけの離間距離が確保できたら、挟持物を、その先端部分が、上下両挟持部のコーナー部に到達するまで回転しながら押し込む。このとき、挟持物に備わる厚みが、上挟持部3311と下挟持部3312との離間距離を押し広げると同時に、押圧部3314、3314の先端を、互いに離間する方向に押し広げる。そして、コーナー部における上挟持部3311と下挟持部3312との離間距離が挟持物と同一になったときに、上挟持部3311、下挟持部3312、並びに、挟持物の表面および裏面は平行になる。そして弾性部材3316が閉じようとする力、および離間した押圧部3314、3314が復元しようとする力、すなわち上挟持部3311および、下挟持部3312が互いに近接する方向に働く力が、上挟持部3311および下挟持部3312に伝達され、上挟持部3311および下挟持部3312は挟持物に密着し、上挟持部3311の下面および下挟持部3312の上面全体で、挟持物を挟持する。
凸部は、細長い形状に限定されず、円形など、種々の形状(たとえば、矩形など)を採用できる。また、図42に示すように、上挟持部3411および下挟持部3412の双方の内面に凹部3433,3433を設けても良い。図42の例では、凹部を対向させているが、これに限定されず、上挟持部および下挟持部に、凹部が相互に対向しないように配置しても良いことはいうまでもない。
さらに、第8の実施の形態においては、挿入方向に沿って細長い凸部および凹部を形成したが、これに限定されず、挿入方向に垂直な方向に沿って細長い凸部および凹部を形成しても良い。さらに、挿入方向およびその垂直方向の双方に沿って、細長い凸部および凹部を形成しても良いことはいうまでもない。
また、図43に示すように、上下挟持部の一方(図43においては、上挟持部3511)に形成された凸部3532の断面形状を、挟持物の挿入方向(図43の矢印X方向)に傾け、他方(図43においては、下挟持部3512)に形成された凹部3533もこれに整合する形状とすることで、挟持物を差し込みやすく且つ、外れにくいクリップを提供することも可能となる。
本発明によれば、従来のクリップの持つ不都合な点をすべて解消できるだけでなく、自由な形状のクリップ等、今までにない新たな機能をもつクリップを提供することが可能である。
まず、本発明に係るクリップの構造を採用した場合の、最も大きな効果として挙げられるものとして、どんな書類を挟持しても、上下挟持部の厚み以上にかさばることなく、書類にピッタリと密着するクリップが可能である。とくに、第3の実施の形態においては、書類以上に出っ張るのは、金属板の厚みのみであり、クリップのかさばりを意識しなくても済むようなスマートなクリップとなり得る。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、挟持力をもたらすものが弾性体の伸縮力であるため、挟持部の大きさを変えることなく、弾性体を替えるだけで、薄い書類から厚い書類まで挟持することができる。そのため、クリップの大きさを統一できる。さらにはクリップの弾性体の高さ以上であれば、弾性体の許す限り、どんな厚みの書類も挟持できるので、汎用性の高いクリップとなり得る。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、クリップの取り付けにあたっては、専用の器具を使うことなく、小さな力で簡単に開いて、取り付けることができる。また、開くための操作部もとくに必要とせず、極めてスマートなクリップが可能である。さらには、従来の局所的に力が加わるクリップと異なり、挟持部全面で挟みつけるため、書類が傷みにくい。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、プラスチック等、強度の低い素材でもかさばることの無いクリップを作ることが可能である。とくに、プラスチックを挟持部として利用すれば、様々な付加価値や機能を持つクリップが可能になる。例えば、挟持部を透明にすれば、綴じたときにもクリップの下の文字が判読でき、目立たないスマートなクリップになる。プラスチックであれば、色を変えて、カラフルにすることもでき、多数の書類の判別にも役立つ。さらには上下挟持部は完全に分離しているので、上側挟持部を透明にし、下側挟持部をカラフルにすることも可能である。そうすれば、前記説明のとおり、書類を見るときは目立たず、多数の書類から判別する時は、当該クリップ下側の挟持部の色で容易に判別できるという、高機能を持ったクリップも可能になる。また容易に成型加工できるプラスチックの場合は、クリップと一体成型された見出しを設けることも可能である。とくに本発明に係るクリップでは、常に挟持部が、書類と平行に保たれるため、クリップと一体となった見出しも書類と平行になり、従来書類等を挟持したとき、傾く等の理由で、現実的でなかった見出し付クリップも実用に耐えるものとして実現可能である。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、従来のクリップのように書類を挟持する位置が限定されず、挟持部の面全体で挟むため挟持部は自由な形態にできる。すなわち、第3の実施の形態等に示す下側挟持部を大きくしたり、図22の例に示すようにキャラクタのデザイン等を採用することも可能である。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、その挟持部の厚み以上にかさばることがなく、弾性体の数を必要に応じて増やすことができるので、書類を簡易な製本状に綴じる、長いクリップも可能である。さらには、実施例6のようにファイル閉じ具部分に合わせて、ルーズホールを開けておけば、クリップで綴じたまま、ファイルに綴じることが可能なクリップも、実用上可能となる。また、図24に示すように挟持部がかさばらないクリップボードも可能になる。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、従来のクリップのように挟持部は一方向のみに回転して挟むのではなく、上下動により挟むので、従来不可能であったコーナークリップも可能である。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、挟持部を変えずに弾性体を替えるだけで大小のクリップを製造することが可能となり、大幅な製造コストの削減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるクリップの斜視図である。
図2は、第1の実施の形態にかかるクリップで挟持物を挟持しようとするためにクリップを開いた状態を示す断面図である。
図3は、第1の実施の形態にかかるクリップで挟持物を挟持した状態を示す断面図である。
図4は、第1の実施の形態において弾性体が伸長して、挟持物を挟持している状態を示す斜視図である。
図5は、第2の実施の形態にかかるクリップの斜視図である。
図6は、第3の実施の形態にかかるクリップの平面図である。
図7は、第3の実施の形態にかかるクリップの何も挟持していない状態を示す背面図である。
図8は、図7のVIII−VIII線断面図であり、第3の実施の形態にかかるクリップの何も挟持していない状態を示す。
図9は、第3の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す背面図である。
図10は、図9のX−X線断面図であり、第3の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す。
図11は、第4の実施の形態にかかるクリップ200aの側断面図である。
図12は、第3の実施の形態にかかるクリップの挟持部および弾性体を示し、図12A〜図12Cは、それぞれ、図7のB−B線、C−C線およびD−D線断面図、図12Dは弾性体の部分背面図である。
図13は、第5の実施の形態にかかるクリップの平面図である。
図14は、第5の実施の形態にかかるクリップの何も挟持していない状態を示す背面図である。
図15は、図14のXV−XV線断面図であり、第5の実施の形態にかかるクリップの何も挟持していない状態を示す。
図16は、第5の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す背面図である。
図17は、図16のXVII−XVII線断面図であり、第5の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す。
図18は、図26のXVIII−XVIII線断面図であり、第6の実施の形態にかかるクリップの何も教示していない状態を示す。
図19は、第7の実施の形態にかかるクリップの背面図である。
図20は、本発明にかかるクリップの他の例を示す平面図である。
図21は、図20に示すクリップの側面図である。
図22は、本発明にかかるクリップの他の例を示す平面図である。
図23は、本発明にかかるクリップの他の例を示す平面図である。
図24は、本発明にかかるクリップを利用したクリップボードの例を示す平面図である。
図25は、第3の実施の形態にかかるクリップの変形例の背面図である。
図26は、第6の実施の形態にかかるクリップの背面図である。
図27は、第6の実施の形態にかかるクリップの変形例を示す背面図である。
図28は、本発明にかかるクリップの他の例を示す部分断面斜視図である。
図29は、本発明にかかるクリップのさらに他の例を示す部分断面斜視図である。
図30は、第8の実施の形態にかかるクリップの正面図である。
図31は、第8の実施の形態にかかるクリップの背面図である。
図32は、第8の実施の形態にかかるクリップの部分断面図である。
図33は、第8の実施の形態にかかるクリップの使用状態を説明する斜視図である。
図34は、第8の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持しつつある状態を示す側面図である。
図35は、第8の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す側面図である。
図36は、第8の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す背面図である。
図37は、第8の実施の形態の変形に対応するクリップの正面図である。
図38は、第8の実施の形態の変形に対応するクリップの背面図である。
図39は、第8の実施の形態の変形に対応するクリップの側面図である。
図40は、本発明にかかるさらに他のコーナークリップの正面図である。
図41は、本発明にかかるさらに他のコーナークリップの部分断面図である。
図42は、本発明にかかる他のクリップの部分断面図である。
図43は、本発明にかかるさらに他のクリップの部分断面図である。
本発明は、クリップに関し、より詳細にはクリップの基本的な構造、および、当該クリップを利用したクリップボードやファイルに関する。
発明の背景
公知のクリップとして最も一般的に知られているものとして、コイルバネ等を利用し、支点を中心に挟持部である力点と、開くための操作部とが、おのおの反対側に位置し、バネの力で回転して書類等を挟持する、いわゆる洗濯バサミ型のクリップがある。また、金属板などで側面ほぼコの字状に形成され、金属板の弾性力により、その先端が閉じようとする力で書類等を挟持するクリップがある。
ほぼコの字型のクリップでは、挟持物を挟む時、開くための操作部が必要以上にかさばらないように様々な工夫が施されている。よく知られているものとして、線状部材で構成された操作部が回転して挟持物と平行になり、かさばらなくした、いわゆるダブルクリップ。操作部を持たず、ほぼコの字状になった二重の金属板がスライドして内部金属板が挟持物を挟持するクリップ。そして挟持するための操作部を一切持たず、書類等を挟持するためクリップを開く場合には専用の器具を必要とするクリップ等がある。その他として、薄いものを挟むクリップとして線材を曲げたり、板状部材を加工して形成された、いわゆるゼムクリップがある。
挟持できる書類等の厚みという観点からいえば、従来のクリップの場合、洗濯バサミ型は支点部分の開き幅が、ほぼコの字型のクリップはその支点となる背板の高さが、挟む事のできる書類の厚みの限界である。このため多くのクリップにおいて、様々な厚みの書類に対応できるように大小数種類のクリップを用意し、挟持力を確保するために、その厚みに比例してクリップの大きさも大小異なる大きさになっている。
書類等を挟持したときのかさばりという観点からいえば、最もかさばりが少ないのは専用の器具を使用する前記のクリップであるが、綴じるときに別途、専用の器具を必要とし、またその器具も使用するクリップの大きさにあわせていちいち変えなくてはならないという不便さがある。特に打ち合わせ先等、外出先で一度クリップをはずしたりしたら、器具がない限り書類はバラバラのままで持ち帰らざるを得ず、大変不便である。さらにはその器具の形態上あまり大きなクリップは非現実的で薄い書類のみに使われる。
しかしながら、洗濯バサミ型にしても、コの字型のクリップにしても従来のクリップは、すべてが先に説明したようにその背板の高さ、あるいは支点部分の開き幅は固定的な高さである。そのため、当該高さ又は開き幅より薄い書類等を挟んだ時にはその高さと書類の厚みとの差が、出っ張りとして必要以上にかさばるものとなる。
つぎに、挟持物を挟むときに必要とするクリップを開くための力という観点から従来のクリップをみると、専用の器具を使用するクリップや、スライドすることで挟持するクリップなどを除けば、すべてクリップを開く操作部を押圧することで挟持部を開く構造となっている。さらには先端が完全に閉じた状態から、最低限、挟持物の厚みの分開かなければならず、とくに厚い書類等の場合には大きな力を必要とする。またその開くために必要とする力は挟持物そのものを挟む力に抗して開くため、挟持力の強いクリップほど大きな力を必要とする。
取り付け、取り外しの容易さという観点から従来のクリップを見ると洗濯バサミ型やスライド型は取り付け、取り外しともにワンタッチで可能であるが、専用器具を用いるクリップは別として、最もよく利用されているいわゆるダブルクリップの場合でも、その両側操作部を回転して操作しなければならず、若干のわずらわしさがある。
クリップで綴じることに起因する押圧跡など、書類の傷みという観点から従来のクリップをみると、いわゆるゼムクリップを除けば、すべてあるひとつの支点のもとに挟持部がほぼ回転し、その先端部分となる線状又は点状の部分で挟持物を挟持している。そのため局所的に大きな力がかかることとなり、とくに厚い書類等を挟んだ後には、その跡が凹みとなって残る場合がある。
従来のクリップについてその材料の観点からみると、とくにその構造原理から使用できる素材が限定されるという不都合がある。すなわちゼムクリップを除けば、どの形態のクリップでも支点と力点との間に最小限の距離を保つ必要がある。そのため材料強度の低いプラスチック製のクリップではその支点と力点との間の曲げ剛性を確保するため、リブをつける、あるいは材厚を確保するなどクリップそのものが大きくかさばる物となり、事務書類等のクリップには不向きである。
さらに、従来のクリップの製造コストという観点からみると、どのクリップもその挟持できる書類の厚みに応じて数種類の大きさや材厚の異なるクリップを製品化している。従って種類が多いため、その製造コストも増える。さらには使用する際にも、厚みが大きく異なる数種類の綴じられた書類では、そのクリップの大きさが書類ごとに異なり、見苦しさは否めない。
また、クリップを形態という観点からみると、従来のクリップの多くはさきに説明したとおり、先端の線状部分で挟持するため、その力点となる先端部分は常に直線的であり、さらには、上下挟持部は常に同じ長さにしなければ、書類を挟んだ時にバランスが保てない。また挟持部がほぼ回転して書類等を挟むため、直角方向に回転して力が加わるクリップ、例えばコーナークリップなどは現実的に不可能である。
以上が、従来のクリップの構造上発生し、避けることのできない不都合な点である。本発明は、これら従来のクリップの持つ不都合な点のすべてを同時に解消する構造のクリップを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、厚みの違う書類であってもクリップの形態が大きく変わらず、専用の器具なしに容易に取り付け取り外しができ、どんな厚みの書類を綴じても必要以上にかさばらず、クリップを開くために大きな力を必要とせず、綴じた時に書類を傷めず、プラスチック等強度の小さい素材を使用してもかさばらず、製造コストを抑えることができ、そしてなお、特殊な形態にも対応できる。
発明の開示
前記目的を達成するため、本発明は、垂直に位置し、垂直方向に伸縮して、挟持物を挟持する力を上下挟持部に与える弾性体と、前記垂直に位置する弾性体に対してほぼ水平となる90度内外、あるいはそれ以下の角度を持つ上下2つの挟持部とで構成された形成体をクリップの構造として採用した。
より具体的には、本発明の目的は、任意の挟持物を挟持するクリップであって、線材から構成され、少なくとも挟持物の表面に、当該表面の部分を取り囲むような形状の上挟持部と、少なくとも挟持物の裏面に、当該裏面の部分を取り囲むような形状の下挟持部と、前記上挟持部の端部と下挟持部の端部とをそれぞれ連結した弾性体とを備え、前記弾性体が、前記上挟持部および下挟持部のそれぞれの一端から、挟持物を挟持した状態でその背面に沿って位置するように形成されたことを特徴とするクリップにより達成される。
より好ましい実施態様においては、前記上挟持部および下挟持部が、それぞれ、挟持物を挟持しない状態で、前記弾性体に対してほぼ90度あるいはそれ以下の角度に維持される。
また、挟持物を挟持したときに、前記上挟持部および前記下挟持部が、それぞれ、前記弾性体に対してほぼ90度の角度に保持されるように、前記弾性体に曲げに対する剛性を持っているのが望ましい。
より好ましい実施態様においては、前記弾性体が、少なくとも一対設けられ、かつ、各弾性体が、伸縮自在の一対の弾性部材と、前記弾性部材の端部を連結する垂直方向に延びる結節部とを有する。
上挟持部および下挟持部が、それぞれ、矩形の3辺を画定するような形状であっても良いし、或いは、上挟持部および下挟持部が、それぞれ、三角形の2辺を画定するような形状であっても良い。
さらに、対の弾性体が、所定の角度、たとえば、90度にて配置されても良い。これにより、いわゆるコーナークリップを実現できる。
また、本発明の目的は、任意の挟持物を挟持するクリップであって、少なくとも内面が平面であるほぼ板状の上挟持部と、少なくとも内面が平面であるほぼ板状の下挟持部と、線材で形成され、前記上挟持部の部分と下挟持部の対応する部分とを連結した少なくとも一以上の弾性体とを備え、前記弾性体が、前記上挟持部および下挟持部のそれぞれの一端から、挟持物を挟持した状態でその背面に沿って位置するように形成されたことを特徴とするクリップによっても達成される。
好ましい実態態様においては、前記弾性体が、両端部から、当該弾性体自体からほぼ90度或いはそれ以下の角度をなして延び、上挟持部および下挟持部を、双方が近接する向きで付勢する一対の押圧部を有する。
弾性体が、前記背面において、ほぼ垂直方向に形成されていても良い。また、前記上挟持部および下挟持部が、それぞれ、挟持物を挟持しない状態で、前記弾性体に対してほぼ90度あるいはそれ以下の角度に維持されるのが望ましい。
さらに好ましい実施態様においては、挟持物を挟持したときに、前記上挟持部および前記下挟持部が、それぞれ、前記弾性体に対してほぼ90度の角度に保持されるように、前記弾性体に曲げに対する剛性を持たせている。これを実現するために、上挟持部および下挟持部の各々で、前記少なくとも一点で弾性体と接することで、当該弾性体の曲げ剛性が伝達される曲げ剛性伝達部が設けられてもよい。或いは、上挟持部および下挟持部の各々の背面側端部が折り曲げられ、入れ子状となることで、弾性体の曲げに対する剛性を持たせても良い。
別の好ましい実施態様においては、弾性体が、少なくとも一対設けられ、かつ、各弾性体が、線材で形成され、かつ、伸縮自在の一対の弾性部材と、前記弾性部材の端部を連結する垂直方向に延びる結節部とを有する。
また、弾性体の端部が、前記上挟持部および下挟持部のそれぞれの端部近傍に位置しても良いし、或いは、前記弾性体の結節部が、上挟持部および下挟持部のそれぞれ端部付近に位置していても良い。
また、少なくとも対の弾性体が、所定の角度にて配置されても良い。上記角度をほぼ90度とすることで、いわゆるコーナークリップを実現できる。この形態では、上挟持部および下挟持部が、それぞれ、前記所定の角度をなす2辺および当該2辺の端部を結ぶ三角形となっても良い。
別の好ましい実施態様においては、前記上挟持部および下挟持部の少なくとも一方が、挟持物を挟持した状態における背面側で、前記上挟持部或いは下挟持部とほぼ平面をなす延長部を有する。この延長部は、見出しとして利用することができる。また、弾性体の数は1つ或いは2つに限定されるものではない。たとえば、複数の対であってもよい。或いは、奇数の弾性体が設けられていても良い。
別の好ましい実施態様において、上挟持部および下挟持部の少なくとも一方の内面に、部分的に凸部が形成されている。また、上挟持部および下挟持部の他方の内面に、前記凸部と整合するような凹部が形成されていてもよい。
たとえば、内面には、挟持物の挿入方向に沿った一以上の細長い凸部、および/または、その垂直方向に沿った細長い凹部が形成される。或いは、凸部の平面形状がほぼ円形であっても良い。
さらに、一方の内面に凸部が設けられるとともに、前記他方の内面に、凹部が設けられ、かつ、前記凸部の断面形状が、挿入方向に傾斜し、かつ、前記他方の内面に設けられた前記凹部の断面形状が、前記凸部と整合するように構成されていても良い。
さらに、本発明の別の実施態様においては、上記クリップと、当該クリップの下挟持部を取り付けた、所定の大きさの平面板状の、挟持物を載置する基盤とによりクリップボードが構成される。
別の実施態様にかかるクリップボードにおいて、上記クリップの下挟持部が、所定の大きさの平面板状をなすことにより、挟持物を載置する基盤を形成しても良い。
発明を実施するための望ましい形態
以下、添付図面を参照して、本発明に係るクリップの構造、その使用方法などにつき説明を加える。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるクリップの斜視図である。第1の実施の形態は、本発明の構造原理を用い、弾性を有する金属線材のみで形成したクリップであり、本発明の原理が最もわかり易いものである。
図1に示すように、本実施の形態にかかるクリップ100は、ほぼ水平に位置する上挟持部111および下挟持部112と、垂直に位置し垂直方向に伸縮する弾性体110、110とから構成されている。
図1に示すように、上挟持部111および下挟持部112は、矩形の3辺に対応する形状をなしている。それぞれの端部から弾性体110が連なり、上挟持部111および下挟持部112が連結されている。第1の実施の形態において、弾性体110は、上挟持部111および下挟持部112の一方の端部にそれぞれ連結され、上挟持部111および下挟持部112にて、それぞれ確定される面と整列するような復元力を備えた弾性部分115、115と、弾性部分115、115の他端を連結する前記平面と垂直方向に延びる結節部113とを有している。
本実施の形態にかかるクリップ100は、従来のクリップと異なり、何も挟持しない状態では、図1に示すように開いた状態、つまり、上挟持部111および下挟持部112が、結節部113の長さ(高さ)だけ離間した状態でほぼ平行となっている。また、挟持できる挟持物の厚みは、従来のクリップでは背板の高さまでであったが、本実施の形態にかかるクリップ100では、従来のクリップの背板に相当する弾性体110の高さ(つまり、結節部113の長さ)を超えるものであれば、弾性体110の性能が許す限り、任意の厚みの挟持物を挟むことができる。
本実施の形態にかかるクリップ100にて、挟持物114を挟もうとするときにつき、以下に説明する。まず、使用者は、上挟持部111、下挟持部112を、それぞれ離間するように手で開く。この場合も、開くために必要な力は従来のように挟持力そのものに抗する力ではなく、図2に示すように面剛性をもつ弾性体110の曲げに抗する力であり、挟持力に比べればはるかに小さい。このとき、上挟持部111および下挟持部112は、弾性体110の上下中央を中心に回転して開くので、上挟持部111と下挟持部112との間の根元側、つまり、弾性体110に連結される側における角度は小さくても、先端部分は十分に広く開くことができる。さらには本実施の形態にかかるクリップ100では、挟持物114の厚みと、上挟持部111と下挟持部112との離間距離との差だけ開けばよいので、挟持物の厚み分開かなければならなかった従来のクリップより、はるかに容易に開くことができる。
このように挟持物114が差し込めるだけの離間距離が確保できたら、挟持物114を、その端部が弾性体110に到達するまで押し込む。このとき、挟持物114に備わる厚みが上挟持部111と下挟持部112との離間距離を押し広げると同時に弾性体110を伸長させる。弾性体110が伸張して、その高さが、挟持物114の厚みと同一となったときに、図3に示すように上挟持部111、下挟持部112、並びに、挟持物の表面および裏面は平行になる。そして弾性体110が縮もうとする力が、上挟持部111および下挟持部112に伝達され、上挟持部111および下挟持部112は挟持物114に密着し、上挟持部111の下面および下挟持部112の上面全体で、挟持物114を挟持する。
図4は、弾性体110が伸長して、挟持物114を挟持している状態の斜視図である。図4に示すように、挟持物114を挟持することにより、上挟持部111および下挟持部112との距離が、初期状態(図1参照)より長くなっており、これに伴って、弾性体110の弾性部分115が、外方に引き延ばされる状態となっている。ここで弾性部分115の復元力により、上挟持部111および下挟持部112には、近接する方向の力が加わり、これが挟持力となる。
挟持物114からクリップ100を外す場合に、使用者は、挟持物114を片手で保持し、クリップ100を引き抜くだけでよい。
図5は、第2の実施の形態にかかるクリップの斜視図である。このクリップ100aにおいては、結節部の形状が、第1の実施の形態のものと異なる。図1に示すように、クリップ100のほぼ中央部に、上挟持部111の一端に連結された弾性部分115と、下挟持部112の一端に連結された弾性部分115とを連結する結節部113が設けられていれば、上挟持部111と下挟持部112との間を小さくすることができるが、その点を中心にねじれが生じ、上挟持部111と下側挟持部112とがずれてしまう可能性がある。薄い挟持物用のクリップとしては、図1に示すような形状でも十分な挟持力があり、差し支えなく使用できるが、特に厚みのある挟持物を挟持しようとすると、挟持部が回転して、ずれが起こり、不安定になる。これを防止するために、第2の実施の形態においては、上挟持部111aおよび下挟持部112aの両端付近に、結節部113aを配置することにより、上挟持部111aおよび下挟持部112aが、それぞれ、ずれのない状態つまりねじれの少ない状態で挟持することができる。したがって、比較的厚みのある挟持物を挟持する場合にも安定する。
次に、本発明の第3の実施の形態につき、図6ないし図10、および、図12Aないし図12Dを参照して説明を加える。図6は、第3の実施の形態にかかるクリップの平面図、図7および図8は、それぞれ、クリップの何も挟持していない状態の背面図および側断面図である。第3の実施の形態にかかるクリップ200は、プラスチック或いは金属などの材料で作られた、完全に分離した板状の上挟持部211および下挟持部212と、板状の上挟持部211および下挟持部212を連結するとともに、バネとしても作用する弾性体210、210とを備えている。弾性体210は、金属線材を折り曲げて、平面を画定するような形状となっている。
第3の実施の形態は、綴じた時に挟持物がどんな厚みであっても、図示するように、挟持物214の表面および裏面から、上挟持部211および下挟持部212の厚み、つまり、金属或いはプラスチック製の板の厚みのみが突出するような、最もかさばらない理想的なクリップの構造を示す基本的な例である。
このクリップ200においては、分離した上挟持部211および下挟持部212のそれぞれに、弾性体210、210の垂直方向に伸縮する力を伝えるため、上挟持部211および下挟持部212の、背面側の一辺に沿って、それぞれ、挟持力伝達部215が設けられている。挟持力伝達部215は、上側部材211および下側部材212の背面側の端部に形成され、図12Bに示すように、その断面形状が「コの字」状となっており、前面つまり挟持物が挿入される側が解放されている。本実施の形態においては、背面側の両端部、背面の長さのほぼ1/4にわたって、2つの挟持力伝達部215が形成されているが、これは弾性体210の形状等により変更され得ることは言うまでもない。さらには、本挟持力伝達部215を設けず、後述される剛性伝達部216に挟持力伝達機能を持たせることで、両機能を1つで兼用することも可能である。特に、挟持部の幅が小さいクリップでは、弾性体210の幅(水平方向長さ)が小さくなるため、このような構成を採用することは有効である。
これに対して、本実施の形態において、図12Aに示すように、上挟持部211および下挟持部212の中央部の断面形状は、2辺が解放されるようなものとなっている。したがって、後述するように、挟持物を挟持しようとする際に、弾性体210が矢印X方向に伸びることができる。
また、上挟持部211および下挟持部212のそれぞれの両端部には、上挟持部211および下挟持部212が回転して開くことを防止するように、弾性体210の曲げ剛性を、上挟持部211および下挟持部212に、それぞれ伝達する剛性伝達部216が設けられている。図12Cおよび図12Dに示すように、剛性伝達部216は、上下が開放された筒状になっており、当該筒の内部に、弾性体210の、上挟持部211および下挟持部212の面に鉛直に折り曲げられた端部222が収容されるようになっている。本実施の形態においては、鉛直に延びる弾性体210を上挟持部211または下挟持部212が拘束することで、曲げ剛性を伝達しているが、弾性体210の形状等により、その形態や伝達方法が変更され得ることは言うまでもない。
弾性体210は、両端部に鉛直方向に折り曲げられた端部222と、端部222から連なり、挟持部の挟持力伝達部215と接触する水平部221と、挟持物の挟持の際に、引き伸ばされる弾性部223と、上下の弾性部223を連結する鉛直方向に延びる結節部213とを有している。
本実施の形態にかかるクリップ200は、図8に示すように、さらに、挟持力を高め、かつ、上挟持部211および下挟持部212の開きを防止するために、上挟持部211および下挟持部212のそれぞれの前方端すなわち弾性体210を収容していない側の端を内方に折り曲げた加力部217、217を設けている。加力部217は、折り曲げられた位置(符号219参照)を支点として、上挟持部211と連結された加力部217では、当該上挟持部211と離間する方向に、下挟持部212と連結された加力部217であれば、当該下挟持部212と離間する方向に付勢されている。この加力部217は、たとえば、上挟持部211や下挟持部212よりも厚みの薄い金属板などから形成すれば良い。
無論、曲げ剛性が十分確保かつ伝達でき、上挟持部211および下挟持部212が挟持物を挟持したときに、弾性体210に対して常に90度の向きに保持され得るのであれば、加力部217を設けなくとも良い。
また、本実施の形態にかかるクリップ200においては、上挟持部211と下挟持部212との前後方向(挟持物の挿入方向)の長さが異なっている。これは、挟持物214を挟もうとするときに、挟持物214の底面で、より長い下挟持部212を押えることで、上挟持部211を容易に開くことができるようにするためである。無論、上挟持部211および下挟持部212の前後方向の長さが同じであっても良いことは言うまでもない。
使用において、使用者は、上述したように挟持物214の底面で、下挟持部212の内面(加力部217があれば加力部の面)を押え、上挟持部211を必要なだけ上方に開いて、これらの間に挟持物214を滑り込ませる。挟持物214が、クリップ200の背面側に進むのにしたがって、図9に示すように、結節部213を介して対向する弾性部分223、223が相互に離間する方向に、力が加えられる。ここで、弾性部分223、223は、相互に近接する方向に向かうバネ力があるため、その力が挟持力伝達部215、215を経て、上挟持部211および下挟持部212に伝達される。したがって、図10に示すように、挟持物214を、上挟持部211および下挟持部212の内面(加力部217が設けられていれば、二つの加力部217、217の面)にてしっかりと挟持することができる。
上記実施の形態の変形例として、クリップ200の先端を開くために、クリップ200の上挟持部211および下挟持部212の背面側を延長させて、操作部218、218を設けても良い。これは、図6および図8において破線にて示されている。必ずしも、操作部218を設ける必要はないが、この部分を見出しとして利用するなど、種々の利用が可能となる。上記操作部218を設けた場合に、当該操作部218は、挟持物をした際つまり綴じた際に、挟持物の表面や裏面と平行に突出する。従来のクリップでは、このような操作部が、挟持物の面から傾いた状態であったため、これを見出しとして利用することは現実的ではなかったが、上記実施の形態により、このようにクリップを見出しとして使うことを実現できる。
第1ないし第3の実施の形態においては、上挟持部と下挟持部とが、初期状態つまり挟持物を挟持していない状態でほぼ平行となるように構成していた。しかしながら、これに限定されるものではなく、挟持力を高めるために、その先端がほぼ閉じた状態であっても良い。図11は、第4の実施の形態にかかるクリップ200aの側断面図である。図11に示すように、第4の実施の形態においては、弾性体210aの結節部213aを、背面方向に湾曲させ、かつ、上挟持部211aおよび下挟持部212aと弾性体210aとが接触する付近において、これらの間のなす角が、それぞれほぼ直角となるようにするのが望ましい。このように構成することで、挟持物を挟持したときに、挟持部211aおよび挟持部212aの内面が、それぞれ、挟持物の表面および裏面に密着することができる。
次に、本発明の第5の実施の形態につき説明を加える。図13は、第5の実施の形態にかかるクリップの平面図、図14および図15は、それぞれ、クリップの何も挟持していない状態の背面図および側断面図である。これら図に示すように、第5の実施の形態にかかるクリップ300は、プラスチック或いは金属などの材料で作られた、完全に分離した板状の上挟持部311および下挟持部312と、金属線材で構成され、上挟持部311および下挟持部312を連結するとともにバネとしても作用する弾性体310、310および弾性体310のそれぞれの端部から上挟持部311および下挟持部312の外面に沿って延びる挟持部押圧部319、319、319、319を有する線状部材322とを備えている。
この実施の形態にかかるクリップ300においては、挟持力は弾性体310および挟持部押圧部319により保たれる。上挟持部311および下挟持部312は、これら挟持力を、面として均等に挟持物に伝えるための部材である。このため、これら上挟持部311および下挟持部312は、上記機能、つまり、挟持力を伝達するための最低限の厚みがあればよい。したがって、たとえば、上挟持部311および下挟持部312の材料としてプラスチックを利用しても、その厚みを最小限にでき、かさばることのないクリップを提供することができる。さらに、先端部分の辺で挟持物を挟持することがないため、たとえばプラスチック素材のメリットを生かして、様々な形状のクリップを作ることができる。
図14および図15に示すように、本実施の形態にかかる上挟持部311および下挟持部312においては、その内面に背面側の辺に沿って、溝330が形成され、当該溝330に弾性体310が収容されるようになっている。また、上挟持部311および下挟持部312の外面において、前後方向に挟持部押圧部319を収容するような溝が形成され、挟持部押圧部319が少なくとも部分的に埋め込まれるように構成しても良い。たとえば、完全に埋め込むことで外部から挟持部押圧部319を見えなくすることで意匠性を高めることができる。
さらに、第5の実施の形態においては、第3の実施の形態と同様に、前後方向の長さが、下挟持部312の方が長いようになっている。しかしながら、これに限定されるものではなく、上挟持部311と下挟持部312の前後方向の長さが等しくても良いことは言うまでもない。
また、第5の実施の形態においては、図15に示すように、上挟持部211の先端側に、左右方向つまり前後方向に垂直な方向に折り曲げ溝320が設けられ、上挟持部311の先端側が外向きに折り曲げられている。これは挟持物314を差し込みやすくするために設けられている。しかしながら、このような溝を設けなくても良く、より柔軟な材料にて挟持部の先端部を形成しても良いし、第1の実施の形態と同様に弾性体310の曲げ抵抗に抗する力で開くようにしても良い。
さらに、図13および図15において破線にて示すように、上挟持部311や下挟持部312の背面側を延長させて操作部321を設けても良い。操作部321は、何れかの挟持部一方に設けても良いし、双方に設けても良い。これらは、第3の実施の形態と同様に、見出しとしても利用することができる。また、挟持部をプラスチック材料にて形成する場合には、その形状や色を自由に設定することができるため、実用価値の高いものとなる。
使用の際の動作は、第1ないし第4の実施の形態と同様であり、挟持物314が背面側に進むと、図16に示すように、弾性体310の、結節部313にて連結された対向する弾性部分323、323が相互に離間する方向に、力が加えられる。ここで、弾性部分323、323は、相互に近接する方向に向かうバネ力があるため、その力が、挟持部押圧部319を介して、上挟持部311および下挟持部312に伝達される。したがって、図17に示すように、挟持物314を、上挟持部311および下挟持部312の内面にてしっかりと挟持することができる。
図18は、第6の実施の形態にかかるクリップの側断面図である。図18に示すように、このクリップ300bは、最小単位の挟持物、すなわち、1枚の紙などを挟持できるようにしたものである。これは、図18に示すように、上挟持部311aの内面と下挟持部312aの内面との間の距離をほぼ0(ゼロ)とすることにより実現される。
この例において、弾性体310aは、図26に示すように、上挟持部311aおよび下挟持部312aの厚みよりも小さな高さであっても良い。或いは、弾性体の性能を向上させるために、図27に示すように、上挟持部311cおよび下挟持部312cから部分的に突出するような構造を採っても良い。この場合には、上挟持部311cおよび下挟持部312cの背面側に、弾性体310cが通りぬけるための穴が形成されている。
次に、第7の実施の形態につき説明を加える。図19は、第7の実施の形態にかかるクリップの背面図である。このクリップ300cは、第5の実施の形態にかかるクリップ300の上挟持部311および下挟持部312を流用し、結節部313bが、第3の実施の形態にかかる弾性体310のものよりも長いような弾性体310bを用いて、より厚みのある挟持物を挟持できるようにしている。或いは、図5に示す例のように、弾性体の弾性部分の形状を変更して、結節部の位置を挟持部の両端付近に配置するようなものを利用しても良い。
図20ないし図24は、上記実施の形態にかかる種々のクリップの構造原理を利用したクリップの応用例を示す図である。図20は、本発明の第1の応用例を示す正面図、図21は、その側面図である。従来のクリップは、上下2つの挟持部が、背面側を軸にして回転して挟持物を挟むという構造のため、その背面が直角となるように挟持部を配置する、いわゆる三角形のコーナークリップを実現することが実質的に不可能であった。
しかしながら、本発明の原理を利用すれば、両挟持部は回転するのではなく、上下動によって挟持物を挟む。また、図20および図21に示すように、2つの弾性体410を、背面側の2辺に沿って配置すれば、あたかも背面側の2辺の交差する頂点を中心にクリップ400を開くことができる。このような三角形のクリップは、書類を挟むものとしては最もじゃまにならず、理想的なクリップということができる。さらに、破線で示しているような見出し421をつければ、書類棚に多数、立てて置いても判別し易く、便利である。また、弾性体の端部から延びる4つの押圧部419を、上記三角形の前方側の一辺に沿い、かつ、所定の位置で前記頂点に向かってほぼ直角に曲げるような形状とすれば、上挟持部411および下挟持部412を適切に押さえることができる。
図22は、第2の応用例を示す平面図である。従来のクリップは、上下2つの挟持部がほぼ回転して挟持物を挟む構造のため、その先端部分となる力点は、すべて支点から等距離にならざるを得なかった。しかしながら、本発明において、挟持物を挟持する部分は、従来のような限定された部分(たとえば先端だけ)ではなく、挟持部全面であるため、挟持部に弾性体の伸縮力が伝われば、その形状は制限されるものではない。図22においては、挟持部511の平面形状を、キャラクタの顔となるように構成している。このような形状としても、上述した理由により、クリップとしての機能を何ら損なわない。図22の例では、挟持部511をプラスチック材料で形成している。また、弾性体510として金属線材を利用している。弾性体の形状は、図7などに示す第3の実施の形態のようなものでもよいし、或いは、図14などに示す第5の実施の形態のように、挟持部押圧部が設けられたものであっても良い。図22においては、第3の実施の形態に示したような弾性体を利用し、弾性体510の端部を、プラスチックで形成された挟持部511内に埋めることで、その曲げ剛性を伝達している。
図23は、第3の応用例を示す平面図である。本発明によれば、余分な操作部を設ける必要性がないため、綴じた書類において、挟持部の板厚以上に突出する部分が無いようなクリップを実現できる。この例でも、弾性体の形状は第3の実施の形態に示すものであっても良いし、第5の実施の形態に示すものであっても良い。さらに、弾性体の形状および数を工夫することで、挟持物の辺方向に延びる長さのある形状のクリップを実現することもできる。たとえば、図23において、両端の弾性体610、610は第3の実施の形態に示すものと同様に形成し、中央にさらに他の弾性体611aを設けても良い。無論、弾性体の数を調整することにより、クリップの長さを所望のものにすることができる。さらに、クリップの所定の位置に綴じ孔622を作ることで、クリップにて挟持した状態のままで挟持物をパイプファイル等に収容することも可能となる。無論、破線621に示すように見出しを付加しても良いことは言うまでもない。
図24は、第4の応用例を示す正面図である。この例においては、図23に示すようなクリップの下挟持部(図示せず)を延ばすことでクリップボード基盤723を形成し、或いは、下挟持部(図示せず)に載置すべき紙(挟持物)714より若干大きなサイズを有する板状部材からなるクリップボード基盤723を取り付けることにより、従来のクリップボードに比べて、クリップ部分がかさばらないようなクリップボードを実現できる。必要以上にかさばらないので重ねておいてもじゃまにならず、見た目もスマートである。また普段の収納時にも必要以上にかさばることがなく、従来品のごとく収納棚を大きく占有することがない。挟持物を挟持し易くするための操作部を設けても良いし、設けなくとも良い。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
たとえば、前記第1の実施の形態や第3の実施の形態、或いは、第5の実施の形態において、弾性体の端部が、上挟持部および下挟持部の端部に位置し、その一方、結節部がほぼ中央に位置しているが、このような構成に限定されるものではない。図25は、図6、図7などに示す第3の実施の形態にかかるクリップの変形例の背面図である。この例では、弾性体210b、210bの結節部213b、213bを、上挟持部211bおよび下挟持部212bの両端に配置している。また、上挟持部211bおよび下挟持部212bのそれぞれ中央部付近に、挟持力伝達部215bおよび曲げ剛性伝達部216bの双方として機能させている。このように弾性体、挟持力伝達部、曲げ剛性伝達部その他各部材の位置、形状等は、第3の実施の形態に限られず、すべての実施の形態において様々な位置、形態等に変更することが可能である。
同様に、弾性体の形状、素材、数等は、各実施の形態にて例示したものに限定されることはない。たとえば、挟持部に弾性を持つ金属板を使用し、その端部を板バネ形状の弾性体として加工し、一体的なクリップを作成しても良い。また、弾性体の高さも上下両挟持部間の範囲に納まっているが、上下両挟持部間より高くして、はみ出してもよい。とくに、弾性体の数について、基本的には2つの弾性体が用いられているが、1つでも良いし、或いは、より多くの弾性体を用いれば、上下挟持板のねじれも少なく、より強固なものになるのはいうまでもない。図28および図29は、単一の弾性体を利用したクリップの例を示す部分断面斜視図である。図28においては、クリップ800は、上挟持部811および下挟持部812は、コイルバネからなる弾性体810にて連結されている。また、弾性体の曲げ剛性を伝達し、かつ、曲げに対する剛性を確保するために、上挟持部811の背面部および下挟持部812の背面部に、それぞれ、垂直方向に延びる中空の部材816、817が設けられ、これらが入れ子状に配置され、その内部に弾性体810が収容できるようになっている。図28は、コイルバネの代わりに、板バネからなる弾性体910を用いた他の例を示している。
また、挟持部の素材・形状等も、例示された素材、形態に限定されることはない。無論、挟持部押圧部、結節部など種々の部材の位置、形状、素材、数等も、例示された実施の形態に限定されることはない。さらに、挟持力伝達部、曲げ剛性伝達部の位置、形状、素材、数さらには挟持力伝達方法、曲げ剛性の伝達方法等も例示された実施の形態に限定されることはない。とくに、挟持力伝達部と曲げ剛性伝達部は、一箇所にして両方の機能を兼ねることも可能である。
さらに、すべての実施例で示された、上下両挟持部の弾性体に対する開き角度は、90度内外あるいはそれより小さく、例えば、従来のクリップと同様に先端が閉じていてもよい。上下両挟持部は、挟持力を高めるため、湾曲してもよい。操作部、見出し、加力部は必要に応じて付加すればよい。
また、明細書においては、4つの応用例が示されているが、これに限定されるものではない。たとえば、本発明にかかる構造を採用し、クリップの下挟持部に磁石を付ければマグネット付きのクリップとなり、壁面に取り付けたときにも、従来のマグネット付きのクリップと異なり、上挟持部と壁面とを平行に保つことができる。したがって、上挟持部の表面を見出しとして利用しても、従来のクリップのように傾くことなく、見やすい見出し付きのクリップを提供することができる。
さらに、ファイルの綴じ具の代わりに、第3の応用例と同様の長めのクリップを取り付ければ、書類に穴を開けず、しかも簡単に書類の脱着が可能なファイルを提供することができる。また、ファイルの表紙裏に、第4の応用例と同様のクリップボード用クリップを取り付ければ、クリップ部分がかさばらないため、ファイルを閉じても厚くならず、実用価値の高いクリップボード付きファイルを提供できる。
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。第8の実施の形態にかかるクリップは、第3の実施の形態ないし第7の実施の形態のような、板状の上挟持部および下挟持部を有するタイプである。しかしながら、第8の実施の形態においては、上挟持部および下挟持部の対向する面に、凹部や凸部が設けられ、これらが嵌合或いは突合することにより、挟持物をしっかりと挟み込めるように構成している。なお、第3の実施の形態ないし第7の実施の形態においても、上挟持部および下挟持部の対向する面(内面)に、以下に述べるような凸部や凹部を形成してもよい。また、本明細書において、内面が「ほぼ平面状」であるとは、内面全体が平滑な単一の面を構成する場合に限定されず、内面の一部に凸部や凹部が形成された場合も含む。
図30は、第8の実施の形態にかかるクリップの平面図、図31は、挟持物を挟持しない状態の背面図、図32は、挟持物を挟持しない状態の、XXXII線−XXXII線部分断面図である。
図30ないし図32に示すように、第8の実施の形態にかかるクリップ3100は、上挟持部3111と、下挟持部3112と、上挟持部3111および下挟持部3112を連結するとともに、ばねとして作用する弾性体3110、3110とを備えている。下挟持部3112は、上挟持部3111よりも、挟持物の挿入方向(矢印X方向)に長く延び、かつ、上挟持部3111は、下挟持部3112によりも、挿入方向と垂直方向に長く延びる。したがって、上挟持部3111と下挟持部3112との間で、これらの端縁が、ほぼ平面上で交差する上下端縁交差部3125が形成される。
弾性体3110の両端には、それぞれ、上挟持部3111および下挟持部3112の外側面に延び、上挟持部3111および下挟持部3112が接近する或いは密着するように付勢する押圧部3114、3114が形成される。また、弾性体3110は、上挟持部3111の端縁部、および、下挟持部3112の端縁部にて画定される垂直面と整列するような復元力を備えた弾性部材3116、3116と、前記弾性部材の端部を連結した結節部3117とを有している。
第8の実施の形態においては、図30および図32に示すように、上挟持部3111の内面に、所定の間隔で、挿入方向に沿った細長い凹部3133が複数形成され、かつ、下挟持部の内面にも、前記凹部3133とそれぞれ嵌合するように、挿入方向に沿った細長い凸部3132が複数形成されている。本実施の形態においては、それぞれ3本の凹部および凸部が設けられる。無論、凹部および凸部の数は、これに限定されるものではない。
第8の実施の形態にかかるクリップ3100を用いて、挟持物3113を挟もうとする場合について、図33ないし図36を参照して説明する。まず、使用者は、図33に示すように、上下端縁交差部3125に、斜め方向に向けた挟持物3113をあてがい、且つ、上挟持部3111は挟持物3113の上に、下挟持部3112は挟持物3113の下に位置するようにクリップを保ちながら、挟持物3113を差し込む。このとき、クリップ3100は、図34に示すように先端部分のみが開く。
この状態で、開くために必要とする力は、従来のように挟持力そのものに抗する力ではなく、図34に示すように(弾性体が湾曲している)、面剛性をもつ弾性体3110の曲げに抗する力であり、挟持力に比べれば小さい。
このように、挟持物3113が差し込めるだけの離間距離が確保できたら、挟持物3113を、その先端部分が、弾性体3110に到達するまで押し込む。このとき、挟持物3113に備わる厚みが、上挟持部3111と下挟持部3112との離間距離を押し広げると同時に、弾性体3110を伸張させる。弾性体3110が伸張して、その高さが挟持物3113の厚みと同一になったときに、図35に示すように上挟持部3111、下挟持部3112、並びに、挟持物3113の表面および裏面は平行になる。そして、弾性体3110が縮もうとする力が、上挟持部3111および下挟持部3112に伝達され、上挟持部3111および下挟持部3112は、挟持物3113に密着し、上挟持部3111の下面および下挟持部3112の上面全体で、挟持物3113を挟持する。
図36は、弾性体3110が伸張して、挟持物3113を挟持している状態の背面図である。図に示すように、挟持物3113を挟持することにより、上挟持部3111と下挟持部3112との離間距離が、初期状態(図31参照)より大きくなっており、これに伴って、弾性体3110の弾性部材3116が、外方に引き伸ばされた状態となっている。ここで弾性部材3116の復元力により、上挟持部3111および下挟持部3112には、相互に近接する方向の力が加わり、これが挟持力となる。
なおこのとき、互いに勘合する複数の凸部3132と凹部3133が挟持物にくい込み、挟持物3113はしっかりと保持される。
従来のクリップの場合、このような突起は、クリップの力点、すなわちクリップ先端の線状部分のみにしか設けることはできなかったが(先端以外に設けても力点とならず効果が無い)、本発明にかかるクリップでは上下挟持部の内面全体が力点をとなるため、第8の実施の形態のように、先端部分ではなく背面端縁とほぼ直角に配置することが可能であり、しかも図のように複数の突起を離間した位置に設けることができるため、強い挟持力を離間した複数の力点で同時に挟持物に作用させることが可能となる。このため、挟持物はずれることなく、よりしっかりと挟持することが可能となる。さらには、凸部、凹部をクリップ端縁とほぼ直角に配置している本実施例の場合は、挟持物を差し込む方向と凸部の方向が一致しているため、挟持物はより差し込みやすい。
挟持物3113からクリップ3100を外す場合には、使用者は挟持物3113を片手で保持し、クリップ3100を引き抜くだけでよい。
第8の実施の形態においては、上挟持部或いは下挟持部のいずれか一方の内面に、細長い凹部を形成し、他方の内面に、前記凹部と対向する位置に、凹部と嵌合するように細長い凸部を形成した。しかしながら、このような構成に限定されるものではなく、双方の内面に細長い凸部を形成しても良い。図37および図38は、クリップのさらに他の例を示す正面図および背面図である。この例にかかるクリップ3200は、第8の実施の形態にかかるクリップ3100と類似するが、挟持力が最も大きく作用する押圧部3214、3214を、上下挟持部3211、3212に、それぞれ埋め込み、かつ、押圧部3214が埋め込まれた部分に沿って、内面に凸部3232を形成することで、より強い挟持力を作用させることを可能としている。この例では、上述した凸部3232以外に、上側挟持部3214には、複数(この例では3つ)の細長い凸部3232が形成されている。
図39に示すように、このクリップ3200においては、弾性体3210の結節部3217に、弾性部3216からほぼ90度で、上下挟持部3211、3212から離間するように延びる屈曲部34が形成される。クリップ3200の使用方法もクリップ3100と同様である。つまり、クリップに挟持物を斜め方向に差し込み、その後、挟持物が弾性体3210に到達するまで押し込む。
挟持物を挟持した状態で、弾性体3216は互いに離間して開いているが、結節部3217における角度(屈曲部3234と結節部3217とで形成するほぼ90度の角度)は、ほとんど変わることが無い。すなわち、屈曲部3234のねじれにより弾性部材3216の成す角度が吸収されているのである。したがって、弾性体3210は結節部3217における部材の局部的な大きな変形を回避することが可能となり、より広い弾性域を得ることが可能となる。言い換えれば、より厚手の挟持物を挟んでも弾性体3210が塑性変形を起こして損傷することなく、性能の良いクリップを提供できる。
上述したような凸部や凹部を、コーナークリップに形成しても良い。図40は、コーナークリップの上下挟持部に凸部を形成した例の平面図である。このクリップ3300においては、上挟持部3311および下挟持部3312の内面に、それぞれ、複数の、脱落防止用の円状の凸部3332が設けられている。上挟持部3311の凸部3332と、下挟持部3312の凸部3332は、それぞれ、対向しないように配置される。
また、図41に示すように、コーナークリップ3300の弾性体3310の結節部3317には、弾性部材316から垂直方向に離間するように延びる屈曲部3334が形成される。
このクリップ3300の使用にあたっては、上下端縁交差部3325に、斜め方向に向けた挟持物をあてがい、且つ、上挟持部3311は挟持物の上に、下挟持部3312は挟持物の下に位置するように、クリップを保ちながら、挟持物を差し込む。この場合、差し込むために必要とする力は、弾性部材3316、3316が閉じようとする力に抗する力である。そして挟持物が差し込めるだけの離間距離が確保できたら、挟持物を、その先端部分が、上下両挟持部のコーナー部に到達するまで回転しながら押し込む。このとき、挟持物に備わる厚みが、上挟持部3311と下挟持部3312との離間距離を押し広げると同時に、押圧部3314、3314の先端を、互いに離間する方向に押し広げる。そして、コーナー部における上挟持部3311と下挟持部3312との離間距離が挟持物と同一になったときに、上挟持部3311、下挟持部3312、並びに、挟持物の表面および裏面は平行になる。そして弾性部材3316が閉じようとする力、および離間した押圧部3314、3314が復元しようとする力、すなわち上挟持部3311および、下挟持部3312が互いに近接する方向に働く力が、上挟持部3311および下挟持部3312に伝達され、上挟持部3311および下挟持部3312は挟持物に密着し、上挟持部3311の下面および下挟持部3312の上面全体で、挟持物を挟持する。
凸部は、細長い形状に限定されず、円形など、種々の形状(たとえば、矩形など)を採用できる。また、図42に示すように、上挟持部3411および下挟持部3412の双方の内面に凹部3433,3433を設けても良い。図42の例では、凹部を対向させているが、これに限定されず、上挟持部および下挟持部に、凹部が相互に対向しないように配置しても良いことはいうまでもない。
さらに、第8の実施の形態においては、挿入方向に沿って細長い凸部および凹部を形成したが、これに限定されず、挿入方向に垂直な方向に沿って細長い凸部および凹部を形成しても良い。さらに、挿入方向およびその垂直方向の双方に沿って、細長い凸部および凹部を形成しても良いことはいうまでもない。
また、図43に示すように、上下挟持部の一方(図43においては、上挟持部3511)に形成された凸部3532の断面形状を、挟持物の挿入方向(図43の矢印X方向)に傾け、他方(図43においては、下挟持部3512)に形成された凹部3533もこれに整合する形状とすることで、挟持物を差し込みやすく且つ、外れにくいクリップを提供することも可能となる。
本発明によれば、従来のクリップの持つ不都合な点をすべて解消できるだけでなく、自由な形状のクリップ等、今までにない新たな機能をもつクリップを提供することが可能である。
まず、本発明に係るクリップの構造を採用した場合の、最も大きな効果として挙げられるものとして、どんな書類を挟持しても、上下挟持部の厚み以上にかさばることなく、書類にピッタリと密着するクリップが可能である。とくに、第3の実施の形態においては、書類以上に出っ張るのは、金属板の厚みのみであり、クリップのかさばりを意識しなくても済むようなスマートなクリップとなり得る。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、挟持力をもたらすものが弾性体の伸縮力であるため、挟持部の大きさを変えることなく、弾性体を替えるだけで、薄い書類から厚い書類まで挟持することができる。そのため、クリップの大きさを統一できる。さらにはクリップの弾性体の高さ以上であれば、弾性体の許す限り、どんな厚みの書類も挟持できるので、汎用性の高いクリップとなり得る。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、クリップの取り付けにあたっては、専用の器具を使うことなく、小さな力で簡単に開いて、取り付けることができる。また、開くための操作部もとくに必要とせず、極めてスマートなクリップが可能である。さらには、従来の局所的に力が加わるクリップと異なり、挟持部全面で挟みつけるため、書類が傷みにくい。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、プラスチック等、強度の低い素材でもかさばることの無いクリップを作ることが可能である。とくに、プラスチックを挟持部として利用すれば、様々な付加価値や機能を持つクリップが可能になる。例えば、挟持部を透明にすれば、綴じたときにもクリップの下の文字が判読でき、目立たないスマートなクリップになる。プラスチックであれば、色を変えて、カラフルにすることもでき、多数の書類の判別にも役立つ。さらには上下挟持部は完全に分離しているので、上側挟持部を透明にし、下側挟持部をカラフルにすることも可能である。そうすれば、前記説明のとおり、書類を見るときは目立たず、多数の書類から判別する時は、当該クリップ下側の挟持部の色で容易に判別できるという、高機能を持ったクリップも可能になる。また容易に成型加工できるプラスチックの場合は、クリップと一体成型された見出しを設けることも可能である。とくに本発明に係るクリップでは、常に挟持部が、書類と平行に保たれるため、クリップと一体となった見出しも書類と平行になり、従来書類等を挟持したとき、傾く等の理由で、現実的でなかった見出し付クリップも実用に耐えるものとして実現可能である。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、従来のクリップのように書類を挟持する位置が限定されず、挟持部の面全体で挟むため挟持部は自由な形態にできる。すなわち、第3の実施の形態等に示す下側挟持部を大きくしたり、図22の例に示すようにキャラクタのデザイン等を採用することも可能である。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、その挟持部の厚み以上にかさばることがなく、弾性体の数を必要に応じて増やすことができるので、書類を簡易な製本状に綴じる、長いクリップも可能である。さらには、実施例6のようにファイル閉じ具部分に合わせて、ルーズホールを開けておけば、クリップで綴じたまま、ファイルに綴じることが可能なクリップも、実用上可能となる。また、図24に示すように挟持部がかさばらないクリップボードも可能になる。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、従来のクリップのように挟持部は一方向のみに回転して挟むのではなく、上下動により挟むので、従来不可能であったコーナークリップも可能である。
本発明に係るクリップの構造を採用すれば、挟持部を変えずに弾性体を替えるだけで大小のクリップを製造することが可能となり、大幅な製造コストの削減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるクリップの斜視図である。
図2は、第1の実施の形態にかかるクリップで挟持物を挟持しようとするためにクリップを開いた状態を示す断面図である。
図3は、第1の実施の形態にかかるクリップで挟持物を挟持した状態を示す断面図である。
図4は、第1の実施の形態において弾性体が伸長して、挟持物を挟持している状態を示す斜視図である。
図5は、第2の実施の形態にかかるクリップの斜視図である。
図6は、第3の実施の形態にかかるクリップの平面図である。
図7は、第3の実施の形態にかかるクリップの何も挟持していない状態を示す背面図である。
図8は、図7のVIII−VIII線断面図であり、第3の実施の形態にかかるクリップの何も挟持していない状態を示す。
図9は、第3の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す背面図である。
図10は、図9のX−X線断面図であり、第3の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す。
図11は、第4の実施の形態にかかるクリップ200aの側断面図である。
図12は、第3の実施の形態にかかるクリップの挟持部および弾性体を示し、図12A〜図12Cは、それぞれ、図7のB−B線、C−C線およびD−D線断面図、図12Dは弾性体の部分背面図である。
図13は、第5の実施の形態にかかるクリップの平面図である。
図14は、第5の実施の形態にかかるクリップの何も挟持していない状態を示す背面図である。
図15は、図14のXV−XV線断面図であり、第5の実施の形態にかかるクリップの何も挟持していない状態を示す。
図16は、第5の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す背面図である。
図17は、図16のXVII−XVII線断面図であり、第5の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す。
図18は、図26のXVIII−XVIII線断面図であり、第6の実施の形態にかかるクリップの何も教示していない状態を示す。
図19は、第7の実施の形態にかかるクリップの背面図である。
図20は、本発明にかかるクリップの他の例を示す平面図である。
図21は、図20に示すクリップの側面図である。
図22は、本発明にかかるクリップの他の例を示す平面図である。
図23は、本発明にかかるクリップの他の例を示す平面図である。
図24は、本発明にかかるクリップを利用したクリップボードの例を示す平面図である。
図25は、第3の実施の形態にかかるクリップの変形例の背面図である。
図26は、第6の実施の形態にかかるクリップの背面図である。
図27は、第6の実施の形態にかかるクリップの変形例を示す背面図である。
図28は、本発明にかかるクリップの他の例を示す部分断面斜視図である。
図29は、本発明にかかるクリップのさらに他の例を示す部分断面斜視図である。
図30は、第8の実施の形態にかかるクリップの正面図である。
図31は、第8の実施の形態にかかるクリップの背面図である。
図32は、第8の実施の形態にかかるクリップの部分断面図である。
図33は、第8の実施の形態にかかるクリップの使用状態を説明する斜視図である。
図34は、第8の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持しつつある状態を示す側面図である。
図35は、第8の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す側面図である。
図36は、第8の実施の形態にかかるクリップの挟持物を挟持した状態を示す背面図である。
図37は、第8の実施の形態の変形に対応するクリップの正面図である。
図38は、第8の実施の形態の変形に対応するクリップの背面図である。
図39は、第8の実施の形態の変形に対応するクリップの側面図である。
図40は、本発明にかかるさらに他のコーナークリップの正面図である。
図41は、本発明にかかるさらに他のコーナークリップの部分断面図である。
図42は、本発明にかかる他のクリップの部分断面図である。
図43は、本発明にかかるさらに他のクリップの部分断面図である。
Claims (28)
- 任意の挟持物を挟持するクリップであって、線材から構成され、少なくとも挟持物の表面に、当該表面の部分を取り囲むような形状の上挟持部と、少なくとも挟持物の裏面に、当該裏面の部分を取り囲むような形状の下挟持部と、前記上挟持部の端部と下挟持部の端部とをそれぞれ連結した一以上の弾性体とを備え、
前記弾性体が、前記上挟持部および下挟持部のそれぞれの一端から、挟持物を挟持した状態でその背面に沿って位置するように形成されたことを特徴とするクリップ。 - 前記弾性体が、前記背面において、ほぼ垂直方向に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
- 前記上挟持部および下挟持部が、それぞれ、挟持物を挟持しない状態で、前記弾性体に対してほぼ90度あるいはそれ以下の角度に維持されることを特徴とする請求項1または2に記載のクリップ。
- 挟持物を挟持したときに、前記上挟持部および前記下挟持部が、それぞれ、前記弾性体に対してほぼ90度の角度に保持されるように、前記弾性体に曲げに対する剛性を持たせたことを特徴とする請求項3に記載のクリップ。
- 前記弾性体が、少なくとも一対設けられ、かつ、各弾性体が、伸縮自在の一対の弾性部材と、前記弾性部材の端部を連結する垂直方向に延びる結節部とを有することを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のクリップ。
- 前記上挟持部および下挟持部が、それぞれ、矩形の3辺を画定するような形状であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のクリップ。
- 前記上挟持部および下挟持部が、それぞれ、三角形の2辺を画定するような形状であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のクリップ。
- 少なくとも対の弾性体が、所定の角度にて配置されたことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のクリップ。
- 任意の挟持物を挟持するクリップであって、
少なくとも内面がほぼ平面状であるほぼ板状の上挟持部と、
少なくとも内面がほぼ平面状であるほぼ板状の下挟持部と、
前記上挟持部の部分と下挟持部の対応する部分とを連結した一以上の弾性体とを備え、
前記弾性体が、前記上挟持部および下挟持部のぞれぞれの一端から、挟持物を挟持した状態でその背面に沿って位置するように形成されたことを特徴とするクリップ。 - 前記弾性体が、両端部から、当該弾性体自体からほぼ90度或いはそれ以下の角度をなして延び、上挟持部および下挟持部を、双方が近接する向きで付勢する一対の押圧部を有することを特徴とする請求項9に記載のクリップ。
- 前記弾性体が、前記背面において、ほぼ垂直方向に形成されたことを特徴とする請求項9または10に記載のクリップ。
- 前記上挟持部および下挟持部が、それぞれ、挟持物を挟持しない状態で、前記弾性体に対してほぼ90度あるいはそれ以下の角度に維持されることを特徴とする請求項9ないし11の何れか一項に記載のクリップ。
- 挟持物を挟持したときに、前記上挟持部および前記下挟持部が、それぞれ、前記弾性体に対してほぼ90度の角度に保持されるように、前記弾性体に曲げに対する剛性を持たせたことを特徴とする請求項12に記載のクリップ。
- 上挟持部および下挟持部の各々で、前記少なくとも一点で弾性体と接することで、当該弾性体の曲げ剛性が伝達される曲げ剛性伝達部が設けられたことを特徴とする請求項13に記載のクリップ。
- 上挟持部および下挟持部の各々の背面側端部が折り曲げられ、入れ子状となることで、弾性体の曲げに対する剛性を持たせたことを特徴とする請求項13に記載のクリップ。
- 前記弾性体が、少なくとも一対設けられ、かつ、各弾性体が、線材で形成され、かつ、伸縮自在の一対の弾性部材と、前記弾性部材の端部を連結する垂直方向に延びる結節部とを有することを特徴とする請求項9ないし15の何れか一項に記載のクリップ。
- 前記弾性体の端部が、前記上挟持部および下挟持部のそれぞれの端部近傍に位置することを特徴とする請求項16に記載のクリップ。
- 前記弾性体の結節部が、前記上挟持部および下挟持部のそれぞれ端部付近に位置することを特徴とする請求項16に記載のクリップ。
- 少なくとも対の弾性体が、所定の角度にて配置されたことを特徴とする請求項16ないし18の何れか一項に記載のクリップ。
- 前記上挟持部および下挟持部が、それぞれ、前記所定の角度をなす2辺および当該2辺の端部を結ぶ三角形であることを特徴とする請求項19に記載のクリップ。
- 複数の弾性体を有することを特徴とする請求項9ないし20の何れか一項に記載のクリップ。
- 前記上挟持部および下挟持部の少なくとも一方の内面に、部分的に凸部が形成されたことを特徴とする請求項9ないし21の何れか一項に記載のクリップ。
- 前記上挟持部および下挟持部の他方の内面に、前記凸部と整合するような凹部が形成されたことを特徴とする請求項22に記載のクリップ。
- 前記内面に、挟持物の挿入方向に沿った一以上の細長い凸部、および/または、その垂直方向に沿った細長い凹部が形成されたことを特徴とする請求項23に記載のクリップ。
- 前記凸部の平面形状がほぼ円形であることを特徴とする請求項22または23に記載のクリップ。
- 前記一方の内面に凸部が設けられるとともに、前記他方の内面に、凹部が設けられ、かつ、前記凸部の断面形状が、挿入方向に傾斜し、かつ、前記他方の内面に設けられた前記凹部の断面形状が、前記凸部と整合するように構成されたことを特徴とする請求項25に記載のクリップ。
- 請求項1ないし6、および、9ないし26の何れか一項に記載のクリップと、前記下挟持部を取り付けた、所定の大きさの平面板状の、挟持物を載置する基盤とを備えたことを特徴とするクリップボード。
- 請求項1ないし6、および、9ないし26の何れか一項に記載のクリップを備え、前記下挟持部が、所定の大きさの平面板状をなすことにより、挟持物を載置する基盤を形成することを特徴とするクリップボード。
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