JP2003178816A - 空気二次電池 - Google Patents

空気二次電池

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JP2003178816A
JP2003178816A JP2001376763A JP2001376763A JP2003178816A JP 2003178816 A JP2003178816 A JP 2003178816A JP 2001376763 A JP2001376763 A JP 2001376763A JP 2001376763 A JP2001376763 A JP 2001376763A JP 2003178816 A JP2003178816 A JP 2003178816A
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air
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electrode
air secondary
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JP2001376763A
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Susumu Ishi
軍 石
Tatsu Nagai
龍 長井
Shinsuke Shibata
進介 柴田
Hiroshi Kayano
博志 柏野
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Hitachi Maxell Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気的な充放電が可能で、充放電電流密度が
大きく、かつサイクル寿命が長い空気二次電池を提供す
る。 【解決手段】 少なくともカーボンナノチューブを含む
炭素材料を触媒または担体として用いて電気的な充放電
が可能な空気極を構成し、その空気極を正極として用
い、その正極と、負極と、電解質とを用いて空気二次電
池を構成する。また、少なくともフラーレンを含む炭素
材料を触媒として用いて電気的な充放電が可能な空気極
を構成し、その空気極を正極として用い、その正極と、
負極と、電解質とを用いて空気二次電池を構成する。上
記カーボンナノチューブを含む炭素材料としてはカーボ
ンナノチューブを30体積%以上含むものが好ましく、
電解質としてはアルカリ水溶液やアニオン交換体が好ま
しく、負極の作用物質としては水素吸蔵合金や亜鉛が好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気二次電池に関
し、さらに詳しくは、少なくともカーボンナノチューブ
またはフラーレンを含む炭素材料を用いた電気的な充放
電が可能な空気極からなる正極を有する空気二次電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在商品化されているニッケル−金属水
素化物電池は、正極活物質である水酸化ニッケルの充填
に負極と同等の体積を要し、エネルギー密度を高くする
という点では限界があった。そこで、エネルギー密度を
さらに高くするために、各種の燃料電池や、水素吸蔵合
金/空気二次電池、金属/空気二次電池などの空気二次
電池は好適な選択肢と考えられ、検討がなされている。
【0003】しかしながら、燃料電池については、用い
る燃料に関して種々の問題点から最終的な決定がいまだ
なされていない。例えば、純水素の場合、インフラの解
決には時間と膨大な資金が要る。また、一般的には、水
素は取り扱いが非常に危険であると考えられる。ガソリ
ンの場合、ガソリンの改質という難題がある。メタノー
ルの場合には、改質メタノールを使用する時は、ガソリ
ンと同じような問題が生じ、ダイレクトメタノール型燃
料電池では、出力や効率が低く、燃料の電解質膜透過も
大きいという問題がある。
【0004】これに対して、水素吸蔵合金/空気二次電
池や金属/空気二次電池などは、上記のような燃料の取
り扱い上の問題がなく、電気的に簡単に充電できるの
で、電源として使いやすさを有している。これらの水素
吸蔵合金/空気二次電池や金属/空気二次電池の正極を
構成する空気極の触媒については、希土類酸化物系とニ
ッケル担体系が比較的優れている。しかしながら、希土
類酸化物系の場合、充放電電流密度は大きいものの、充
放電サイクルにより担体である炭素が酸化されるため、
サイクル寿命が短いという問題がある。これに対して、
ニッケル担体系の場合、サイクル寿命は長いものの、充
放電電流密度が小さいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決し、電気的な充放電が可能
で、充放電電流密度が大きく、かつサイクル寿命が長い
空気二次電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともカ
ーボンナノチューブを含む炭素材料を正極の触媒または
担体として用いて空気極を構成し、その空気極を正極と
して空気二次電池を構成することによって、上記課題を
解決したものである。
【0007】すなわち、カーボンナノチューブは、空気
二次電池の正極を構成する空気極の触媒、担体のいずれ
にも使用でき、このカーボンナノチューブを正極の触媒
として用いた場合には、長時間の使用においても何ら変
化を起こすことなく、従来の触媒材料、例えば、炭素材
料、銀、希土類酸化物、白金族金属、それらの合金・化
合物などを用いた空気二次電池が充放電サイクルの持続
性に欠ける原因となる触媒の酸化劣化などによる触媒能
の低下を引き起こすことなく、電池の充放電特性の安定
性を長時間持続させてサイクル寿命を長くさせることが
でき、かつ、充放電電流密度を大きくすることができ、
しかも、従来使用の炭素材料とは異なり、耐酸化性が優
れていて、電気的な充電による酸化劣化がないので、電
気的な充電が可能であり、もとより放電も可能である。
【0008】また、カーボンナノチューブを含む炭素材
料を空気二次電池の正極を構成する空気極の担体として
用いた場合には、長時間の使用においても何ら変化を起
こすことなく、従来の担体材料、例えば、黒鉛、カーボ
ンブラック、木炭、活性炭などの炭素材料を担体として
用いた空気二次電池が充放電サイクルの持続性に欠ける
原因となる担体の酸化劣化などによる導電性の低下を引
き起こすことなく、電池の充放電特性の安定性を長時間
持続させてサイクル寿命を長くさせることができ、か
つ、充放電電流密度を大きくすることができ、しかも、
従来使用の炭素材料とは異なり、耐酸化性が優れてい
て、電気的な充電による酸化劣化がないので、電気的な
充電が可能であり、もとより放電も可能である。
【0009】また、本発明は、少なくともフラーレンを
含む炭素材料を正極の触媒として用いて空気二次電池を
構成することによって、上記課題を解決したものであ
る。
【0010】すなわち、フラーレンは、空気二次電池の
正極を構成する空気極の触媒として使用でき、このフラ
ーレンを正極の触媒として用いた場合には、長時間の使
用においても何ら変化を起こすことなく、従来の触媒材
料、例えば、炭素材料、銀、希土類酸化物、白金族金
属、それらの合金・化合物などを用いた空気二次電池が
充放電サイクルの持続性に欠ける原因となる触媒の酸化
劣化、比表面積の変化、酸化物の被覆などによる触媒能
の低下を引き起こすことなく、電池の充放電特性の安定
性を長時間持続させてサイクル寿命を長くさせることが
でき、かつ、充放電電流密度を大きくすることができ、
しかも、従来使用の炭素材料とは異なり、耐酸化性が優
れていて、電気的な充電による酸化劣化がないので、電
気的な充電が可能であり、もとより放電も可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において用いるカーボンナ
ノチューブは、例えば、13〜65kPaの圧力のヘリ
ウム雰囲気中に設置した二本のグラファイト棒間に直流
電流を発生させることによって得られる直径5〜10n
mのチューブ状組織を持つ炭素物質である。上記の方法
で得られるカーボンナノチューブは一般にグラファイト
との混合物であり、そのカーボンナノチューブとグラフ
ァイトの存在比率は電子顕微鏡による評価で判定でき
る。本発明者らはカーボンナノチューブの量として電子
顕微鏡の面積から求めた体積(Vn)とグラファイトの
体積(Vg)との総和の比、すなわちVn/(Vn+V
g)で表したとき、体積比率で30%以上のカーボンナ
ノチューブを含むものが特に有効であることを見出し
た。そして、このカーボンナノチューブとしては、チュ
ーブが単層構造のもの、多層構造のものの両方がある
が、本発明においては、そのいずれも用いることができ
る。
【0012】また、本発明において用いるフラーレン
は、例えば、ヘリウム中で炭素棒を放電蒸着させること
によって得られ、主として60個のSP2 炭素が20個
の六員環と12個の五員環の各頂点に配置した球状構造
をもつC60であり、それ以外にも、C70、C76、C82
84、C90、C96などを含んでいる場合がある。
【0013】本発明において、負極の作用物質として
は、例えば、水素吸蔵合金に代表される水素吸蔵材料、
亜鉛、鉄、アルミニウム、カドミウム、それらの合金な
どが用いられる。上記水素吸蔵材料としては、例えば、
LaNi5 もしくはその置換体で代表されるAB5 型水
素吸蔵合金、ZnMn2 もしくはその置換体で代表され
るAB2 型水素吸蔵合金、Mg2 Niもしくはその置換
体で代表されるマグネシウム系のA2 B型水素吸蔵合
金、固溶体型V基水素吸蔵合金などのいずれも用いるこ
とができる。
【0014】本発明において、電解質としては、例え
ば、アルカリ水溶液、アニオン交換体、カチオン交換
体、両性イオン交換体、水素選択透過膜などのいずれも
用いることができ、特にアルカリ水溶液が好適に用いら
れる。このアルカリ水溶液について詳しく説明すると、
電解質としてのアルカリ水溶液としては、例えば、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの
アルカリ金属の水酸化物を濃度20〜40質量%程度に
溶解したアルカリ水溶液が好ましく、それらの混合液も
用いることができる。
【0015】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。なお、以下の実施例などにおい
て、溶液や分散液などの濃度を示す%や水素吸蔵合金の
組成を表す際の%は、特にその基準を付記しないかぎり
質量%である。
【0016】実施例1 正極となる空気極を次に示すような工程を経て作製し
た。まず、カーボンナノチューブ(単層カーボンナノチ
ューブ)を30体積%含む炭素材料1gを120mlの
純水に加えて10分間攪拌した後、濃度60%のポリテ
トラフルオロエチレン分散液0.84gを添加して20
分間攪拌した。続いて32mlのn−ブタノールを入れ
て20分間攪拌し、その後、加熱しながらさらに20分
間攪拌した。このようにして得られたぺーストをニッケ
ル網に塗布した後、8.8MPaの圧力で30秒間プレ
スした。得られた電極体を230℃で30分間乾燥し、
常温に戻した後、ポリテトラフルオロエチレンシート上
に配置し、8.8MPaの圧力で40秒間プレスして圧
着することにより正極を構成する空気極をポリテトラフ
ルオロエチレンシートに圧着した状態で作製した。な
お、この実施例1の正極においては、カーボンナノチュ
ーブを含む炭素材料は正極を構成する空気極の触媒とし
て用いられる。また、カーボンナノチューブ以外の炭素
材料は主としてグラファイトである。
【0017】負極の作製にあたっては、その作用物質と
して組成がMmNi3.55Co0.75Mn0.4 Al0.3 (こ
こで、MmはLa:33%、Ce:47%、Pr:5%
およびNd:15%を含有するミッシュメタル)で表さ
れる水素吸蔵材料を用い、次に示す工程を経て負極を作
製した。
【0018】まず、37.5gの水に18gのポリ−N
−ビニルアセトアミド液(5%固形分、昭和電工株式会
社製)を添加し、攪拌して均一になった後、さらに3.
78gのスチレンブタジエンラバー液(39.7%固形
分、日本ゼオン株式会社製)を添加して均一になるまで
攪拌した。この混合液にあらかじめ用意しておいた30
0gの前記水素吸蔵合金粉末と0.9gのEr2 3
末と0.3gのカルボキシメチルセルロースナトリウム
粉末(CMC2260、ダイセル化学工業株式会社製)
との混合物を投入して、均一になるまで攪拌した。この
ようにして得られた水素吸蔵合金含有ぺーストを空孔率
95%の発泡ニッケルからなる基体に塗布、充填し、6
5℃で30分間乾燥した。その後、44kPaの圧力で
プレスして負極を作製した。
【0019】電解質としては、濃度30%の水酸化カリ
ウム水溶液を用いた。セパレータは正極側と負極側にそ
れぞれ1枚ずつ用いるが、その正極側に用いるセパレー
タはポリテトラフルオロエチレンで構成された撥水性網
状物(NBC工業社からの市販品)からなるものであ
り、もう一方のセパレータ、つまり、負極側のセパレー
タとしてはスルホン化ポリプロピレン不織布を用いた。
【0020】そして、上記正極、負極、電解液およびセ
パレータを用いて、図1にその構造を模式的に示す空気
二次電池を組み立てた。ただし、この図1は、模式的に
示した断面図であって、電池の構成にあたって必要な部
材のうちの一部を示したものにすぎず、また、断面より
後方の輪郭線を一部省略している。
【0021】ここで、図1を参照しつつ、上記空気二次
電池の構造を説明すると、正極1は前記のようにして作
製した空気極からなり、その一方の側はポリテトラフル
オロエチレンシート3を介して前壁部4と対向してお
り、その前壁部4には電池外部から電池内部に空気を取
り入れるための空気取入口4aが設けられている。そし
て、正極1の他方の側はポリテトラフルオロエチレン製
の撥水性網状物からなるセパレータ5に接している。
【0022】負極2は、前記のように水素吸蔵合金を作
用物質とする水素吸蔵合金電極からなり、その一方の側
はスルホン化ポリプロピレン不織布からなるセパレータ
6に接し、負極2の他方の側は後壁部7に対向し、この
スルホン化ポリプロピレン不織布からなるセパレータ6
は前記ポリテトラフルオロエチレン製の撥水性網状物か
らなるセパレータ5と共に正極1と負極2との間に配置
されている。
【0023】そして、正極1からは正極側のリード線8
が引き出され、負極2からは負極側のリード線9が引き
出されている。そして、10はO−リングを示してお
り、この図1では、O−リング10と前壁部4や後壁部
7との間に隙間を設けて図示されているが、実際には隙
間がなく、O−リング10と前壁部4および後壁部7と
で構成されている空間内に前記の電解液が正極1、負極
2、ポリテトラフルオロエチレン製の撥水性網状物から
なるセパレータ5、スルホン化ポリプロピレン不織布か
らなるセパレータ6などと共に収容されている。
【0024】比較例1−1 実施例1におけるカーボンナノチューブを含む炭素材料
に代えて、カーボンブラックとしてBP−2000〔C
ABOT社製〕を用いた以外は、実施例1と同様に空気
二次電池を作製した。
【0025】比較例1−2 実施例1におけるカーボンナノチューブを含む炭素材料
に代えて、カーボンブラックとしてVulcan XC
−72R〔CABOT社製〕を用いた以外は、実施例1
と同様に空気二次電池を作製した。
【0026】上記実施例1および比較例1−1〜1−2
の電池を充放電電流密度:25mA/cm2 、充電時
間:2時間、放電カットオフ電圧:0.5Vの条件下で
充放電を繰り返し、放電ができなくなるまでのサイクル
数を調べた。その結果を表1に示す。なお、表1には、
触媒として用いた炭素材料についても示しているが、ス
ペース上の関係で、実施例1で用いたカーボンナノチュ
ーブを30体積%含む炭素材料を簡略化して「カーボン
ナノチューブ」と表示している。また、表1には、比較
例1−1で用いたBP−2000を「カーボンB」で表
示し、比較例1−2で用いたVulcan XC−72
Rを「カーボンV」で表示している。
【0027】
【表1】
【0028】表1に示す結果から明らかなように、カー
ボンナノチューブを含む炭素材料を正極の触媒として用
いた実施例1の電池は、従来使用の炭素材料を正極の触
媒として用いた比較例1−1〜1−2の電池に比べて、
25mA/cm2 という高充放電電流密度でのサイクル
数が多く、充放電電流密度が大きく、かつサイクル寿命
が長いことを示していた。
【0029】実施例2 この実施例2では、カーボンナノチューブを含む炭素材
料を正極を構成する空気極の担体として用いた例を示
す。
【0030】すなわち、120mlの純水、実施例1で
用いたものと同様のカーボンナノチューブを30体積%
含む炭素材料1gと0.5gのLa0.6 Ca0.4 CoO
3 を加え、以後、実施例1と同様に正極を構成する空気
極の作製した。この実施例2の正極においては、La
0.6 Ca0.4 CoO3 が触媒であり、カーボンナノチュ
ーブを含む炭素材料はその触媒の担体として用いられて
いる。
【0031】そして、上記のようにして作製した正極を
用いた以外は、実施例1と同様に空気二次電池を作製し
た。
【0032】比較例2−1 実施例2で用いたカーボンナノチューブを含む炭素材料
に代えて、カーボンブラックとしてBP−2000(前
出)を用いた以外は、実施例2と同様に空気二次電池を
作製した。
【0033】比較例2−2 実施例2で用いたカーボンナノチューブを含む炭素材料
に代えて、カーボンブラックとしてVulcan XC
−72R(前出)を用いた以外は、実施例2と同様に空
気二次電池を作製した。
【0034】上記実施例2および比較例2−1〜2−2
の電池を実施例1と同様の条件下で充放電を繰り返し、
サイクル寿命を調べた。その結果を表2に示す。なお、
表2においても、正極の担体として用いた炭素材料を示
しているが、スペース上の関係で、実施例2で用いたカ
ーボンナノチューブを30体積%含む炭素材料を簡略化
して「カーボンナノチューブ」と表示している。また、
表2には、比較例2−1で用いたBP−2000を「カ
ーボンB」で表示し、比較例2−2で用いたVulca
n XC−72Rを「カーボンV」で表示している。
【0035】
【表2】
【0036】表2に示す結果から明らかなように、カー
ボンナノチューブを30%含む炭素材料を正極の担体と
して用いた実施例2の電池は、従来使用のカーボンブラ
ックを正極の担体として用いた比較例2−1〜2−2の
電池に比べて、25mA/cm2 という高充放電電流密
度でのサイクル数が多く、充放電電流密度が大きく、か
つサイクル寿命が長いことを示していた。
【0037】実施例3 この実施例3においては、正極として実施例2で作製し
た空気極を用い、電解質としてネオセプタAHA(トク
ヤマ社製)の商品名で市販されているアニオン交換膜を
用い、負極としては実施例1と同様の水素吸蔵合金電極
と用いて、空気二次電池を作製し、そのサイクル寿命を
調べた。上記空気二次電池の作製は以下に示すように行
った。
【0038】電解質としてのアニオン交換膜の一方の側
に正極を配置し、他方の側に負極を配置して、それら全
体を押圧して互いに密着するようにしたのちポリテトラ
フルオロエチレン製のブロックで挟み、それを100℃
に加熱されたプレス機に挿入し軽くプレスした。続いて
145℃に昇温した後、75kg/cm2 の圧力で90
秒間プレスし、放冷後、ブロックを外し、電解質のOH
- 処理を80℃の2mol/l水酸化カリウム水溶液中
に1時間浸漬し、その後、80℃の水中に1時間浸漬す
ることによって行い、空気二次電池を作製した。
【0039】比較例3−1 比較例2−1で作製した空気極を正極として用いた以外
は、実施例3と同様に空気二次電池を作製した。つま
り、この比較例3−1では、正極を構成する空気極の触
媒の担体としてBP−2000(前出)を用いており、
それ以外は実施例3と同様の構成である。
【0040】比較例3−2 比較例2−2で作製した空気極を正極として用いた以外
は、実施例3と同様に空気二次電池を作製した。つま
り、この比較例3−2では、正極を構成する空気極の触
媒の担体としてVulcan XC−72R(前出)を
用いており、それ以外は実施例3と同様の構成である。
【0041】上記実施例3および比較例3−1〜3−2
の電池について実施例1と同様にサイクル寿命を調べ
た。その結果を表3に示す。なお、表3においても、担
体として用いた炭素材料を示しているが、スペース上の
関係で、実施例3で用いたカーボンナノチューブを30
体積%含む炭素材料を簡略化して「カーボンナノチュー
ブ」と表示している。また、表3には、比較例3−1で
用いたBP−2000を「カーボンB」で表示し、比較
例3−2で用いたVulcan XC−72Rを「カー
ボンV」と表示している。
【0042】
【表3】
【0043】表3に示す結果から明らかなように、正極
の構成する空気極の担体としてカーボンナノチューブ3
0体積%を含む炭素材料を用いた実施例3の電池は、正
極を構成する空気極の担体として従来使用の炭素材料を
用いた比較例3−1〜3−2の電池に比べて、25mA
/cm2 という高充放電電流密度でのサイクル数が多
く、充放電電流密度が大きく、かつサイクル寿命が長い
ことを示していた。
【0044】実施例4 この実施例4では、正極として実施例2で作製した空気
極を用い、電解質として30%水酸化カリウム水溶液を
用い、負極に亜鉛を用いて、空気二次電池を作製し、そ
のサイクル寿命を調べた。
【0045】比較例4−1 正極として比較例2−1で作製した空気極を用いた以外
は、実施例4と同様に空気二次電池を作製した。
【0046】比較例4−2 正極として比較例2−2で作製した空気極を用いた以外
は、実施例4と同様に空気二次電池を作製した。
【0047】上記実施例4および比較例4−1〜4−2
の電池について実施例1と同様にサイクル寿命を調べ
た。その結果を表4に示す。なお、この表4において
も、正極の担体として用いた炭素材料を示しているが、
スペース上の関係で、実施例2の正極の担体として用い
たカーボンナノチューブを30体積%含む炭素材料を簡
略化して「カーボンナノチューブ」と表示している。ま
た、表4には、比較例2−1の正極の担体として用いた
BP−2000を「カーボンB」で表示し、比較例2−
2の正極の担体として用いたVulcan XC−72
Rを「カーボンV」で表示している。
【0048】
【表4】
【0049】表4に示す結果から明らかなように、正極
を構成する空気極の担体としてカーボンナノチューブを
30体積%含む炭素材料を用いた実施例4の電池は、正
極を構成する空気極の担体として従来使用の炭素材料を
用いた比較例4−1〜4−2の電池に比べて、25mA
/cm2 という高充放電電流密度でのサイクル数が多
く、充放電電流密度が大きく、かつサイクル寿命が長い
ことを示していた。
【0050】実施例5 この実施例5ではフラーレンを含む炭素材料を触媒とし
て用いて空気極を作製し、その空気極を正極として用
い、電解質としては30%水酸化カリウム水溶液を用
い、負極としては実施例1と同様の水素吸蔵合金負極を
用いて、空気二次電池を作製し、そのサイクル寿命を調
べた。
【0051】すなわち、フラーレンを15体積%含む炭
素材料とVulcan XC−72R(前出)とを1:
1の質量比で混合した炭素材料を触媒として用いた以外
は、実施例1と同様に空気極を作製し、この空気極を正
極として用いた以外は、実施例1と同様に空気二次電池
を作製した。
【0052】比較例5 フラーレンを含む炭素材料に代えて、Vulcan X
C−72R(前出)を用いた以外は、実施例5と同様に
して空気二次電池を作製した。
【0053】上記実施例5および比較例5の電池につい
て実施例1と同様にサイクル寿命を調べた。その結果を
表5に示す。なお、表5においても、スペース上の関係
で、実施例5で触媒として用いた炭素材料をフラーレン
と表示しているが、これは正確にはフラーレンを15体
積%含む炭素材料である。また、この表5においても、
Vulcan XC−72Rを「カーボンV」で表示し
ている。
【0054】
【表5】
【0055】表5に示す結果から明らかなように、正極
を構成する空気極の触媒にフラーレンを含む炭素材料を
用いた実施例5の電池は、正極を構成する空気極の触媒
に従来使用の炭素材料のみを用いた比較例5の電池に比
べて、25mA/cm2 という高充放電電流密度でのサ
イクル数が多く、充放電電流密度が大きく、かつサイク
ル寿命が長いことを示していた。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、電気
的な充放電が可能で、充放電電流密度が大きく、かつサ
イクル寿命が長い空気二次電池を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の空気二次電池の一例を模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 進介 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 柏野 博志 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA10 AS03 CC06 DD05 EE05 HH05 5H032 AA02 AA05 AS01 AS03 AS06 AS12 CC16 EE01 EE08 EE15 HH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともカーボンナノチューブを含む
    炭素材料を触媒または担体とし電気的な充放電が可能な
    空気極からなる正極、負極および電解質を有することを
    特徴とする空気二次電池。
  2. 【請求項2】 炭素材料中にカーボンナノチューブを3
    0体積%以上含むことを特徴とする請求項1記載の空気
    二次電池。
  3. 【請求項3】 少なくともフラーレンを含む炭素材料を
    触媒とし電気的な充放電が可能な空気極からなる正極、
    負極および電解質を有することを特徴とする空気二次電
    池。
  4. 【請求項4】 電解質がアルカリ水溶液、アニオン交換
    体、カチオン交換体、両性イオン交換体および水素選択
    透過膜より選ばれる少なくとも1種からなることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気二次電池。
  5. 【請求項5】 負極の作用物質が水素吸蔵合金に代表さ
    れる水素吸蔵材料、または亜鉛、鉄、アルミニウム、カ
    ドミウムおよびそれらの合金より選ばれる少なくとも1
    種の金属からなることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の空気二次電池。
  6. 【請求項6】 カーボンナノチューブが、単層チューブ
    構造または多層チューブ構造のものであることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の空気二次電池。
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