JP2003176696A - プレハブトンネル及びその構築方法 - Google Patents
プレハブトンネル及びその構築方法Info
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- JP2003176696A JP2003176696A JP2001377946A JP2001377946A JP2003176696A JP 2003176696 A JP2003176696 A JP 2003176696A JP 2001377946 A JP2001377946 A JP 2001377946A JP 2001377946 A JP2001377946 A JP 2001377946A JP 2003176696 A JP2003176696 A JP 2003176696A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】現場環境への対応性を向上させたプレハブトン
ネル及びその構築方法を提供すること目的とする。 【解決手段】相対向して立設したプレキャストコンクリ
ート製の側壁10と、この側壁10の頂部13間に架設
した場所打ちコンクリート製の天版20とでプレハブト
ンネル1を構築する。天版10と側壁10とを場所打ち
コンクリート25で一体構造物とする。
ネル及びその構築方法を提供すること目的とする。 【解決手段】相対向して立設したプレキャストコンクリ
ート製の側壁10と、この側壁10の頂部13間に架設
した場所打ちコンクリート製の天版20とでプレハブト
ンネル1を構築する。天版10と側壁10とを場所打ち
コンクリート25で一体構造物とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレキャスト版を
用いたプレハブトンネル及びその構築方法に関する。
用いたプレハブトンネル及びその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に示すように、従来のプレハブトン
ネルaは、円弧形を呈する2枚のプレキャスト版bより
なり、相対向してもたれさせて立設して略半円形や馬蹄
形のトンネルスパンを組み立てる。この工程を繰り返し
てトンネル軸方向へ延長してプレハブトンネルaを構築
する。このようにして構築したプレハブトンネルaの周
囲を埋め戻して所定のトンネルを得る。
ネルaは、円弧形を呈する2枚のプレキャスト版bより
なり、相対向してもたれさせて立設して略半円形や馬蹄
形のトンネルスパンを組み立てる。この工程を繰り返し
てトンネル軸方向へ延長してプレハブトンネルaを構築
する。このようにして構築したプレハブトンネルaの周
囲を埋め戻して所定のトンネルを得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来のプレハブトンネルaには、次のような問題があ
った。 <イ>従来のプレハブトンネルaは規格品で、そのトン
ネル高さや裾幅、曲率に応じて数パターンが存在するの
みである。そのため、規格品のプレハブトンネルaの寸
法に合わせて、現場で据付面の高さ調整などをしなけれ
ばならず、手数がかかる。 <ロ>従来のプレキャスト版は、鉄筋コンクリート製あ
るいはPCコンクリート製である。そのため、コンクリ
ートの躯体厚が厚くなって重くなり、運搬コストや施工
コストが増大する。 <ハ>アーチ形状の場合、建築限界に対して上方に余分
な空間が生じやすく、無駄である。また、これにより浅
い土被り条件では、対応が難しく、接合したクラウン部
の撓み量が大きくなり、ひび割れを生じやすい。 <ニ>接合面の剛性が確保しにくく、ヒンジに近い挙動
を示すため構造安定性に乏しい。 <ホ>1スパン毎にトンネル軸方向の接合面をボルト等
で連結しており、連結作業に多くの労力と時間を要す
る。 <ヘ>2枚のプレートをもたれさせるためには、2台の
トラッククレーンを必要とし、施工コストが増大する。
な従来のプレハブトンネルaには、次のような問題があ
った。 <イ>従来のプレハブトンネルaは規格品で、そのトン
ネル高さや裾幅、曲率に応じて数パターンが存在するの
みである。そのため、規格品のプレハブトンネルaの寸
法に合わせて、現場で据付面の高さ調整などをしなけれ
ばならず、手数がかかる。 <ロ>従来のプレキャスト版は、鉄筋コンクリート製あ
るいはPCコンクリート製である。そのため、コンクリ
ートの躯体厚が厚くなって重くなり、運搬コストや施工
コストが増大する。 <ハ>アーチ形状の場合、建築限界に対して上方に余分
な空間が生じやすく、無駄である。また、これにより浅
い土被り条件では、対応が難しく、接合したクラウン部
の撓み量が大きくなり、ひび割れを生じやすい。 <ニ>接合面の剛性が確保しにくく、ヒンジに近い挙動
を示すため構造安定性に乏しい。 <ホ>1スパン毎にトンネル軸方向の接合面をボルト等
で連結しており、連結作業に多くの労力と時間を要す
る。 <ヘ>2枚のプレートをもたれさせるためには、2台の
トラッククレーンを必要とし、施工コストが増大する。
【0004】
【発明の目的】本発明は、以上の点に鑑みてなされたも
ので、現場環境への対応性を向上させたプレハブトンネ
ル及びその構築方法を提供すること目的とする。また、
本発明は、高強度構造を可能としたプレハブトンネル及
びその構築方法を提供すること目的とする。また、本発
明は、現地での施工性を向上させるとともに施工コスト
の安いプレハブトンネル及びその構築方法を提供するこ
と目的とする。本発明は、上記目的のうち少なくとも一
つを達成するようにしたものである。
ので、現場環境への対応性を向上させたプレハブトンネ
ル及びその構築方法を提供すること目的とする。また、
本発明は、高強度構造を可能としたプレハブトンネル及
びその構築方法を提供すること目的とする。また、本発
明は、現地での施工性を向上させるとともに施工コスト
の安いプレハブトンネル及びその構築方法を提供するこ
と目的とする。本発明は、上記目的のうち少なくとも一
つを達成するようにしたものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記のような目的を達
成するために、本発明のプレハブトンネルは、相対向し
て立設したプレキャストコンクリート製の側壁と、前記
側壁の頂部間に架設した場所打ちコンクリート製の天版
と、からなり、前記天版と前記側壁とをコンクリートの
一体構造物としたことを特徴とするものである。
成するために、本発明のプレハブトンネルは、相対向し
て立設したプレキャストコンクリート製の側壁と、前記
側壁の頂部間に架設した場所打ちコンクリート製の天版
と、からなり、前記天版と前記側壁とをコンクリートの
一体構造物としたことを特徴とするものである。
【0006】また本発明のプレハブトンネルは、天版が
鋼板と場所打ちコンクリートによる合成構造物であるこ
とを特徴とするものである。
鋼板と場所打ちコンクリートによる合成構造物であるこ
とを特徴とするものである。
【0007】また本発明のプレハブトンネルは、鋼板の
上面に、トンネル横断方向に向けて有孔構造の補強板を
突設し、前記補強板をトンネル軸方向に沿って並設した
ことを特徴とするものである。
上面に、トンネル横断方向に向けて有孔構造の補強板を
突設し、前記補強板をトンネル軸方向に沿って並設した
ことを特徴とするものである。
【0008】また本発明のプレハブトンネルは、天版が
ハーフプレキャスト版と、該ハーフプレキャスト版内に
打設する場所打ちコンクリートとからなることを特徴と
するトものである。
ハーフプレキャスト版と、該ハーフプレキャスト版内に
打設する場所打ちコンクリートとからなることを特徴と
するトものである。
【0009】また本発明のプレハブトンネルは、側壁と
天版との間をPC材で緊結したことを特徴とするもので
ある。
天版との間をPC材で緊結したことを特徴とするもので
ある。
【0010】また本発明のプレハブトンネルの構築方法
は、前記のプレハブトンネルを構築する方法であって、
プレキャストコンクリート製の側壁を相対向させて立設
し、前記側壁の頂部間に鋼板を載置し、前記鋼板の上面
にコンクリートを現場で打設して前記側壁上端と一体構
造のコンクリート製の天版を構築することを特徴とする
ものである。
は、前記のプレハブトンネルを構築する方法であって、
プレキャストコンクリート製の側壁を相対向させて立設
し、前記側壁の頂部間に鋼板を載置し、前記鋼板の上面
にコンクリートを現場で打設して前記側壁上端と一体構
造のコンクリート製の天版を構築することを特徴とする
ものである。
【0011】また本発明のプレハブトンネルの構築方法
は、前記のプレハブトンネルを構築する方法であって、
プレキャストコンクリート製の側壁を相対向させて立設
し、前記側壁の頂部間にハーフプレキャスト版を載置
し、前記ハーフプレキャスト版にコンクリートを現場で
打設して前記側壁上端と一体構造のコンクリート製の天
版を構築することを特徴とするものである。
は、前記のプレハブトンネルを構築する方法であって、
プレキャストコンクリート製の側壁を相対向させて立設
し、前記側壁の頂部間にハーフプレキャスト版を載置
し、前記ハーフプレキャスト版にコンクリートを現場で
打設して前記側壁上端と一体構造のコンクリート製の天
版を構築することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態1】以下、図面を参照しながら本発
明に係る一実施の形態について説明する。
明に係る一実施の形態について説明する。
【0013】<イ> 全体の構成
図1に本発明のプレキャスト版を用いたプレハブトンネ
ル1(以下、トンネル1という)の全体構造を示し、図2
及び図3に側壁10と天版20との接合部を断面した側
面図を示す。トンネル1は、相対向して立設した側壁1
0と、この側壁10の頂部間に架設した場所打ちコンク
リート製の天版20とからなり、この天版20と側壁1
0とを場所打ちコンクリート25により一体に接合し、
一体構造物としたものである。
ル1(以下、トンネル1という)の全体構造を示し、図2
及び図3に側壁10と天版20との接合部を断面した側
面図を示す。トンネル1は、相対向して立設した側壁1
0と、この側壁10の頂部間に架設した場所打ちコンク
リート製の天版20とからなり、この天版20と側壁1
0とを場所打ちコンクリート25により一体に接合し、
一体構造物としたものである。
【0014】<ロ> 側壁
側壁10は、プレキャストコンクリート版からなり、相
対向して立設し、トンネル1の側壁を構成する。側壁1
0の下部にフーチング基礎11を形成し、側壁10の対
向面の頂部13に受部12を形成する。受部12の上面
を側壁10の頂部13と同一平面で連続するように形成
し、この受部12に後述する鋼板21を載置する。側壁
10の内部に鉄筋14を組み込んで頂部13から突出さ
せておいてもよい(図4参照)。側壁10はプレキャスト
コンクリート製であるから、予め製造環境の整った工場
などで製作し、現場へ運び込み、施工現場の設置条件に
応じて任意の間隔をもって相対向させることができる。
また、側壁10の高さ、フーチング基礎11は施工現場
の設置条件に応じて任意に設定する。
対向して立設し、トンネル1の側壁を構成する。側壁1
0の下部にフーチング基礎11を形成し、側壁10の対
向面の頂部13に受部12を形成する。受部12の上面
を側壁10の頂部13と同一平面で連続するように形成
し、この受部12に後述する鋼板21を載置する。側壁
10の内部に鉄筋14を組み込んで頂部13から突出さ
せておいてもよい(図4参照)。側壁10はプレキャスト
コンクリート製であるから、予め製造環境の整った工場
などで製作し、現場へ運び込み、施工現場の設置条件に
応じて任意の間隔をもって相対向させることができる。
また、側壁10の高さ、フーチング基礎11は施工現場
の設置条件に応じて任意に設定する。
【0015】<ハ>天版
天版20は、前記した相対向して立設された側壁10の
頂部13の間に架設するものである。天版20は、鋼板
21、補強板22、鉄筋24、場所打ちコンクリート2
5などからなる(図1、図2及び図3参照)。鋼板21
は、相対向する受部12に載置できるに十分な幅を有
し、また複数の側壁10、10に跨って架設可能な長さ
(トンネル軸方向に沿った長さ)を有する大きさとする。
鋼板21の上面に補強板22を設置する。補強板22
は、鋼板21の幅に略一致した長さを有しており、例え
ばT形鋼等の形鋼に孔23を適宜開口した有孔構造の板
体である。補強板22は、鋼製のものに限らず、強度が
大きく、耐食性にすぐれ、また軽量な材料である繊維強
化プラスチック(炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維)
等で構成してもよい。
頂部13の間に架設するものである。天版20は、鋼板
21、補強板22、鉄筋24、場所打ちコンクリート2
5などからなる(図1、図2及び図3参照)。鋼板21
は、相対向する受部12に載置できるに十分な幅を有
し、また複数の側壁10、10に跨って架設可能な長さ
(トンネル軸方向に沿った長さ)を有する大きさとする。
鋼板21の上面に補強板22を設置する。補強板22
は、鋼板21の幅に略一致した長さを有しており、例え
ばT形鋼等の形鋼に孔23を適宜開口した有孔構造の板
体である。補強板22は、鋼製のものに限らず、強度が
大きく、耐食性にすぐれ、また軽量な材料である繊維強
化プラスチック(炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維)
等で構成してもよい。
【0016】このように構成した補強板22を、鋼板2
1の上面にトンネル横断方向に向けて突設するように設
置する。また、この補強板22をトンネル軸方向に沿っ
て所定の間隔をもって、鋼板21の略全面にわたって多
数並設する。天版20に、補強板22をトンネル横断方
向へ向けて設置したのは、鋼板21に、トンネル横断方
向へ沿った曲げ強度を高め、天版20を高強度に設計し
て、躯体の薄肉化を図るためである。なお、天版20
は、若干のアーチ形状としてもよい。
1の上面にトンネル横断方向に向けて突設するように設
置する。また、この補強板22をトンネル軸方向に沿っ
て所定の間隔をもって、鋼板21の略全面にわたって多
数並設する。天版20に、補強板22をトンネル横断方
向へ向けて設置したのは、鋼板21に、トンネル横断方
向へ沿った曲げ強度を高め、天版20を高強度に設計し
て、躯体の薄肉化を図るためである。なお、天版20
は、若干のアーチ形状としてもよい。
【0017】<ニ>側壁と天版の接合手段
側壁10の頂部13と天版20との接合手段は、側壁1
0と天版20に跨って打設する場所打ちコンクリート2
5の付着力による。
0と天版20に跨って打設する場所打ちコンクリート2
5の付着力による。
【0018】次に、プレハブトンネル1の構築方法につ
いて説明する。
いて説明する。
【0019】<イ>側壁の立設
プレキャスト製の側壁10を現地へ運搬する。側壁10
を、トンネル構築予定の基礎地盤2上に任意の間隔をも
って相対向させて立設する。従来は、1スパン単位でト
ンネルを組み立てていたが、本発明では予め複数の側壁
10をトンネル軸方向へ沿って立設する。
を、トンネル構築予定の基礎地盤2上に任意の間隔をも
って相対向させて立設する。従来は、1スパン単位でト
ンネルを組み立てていたが、本発明では予め複数の側壁
10をトンネル軸方向へ沿って立設する。
【0020】<ロ>鋼板の載置
相対向して立設した複数の側壁10の頂部13間に、補
強板22付きの鋼板21を載置する。本例では受部12
間に載置する。次に、鉄筋24を組み立てる(図2(a)
参照)。
強板22付きの鋼板21を載置する。本例では受部12
間に載置する。次に、鉄筋24を組み立てる(図2(a)
参照)。
【0021】<ハ>コンクリートの打設及び天版の構築
側壁10と鋼板21の周囲に型枠30を組み立てた後、
現場にてコンクリート25を打設して天版20を構築す
る。天版20用のコンクリート25が、側壁10の頂部
13と天版20とを一体に接合するとともに、複数の側
壁10間を天版20が一体に連結する(図2(b)参照)。
現場にてコンクリート25を打設して天版20を構築す
る。天版20用のコンクリート25が、側壁10の頂部
13と天版20とを一体に接合するとともに、複数の側
壁10間を天版20が一体に連結する(図2(b)参照)。
【0022】また、補強板22が孔23を適宜開口した
有孔構造であるため、補強板22の両側に位置する場所
打ちコンクリート25を遮断することなく、補強板22
の両側のコンクリート25が連続した一体構造となる。
さらに、打設したコンクリート25が、補強板22の孔
23内に位置して天版20の剪断強度が高くなる。
有孔構造であるため、補強板22の両側に位置する場所
打ちコンクリート25を遮断することなく、補強板22
の両側のコンクリート25が連続した一体構造となる。
さらに、打設したコンクリート25が、補強板22の孔
23内に位置して天版20の剪断強度が高くなる。
【0023】また、天版20は、場所打ちコンクリート
25と鋼板21の合成構造体であるため、前記した有孔
構造の補強板22の補強効果と相まって、天版20の薄
肉化を図ることができる。また、本発明は、一枚ものの
天版20を複数の側壁10に跨って配置するとともに、
天版20と複数の側壁10間を一体に連結するものであ
る。そのため、トンネル方向へ配置した各側壁10間の
連結を簡素化することができる。なお、トンネル全長が
長い場合は、鋼板21を溶接して延長するか、あるいは
鋼板21単位で天版20を何回かに分けて構築する。
25と鋼板21の合成構造体であるため、前記した有孔
構造の補強板22の補強効果と相まって、天版20の薄
肉化を図ることができる。また、本発明は、一枚ものの
天版20を複数の側壁10に跨って配置するとともに、
天版20と複数の側壁10間を一体に連結するものであ
る。そのため、トンネル方向へ配置した各側壁10間の
連結を簡素化することができる。なお、トンネル全長が
長い場合は、鋼板21を溶接して延長するか、あるいは
鋼板21単位で天版20を何回かに分けて構築する。
【0024】
【発明の実施の形態2】以上は、天版20を、場所打ち
コンクリート25と、補強板22付きの鋼板21の合成
構造体としたが、天版20aをハーフプレキャスト版2
6と、このハーフプレキャスト版26内に打設する場所
打ちコンクリート25とにより構築してもよい(図4及
び図5参照)。ハーフプレキャスト版26は、相対向す
る側壁10の頂部13間または受部12間に載置できる
十分な幅を有し、また複数の側壁10、10に跨って架
設可能な長さ(トンネル軸方向に沿った長さ)を有する大
きさとする。ハーフプレキャスト版26の下部であっ
て、側壁10の頂部13に対面する箇所に開口部26a
を開設し、また鉄筋24を組み込んでおく。ハーフプレ
キャスト版26の開口部26aに、側壁10の頂部13
から突出する鉄筋14を差し込みながらハーフプレキャ
スト版26を側壁10の頂部13に載置する(図4参
照)。
コンクリート25と、補強板22付きの鋼板21の合成
構造体としたが、天版20aをハーフプレキャスト版2
6と、このハーフプレキャスト版26内に打設する場所
打ちコンクリート25とにより構築してもよい(図4及
び図5参照)。ハーフプレキャスト版26は、相対向す
る側壁10の頂部13間または受部12間に載置できる
十分な幅を有し、また複数の側壁10、10に跨って架
設可能な長さ(トンネル軸方向に沿った長さ)を有する大
きさとする。ハーフプレキャスト版26の下部であっ
て、側壁10の頂部13に対面する箇所に開口部26a
を開設し、また鉄筋24を組み込んでおく。ハーフプレ
キャスト版26の開口部26aに、側壁10の頂部13
から突出する鉄筋14を差し込みながらハーフプレキャ
スト版26を側壁10の頂部13に載置する(図4参
照)。
【0025】ハーフプレキャスト版26内に、場所打ち
コンクリート25を打設する。コンクリート25は、開
口部26aから側壁10の頂部13に流れ込み、天版2
0aは、側壁10と場所打ちコンクリート25により一
体に接合し(図5参照)、一体構造物となり、高強度構造
を可能としたトンネル1を構築する。また、ハーフプレ
キャスト版26は、トンネル軸方向に沿った複数の側壁
10、10に跨って架設可能な大きさのため、天版20
a用のコンクリート25が側壁10の頂部13と天版2
0aとを一体に接合するとともに、複数の側壁10間を
天版20が一体に連結する。
コンクリート25を打設する。コンクリート25は、開
口部26aから側壁10の頂部13に流れ込み、天版2
0aは、側壁10と場所打ちコンクリート25により一
体に接合し(図5参照)、一体構造物となり、高強度構造
を可能としたトンネル1を構築する。また、ハーフプレ
キャスト版26は、トンネル軸方向に沿った複数の側壁
10、10に跨って架設可能な大きさのため、天版20
a用のコンクリート25が側壁10の頂部13と天版2
0aとを一体に接合するとともに、複数の側壁10間を
天版20が一体に連結する。
【0026】
【発明の実施の形態3】天版20を、補強板21を省略
して、鋼板21と場所打ちコンクリート25とによる合
成構造物としてもよい。
して、鋼板21と場所打ちコンクリート25とによる合
成構造物としてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態4】天版20は直線形に限定され
ず、例えば天版20をトンネル外方へ多少湾曲させたア
ーチ状であってもよい。
ず、例えば天版20をトンネル外方へ多少湾曲させたア
ーチ状であってもよい。
【0028】
【発明の実施の形態5】側壁10と天版20との間をP
C材40で緊結してもよい。PC材40は、例えばPC
鋼線、PC鋼線より線、PC鋼棒などを使用し、公知の
定着具42で定着する。側壁10の頂部13からPC材
40を突出し、天版20を貫通させるか前記した開口部
26aを貫通させて配置し、PC材40を両端に設けた
支圧板41に定着具42を介して定着する。PC材40
を緊結することで、前記したコンクリート25の付着力
にさらに緊結力をもって側壁10の頂部13と天版20
との接合強度を高めることができる。
C材40で緊結してもよい。PC材40は、例えばPC
鋼線、PC鋼線より線、PC鋼棒などを使用し、公知の
定着具42で定着する。側壁10の頂部13からPC材
40を突出し、天版20を貫通させるか前記した開口部
26aを貫通させて配置し、PC材40を両端に設けた
支圧板41に定着具42を介して定着する。PC材40
を緊結することで、前記したコンクリート25の付着力
にさらに緊結力をもって側壁10の頂部13と天版20
との接合強度を高めることができる。
【0029】
【発明の実施の形態6】本発明を地下構造体1aとして
実施することも可能である。図7は複数の一体構造物を
横方向に隣接させて地下構造体1aを構築した実施形態
を示している。図1(b)は複数の一体構造物を縦方向に
隣接させて地下構造体1aを構築した実施形態を示して
いる。図1(c)は複数の一体構造物を縦横方向の両方
に隣接させて地下構造体1aを構築した実施形態を示し
ている。
実施することも可能である。図7は複数の一体構造物を
横方向に隣接させて地下構造体1aを構築した実施形態
を示している。図1(b)は複数の一体構造物を縦方向に
隣接させて地下構造体1aを構築した実施形態を示して
いる。図1(c)は複数の一体構造物を縦横方向の両方
に隣接させて地下構造体1aを構築した実施形態を示し
ている。
【0030】地下構造体1aはプレキャストコンクリー
ト製の側壁10と、場所打ちコンクリート製の天版20
とからなる地下構造体であって、前記プレキャストコン
クリート製の側壁10は相対向させて地下構造体の軸方
向に複数立設し、場所打ちコンクリート製の天版20は
前記側壁10の頂部間に架設し、前記天版20と前記側
壁10とをコンクリートの一体構造物とした後に、該一
体構造物を複数隣接させて構築したことを特徴とする。
ト製の側壁10と、場所打ちコンクリート製の天版20
とからなる地下構造体であって、前記プレキャストコン
クリート製の側壁10は相対向させて地下構造体の軸方
向に複数立設し、場所打ちコンクリート製の天版20は
前記側壁10の頂部間に架設し、前記天版20と前記側
壁10とをコンクリートの一体構造物とした後に、該一
体構造物を複数隣接させて構築したことを特徴とする。
【0031】地下構造体1aを構成するプレキャストコ
ンクリート製の側壁10と、場所打ちコンクリート製の
天版20は前記した発明の実施の形態1〜5と同様であ
るためその説明は省略する。
ンクリート製の側壁10と、場所打ちコンクリート製の
天版20は前記した発明の実施の形態1〜5と同様であ
るためその説明は省略する。
【0032】本実施の形態によれば、一般に用いられて
いる周囲にシートパイルを打設して仮締め切りを行い地
下構造体の躯体を構築する方法や、周囲に連続地中壁を
構築して開削を行い地下構造体の躯体を構築する方法等
と異なり、地下構造体をプレキャストコンクリート製の
側壁と場所打ちコンクリート製の天板とから構成してな
るから、工場出荷前に品質管理された高品質な地下構造
体とすることができる。また、プレキャストコンクリー
ト製の側壁と場所打ちコンクリート製の天版とからなる
から、現地での施工性を向上させるとともに施工コスト
の安い地下構造体とすることができる。
いる周囲にシートパイルを打設して仮締め切りを行い地
下構造体の躯体を構築する方法や、周囲に連続地中壁を
構築して開削を行い地下構造体の躯体を構築する方法等
と異なり、地下構造体をプレキャストコンクリート製の
側壁と場所打ちコンクリート製の天板とから構成してな
るから、工場出荷前に品質管理された高品質な地下構造
体とすることができる。また、プレキャストコンクリー
ト製の側壁と場所打ちコンクリート製の天版とからなる
から、現地での施工性を向上させるとともに施工コスト
の安い地下構造体とすることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようになるから
次のような効果を得ることができる。 <イ> プレキャストコンクリート製の側壁の上端間に
場所打ちコンクリート製の天版を架設してなるから、幅
員変化の対応性がよく、現場の設置条件に容易に合わせ
ることができ、現場環境への対応性を向上させたプレハ
ブトンネルとすることができる。 <ロ> 天版と側壁とを場所打ちコンクリートによる一
体構造物としてなるから、従来のようなヒンジ構造と異
なり、高強度構造及び不静定次数の大きい安全な構造と
することができる。また、天版をコンクリートと鋼板を
組み合わせた合成構造体とした場合は、天版の薄肉化を
図ることができる。 <ハ> プレキャストコンクリート製の側壁と場所打ち
コンクリート製の天版とからなるから、現地での施工性
を向上させるとともに施工コストの安いプレハブトンネ
ルとすることができる。 <ニ> プレキャストコンクリート製の側壁の上端間に
場所打ちコンクリート製の天版を架設してなるから、高
低差のある現場でも問題なく構築することができる。 <ホ> トンネル軸方向に沿った複数の側壁に跨って天
版を架設し、場所打ちコンクリートが側壁頂部と天版と
を一体に接合するとともに、複数の側壁間を天版が一体
に連結し、トンネル軸方向の連結の手間を省くことがで
きる。 <ヘ> アーチ形状と異なり、上方に余分な空間が生じ
ないため、浅い土被りに対応が可能である。
次のような効果を得ることができる。 <イ> プレキャストコンクリート製の側壁の上端間に
場所打ちコンクリート製の天版を架設してなるから、幅
員変化の対応性がよく、現場の設置条件に容易に合わせ
ることができ、現場環境への対応性を向上させたプレハ
ブトンネルとすることができる。 <ロ> 天版と側壁とを場所打ちコンクリートによる一
体構造物としてなるから、従来のようなヒンジ構造と異
なり、高強度構造及び不静定次数の大きい安全な構造と
することができる。また、天版をコンクリートと鋼板を
組み合わせた合成構造体とした場合は、天版の薄肉化を
図ることができる。 <ハ> プレキャストコンクリート製の側壁と場所打ち
コンクリート製の天版とからなるから、現地での施工性
を向上させるとともに施工コストの安いプレハブトンネ
ルとすることができる。 <ニ> プレキャストコンクリート製の側壁の上端間に
場所打ちコンクリート製の天版を架設してなるから、高
低差のある現場でも問題なく構築することができる。 <ホ> トンネル軸方向に沿った複数の側壁に跨って天
版を架設し、場所打ちコンクリートが側壁頂部と天版と
を一体に接合するとともに、複数の側壁間を天版が一体
に連結し、トンネル軸方向の連結の手間を省くことがで
きる。 <ヘ> アーチ形状と異なり、上方に余分な空間が生じ
ないため、浅い土被りに対応が可能である。
【図1】本発明のプレハブトンネルの全体構造を示す斜
視図。
視図。
【図2】側壁に天版を載置した状態を断面した側面図。
【図3】側壁と天版との接合部を断面した側面図。
【図4】本発明の他の実施例で、側壁に天版を載置した
状態を断面した側面図。
状態を断面した側面図。
【図5】本発明の他の実施例で、側壁と天版との接合部
を断面した側面図。
を断面した側面図。
【図6】本発明の他の実施例で、側壁と天版との接合部
を断面した側面図。
を断面した側面図。
【図7】本発明の他の実施例で、地下構造体を構築した
状態の簡略説明図。
状態の簡略説明図。
【図8】従来のプレハブトンネルを示す説明図。
1・・・プレハブトンネル
1a・・地下構造体
2・・・基礎地盤
10・・側壁
12・・受部
13・・頂部
20・・天版
21・・鋼板
22・・補強板
23・・孔
25・・場所打ちコンクリート
26・・ハーフプレキャスト版
30・・形枠
40・・PC材
41・・支圧板
42・・定着具
Claims (7)
- 【請求項1】相対向して立設したプレキャストコンクリ
ート製の側壁と、 前記側壁の頂部間に架設した場所打ちコンクリート製の
天版と、からなり、 前記天版と前記側壁とをコンクリートの一体構造物とし
たことを特徴とする、 プレハブトンネル。 - 【請求項2】請求項1に記載するプレハブトンネルにお
いて、天版が鋼板と場所打ちコンクリートによる合成構
造物であることを特徴とする、プレハブトンネル。 - 【請求項3】請求項2に記載するプレハブトンネルにお
いて、前記鋼板の上面に、トンネル横断方向に向けて有
孔構造の補強板を突設し、前記補強板をトンネル軸方向
に沿って並設したことを特徴とする、プレハブトンネ
ル。 - 【請求項4】請求項1に記載するプレハブトンネルにお
いて、前記天版がハーフプレキャスト版と、該ハーフプ
レキャスト版内に打設する場所打ちコンクリートとから
なることを特徴とする、プレハブトンネル。 - 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載す
るプレハブトンネルにおいて、前記側壁と天版との間を
PC材で緊結したことを特徴とする、プレハブトンネ
ル。 - 【請求項6】請求項1乃至請求項3のいずれかに記載す
るプレハブトンネルを構築する方法であって、 プレキャストコンクリート製の側壁を相対向させて立設
し、 前記側壁の頂部間に鋼板を載置し、 前記鋼板の上面にコンクリートを現場で打設して前記側
壁上端と一体構造のコンクリート製の天版を構築するこ
とを特徴とする、プレハブトンネルの構築方法。 - 【請求項7】請求項1または請求項4に記載するプレハ
ブトンネルを構築する方法であって、 プレキャストコンクリート製の側壁を相対向させて立設
し、 前記側壁の頂部間にハーフプレキャスト版を載置し、 前記ハーフプレキャスト版にコンクリートを現場で打設
して前記側壁上端と一体構造のコンクリート製の天版を
構築することを特徴とする、プレハブトンネルの構築方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001377946A JP2003176696A (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | プレハブトンネル及びその構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001377946A JP2003176696A (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | プレハブトンネル及びその構築方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003176696A true JP2003176696A (ja) | 2003-06-27 |
Family
ID=19185799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001377946A Pending JP2003176696A (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | プレハブトンネル及びその構築方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003176696A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT501450A1 (de) * | 2004-10-25 | 2006-09-15 | Monai Bernhard Dipl Ing | Verfahren und bauelement zum herstellen von zwischendecken in tunneln |
CN109098720A (zh) * | 2018-10-23 | 2018-12-28 | 山东万广建设工程有限公司 | 预制组合式地下构筑物产品及施工方法 |
-
2001
- 2001-12-11 JP JP2001377946A patent/JP2003176696A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT501450A1 (de) * | 2004-10-25 | 2006-09-15 | Monai Bernhard Dipl Ing | Verfahren und bauelement zum herstellen von zwischendecken in tunneln |
CN109098720A (zh) * | 2018-10-23 | 2018-12-28 | 山东万广建设工程有限公司 | 预制组合式地下构筑物产品及施工方法 |
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