JP2003180870A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
ールを提供する。 【解決手段】 ゴム成分とポリオレフィン成分とナイロ
ン成分よりなる三元複合体含む高分子組成物よりなるゴ
ルフボール、特にコアと、該コアを被覆するカバーより
なるゴルフボールにおいて、前記コアに、ゴム成分とポ
リオレフィン成分とナイロン成分よりなる三元複合体含
む高分子組成物を用いており、前記高分子組成物は、ゴ
ム、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、アイオノマ
ー樹脂またはこれらの混合物である。
Description
のフィーリングに優れたゴルフボールに関する。
し、これにバラタカバーを被覆したゴルフボールは打球
感、コントロール性に優れていることから上級ゴルファ
ーおよびプロゴルファーに広く使用されていた。しかし
この種のゴルフボールの構造は製造工程が複雑であるこ
とや、耐久性及び耐擦過傷性に劣ることから、これらの
諸特性が総合的に優れた種々のゴルフボールの開発が進
められている。
法として、アクリル酸亜鉛やメタクリル酸亜鉛などの共
架橋剤の配合量を多くし、架橋密度を高くすることでエ
ネルギー吸収効果を高めることが試みられている。一方
打撃時のフィーリングを改善するために、コアの硬度分
布を表面から深さ方向に平坦にする方法も提案されてい
る。この方法では、中心から外側方向に硬くすることを
意味するが、硬さにバラツキが生じ、打撃時に柔かい部
分に応力集中を生じ、耐久性を低下させることになる。
諸特性を総合的に改善する為、種々の提案がなられてい
る。特開昭59−91973号公報には、耐久性および
打撃時の感触を改善するため、長さ0.1mm以上の炭
素繊維、炭化ケイ素繊維、またはボロン繊維などを少な
くとも5wt%含むゴムまたは樹脂よりなる直径36.
0〜38mmのソリッドコアを有するゴルフボールが提
案されている。
特性、スピン性能および耐カットを改善するため、トラ
ンスポリイソプレンを主成分とするカバー材に、アミド
基を有する微細繊維を配合したゴルフボール用カバー組
成物が提案されている。
ディンプル方式のゴルフボールの性能、すなわち飛距離
を最大限に引き出すカバー材料として、トランスポリイ
ソプレンを主成分とするカバー材100質量部に、トラ
ンスポリブタジエン5〜42質量部、アミド基を有する
微細繊維1〜15質量部および天然ゴム5〜30質量部
を配合したゴルフボール用カバー組成物が提案されてい
る。
は、ボールの飛距離を改善するために、トランス−1,
4−ポリイソプレンベースのカバー材中に無機単結晶繊
維を配合したカバー材を用いた糸巻きゴルフボールが提
案されている。
質を含有する固形ゴムセンターと軟質カバー材を用いる
ことにより、打球感を改善するとともにショートアイア
ンでのスピン量を増大させることが開示されている。こ
の技術では固形ゴムセンターの外側に耐油性ゴムや高い
硬度のアイオノマー樹脂を用いているため、反発性能お
よび打球感になお改善の余地がある。
塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを主材とし繊維状
ホウ酸アルミニウムウイスカーを配合し、反発性、耐久
性および耐カット性の改善を意図した技術が提案されて
いる。しかしかかる技術は、上記ウイスカーの配合によ
りカバー材の反発性能を低下することとなる。
ーの基材樹脂が、アイオノマー樹脂とエポキシ基を含有
するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体、またはエポキシ基を
含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体との2成分の加熱
混合物を主成分として構成され、カバーを構成する組成
物の曲げ剛性率が50〜300MPaで、かつショアD
硬度は40〜60であることを特徴とするゴルフボール
が提案されている。かかる技術は打球感、スピン性能、
飛行性能の改善を意図したものであるが耐カット性は改
善の余地がある。
久性を向上させるため、アイオノマー樹脂を主材とする
樹脂材料にホウ酸アルミニウムウイスカーを配合した樹
脂組成物よりなるゴルフボール用カバー組成物が提案さ
れている。
なフィーリングと耐久性さらに反発性を改善するため、
カバー材として、エチレン−不飽和カルボン酸系共重合
体に、表面にエポキシ基またはカルボキシル基または酸
無水物基を有するゴム状ポリマーのコア(a)とガラス
状ポリマーのシェル(b)からなるコアシェルポリマー
を配合した組成物が提案されている。
5(1997)には、プラスチック分野の用途として、
ゴム・ポリオレフィン・ナイロン三元グラフト共重合体
より調整されたミクロ分散系極細繊維強化複合体の開発
が報告されている。
能、耐カット性、耐久性及びフィーリングを総合的に改
善することはできない。
ッドゴルフボールの課題であった、耐久性と打撃時のフ
ィーリング性に優れたゴルフボールに関する。
リオレフィン成分とナイロン成分よりなる三元複合体含
む高分子組成物よりなるゴルフボールである。また本発
明はコアと、該コアを被覆するカバーよりなるゴルフボ
ールにおいて、前記コアに、ゴム成分とポリオレフィン
成分とナイロン成分よりなる三元複合体含む高分子組成
物を用いたことを特徴とするゴルフボールである。
可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂またはこれらの
混合物を含む。そして前記高分子組成物は高分子成分1
00質量部に対して前記三元複合体を1〜30質量部混
合したものが好ましい。更に本発明は、コアと、該コア
の外側に配置される中間層と、該中間層を被覆するカバ
ーよりなるゴルフボールにおいて、前記コアおよび/ま
たは中間層に、ゴム成分とポリオレフィン成分とナイロ
ン成分よりなる三元複合体含む高分子組成物を用いたこ
とを特徴とするゴルフボールである。
ィン成分とナイロン成分よりなる三元複合体含む高分子
組成物よりなるゴルフボールである。
る、三元複合物はゴム成分とポリオレフィン成分さらに
ナイロン成分の三成分から構成され、これらの三成分は
お互いに化学結合したもので、ゴムとポリオレフィンか
らなるマトリックス中に微細なナイロン繊維が均一に分
散した複合材料である。
ン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、NBRの水素添
加物(H−NBR)などで、ナイロンと混練、反応時、
および紡糸時の高温下においてゲル化が起こらないもの
に限定される。特に、エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム(EPDM)が好適である。
エチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンが使用
されるが、特にポリプロピレンが好ましい。
イロン66、ナイロン11、ナイロン12が使用され、
特にナイロン6が好ましい。そしてこれらの組み合わせ
成分比は、ゴルフボールカバー材の要求特性に応じて、
適宜調整し得る。この三元複合体は宇部興産(株)によ
って開発され、大和ポリマー株式会社の販売による商品
名がSHPとして知られており、組成比によって、以下
のグレードがある。 PA3060: EPDM/PP/ナイロン6=100/100/100 HA1060: NR/HDPE/ナイロン6=100/75/87 LA1060: NR/LDPE/ナイロン6=100/75/87 LA3080: EPDM/LDPE/ナイロン6=100/40/10
5 LA5060: H−NBR/LDPE/ナイロン6=100/100/
100 Z040NB: NBR/LDPE/ナイロン6=100/75/75 ここで、NRは天然ゴム、HDPEは高密度ポリエチレ
ン、LDPEは低密度ポリエチレン、NBRはアクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、H−NBRは水素添加NB
Rを意味する。そして組成比は質量部で示している。
維の平均径は通常、10μm以下、好ましくは、0.0
5〜1μmの範囲であり、三元複合体のマトリックスで
は、ポリオレフィン成分(例えばHDPE)が連続相を
形成している。
は、通常次の3工程で製造される。 (1) ゴム成分−ポリオレフィン成分の混練・反応工
程。
ナイロンの混練・反応工程。 (3) 紡糸工程 まず、ゴム、ポリオレフィン及び反応剤を密閉型混練機
に投入して、混練・反応物を得る。ここでポリオレフィ
ンが海、ゴムが島の海島構造を形成する。ついでこの混
練り・反応物とナイロンを反応剤とともに二軸押出機に
フィードし、ゴム−ポリオレフィン−ナイロンの三元グ
ラフト重合体、すなわち三元複合体を得る。グラフト率
の調整により、ナイロンは、例えば2〜3μmの粒子と
してゴム−ポリオレフィンマトリックスの中に均一に分
散する。
ズルから押し出し、ドラフトをかけつつ引き取る。この
紡糸工程により押し出し物ストランド中のナイロン粒子
が変形し繊維状に変換する。ナイロン繊維径はドラフト
比に依存するが、生産性を考慮して、通常0.2〜0.
3μmに制御される。これらの工程で、ポリオレフィン
相は海を形成しているため、粘着性は軽減されペレット
化が可能となる。
日本レオロジー学会誌、Vol.25(1997)27
5頁〜282頁の記載に基づき製造し、さらに組成物を
調整することができる。
では、三元複合体は、高分子成分100質量部に対し
て、1〜30質量部の範囲である。好ましくは、2〜2
5質量部、特に5〜20質量部である。この場合、三元
複合体に含まれるナイロン成分の含量が、高分子組成物
の補強効果に影響するが、三元複合体の配合量が1質量
部未満の場合、ナイロン短繊維による補強効果は少な
く、一方30質量部を超えると高分子組成物の硬度が高
くなり反撥弾性が低下する。
成物>本発明のゴルフボールのコアまたはワンピースボ
ールに前記三元複合体を配合する場合、高分子成分とし
て、通常ゴム成分を含むゴム組成物が用いられる。ここ
でゴム組成物はゴム成分の架橋物で構成される。そして
ゴム成分としては、シス−1,4−構造を有するブタジ
エンゴムを基材とするのが適している。ただし、上記ブ
タジエンゴムの他に天然ゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、
エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジ
エンゴム、アクリルニトリルゴムなどをゴム成分中、4
0質量部%以下でブレンドすることもできる。
ル酸、メタクリル酸などのα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸と金属酸化物とをゴム組成物の調製中に反応さ
せてα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩にし
たもの、あるいはアクリル酸亜鉛、メタアクリル酸亜鉛
などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩、
さらに多官能モノマー、N,N′−フェニルビスマレイ
ミド、イオウなどを架橋剤として用いられる。特にα,
β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩が好適に使用
される。
ン酸の金属塩を使用する場合、その配合量はゴム成分1
00質量部に対して10〜40質量部が好ましい。一方
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸と金属酸化物とを
ゴム組成物の調製中に反応させる場合、その配合量は
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を15〜30質量
部と、該α,β−エチレン性不飽和カルボン酸に対して
酸化亜鉛などの金属酸化物を15〜35質量%が好まし
い。
たとえば硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、酸化
亜鉛などの無機粉末の1種または2種以上を使用するこ
とができる。これらの充填剤の配合量はゴム成分100
質量部に対して5〜50質量部の範囲が好ましい。ま
た、作業性の改善や硬度調整などの目的で軟化剤や液状
ゴムなどを適宜配合してもよいし、また老化防止剤を適
宜配合してもよい。
ルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの有機
過酸化物が用いられる。これらの架橋開始剤の配合量は
ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部、特に
0.3〜3質量部が好ましい。
ルは単一層もしくは比重、硬度等の特性の異なった複合
の層で構成することもできる。この場合、コアの配合は
上記配合の記述に限定されるものではない。
成分として前述のジエン系ゴムが使用される。このジエ
ン系ゴムに、前記三元複合体(例えばSHP)を密閉型
混練り機に投入し混練りする。このとき混練り温度は三
元複合体のナイロンの融点よりも低い温度で行なう必要
がある。ナイロンの融点よりも高いと繊維が溶融し、繊
維による補強が失われる。しかし混練温度がポリオレフ
ィンの温度よりも低いと三元複合体はゴム中に分散せず
ペレットのまま残る。この混練り中にマトリックス側に
おいて、ポリオレフィンとゴムの相転移がおこり、ポリ
オレフィンはゴム中に微細に分散する。ついで、その他
の配合剤を加えて混合することで、コア組成物が得られ
る。上記三元複合体の混合と同時、またはその混合後に
上述の配合剤をロール、ニーダー、バンバリなどを用い
てミキシングし、金型を用いて加圧下で145℃〜20
0℃、好ましくは120℃〜175℃で10分〜40分
間加硫してコアを製造する。得られたコアはカバーとの
密着をよくするため、表面に接着剤を塗布したりあるい
は表面を粗面化することができる。
形は、大きい程打撃時のフィーリングはよくなり、圧縮
変形量が同じ場合、硬度分布差が大きい程フィーリング
は良くなる。すなわち、コアの表面硬度(Hs)はコア
中心硬度(Hc)よりも大きく、そのJIS−C硬度の
差が、5〜40、より好ましくは10〜35の範囲とす
ることで、一層フィーリングは改善される。なおJIS
−C硬度は、コアを二分割して、中心から10mmの位
置、15mmの位置、15mmの位置を測定し、コアの
切断面における硬度は、コア中心からコア表面方向に値
が大きくなっていくことが好ましい。
は、10kgから130kgに荷重を負荷した状態での
圧縮変形量は、好ましくは3.0mm〜5.0mm特に
3.2mm〜4.5mmの範囲である。3.0mm未満
の場合、打撃感が悪くなる傾向にあり、一方、5.0を
超えると反発性に不利となる。
36.8〜41.4mm、好ましくは37.8〜40.
8mmの範囲で設計される。36.8mm未満ではカバ
ー層が厚くなり反発性が低下し、一方41.4mmを越
えると、カバー層が薄くなり成形が困難となる。
れる高分子組成物は、前述のコアに用いたゴム組成物の
ほか、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、アイオノ
マー樹脂またはこれらの混合物で構成される。
熱可塑性樹脂、例えばポレエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂及びメタクリ
ル樹脂等が使用でき、更にポリアミド樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂が使用できる。
タン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性
エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー及び
オレフィン系熱可塑性エラストマーを含む。
レタン構造のハードセグメントとポリエステルまたはポ
リエーテルのソフトセグメントで構成される。商品名と
して日本ミラクトラン社のミラクトラン、大日本インキ
化学工業社のパンデックス、日本ポリウレタン工業社の
パラプレン、ダウケミカルジャパン社のペレセン、BA
SFジャパン社のエラストラン、協和発酵工業社のエス
テンおよびエスタロック、日本メグトロン社のアイアン
ラバー、大日精化工業社のレザミンP、三井日曹ウレタ
ン社のハイプレン、日清紡績社のモビロン、クラレ社の
クラミロンU、旭硝子社のユーファインおよびモルセ
ン、住友ベークライト社のスミフレックス、東洋紡績社
の東洋紡ウレタン、北辰化学社のイーグルラン、などが
ある。
リエステル構造のハードセグメントとポリエーテルまた
はポリエステルのソフトセグメントで構成される。具体
的商品名としては東レ・デュポン社のハイトレル(Hytr
el)、東洋紡績社のペルプレンP.S、大日本インキ化
学工業社のグリラックスE、日本ジーイープラスチック
ス社のレモド(Lomod)、三菱レイヨン社のダイヤアロ
イR、積水化学工業社のS−TPE、日本ゼオン社のZ
TPE、帝人社のヌーベラン、日本合成化学社のフレク
ソマー、日本ミラクトラン社のリベラン、三菱化学社の
プリマロイ、などがある。
アミドのハードセグメントとポリエーテルまたはポリエ
ステルのソフトセグメントより構成される。その商品名
は東レ社のペバックス(Pebax)、ダイセルヒュルズ社
のダイアミド・PAE、大日本インキ化学工業社のグリ
ラックスA、三菱エンジニアリングプラスチックス社の
ノバミッドPAE、宇部興産社のUBE・PAE、Em
sジャパン社のグロリンELX、グリラミドELY、積
水化学工業社のS−TPAEなどがある。
は、分子鎖中にオレフィン単位を含むもので、いわゆる
スチレン系熱可塑性エラストマーを含む概念であり、分
子内にソフトセグメントとハードセグメントを有するブ
ロック共重合体を含む。ソフトセグメントとして共役ジ
エン化合物から得られる、ブタジエンブロックあるいは
イソプレンブロック等の単位である。ここで共役ジエン
化合物としては、たとえばブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン等の中から1種または2種以上が選択でき、中
でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好
ましい。ハードセグメントを構成する成分としては、エ
チレン、プロピレン、スチレンおよびその誘導体、たと
えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブ
チルスチレン等の中から1種または2種以上が選択され
た化合物から得られるポリエチレンブロック、ポリプロ
ピレンブロックまたはスチレンブロック等である。
は、たとえばスチレン−イソプレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体(SIBS構造)、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体(SBS構造)、
そのブタジエンの二重結合部分を水素添加したスチレン
−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(S
EBS構造)、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SIS構造)、そのイソプレン二重結合部
分を水素添加したスチレン−エチレン−プロピレン−ス
チレンブロック共重合体(SEPS構造)、スチレン−
エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体
(SEEPS構造)およびそれらを変性したもの等が挙
げられる。
BS構造、SIS構造、SEPS構造、SEEPS構造
におけるスチレン(またはその誘導体)の含量は共重合
体中10〜50重量%、特に15〜45重量%の範囲が
好ましい。10重量%より少ない場合、カバーは軟らか
くなり耐カット性は低下する傾向にあり、一方50重量
%より多い場合は、打球感およびコントロール性が充分
維持できない。
造、SEBS構造、SIS構造、SEPS構造、SEE
PS構造の共重合体の一部にエポキシ基、水酸基、酸無
水物、カルボキシル基から選択される官能基で変性され
た変性体を使用できる。
エンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SBS構造)とは、両末端にポリス
チレンを持つブロック共重合体で、その中間層がエポキ
シ基を含有するポリブタジエンであり、そのポリブタジ
エン部分の二重結合の一部または全部に水素添加したも
のであってもよく、また、エポキシ基を含有するポリイ
ソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体(SIS構造)とは、両末端にポ
リスチレンを持つブロック共重合体で、その中間層がエ
ポキシ基を含有するポリイソプレンであり、そのポリイ
ソプレン部分の二重結合の一部または全部に水素添加し
たものであってもよい。
ストマーは、エポキシ基当量が200〜3000の範囲
のものが使用できる。かかるエポキシ化された熱可塑性
エラストマーをアイオノマー樹脂等と混合する際、アイ
オノマー樹脂の遊離のカルボキシル基と反応が生じ、カ
バー組成物の強度は高くなり、耐カット性が一層改善さ
れる。エポキシ等量が200未満の場合、上記耐カット
性の効果は少なく、一方、エポキシ基当量が3000よ
り多い場合は、エポキシ基とアイオノマー樹脂中の遊離
のカルボキシル基との反応量が多くなりすぎ、流動性が
悪くなって、ボールの成形が困難になるおそれがある。
水酸基、酸無水物およびカルボキシル基についても前記
ブロック共重合体の分子鎖の中間部分または末端に導入
される。
えばα−オレフィンと炭素数3〜8のα,β−不飽和カ
ルボン酸との共重合体であってそのカルボキシル基の少
なくとも一部を金属イオンで中和して得られる二元共重
合体がある。またα−オレフィンと炭素数3〜8のα,
β−不飽和カルボン酸と炭素数2〜22のα,β−不飽
和カルボン酸エステルとの三元共重合体で、そのカルボ
キシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和して得ら
れるものが挙げられる。
マー樹脂のベースポリマーがα−オレフィンと炭素数3
〜8のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の場
合、α−オレフィンが80〜90重量%で、α,β−不
飽和カルボン酸が10〜20重量%であることが好まし
い。ベースポリマーがα−オレフィンと炭素数3〜8の
α,β−不飽和カルボン酸と炭素数2〜22のα,β−
不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の場合、α
−オレフィンが70〜85重量%で、α,β−不飽和カ
ルボン酸が5〜30重量%、α,β−不飽和カルボン酸
エステルが25重量%以下であることが好ましい。また
これらのアイオノマー樹脂はメルトインデックス(M
I)が0.1〜20、特に0.5〜15であることが好
ましい。カルボン酸含量またはカルボン酸エステル含量
を上記範囲とすることにより反発性を高めることができ
る。
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどが
用いられ、特にエチレンが好ましい。炭素数3〜8の
α,β−不飽和カルボン酸としては、たとえばアクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸
などか用いられ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ま
しい。また、不飽和カルボン酸エステルとしては、アク
リル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのメ
チル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエス
テルなどが用いられ、特にアクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルが好ましい。
ボン酸との共重合体またはα−オレフィンとα,β−不
飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルと
の三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を
中和する金属イオンとしては、ナトリウムイオン、リチ
ウムイオン、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カリウ
ムイオンなどがある。
アクリル酸またはメタクリル酸との共重合体中のカルボ
キシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの
である場合は、そのメルトインデックスが3〜7で、曲
げ剛性率が200〜400MPaのいわゆる高剛性でか
つハイフロータイプのものであることが好ましい。
例示すると、三井デュポンケミカル(株)から市販され
ている二元共重合体のアイオノマー樹脂としてハイミラ
ン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハ
イミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Z
n)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7
318(Na)、ハイミランAM7315(Zn)、ハ
イミランAM7317(Zn)、ハイミランAM731
1(Mg)、ハイミランMK7320(K)があり、ま
た三元共重合体のアイオノマー樹脂として、ハイミラン
1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)、ハイ
ミランAM7316(Zn)などがある。
オノマー樹脂としては、サーリン8945(Na)、サ
ーリン8940(Na)、サーリン9910(Zn)、
サーリン9945(Zn)、サーリン7930(L
i)、サーリン7940(Li)、三元共重合体系アイ
オノマー樹脂として、サーリンAD8265(Na)、
サーリンAD8269(Na)などがある。
ー樹脂としては、アイオテック7010(Zn)、アイ
オテック8000(Na)などがある。なお、上記商品
名の後の括弧内に記載したNa、Zn、K、Li、Mg
などは、これらの中和金属イオン種を示している。ま
た、本発明において、カバーの組成物に用いられるアイ
オノマー樹脂は、上記例示のものを2種以上混合しても
よいし、上記例示の1価の金属イオンで中和したアイオ
ノマー樹脂と2価の金属イオンで中和したアイオノマー
樹脂を2種以上混合して用いてもよい。
間層の高分子成分は、二種類以上の熱可塑性樹脂または
熱可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂を混合して用
いることができ、その混合割合は中間層の要求特性に応
じて適宜調整し得る。
分子組成物は、ゴム成分のほか、例えば熱可塑性エラス
トマー、熱可塑性樹脂またはアイオノマー樹脂等が使用
されるが、これらの高分子材料と前記三元複合体(例え
ばSHP)を密閉型混練り機に投入し混練りする。前述
の如く、混練り温度は三元複合体のナイロンの融点より
も低い温度で行なう必要がある。ナイロンの融点よりも
高いと繊維が溶融し、繊維による補強が失われる。しか
し混練温度が三元複合体のポリオレフィンの温度よりも
低いと三元複合体はゴム中に分散せずペレットのまま残
る。この混練り中にマトリックス側において、ポリオレ
フィンとゴムの相転移がおこり、ポリオレフィンはゴム
中に微細に分散する。ついで、その他の配合剤を加えて
混合することで、中間層の高分子組成物が得られる。
ワンピースボールのほか、コアと該コアを被覆するカバ
ーより構成されるツーピースボール、あるいはコアとそ
の外側の中間層と、それを被覆するカバーのスリーピー
スボールとすることができる。ここでカバー材料とし
て、前述の熱可塑性樹脂、アイオノマー樹脂およびまた
は熱可塑性エラストマー、更にこれらの混合物を用いる
ことができる。好ましくは、アイオノマー樹脂、ポリウ
レタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系エラス
トマー、オレフィン系熱可塑性エラストマーが使用でき
る。更に、前記二種類以上の材料を混合して用いること
ができる。例えば、アイオノマー樹脂に熱可塑性エラス
トマを混合できる。例えば、熱可塑性エラストマーをア
イオノマ樹脂100質量部に対して、50質量部以下混
合することで、スピン性能及びフィーリング性を改善で
きる。
酸バリウム等の充填剤や二酸化チタン等の着色剤や、分
散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤ならびに蛍
光材料または蛍光増白剤等を、ゴルフボールカバーによ
る所望の特性が損なわれない範囲で配合してもよい。
をコアーに成形するには公知の方法を用いて行なうこと
ができる。例えば、コアとカバーよりなるツーピースボ
ールの場合、カバー組成物を予め半球殻状のハーフシェ
ルに形成し、それを2枚用いてコアを包み、130〜1
70℃で1〜5分間加圧成形する。または上記カバー組
成物を直接コア上に射出成形してコアを包み込む方法を
用いてもよい。カバーの厚さは0.3〜3.5mm、好
ましくは1.0〜2.5mmである。0.3mmより小
さいと繰返し打撃した場合にカバー割れが起こりやすく
なる欠点を有し、3.5mmより大きいと打球感が悪く
なる。さらに、カバー成形時、必要に応じてディンプル
を多数表面上に形成する。本発明のゴルフボールは美観
を高め、商品価値を上げるために、通常ペイント仕上
げ、マーキングスタンプ等を施して市場に投入される。
き芯、単一層、複数層のソリッドコアが使用され、糸巻
きボールあるいはソリッドボールのいずれにも採用し得
る。
もできるが複数層のカバーとして構成することもでき
る。そして本発明のゴルフボールは、通常ボール直径4
2.67〜43.00mmの範囲でボール重量45.0
0〜45.93gの範囲に設計される。
ら130kgに荷重を負荷した状態での圧縮変形量は、
2.0mm〜4.0mm、好ましくは2.5mm〜3.
5mの範囲である。2.0mm未満の場合、打撃感が悪
くなる傾向にあり、一方、4.0を超えると、打撃時の
感触が柔かくなり、さらに反発性が不利となる。
ゴム組成物、三元複合体(SHP)を混練し、金型内で
170℃で15分間(比較例3はさらに165℃で8
分)、加熱成形することにより直径38.5mmの球状
ソリッドコアを作製した。得られたソリッドコアの物性
を表1に示す。
る。 (注1) BR18 :JSR株式会社製のハイシスポ
リブタジエンゴム (注2) SHP(LA1060):大和ポリマー株式
会社の販売するゴム・ポリオレフィン・ナイロンの三元
複合体 (注3) BR10 :JSR株式会社製のハイシスポ
リブタジエンゴムオノマー樹脂 (2) カバー用組成物の調製 表2に示すカバー用組成物を二軸混練押出機によりミキ
シングし、二軸押し出し機でシリンダー温度180℃で
押し出した。なおカバー材料として、ハイミラン#16
05(三井ジュポンポリケミカル株式会社製アイオノマ
ー樹脂)を用いた。
て、ソリッドコアにカバーを被覆し、その後、表面にペ
イントを塗装して、直径42.7mm、重量45.4g
を有するゴルフボールを作製した。
同様にしてソリッドコアを製造した。この場合、ソリッ
ドコアの直径は37.1mmであった。次に表1に示す
ゴム組成物を用いて、150℃で25分、その後165
℃で8分加硫成形して、一対の肉厚が0.5mmの半殻
状の中間層を得た。この一対の半殻状の中間層を前記ソ
リッドコアに被覆して、直径38.1mmのコア/中間
層の構造体を得た。その後、実施例1と同様にして、カ
バーを被覆してゴルフボールを得た。
耐久性及び打撃時のフィーリング性を評価した。
ド、一番クラブ(W#1ドライバー)を取り付け、ヘッ
ドスピードを45m/secに設定して各ゴルフボール
を打撃し、衝突板に衝突させて評価する。評価はゴルフ
ボールが壊れるまでの打撃回数を測定し、比較例1を1
00として指数化した。指数の値が大きいほど、ゴルフ
ボールhは耐久性に優れている。
(W#1ドライバー)で実打撃を行ない、打撃時の衝撃
強さを、次の基準で評価し、最も多い評価をそのボール
の衝撃フィーリングとした。
ゴルフボールの評価結果を示す。
複合体を配合しないゴム組成物のコアを用いており、フ
ィーリングはかなり劣っている。
ムに三元複合体を配合したゴム組成物をコアに用いてお
り、一方実施例3はポリブタジエンゴムに三元複合体を
配合したゴム組成物を中間層に用いている。いずれのゴ
ルフボールも耐久性及びフィーリングがバランス良く改
善されている。
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
アおよび/または中間層、またはワンピースボールの組
成物として、高分子成分と三元複合体の混合物を用いた
ため、耐久性及びフィーリングを同時に改善することが
できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 ゴム成分とポリオレフィン成分とナイロ
ン成分よりなる三元複合体含む高分子組成物よりなるゴ
ルフボール。 - 【請求項2】 コアと、該コアを被覆するカバーよりな
るゴルフボールにおいて、前記コアに、ゴム成分とポリ
オレフィン成分とナイロン成分よりなる三元複合体含む
高分子組成物を用いたことを特徴とするゴルフボール。 - 【請求項3】 高分子組成物は、ゴム、熱可塑性樹脂、
熱可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂またはこれら
の混合物であることを特徴とする請求項1または請求項
2記載のゴルフボール。 - 【請求項4】 高分子組成物は高分子成分100質量部
に対して前記三元複合体を1〜30質量部混合したこと
を特徴とする請求項1または請求項2記載のゴルフボー
ル。 - 【請求項5】 コアと、該コアの外側に配置される中間
層と、該中間層を被覆するカバーよりなるゴルフボール
において、前記コアおよび/または中間層に、ゴム成分
とポリオレフィン成分とナイロン成分よりなる三元複合
体含む高分子組成物を用いたことを特徴とするゴルフボ
ール。
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