JP2003176325A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂組成物Info
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Abstract
液晶表示素子基板や有機EL素子基板等に好適に用いる
ことができるポリカーボネート樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で示される繰り返し単
位を含み、ジメチルスルホキシド(DMSO)中60℃
で1時間加熱しても溶解しないポリカーボネート樹脂組
成物。 【化4】
Description
耐溶剤性、耐液晶性に優れたポリカーボネート樹脂組成
物に関するものであり、液晶表示素子基板や有機EL素
子基板等に好適に利用できる。
ニル)プロパンにカーボネート前駆体物質を反応させて
得られるポリカーボネートは透明性、耐熱性、寸法安定
性が優れていることからエンジニアリングプラスチック
として多くの分野に広く使用されている。特に透明性に
優れることから光学材料としての用途も多い。しかしな
がら、使用される用途が拡大するにつれて、より耐熱性
の高い材料が望まれている。一方、9、9’−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレンにカーボネート前駆
体を反応させて得られるポリカーボネートは公知であ
り、高屈折率で耐熱性が良好なことも知られている。し
かしながら、これら樹脂をプラスチック液晶表示素子基
板や有機EL素子基板等に用いるには、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)などの溶剤や配向剤中の溶剤などに
侵されないことが望ましく、優れた透明性や耐熱性を損
なうことなく耐溶剤性を改善することが望まれている。
する課題は、液晶表示素子基板や有機EL素子基板等に
も適用できる透明性、耐熱性、耐溶剤性、耐液晶性に優
れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することにあ
る。
(1) 一般式(1)で示される繰り返し単位を含み、
ジメチルスルホキシド(DMSO)中60℃で1時間加
熱しても溶解しないポリカーボネート樹脂組成物、
1から7までのアルキル基、アラルキル基を表し、それ
ぞれ同じでも異なっても良い。)(2) (a)一般式
(1)で示される繰り返し単位を含むポリカーボネート
樹脂99〜1重量部、及び(b)不飽和基を2つ以上有
する多官能モノマー1〜99重量部からなるポリカーボ
ネート樹脂組成物、(3) 不飽和基を2つ以上有する
多官能モノマー(b)の不飽和基がアリル基、ビニル
基、アクリル基、メタクリル基から選ばれた一種以上で
あることを特徴とする(2)項記載のポリカーボネート
樹脂組成物、(5)不飽和基を2つ以上有する化合物
(b)がジビニルビフェニルであることを特徴とする第
(2)項記載のポリカーボネート樹脂組成物、(7)不
飽和基を2つ以上有する多官能モノマー(b)がジシク
ロペンタジエニルジアクリレートであることを特徴とす
る第(2)項記載のポリカーボネート樹脂組成物(8)
有機過酸化物、電子線、紫外線から選ばれた一種以上の
架橋方法で架橋処理された第(1)〜(5)項のいずれ
か1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物、である。
は、原料のビスフェノールとして、一般式(2)
じである。)で表されるビスフェノール(c)が用いら
れる。ここで一般式(2)で表されるビスフェノール
(c)としては、様々なものが適用できる。具体的な例
としては、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレン、9,9’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)フルオレン、9,9’−ビス(4−ヒド
ロキシ−3、5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,
9’−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フ
ルオレン、などが挙げられる。これらの中でも9,9’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが特に好
ましい。これらのビスフェノールは、単独で用いてもよ
く、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
般式(2)で示されたビスフェノール(c)と他のビス
フェノールとの共重合体であってもよい。他のビスフェ
ノールとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン[通称ビスフェノールF]、1,1’−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、2,2’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、
1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン[通称ビス
フェノールS]、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、4,4’−ジヒドロキシビフェノールなどが
挙げられる。また、本発明のポリカーボネート樹脂は、
架橋性を良くするために、不飽和基を含有していても良
い。不飽和基を含有したポリカーボネート樹脂として
は、末端に不飽和基を付加したもの、不飽和基を含有す
るビスフェノールと共重合したものなどが挙げられる。
末端の不飽和基としては、アリル基、アクリル基、メタ
クリル基、マレイミド基などが例示できる。不飽和基を
含有するビスフェノールとしては、ビス(3−アリル−
4−ヒドロキシフェニル)メタン(通称ジアリルビスフ
ェノールF)、1,1’−ビス(3−アリル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,2’−ビス(3−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ジアリルビ
スフェノールA)、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル、ビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン(通称ジアリルビスフェノール
S)、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)ス
ルフィド、3、3’−ジアリル−4、4’−ヒドロキシ
ビフェノールなどが例示できる。
ポリカーボネートの製造において慣用されている方法、
例えば、ホスゲンまたはホスゲン誘導体を使用する界面
重縮合法及びジフェニルカルボナートなどを使用するエ
ステル交換法(溶融重合法)を用いて合成することがで
きる。これらの中では、界面重縮合法が好ましい。ホス
ゲンまたはホスゲン誘導体を用いる界面重縮合法として
は、例えば、ビスフェノール(c)を所定の割合で含有
するアルカリ水溶液と不活性有機溶剤との混合液に、ホ
スゲンまたはホスゲン誘導体を導入して反応させる方
法、あるいは予めビスフェノール(c)のポリカーボネ
ートオリゴマーをビスフェノール(c)とホスゲンまた
はホスゲン誘導体から合成しておき、これらの不活性有
機溶媒と、ビスフェノール(c)を所定の割合で含有す
るアルカリ水溶液とを反応させる方法などを挙げること
ができる。前記ホスゲン誘導体としては、ホスゲンをは
じめトリホスゲン、ブロモホスゲン、ビス(2,4,6
−トリクロロフェニル)カーボネート、ギ酸トリクロロ
メチルなどが挙げられる。これら中ではホスゲンまたは
トリホスゲンが特に好ましい。
子量は5千〜20万であることが好ましく、1万〜15
万であることがより好ましく、1万5千〜10万である
ことが最も好ましい。数平均分子量が5千以下では、重
合物が脆くなる傾向にあり、20万を越えると粘度が高
く成りすぎて成形性が悪くなる傾向にある。
多官能モノマー(b)としては、不飽和基を2つ以上有
する種々の化合物が適用できる。不飽和基としては、ア
リル基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基などが好
ましい。本発明で用いる不飽和基を2つ以上有する多官
能モノマーの具体例としては、トリアリルイソシアヌレ
ート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレー
トなどの多官能アリル化合物、ジビニルビフェニル、ジ
ビニルベンゼン、トリビニルシクロヘキサンなどの多官
能ビニル化合物、イソシアヌル酸トリアクリレート、イ
ソシアヌル酸トリエトキシトリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パントリエトキシトリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリプロポキシトリアクリレート、グリセリルプ
ロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルコキシ
レイテッドビスフェノールAジアクリレート、プロポキ
シレイテッドビスフェノールAジアクリレート、アルコ
キシレイテッド水添ビスフェノールAジアクリレート、
プロポキシレイテッド水添ビスフェノールAジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアル
コキシジアクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジ
アクリレートなどの多官能アクリレート化合物、前記多
官能アクリレート化合物のアクリル基をメタクリル基に
換えた多官能メタクリレート化合物などが挙げられ、こ
れらの中でもジビニルビフェニルおよびジシクロペンタ
ジエニルジアクリレートが特に好ましい。ジビニルビフ
ェニルとしては、4,4’−ジビニルビフェニル、3,
4’−ジビニルビフェニル、3,3’−ジビニルビフェ
ニル、2,2’−ジビニルビフェニル等が挙げられ、単
独で用いてもこれらの混合物として用いても良く、ま
た、モノビニルビフェニル等のビフェニル化合物を含む
混合物として用いても良い。ビフェニル化合物中のジビ
ニルビフェニルの含有量は、30%以上があることが望
ましく、50%以上であることが好ましい。
(a)と不飽和基を2つ以上有する多官能モノマー
(b)との割合は、(a)/(b)の重量%で、99/
1〜1/99であることが好ましく、98/2〜10/
90がより好ましく、95/5〜50/50が特に好ま
しい。(a)の割合が1重量%以下では架橋物が脆くな
る傾向にあり、99重量%を越えると(b)の添加効果
が認められず、耐溶剤性が不十分になる場合がある。
成物の架橋方法は、不飽和基の反応によって重合させる
ことができる方法であればいかなる方法でも適用でき
る。中でも、透明性の点から、有機過酸化物、電子線、
紫外線が好ましく、有機過酸化物を用いた加熱による架
橋や紫外線による架橋が特に好ましい。
有機過酸化物、電子線、紫外線等で架橋することにより
優れた耐溶剤性を有する部材となる。部材の成形方法
は、ポリカーボネート樹脂(a)と不飽和基を2つ以上
有する多官能モノマー(b)からなる組成物の粘度に合
わせて加工方法を選択することができる。例えば、樹脂
組成物を溶剤に溶かしたものをキャストし、溶媒を蒸発
した後、電子線又は紫外線照射、もしくは加熱によって
架橋して成形する、また、直接ロール又はベルトにキャ
ストする、さらには研磨ガラス等よりなる電子線や紫外
線が透過可能な2枚の相対する平板を用い、スペーサー
等によりキャビティーを形成させ、周辺部をシールして
なる注入型に注入して、電子線又は紫外線照射、もしく
は加熱によって架橋して成形することができる。また、
樹脂組成物を押出成形した後、電子線又は紫外線、もし
くは加熱により架橋して成形してもよい。
架橋は、不飽和ポリエステル等で適用されている通常の
有機過酸化物による架橋方法をそのまま適用できる。本
発明で使用される有機過酸化物としては、ジアルキルパ
ーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロパーオ
キサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステル
など公知のものを用いることができる。具体的には、ジ
クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル
−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルモノカーボネートなどが挙げられる。
の100重量部に対して、0.1〜10重量部が好まし
く、0.5〜5重量部がさらに好ましい。有機過酸化物
の配合量が0.1重量部より少ないと、充分な架橋が得
られず耐溶剤性に劣る傾向にあり、10重量部より多い
と架橋品の外観が悪化する傾向にある。
ネート樹脂組成物は、電子線などの放射線によっても架
橋できる。電子線の照射量は、100kGy〜2000
kGyの範囲が好ましく、500kGy〜1500kG
yの範囲がさらに好ましいが、この範囲を外れても得ら
れる架橋物の性質が目的範囲を外れない限り特に問題は
ない。放射線としては、種々の電子線加速器からの電子
線が好ましいが、放射性同位元素からのα線、β線、γ
線などの放射線も用いることができる。
ネート樹脂組成物は、光重合開始剤を添加し、紫外線で
も架橋することができる。光重合開始剤としては、例え
ばベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどが挙
げられる。これらの光重合開始剤は2種以上を併用して
もよい。
の100重量部に対して、0.02〜5重量部が好まし
く、0.05〜1重量部がさらに好ましい。光重合開始
剤の添加量が0.02重量部より少ないと十分に架橋で
きない傾向にあり、5重量部を越えると色相が悪化する
傾向にある。紫外線の照射量は、光重合開始剤がラジカ
ルを発生する範囲であれば任意であるが、光重合開始剤
の種類や量に合わせて0.1〜200Jの範囲で照射す
るのが好ましい。
目的で、電子線や紫外線の照射と熱重合を併用してもよ
い。すなわち、電子線や紫外線照射と同時にもしくは照
射後に組成物を30〜300℃に加熱する。この場合、
有機過酸化物を添加してもよい。また、本発明において
電子線もしくは紫外線照射による架橋を行った後、架橋
物を加熱することにより重合反応の完結及び重合時に発
生する内部歪みを低減することも可能である。加熱温度
は、架橋物の組成やガラス転移温度に合わせて適宜選択
するのが好ましい。
は、熱安定性、耐候性、耐久性、耐水性、防蝕性等を改
良するために、前述の成分以外に、紫外線吸収剤、光安
定剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、離型剤、イ
オン捕捉剤等の添加剤を加えて一層の性能改善を図るこ
ともできる。
らに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によっ
てなんら制限されるものではない。
(撹拌装置、環流管、ガス導入管、滴下ロート付き)中
で、1Mの水酸化ナトリウム水溶液240mlに、ビス
フェノールフルオレン14.0g、テトラブチルアンモ
ニウムブロミド0.007gを溶解させ、この溶液に
1,2−ジクロロエタン200mlを加えた。次に1,
2−ジクロロエタン50mlにトリホスゲン4.158
gを溶解した液を1時間かけて滴下し、さらに30分撹
拌して反応を行った。反応終了後、有機相を分離し、水
で洗浄したのち、メチルエチルケトン中に投入した。析
出物を濾過し、アセトンで洗浄し、乾燥させた。その結
果、数平均分子量23,000、ガラス転移温度Tg=
281℃のポリカーボネート共重合体を得た。
BP)2gをクロロホルム20gに溶解し、その中に有
機過酸化物としてビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソ
プロピルベンゼン[日本油脂(株)製「パーブチル
P」]0.1gを溶解させた後、この溶液を離型処理し
たガラス板上にキャストし、窒素雰囲気下のオーブン中
で150℃*1時間+175℃*1時間+200℃*1
時間加熱して架橋させた後、さらに減圧下のオーブン中
で250℃*1時間減圧加熱して厚さ0.2mmのシー
トを得た。 実施例2 ポリカーボネート樹脂を6g、ジビニルビフェニルを4
gに換えた以外は実施例1と同様にしてシートを得た。 実施例3 ポリカーボネート樹脂5gとジシクロペンタジエニルジ
アクリレート(DCPDA)[東亞合成製M−203]
5gを用いて実施例1と同様にしてシートを得た。 実施例4 ポリカーボネート樹脂5gとトリアクリルイソシアヌレ
ート(TAIC)5gを用いて実施例1と同様にしてシ
ートを得た。 実施例5 ポリカーボネート樹脂8gとジビニルビフェニル2gを
クロロホルム20gに溶解した溶液を離型処理したガラ
ス板上にキャストし、1000kGyの電子線を照射し
て架橋させた後、さらに減圧下のオーブン中で250℃
*1時間減圧加熱して厚さ0.2mmのシートを得た。 実施例6 ポリカーボネート樹脂5gとジシクロペンタジエニルジ
アクリレート5gをクロロホルム10gに溶解し、その
中に光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン[チバガイギー社製「イルガキュア18
4」]0.05gを溶解させた後、この溶液を離型処理
したガラス板上にキャストし、500mJ/cm2を照
射して架橋させた後、さらに窒素雰囲気下のオーブン中
で275℃*3時間加熱して厚さ0.2mmのシートを
得た。 実施例7 ポリカーボネート樹脂を8g、ジシクロペンタジエニル
ジアクリレートを2gに換えた以外は、実施例6と同様
にしてシートを得た。 実施例8 ポリカーボネート樹脂を6g、ジシクロペンタジエニル
ジアクリレートを4gに換えた以外は、実施例6と同様
にしてシートを得た。 実施例9 ポリカーボネート樹脂を4g、ジシクロペンタジエニル
ジアクリレートを6gに換えた以外は、実施例6と同様
にしてシートを得た。 実施例10 ポリカーボネート樹脂を1g、ジシクロペンタジエニル
ジアクリレートを9gに換えた以外は、実施例6と同様
にしてシートを得た。
解した溶液を離型処理したガラス板上にキャストし、窒
素雰囲気下のオーブン中で150℃*1時間+175℃
*1時間+200℃*1時間加熱乾燥させた後、さらに
減圧下のオーブン中で250℃*1時間減圧加熱して厚
さ0.2mmのシートを得た。 比較例2 トリアリルイソシアヌレート10gに有機過酸化物とし
てビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼ
ン[日本油脂(株)製「パーブチルP」]0.1gを混
合した後、この混合物を離型処理したガラス板上にキャ
ストし、窒素雰囲気下のオーブン中で150℃*1時間
+175℃*1時間+200℃*1時間加熱して架橋さ
せた後、さらに減圧下のオーブン中で250℃*1時間
減圧加熱した。得られた架橋物は、非常に脆く、シート
化できなかった。
て、下記の方法により、色、光線透過率、耐溶剤性(D
MSO)、耐配向剤性、耐液晶性、耐熱性(Tg)を評
価した。 <評価方法> 色: 目視によって外観を観察した。 光線透過率: 日立製作所製U3200型分光光度計
で500nmの光線透過率を測定した。 耐DMSO性: 60℃のジメチルスルホキシド(D
MSO)に試料を浸漬して60分間放置した後、試料を
取り出し、目視にて外観を観察した。 耐配向剤性: スピンコーター上に試料を設置し、そ
の表面に配向剤CRD−8201(住友ベークライト
製)を滴下した後、2500rpmでスピンコートし
た。180℃60分乾燥処理後、目視にて外観を観察し
た。 耐液晶性: シートの表面にメルク社製ZIL−47
92を1滴たらし、80℃のオーブン中で1時間放置し
た後、試料を取り出し、目視にて外観を観察した。 耐熱性(Tg): 実施例1〜5および比較例1〜2
ではセイコー電子(株)製DSC−220型示差走査熱
量計でJIS K 7121に準じてガラス転移温度
(Tg)を測定した。実施例6〜10では、セイコー電
子(株)製DMS−210型粘弾性測定装置で1Hzで
のtanδの最大値をガラス転移温度(Tg)とした。
なお、耐DMSO性および耐液晶性に関する温度および
処理条件については、多少の差異があっても評価結果に
影響しないことを確認している。
から明らかなように、実施例1〜10はいずれも従来の
ビスフェノールフルオレンからなるポリカーボネートの
欠点であった耐DMSO性及び耐配向剤性が改善され、
かつTgが220℃以上の耐熱性、光線透過率が88%
以上の透明性及び耐液晶性を有する液晶表示素子基板や
有機EL表示素子基板に適したシートを得ることができ
る。
は、透明性、耐溶剤性、耐液晶性、耐熱性に優れ、ガラ
ス基板に代えて液晶表示素子基板や有機EL表示素子基
板に好適に用いることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(1)で示される繰り返し単位を
含み、ジメチルスルホキシド(DMSO)中60℃で1
時間加熱しても溶解しないポリカーボネート樹脂組成
物。 【化1】 (R1、R2、R3、R4は水素又は炭素数1から7までの
アルキル基、アラルキル基を表し、それぞれ同じでも異
なっても良い。) - 【請求項2】 (a)一般式(1)で示される繰り返し
単位を含むポリカーボネート樹脂99〜1重量部、及び
(b)不飽和基を2つ以上有する多官能モノマー1〜9
9重量部からなるポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項3】 不飽和基を2つ以上有する多官能モノマ
ー(b)の不飽和基がアリル基、ビニル基、アクリル
基、メタクリル基から選ばれた一種以上であることを特
徴とする請求項2記載のポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項4】 不飽和基を2つ以上有する化合物(b)
がジビニルビフェニルであることを特徴とする請求項2
記載のポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項5】 不飽和基を2つ以上有する多官能モノマ
ー(b)がジシクロペンタジエニルジアクリレートであ
ることを特徴とする請求項2記載のポリカーボネート樹
脂組成物 - 【請求項6】 有機過酸化物、電子線、紫外線から選ば
れた一種以上の架橋方法で架橋処理された請求項1〜5
のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
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