JP2003179216A - Soiウエーハ - Google Patents
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Abstract
エーハを提供する。 【解決手段】 SOI層を形成するボンドウエーハと支
持基板となるベースウエーハのうち、少なくともボンド
ウエーハに酸化膜を形成し、該酸化膜を通して水素イオ
ンまたは希ガスイオンを注入し、ボンドウエーハ内部に
微小気泡層(封入層)を形成させた後、該イオン注入し
た方の面を前記ベースウエーハと密着させ、その後熱処
理を加えて微小気泡層を劈開面としてボンドウエーハを
薄膜状に分離するSOIウエーハの製造方法であって、
前記ボンドウエーハに形成する酸化膜の厚さのバラツキ
が、前記イオン注入による注入深さのバラツキよりも小
さくなるように、前記ボンドウエーハに形成する酸化膜
の厚さを設定するSOIウエーハの製造方法。及びその
方法で製造されたSOIウエーハ。
Description
エーハを結合及び分離してSOIウエーハを製造する方
法(スマートカット法とも呼ばれている)で得られたS
OI(Silicon OnInsulator)構造ウエーハに関し、活
性SOI層の膜厚均一性に優れたSOIウエーハの製造
方法及び活性SOI層の膜厚均一性に優れたSOIウエ
ーハに関する。
て、イオン注入したウエーハを結合及び分離してSOI
ウエーハを製造する方法(以後、イオン注入分離法と呼
ぶことがある)が新たに注目されている。この方法は、
例えば図3(a)〜(h)に示すように、SOI層を形
成するボンドウエーハ2と支持基板となるベースウエー
ハ1の二枚のシリコンウエーハのうち(図3(a))、
少なくとも一方に酸化膜を形成すると共に(図3
(b))、ボンドウエーハ2に水素イオンまたは希ガス
イオンを注入し、該ボンドウエーハ内部に微小気泡層
(封入層)4を形成させた後(図3(c))、該イオン
を注入した方の面を酸化膜を介してベースウエーハ1と
密着させ(図3(d))、その後熱処理を加えて微小気
泡層を劈開面(剥離面)としてボンドウエーハ2を薄膜
状に分離し(図3(e))、さらに熱処理を加えて強固
に結合して(図3(f))、鏡面研磨を施し(図3
(g))、SOIウエーハとする技術(特開平5−21
1128号参照)である(図3(h))。
としては、ボンドウエーハとベースウエーハのうちどち
らに酸化膜を形成するかによって、図3(A)に示すよ
うなべースウエーハ1に酸化膜を形成するA法と、図3
(B)に示すようなボンドウエーハ2に酸化膜を形成す
るB法とに大別されるが、予めボンドウエーハに酸化膜
を形成しておくB法が主流である。
ボンドウエーハに酸化膜が形成されていないと、チャネ
リング効果によりイオンの注入深さのバラツキが大きく
なり、その結果、SOI層の膜厚均一性が低下してしま
うからである。ここで、チャネリング効果とは、結晶性
の物質の結晶軸に平行にイオンを入射すると、結晶原子
の隙間を蛇行しながらイオンが通り抜けていく現象をい
い、非平行の入射に比べて、イオンの注入深さのバラツ
キが大きくなる。シリコンウエーハの場合は、その表面
は特定の方位(例えば〈100〉など)に加工されてい
るので、この現象が発生しやすく、酸化膜を形成するこ
とによりこのチャネリング効果を抑えることが好まし
い。
つの理由は、ボンドウエーハに酸化膜を予め形成してお
けば、その結合界面に取り込まれた不純物(雰囲気中の
ボロンやイオン注入による金属汚染物)が活性層(SO
I層)に拡散するのを抑制することができ、SOI層の
結晶性や電気特性の劣化を防止できるからである。
分離法を行う場合のイオン注入深さのバラツキ(標準偏
差)は、前述のチャネリング効果が発生しなければ、バ
ラツキσ=0.4nmを得ることができる。すなわち、
3σ=1.2nmであり、目標注入深さ±1.2nm以
内にほとんど全てのイオンが注入されることになるの
で、イオン注入分離法によればSOI層の目標膜厚±
1.5nm以下の優れた膜厚均一性を有する超薄膜SO
Iウエーハが得られるはずである。
るボンドウエーハに酸化膜を形成すると、形成される酸
化膜もその膜厚にバラツキを有しているため、この酸化
膜を通してシリコン中に注入されるイオンもその注入深
さに影響を受ける。
の厚さとして400nmが必要な場合、この酸化膜を通
常の量産レベルでの酸化条件を用いて形成すると、酸化
膜厚のバラツキ(標準偏差)は、σ=2.0nm程度し
か得られない。また、生産性を無視して酸化条件を厳密
にコントロールしてもσ=1.0nm前後が限界であ
る。したがって、従来は、ボンドウエーハに酸化膜を形
成して製造されたSOIウエーハのSOI層の膜厚均一
性としては、目標膜厚±3nm程度が限界であった。
たもので、SOIウエーハにおけるボンドウエーハの酸
化膜の膜厚のバラツキが、SOI層の膜厚均一性に与え
る影響を最小限に抑え、SOI層の膜厚均一性が著しく
改善されたSOIウエーハの製造方法及びSOIウエー
ハを提供することを目的とする。
の本発明は、SOI層を形成するボンドウエーハと支持
基板となるベースウエーハのうち、少なくともボンドウ
エーハに酸化膜を形成し、該酸化膜を通して水素イオン
または希ガスイオンを注入し、ボンドウエーハ内部に微
小気泡層(封入層)を形成させた後、該イオン注入した
方の面を前記ベースウエーハと密着させ、その後熱処理
を加えて微小気泡層を劈開面(剥離面)としてボンドウ
エーハを薄膜状に分離するSOIウエーハの製造方法で
あって、前記ボンドウエーハに形成する酸化膜の厚さの
バラツキが、前記イオン注入による注入深さのバラツキ
よりも小さくなるようにすることを特徴とするSOIウ
エーハの製造方法である。
を形成するSOIウエーハの製造方法において、ボンド
ウエーハに形成する酸化膜の厚さのバラツキが、イオン
注入深さのバラツキよりも小さくなるようにすれば、酸
化膜の厚さのバラツキがSOI層の膜厚均一性に与える
影響を最小限に抑えることができ、SOI層の膜厚均一
性が改善されたSOIウエーハを製造することができ
る。なお、ここでいうバラツキとは、標準偏差のことを
示す。
I層を形成するボンドウエーハと支持基板となるベース
ウエーハのうち、少なくともボンドウエーハに酸化膜を
形成し、該酸化膜を通して水素イオンまたは希ガスイオ
ンを注入し、ボンドウエーハ内部に微小気泡層(封入
層)を形成させた後、該イオン注入した方の面を前記ベ
ースウエーハと密着させ、その後熱処理を加えて微小気
泡層を劈開面(剥離面)としてボンドウエーハを薄膜状
に分離するSOIウエーハの製造方法であって、前記ボ
ンドウエーハに形成する酸化膜の厚さのバラツキが、前
記イオン注入による注入深さのバラツキよりも小さくな
るように、前記ボンドウエーハに形成する酸化膜の厚さ
を設定することを特徴とするSOIウエーハの製造方法
である。
を形成するSOIウエーハの製造方法において、ボンド
ウエーハに形成する酸化膜の厚さのバラツキが、イオン
注入深さのバラツキよりも小さくなるように、ボンドウ
エーハに形成する酸化膜の厚さを設定すれば、酸化膜の
厚さのバラツキが、イオン注入深さのバラツキに与える
影響を最小限に抑えることができ、SOI層の膜厚均一
性が改善されたSOIウエーハを製造することができ
る。
ースウエーハに予め酸化膜を形成し、該ベースウエーハ
に形成する酸化膜の厚さは、ボンドウエーハに形成させ
た酸化膜と合わせて、SOIウエーハの所望とされる厚
さの埋め込み酸化膜を形成するようにすることが好まし
い。
膜を形成しておき、ベースウエーハに形成した酸化膜の
厚さとボンドウエーハに形成した酸化膜の厚さとを合わ
せて、SOIウエーハの所望とされる厚さの埋め込み酸
化膜を形成するようにすれば、容易に所望とされる厚さ
の埋め込み酸化膜を得ることができ、酸化膜厚が不足す
るようなことがないし、ボンドウエーハの酸化膜厚のバ
ラツキがSOI層の膜厚均一性に与える影響を最小限に
抑えることができる。
酸化膜の厚さを10〜100nmとすることが好まし
い。
深さのバラツキは、使用する装置やイオンの注入条件、
酸化膜形成時の酸化条件により異なるものではあるが、
現在の量産レベルで用いられる装置では、酸化膜厚のバ
ラツキをイオン注入深さのバラツキより小さくするため
には、ボンドウエーハに形成する酸化膜厚を100nm
以下とすることが好ましいからである。また、酸化膜に
より、前述のチャネリング効果を防止するためには、少
なくとも10nmの膜厚が必要とされるので、酸化膜厚
は10nm以上であることが好ましい。
たSOIウエーハは、埋め込み酸化膜の厚さが厚いもの
であってもSOI層の膜厚均一性が高いSOIウエーハ
である。
膜とベースウエーハとから成る貼り合わせSOIウエー
ハであって、前記埋め込み酸化膜内または埋め込み酸化
膜とベースウエーハとの境界に貼り合わせ面を有し、前
記SOI層の膜厚均一性が±1.5nm以下であること
を特徴とする貼り合わせSOIウエーハは、イオン注入
分離法によって2枚のウエーハを貼り合わせて製造され
たSOIウエーハにおいて、SOI層の膜厚均一性が±
1.5nm以下という高い膜厚均一性を有するため、作
製されるデバイス特性を向上できるとともにデバイス設
計上の自由度も広がる。
本発明はこれらに限定されるものではない。SOIウエ
ーハを製造するにあたり、SOIウエーハに必要な厚さ
の埋め込み酸化膜を得ようとすると、通常の量産レベル
での酸化条件では、ウエーハに形成される酸化膜の厚さ
のバラツキは、イオン注入深さのバラツキに比べて極め
て大きなものとなり、SOI層の膜厚均一性に大きな影
響を与える。
きいほど大きくなる。そこで、本発明の発明者は、イオ
ン注入による注入深さのバラツキよりも、酸化膜厚のバ
ラツキが小さくなるように、ボンドウエーハに形成する
酸化膜の厚さを薄くすることにし、SOIウエーハに必
要な埋め込み酸化膜厚の残りはベースウエーハ側に形成
し、ボンドウエーハとベースウエーハの酸化膜を合わせ
て所望の厚さの埋め込み酸化膜を得ることを着想した。
るイオン注入装置の注入深さのバラツキが0.4nmで
あり、ボンドウエーハに形成する酸化膜の厚さのバラツ
キが0.4nm以下となる酸化膜厚の境界が100nm
の場合、ボンドウエーハに形成する酸化膜厚として10
0nm以下の酸化膜厚を選択すればよい。この場合、仮
にボンドウエーハ酸化膜厚を40nmとし、SOIウエ
ーハとして必要な埋め込み酸化膜の厚さが400nmで
あるとすると、40nmをボンドウエーハに形成した後
にイオンを注入し、残りの360nmをベースウエーハ
に形成した後、両ウエーハを結合すればよい。
注入深さのバラツキとの関係が重要となる。そこで、本
発明の発明者は、酸化膜厚のバラツキとイオン注入深さ
のバラツキについて調査を行った。
ベルの酸化条件により、実際にウエーハに数種類の膜厚
の酸化膜を形成し、それぞれ膜厚の面内分布から標準偏
差を求めた。その結果、図2のライン(a)に示すよう
な酸化膜厚と酸化膜厚のバラツキの関係を得ることがで
きた。
響を排除するために酸化膜のないウエーハに、通常用い
られる装置によりイオン注入を行い、チャネリング現象
を避けるために注入角を数度傾けてイオン注入をした
後、酸化膜を形成したウエーハと結合し、500℃程度
で剥離熱処理してSOIウエーハを製造し、そのSOI
層の膜厚の面内分布を測定することにより求めた。そし
て、異なる注入エネルギーでイオンを注入することによ
り複数のSOIウエーハを製造して同様の測定を行い、
図2のライン(b)に示すようなイオン注入深さとその
バラツキの関係を得ることができた。
深さのバラツキの変化の様子を図2において比較してみ
ると、黒丸のプロットで示した図2のライン(a)よ
り、酸化膜厚のバラツキは、ウエーハに形成される酸化
膜厚に比例して増大することが判る。一方、白丸のプロ
ットで示した図2のライン(b)より、イオン注入深さ
のバラツキは、イオン注入深さが深くなってもさほど変
化せず、0.4〜0.6nm程度の値であることが判
る。
すべき適切な酸化膜厚を決定することができる。すなわ
ち、図2の関係は、現在の量産レベルで用いられる装置
や条件での関係を示したものであるが、イオン注入深さ
のバラツキよりも酸化膜厚のバラツキを小さくするため
には、ボンドウエーハに形成する酸化膜の厚さは100
nm以下が適切であることが判る。
ばなるほど酸化膜厚のバラツキは小さなものとなり、酸
化膜厚のバラツキがイオン注入深さに与える影響は小さ
なものとなるが、ボンドウエーハに酸化膜を設ける理由
の一つであるチャネリング効果の発生防止のためには、
少なくとも10nmの酸化膜厚が必要となるため、実際
にSOIウエーハを製造する場合には、ボンドウエーハ
に形成する酸化膜厚は10〜100nmが好ましい。
形成条件その他の条件の違いにより酸化膜の厚さのバラ
ツキ、イオン注入深さのバラツキが変ったとしても、上
記と同様にして、両者のバラツキを求めて、酸化膜の厚
さのバラツキをイオン注入深さのバラツキより小さくす
るようにすればよい。
を参照しながら説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。ここで、図1は本発明のSOIウエー
ハを製造する方法によるSOIウエーハの製造工程の一
例を示すフロー図である。
工程(a)では、2枚の鏡面ウエーハを準備するもので
あり、デバイスの仕様に合った基台となるベースウエー
ハ1とSOI層8となるボンドウエーハ2を準備する。
エーハ2を熱酸化し、その表面に10〜100nmの厚
さの酸化膜3を形成する。前述のように、この酸化膜厚
がこの範囲の値であれば、イオン注入深さのバラツキよ
りも小さくすることができ、後にSOI層8の厚さを均
一化することが可能となる。
を熱酸化し、その表面に酸化膜5を形成し、このベース
ウエーハに形成する酸化膜5の厚さは、ボンドウエーハ
に形成させた酸化膜3と合わせて、SOIウエーハの所
望とされる厚さの埋め込み酸化膜9を形成するようにす
る。この場合、もしボンドウエーハに形成した酸化膜3
の厚さのみで、SOIウエーハの埋め込み酸化膜の所望
とされる厚さが得られるのであれば、ベースウエーハに
酸化膜を形成する必要はなく、この工程(c)は省略さ
れる。
ボンドウエーハ2の片面に対して水素イオンまたは希ガ
スイオンを注入し、イオンの平均進入深さにおいて表面
に平行な微小気泡層(封入層)4を形成させるもので、
この進入温度は25〜450℃が好ましい。
オンを注入したボンドウエーハ2のイオン注入面に、ベ
ースウエーハ1を酸化膜3あるいは酸化膜3及び酸化膜
5を介して重ね合せて密着させる工程であり、常温の清
浄な雰囲気下で2枚のウエーハの表面同士を接触させる
ことにより、接着剤等を用いることなくウエーハ同士が
接着する。
て剥離することによって、剥離ウエーハ6とSOIウエ
ーハ7(SOI層8+埋め込み酸化膜9+ベースウエー
ハ1)に分離する剥離熱処理工程で、例えば不活性ガス
雰囲気下約500℃以上の温度で熱処理を加えれば、結
晶の再配列と気泡の凝集とによって剥離ウエーハ6とS
OIウエーハ7とに分離される。
(f)の密着工程および剥離熱処理工程で密着させたウ
エーハ同士の結合力では、そのままデバイス工程で使用
するには弱いので、結合熱処理としてSOIウエーハ7
に高温の熱処理を施し結合強度を十分なものとする。こ
の熱処理は例えば不活性ガス雰囲気下、1050℃〜1
200℃で30分から2時間の範囲で行うことが好まし
い。なお、工程(f)の剥離熱処理と工程(g)の結合
熱処理を連続的に行ったり、また、工程(f)の剥離熱
処理と工程(g)の結合熱処理を同時に兼ねるものとし
て行ってもよい。
呼ばれる研磨代の極めて少ない鏡面研磨の工程であり、
SOI層8の表面である劈開面(剥離面)に存在する結
晶欠陥層の除去と表面粗さを除去する工程である。
酸化膜9を有し、膜厚均一性の高いSOI層8を有する
高品質のSOIウエーハ7を製造することができる(工
程(i))。
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 (実施例1)導電型がp型で抵抗率が20Ω・cm、直
径が150mmのシリコン鏡面ウエーハを2枚準備し
た。図1(a)〜(f)にしたがい、ボンドウエーハを
剥離して、SOIウエーハを得た。主な条件は以下の通
りである。 1)ベースウエーハの酸化膜厚:350nm 2)ボンドウエーハの酸化膜厚:50nm 3)ボンドウエーハの酸化膜厚のバラツキ:σ=0.2
5nm 4)イオン注入条件:H+ イオン、注入エネルギー 8
0keV 注入線量 8×1016/cm2 5)イオン注入深さ:700nm(SOI層膜厚+ボン
ドウエーハ酸化膜厚) 6)イオン注入深さのバラツキ:σ=0.4nm
キσ=0.4nmに比べて、ボンドウエーハの酸化膜厚
のバラツキはσ=0.25nmと小さいものとなってい
る。尚、ボンドウエーハの酸化膜厚は、反射分光法によ
り面内を2mmピッチで数千点測定した。そして、埋め
込み酸化膜厚は400nmとなるように条件を設定し
た。上記の条件により2枚のウエーハを合わせた後(図
1(e))、N2 ガス雰囲気下、500℃×30分の剥
離熱処理(図1(f))を行った。
層の膜厚のバラツキを測定し、膜厚均一性を求めた。膜
厚測定は、反射分光法で行い、SOIウエーハの面内を
2mmピッチで数千点測定した。
0.47nmであり、3σ=1.41nmより、SOI
層膜厚はおよそ650nm±1.41nmであり、従来
のSOIウエーハの目標膜厚±3nmに比べて、SOI
層の膜厚均一性は格段に向上したものとなった。
Ω・cm、直径が150mmのシリコン鏡面ウエーハを
2枚準備した。図1(a)〜(f)にしたがい、ボンド
ウエーハを剥離して、SOIウエーハを得た。主な条件
は以下の通りである。 1)ベースウエーハの酸化膜厚:360nm 2)ボンドウエーハの酸化膜厚:40nm 3)ボンドウエーハの酸化膜厚のバラツキ:σ=0.2
0nm 4)イオン注入条件:H+ イオン、注入エネルギー 3
9keV 注入線量 8×1016/cm2 5)イオン注入深さ:340nm(SOI層膜厚+ボン
ドウエーハ酸化膜厚) 6)イオン注入深さのバラツキ:σ=0.4nm
キσ=0.4nmに比べて、ボンドウエーハの酸化膜厚
のバラツキはσ=0.20nmと小さいものとなってい
る。ボンドウエーハの酸化膜厚測定は実施例1と同様に
行った。そして、埋め込み酸化膜厚は400nmとなる
ように条件を設定した。上記の条件により2枚のウエー
ハを合わせた後(図1(e))、N2 ガス雰囲気下、5
00℃×30分の剥離熱処理(図1(f))を行った。
層膜厚のバラツキを実施例1と同様に測定した。測定の
結果、バラツキσの測定値は、σ=0.45nmであ
り、3σ=1.35nmより、SOI層膜厚はおよそ3
00nm±1.35nmであり、従来のSOIウエーハ
の目標膜厚±3nmに比べて、SOI層の膜厚均一性は
格段に向上したものとなった。
Ω・cm、直径が150mmのシリコン鏡面ウエーハを
2枚準備した。図1(a)〜(f)にしたがい(ただ
し、(c)を除く)、ボンドウエーハを剥離して、SO
Iウエーハを得た。主な条件は以下の通りである。 1)ベースウエーハの酸化膜厚:酸化膜なし 2)ボンドウエーハの酸化膜厚:50nm 3)ボンドウエーハの酸化膜厚のバラツキ:σ=0.2
5nm 4)イオン注入条件:H+ イオン、注入エネルギー 2
0keV 注入線量 8×1016/cm2 5)イオン注入深さ:180nm(SOI層膜厚+ボン
ドウエーハ酸化膜厚) 6)イオン注入深さのバラツキ:σ=0.4nm
キσ=0.4nmに比べて、ボンドウエーハの酸化膜厚
のバラツキはσ=0.25nmと小さいものとなってい
る。そして、埋め込み酸化膜厚は50nmとなるように
条件を設定したため、ベースウエーハには酸化膜を形成
しなかった。酸化膜厚測定は実施例1と同様に行った。
上記の条件により2枚のウエーハを合わせた後(図1
(e))、N2 ガス雰囲気下、500℃×30分の剥離
熱処理(図1(f))を行った。
層膜厚のバラツキを実施例1と同様に測定した。測定の
結果、バラツキσの測定値は、σ=0.47nmであ
り、3σ=1.41nmより、SOI層膜厚はおよそ1
30nm±1.41nmであり、従来のSOIウエーハ
の目標膜厚±3nmに比べて、SOI層の膜厚均一性は
格段に向上したものとなった。
・cm、直径が150mmのシリコン鏡面ウエーハを2
枚準備した。従来の製造方法である図3(B)にしたが
い、ボンドウエーハを剥離して、SOIウエーハを得
た。主な条件は以下の通りである。 1)ベースウエーハの酸化膜厚:酸化膜なし 2)ボンドウエーハの酸化膜厚:400nm 3)ボンドウエーハの酸化膜厚のバラツキ:σ=2.0
nm 4)イオン注入条件:H+ イオン、注入エネルギー 8
0keV 注入線量 8×1016/cm2 5)イオン注入深さ:700nm(SOI層膜厚+ボン
ドウエーハ酸化膜厚) 6)イオン注入深さのバラツキ:σ=0.4nm
σ=0.4nmに比べて、ボンドウエーハの酸化膜厚の
バラツキはσ=2.0nmと大きなものとなっている。
そして、埋め込み酸化膜厚は400nmとなるように
し、すべての酸化膜をボンドウエーハに形成し、ベース
ウエーハには酸化膜を形成しなかった。酸化膜厚は実施
例1と同様に測定した。上記の条件により2枚のウエー
ハを合わせた後(図3(d))、N2 ガス雰囲気下、5
00℃×30分の剥離熱処理(図3(e))を行った。
層膜厚のバラツキを実施例1と同様に測定した。測定の
結果、バラツキσの測定値は、σ=2.04nmであ
り、3σ=6.12nmより、SOI層膜厚はおよそ3
00nm±6.12nmであり、イオン注入深さのバラ
ツキσ=0.4nmから期待されるSOIウエーハの目
標膜厚±1.5nmに比べて、SOI層の膜厚均一性は
劣悪なものとなった。
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
程は、図1に示したものに限定されるものではなく、こ
の工程には、洗浄、熱処理等の他の工程が付加されるこ
ともあるし、あるいは一部工程順の入れ替え、省略等が
目的に応じて適宜行うことができるものである。
成する酸化膜の厚さのバラツキをイオン注入深さのバラ
ツキより小さくする方法として、ボンドウエーハに形成
する酸化膜の厚さを薄くする場合を中心に説明したが、
本発明はこれに限定されず、ボンドウエーハに形成する
酸化膜の厚さのバラツキをイオン注入深さのバラツキよ
り小さくするようにすれば、酸化膜の厚さ以外の他の条
件を変更することにより行ってもよい。例えば、酸化膜
の厚さ以外の酸化膜形成条件を変更することにより、ボ
ンドウエーハに形成する酸化膜の厚さのバラツキをイオ
ン注入深さのバラツキより小さくすることができるので
あれば、その方法で行ってもよい。
埋め込み酸化膜が必要なSOIウエーハであっても、ボ
ンドウエーハの酸化膜厚のバラツキが、活性SOI層の
バラツキに与える影響が少なくなるため、SOI層の膜
厚均一性が極めて良好なSOIウエーハを製造すること
ができる。そして、SOI層の膜厚のバラツキの低減に
よりデバイス特性が向上するとともにデバイス設計上の
自由度が広がる。
製造方法によるSOIウエーハの製造工程の一例を示す
フロー図である。
キの変化の様子を重ねて示した図であり、ライン(a)
は酸化膜厚とそのバラツキの関係を示したものであり、
ライン(b)はイオン注入深さとそのバラツキの関係を
示したものである。
OIウエーハの製造工程の例を示すフロー図であり、
(A)はベースウエーハに酸化膜が形成される場合であ
り、(B)はボンドウエーハに酸化膜が形成される場合
を示している。
化膜、4…微小気泡層(封入層)、 5…酸化膜、 6
…剥離ウエーハ、7…SOIウエーハ、 8…SOI
層、 9…埋め込み酸化膜。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくともSOI層と埋め込み酸化膜と
ベースウエーハとから成る貼り合わせSOIウエーハで
あって、前記埋め込み酸化膜内または埋め込み酸化膜と
ベースウエーハとの境界に貼り合わせ面を有し、前記S
OI層の膜厚均一性が±1.5nm以下であることを特
徴とする貼り合わせSOIウエーハ。 - 【請求項2】 前記貼り合わせ面とSOI層との間の埋
め込み酸化膜の膜厚が100nm以下であることを特徴
とする請求項1に記載の貼り合わせSOIウエーハ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002304946A JP3864886B2 (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | Soiウエーハ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002304946A JP3864886B2 (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | Soiウエーハ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20871198A Division JP3395661B2 (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | Soiウエーハの製造方法 |
Publications (2)
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