JP5267575B2 - 空気電池 - Google Patents

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Description

本発明は、空気電池に関する。
空気電池は、酸素を正極活物質とする電池であり、放電時には空気を外部から取り込んで用いる。そのため、正極及び負極の活物質を電池内に有する他の電池に比べ、電池容器内に占める負極活物質の割合を大きくすることが可能になる。したがって、原理的に放電できる電気容量が大きく、小型化や軽量化が容易という特徴を有している。また、正極活物質として用いる酸素の酸化力は強力であるため、電池起電力が比較的高い。さらに、酸素は資源的な制約がなくクリーンな材料であるという特徴も有するため、空気電池は環境負荷が小さい。このように、空気電池は多くの利点を有しており、携帯機器用電池、電気自動車用電池、ハイブリッド車用電池、燃料電池自動車用電池などへの利用が期待されている。
これまでに提案されている空気電池に、負極原料として金属リチウム、空気極原料として酸素をそれぞれ用いる、非水電解質型リチウム空気電池がある。この非水電解質型リチウム空気電池では、空気極にて、放電反応時に、酸素がLi又はLiOに還元される。これらの反応は、以下のように表すことができる。
2Li + O + 2e → Li (式1)
4Li + O + 4e → 2LiO (式2)
ここで、Liのギブスの自由エネルギーΔGは、−606.68kJ/molであり、LiOのギブスの自由エネルギーΔGは、−560.66kJ/molである。これらの値と、ΔG=−nFEとを用いて作動電圧の理論値を計算すると、それぞれ、3.1V、2.9Vとなる。しかしながら、従来の非水電解質型リチウム空気電池の作動電圧は、2.6Vに留まっていた。これは、酸素還元に必要な活性化障壁が大きいために過電圧が存在し、その結果、作動電圧が理論値よりも低くなったと推測される。したがって、酸素還元に必要な活性化障壁を低減することができれば、理論値と同等の作動電圧を示す空気電池を提供することも可能になると考えられる。
このような非水電解質型リチウム空気電池に関する技術として、例えば特許文献1には、直径1nm以上の細孔の占める細孔容積が1.0ml/g以上の炭素質物を主体とする正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質を具備する負極と、正極及び負極に挟まれた非水電解質層とを具備する非水電解質型リチウム空気電池が開示されている。
特開2002−15737号公報
特許文献1に開示されている非水電解質型リチウム空気電池によれば、直径1nm以上の細孔の占める細孔容積が1.0ml/g以上の炭素質物を主体とする正極が備えられているので、正極の容量が改善された非水電解質型リチウム空気電池が提供されると考えられる。しかしながら、特許文献1に開示されている非水電解質型リチウム空気電池の放電電圧を調査したところ、放電電圧の理論値である3.1V、2.9Vに比べて低い放電電圧(2.6V)となった。
そこで本発明は、作動電圧を高めることが可能な空気電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明の第1の態様は、炭素質物を含む空気極と、負極と、空気極及び負極の間でイオンの伝導を担う電解質を有する電解質層と、を具備し、電解質層に、非水電解液が用いられているとともに、炭素質物のD/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18であり、炭素質物が高配向熱分解グラファイトであることを特徴とする、空気電池である。
ここに、本発明において、「炭素質物を含む空気極」とは、D/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18である炭素質物のみによって構成される空気極のほか、当該炭素質物に加えて触媒に代表される他の物質を含む空気極をも含む概念である。さらに、「D/Gバンド比」とは、炭素質物を構成するダイヤモンド構造及びグラファイト構造の存在割合を表す比をいう。より具体的には、炭素質物(カーボン材)のラマンスペクトルに対して、ベースラインを差し引いた1360cm−1(Dバンド)及び1580cm−1(Gバンド)のピーク強度比と定義する。ラマン分光測定は、各カーボン材に対して任意の3点にて測定を行い、ピーク強度比をそれぞれ算出する。本発明においては、3つのピーク強度比の平均値をD/Gバンド比とする。本発明において、「D/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18である炭素質物」としては、後述する高配向熱分解グラファイト等を例示することができる。なお、D/Gバンド比Xの測定によっては、同じサンプルであっても誤差が生じることも考えられる。そのため、±0.02以内の誤差を許容し、本発明における「D/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18である炭素質物」には、D/Gバンド比Xが0.038の炭素物、及び、D/Gバンド比Xが0.20の炭素物も含まれるものとする。
本発明の第2の態様は、炭素質物からなる空気極と、負極と、空気極及び負極の間でイオンの伝導を担う電解質を有する電解質層と、を具備し、炭素質物のD/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18であり、炭素質物が高配向熱分解グラファイトであることを特徴とする、空気電池である。
また、上記本発明の第1の態様及び上記本発明の第2の態様において、炭素質物のD/Gバンド比Xが、X=0.180であることが好ましい。
本発明の第3の態様は、炭素質物を含む空気極と、負極と、空気極及び負極の間でイオンの伝導を担う電解質を有する電解質層と、を具備し、炭素質物が高配向熱分解グラファイトであることを特徴とする、空気電池である。
ここに、本発明において、「高配向熱分解グラファイト」とは、Highly Ordered Pyrolytic Graphite(以下において、「HOPG」ということがある。)と表記される物質である。本発明における高配向熱分解グラファイトには、ダイヤモンド構造の面(Edge面)を配向させたHOPG、及び、グラファイト構造の面(Basal面)を配向させたHOPGが含まれる。
本発明の第4の態様は、炭素質物からなる空気極と、負極と、空気極及び負極の間でイオンの伝導を担う電解質を有する電解質層と、を具備し、炭素質物が高配向熱分解グラファイトであることを特徴とする、空気電池である。
本発明の第1の態様では、空気極に、D/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18であるHOPGが含まれている。D/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18であるHOPGを空気極に用いることにより、空気電池の作動電圧を高めることが可能になるので、本発明の第1の態様によれば、作動電圧を高めることが可能な、空気電池を提供することができる。
本発明の第2の態様では、空気極が、D/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18であるHOPGによって構成されている。D/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18であるHOPGを空気極に用いることにより、空気電池の作動電圧を高めることが可能になるので、本発明の第2の態様によれば、作動電圧を高めることが可能な、空気電池を提供することができる。
また、本発明の第1の態様及び本発明の第2の態様において、HOPGのD/Gバンド比XがX=0.180であることにより、空気電池の作動電圧を高めることが容易になる。
本発明の第3の態様では、空気極に、HOPGが含まれている。HOPGを空気極に用いることにより、空気電池の作動電圧を高めることが可能になるので、本発明の第3の態様によれば、作動電圧を高めることが可能な、空気電池を提供することができる。
本発明の第4の態様では、空気極が、HOPGによって構成されている。HOPGを空気極に用いることにより、空気電池の作動電圧を高めることが可能になるので、本発明の第4の態様によれば、作動電圧を高めることが可能な、空気電池を提供することができる。
空気電池10の形態例を簡略化して示す断面図である。 空気電池20の形態例を簡略化して示す断面図である。 空気電池30の形態例を簡略化して示す断面図である。 Basal面を配向させたHOPGのラマンスペクトルを示す図である。 定電流放電曲線を示す図である。
発明を実施するための形態
本発明者は、鋭意研究の結果、HOPGを空気極に用いることにより、空気電池の作動電圧を従来よりも高めることが可能になることを知見した。さらに、本発明者は、空気極を板状のHOPGによって構成することにより、従来の空気電池において活性化障壁を低減させる等の目的で用いられていた触媒を空気極に用いなくても、作動電圧を高めた空気電池の提供が可能になることを知見した。また、本発明の空気電池で用いたHOPGのD/Gバンド比Xは、0.058≦X≦0.18であった。したがって、本発明者は、上記知見に加え、D/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18である炭素質物を空気極に用いることにより、空気電池の作動電圧を高めることが可能になることも知見した。このような構成とすることにより空気電池の作動電圧を高めることが可能になるのは、酸素還元に関する活性化障壁を低減することが可能になるためであると考えられる。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。本発明は、D/Gバンド比Xが0.058≦X≦0.18である炭素質物を空気極に用いることにより、作動電圧を高めることが可能な空気電池を提供することを、第1の要旨とする。さらに、本発明は、HOPGを空気極に用いることにより、作動電圧を高めることが可能な空気電池を提供することを、第2の要旨とする。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されるものではない。
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態にかかる本発明の空気電池(以下において、「空気電池10」という。)の形態例を概略的に示す断面図である。図1では、空気電池10の一部のみを抽出し、拡大して示している。
図1に示すように、空気電池10は、空気極11と、負極12と、空気極11及び負極12の間に配設され空気極11及び負極12の間でイオンの伝導を担う電解質層13とを有している。空気電池10は、放電時に、空気極11の外側に備えられた酸素含有層(不図示)から酸素を取り込んで用いる。以下、空気電池10について、構成ごとに説明する。
<空気極11>
空気極11は板状のHOPGによって構成され、当該HOPGのD/Gバンド比Xは、0.058≦X≦0.18である。空気極を構成するHOPGは、Edge面を配向させたHOPGであっても良く、Basal面を配向させたHOPGであっても良い。ただし、作動電圧を高めやすい構成にする等の観点からは、Edge面を配向させたHOPG、例えば、D/Gバンド比XがX=0.180であるHOPGを用いることが好ましい。
空気極11の厚さは、空気電池10の用途等により異なるものであるが、例えば2μm以上2mm以下、中でも5μm以上500μm以下であることが好ましい。
空気電池10において、空気極11には、従来の空気電池で用いられていた触媒やバインダー等の物質が用いられない。かかる形態であっても、空気極11を板状のHOPGによって構成することにより、酸素の還元反応を生じさせることができる。すなわち、空気電池11において、板状のHOPGによって構成される空気極11は、触媒機能及び導電性を有する反応場として機能する。また、空気極11には、空気電池10から電気を取り出す際の端子として機能する導電性物質(不図示)が接続される。
<負極12>
負極12は、負極活物質を含有している。また、負極12には、負極12の内部又は外面に当接して、負極12の集電を行う負極集電体(不図示)が当接して設けられる。
負極12に含有される負極活物質としては、一般的な空気電池の負極活物質を用いることができ、特に限定されるものではない。なお、空気電池10がリチウム空気二次電池である場合、負極活物質には、Liイオンを吸蔵・放出し得る負極活物質を用いる。このような負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、金属酸化物、金属硫化物、及び、金属窒化物のほか、グラファイト等に代表される炭素材料等を例示することができる。これらの中でも金属リチウム及び炭素材料が好ましく、高容量化を図りやすい空気電池を提供する等の観点からは、金属リチウムがより好ましい。
負極12は少なくとも負極活物質を含有していれば良く、さらに、負極活物質の導電性を向上させる導電性材料や負極活物質を固定化する結着材を含有していても良い。反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、負極12における導電性材料の含有量は10質量%以下とすることが好ましい。
負極12に含有され得る結着材としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を例示することができる。負極12における結着材の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上5質量%以下とすることがより好ましい。
空気電池10では、負極12の内部又は外面に当接して、負極集電体が設けられる。負極集電体は、負極12の集電を行う機能を担う。空気電池10において、負極集電体の材料は、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。負極集電体の材料としては、銅、ステンレス鋼、及び、ニッケル等を例示することができる。また、負極集電体の形状としては、箔状、板状、及び、メッシュ(グリッド)状等を例示することができる。
<電解質層13>
電解質層13には、空気極11及び負極12の間でイオンの伝導を担う電解液が収容される。電解液の形態は、金属イオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、非水電解液を挙げることができる。
電解質層13に用いられる非水電解液の種類は、伝導する金属イオンの種類に応じて、適宜選択することが好ましい。例えば、リチウム空気電池の非水電解液は、通常、リチウム塩及び有機溶媒を含有する。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO及びLiAsF等の無機リチウム塩のほか、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を例示することができる。また、有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びこれらの混合物等を例示することができる。また、溶存酸素を効率良く反応に用いることを可能にする等の観点から、有機溶媒は、酸素溶解性が高い溶媒であることが好ましい。非水電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.2mol/L以上3mol/L以下とする。なお、本発明の空気電池においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いることができる。
また、空気電池10では、空気極11及び負極12の間に、非水電解液を保持するセパレーターが配置されることが好ましい。このようなセパレーターとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜のほか、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を例示することができる。
<空気電池10>
空気電池10では、少なくとも空気極11、負極12、及び、電解質層13が、電池ケース(不図示)に収めて用いられる。
空気電池10に用いられる電池ケースの形状は特に限定されない。また、電池ケースは、大気開放型の電池ケースであっても良く、密閉型の電池ケースであっても良い。大気開放型の電池ケースは、大気と接触可能な電池ケースである。一方、電池ケースが密閉型電池ケースである場合は、密閉型電池ケースに、気体(空気)の供給管および排出管を設けることが好ましい。この場合、供給・排出する気体は、酸素濃度が高いことが好ましく、純酸素であることがより好ましい。また、放電時には酸素濃度を高くし、充電時には酸素濃度を低くすることが好ましい。
空気電池10の種類としては、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カリウム空気電池、マグネシウム空気電池、アルミニウム空気電池、カルシウム空気電池等を例示することができる。中でも、リチウム空気電池が好ましい。また、空気電池10の用途としては、車両搭載用途、定置型電源用途、家庭用電源用途、及び、携帯型情報機器等を例示することができる。
2.第2実施形態
図2は、第2実施形態にかかる本発明の空気電池(以下において、「空気電池20」という。)の形態例を概略的に示す断面図である。図2では、空気電池20の一部のみを抽出し、拡大して示している。図2において、空気電池10と同様の構成を採るものには、図1で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を省略する。
<空気極21>
空気極21は、粉末状のHOPGと、触媒と、結着材とを含有している。空気極21に含有される粉末状のHOPGのD/Gバンド比Xは、0.058≦X≦0.18である。かかる形態であっても、作動電圧を高めた空気電池20を提供することが可能になる。また、空気電池20には、空気極21の内部又は外面に当接して、空気極21の集電を行う空気極集電体(不図示)が設けられる。
反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、空気極21におけるHOPGの含有量は、10質量%以上とすることが好ましい。また、充分な触媒機能を発揮し得る形態にする等の観点から、空気極21におけるHOPGの含有量は、99質量%以下とすることが好ましい。
空気極21に含有される触媒としては、コバルトフタロシアニン及び二酸化マンガン等を例示することができる。充分な触媒機能を発揮し得る形態にする等の観点から、空気極21における触媒の含有量は、1質量%以上とすることが好ましい。また、反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、空気極21における触媒の含有量は、90質量%以下とすることが好ましい。
空気極21に含有される結着材の種類、使用量等は、負極12に用いられる結着材と同様にすることができる。
空気極21の厚さは、空気電池20の用途等により異なるものであるが、例えば2μm以上500μm以下、中でも5μm以上300μm以下であることが好ましい。また、作動電圧を高めやすくする等の観点から、空気極21に用いるHOPGのD/Gバンド比Xは、X=0.180であることが好ましい。
また、上述のように、空気電池20では、空気極21の内部又は外面に当接して、空気極集電体が設けられる。空気極集電体は空気極21の集電を行う機能を担う。空気電池20において、空気極集電体の材料は、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。空気極集電体の材料としては、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、及び、カーボン等を例示することができる。このような空気極集電体の形状としては、例えば箔状、板状、及び、メッシュ(グリッド)状等を例示することができる。中でも、空気電池20においては、集電効率に優れたメッシュ状とすることが好ましい。メッシュ状の空気極集電体を用いる場合には、空気極21の内部にメッシュ状の空気極集電体を配置することができる。さらに、空気電池20は、メッシュ状の空気極集電体により集電された電荷を集電する別の空気極集電体(例えば箔状の集電体)を有していても良い。
3.第3実施形態
図3は、第3実施形態にかかる本発明の空気電池(以下において、「空気電池30」という。)の形態例を概略的に示す断面図である。図3では、空気電池30の一部のみを抽出し、拡大して示している。図3において、空気電池10と同様の構成を採るものには、図1で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を省略する。したがって、空気電池30に対しては、空気極31についてのみ説明する。
<空気極31>
空気極31は、板状のHOPGの表面に、触媒が配設されている。空気極31に含有される板状のHOPGのD/Gバンド比Xは、0.058≦X≦0.18である。かかる形態であっても、作動電圧を高めた空気電池30を提供することが可能になる。また、空気極31には、空気電池30から電気を取り出す際の端子として機能する導電性物質(不図示)が接続される。
空気極31に用いられる触媒としては、空気極21に用いられる触媒等を例示することができる。
空気極31の厚さは、空気電池30の用途等により異なるものであるが、例えば2μm以上2mm以下、中でも5μm以上500μm以下であることが好ましい。また、作動電圧を高めやすくする等の観点から、空気極31に用いるHOPGのD/Gバンド比Xは、X=0.180であることが好ましい。
以下、実施例を参照しつつ、本発明についてさらに説明する。
本発明の空気電池を模した実施例1のセル及び実施例2のセル、並びに、従来の空気電池を模した比較例1のセルを作製し、放電試験を行うことにより各セルの作動電圧を調査した。
(1)D/Gバンド比の算出
Basal面を配向させたHOPG、Edge面を配向させたHOPG、並びに、Basal面及びEdge面がランダムに配向しているグラッシーカーボン(何れも、ビー・エー・エス株式会社製)に対し、それぞれ任意の3点にて測定を実施するラマン分光分析を行い、DバンドとGバンドとのピーク強度比の平均値を算出することにより、D/Gバンド比を算出した。ラマン分光分析の条件を以下に示す。また、図4に、Basal面を配向させたHOPGのラマンスペクトルを示す。
<分析条件>
・488nmレーザー
・出力 :6mW
・回折格子 :1200Gr/mm
・対物レンズ:40倍
・露光時間 :10s
(2)評価用セルの作製
[実施例1]
以下に示す材料を用いて、実施例1のセルを作製した。具体的には、純酸素雰囲気にしたガラスデシケーターへ、電解液を入れたビーカーを設置し、空気極及び負極を電解液に接触させることにより、実施例1のセルを作製した。なお、酸素が空気極へと供給されるようにするため、ビーカーの上部は密閉せず、開放した。
・空気極:Basal面を配向させたHOPG(ビー・エー・エス株式会社製)
・負極 :Li(本城金属株式会社製)
・電解液:プロピレンカーボネート中にLiClOを濃度1mol/Lで溶解させた非水電解液(キシダ化学株式会社製)
・雰囲気:純酸素(99.99%、1気圧)
・セル :ビーカーセル
[実施例2]
Edge面を配向させたHOPG(ビー・エー・エス株式会社製)を空気極に用いたほかは、実施例1のセルと同様にして、実施例2のセルを作製した。
[比較例1]
Edge面及びBasal面がランダムに配向しているグラッシーカーボン(ビー・エー・エス株式会社製)を空気極に用いたほかは、実施例1のセルと同様にして、比較例1のセルを作製した。
(3)放電試験
上記各セルの空気極及び負極に接続した端子を介して、50nA/cmの電流を印加し、100時間後までの電圧をモニタリングした。定電流放電曲線を図5に、D/Gバンド比X及び100時間後の放電電圧の結果を表1に、それぞれ示す。
Figure 0005267575
(4)結果
図5及び表1に示すように、D/Gバンド比Xを0.058≦X≦0.18とすることにより、放電電圧(作動電圧)を0.1V以上、上昇させることができた。さらに、X=0.180とすることにより、放電電圧(作動電圧)を0.33V上昇させることができた。加えて、X=0.058及びX=0.180であった炭素質物はHOPGであったことから、HOPGを空気極に用いることで、放電電圧を0.1V以上、上昇させることができた。放電電圧の上昇により、電池のエネルギー密度が向上するため、本発明によれば、エネルギー密度を向上させることが可能な空気電池を提供することができる。
本発明の空気電池は、電気自動車や携帯型情報機器等の動力源として利用することができる。
符号の説明
10…空気電池
11…空気極
12…負極
13…電解質層
20…空気電池
21…空気極
30…空気電池
31…空気極

Claims (5)

  1. 炭素質物を含む空気極と、負極と、前記空気極及び前記負極の間でイオンの伝導を担う電解質を有する電解質層と、を具備し、
    前記電解質層に、非水電解液が用いられているとともに、前記炭素質物のD/Gバンド比Xが、0.058≦X≦0.18であり、
    前記炭素質物が高配向熱分解グラファイトであることを特徴とする、空気電池。
  2. 炭素質物からなる空気極と、負極と、前記空気極及び前記負極の間でイオンの伝導を担う電解質を有する電解質層と、を具備し、
    前記炭素質物のD/Gバンド比Xが、0.058≦X≦0.18であり、
    前記炭素質物が高配向熱分解グラファイトであることを特徴とする、空気電池。
  3. 前記炭素質物のD/Gバンド比Xが、X=0.180であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の空気電池。
  4. 炭素質物を含む空気極と、負極と、前記空気極及び前記負極の間でイオンの伝導を担う電解質を有する電解質層と、を具備し、
    前記炭素質物が高配向熱分解グラファイトであることを特徴とする、空気電池。
  5. 炭素質物からなる空気極と、負極と、前記空気極及び前記負極の間でイオンの伝導を担う電解質を有する電解質層と、を具備し、
    前記炭素質物が高配向熱分解グラファイトであることを特徴とする、空気電池。
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