JP2003181235A - 乾燥ガスに含まれる硫酸飛沫の除去方法 - Google Patents
乾燥ガスに含まれる硫酸飛沫の除去方法Info
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Abstract
得る方法を提供する。 【解決手段】 硫酸飛沫を含む乾燥ガス(1)を、硫酸と
反応して塩を形成しうる基材(2)と接触させて塩を形成
させたのち、形成された硫酸塩をフィルター(3)で捕集
する。前記乾燥ガス(1)に含まれる硫酸飛沫を除去する
ことができる。フィルター(3)の孔径は通常0.2mm
以下である。硫酸と反応して塩を形成しうる基材(2)と
フィルター(3)とを備え、乾燥ガス(1)が前記基材(2)に
接触したのち前記フィルター(3)で濾過されるように構
成された硫酸飛沫除去装置(4)により、乾燥ガスに含ま
れる硫酸飛沫を除去する。
Description
る硫酸飛沫の除去方法に関する。
ガスを得る方法としては、ガスを濃硫酸と接触させる方
法が挙げられ、具体的には、例えば図3に示すような乾
燥塔(5)を用い、その塔底(51)からガス(6)を供給して乾
燥塔(5)内の塔底(51)から塔頂(52)に向けて流通させる
と共に、塔頂(52)側から塔底(51)に向けて濃硫酸(7)を
流通させて、塔内でガス(6)と濃硫酸(7)とを接触させる
方法が挙げられる。かかる方法によれば、ガス(6)に含
まれる水分は濃硫酸(71)に吸収されるので、塔頂(52)か
らは水分を含まない乾燥ガス(1)を得ることができる。
を十分に吸収させるには、濃硫酸を大量に供給すること
が好ましく、また、例えば泡鐘トレイ、充填物などを乾
燥塔内に配置してガスが濃硫酸と十分な面積で接触する
ようにすることが好ましい。ところが、塔内で濃硫酸と
ガスとが接触すると、硫酸の微細な飛沫が発生し、乾燥
ガスに同伴される。このため、塔頂(52)から乾燥ガス
(1)を得るための配管(8)は、内面が硫酸に対して不活性
な材質、例えばポリ塩化ビニルなどで構成されている
(図3)。
含まれる硫酸の飛沫を除去する方法としては、図3に示
すように、乾燥ガスを塔頂(52)からの配管(8)で硫酸飛
沫除去フィルター(9)に導き、このフィルター(9)を通過
させる方法が挙げられる。かかる方法によれば、硫酸飛
沫は、この硫酸飛沫除去フィルター(9)で捕集されて除
去される。硫酸飛沫除去フィルターとしては、例えば繊
維からなる孔径0.5〜10μm程度のフィルターが用
いられる。
れる硫酸飛沫を十分に除去することができないという問
題があった。例えば塔頂から得た乾燥ガスに物質量比
(モル比)で50ppm(乾燥ガス1モルあたり0.0
00050モル)程度の硫酸が飛沫となって含まれてい
た場合、孔径1μm程度の硫酸ミスト除去フィルターを
通過させても、乾燥ガスには1ppm以上の硫酸飛沫が
含まれていた。
燥ガスに含まれる硫酸飛沫を十分に除去し得る方法を開
発するべく鋭意検討した結果、硫酸と反応して塩を形成
し得る基材と接触させたのちにフィルターを通過させた
乾燥ガスには、硫酸飛沫が殆んど含まれていないことを
見出し、本発明に至った。
飛沫を含む乾燥ガス(1)を、硫酸と反応して硫酸塩を形
成しうる基材(2)と接触させて硫酸塩を形成させ、形成
された硫酸塩をフィルター(3)で捕集することを特徴と
する前記乾燥ガスに含まれる硫酸飛沫の除去方法を提供
するものである。図1に本発明の方法で硫酸飛沫を除去
するための硫酸飛沫の除去装置(4)の一例を示す。
を説明する。図1に示す硫酸飛沫の除去装置(4)は、硫
酸と反応して塩を形成しうる基材(2)とフィルター(3)と
を備えている。かかる装置(4)は、乾燥ガス(1)が前記基
材(2)に接触したのち前記フィルター(3)を通過するよう
に構成されている。
物質量比(モル比)で通常100ppm(乾燥ガス1モ
ルあたり水0.000100モル)以下、好ましくは5
0ppm(乾燥ガス1モルあたり水0.00050モ
ル)以下、理想的には実質的に0であり、通常は硫酸に
対して不活性なガスである。かかる乾燥ガスとしては、
例えば窒素ガス、アルゴンガスなどのいわゆる不活性ガ
スのほか、酸素ガス、二酸化炭素ガス、塩素ガス、塩化
水素ガスなどが挙げられ、これらの混合ガスであっても
よい。
ような乾燥塔(5)にその塔底(51)からガス(6)を供給し、
乾燥塔(5)の内部を塔底(51)から塔頂(52)に向けてガス
(6)を流通させると共に、塔頂(52)側から濃硫酸(7)を供
給し、塔底(51)に向けて流通させて、乾燥塔(5)の内部
でガス(6)を濃硫酸(7)と接触させる方法により、塔頂(5
2)から得ることができる。かかる乾燥塔(5)において、
塔頂(51)側の供給口(101)からは濃硫酸(7)が塔底(52)に
向けて供給される。濃硫酸(7)は、供給口(101)からその
まま流下させて供給してもよいし、噴霧して供給しても
よい。供給された濃硫酸(7)は供給口(101)の下方の泡鐘
トレイ(53)を通過し、さらにその下方の充填物(54)を通
過して、塔底(52)に到達する。塔底(51)から塔頂(52)に
向けて流通するガス(6)は、充填物(54)および泡鍾トレ
イ(53)において濃硫酸(7)と接触し、ガスに含まれる水
分が濃硫酸に吸収され、乾燥ガス(1)となる。乾燥ガス
(1)は、塔頂(52)から配管(8)を通じて乾燥塔(5)の外部
に取り出される。かくして取り出された乾燥ガス(1)に
は、硫酸飛沫が含まれている。
(101)から供給された濃硫酸(7)はガスと接触して水分を
吸収し、硫酸となって塔底(51)に到達し、ここに貯留さ
れるが、塔底に貯留される硫酸(73)は通常、水分を更に
吸収しうるので、これをポンプ(11)により回収し、必要
により熱交換器(12)で温度調節されたのち第二供給口(1
02)から乾燥塔内部に供給されてもよく、乾燥塔内部に
供給された硫酸(72)は、塔内を流通するガスと接触して
再び水を吸収する。第二供給口(102)は通常、先の供給
口(101)よりも下方側に配置され、図2に示す乾燥塔で
は、供給口(101)の下側の泡鐘トレイ(53)の更に下側で
あって、充填物(54)の上側に第二供給口が配置されてい
る。第二供給口(102)から供給される硫酸(72)は、噴霧
して供給してもよいし、流下または滴下して供給しても
よいが、図2に示す乾燥塔(5)では、第二供給口(102)の
下側の充填物(54)に均一に硫酸を供給できるように、噴
霧して供給している。塔底から回収された硫酸の一部(7
4)は系外に排出される。
(1)はこのようにして得られるものであるが、かかる乾
燥ガスに含まれる硫酸飛沫は、乾燥ガスに対して物質量
比(モル比)で50ppm(乾燥ガス1モルあたり0.
000050モル)以下、更には30ppm(乾燥ガス
1モルあたり0.000030モル)以下であることが
好ましい。このため、乾燥塔の塔頂(52)から得られる乾
燥ガスのように、硫酸飛沫の含有量がしばしば50pp
mを超える場合、硫酸飛沫除去装置(4)は、硫酸飛沫除
去フィルター(9)を備えていることが好ましい。硫酸飛
沫除去フィルター(9)を備えている場合には、除去装置
(4)は、乾燥ガスが硫酸飛沫除去フィルター(9)を通過し
たのち、前記基材(2)と接触するように構成される。か
かる硫酸飛沫除去フィルター(9)を備えていることによ
り、乾燥ガス(1)は硫酸飛沫除去フィルター(9)を通過し
たのちに前記基材(2)と接触するので、乾燥ガスに含ま
れる硫酸飛沫が物質量比で50ppmを超える場合に
も、硫酸飛沫除去フィルターによって硫酸飛沫含有量を
50ppm以下とした後に、前記基材(2)と接触させる
ことができる。
は、通常の飛沫除去フィルター、例えばブリンク式フィ
ルター、バケット式フィルター、カートリッジ式フィル
ターなどが用いられ、ブリンク式フィルターが好まし
い。硫酸飛沫除去フィルターの材質としては、硫酸や乾
燥ガスに対して不活性な材質、例えばフッ素化樹脂、ポ
リプロピレンなどの合成繊維、ガラスファイバー、カー
ボンファイバーなどの無機繊維などが用いられ、その孔
径は通常0.5μm以上10μm以下、好ましくは5μ
m以下である。
を、硫酸と接触して硫酸塩を形成しうる基材(2)と接触
させる。かかる基材としては、例えば鉄鋼、ステンレス
鋼(鉄のほかクロムなどを含む鋼)などの鉄製基材、銅
などの銅製基材などが挙げられる。鉄製基材は、硫酸と
接触することにより、硫酸鉄などを生ずる。また、銅製
基材は、硫酸と接触することにより、硫酸銅を生ずる。
スが基材と接触して、該乾燥ガスに含まれる硫酸飛沫が
基材と反応し硫酸塩を形成することができる面積であれ
ばよく、乾燥ガス1m3(大気圧(101.3kP
a)、0℃の体積)あたり1時間あたり通常0.05m
2以上、好ましくは0.1m2以上である。0.05m2
未満であると、硫酸飛沫を十分に除去できない傾向にあ
る。また、かかる面積は大きいほど好ましいが、通常は
実用的な観点から、1m2以下程度である。
触し得るものであれば特に限定されるものではなく、例
えば平面状であってもよいし、球形であってもよい。
しうる材質からなる配管を用い、該配管の内部を乾燥ガ
スが流通するようにして接触させてもよい。前記基材
(2)としてこのような配管を用いることは、特別な装置
を用いる必要がなく、装置(4)を簡便なものとし得る点
で、好ましい。かかる配管を用いる場合、乾燥ガスの流
量、流速に応じて、その内径、長さを適宜選択すること
で、乾燥ガスとの接触面積を調節することができる。
ガスに含まれる硫酸飛沫が基材の表面で反応して硫酸塩
が形成される。
た硫酸塩は、フィルター(3)で捕集される。図1に示す
装置(4)は、乾燥ガスが前記基材(2)に接触したのち、フ
ィルター(3)を通過するように構成されているので、硫
酸塩は乾燥ガスに同伴されてフィルターに導かれ、ここ
で捕集される。
度の異物を捕集し得るものであればよく、例えば目開が
0.05mm以上0.2mm以下のメッシュなどを用い
ることもできる。フィルターの材質は、例えばポリ塩化
ビニル、ポリプロピレンなどの合成樹脂、鉄、ステンレ
ス鋼などであってもよい。フィルターは、前記したと同
様のブリンク式フィルター、バケット式フィルター、カ
ートリッジ式フィルターなどであってもよい。かかるフ
ィルターは、硫酸と反応して塩を形成しうる基材(2)と
して配管を用いる場合には、該配管に直接、接続されて
いてもよい。
燥ガス(1)は、硫酸と反応して硫酸塩を形成しうる基材
(2)と接触するが、該基材(2)の表面では乾燥ガスに含ま
れる硫酸飛沫が基材と反応して硫酸塩が生成する。乾燥
ガスには水分が含まれていないので、形成された硫酸塩
は固形物となる。かかる硫酸塩はその大きさが概ね0.
1mmを超えるので、基材と接触したのちの乾燥ガスが
フィルター(3)を通過することによって、硫酸塩はフィ
ルターで捕集され、乾燥ガスから除去される。
スは、硫酸飛沫が殆んど含まれていないので、不純物と
して硫酸を実質的に含まない乾燥ガス(1)を得ることが
でき、例えばこの乾燥ガス(1)を圧縮機などで圧縮して
も、圧縮機が硫酸で侵されることがない。
乾燥ガスから硫酸飛沫を十分に除去することができる。
が、本発明はかかる実施例により限定されるものではな
い。
(H2O)をモル分率で約1%含む)を図3に示す乾燥
塔(5)の塔底(51)から供給し、塔頂(52)から乾燥ガス(1)
を得た。得られた乾燥ガス(1)は、水分の含有量が検出
下限(乾燥ガス1モルあたり0.00005モル(5p
pm))未満であった。この乾燥ガスには、50〜60
ppm(乾燥ガス1モルあたり0.00050〜0.0
0060モル)程度の硫酸が飛沫として含まれている。
次いで、この乾燥ガスをブリンク式フィルター(孔径1
μm、ガラスファイバー製)(9)を通過させたところ、
硫酸飛沫の含有量は約2ppmであった。
(5)の塔底(51)から供給し、塔頂(52)から乾燥ガスを
得、ブリンク式フィルター(孔径1μm、ガラスファイ
バー製)(9)を通過させて硫酸飛沫を除去した後、鉄製
配管(2)を通じて、目開き約0.1mmのメッシュ(ポ
リプロピレン繊維製)(3)に導き、通過させた。乾燥ガ
スは、圧力102.3kPa(ゲージ読み圧力1kP
a)、温度20℃で流通させた。塩素ガス1m3(圧力
101.3kPa、温度0℃での体積)あたり1時間あ
たりの鉄製配管の内表面積は、0.199m2であっ
た。メッシュを通過したのちの乾燥ガス(1)の硫酸飛沫
の含有量は検出下限(物質量比(モル比)で1ppm
(乾燥ガス1モルあたり0.000001モル))未満
であった。乾燥ガスが通過した後のメッシュには、硫酸
塩〔粒径は概ね0.2mm〜1mm程度、白色の固形
物〕が捕集されていた。
除去するための硫酸飛沫除去装置の一例を示す模式図で
ある。
得るための乾燥塔と、該乾燥塔から得られた乾燥ガスに
含まれる硫酸飛沫を本発明の方法で除去するための装置
の一例を示す模式図である。
得るための乾燥塔と、該乾燥塔から得られた乾燥ガスに
含まれる硫酸飛沫を従来の方法で除去するための装置の
一例を示す模式図である。
滴 72 :硫酸 73 :硫酸 74 :硫酸 8 :配管 9 :フィルター 101:供給口 102:第二供給口 11 :ポンプ 12 :熱交換器
Claims (7)
- 【請求項1】硫酸飛沫を含む乾燥ガスを、硫酸と反応し
て硫酸塩を形成しうる基材と接触させて硫酸塩を形成さ
せ、形成された硫酸塩をフィルターで捕集することを特
徴とする前記乾燥ガスに含まれる硫酸飛沫の除去方法。 - 【請求項2】乾燥ガスが、水分を含むガスを濃硫酸と接
触させて得た乾燥ガスである請求項1に記載の除去方
法。 - 【請求項3】乾燥ガスを、硫酸飛沫除去フィルターを通
過させたのちに前記基材と接触させる請求項1に記載の
除去方法。 - 【請求項4】フィルターの孔径が0.2mm以下である
請求項1に記載の除去方法。 - 【請求項5】硫酸と反応して硫酸塩を形成しうる基材お
よびフィルターを備え、乾燥ガスが前記基材に接触した
のち前記フィルターを通過するように構成されているこ
とを特徴とする乾燥ガスに含まれる硫酸飛沫の除去装
置。 - 【請求項6】硫酸飛沫除去フィルターを備え、前記乾燥
ガスが硫酸ミスト除去フィルターを通過したのち前記基
材と接触するように構成されている請求項5に記載の除
去装置。 - 【請求項7】フィルターの孔径が0.2mm以下である
請求項5に記載の除去装置。
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JP2001379820A JP4055412B2 (ja) | 2001-12-13 | 2001-12-13 | 乾燥ガスに含まれる硫酸飛沫の除去方法 |
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WO2007066810A1 (ja) | 2005-12-08 | 2007-06-14 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 塩素の製造方法 |
WO2008029940A1 (fr) | 2006-09-06 | 2008-03-13 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Procédé de mise en fonctionnement |
WO2010067751A1 (ja) | 2008-12-09 | 2010-06-17 | 住友化学株式会社 | 塩素の製造方法 |
WO2010073888A1 (ja) | 2008-12-22 | 2010-07-01 | 住友化学株式会社 | 塩素の製造方法 |
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2001
- 2001-12-13 JP JP2001379820A patent/JP4055412B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US8168154B2 (en) | 2006-09-06 | 2012-05-01 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Start-up method for producing chlorine |
WO2010067751A1 (ja) | 2008-12-09 | 2010-06-17 | 住友化学株式会社 | 塩素の製造方法 |
WO2010073888A1 (ja) | 2008-12-22 | 2010-07-01 | 住友化学株式会社 | 塩素の製造方法 |
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