JP2007141745A - 空気電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】二酸化炭素吸収材の量や形態や種類を限定することにより、酸素量を必要量確保し高率放電を可能にし、かつ二酸化炭素の電池内へ拡散を抑制する方法を見出し、開封保存特性に優れ、高率放電可能な電池を得ることができる二酸化炭素吸収材を提供することを目的とする。
【解決手段】空気極と空気孔を有する正極ケースとの間に、二酸化炭素吸収材を配することで二酸化炭素吸収能に優れ、かつ高率放電を可能にする空気電池を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】空気極と空気孔を有する正極ケースとの間に、二酸化炭素吸収材を配することで二酸化炭素吸収能に優れ、かつ高率放電を可能にする空気電池を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、二酸化炭素の透過を抑制しつつ酸素を選択的に透過させる構造の空気電池に関するものである。
空気中の酸素を利用する素子や機器の多くは、酸素と同時に二酸化炭素が侵入するのを避けるために様々な工夫がされている。例えば空気電池の場合、大気中の二酸化炭素が電池内部に侵入すると、電解液の濃度変化が生じ、放電特性が低下する。そこで、空気電池の空気極と正極ケ−スとの間に表面層に細孔を有する樹脂フィルムと内面層に二酸化炭素吸収剤を含浸した多孔体からなる二酸化炭素吸収体を設け、大気中の二酸化炭素が電池内部に侵入するのを防止する提案がなされている(特許文献1)。また、空気極の撥水膜面と拡散紙との間に二酸化炭素吸収剤を内包した樹脂フィルムを配置して、大気中の二酸化炭素が電池内部に侵入するのを防止する提案がなされている(特許文献2)。
特開平7−37624号公報
特開2005−26144号公報
特許文献1によれば、電池内部に大気中からの二酸化炭素の透過を抑制し酸素を選択的に導入することが期待できるが、二酸化炭素吸収剤を包み込むように樹脂フィルムで覆われた二酸化炭素吸収体の3層構造を利用するため、気体の透過が遅くなる。よって、特許文献1のように、100Ω放電(およそ12mA放電に相当)のような低率放電では放電を阻害することなく二酸化炭素抑制効果を得ることができるが、高率放電(およそ163mA放電に相当)では必要酸素量の確保が困難となり、放電特性が著しく低下してしまう。
また特許文献2でも同様に、電池内部に大気中からの二酸化炭素の透過を抑制し酸素を選択的に導入することが期待できるが、二酸化炭素吸収剤を樹脂フィルムに内包することで気体の透過が遅くなる。よって、特許文献2のように、300Ω放電(およそ4mA放電に相当)のような低率放電では放電を阻害することなく二酸化炭素抑制効果を得ることができるが、高率放電では必要酸素量の確保が困難となり、放電特性が著しく低下してしまう。
そこで、本発明者らは、大気中の酸素が十分に通過でき、かつ電池の開封保存劣化を十分に抑える二酸化炭素吸収材について鋭意検討を行った結果、以下のような知見を得るに至った。すなわち、一般には電池内の空気の通り道に二酸化炭素吸収材を配置すれば、それに反比例して空気の通り抜けが阻害され酸素供給量が低下する。しかし、本発明者らは、二酸化炭素吸収材の量や形態や種類を限定することにより、酸素量を必要量確保し高率放電を可能にし、かつ二酸化炭素の電池内へ拡散を抑制し開封保存劣化を防止する方法を見出した。
本発明における二酸化炭素の配置する場所であるが、空気電池内への酸素供給通路に配置するのが適当である。空気電池内であれば、空気極と空気孔を有する正極ケース間に配置し、大気中の空気が正極ケースの空気孔から拡散したときに先ず二酸化炭素を吸収することができ適した場所である。
本空気電池において、空気極と空気孔を有する正極ケースとの間に、二酸化炭素吸収材を配すれば、良好な開封保存特性を得るだけでなく、高率放電をも可能にすることができる。
空気極と、空気孔を有する正極ケースとの間に二酸化炭素吸収材を配することで、空気電池の高率放電を維持しつつ、良好な開封保存特性を得ることができる。
また、電池内に含まれるKOH量の単位グラムあたり二酸化炭素を少なくとも5mg/day吸収する量の二酸化炭素吸収材を配することによって、より良好な開封保存特性を得ることができる。
なお、二酸化炭素吸収材の配する方法であるが、電池内に設けてもよいし、場合によっては例えば携帯電話やデジタルカメラのような携帯機器の充電器として空気電池を用いる場合において、4個以上を直列にした電池パックのような場合では、その電池パック内で、かつ電池の外に、その二酸化炭素吸収材を配してもよい。二酸化炭素吸収材は、空気が通過する経路に配される必要があり、空気電池内に配す場合は空気極と空気孔を有する正極ケースとの間に配するのが適切である。また電池パック内に二酸化炭素吸収材を配す場合は、電池パックの空気取り入れ口と内部にある空気電池の空気孔の間に配置すればよい。
また、本発明の二酸化炭素吸収材の形態としては平均粒径が1μm以上100μm以下であれば、粒子間で形成される空間によって高率放電に必要な酸素量供給量をより確保しやすくすることができる。平均粒径が1μm未満であると、粒子が詰まり酸素の供給が制限され高率放電特性が低下する。逆に平均粒径が100μmより大きいと電池を構成する際、二酸化炭素吸収材を挟むように配置された大気側の拡散紙と内部側に撥水膜を大きな二酸化炭素吸収材の粒子が不均一に圧迫をし、圧迫を受けた部分の拡散紙や撥水膜では空気の通過が阻害され酸素供給が抑制され高率放電が低下する。
さらに、二酸化炭素吸収材としては、基本的に二酸化炭素を吸収する材料であればよく、例えば、水酸基を有した化合物としてはLiOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Ba(OH)2、Sr(OH)2等が挙げられ、酸化物としてはLi2ZrO3、Li2SiO3、Li4SiO4、MgO等が挙げられる。また、活性炭やゼオライト等も本発明の二酸化炭素吸収材に含まれる。
二酸化炭素吸収材を配置するとき形態としては、粉末を押し固めたペレット状の多孔体であってもよいし、また種々のバインダーを用いて多孔体を成形しても良い。この際、多孔体の空孔率は40%以上になるように成形する必要がある。バインダーとしては、同時に撥水効果にも有効なシリコーン系化合物やフッ素系化合物などが挙げられる。中でも入手が容易で扱い易く、コストも低いことから、フッ素樹脂を用いることが好ましい。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオルエチレン(PTFE)、ポリトリフルオルクロルエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ジクロロジフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオルエチレン、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー、パーフルオロアルキルビニルエーテルポリマー、パーフルオロアルキルビニルエステルポリマー、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー等が挙げられる。特に撥水性に優れるポリテトラフルオルエチレン、ポリフッ化ビニルおよびポリフッ化ビニリデンが特に好ましい。
また、二酸化炭素吸収材を多孔体中の空間に充填してもよい。但し、空孔率としては40%以上確保する必要がある。多孔体の形態としては、メッシュ状、不織布状、そして穿
孔された金属箔や延伸で作製された合成品が挙げられ、多孔体の材質としては、銅、ニッケル、SUS等の金属材料や、PTFE、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ビニロン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ビニロン、ナイロンなどの有機材料が挙げられる。
孔された金属箔や延伸で作製された合成品が挙げられ、多孔体の材質としては、銅、ニッケル、SUS等の金属材料や、PTFE、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ビニロン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ビニロン、ナイロンなどの有機材料が挙げられる。
二酸化炭素吸収材の形態としては平均粒径が1μm以上100μm以下であれば、粒子間で形成される空間によって高率放電に必要な酸素量供給量を確保しやすくできる。平均粒径が1μm未満であると、粒子が詰まり、空孔率として40%以上確保することができず、電池内に十分な酸素が供給できず高率放電特性が低下する。逆に平均粒径が100μmより大きいとペレット状に成形しても、ペレット表面が滑らかでなく凹凸状であり、電池を構成する際に二酸化炭素吸収材を挟むように配置された大気側の拡散紙と内部側の撥水膜が、そのペレット表面上に食い込んでしまい、圧迫を受けた部分の拡散紙や撥水膜では空気の通過が阻害され酸素供給が抑制され、高率放電特性が低下する。
さらに、二酸化炭素吸収材としては、LiOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Ba(OH)2、Sr(OH)2、Li2ZrO3、Li2SiO3、Li4SiO4、MgO、活性炭、ゼオライトが好ましく、なかでもCa(OH)2がより好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)二酸化炭素吸収材の形成
二酸化炭素吸収材として表1に示す粉末を用いて、多孔質基材上や多孔質基材中に充填することにより、二酸化炭素吸収材シート(多孔質基材に二酸化炭素吸収粉末を充填したものや、バインダーを用いてペレット状にしたものなど、二酸化炭素吸収材を用いて気体を通過させることのできるように作製した膜を“二酸化炭素吸収材シート”と以下呼ぶこととする)を作製した。多孔質基材には、タピルス(株)製のポリフェニレンサルファイド(
PPS)からなる空孔率が70〜90%程度の不織布を用いた。充填方法は、多孔質基材の上に表1に示す粉末を置き、粉末の上から平板で粉末を擦り付けて多孔質基材の中に充填させて作製した。
二酸化炭素吸収材として表1に示す粉末を用いて、多孔質基材上や多孔質基材中に充填することにより、二酸化炭素吸収材シート(多孔質基材に二酸化炭素吸収粉末を充填したものや、バインダーを用いてペレット状にしたものなど、二酸化炭素吸収材を用いて気体を通過させることのできるように作製した膜を“二酸化炭素吸収材シート”と以下呼ぶこととする)を作製した。多孔質基材には、タピルス(株)製のポリフェニレンサルファイド(
PPS)からなる空孔率が70〜90%程度の不織布を用いた。充填方法は、多孔質基材の上に表1に示す粉末を置き、粉末の上から平板で粉末を擦り付けて多孔質基材の中に充填させて作製した。
、電池内における二酸化炭素吸収材と大気との接触状態の環境に置いて、二酸化炭素の吸収量(重量)から求めた。試験で用いた二酸化炭素吸収材は、平均粒径が40μmの粉末を用いた。
(2)空気電池の作製
所定の二酸化炭素吸収材シートを用いて、図1の部分断面図に示すようなコイン型空気電池を作製した。
所定の二酸化炭素吸収材シートを用いて、図1の部分断面図に示すようなコイン型空気電池を作製した。
この空気電池は、負極ケース1、その中に充填された亜鉛からなる負極2、負極ケース1の周縁に配されたリング状のガスケット3、正極−負極間に介在するセパレータ4、セパレータ4と一方の面を対面させた空気極(正極)5、空気極5の他方の面に固定された撥水膜6、撥水膜6と正極ケース8の間に配置された二酸化炭素吸収材シート7を内底面に固定した正極ケース8、ならびに正極ケース8の外底面に固定されたシール紙11を具備する。二酸化炭素吸収材シート7が固定された正極ケース8の内底面と撥水膜6との間には、空気拡散室9が設けられている。正極ケース8の底部には、空気孔10が設けられている。撥水膜6は、電解液の電池外部への漏液を防止するとともに、空気極5への酸素供給を担っている。
電池の未使用時には、電池内への空気の侵入を遮断し自己放電による電池の劣化を防止するため、空気孔10はシール紙11により封じられており、電池の使用時になるとシール紙11が剥がされる。
空気極5には、金属酸化物、黒鉛、活性炭およびフッ素系結着剤を主成分とする触媒をネット状の集電体に圧着したものを用い、以下の要領で作製した。
まず、カーボンブラック1.5kg、活性炭4.5kg、マンガン酸化物6kgおよびフッ素樹脂粉末0.88kgからなる合剤に水25kgを加え、混練後、偏平帯状のシートに押し出し成形した。成形後のシートを、約60℃に加熱した2本の圧延ローラ間に通して圧延し、厚み0.6mmのシートを得た。
次に、このシートを集電体の片面に圧着した。集電体は、線径約0.15mmのステンレス鋼線からなる40メッシュ相当のシートにニッケルメッキを施したものに黒鉛を塗布したものを用いた。
その後、得られたシートと集電体を圧着したものの集電体側に、ダイキン(株)製のD1(PTFEを60wt%含有した分散液)を塗布し、250℃で1時間乾燥した。その後、D1を塗布した面に、ジャパンゴアテックス(株)製のPTFE製多孔膜(品番:GF41(ガーレー数:450±150秒、空孔率:40±5%、厚さ:0.10±0.01mm))を圧着して貼り付け、空気極5を得た。
負極2は以下の要領で作製した。
負極を構成する亜鉛には、アトマイズ法で合成されたAl、BiおよびInを含有した亜鉛合金粉末を用いた。この亜鉛粉末1.3gを負極ケース11に取り、酸化亜鉛を3wt%含む濃度34wt%の水酸化カリウム水溶液を390μl加えて負極2を作製した。尚、本実験では、電解液濃度が34wt%KOHのアルカリ電解液を用いたが、アルカリ電解液の濃度は30wt%から45wt%の範囲内のものであれば使用可能である。
電解液中には、亜鉛の自己放電を抑制するためにZnOを溶解させてもよい。ZnOの溶解量は、各アルカリ濃度に対して飽和するまでの範囲で、適宜調整すればよい。また、
電解液には、水素ガスの発生を抑制するために、有機防食剤を溶解させても良い。有機防食剤は、水素発生を抑制するものであれば何でもよく、例えば、旭硝子(株)製のフルオロアルキルポリオキシエチレン(サーフロン#S−161)が挙げられる。
電解液には、水素ガスの発生を抑制するために、有機防食剤を溶解させても良い。有機防食剤は、水素発生を抑制するものであれば何でもよく、例えば、旭硝子(株)製のフルオロアルキルポリオキシエチレン(サーフロン#S−161)が挙げられる。
電解液は、ゲル化剤を添加してゲル状態にしても良い。ゲル化剤は、アルカリ電解液をゲル化できるものであれば何でもよく、様々な重合度、架橋度もしくは分子量を有するポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、キトサンゲル等が挙げられる。
(3)空気電池の評価
作製した空気電池を電流密度50mA/cm2で放電させ、得られた放電容量C1と、各電池が含む亜鉛重量から計算される理論容量C2(mAh)とから電池の初期の放電効率P1(%)を求めた。
作製した空気電池を電流密度50mA/cm2で放電させ、得られた放電容量C1と、各電池が含む亜鉛重量から計算される理論容量C2(mAh)とから電池の初期の放電効率P1(%)を求めた。
また、電池の空気孔を開封し、外気と空気極とを連通させた状態で、各電池を、20℃、相対湿度60%の恒温槽に10日間保存も行った。保存後、電流密度50mA/cm2で放電させ、電池の放電容量C3(mAh)を求めた。得られた放電容量C3と、各電池が含む亜鉛重量から計算される理論容量C4(mAh)とから電池の保存後の放電効率P2(%)を求めた。放電効率の値が大きいほど放電特性の優れた電池であるといえる。
なお、初期および保存後の放電効率は、「測定して得られた放電容量」を「各電池が含む亜鉛重量から計算される理論容量」で除した値の百分率で表される。
(4)空気電池の評価結果
実施例1の各電池と二酸化炭素吸収シートを用いない電池(比較例1)についての評価結果を表2に示す。
実施例1の各電池と二酸化炭素吸収シートを用いない電池(比較例1)についての評価結果を表2に示す。
保存後の評価では、比較例1の電池の放電効率が10%であるのに対し、二酸化炭素吸収シートを採用した場合では、試験1〜12に示されるように50%以上の放電効率が得
られた。さらに、1日あたりKOH量の単位グラムあたり二酸化炭素吸収する量が5mg以上の試験1〜8の場合では、70%以上の放電効率が得られた。
られた。さらに、1日あたりKOH量の単位グラムあたり二酸化炭素吸収する量が5mg以上の試験1〜8の場合では、70%以上の放電効率が得られた。
よって電池内に含まれるKOH量の単位グラムあたり二酸化炭素を少なくとも5mg/day吸収する量であることがより好ましいことがわかった。
さらに試験5〜8の保存後の放電効率の値が、試験1〜4に比較して5%程度良好であることから、電池内に含まれるKOH量の単位グラムあたり二酸化炭素を5〜30mg/day吸収する量であることがより好ましいことがわかった。
(1)二酸化炭素吸収材の形成
二酸化炭素吸収材として表3に示されるように平均粒径が異なるCa(OH)2を用い、それらにバインダーとしてPTFE粉末を20wt%加えて混合し、その混合粉末に19.7MPa/cm2の圧力をかけてペレット化した。このペレットを二酸化炭素吸収材シートとして用い、電池評価を行った。
二酸化炭素吸収材として表3に示されるように平均粒径が異なるCa(OH)2を用い、それらにバインダーとしてPTFE粉末を20wt%加えて混合し、その混合粉末に19.7MPa/cm2の圧力をかけてペレット化した。このペレットを二酸化炭素吸収材シートとして用い、電池評価を行った。
なお、二酸化炭素吸収材の粒子の平均粒径は、レーザ式粒度分布測定法を用いて行った。測定装置には、HORIBA(株)製のレーザ回折散乱式粒度分布測定装置を用い、ここでは測定試料のメジアン径を平均粒径とした。
(2)空気電池の評価結果
実施例2の各電池と二酸化炭素吸収シートを用いない電池(比較例1)についての評価結果を表3に示す。
実施例2の各電池と二酸化炭素吸収シートを用いない電池(比較例1)についての評価結果を表3に示す。
保存後の評価では、比較例1の電池の放電効率が10%であるのに対し、試験13〜23の二酸化炭素吸収シートを採用した電池では、50%以上の放電効率が得られ、さらに二酸化炭素吸収材の平均粒径が1〜100μmを使用した試験15〜21では、が70%以上の放電効率が得られ、より良好な結果となった。
このように、二酸化炭素吸収材の平均粒径が1μm以上100μm以下である二酸化炭素吸収材を配すると、高率放電が初期、ならびに開封保存後も良好になることがわかった。
さらに、試験17〜21の保存後の放電効率は、80%以上得られることがわかり、二酸化炭素吸収材の平均粒径が1μm以上50μm以下であることがより好ましいことがわかった。
(1)二酸化炭素吸収材の形成
二酸化炭素吸収材として表1に示される材料で平均粒径が30μmの材料にバインダーとしてPTFE粉末を20wt%加えて混合し、その混合粉末に19.7MPa/cm2の圧力をかけてペレット化した。このペレットを二酸化炭素吸収材シートとして用い、電池評価を行った。
二酸化炭素吸収材として表1に示される材料で平均粒径が30μmの材料にバインダーとしてPTFE粉末を20wt%加えて混合し、その混合粉末に19.7MPa/cm2の圧力をかけてペレット化した。このペレットを二酸化炭素吸収材シートとして用い、電池評価を行った。
(2)空気電池の評価結果
実施例3の各電池と二酸化炭素吸収シートを用いない電池(比較例1)についての評価結果を表4に示す。
実施例3の各電池と二酸化炭素吸収シートを用いない電池(比較例1)についての評価結果を表4に示す。
保存後の評価では、二酸化炭素吸収シートを用いた試験24〜34では70%以上の電効率が得られ、高率放電が可能であることがわかった。中でも試験25の二酸化炭素吸収材として、Ca(OH)2を使用した場合では、保存後の評価においても、放電効率が依然80%以上を維持でき、特に優れていることがわかった。
このように、二酸化炭素吸収材がLiOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Ba(OH)2、Sr(OH)2、Li2ZrO3、Li2SiO3、Li4SiO4、MgO、活性炭、ゼオライトであれば、高率放電が初期、開封保存後も良好になることがわかった。なかでもCa(OH)2を用いれば、高率放電が初期、開封保存後もかなり良好になることがわかった。
本発明の空気電池は、高率放電が可能で、かつ開封保存特性に優れることから、例えば携帯電話機やデジタルスチールカメラなどのモバイル機器の電源として、用途展開が可能である。
1 負極ケ−ス
2 負極
3 ガスケット
4 セパレ−タ
5 空気極
6 撥水膜
7 二酸化炭素吸収材シート
8 正極ケ−ス
9 空気拡散室
10 空気孔
11 シ−ル紙
12 触媒層
13 集電体
2 負極
3 ガスケット
4 セパレ−タ
5 空気極
6 撥水膜
7 二酸化炭素吸収材シート
8 正極ケ−ス
9 空気拡散室
10 空気孔
11 シ−ル紙
12 触媒層
13 集電体
Claims (4)
- 空気極と、空気孔を有する正極ケースとの間に二酸化炭素吸収材を配する空気電池。
- 前記二酸化炭素吸収剤として、電池内に含まれるKOH量の単位グラムあたり二酸化炭素を少なくとも5mg/day吸収する量が配される請求項1に記載の空気電池。
- 前記二酸化炭素吸収材の平均粒径が1μm以上100μm以下である請求項1に記載の空気電池。
- 前記二酸化炭素吸収材がLiOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Ba(OH)2、Sr(OH)2、Li2ZrO3、Li2SiO3、Li4SiO4、MgO、活性炭およびゼオライトからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載の空気電池。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2005-11-22 JP JP2005336550A patent/JP2007141745A/ja active Pending
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