JP2003182148A - 露光量調整方法 - Google Patents

露光量調整方法

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JP2003182148A
JP2003182148A JP2001384591A JP2001384591A JP2003182148A JP 2003182148 A JP2003182148 A JP 2003182148A JP 2001384591 A JP2001384591 A JP 2001384591A JP 2001384591 A JP2001384591 A JP 2001384591A JP 2003182148 A JP2003182148 A JP 2003182148A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細かい無彩色画像(小さい黒文字等)を露光
する場合であっても、余分な滲みが生じることなく、色
成分のバランスの整った無彩色を形成する。 【解決手段】 光源部から互いに異なる複数の色を露光
することにより印画紙に画像を形成する焼付部の露光量
を調整する露光量調整方法において、上記互いに異なる
複数の色を、各色毎に同一階調で露光することにより、
印画紙に1画素のみを形成し、印画紙上に露光した1画
素における各色成分の濃度を濃度計(マイクロデンシト
メータ)で測定し、上記各色成分のうち、最も低い濃度
値を示す色成分の濃度を基準濃度として、上記各色成分
の濃度がそれぞれ基準濃度になるように、上記階調に対
応する互いに異なる複数の色の露光量を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光材料を露光す
る焼付装置の異なる色ごとの露光量を調整する露光量調
整方法に関するものであり、特に、色成分のバランスの
整った細かな黒色画像を形成できるようにした露光量調
整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真の焼き付けは、原画像が記録
されている写真フィルムに光を照射し、この写真フィル
ムを透過した光を印画紙上に照射することによって焼き
付けを行うアナログ露光が行われている。また、近年で
は、写真フィルム上の画像をスキャナ等によって読み取
ることによって得られる画像データや、デジタルカメラ
による撮影によって得られる画像データなどに基づい
て、赤、緑、青の単色光を各画素毎に印画紙上に照射す
ることによって焼き付けを行うデジタル露光が行われる
ようになっている。
【0003】このデジタル露光を行う構成としては、種
々のものが提案されているが、その一例として、レーザ
ー光を画像データに応じて変調させながら印画紙を走査
露光する構成がある。このような構成の焼付装置は、
B,G,R(ブルー,グリーン,レッド)の各色のレー
ザー光を発生する光源を備えており、次のような手順で
焼き付け動作を行う。まず、入力される画像データに基
づいて各色のレーザー光が変調される。そして、変調さ
れたレーザー光が、ポリゴンミラー等の偏向器によって
主走査方向に偏向され、fθレンズなどの光学系を介し
て印画紙上に照射される。そして、これと同時に印画紙
を副走査方向に搬送移動させることによって走査露光が
行われ、2次元のカラー画像が印画紙上に焼き付けられ
る。
【0004】ところで、印画紙の発色特性は、印画紙の
種類毎(メーカーや乳剤ナンバー)に異なっている。そ
のため、種類の異なる印画紙を同じ処理液を通して現像
しても、それぞれの印画紙における色の現れ方は互いに
異なるものとなる。特に、印画紙上において黒色(例え
ば文字や夜景)を表現しようとする場合は、用いる印画
紙毎に、その黒濃度(特に最大黒濃度)にばらつきが生
じることになる。その結果、印画紙によっては、画像全
体のしまりやめりはりが失われ、プリントとしての品質
が低下する場合がある。
【0005】そこで、従来では、用いる印画紙に応じ
て、B,G,Rの露光量を以下のように調整することに
より、どのような印画紙であっても同じような黒濃度を
再現するようにしていた。また、焼付装置におけるB,
G,R光の強度は、例えば16ビット(0〜6553
5)の階調にそれぞれ対応付けられているものとする。
【0006】まず、0〜65535の階調を18段階に
分け、B,G,Rのそれぞれについて、最大階調である
18段階目の露光量で印画紙にベタ画像を形成し、その
ときのY,M,C(イエロー,マゼンタ,シアン)の各
濃度値を濃度計にて読み取る。その結果、Y,M,Cの
各濃度値として、例えば2.5、2.4、2.2が得ら
れたものとする。なお、Y,M,Cの各濃度値は、印画
紙にB,G,Rの各光を照射して得られる反射光の反射
率に基づいて得られるものであり、単位は特にない。次
に、Y,M,Cの各濃度値のうち、最も小さいCの濃度
値2.2を基準とし、他のYおよびMの濃度値が上記基
準濃度値2.2となるように、印画紙上でYおよびMを
発色させるB光およびG光における18段階目の露光量
をそれぞれ調整する。このような処理を用いる印画紙に
応じて行うことにより、18段階目のY,M,Cの各濃
度値はそれぞれ均一となり、各色成分の整った黒色のベ
タ画像を形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、レーザー光
で印画紙を露光した場合、露光した1画素における濃度
分布は、図6(a)に示すように、光の結像点を中心と
してガウス分布的な広がりを示す。さらに、焼付装置の
各デバイスの相違、または印画紙の種類に応じて、上記
濃度分布は各色成分毎に異なる分布態様を示す。また、
レーザー光の強度が高い程、このような濃度分布の広が
りの度合いも強くなり、高階調で印画紙を露光した場
合、この広がりが顕著に現れる。
【0008】一方、デジタル露光では、印画紙を副走査
させねばならないことから、各画素毎の露光時間に限り
がある。よって、デジタル露光で高濃度の画素を露光す
る場合、ハイパワーのレーザー光を照射しなければなら
ず、上述した現象が顕著に現れる。したがって、印画紙
上に黒色画素を露光すると、焼付装置の各デバイスの相
違や感光材料の種類によっては、色成分のバランスを欠
いた画素が発現するとともに、上記色成分が1画素のエ
ッジ付近を越えて僅かに流出する場合があり、エッジ付
近で変色した滲みが生じる。この現象を図6,図7に基
づいて以下に詳述する。
【0009】図6は、焼付装置が露光した画素における
各色成分の濃度をガウス分布で表した説明図である。ま
ず、図6(a)に示すように、黒色画素と白色画素とを
1画素毎に繰り返し順序で露光する(このように露光さ
れた画像を「ワンオンワンオフ画像」という)。この場
合、単一の黒色画素を露光するためのB,G,Rの各階
調はそれぞれ同一である。ところが、露光した黒色画素
における各色成分、すなわちY,M,Cの濃度分布は、
照射光の結像点からガウス分布的な広がりを示し、Y,
M,C毎で、各色の濃度分布は異なる広がりを示す。さ
らに、黒色画素の各色成分は、本来焼き付けられるべき
黒色画素の範囲を越えて白色画素の範囲に流出する。こ
の主原因として、焼付装置が各デバイス毎に異なるM
TF(modulation transfer function)特性を示すこ
と。露光する印画紙の種類によっては露光した画素の
各色成分毎に異なる発色特性を示すこと。デジタル露
光では各画素毎の露光時間に限りがあることから、図7
に示すようにデジタル露光ではアナログ露光よりも感度
特性の高い印画紙を使用していることが挙げられる。
【0010】この結果、例えば図6(a)に示すよう
に、結像点からの濃度分布がY,M,Cの順に広い場
合、本来焼き付けられるべき黒色画素の範囲を越えて白
色画素の範囲に流出する各色成分の濃度の高さは、Y>
M>Cの順となる。したがって、黒色画素の周囲の白色
画素の範囲に、暗い黄色(ダークイエロー)の滲みが発
生することになる。一方、本来焼き付けられるべき黒色
画素の範囲から流出した各色成分の濃度の高さが、Y>
M>Cの順であることから、本来焼き付けられるべき黒
色画素の範囲における各色成分の濃度の高さは、C>M
>Yの順となる。すなわち、本来焼き付けられるべき黒
色画素の範囲に発現する黒色は、Y,M,Cの色成分の
バランスを欠いたものとなる。特に、これらの現象は、
印画紙に細かな黒文字等を露光した場合に、黒色部分と
白色部分とのエッジ部分で顕著に生じる。
【0011】ところが、印画紙上に黒色のベタ画像を露
光した場合、このようにならない。その理由を以下に示
す。図6(b)に示すように、隣り合う画素が黒色の場
合、本来焼き付けられるべき画素の範囲を越えて隣の画
素に流出する各色成分は、隣り合う画素同士で補充しあ
う(打ち消し合う)ことになる。したがって、1画素の
みに着目すれば各色成分の濃度分布に広がりが生じてい
るものの、周囲にある画素も黒色であることから、結果
的に黒色のベタ部分においては、色成分のバランスの整
った黒色が発現することになる。したがって、上記した
18段階目の黒色ベタ画像上の濃度値を測定することに
より、露光量を調整する従来の手順では、濃度計が結果
的に色成分のバランスの整った黒色を検出してしまう。
したがって、従来の手順で露光量を調整すると、ベタ画
像を形成する場合は問題ないが、例えば、細かい無彩色
画像(小さい文字等の黒色画像)を形成する場合、色成
分のバランスを欠いた画像が焼き付けられるという問題
が生じる。
【0012】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、細かい無彩色画像(小さ
い黒文字等)を露光する場合であっても、余分な滲みが
生じることなく、色成分のバランスの整った無彩色を形
成できる露光量調整方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の露光量調整方法
は、上記の課題を解決するために、光源から互いに異な
る複数の色を露光することにより感光材料に画像を形成
する焼付装置の露光量を調整する露光量調整方法におい
て、上記互いに異なる複数の色を、各色毎に同一階調で
露光することにより、周囲に画素が形成されていない1
画素を少なくとも1つ感光材料に形成する第1のステッ
プと、感光材料上に露光した1画素における各色成分の
濃度を濃度検出手段で測定する第2のステップと、上記
各色成分のうち、最も低い濃度値を示す色成分の濃度を
基準濃度として、上記各色成分の濃度がそれぞれ基準濃
度になるように、上記階調に対応する上記互いに異なる
複数の色の露光量を調整する第3のステップとを備える
ことを特徴とする。
【0014】感光材料に画素を露光する場合、1画素あ
たり各色成分の濃度分布は光の結像点を中心としてガウ
ス分布的な広がりを示す。さらに、焼付装置の各デバイ
ス毎に、上記濃度分布は各色成分毎に異なる分布態様を
示す。したがって、同一階調で複数かつ異なる色から、
周囲に画素の形成されていない1画素を感光材料に露光
した場合、焼付装置の各デバイスや感光材料の種類によ
っては、色成分のバランスを欠いた画素が発現するとと
もに、上記色成分が1画素のエッジ付近を越えて僅かに
流出するので、エッジ付近で変色した滲みが生じる。
【0015】ところで、光源から互いに異なる複数の色
を露光する焼付装置の露光量を調整する方法としては、
焼き付けられたベタ画像における各色成分の濃度を測定
し、この測定結果に基づいて異なる色毎の露光量を調整
する手順が従来なされてきた。ここで、ベタ画像は、同
一色の画素をマトリクス状に充填させたものであるた
め、各画素の各色成分が異なる濃度分布を示したもので
あっても、隣り合う画素同士で流出した色成分を互いに
補充しあう(打ち消し合う)ことになり、色成分の整っ
た画像が発現する。したがって、1画素のみに着目すれ
ば、色成分のバランスを欠いた画素が発現するはずであ
るが、ベタ画像を焼き付けた結果、バランスの整った画
像が発現する。よって、このような手順で露光量を調整
したのでは、ベタ画像を形成する場合は問題ないが、例
えば、細かい黒画像(小さい文字等)を形成する場合、
色成分のバランスを欠いた画像が焼き付けられるという
問題が生じる。
【0016】ここで、上記手順によれば、互いに異なる
複数の色を、各色毎に同一階調で露光することにより、
周囲に画素が形成されていない1画素を少なくとも1つ
感光材料に形成する。したがって、ベタ画像のように、
隣り合う画素同士で流出した色成分を互いに補充しあう
ということは生じない。さらに、上記1画素における各
色成分の濃度を濃度検出手段で測定するので、焼付装置
が上記1画素を露光した場合における実際の各色成分の
濃度分布を検出することができる。そして、上記各色成
分のうち、最も低い濃度値を示す色成分の濃度を基準濃
度として、上記各色成分の濃度がそれぞれ基準濃度にな
るように、上記互いに異なる複数の色のの露光量を調整
する。これにより、互いに異なる複数の色を各色毎に同
一階調で露光する場合に、色成分の整った1画素を発現
させることができるので、細かい無彩色の画像(小さい
文字等)を形成することができる。すなわち、色成分の
バランスを欠いた画像が形成されることはない。さら
に、1画素のエッジ付近を越えて僅かに流出する各色成
分についても、各色成分の濃度が均一になるように調整
されるので、エッジ付近で変色した滲みが生じることも
ない。
【0017】したがって、余分な滲みが生じることな
く、色成分のバランスの整った無彩色の細かな画像を発
現できる露光量調整方法を提供することができる。
【0018】本発明の露光量調整方法は、上記の課題を
解決するために、請求項1の手順に加えて、第1のステ
ップの同一階調は、焼付装置のもつ最大階調であること
を特徴とする。
【0019】上記手順によれば、複数かつ異なる色毎に
最大階調の露光量を調整することができるので、色成分
のバランスの整った細かい黒色の画像(小さい文字等)
を形成することができる。
【0020】本発明の露光量調整方法は、上記の課題を
解決するために、請求項1または2の手順に加えて、濃
度検出手段はマイクロデンシトメータであることを特徴
とする。
【0021】通常、セットアップ時に用いられる濃度計
は、5mm×5mmの範囲の濃度を均一に検出するものであ
る。したがって、このような濃度計をもちいて1画素の
みの濃度を測定すると、正確に1画素における色成分の
濃度のバラツキを検出できないこともあり得る。そこ
で、濃度検出手段としてマイクロデンシトメータを用い
れば、1画素単位で濃度の検出が可能であるので、正確
に1画素単位で各色成分の濃度のバラツキを検出でき
る。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0023】本発明の特徴は、細かい黒色画像(小さい
文字等)を露光する場合であっても、余分な滲みが生じ
ることなく、色成分のバランスの整った黒色を発現でき
る露光量調整方法を提供することにある。以下、この点
を踏まえ、まず、本発明の露光量調整方法が適用される
画像出力装置について説明し、その後、本発明の露光量
調整方法について説明する。
【0024】本実施形態に係る画像出力装置は、原画像
の画像データに基づいて、印画紙(感光材料)に対して
焼き付け,現像および乾燥処理を施すことにより、原画
像を印画紙にプリントするデジタル写真プリンタであ
る。
【0025】図3に示すように、画像出力装置は、画像
形成部1、印画紙格納部2、現像部3、乾燥部4および
図示しないPC(Personal Computer)を備えている。
【0026】印画紙格納部2は、画像形成部1に供給す
る感光材料としての印画紙を格納するものであり、例え
ばサイズの互いに異なるロール状の印画紙を格納してい
る。そして、出力画像のサイズに応じた印画紙が印画紙
格納部2から画像形成部1に供給される。
【0027】なお、印画紙の画像形成部1への搬送経路
の途中にカッターを設けておけば、画像形成部1にシー
ト状の印画紙を供給することもできる。また、印画紙の
発色特性は、メーカーやロットによって微妙に異なるも
のである。
【0028】画像形成部1は、搬送ローラR1・R2、
濃度計(濃度検出手段,マイクロデンシトメータ)5、
焼付部(焼付装置)6および制御部7を備えている。搬
送ローラR1・R2は、印画紙格納部2から供給された
印画紙を、焼付部6を経由して現像部3に送り込むため
のものである。なお、同図では、2個の搬送ローラR1
・R2を示しているが、この他にも多数の搬送ローラが
所定位置に設けられている。濃度計5は、B,G,R
(ブルー,グリーン,レッド)の各波長の光の反射光量
に基づいてY,M,C(イエロー,マゼンタ,シアン)
の各濃度値を検出する計器であり、本実施の形態では露
光された1画素に相当するY,M,Cの各濃度値を検出
できるマイクロデンシトメータが用いられる。すなわ
ち、本装置によって印画紙に焼き付けられ、現像された
画像における1画素に相当する濃度が、この濃度計5に
て測定される。焼付部6は、B,G,Rそれぞれのレー
ザー光が出射制御されることにより印画紙を露光するも
のであるがその詳細については後述する。制御部7は、
焼付部6に対して、ネガ/ポジ等のフィルムあるいは反
射原稿を読み取ることによって得られる画像データ、パ
ーソナルコンピュータなどによって画像処理された画像
データ、デジタルカメラなどによって撮影された画像デ
ータなどを送り、焼付部6を駆動するためのものであ
る。
【0029】現像部3は、画像形成部1にて焼き付け処
理の施された印画紙を現像処理液や漂白定着液等(以
下、単に処理液と記載する)に浸しながら搬送すること
によって、印画紙に焼き付けられた画像を現像するもの
である。乾燥部4は、現像部3にて現像された印画紙
を、例えば熱風の吹き付けにより乾燥させるためのもの
である。PCは、画像出力装置の全動作を制御する制御
部であり、原画像の画像データを保存する機能や、画像
データに対してデータ処理を施す機能等を有している。
このように、本実施形態に係る画像出力装置は、PCで
の制御により、印画紙の露光、現像処理、乾燥処理を一
元管理の下に連続して行う構成となっている。よって、
使用者に操作上の負担をかけることなしに、多量の写真
を連続的にプリントすることが可能となっている。な
お、図中のTは、印画紙の搬送経路を示している。
【0030】以上のような構成の画像形成部1によっ
て、印画紙は、焼付部6に対向する露光位置において焼
き付け処理される。具体的には、各色の画像データを焼
付部6に入力することによって、B,G,R各色の画像
が同時に印画紙上に焼き付けられることになる。また、
印画紙は焼付部6の駆動に同期した速度で搬送され、走
査露光方式によって1コマ分のカラー画像が印画紙上に
焼き付けられる。
【0031】つぎに、図4に基づいて焼付部6の構成を
説明する。焼付部6は、光源部8と走査部9とから構成
される。
【0032】光源部8は、レーザー10B・10G・1
0Rと、AOM(Acousto-Optic Modulator :音響光学
変調素子)11B・11G・11R、ミラー12B・1
2G・12Rから構成される。
【0033】レーザー10B・10G・10Rは、それ
ぞれ青色、緑色、赤色成分の波長のレーザー光を発する
半導体レーザーである。これらのレーザー10B・10
G・10Rは、それぞれ一定の強度で各色のレーザー光
を出射するように設定されている。
【0034】AOM11B・11G・11Rは、音波に
より透明媒質中に作り出された屈折率分布が位相回折格
子として働くことによる回折現象、いわゆる音響光学回
折を利用した光変調器であり、印加する超音波の強度を
変えることによって、回折された光の強度を変調するも
のである。このAOM11B・11G・11Rは、制御
部7と接続されており、画像データに応じて振幅が変調
された高周波信号が入力される。なお、本実施の形態で
は、上記のように、各色成分のレーザー光の強度変調を
行う構成、すなわち、光ビーム変調手段として、AOM
11B・11G・11Rを用いているが、これに限定さ
れるものではなく、各色成分のレーザー光の強度を変化
させることが可能な構成であればどのような構成を用い
ても構わない。例えば、上記のAOM11B・11G・
11Rの代わりに、例えばEOM(Electro-Optic Modu
lator )、MOM(Magneto-Optic Modulator )を適用
してレーザー光の強度変調を行う構成としてもかまわな
い。また、AOM11B・11G・11Rを設けずに、
レーザー10B・10G・10Rからの出力自体を直接
変調させることによって、レーザー光の強度変調を行う
構成としてもよい。
【0035】ミラー12B・12G・12Rは、AOM
11B・11G・11Rから出射したレーザー光を走査
部9が配置されている方向へ反射させる部材である。
【0036】つぎに、走査部9について説明する。走査
部9は、エキスパンダレンズユニット13B・13G・
13R、ミラー14B・14G・14R、シリンダレン
ズ15R・15G・15B、プリズム16、ポリゴンミ
ラー(偏向手段)17、Fθレンズ(光学手段)18か
ら構成される。
【0037】エキスパンダレンズユニット13B・13
G・13Rは、入射した光を拡大するエキスパンダレン
ズ、および入射した光を平行光として出射するコリメー
トレンズなどを備えたレンズユニットである。
【0038】ミラー14B・14G・14Rは、エキス
パンダレンズユニット13B・13G・13Rから出射
された各色のレーザー光をシリンダレンズ15B・15
G・15Rが配置されている方向へ反射させる部材であ
る。
【0039】シリンダレンズ15B・15G・15R
は、ミラー14B・14G・14Rにおいて反射された
各色のレーザー光を、副走査方向においてポリゴンミラ
ー17の反射面に集光させるレンズである。
【0040】プリズム16は、3枚の波長選択膜から構
成され、B,G,Rの各色レーザー光を集光して、ポリ
ゴンミラーに出射するためのものである。
【0041】ポリゴンミラー17は、複数の反射面が正
多角形を形成するように設けられた回転体であり、図示
しないポリゴンドライバによって回転駆動される。プリ
ズム16から出射するレーザー光は、ポリゴンミラー1
7の1つの反射面で反射されて印画紙方向に進行する。
そして、このポリゴンミラー17からのレーザー光の反
射方向は、ポリゴンミラー17の回転に応じて主走査方
向に移動する。また、ポリゴンミラー17の回転によっ
て1つの反射面におけるレーザー光の反射が終わると、
その反射面に隣合う反射面にレーザー光の照射が移り、
同じ範囲で主走査方向にレーザー光の反射方向が移動す
る。このように、1つの反射面で1つの走査ラインが走
査され、隣合う反射面で次の走査ラインが走査されるこ
とになるので、副走査方向に隣合う走査ライン同士の間
のタイムラグを極めて小さくすることが可能となってい
る。
【0042】Fθレンズ18は、ポリゴンミラー17か
ら印画紙に照射されるレーザー光による走査面の両端近
傍での像の歪みを補正するための光学系であり、複数の
レンズから構成されている。この走査面の両端近傍での
像の歪みは、ポリゴンミラー17から印画紙に到る光路
の長さが異なることによって生じるものである。また、
Fθレンズ18では、主走査方向および副走査方向とも
にビーム径を絞っている。
【0043】以上に示したように、本実施の形態におけ
る焼付部6は、画像情報に応じて変調されたB,G,R
の各色に対応したレーザー光を、主走査方向に移動させ
ながら印画紙を露光するとともに、印画紙を副走査方向
に搬送することによって、印画紙に2次元の焼付画像を
形成する構成となっている。この焼付部6における異な
る色(B,G,R)ごとの最大露光量は、後述する本発
明の露光量調整方法によって調整される。
【0044】次に、本発明の露光量調整方法について説
明する。
【0045】まず、印画紙の露光量調整の大まかな流れ
について説明すると、この露光量調整は、イニシャルセ
ットアップと、デイリーセットアップと、マガジンセッ
トアップとを順に経ることで行われる。
【0046】イニシャルセットアップは、装置の工場出
荷時および工場から出荷された装置を店舗に設置した時
に行われるものである。より、具体的には、イニシャル
セットアップでは、所定の階調に対して予め設定されて
いる目標濃度が得られるように、焼付部6における異な
る色(B,G,R)ごとの露光量を補正する処理が行わ
れる。この補正する処理とは、所定の階調に対して目標
濃度が得られるような露光量をテーブルとしたデータを
作成し、このデータを制御部7の図示しないLUT(ル
ックアップテーブル,補正演算用メモリー)に設定する
処理をいう。
【0047】なお、上記の特定の印画紙とは、店舗にて
よく使用される、特定のメーカーおよび特定の幅の印画
紙のことを指し、主ペーパーとも称する。この主ペーパ
ーを用いてイニシャルセットアップを行うのは、他のペ
ーパーについてもイニシャルセットアップを行うと、セ
ットアップに多大な時間を要するからである。他のペー
パーについてのセットアップは、マガジンセットアップ
で行うことになる。
【0048】デイリーセットアップとは、装置を立ち上
げた日の温度や処理液の状態に応じて露光量を調整する
処理であり、装置を立ち上げる日ごとに行われる。つま
り、このデイリーセットアップは、装置を立ち上げた日
の温度や処理液の状態が印画紙の発色特性に影響を与え
ることから、そのような影響を無くす目的で行われる。
したがって、このデイリーセットアップにより、上記の
イニシャルセットアップにて設定された露光量は若干変
更される可能性はある。この場合は、デイリーセットア
ップによって変更された後の露光量を基準にして、次の
マガジンセットアップが行われることになる。なお、デ
イリーセットアップは、メーカーの異なる印画紙ごとに
行われると共に、幅が異なっても同じメーカーの印画紙
についてはそのうちのいずれか1つに対してのみ行われ
る。印画紙の発色特性はメーカーごとに異なっており、
また、同じメーカーの印画紙については、その日の温度
や処理液の状態に応じて同じような傾向で発色特性が変
化するので、幅の異なる全ての印画紙について行う必要
がないからである。
【0049】マガジンセットアップは、目標濃度値が得
られるように、イニシャルセットアップまたはデイリー
セットアップで設定された露光量を用いる印画紙ごとに
調整することを主な目的としている。したがって、この
マガジンセットアップは、露光時に使用する印画紙をこ
れとは幅の異なる印画紙に変更したり、1ロールの印画
紙がなくなり、これと同じ種類で同じ幅の印画紙を新た
に装置に装填したとき(ロットが変更されたとき)に行
われる。なお、本実施の形態では、イニシャルセットア
ップで用いられる特定の印画紙を印画紙Pとして、マガ
ジンセットアップで用いられる印画紙を印画紙Qとす
る。
【0050】次に、本発明の露光量調整方法の詳細につ
いて説明する。なお、デイリーセットアップについて
は、説明の便宜上、ここではその説明を省略し、以下で
はイニシャルセットアップおよびマガジンセットアップ
の詳細について説明する。
【0051】(イニシャルセットアップ)イニシャルセ
ットアップを図2に基づいて説明する。まず、18段階
のテストパターン(無彩色のみによる18段階のグレー
スケール)を印画紙Pに露光する(S1)。より具体的
には、B,G,Rのそれぞれについて、0(白)から6
5535(黒)までの階調を18段階に分け、各段階で
B,G,Rの各色について露光を行うことにより、18
ステップのテストパターンを印画紙Pに焼き付ける。
【0052】続いて、上記テストパターンを処理液にて
現像し、得られるプリントの18段階それぞれのY,
M,Cの各濃度値を濃度計5にて読み取る(S2)。そ
して、図5(a)に示すように、横軸に階調を、縦軸に
濃度をとって、各段階における階調と濃度とをプロット
する。このとき、横軸にBの階調をとったときは縦軸に
Y濃度をとり、横軸にGの階調をとったときは縦軸にM
濃度をとり、横軸にRの階調をとったときは縦軸にC濃
度をとる。その後、図5の各点の間を補間し、図5
(b)に示すように、階調と濃度との関係を示す特性曲
線(B−Y曲線、G−M曲線、R−C曲線)を求める
(S3)。
【0053】つぎに、1〜18ステップの各段階に対応
する濃度値が、予め設定されている目標濃度値に近づく
ように、1〜18段階における露光量を補正する(S
4)。例えば、10段階目の目標濃度値が0.9である
とすると、10段階目の露光量を変化させて印画紙Pを
露光し、このときの濃度値を濃度計5にて読み取る。そ
して、得られた値が0.9±0.02の範囲内に収まる
まで、この処理を繰り返す。また、上記の±0.02
は、濃度計5の読み取り誤差を考慮したものであり、こ
の値に限定されるわけではない。なお、露光量は、AO
M16B・16Gに入力する高周波信号を調整すること
に補正することができる。
【0054】これにより、印画紙Pについて、1〜18
までの各段階における目標濃度値に対応する露光量が得
られることになる。そして、横軸に1〜18までの階調
を、縦軸に目標濃度値に対応する露光量をとって、これ
をプロットすることにより、印画紙Pについて、全ての
階調に対する露光量を示したテーブルを求めることがで
きる。さらに、制御部7の図示しないLUTに、このテ
ーブルを設定することによりイニシャルセットアップが
完了する。
【0055】(マガジンセットアップ)次に、マガジン
セットアップを図1に基づいて説明する。なお、ここで
は、イニシャルセットアップのときに用いた主ペーパー
である印画紙Pとはメーカーの異なる印画紙Qを用いて
露光を行う場合を想定する。また、以下での説明を理解
しやすくするため、デイリーセットアップは既に行われ
ているものとし、その結果、イニシャルセットアップの
結果がそのまま使えるものとする。また、この印画紙Q
の18段階のテストパターンにおける各段階ごとの目標
濃度値も予め得られているものとする。
【0056】まず、図2のS1と同様の手法で、18段
階のテストパターンを印画紙Qに形成する(S6)。そ
して、印画紙Qを処理液にて現像し、得られるプリント
の1〜17段階目のY,M,Cの各濃度値を濃度計5に
て読み取る(S6)。
【0057】さらに、B,G,Rの各色を最大露光量
(18段階目に該当する露光量)で露光することによ
り、黒色1画素のみを印画紙Qに形成する。すなわち、
上記したテストパターンにおける18段階目に相当する
1画素のみが形成されることになる(S8)。続いて、
黒色1画素のみが形成された印画紙Qを処理液にて現像
し、得られる黒色1画素のY,M,C各色成分の濃度を
濃度計5にて読み取る(S9)。ここで、濃度計5の検
出対象は黒色1画素のみであることから、図6(a)に
示すように、各色成分の濃度分布はそれぞれ異なる広が
りを示す。さらに、図6(b)に示すような、隣合う画
素同士で流出する各色成分を補充しあうといった黒色の
ベタ画像を露光した場合に起こりうる現象は生じない。
したがって、黒色画素を露光する場合における実際上の
各色成分の濃度を検出することが可能となる。本実施の
形態では、上記黒色1画素のY,M,Cの各濃度値とし
て、例えば2.5,2.4,2.2が得られたものとす
る。なお、Y,M,Cの各濃度値は、印画紙QにB,
G,Rの各光を照射して得られる反射光の反射率に基づ
いて得られるものであり、単位は特にない。
【0058】つぎに、Y,M,Cの各濃度値のうち、最
も小さいCの濃度値2.2を基準濃度値として設定し、
他のYおよびMの濃度値が基準濃度値になるように、上
記テーブルにおける18段階目の露光量を補正する(S
10)。マガジンセットアップにて、このような手順を
実行することにより、焼付部6が各デバイス毎に異なる
MTF(modulation transfer function)特性を示して
いても、黒色1画素、すなわち最大階調である18段階
目におけるY,M,Cの各濃度値を均一にすることがで
きる。
【0059】つぎに、1〜16各段階に対応する濃度値
が、予め設定されている目標濃度値に近づくように、上
記テーブルにおける1〜16段階目の露光量を補正する
(S11)。なお、S11の補正の方法については、図
2のS4と全く同様である。
【0060】つぎに、16段階目の目標濃度値と上記基
準濃度値とに基づいて、17段階目の目標濃度値を決定
する(S12)。これは、16〜18段階の濃度値の変
化を滑らかにさせるためである。したがって、17ステ
ップ目の目標濃度値の決定方法は、16〜18ステップ
までの濃度値を滑らかに変化させることができればどの
ような方法でもよい。例えば、上記両濃度値の単なる平
均をとってもよいし、どちらかの濃度値に重みを持たせ
てその平均をとってもよい。
【0061】そして、S12にて得られた17段階目の
目標濃度値に近づくように、上記テーブルにおける17
段階目の露光量を補正する(S13)。なお、この補正
の方法は、S4の場合と同様である。
【0062】さらに、このようにして補正された1〜1
8段階の露光量を基に、印画紙Qについて、全ての階調
に対する露光量を示したテーブルを補正することができ
る。これは、横軸に階調を、縦軸にマガジンセットアッ
プにて補正した1〜18段階の露光量をとってこれをプ
ロットする。これにより、印画紙Qに対応するように、
全ての階調に対する露光量を示したテーブルを補正する
ことができる。
【0063】マガジンセットアップにて、このような手
順を実行することにより、イニシャルセットアップで用
いた印画紙と感光特性が異なる印画紙を用いる場合で
も、画像形成装置は所定の目標濃度値を出力することが
できる。これに加えて、本実施の形態のマガジンセット
アップでは、S8〜S10の手順が実行されることによ
り、焼付部6が各デバイス毎に異なるMTF(modulati
on transfer function)特性を示していても、18段階
目の黒色画像のY,M,Cの各色成分の濃度値を均一に
することができる。ここで、S8〜S10で、黒色1画
素のみを露光し、この黒色1画素の各色成分の濃度を補
正する理由について説明する。
【0064】レーザー光が印画紙を露光する場合、1画
素における濃度分布は、図6(a)に示すように、光の
結像点を中心としてガウス分布的な広がりを示す。ま
た、この濃度分布は各色成分毎に異なる広がりを示す。
また、図6(a)に示すように、結像点からの濃度分布
の広がりがY,M,Cの順に強い場合、本来焼き付けら
れるべき黒色画素の範囲を越えて白色画素の範囲に流出
する各色成分の濃度は、Y>M>Cとなる。よって、黒
色画素の周囲の白色画素の範囲に、暗い黄色(ダークイ
エロー)の滲みが発生することになるという問題が生じ
る。一方、本来焼き付けられるべき黒色画素の範囲から
流出した各色成分の濃度が、Y>M>Cであることか
ら、本来焼き付けられるべき黒色画素の範囲における各
色成分の濃度はC>M>Yとなる。すなわち、本来焼き
付けられるべき黒色画素の範囲に発現する黒色は、色成
分のバランスを欠いたものとなるという問題が生じる。
【0065】ところが、印画紙上に黒色のベタ画像を焼
き付けた場合、このような問題は生じない。この場合、
図6(b)に示すように、隣り合う画素同士が黒色であ
るため、本来焼き付けられるべき画素の範囲を越えて隣
の画素に流出する各色成分は、隣合う画素同士で補充し
あう(打ち消し合う)ことになる。したがって、1画素
のみに着目すれば各色成分の濃度分布に広がりが生じて
いるものの、周囲にある画素も黒色であることから、結
果的に黒色のベタ部分においては、色成分のバランスの
整った黒色が発現することになる。すなわち、印画紙に
通常のベタ画像を露光する場合は、上記した問題は生じ
ないものの、細かな画像の露光が必要な場合(例えば細
かな黒色文字を露光する場合)、上記した問題が生じ
る。
【0066】一方、18段階のグレースケールのうち、
1〜17段階のスケールはワンオンワンオフ画像である
が、最大露光能力である18段階では黒色のベタ画像で
ある。このため、S8〜S10で行われる18段階目の
露光量の補正で、黒色のベタ画像を露光すると、濃度計
5は、結果的に色成分のバランスの整った黒色画素検出
してしまうことになる。そして、このように検出した各
色成分の濃度値を基に補正処理を行うと、黒色のベタ画
像や他の色の画像を露光する場合は問題が生じないが、
例えば細かな黒色文字を露光する場合、色成分のバラン
スの欠いた黒色が発現することになる。このような理由
により、S8〜S10では、黒色1画素のみを露光する
ことにしている。
【0067】このように、マガジンセットアップでは、
18段階目の濃度値を、基準濃度値となるように露光量
を補正している。言い換えれば、黒色1画素、すなわち
B,G,Rの最大露光量である18段階目におけるY,
M,Cの各濃度値を均一にすることができる。
【0068】したがって、焼付部6が各デバイス毎に異
なるMTF(modulation transferfunction)特性を示
していても、上述したマガシンセットアップを実行する
ことにより、色成分の整った細かな黒色画像を露光する
ことができる。
【0069】なお、本実施形態では、焼付部6をレーザ
ーで構成した場合について説明したが、例えばLCD、
LCS、DMD、PLZT露光ヘッド等、時間制御によ
り光量を調節してデジタル露光を行う光変調素子で構成
した場合でも、本発明の露光量調整方法を適用すること
が可能である。この場合、上記イニシャルセットアップ
を実施する前に光源の発光レベルを均一化させる処理
(ユニフォーミティー調整)を行う必要がある。
【0070】また、本実施の形態では、黒色1画素のみ
を形成する手順としているが、無彩色であれば黒色に限
定されない。また、上記1画素は、周囲に画素が形成さ
れていない1画素であればよく、1画素のみの形成に限
定されるわけではない。
【0071】最後に、上述した実施の形態は、本発明の
範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の
変更が可能である。
【0072】
【発明の効果】本発明の露光量調整方法は、以上のよう
に、互いに異なる複数の色を、各色毎に同一階調で露光
することにより、周囲に画素が形成されていない1画素
を少なくとも1つ感光材料に形成する第1のステップ
と、感光材料上に露光した1画素における各色成分の濃
度を濃度検出手段で測定する第2のステップと、上記各
色成分のうち、最も低い濃度値を示す色成分の濃度を基
準濃度として、上記各色成分の濃度がそれぞれ基準濃度
になるように、上記階調に対応する上記互いに異なる複
数の色の露光量を調整する第3のステップとを備えるこ
とを特徴とする。
【0073】それゆえ、複数かつ異なる色毎に同一階調
で露光することにより、周囲に画素が形成されていない
1画素を少なくとも1つ感光材料に形成する。したがっ
て、ベタ画像のように、隣り合う画素同士で流出した色
成分を互いに補充しあうということは生じない。さら
に、上記1画素における各色成分の濃度を濃度検出手段
で測定するので、焼付装置が上記1画素を露光した場合
における実際の各色成分の濃度分布を検出することがで
きる。そして、上記各色成分のうち、最も低い濃度値を
示す色成分の濃度を基準濃度として、上記各色成分の濃
度がそれぞれ基準濃度になるように、上記階調に対応す
る複数かつ異なる色の露光量を調整する。これにより、
複数かつ異なる色毎に同一階調で露光する場合に、色成
分の整った1画素を発現させることができるので、細か
い無彩色の画像(小さい文字等)を形成することができ
る。すなわち、色成分のバランスを欠いた画像が形成さ
れることはない。さらに、1画素のエッジ付近を越えて
僅かに流出する各色成分についても、各色成分の濃度が
均一になるように調整されるので、エッジ付近で変色し
た滲みが生じることもない。したがって、余分な滲みが
生じることなく、色成分のバランスの整った無彩色の細
かな画像を発現できる露光量調整方法を提供することが
できるという効果を奏する。
【0074】本発明の露光量調整方法は、以上のよう
に、上記の手順に加えて、第1のステップの同一階調
は、焼付装置のもつ最大階調であることを特徴とする。
【0075】それゆえ、複数かつ異なる色毎に最大階調
の露光量を調整することができるので、色成分のバラン
スの整った細かい黒色の画像(小さい文字等)を形成す
ることができるという効果を奏する。
【0076】本発明の露光量調整方法は、以上のよう
に、上記の手順に加えて、濃度検出手段はマイクロデン
シトメータであることを特徴とする。
【0077】それゆえ、1画素単位で濃度の検出が可能
であるので、正確に1画素単位で各色成分の濃度のバラ
ツキを検出できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光量調整方法による処理の一部であ
るマガジンアップでの処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図2】上記露光量調整方法による処理の一部であるイ
ニシャルセットアップでの処理手順を示すフローチャー
トである。
【図3】本発明の露光量調整方法が適用される画像出力
装置の概略構成を示す模式図である。
【図4】上記画像出力装置が備える焼付部と制御部との
概略構成を示した模式図である。
【図5】(a)は、露光データと濃度との関係を18ス
テップの各ステップごとにプロットしたグラフであり、
露光データと濃度との関係を特性曲線としたグラフであ
る。
【図6】上記露光部が露光した画素における各色成分の
濃度分布を示したものであって、(a)は、黒色画素と
白色画素とを交互に露光した場合の説明図であり、
(b)は、黒色画素を連続して露光した場合の説明図で
ある。
【図7】デジタル露光用ペーパーとアナログ露光用ペー
パーとの感光特性の相違を示したグラフである。
【符号の説明】
1 画像形成部 5 濃度計(濃度検出手段,マイクロデンシトメー
タ) 6 焼付部(焼付装置) 8 光源部 P 印画紙(感光材料) Q 印画紙(感光材料)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源から互いに異なる複数の色を露光する
    ことにより感光材料に画像を形成する焼付装置の露光量
    を調整する露光量調整方法において、 上記互いに異なる複数の色を、各色毎に同一階調で露光
    することにより、周囲に画素が形成されていない1画素
    を少なくとも1つ感光材料に形成する第1のステップ
    と、 感光材料上に露光した1画素における各色成分の濃度を
    濃度検出手段で測定する第2のステップと、 上記各色成分のうち、最も低い濃度値を示す色成分の濃
    度を基準濃度として、上記各色成分の濃度がそれぞれ基
    準濃度になるように、上記階調に対応する上記互いに異
    なる複数の色の露光量を調整する第3のステップとを備
    えることを特徴とする露光量調整方法。
  2. 【請求項2】第1のステップの同一階調は、焼付装置の
    もつ最大階調であることを特徴とする請求項1に記載の
    露光量調整方法。
  3. 【請求項3】濃度検出手段はマイクロデンシトメータで
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の露光量
    調整方法。
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