JP2007274283A - 積層型誘電体共振器およびその製造方法 - Google Patents

積層型誘電体共振器およびその製造方法 Download PDF

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秀樹 増田
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稔 佐藤
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Abstract

【課題】サイズを小型化してもQ値が高く、低損失な積層型誘電体共振器およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】誘電体層400〜409を介して複数の内部電極層500〜505が積層してあり、これらの内部電極層のパターンおよび積層構造により、コンデンサ部とインダクタ部とが形成してある積層型誘電体共振器である。インダクタ部が、印刷法により形成された導体パターン層の積層構造30を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、バンドパスフィルタなどとして用いられる積層型誘電体共振器およびその製造方法に関する。
地上波TV放送、携帯電話、テレビ付き携帯電話などの無線通信システムの多様化に伴い、バンドパスフィルタやデュプレクサなど、数百MHz〜数GHzのマイクロ波帯において共振回路を構成する積層型誘電体共振器に関しては、小型で、低損失な共振器が望まれている。
積層型誘電体共振器の低損失化を実現させるためには、Q値(=1/tanδ)を向上させる必要がある。共振回路のQ値は、主に誘電体基板の誘電体による損失(誘電体損)と共振回路を構成する内部電極による損失(導体損)とによって決まる。一般に、マイクロ波帯以下の低周波帯では、誘電体損よりも導体損の方がQ値に対して支配的である。
したがって、積層型誘電体共振器の低損失化を実現させてQ値を向上させるためには、共振回路を構成する内部電極を形成する導体材料の比抵抗を小さくすることと、内部電極の幅や厚みを大きくすることとが考えられる。
しかしながら、内部電極の比抵抗を小さくすることは、材料およびコスト面で限界が生じるおそれがあり、内部電極の幅や厚みを大きくすることは、その積層型誘電体共振器を有する電子部品が大型化するという問題がある。
そこで、積層型誘電体共振器のサイズを大きくすることなく、Q値を向上させる手段として、下記の特許文献1および2に示すように、表面に内部電極(長手パターン)がそれぞれ形成された複数枚の誘電体層を多数重ねることが提案されている。
ところが、従来の積層型誘電体共振器では、積層されてインダクタ部となる長手パターンは、外部端子電極の部分でのみ接続され、誘電体層を介しては分離されている構造であり、さらに積層型誘電体共振器を小型化すると、Q値が不十分になると言う課題を有している。
特開平4−43703号公報 特開2001−237619号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、サイズを小型化してもQ値が高く、低損失な積層型誘電体共振器と、その製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る積層型誘電体共振器は、
誘電体層を介して複数の内部電極層が積層してあり、これらの内部電極層のパターンおよび積層構造により、コンデンサ部とインダクタ部とが形成してある積層型誘電体共振器であって、
前記インダクタ部が、
印刷法により形成された導体パターン層の積層構造を有することを特徴とする。
本発明に係る積層型誘電体共振器では、2層以上のインダクタ用導体パターン層が、印刷法により積層して形成してある。このため、共振回路を構成する内部電極を形成する導体パターンの電気抵抗を小さくすることが可能になり、導体損が低減され、Q値を高く設定することが可能になる。すなわち、本発明では、従来構造に比較して、より多くの電流を通過させることが可能であり、挿入損失が少ない。そのため、本発明では、サイズを小型化してもQ値が高く、低損失な積層型誘電体共振器を実現することが可能になる。
好ましくは、積層される前記導体パターン層のパターン幅が相互に同一である。ただし、本発明では、積層されて相互に隣り合う前記導体パターン層のパターン幅が、所定の相違幅範囲内で異なっても良い。いずれにしても、積層される導体パターンの両側端には、鋭角に突出する部分が無いことが好ましい。鋭角に突出する部分が存在すると、その部分で電界集中が生じやすく、導体損失を増大させ、Q値を低下させる要因となりやすい。
好ましくは、同じ誘電体層の表面には、複数の前記インダクタ用導体パターンが形成してあり、各インダクタ用導体パターンには、コンデンサ用電極パターンが一体に形成してある。このようなパターンでは、小型サイズのチップ内に、複数のコンデンサ部と複数のインダクタ部とを形成することが可能になる。その場合においても、本発明では、二層以上の導体パターンによりインダクタ用導体パターンが形成してあるので、Q値の向上を図ることが可能である。
本発明に係る積層型誘電体共振器の製造方法は、
第1誘電体グリーンシートを準備する工程と、
前記第1誘電体グリーンシートの表面に、印刷法により、導体パターン層を形成する工程と、
前記誘電体グリーンシートの表面に、印刷法により、前記導体パターン層に対して相互補完的なパターンで、誘電体パターン層を形成する工程と、
前記導体パターン層および前記誘電体パターン層の表面に、第2誘電体グリーンシートを積層し、積層体を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程とを有する。
本発明に係る積層型誘電体共振器の製造方法では、サイズを小型化してもQ値が高く、低損失な積層型誘電体共振器を、容易に製造することができる。
本発明では、前記誘電体パターン層を形成した後に、前記導体パターン層を形成しても良いし、前記導体パターン層を形成した後に、前記誘電体パターン層を形成しても良い。
好ましくは、前記誘電体パターン層を形成した後に、前記導体パターン層を形成し、その後に、前記導体パターン層の上に、別の導体パターン層を形成した後に、前記誘電体パターン層の上に、別の誘電体パターン層を形成する。このような順序で、導体パターン層を形成することで、印刷法の特性を利用して、積層される導体パターンの両側端には、鋭角に突出する部分をなくすことができる。その結果、その部分で電界集中が生じることが無くなり、導体損失を低下させ、Q値を向上させることができる。
好ましくは、印刷法により前記導体パターン層を複数積層させて形成する際に、積層方向に相互に隣り合う前記導体パターン層を形成するための印刷パターンが相互に同一である。あるいは、印刷法により前記導体パターン層を複数積層させて形成する際に、積層方向に相互に隣り合う前記導体パターン層を形成するための印刷パターンが相互に異なる。その際に、好ましくは、積層されて相互に隣り合う前記導体パターン層のパターン幅が、所定の相違幅範囲内で異なる。
いずれにしても、積層される導体パターンの両側端には、鋭角に突出する部分が無いように、積層される導体パターン層のパターン幅を工夫することが、高Q値を得る上で重要である。好ましくは、積層された導体パターン両側端が、その長手方向に略直角な横断面において、丸みを帯びたパターンとなるように、積層される導体パターンのパターン幅を制御することが好ましい。
本発明に係る積層型誘電体共振器は、バンドパスフィルタやデュプレクサなどとして利用できるが、好ましくはバンドパスフィルタとして利用される。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層型バンドパスフィルタ(積層型誘電体共振器)の全体斜視図、
図2は図1に示す積層型バンドパスフィルタの分解斜視図、
図3は図2に示すIII−III線に沿う要部断面図、
図4は図1および図2に示す積層型バンドパスフィルタの等価回路図、
図5および図6は図1に示す積層型バンドパスフィルタの製造過程を示す分解斜視図、
図7は図6に示すVII−VII線に沿う要部断面図、
図8(A)および図8(B)は図7に示す導体パターンを印刷法により形成するための工程図、
図9は図6の続きの工程を示す分解斜視図、
図10は図9に示すX−X線に沿う要部断面図、
図11は図9の続きの工程を示す分解斜視図、
図12は図11に示すXII−XII線に沿う要部断面図、
図13は本発明の他の実施形態に係るバンドパスフィルタにおける導体パターンの要部断面図、
図14(A)〜図14(C)は図13に示す導体パターンを形成するための工程図、
図15(A)〜図15(C)はそれぞれ本発明の他の実施形態に係るバンドパスフィルタにおける導体パターンの要部断面図、
図16は本発明の実施例および比較例に係るバンドパスフィルタの特性を示すグラフである。
第1実施形態
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る積層型誘電体共振器の一例としての積層型バンドパスフィルタ2は、素子本体4を有する。素子本体4の内部には、誘電体層400〜409を介して、複数の内部電極層500〜505が積層してある。これらの内部電極層500〜505のパターンおよび積層構造により、図4に示すコンデンサ部C11〜C16と、インダクタ部Q1、Q2およびQ3とが形成してあり、バンドパスフィルタ回路を構成している。
図1に示すように、素子本体4は、直方体形状を有し、その大きさは、特に限定されないが、縦(X軸方向)1.0〜3.0mm、横(Y軸方向)0.5〜2.5mm、高さ(積層方向Zに一致する)0.5〜1.0mm程度である。
素子本体4のY軸方向に対向する二側面4cおよび4dには、接地用端子電極8および9が形成してあり、X軸方向に対向する二側面4aおよび4bには、入力端子電極6および出力端子電極7が形成してある。これらの端子電極6〜9の材質は、特に限定されないが、たとえばAu、Ag、Cu、及びそれらを主成分とする合金などが用いられる。
素子本体4には、図2および図3に示すように、積層方向Zの下から上に向けて、誘電体層400〜409を介して、内部電極層500〜505が積層してある。誘電体層400〜409は、たとえば図5〜図11に示す誘電体グリーンシートGS1〜GS3およびGS6〜GS9と、印刷法により形成された誘電体パターン層DP4およびDP5とを積層後に焼成して得られる。焼成温度は、誘電体層400〜409の材質などに応じて決定される。
誘電体層400〜409の材質は、特に限定されず、たとえばBaTiO系、BaZrO系、BaNdTi系、BaSnTi系などの誘電体材料が用いられる。各誘電体層400〜409の厚みは、特に限定されず、誘電体グリーンシートGS1〜GS3およびGS6〜GS9を焼成して得られる誘電体層400〜403および406〜409の厚みは、焼成後で、30〜100μmである。また、印刷法により形成された誘電体パターン層DP4およびDP5を焼成して得られる誘電体層404および405の厚みは、焼成後で、5〜20μmである。
なお、図1〜図15では、図示および説明の容易化のために、各層400〜409の厚みは、実際とは異なっている。
各誘電体層400〜409の上に形成してある内部電極層500〜505は、誘電体層400〜409となる誘電体グリーンシートまたは誘電体パターン層の表面に印刷法などで形成され、これらと共に焼成されて内部電極となる。内部電極層500〜505を構成する金属としては、特に限定されず、Au、Ag、Cu、及びそれらを主成分とする合金などが例示される。
なお、内部電極層500および501の間と、内部電極層504および505の間には、内部電極層を構成する電極パターンが形成されていない誘電体層401,406,407が積層してある。
素子本体4の積層方向Z軸の最も下側に位置する内部電極層500は、図2および図5に示すように、Y軸方向に延びる長方形パターンであり、誘電体層400のX軸方向幅よりもすこし狭い幅を有する。この内部電極層500は、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンであり、側面4cおよび4b間を接続するように延び、図1に示す端子電極8および9に対して電気的に接続してある。
図5に示すように、誘電体層401および402を介して内部電極層500の上側に位置する内部電極層501は、図4に示すコンデンサ部C11を形成するための一方のコンデンサ電極パターンに形成されている。この内部電極層501は、図5に示すように、いずれの側面4a〜4dにも露出しない孤立パターンとなっており、図4に示すコンデンサ部C11のフローティング電極となる。この内部電極層501は、誘電体層402の表面で、側面4dに近い位置で、X軸方向の中央位置に形成され、平面矢視側から見て、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンである。
誘電体層403を介して内部電極層501の上側に位置する内部電極層502は、図5に示すように、側面4cに露出する共通接地用リードパターン21から3本に枝分かれしてY軸方向に平行に延びる3つのインダクタ用導体パターン20を有する。この実施形態では、インダクタ用導体パターン20は、直線パターン(長手パターンの1種)であり、それぞれ図4に示すインダクタ部Q1〜Q3の一部となる。
各インダクタ用導体パターン20の頭部には、図4に示すコンデンサ部C11〜C16の電極を主として構成するコンデンサ用電極パターン24が各々一体に形成してある。
X軸方向の両側に位置するコンデンサ用電極パターン24には、Y軸方向の中央部において、X軸方向に延びるリードパターン22および23がそれぞれ一体に形成してある。リードパターン22は、側面4aに露出し、図1に示す入力端子電極6に接続してある。リードパターン23は、側面4bに露出し、図1に示す出力端子電極6に接続してある。図5に示すように、内部電極層502は、平面矢視側から見て、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンである。
図6に示すように、誘電体層404を介して内部電極層502の上側に位置する内部電極層503は、内部電極層502におけるコンデンサ用電極パターン24に対応する位置に、コンデンサ用電極パターン31を有する。各コンデンサ用電極パターン31は、誘電体層404を介して、コンデンサ用電極パターン24と対となり、図4に示すコンデンサ部C12,C14,C16を構成する。
また、同一平面上で隣接するコンデンサ用電極パターン24または31相互間では、図4に示すコンデンサ部C13およびC15を構成する。3つのコンデンサ用電極パターン31は、素子本体4の側面4dにおいて、共通接地用リードパターン32に接続してある。共通接地用リードパターン32は、側面4dに露出し、図1に示す端子電極9に接続してある。
本実施形態では、図6および図7に示すように、誘電体層404は、グリーンシートではなく、グリーンシートGS3の表面に印刷法により形成された誘電体パターン層DP4で構成される。また、この誘電体パターン層DP4と相補的なパターン35で、導体パターン層30aが、印刷法により、インダクタ用導体パターン20の上に積層して形成される。導体パターン層30aのX軸方向の幅は、インダクタ用導体パターン20のパターン幅と略同一である。
図6および図7に示す所定パターン35の導体パターン層30aおよび誘電体パターン層DP4を形成する方法としては、たとえば以下に示す方法が例示される。まず、図8(A)に示すように、誘電体層403を構成するグリーンシートGS3の表面に、インダクタ用導体パターン20の上を除くパターン35で、スクリーン印刷により、誘電体パターン層404を形成する。その後に、インダクタ用導体パターン20の上に、スクリーン印刷により、導体パターン層30aを埋め込むように形成する。
あるいは、図8(B)に示すように、インダクタ用導体パターン20の上に、まず、スクリーン印刷により、導体パターン層30aを形成する。その後に、導体パターン層30aに対して相補的なパターン35で、グリーンシートGS3の上に、誘電体パターン層404を形成する。
誘電体パターン層404または導体パターン層30aの厚みt2は、グリーンシートGS1〜GS3のそれぞれの厚みt1に対して薄く、焼成前の状態で、好ましくは10〜20μm程度である。グリーンシートGS1〜GS3のそれぞれの厚みt1は、焼成前の状態で、好ましくは20〜40μm程度である。なお、図では、図示の容易化のために、誘電体パターン層404または導体パターン層30aの厚みt2は、グリーンシートGS1〜GS3のそれぞれの厚みt1と同程度の厚みに描いてある。
図9に示すように、誘電体パターン層404の表面には、コンデンサ用電極パターン31が印刷法により形成される。このコンデンサ用電極パターン31は、誘電体パターン層404を形成した後に、導体パターン層30aと同時に形成しても良いが、別工程により形成することも可能である。
各導体パターン層30aは、図6に示すように、X−Y平面上で、インダクタ用導体パターン20とほぼ同じ位置に形成してあるが、インダクタ用導体パターン20と異なり、コンデンサ用電極パターン31には接続されずに分離してある。また、各導体パターン層30aは、インダクタ用導体パターン20と異なり、相互に接続されることなく、個々独立に、側面4cに露出している。
図9に示すように、誘電体層405を介して内部電極層503の上側に位置する内部電極層504は、全体として、図6に示す内部電極層502と同じパターンを有する。すなわち、内部電極層504は、内部電極層502と同様に、インダクタ用導体パターン10、リードパターン12および13、共通接地用リードパターン11およびコンデンサ用電極パターン14を有する。
ただし、内部電極層504は、内部電極層502とは異なり、インダクタ用導体パターン10に対応する位置で、誘電体層405の内部に導体パターン層30bがスクリーン印刷により埋め込んで形成してある。導体パターン層30bは、下側に位置する各導体パターン層30aと略同じ幅および略同じ長さで形成してあり、各導体パターン層30aに接続してある。
図9および図10に示すように、誘電体層405は、誘電体層404と同様にスクリーン印刷により形成された誘電体パターン層DP5により形成される。誘電体パターン層DP5のパターンに対して相補的なパターンで形成してある導体パターン層30bは、その上側に位置する内部電極層504のインダクタ用導体パターン10とも接続される。内部電極層504は、スクリーン印刷法により、導体パターン層30bと同時にあるいは別工程で形成される。
内部電極層504における各コンデンサ用電極パターン14は、誘電体層405を介して、コンデンサ用電極パターン31と対となり、図4に示すコンデンサ部C12,C14,C16を構成する。また、同一平面状で隣接するコンデンサ用電極パターン14または31相互間では、図4に示すコンデンサ部C13およびC15を構成する。
図11に示すように、誘電体層406〜408を介して内部電極層504の上側に位置する内部電極層505は、Y軸方向に延びる長方形パターンであり、誘電体層408のX軸方向幅よりもすこし狭い幅を有する。この内部電極層505は、図5に示す内部電極層500と同じパターンであり、側面4cおよび4b間を接続するように延び、図1に示す端子電極8および9に対して電気的に接続してある。
本実施形態では、図4に示すインダクタ部Q1〜Q3は、図3および図12に示すように、それぞれ、積層方向に2層以上のインダクタ用導体パターン10および20で構成してある。しかも各インダクタ部Q1〜Q3は、積層方向に向き合う導体パターン10および20の間に位置する導体パターン層30a,30bの積層構造30を通して電気的に接続してある。
このため、共振回路を構成する内部電極を形成する導体パターンの電気抵抗を小さくすることが可能になり、導体損が低減され、Q値を高く設定することが可能になる。すなわち、本実施形態では、従来構造に比較して、より多くの電流を通過させることが可能であり、挿入損失が少ない。そのため、本実施形態では、サイズを小型化してもQ値が高く、低損失な積層型誘電体共振器を実現することが可能になる。
第2実施形態
本実施形態では、図13に示すように、各インダクタ部Q1〜Q3を構成するための導体パターン層30c,30dの積層構造30を、その両側端において、鋭角に突出する部分が無く、丸みを帯びた形状にしてある。その他の構成は、図1〜図12に示す第1実施形態と同様であり、その説明は省略する。
図13に示す積層構造30を実現するために、この実施形態では、まず、図14(A)に示すように、焼成後に誘電体層403となるグリーンシートGS3の表面に、インダクタ用導体パターン20を除くパターン35で、スクリーン印刷法を用い、焼成後に誘電体層404となる誘電体パターン層DP4を形成する。スクリーン印刷法の特性により、パターン35の開口部壁面は、開口部の底に向けてテーパ状に丸みを帯びた壁面となる。
次に、図14(B)に示すように、パターン35の開口部に、導体パターン層30cをスクリーン印刷法により埋め込む。その後に、図14(C)に示すように、導体パターン層30cを形成するためのスクリーン製版と同じ製版(印刷パターンが同じ)を用いて、導体パターン層30cの上に、別の導体パターン層30dを形成する。
導体パターン層30dをスクリーン印刷法により形成することで、その印刷により形成された印刷パターンの特性により、導体パターン層30dのパターン側端壁は、底に向けてテーパ状に丸みを帯びた壁面となる。
その後に、導体パターン層30dに対して相補的なパターンで、下側の誘電体パターン層DP4と同じ製版(印刷パターンが同じ)を用いて、誘電体パターン層DP4の上に、別の誘電体パターン層DP5を形成する。
その後、第1実施形態と同様にして、図11に示すグリーンシートGS6〜GS9を積層して積層体とし、常法に従い、所定のチップサイズに切断した後、脱バインダ処理、焼成処理を行うことで、図13に示すように、導体パターン層30a,30bの積層構造30を、その両側端において、鋭角に突出する部分が無く、丸みを帯びた形状にすることが可能になる。
この実施形態では、積層構造30の両側端部分において電界集中が生じることが無くなり、導体損失を低下させ、さらにQ値を向上させることができる。
第3実施形態
図15(A)に示す実施形態では、各インダクタ部Q1〜Q3を構成するための積層構造30を、印刷法により形成された導体パターン層30e、30f、30gの三層構造とし、しかも、積層方向に隣接する導体パターン層30e、30f、30gの相互間で、印刷パターンのパターン幅を異ならせてある。すなわち、積層方向の中央に位置する導体パターン層30fの幅を他の導体パターン層30e,30gのパターン幅よりも大きくしてある。
ただし、積層されて相互に隣り合う導体パターン層30e、30f、30gのパターン幅の片側相違幅ΔW1は、20μm以下であることが好ましい。この片側相違幅ΔW1が大きすぎると、焼成後の状態において、積層体30の両側端に鋭角に突出する部分が生じやすくなるからである。
図15(B)に示すように、積層方向に隣接する導体パターン層30h、30i、30jの相互間で、積層方向の中央に位置する導体パターン層30iの幅を他の導体パターン層30h,30jのパターン幅よりも小さくする場合も同様である。
図15(C)は、本発明のさらにその他の実施形態を示し、この実施形態では、同じ印刷パターンの3つの導体パターン層30kが、積層方向に隣接する層間で所定のズレ範囲ΔW2でパターンズレして積層体30が形成されている。このズレ範囲ΔW2は、ΔW1以内であることが好ましい。ΔW2が大きすぎると、焼成後の状態において、積層体30の両側端に鋭角に突出する部分が生じやすくなるからである。
これらの実施形態において、その他の構成および作用効果は、図1〜図12に示す第1実施形態と同様であり、その説明は省略する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、積層体30を二層または三層で構成したが、本発明では、三層以上の導体パターン層を印刷法により積層して積層体としても良い。また、本発明に係る積層型誘電体共振器におけるインダクタ部を構成するための導体パターンのパターン形状は、上述した実施形態に限らず、種々に改変することができる。
さらに、本発明に係る積層型誘電体共振器は、バンドパスフィルタのみではなく、その他の用途の共振器としても使用することも可能である。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
図1〜図12に示す積層型バンドパスフィルタのサンプルを実際に複数製造し、周波数に対する挿入損失を測定した結果を図16に示す。図16において、Ex1が本実施例に係る挿入損失(S21)である。また、Q値を測定したところ106.1であった。
なお、誘電体層401〜403および406〜409のシート厚みは40μmであり、誘電体層404および405の厚みは、それぞれ12μmであった。インダクタ用導体パターン10および20の幅は200〜300μmであった。素子本体4の縦横寸法は2.5mm×2.0mmであり、Z軸方向の高さは1.0mmであった。
比較例1
積層構造30を形成しない以外は実施例1と同様にして、積層型バンドパスフィルタのサンプルを実際に複数製造し、周波数に対する挿入損失を測定した結果を図16に示す。図16において、CEx1が本比較例に係る挿入損失(S21)である。Q値を測定したところ91.8であった。
評価
図16に示すように、実施例EX1では、特に2.4〜2.5GHzにおいて、比較例CX1に比べて、損失が少ないことが確認された。
図1は本発明の一実施形態に係る積層型バンドパスフィルタ(積層型誘電体共振器)の全体斜視図である。 図2は図1に示す積層型バンドパスフィルタの分解斜視図である。 図3は図2に示すIII−III線に沿う要部断面図である。 図4は図1および図2に示す積層型バンドパスフィルタの等価回路図である。 図5は図1に示す積層型バンドパスフィルタの製造過程を示す分解斜視図である。 図6は図5の続きの工程を示す分解斜視図である。 図7は図6に示すVII−VII線に沿う要部断面図である。 図8(A)および図8(B)は図7に示す導体パターンを印刷法により形成するための工程図である。 図9は図6の続きの工程を示す分解斜視図である。 図10は図9に示すX−X線に沿う要部断面図である。 図11は図9の続きの工程を示す分解斜視図である。 図12は図11に示すXII−XII線に沿う要部断面図である。 図13は本発明の他の実施形態に係るバンドパスフィルタにおける導体パターンの要部断面図である。 図14(A)〜図14(C)は図13に示す導体パターンを形成するための工程図である。 図15(A)〜図15(C)はそれぞれ本発明の他の実施形態に係るバンドパスフィルタにおける導体パターンの要部断面図である。 図16は本発明の実施例および比較例に係るバンドパスフィルタの特性を示すグラフである。
符号の説明
2… 積層型バンドパスフィルタ
4… 素子本体
6… 入力端子電極
7… 出力端子電極
8,9… 接地用端子電極
10,20… インダクタ用導体パターン
14,24… コンデンサ用電極パターン
30… 積層構造
30a〜30k… 導体パターン層
35… パターン
400〜409… 誘電体層
500〜505… 内部電極層
GS1〜GS3,GS6〜GS9… グリーンシート
DP4,DP5… 誘電体パターン層

Claims (10)

  1. 誘電体層を介して複数の内部電極層が積層してあり、これらの内部電極層のパターンおよび積層構造により、コンデンサ部とインダクタ部とが形成してある積層型誘電体共振器であって、
    前記インダクタ部が、
    印刷法により形成された導体パターン層の積層構造を有することを特徴とする積層型誘電体共振器。
  2. 積層される前記導体パターン層のパターン幅が相互に同一である請求項1に記載の積層型誘電体共振器。
  3. 積層されて相互に隣り合う前記導体パターン層のパターン幅が、所定の相違幅範囲内で異なる請求項1に記載の積層型誘電体共振器。
  4. 第1誘電体グリーンシートを準備する工程と、
    前記第1誘電体グリーンシートの表面に、印刷法により、導体パターン層を形成する工程と、
    前記誘電体グリーンシートの表面に、印刷法により、前記導体パターン層に対して相互補完的なパターンで、誘電体パターン層を形成する工程と、
    前記導体パターン層および前記誘電体パターン層の表面に、第2誘電体グリーンシートを積層し、積層体を形成する工程と、
    前記積層体を焼成する工程とを有する請求項1〜3のいずれかに記載の積層型誘電体共振器の製造方法。
  5. 前記誘電体パターン層を形成した後に、前記導体パターン層を形成する請求項4に記載の積層型誘電体共振器の製造方法。
  6. 前記導体パターン層を形成した後に、前記誘電体パターン層を形成する請求項4に記載の積層型誘電体共振器の製造方法。
  7. 前記誘電体パターン層を形成した後に、前記導体パターン層を形成し、その後に、前記導体パターン層の上に、別の導体パターン層を形成した後に、前記誘電体パターン層の上に、別の誘電体パターン層を形成する請求項4〜6のいずれかに記載の積層型誘電体共振器の製造方法。
  8. 印刷法により前記導体パターン層を複数積層させて形成する際に、積層方向に相互に隣り合う前記導体パターン層を形成するための印刷パターンが相互に同一である請求項4〜7のいずれかに記載の積層型誘電体共振器の製造方法。
  9. 印刷法により前記導体パターン層を複数積層させて形成する際に、積層方向に相互に隣り合う前記導体パターン層を形成するための印刷パターンが相互に異なる請求項4〜7のいずれかに記載の積層型誘電体共振器の製造方法。
  10. 積層されて相互に隣り合う前記導体パターン層のパターン幅が、所定の相違幅範囲内で異なる請求項9に記載の積層型誘電体共振器の製造方法。
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