JP2003180208A - 魚釣用電動リール - Google Patents

魚釣用電動リール

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JP2003180208A
JP2003180208A JP2001388230A JP2001388230A JP2003180208A JP 2003180208 A JP2003180208 A JP 2003180208A JP 2001388230 A JP2001388230 A JP 2001388230A JP 2001388230 A JP2001388230 A JP 2001388230A JP 2003180208 A JP2003180208 A JP 2003180208A
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motor
reel
rotation
fishing
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Takashi Terauchi
孝 寺内
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Daiwa Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スプールを大型化することなく、スプール駆動
用モータをスプール内に水密状態で収納できる魚釣用電
動リールの提供を目的としている。 【解決手段】本発明の魚釣用電動リールでは、スプール
8に収容されるスプール駆動用モータ10の一方側に設
けられた出力駆動部とスプール8との間、および、スプ
ール駆動用モータ10の他方側に設けられ且つリール本
体4に取付け固定されるモータ支持部とスプール8との
間にそれぞれ、モータ10を収容するスプール8の収容
空間400を外部に対して水密に維持するシール材22
0,222,240,242,244が、スプール8お
よび前記出力駆動部の回転を許容するように介在されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、リール本体に回転
自在に支持されたスプールを巻き取り駆動するスプール
駆動用モータを備えた魚釣用電動リールに関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、魚釣用リールは、リール本体
と、釣糸が巻回されるスプールとを備えて成る。そし
て、リール本体の内部には、スプールに釣糸を巻き取る
巻取駆動機構、スプールに釣糸を平行に巻回するための
平行巻駆動機構、スプールに制動力を付与する制動機構
などが収容されている。 【0003】このような魚釣用リールは、他の技術分野
の製品と異なり、水(海水や淡水)や異物が付着し易い
過酷な環境下で使用されるため、実釣時にリール本体内
の駆動部に水や異物等が侵入しないようにしなければな
らない。とりわけ、電装部品が装備された電動リールに
あっては、防水の面での配慮が厳しく要求される。 【0004】そのため、スプールの糸巻き胴部内にスプ
ール駆動用モータを収納するスプールインタイプの電動
リールにおいては、スプール内に直接にモータを収納す
るのではなく、モータを筒状の収容体に収容し、この収
容体をモータとともにスプール内に収納するようにして
いる。例えば、実用新案登録第2530816号では、
モータをスプールの糸巻き胴部内に水密に収納するた
め、前記収容体をリール本体の側板と一体的に形成する
(リール本体の側板によって前記収容体を形成する)と
ともに、前記側板と反対側に位置する前記収容体の端部
から、収容体の径方向内側に向かう鍔状部を延設し、こ
の鍔状部にモータの一端を接触させてビスにより固定す
るようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実用新
案登録第2530816号に開示された構造にあって
は、モータのみならず、モータを収容するための収容体
をもスプール内に収納しなければならないため、モータ
の収容スペース以外に収容体の厚み分の空間をスプール
の糸巻き胴部内に確保しなければならない。しかも、収
容体とモータとの間および収容体とスプールの内壁との
間にもクリアランスを確保する必要がある。したがっ
て、スプールの糸巻き胴部の径方向の寸法が大きくなっ
てしまい、所望の糸巻量を確保できなくなったり、スプ
ール全体が大型化し、結果的に、リール全体が大型化し
てしまうといった問題が生じる。 【0006】本発明は前記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、スプールを大型化す
ることなく、スプール駆動用モータをスプール内に水密
状態で収納できる魚釣用電動リールを提供することにあ
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、リール本体に回転自在に支持されたスプ
ールと、前記スプールを回転駆動させるスプール駆動用
モータとを備え、前記スプール駆動用モータを前記スプ
ールに内蔵して成る魚釣用電動リールにおいて、前記ス
プールに収容される前記スプール駆動用モータの一方側
に設けられた出力駆動部と前記スプールとの間、およ
び、前記スプール駆動用モータの他方側に設けられ且つ
前記リール本体に取付け固定されるモータ支持部と前記
スプールとの間にはそれぞれ、前記モータを収容するス
プールの収容空間を外部に対して水密に維持するシール
材が、前記スプールおよび前記出力駆動部の回転を許容
するように介在されていることを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の一実施形態について説明する。図1および図2は本発
明の一実施形態を示している。図1に示すように、本実
施形態に係る魚釣用電動リール1は、左右両側に側板4
a,4a’が取り付けられたリール本体4を有してい
る。リール本体4には、図中向かって右側に、後述する
手動巻取り駆動部150を構成する手動ハンドルHが取
り付けられている。また、リール本体4の上側には操作
パネル93が設けられている。また、左側板4aと右側
板4a’との間には、釣糸が巻回されるスプール8が回
転自在に支持されている。 【0009】スプール8の内部には、スプール8を回転
駆動させるためのスプール駆動用モータ10が収容され
ている。このモータ10には、図示しないバッテリから
電力が供給されるようになっている。具体的には、モー
タ10の電気接点72に接続された電気ライン71がリ
ール本体4のコネクタ70に電気的に接続されており、
給電コード74を介してコネクタ70を図示しないバッ
テリに接続することにより、モータ10への給電が行な
われるようになっている。 【0010】スプール駆動用モータ10は、スプール8
と同軸に配置されている。スプール駆動用モータ10の
左駆動軸10aには、スプール駆動用モータ10の逆回
転を防止するための一方向クラッチ90が連結されてお
り、また、右駆動軸10bには減速機構(遊星歯車伝達
機構)40が連結されている。 【0011】一方向クラッチ90は、スプール駆動用モ
ータ10が右側板4a’側から見て時計回りに回転(正
転駆動)した時に、フリー回転状態(駆動軸10a,1
0bを自由に回転させる状態)となってスプール8の巻
き取り駆動を可能とし、手動ハンドルHで巻き取り操作
された時に、駆動軸10a,10bの回転が阻止されて
手動ハンドルHの動力がスプール8に伝達されるように
設定構成されている。なお、以下において、時計回り、
反時計回りとは、全て右側板4a’側から見たものとす
る。 【0012】スプール駆動用モータ10の右駆動軸10
bと右側板4a’との間には、手動巻取り駆動部150
の動力を減速機構40に伝達する回転駆動軸45が、ス
プール駆動用モータ10の左右駆動軸10a,10bと
同軸に設けられている。この回転駆動軸45は、軸受1
00,101によって回転可能に支持されている。な
お、軸受101は、後述するように、回転駆動軸45の
軸方向に移動できる。 【0013】減速機構40は、第1ないし第3の遊星ギ
ヤ機構40A,40B,40Cから成り、スプール駆動
用モータ10の正転駆動時に右駆動軸10bの回転運動
を第1の遊星ギヤ機構40Aで減速させた後、更に、第
2および第3の遊星ギヤ機構40B,40Cで減速させ
てスプール8に伝達するように構成されている。 【0014】具体的には、第1の遊星ギヤ機構40A
は、スプール駆動用モータ10の右駆動軸10bと一体
回転する第1の太陽歯車50と、この第1の太陽歯車5
0に噛合した複数の第1の遊星歯車51と、これら第1
の遊星歯車51が常時噛合するようにスプール8の端面
に刻設された内歯歯車52とを備えている。 【0015】また、第2の遊星ギヤ機構40Bは、スプ
ール駆動用モータ10の右駆動軸10bに回転可能に支
持された第2の太陽歯車55と、この第2の太陽歯車5
5に噛合した複数の第2の遊星歯車57とを備えてお
り、複数の第2の遊星歯車57は内歯歯車52に常時噛
合するようになっている。 【0016】更に、第3の遊星ギヤ機構40Cは、スプ
ール駆動用モータ10の右駆動軸10bに回転可能に支
持された第3の太陽歯車58と、この第3の太陽歯車5
8に噛合した複数の第3の遊星歯車59とを備えてお
り、複数の第3の遊星歯車59は内歯歯車52に常時噛
合するようになっている。 【0017】また、複数の第1の遊星歯車51はそれぞ
れ第1のキャリア60に支持されており、この第1のキ
ャリア60は第2の太陽歯車55と一体回転するよう連
結されている。また、複数の第2の遊星歯車57はそれ
ぞれ第2のキャリア61に支持されており、この第2の
キャリア61は第3の太陽歯車58と一体回転するよう
連結されている。更に、複数の第3の遊星歯車59はそ
れぞれ第3のキャリア62に支持されており、この第3
のキャリア(支持体)62は、係止ピン103を介して
回転駆動軸45に連結され、回転駆動軸45と一体で回
転するようになっている。 【0018】また、本実施形態の魚釣用リール1は、釣
糸の繰り出しで回転するスプール3に制動力を付与しな
がらスプール3の釣糸繰り出し方向への回転を許容する
制動作用を与えるとともに、この制動作用を利用してス
プール8をフリー回転状態と釣糸巻取り状態とに切換え
るクラッチ作用を与えるドラグ機構160を備えてい
る。 【0019】具体的には、ドラグ機構160は、回転駆
動軸45に回転可能に嵌合支持された収容体20と、こ
の収容体20と噛み合ってこれと一体回転する複数の第
1の制動板(ワッシャ)21A,21Bと、回転駆動軸
45に回り止め支持(嵌合)されて回転駆動軸45と一
体に回転する第2の制動板(ワッシャ)22と、リール
本体4の右側板4a’に対して前後方向(図面の表裏方
向)に回動可能に取り付けられたドラグ操作部材(ドラ
グ力調節部材)27と、ドラグ操作部材27の回転によ
って制動板21A,21B,22を押圧するように移動
される押圧機構と、制動板21A,21B,22の摩擦
面(制動面)間に介在して設けられたライニング材23
とを備えている。この場合、各制動板21A,21B,
22およびライニング材23は、一括して収容体20の
凹状の収容部内に収容されるとともに、回転駆動軸45
の軸方向に移動自在となっている。 【0020】また、前記押圧機構は、ドラグ操作部材2
7に回り止め嵌合された第1のカム部材29と、第1の
カム部材29と係合し且つドラグ操作部材27の回動操
作に伴う第1のカム部材29の回転によって回転駆動軸
45の軸方向に移動する第2のカム部材30と、第2の
カム部材30に保持され且つ第2のカム部材30ととも
に軸方向に移動する押圧部材31と、回転駆動軸45お
よび前記軸受101に回転可能に嵌合支持されて制動板
21Bを押圧する押圧体24と、押圧部材31と押圧体
24との間に介挿され且つ押圧部材31によって押圧移
動される板ばね25および軸受28とから成る。 【0021】この場合、第1および第2のカム部材2
9,30は、リール本体4の右側板4a’に固定された
支持部材32内に収容され、この支持部材32によって
軸方向に移動可能に支持されている。また、第2のカム
部材30は、支持部材32の内面に軸方向に沿って形成
された回り止め溝33と係合することにより、その回転
が規制されている。また、軸受28は、回転駆動軸45
の端部を回転可能に支持するとともに、回転駆動軸45
に対して軸方向に移動できる。また、板バネ25は、回
転駆動軸45の外周に嵌合され、回転駆動軸45の軸方
向に移動できる。 【0022】なお、押圧部材31と回転駆動軸45の端
部との間には、押圧部材31の軸方向の移動を許容する
所定の空間Sが形成されるようになっている。また、収
容体20と第2の制動板22との間および第2の制動板
22と軸受101(押圧体24)との間には、圧縮コイ
ルバネ26が介挿されている。これらの圧縮コイルバネ
26は、回転駆動軸45の外周に巻装されており、制動
板22と収容体20と軸受101(押圧体24)とを互
いに軸方向に離間させる方向(押圧力を解除する方向)
で付勢している。また、収容体20の収容部20aの一
端開口には、収容体20内を水密に維持するためのシー
ル部材80が設けられている。 【0023】また、リール本体4の右側板4a’には、
右側板4a’からのドラグ操作部材27の抜けを防止す
る抜け止めプレート34が、止め輪35を介して、右側
板4a’に対して螺着されている。また、押圧部材31
には微調整用ノブ36が係合しており、この微調整用ノ
ブ36を回転させることによって押圧部材31を軸方向
に移動できるようになっている。なお、微調整用ノブ3
6の軸方向への移動量は抜け止めプレート34によって
制限されている。 【0024】また、押圧体24の外周面には、係止ピン
37を介して、ピニオンギヤ38が嵌合されている。す
なわち、ピニオンギヤ38は、押圧体24と一体的に回
転できるようになっている。また、ピニオンギヤ38に
は、手動巻取り駆動部150のドライブギヤ66が噛合
している。 【0025】手動巻取り駆動部150は、ハンドルH
と、ハンドルHと一体で回転するハンドル軸65と、ハ
ンドル軸65に回り止め嵌合されたドライブギヤ66と
を備えて成る。 【0026】また、ハンドル軸65の基端部には、スプ
ール駆動用モータ10によってスプール8を釣糸巻取方
向に回転させた際に、これに連動してハンドル軸65が
回転しないように、逆転防止機構が設けられている。こ
の逆転防止機構は、外周面にラチェット爪67aが所定
ピッチで形成されたラチェットギヤ67と、ラチェット
爪67aに対して一定の付勢力で常時係合している図示
しないストッパとを備えており、ラチェットギヤ67
は、ハンドル軸65に回り止め嵌合されている。このよ
うな逆転防止機構によれば、スプール駆動用モータ10
によってスプール8を釣糸巻取方向に回転させた場合、
その回転方向では、ラチェット爪67aに前記ストッパ
が係止方向で噛み合うため、ラチェットギヤ67の回転
が阻止され、スプール駆動用モータ10の回転に連動し
てハンドル軸65が回転することが防止される。したが
って、スプール駆動用モータ10の動力は減速機構40
を介してスプール8のみに伝達される。これに対し、手
動ハンドルHの回転操作によってスプール8を釣糸巻取
方向に回転させた場合、その回転方向では、ラチェット
爪67aに係合する前記ストッパはラチェットギヤ67
の回転を許容するため、手動ハンドルHの回転操作に連
動してハンドル軸65を回転させることができる。 【0027】なお、スプール8の前方には、スプール8
の回転に連動して動作するレベルワインド機構95が設
けられている。このレベルワインド機構95は、外周面
にトラバース溝が形成され且つ端部にギア121が取り
付けられたウォームシャフトと、このウォームシャフト
を収容する筒体120と、前記トラバース溝と係合して
前記ウォームシャフトの回転により筒体120に沿って
左右に摺動する係合子128とを有しており、係合子1
28に形成された孔128aを介してスプール8に巻回
された釣糸を案内する。したがって、ハンドルHを回転
操作すれば、スプール8の回転および係合子128の左
右の摺動により、スプール8には釣糸が均等に巻回され
る。 【0028】このような構成の魚釣用電動リール1にお
いては、まず、ドラグ操作部材27を一方向に回転操作
すると、ドラグ操作部材27に回り止め嵌合する第1の
カム部材29が回転し、それに伴って、第2のカム部材
30が回転駆動軸45の軸方向に移動する。その結果、
軸受28、板ばね25、押圧体24が圧縮コイルバネ2
6の付勢力に抗して軸方向に移動され、押圧体24によ
って制動板21A,21B,22が押圧される。これに
より、制動板21A,21B,22が回転駆動軸45の
軸方向に沿ってスライドされ、制動板21A,21B,
22の摩擦面同士がライニング材23を介して圧接され
るとともに、制動板21Aが収容体20に所定の押圧力
で押さえ付けられる。そして、この時の押圧力が制動板
22を介して回転駆動軸45に作用することにより、押
圧体24を含む押圧機構の構成要素が回転駆動軸45に
対して摩擦結合され、スプール8に所定のドラグ力が発
生する。 【0029】このように所定のドラグ力が形成された状
態で、手動ハンドルHを時計回りに回転操作すると、ド
ライブギヤ66およびドライブギヤ66と噛み合うピニ
オンギヤ38が回転され、ピニオンギヤ38と一体の押
圧体24が回転する。そして、この押圧体24の回転力
は、押圧機構による前記摩擦結合力に応じて、回転駆動
軸45に伝達され、回転駆動軸45に連結された第3の
キャリア62を反時計回りに回転させる。この時、遊星
歯車59は、反時計回りに自転すると共に公転し、内歯
歯車52を反時計回りに増速した状態で回転駆動する。
これにより、スプール8は、釣糸巻取り方向に回転駆動
される。なお、内歯歯車52の反時計回りの回転駆動に
より、第1の太陽歯車50は時計回りに回転しようとす
るが、その回転駆動は、モータ10に対して反対側に位
置する一方向クラッチ90によって規制される。 【0030】また、手動ハンドルHによらず、スプール
駆動用モータ10を正転駆動(時計回り)させると、第
1の太陽歯車50は時計回りに回転駆動される。この回
転駆動により、遊星歯車51は、反時計回りに回転する
と共に時計回りに公転し、第3の太陽歯車58が時計回
りに回転する。この回転方向では、前述した逆転防止機
構によってハンドル軸65の回転が規制されているた
め、ハンドル軸65にドライブギヤ66を介して連結し
たピニオンギヤ38(押圧体24)の回転(時計回りの
回転)が規制される。その結果、ピニオンギヤ38と摩
擦結合した回転駆動軸45および第3のキャリア62
は、回転することなく一定位置に静止した状態に維持さ
れる。したがって、第3の太陽歯車58が時計回りに回
転した際、第3のキャリア62に回転可能に支持された
複数の遊星歯車59は、第3の太陽歯車58の回りを公
転することなく一定位置で反時計回りに自転する。 【0031】この状態において、複数の遊星歯車59の
反時計回りの回転運動は、スプール8の端面に刻設され
た内歯歯車52に減速されて伝達され、この内歯歯車5
2を反時計回りに回転させる。そして、これに伴ってス
プール8は、釣糸巻取方向(反時計回り)に回転する。
この結果、釣糸は、図示しない釣糸案内機構を介してス
プール8に均一に巻き取られる。なお、このような電動
巻取時には、前記逆転防止機構が機能しているため、手
動ハンドルHが連動して高速で回転することはない。 【0032】一方、ドラグ操作部材27を他方向に回転
操作していくと、圧縮コイルバネ26の付勢力によって
押圧体24が押し戻され、制動板21A,21B,22
同士が互いに離間する。したがって、押圧体24を含む
押圧機構の構成要素と回転駆動軸45との摩擦結合力す
なわちドラグ力が弱まる。そして、ドラグ操作部材27
を他方向に十分回転操作すると、最終的に、スプール8
はフリー回転可能状態に維持される。この状態では、釣
糸を仕掛けの自由落下によってスプール8から繰り出す
ことができる。 【0033】次に、スプール8内にスプール駆動用モー
タ10を収納支持するための構造について説明する。 【0034】スプール駆動用モータ10は、それ単独
(何らの部材を介することなく剥き出しの状態)でスプ
ール8内に収納されている。そして、図2に拡大して示
されるように、モータ10の右駆動軸10b側のボス部
10cは、これに装着された環状の調整体204を介し
て、 スプール8のモータ収容空間400と減速機構4
0の配設空間との間を仕切る環状の仕切板277の開口
277aに挿入されている。これにより、モータ10の
駆動軸10a,10bの軸心位置が規定され、減速機構
40および回転駆動軸45等に対する駆動軸10a,1
0bの同心度が正確に確保されるようになっている。な
お、仕切り板277は、スプール8の内面への内歯52
の形成を可能にするため、スプール8と別体で形成され
ている。 【0035】また、スプール8の右側壁には、ネジ部材
200を介して、蓋部材202が取り付けられている。
この蓋部材202は、減速機構40の遊星歯車51,5
7,59の脱落を防止するとともに、減速機構40とこ
れに連結された出力駆動部(回転駆動軸45(第3のキ
ャリア62)及びこれに関連付けられた手動巻取り機構
を含む)との間を仕切っており、スプール8および第3
のキャリア62と接合して減速機構40およびモータ収
容空間400を前記出力駆動部側に対して閉塞してい
る。 【0036】また、出力駆動部側から減速機構40側ひ
いてはモータ収容空間400側への水の浸入を防止する
ため、出力駆動部とスプール8との間、具体的には、蓋
部材202とスプール8との間および蓋部材202と第
3のキャリア62との間(蓋部材202とスプール8お
よび第3のキャリア62との接合部)にはそれぞれ、第
3のキャリア62およびスプール8の回転を許容するよ
うにOリング等のシール材220,222が介挿されて
いる。 【0037】また、モータ10の左駆動軸10a側の端
部は、結合ネジ252を介してセットプレート250に
結合されており、このセットプレート250はリール本
体4側に回り止め固定されている(すなわち、リール本
体4に回り止め固定されたセットプレート250によっ
て、モータ10の回転が防止されている)。この場合、
セットプレート250は、左側板4aに隣接するリール
本体4の側枠4bに回り止め固定されるとともに、一方
向クラッチ90を保持しており、仕切り板277と協働
してモータ10を支持するモータ支持部を構成してい
る。 【0038】また、セットプレート250と側枠4b
は、協働して、軸受230を支持しており、この軸受2
30にはスプール8が回転可能に支持されている。具体
的には、スプール8と一体で回転する略筒状の被支持体
232が軸受230に回転可能に支持されている。この
場合、被支持体232は、ネジ部材234を介して、ス
プール8の左側壁に取り付けられている。また、被支持
体232は、軸受230の抜けを防止するように、その
内面が軸受230およびセットプレート250に接合す
るとともに、その外面がスプール8に接合している。 【0039】また、モータ収容空間400内への水の浸
入を防止するため、モータ支持部であるセットプレート
250とスプール8との間、具体的には、セットプレー
ト250と被支持体232との間、被支持体232とス
プール8との間、軸受230とセットプレート250と
の間(被支持体232とスプール8およびセットプレー
ト250との接合部)にはそれぞれ、スプール8の回転
を許容するようにOリング等のシール材240,24
2,244が介挿されている。 【0040】なお、モータ10の電気接点72に接続さ
れた前述の電気ライン71は、セットプレート250を
貫通して延びており、この電気ライン71とセットプレ
ート250との間にも、弾性材料によって形成されたシ
ール材273が介挿されている。 【0041】以上説明したように、本実施形態の魚釣用
電動リール1においては、スプール8に収容されるモー
タ10の一方側に設けられた出力駆動部とスプール8と
の間、および、モータ10の他方側に設けられ且つリー
ル本体4に取付け固定されるモータ支持部とスプール8
との間にそれぞれ、モータ10を収容するスプール8の
収容空間400を外部に対して水密に維持するシール材
220,222,240,242,244が、スプール
8および前記出力駆動部の回転を許容するように介在さ
れている。すなわち、スプール8のモータ収容空間40
0は、シール材220,222,240,242,24
4によってその両側からシールされている。したがっ
て、モータ収容空間400内への水の浸入を確実に防止
することができる。特に、減速機構40にグリスを注入
すれば、シール材220,222とグリスとの相乗効果
によってシール性が更に向上する。 【0042】また、このように、モータ収容空間400
のシールをその両側で図ることができれば、モータ10
を収容するための防水用の収容体が不要となる。すなわ
ち、モータを筒状の収容体に収容してこの収容体をモー
タとともにスプール内に収納する従来の構造を採用する
必要がなく、モータ10をそれ単独でスプール8内に収
容することができる。したがって、前記従来の構造に比
べ、少なくとも前記収容体の厚み分だけスプール8のモ
ータ収容空間を小さくできる。その結果、スプール8の
糸巻き胴部の径方向の寸法を小さくして、究極的にリー
ルの大型化を抑制することができるとともに、糸巻量を
多く確保することもできる。また、収容体を必要としな
い分、製造コストの低減を図ることもできる。 【0043】図3は前述した実施形態の変形例を示して
いる。前述した実施形態では、スプール8の内面への内
歯52の形成を可能にするため、仕切り板277がスプ
ール8と別体で形成されていたが、本変形例では、仕切
り板277をスプール8と一体で形成し、その代わり、
内歯52をスプール8と別体で形成して後からスプール
8に印刷等によって付加するようにしている。また、モ
ータ10のボス部10cの調整体204と仕切り板27
7との間に、モータ収容空間400の水密を図るシール
部材290が介挿されている。なお、それ以外の構成は
前述した実施形態と同一であるため、同一符号を付して
その説明を省略する。 【0044】このような構成によれば、スプール8と仕
切り板277とを一体に形成でき、製造が容易になると
ともに、シール部材290によってモータ収容空間40
0のシール性を更に向上させることができる。 【0045】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の魚釣用電
動リールによれば、スプールを大型化することなく、ス
プール駆動用モータをスプール内に水密状態で収納でき
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リールの
断面図である。 【図2】図1の魚釣用電動リールの要部拡大断面図であ
る。 【図3】図1の変形例に係る魚釣用電動リールの要部拡
大断面図である。 【符号の説明】 1…魚釣用電動リール 4…リール本体 4a,4a’…側板 4b・・・側枠 8…スプール 10…スプール駆動用モータ 62…第3のキャリア(出力駆動部) 220,222,240,242,244,290・・・
シール材 250…セットプレート(モータ支持部) 400…モータ収容空間

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 リール本体に回転自在に支持されたスプ
    ールと、前記スプールを回転駆動させるスプール駆動用
    モータとを備え、前記スプール駆動用モータを前記スプ
    ールに内蔵して成る魚釣用電動リールにおいて、 前記スプールに収容される前記スプール駆動用モータの
    一方側に設けられた出力駆動部と前記スプールとの間、
    および、前記スプール駆動用モータの他方側に設けられ
    且つ前記リール本体に取付け固定されるモータ支持部と
    前記スプールとの間にはそれぞれ、前記モータを収容す
    るスプールの収容空間を外部に対して水密に維持するシ
    ール材が、前記スプールおよび前記出力駆動部の回転を
    許容するように介在されていることを特徴とする魚釣用
    電動リール。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015154761A (ja) * 2014-02-21 2015-08-27 株式会社ミヤマエ 魚釣用リール

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JP2015154761A (ja) * 2014-02-21 2015-08-27 株式会社ミヤマエ 魚釣用リール

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