JP2003174263A - 多層電子部品 - Google Patents

多層電子部品

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JP2003174263A JP2001374894A JP2001374894A JP2003174263A JP 2003174263 A JP2003174263 A JP 2003174263A JP 2001374894 A JP2001374894 A JP 2001374894A JP 2001374894 A JP2001374894 A JP 2001374894A JP 2003174263 A JP2003174263 A JP 2003174263A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成時に積層体内部のガスを効率良く外へ飛
散させることができる多層電子部品を提供する。 【解決手段】 積層型LCフィルタ40Aは、空穴41
a〜43b、インダクタ用ビアホール21a〜23e、
共振用コンデンサ電極24〜26、シールド電極30〜
32をそれぞれ設けた絶縁シート1〜13などにて構成
されている。インダクタ用ビアホール21a〜21e,
22a〜22e,23a〜23eは、それぞれ絶縁シー
ト1〜13の積み重ね方向に連接して柱状ビアインダク
タL1,L2,L3を形成している。空穴41a,41
b、42a,42b、43a,43bは、それぞれ絶縁
シート1〜13の積み重ね方向に連接してガス抜き穴4
1,42,43を形成する。ガス抜き穴41,42,4
3の下端(空穴41b,42b,43b)は、ビアイン
ダクタL1,L2,L3に連接している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多層電子部品、特
に、積層型LCフィルタや多層基板などの多層電子部品
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の多層電子部品として、従来よ
り、図6に示す構成のLCフィルタ40が知られてい
る。このLCフィルタ40は、インダクタ用ビアホール
21a〜21e,22a〜22e,23a〜23e、共
振用コンデンサ電極24,25,26、結合用コンデン
サ電極27,28、減衰極調整用コンデンサ電極29、
入出力引出し電極33,34、折り返し電極14a〜1
7bおよびシールド電極30〜32をそれぞれ設けた絶
縁シート1〜13などにて構成されている。
【0003】絶縁シート1〜13は積み重ねられた後、
圧着され、一体的に焼成されることにより、図7に示す
積層体55とされる。積層体55には、入力端子56、
出力端子57およびグランド端子Gが形成されている。
入力端子56には入力引出し電極33が接続され、出力
端子57には出力引出し電極34が接続されている。グ
ランド端子Gにはシールド電極30〜32が接続されて
いる。
【0004】以上のLCフィルタ40は、インダクタ用
ビアホール21a〜21e,22a〜22e,23a〜
23eがそれぞれ絶縁シート1〜13の積み重ね方向に
連接して柱状ビアインダクタL1,L2,L3を構成す
る。共振用コンデンサ電極24,25,26は、それぞ
れ絶縁シート8〜11を挟んでシールド電極32に対向
することにより、共振用コンデンサC1,C2,C3を
形成する。柱状ビアインダクタL1とコンデンサC1と
でLC共振器Q1を構成し、柱状ビアインダクタL2と
コンデンサC2とでLC共振器Q2を構成し、柱状ビア
インダクタL3とコンデンサC3とでLC共振器Q3を
構成している。結合用コンデンサ電極27,28は、絶
縁シート8,9を挟んで共振用コンデンサ電極24〜2
6に対向することにより、結合用コンデンサCs1,C
s2を形成する。LC共振器Q1〜Q3は、結合用コン
デンサCs1,Cs2を介して結合され、3段のバンド
パスフィルタ回路を構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、絶縁シート
1〜13を積み重ねて圧着する際、積層体内部にエア溜
まりを形成する場合がある。このようなエア溜まりが形
成されている積層体を焼成すると、エア溜まりの部分で
層間剥がれが起き易くなる。
【0006】また、インダクタ用ビアホール21a〜2
1e,22a〜22e,23a〜23eの形成に使用さ
れる導電体材料は、通常、バインダの含有率が高い材料
が使用される。インダクタ用の穴に充填される導電体材
料の量が多すぎて過充填になると、焼成時の導電体材料
の膨張収縮によって積層体に亀裂が生じることがあるの
で、過充填防止のためである。バインダは焼成時にガス
化され、積層体の外に飛散する。しかし、焼成時間を短
くするために急速に昇温すると、インダクタ用ビアホー
ル21a〜23eの導電体材料から急激に発生するガス
が積層体の外へ飛散することができず、インダクタ用ビ
アホール21a〜23eの周囲にガス溜まりが発生し、
層間剥がれや電極剥離などの不具合が起きる。このた
め、昇温速度を抑えて焼成時間を長くし、ガスを徐々に
発生させる必要があり、量産化を妨げる一つの要因とな
っていた。
【0007】この対策として、絶縁シート1〜13を積
み重ねて圧着した積層体にレーザやプレス等でガス抜き
穴をあけた後、焼成する方法が提案されている。しか
し、この方法では、絶縁シート1〜13を積み重ねて圧
着する際に起きるエア溜まりを防ぐことができないし、
高度の穴あけ加工技術や設備が必要であり、製造コスト
が高価である。
【0008】そこで、本発明の目的は、焼成時に積層体
内部のガスを効率良く外へ飛散させることができる多層
電子部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】前記目的を達
成するため、本発明に係る多層電子部品は、絶縁層を積
み重ねて構成した積層体内に電気機能素子を形成した多
層電子部品であって、絶縁層に設けたビアホールからな
るビア導体と、絶縁層に設けたガス抜き穴とを備え、ビ
ア導体と前記ガス抜き穴が連接し、ガス抜き穴の開口部
が積層体の表面に形成されている。
【0010】ここに、ビアホールは、絶縁層に設けた穴
にスクリーン印刷等の方法で導電体材料を実質的に充填
したものを意味する。また、ガス抜き穴は、絶縁層に設
けた穴に導電体材料を充填していない空穴、あるいは、
絶縁層に設けた穴の内周壁にめっき等の方法で導電体材
料を付与したもので穴が塞がっていないものを意味す
る。また、ビア導体は、例えばビアホールを連接するこ
とによりインダクタを構成するビアインダクタであり、
ビア導体を構成しているビアホールは例えば長穴であ
る。
【0011】以上の構成により、ガス抜き穴を通して、
ビア導体と外界とが連通される。従って、ビア導体の導
電体材料から発生するガスの抜け性が向上し、ビア導体
の周囲にガスが溜まりにくくなる。
【0012】また、ガス抜き穴の横断面積をビア導体の
横断面積より小さく設定することにより、外部端子形成
用めっき液がガス抜き穴に侵入しにくくなり、内部電極
の劣化等を防止することができる。また、ガス抜き穴に
接しているビアホールをシールド電極に含めるようにす
ると、たとえ外部端子形成用めっき液がガス抜き穴に侵
入しても、シールド電極で堰き止められ、内部電極の劣
化等を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る多層電子部品
の実施形態について添付図面を参照して説明する。本実
施形態は、図6および図7に示した従来の積層型LCフ
ィルタ40に本発明を適用したものである。
【0014】図1に積層型LCフィルタ40Aの構成を
示し、図3および図4にそれぞれLCフィルタ40Aの
外観斜視図および電気等価回路図を示す。LCフィルタ
40AはLC共振器Q1,Q2,Q3を有する3段のバ
ンドパスフィルタである。図1に示すように、積層型L
Cフィルタ40Aは、従来の積層型LCフィルタ40の
絶縁シート1,2にそれぞれ空穴41a,41b,42
a,42b,43a,43bを設けたものである。
【0015】絶縁シート1〜13は、誘電体粉末や磁性
体粉末を結合剤と一緒に混練したものをシート状にした
ものである。絶縁シート5は厚みが880μm(焼成後
の寸法、以下同様)であり、絶縁シート7は厚みが72
0μmである。これらのシート5,7は1枚で構成して
もよいし、複数枚のシートを積層して(例えば厚み80
μmのシートを11枚あるいは9枚積層して)構成して
もよい。シート1〜4,6,8〜12は厚みが28μm
である。さらに、シート13は積層体55の高さ寸法調
整用ダミーシートであり、その厚みは約40μmであ
る。
【0016】電極14a〜17b,24〜32は、A
g,Pd,Cu,Ni,Au,Ag−Pd等からなり、
スパッタリング法、蒸着法、フォトリソグラフィ法など
の薄膜形成法、あるいはパターン印刷法により形成され
る。インダクタ用ビアホール21a〜21e,22a〜
22e,23a〜23eは、絶縁シート3〜7に金型、
レーザ等で長穴をあけ、Ag,Pd,Cu,Ni,A
u,Ag−Pd等の導電体材料をこの長穴に充填するこ
とにより形成される。本実施形態の場合、長穴の長さを
1000μm、幅を167μmに設定した。
【0017】インダクタ用ビアホール21a〜21e,
22a〜22e,23a〜23eは、それぞれ絶縁シー
ト1〜13の積み重ね方向に連接して実質的にλ/4の
長さの柱状ビアインダクタL1,L2,L3を形成す
る。本実施形態の場合、柱状ビアインダクタL1〜L3
の長さを1712μmに設定した。この柱状ビアインダ
クタL1〜L3の軸方向はシート1〜13の表面に対し
て垂直である。ビアインダクタL1〜L3によってそれ
ぞれ発生した磁界は、シート1〜13の表面に対して平
行な面を周回する。ビアインダクタL1〜L3のそれぞ
れの上端部(ビアホール21a,21b,22a,22
b,23a,23b)は、シールド電極30,31に接
続され、短絡されている。絶縁シート6に設けたビアホ
ール21d,23dにはそれぞれ、入力引出し電極33
および出力引出し電極34が接続されている。
【0018】一方、空穴41a,41b,42a,42
b,43a,43bは、絶縁シート1,2に金型、レー
ザ等で穴をあけることにより形成される。必要であれ
ば、空穴41a〜43bの内周壁に印刷やめっき等の方
法でAg,Pd,Cu,Ni,Au,Ag−Pd等の導
電体材料を付与する(ただし、穴は塞がっていない)。
空穴41a,41b、42a,42b、43a,43b
は、それぞれ絶縁シート1〜13の積み重ね方向に連接
してガス抜き穴41,42,43を形成する。ガス抜き
穴41,42,43の下端(空穴41b,42b,43
b)は、ビアインダクタL1,L2,L3に連接してい
る。
【0019】なお、ビアインダクタL1〜L3やガス抜
き穴41〜43は、それぞれインダクタ用ビアホールや
空穴を連接させたものに限るものではなく、分厚い絶縁
シートに一つのインダクタ用ビアホールや空穴を設けた
ものでもよい。
【0020】絶縁シート8の表面に配設されている共振
用コンデンサ電極24,25,26は、それぞれ絶縁シ
ート8〜11を挟んでシールド電極32に対向し、共振
用コンデンサC1,C2,C3を形成する。共振用コン
デンサ電極24は、インダクタL1の下端(ビアホール
21e)に接続し、インダクタL1とコンデンサC1と
でLC共振器Q1を形成する。共振用コンデンサ電極2
5はインダクタL2の下端(ビアホール22e)に接続
し、インダクタL2とコンデンサC2とでLC共振器Q
2を形成する。 共振用コンデンサ電極26はインダク
タL3の下端(ビアホール23e)に接続し、インダク
タL3とコンデンサC3とでLC共振器Q3を形成す
る。インダクタL1とL2との間、並びにインダクタL
2とL3との間には、それぞれ相互インダクタンスMが
形成され、共振器Q1とQ2、並びに共振器Q2とQ3
を磁気的に結合する。
【0021】また、共振用コンデンサ電極24,25
は、絶縁シート8を挟んで結合用コンデンサ電極27に
対向し、LC共振器Q1とQ2間を結合するための結合
用コンデンサCs1を形成する。共振用コンデンサ電極
25,26は、絶縁シート8を挟んで結合用コンデンサ
電極28に対向し、LC共振器Q2とQ3間を結合する
ための結合用コンデンサCs2を形成する。さらに、減
衰極調整用コンデンサ電極29は、絶縁シート9を挟ん
で結合用コンデンサ電極27,28に対向し、減衰極調
整用コンデンサCs3を形成する。
【0022】絶縁シート1の上面の手前側および奥側の
辺にはそれぞれグランド端子用折り返し電極14a,1
5aが形成され、左右の辺の中央部にはそれぞれ入力端
子用折り返し電極16aおよび出力端子用折り返し電極
17aが形成されている。グランド端子用折り返し電極
14a,15aは略コ字形パターンであり、両端部分は
絶縁シート1の左右の辺に露出している。同様に、絶縁
シート13の下面の手前側および奥側の辺にはそれぞれ
グランド端子用折り返し電極14b,15bが形成さ
れ、左右の辺の中央部にはそれぞれ入力端子用折り返し
電極16bおよび出力端子用折り返し電極17bが形成
されている。
【0023】シールド電極30〜32は、それぞれシ−
ト3,4,12の表面に広面積に形成され、引出し部が
シート3,4,12の四辺に露出している。シールド電
極32と共振用コンデンサ電極24〜26との間には、
結合用コンデンサ電極27,28および減衰極調整用コ
ンデンサ電極29が配置されている。
【0024】各シート1〜13は積み重ねられ、圧着さ
れて図2に示すように積層体55とされる。ガス抜き穴
41〜43の開口部(空穴41a,42a,43a)は
積層体55の上面に形成されている。つまり、ガス抜き
穴41〜43を通してビアインダクタL1〜L3と外界
とが連通されている。この積層体55を焼成すると、ビ
アインダクタL1〜L3の導電体材料から発生するガス
はガス抜き穴41〜43を通って効率良く外界へ飛散す
る。従って、ビアインダクタL1〜L3の周囲にガスが
溜まりにくくなる。
【0025】こうして、図3に示す積層体55(例え
ば、長さ5.0mm、幅4.0mm、高さ2.0mm)
とされる。積層体55の左右の端面にはそれぞれ、ディ
ップ法や薄膜形成法、フォトリソグラフィ法、パターン
印刷法、転写印刷法などの方法で入力端子56、出力端
子57が形成され、手前側および奥側の側面にはそれぞ
れグランド端子Gが形成されている。入力端子56には
入力引出し電極33が接続され、出力端子57には出力
引出し電極34が接続され、グランド端子Gにはシール
ド電極30〜32が接続されている。
【0026】以上の構成からなる積層型LCフィルタ4
0Aは、ビアインダクタL1〜L3に連接したガス抜き
穴41〜43を備えているので、ビアインダクタL1〜
L3の周囲にガスが溜まりにくい。従って、焼成の際に
急速昇温させて、絶縁シート1〜13や電極24〜3
2、および、ビアインダクタL1〜L3の導電体材料か
ら急激にガスが発生しても、このガスはガス抜き穴41
〜43を通って効率良く積層体55の外へ飛散される。
特に、ビアインダクタL1〜L3の導電体材料は、金属
成分とバインダ成分(溶剤を含む)の比率が例えば5
0:50の導電性ペーストであり、電極24〜32の形
成に使用される導電性ペーストよりもバインダ成分の割
合が高い。このため、ビアインダクタL1〜L3の部分
から発生するガス量は、電極24〜32の部分から発生
するガス量と比較して相対的に多く、ビアインダクタL
1〜L3にガス抜き穴41〜43を連接させる効果は大
きい。この結果、層間剥がれや電極剥離などの不具合を
発生させることなく、焼成時間を短くすることができ
る。
【0027】さらに、従来の積層型LCフィルタ40
は、インダクタ用の穴に充填される導電体材料の量が多
すぎて過充填になると、焼成後にビアインダクタL1〜
L3の部分が隆起して絶縁シート1,2を押し上げ、積
層体55の表面にクラックが発生することがあった。し
かし、本実施形態の積層体LCフィルタ40Aは、ガス
抜き穴41〜43が形成されているので、ガス抜き穴4
1〜43に余分な導電体材料が回り込んだり、ガス抜き
穴41〜43から余分な導電体材料が突出する。従っ
て、積層体55の表面のクラックを抑えることができ
る。
【0028】また、ビアインダクタL1〜L3を備えた
LCフィルタの場合、ビアインダクタL1〜L3の位置
のばらつきが電気特性に大きく影響を及ぼす。例えば、
LCフィルタを多数設けたマザー基板からLCフィルタ
を切り出す際、カット位置が左右いずれかにずれると、
ビアインダクタL1と入力端子56間の距離が、ビアイ
ンダクタL3と出力端子57間の距離とは異なり、イン
ダクタンス値が変化してしまう(前後も同じ)。しか
し、本実施形態の積層体LCフィルタ40Aは、ガス抜
き穴41〜43が形成されているので、積層体55の内
部のビアインダクタL1〜L3の位置をガス抜き穴41
〜43を通して確認できる。従って、イメージセンサ等
でガス抜き穴41〜43、つまりビアインダクタL1〜
L3の位置を検出して、ビアインダクタL1〜L3の位
置に合わせてLCフィルタ40Aをマザー基板から切り
出すことができるため、ビアインダクタL1〜L3の位
置が安定し、電気特性ばらつきが低減する。
【0029】さらに、積層体55の上面にガス抜き穴4
1〜43が形成されているため、積層体55の上面の確
認ができ、方向性識別標識としてもガス抜き穴41〜4
3は機能する。
【0030】さらに、絶縁シート1〜13を積み重ねて
圧着する際に、積層体55内部に溜まったエアも、ガス
抜き穴41〜43を通って積層体55の外へ放出するこ
とができ、層間剥がれや電極剥離などの不具合をより一
層抑えることができる。
【0031】また、ガス抜き穴41〜43の横断面積を
ビアインダクタL1〜L3の横断面積より小さく設定す
ることにより、外部端子形成用めっき液がガス抜き穴4
1〜43に侵入しにくくなり、内部電極30等の劣化を
防止することができる。ガス抜き穴41〜43をビアイ
ンダクタL1〜L3より小さくすることにより、絶縁シ
ート1〜13のプレス圧着時の部分的な圧力ダウンを小
さくすることができる。ビアインダクタL1〜L3の露
出面を小さくでき、導電体材料のマイグレーションなど
による外部端子56,57などへの短絡を防止できる。
さらに、ビアインダクタL1〜L3からの導電体材料の
抜け、落下を防止できる。
【0032】また、ガス抜き穴41〜43に接している
ビアホール21a,21bをシールド電極30,31に
含めるようにすると、たとえ外部端子形成用めっき液が
ガス抜き穴41〜43に侵入しても、シールド電極3
0,31で堰き止められ、内部電極30等の劣化を防止
することができる。
【0033】なお、本発明に係る多層電子部品は、前記
実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で
種々に変更することができる。前記実施形態は、3段の
バンドパスフィルタを例にして説明しているが、2段、
あるいは4段以上のバンドパスフィルタであってもよい
し、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタであってもよ
い。さらに、例えば、多層基板や、RFダイオードスイ
ッチ、デュプレクサ、トリプレクサ、ダイプレクサなど
の送受信デバイス、RFモジュールなどの高周波複合部
品も含む。また、シールド電極が積層体の上部又は下部
のいずれか一方にのみ配設されているものであってもよ
い。
【0034】さらに、インダクタ用ビアホールの横断面
形状は任意であり、前記実施形態のような長円形の他
に、円形、楕円形、矩形などであってもよい。例えば、
LCフィルタ40Aのように3段のバンドパスフィルタ
の場合、入出力端のLC共振器Q1,Q3の共振周波数
を、残りの(中央の)LC共振器Q2の共振周波数より
低くすることがある。そこで、図5に示すように、イン
ダクタ用ビアホール21a〜21e,23a〜23eの
横断面積を、インダクタ用ビアホール22a〜22eの
横断面積より小さくしてもよい。インダクタ用ビアホー
ル21a〜21e,23a〜23eの横断面の長さD
1,D3を、インダクタ用ビアホール22a〜22eの
横断面の長さD2より短くしている。あるいは、インダ
クタ用ビアホール22a〜22eの横断面の幅W2を、
インダクタ用ビアホール21a〜21e,23a〜23
eの横断面の幅W1,W3より広くしてもよい。
【0035】また、ガス抜き穴も、その横断面形状、穴
の深さ、数、位置などは任意である。全てのガス抜き穴
の形状が同一である必要はない。さらに、ガス抜き穴の
開口部は多層電子部品の上面、実装面(底面)や側面の
いずれの面に形成されていてもよく、また、上面および
実装面の両方の面に形成してもよい。さらに、ガス抜き
穴は、部品内部で任意の方向に屈曲していてもよいし、
途中で穴の形状が変わってもよい。ビアインダクタの上
端下端両方にそれぞれに、ガス抜き穴を連接させてもよ
い。
【0036】さらに、前記実施形態は、それぞれ電極や
ビアホールが形成された絶縁シートを積み重ねた後、一
体的に焼成するものであるが、必ずしもこれに限定され
ない。絶縁シートは予め焼成されたものを用いてもよ
い。また、以下に説明する製法によって多層電子部品を
製造してもよい。印刷等の方法によりペースト状の絶縁
材料にて絶縁層を形成した後、その絶縁層の表面にペー
スト状の導電性材料を塗布して電極やビアホールを形成
する。次にペースト状の絶縁材料を上から塗布して絶縁
層とする。同様にして、順に重ね塗りすることにより積
層構造を有する多層電子部品が得られる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、ガス抜き穴を通して、ビア導体と外界とが
連通される。従って、ビア導体の導電体材料から発生す
るガスの抜け性が向上し、ビア導体の周囲にガスが溜ま
りにくくなる。この結果、層間剥がれや電極剥離などの
不具合を発生させることなく、焼成時間を短くすること
ができる。
【0038】また、ガス抜き穴の横断面積をビア導体の
横断面積より小さく設定することにより、外部端子形成
用めっき液がガス抜き穴に侵入しにくくなり、内部電極
の劣化等を防止することができる。また、ガス抜き穴に
接しているビアホールをシールド電極に含めるようにす
ると、たとえ外部端子形成用めっき液がガス抜き穴に侵
入しても、シールド電極で堰き止められ、内部電極の劣
化等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層電子部品の一実施形態を示す
分解斜視図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図1に示した多層電子部品の外観斜視図。
【図4】図3に示した多層電子部品の電気等価回路図。
【図5】ビアホールの変形例を示す横断面図。
【図6】従来の多層電子部品を示す分解斜視図。
【図7】図6に示した多層電子部品の外観斜視図。
【符号の説明】
40A…積層型LCフィルタ 1〜13…絶縁シート 21a〜21e,22a〜22e,23a〜23e…イ
ンダクタ用ビアホール 24,25,26…共振用コンデンサ電極 30,31,32…シールド電極 41,42,43…ガス抜き穴 41a,41b,42a,42b,43a,43b…空
穴 L1〜L3…ビアインダクタ C1〜C3…共振用コンデンサ Q1〜Q3…LC共振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 27/00 H03H 7/09 Z H01G 4/40 H01F 15/00 D H03H 7/09 H01G 4/40 321A Fターム(参考) 5E070 AA05 AB02 BB03 CB03 CB13 5E082 AA01 AB03 BB01 BC38 MM22 MM23 MM24 5E346 AA12 AA15 AA38 AA43 AA60 BB01 BB20 CC17 CC31 DD02 DD31 EE24 FF18 FF45 HH11 5J024 AA01 CA01 CA04 DA04 DA26 DA34 EA01 EA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層を積み重ねて構成した積層体内
    に、電気機能素子を形成した多層電子部品において、 前記絶縁層に設けたビアホールからなるビア導体と、 前記絶縁層に設けたガス抜き穴とを備え、 前記ビア導体と前記ガス抜き穴が連接し、前記ガス抜き
    穴の開口部が前記積層体の表面に形成されていること、 を特徴とする多層電子部品。
  2. 【請求項2】 前記ビア導体が、ビアホールを連接して
    構成したビアインダクタであることを特徴とする請求項
    1に記載の多層電子部品。
  3. 【請求項3】 前記ビア導体を構成しているビアホール
    が長穴であることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の多層電子部品。
  4. 【請求項4】 前記ガス抜き穴の横断面積が、前記ビア
    導体の横断面積より小さいことを特徴とする請求項1〜
    請求項3のいずれかに記載の多層電子部品。
  5. 【請求項5】 前記ガス抜き穴に接している前記ビアホ
    ールがシールド電極に含まれていることを特徴とする請
    求項1〜請求項4のいずれかに記載の多層電子部品。
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