JP4142047B2 - 積層型誘電体共振器 - Google Patents

積層型誘電体共振器 Download PDF

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Description

本発明は、バンドパスフィルタなどとして用いられる積層型誘電体共振器に関する。
地上波デジタルTV放送、携帯電話、テレビ付き携帯電話などの無線通信システムの多様化に伴い、バンドパスフィルタやデュプレクサなど、数百MHz〜数GHzのマイクロ波帯において共振回路を構成する積層型誘電体共振器に関しては、小型で、低損失な共振器が望まれている。
積層型誘電体共振器の低損失化を実現させるためには、Q値(=1/tanδ)を向上させる必要がある。共振回路のQ値は、主に誘電体基板の誘電体による損失(誘電体損)と共振回路を構成する内部電極による損失(導体損)とによって決まる。一般に、マイクロ波帯以下の低周波帯では、誘電体損よりも導体損の方がQ値に対して支配的である。
したがって、積層型誘電体共振器の低損失化を実現させてQ値を向上させるためには、共振回路を構成する内部電極を形成する導体材料の比抵抗を小さくすることと、内部電極の幅や厚みを大きくすることとが考えられる。
そこで、積層型誘電体共振器のサイズを大きくすることなく、Q値を向上させる手段として、下記の特許文献1および2に示すように、表面に内部電極(長手パターン)がそれぞれ形成された複数枚の誘電体層を多数重ねることが提案されている。
ところが、従来の積層型誘電体共振器では、積層されてインダクタ部となる長手パターンは、外部端子電極の部分でのみ接続され、誘電体層を介しては分離されている構造であり、さらに積層型誘電体共振器を小型化すると、Q値が不十分になると言う課題を有している。
そこで、Q値を高めるために、導電率が高い銀高純度電極層を多層構造にして厚膜化することが考えられる。しかしながら、銀高純度電極層は、誘電体層との熱膨張係数が大きく異なり、その銀高純度電極層を厚膜に形成することは、焼成後の素子本体にクラックやデラミネーションが生じたりする要因となる。また、銀高純度層を厚膜に形成することは、コスト的にも不利になる。
特開平4−43703号公報 特開2001−237619号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、焼成後の素子本体にクラックやデラミネーションなどを生じさせることなく、しかも低コストで、Q値が高く、小型で低損失な積層型誘電体共振器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る積層型誘電体共振器は、
誘電体層を介して複数の内部電極層が積層してあり、これらの内部電極層のパターンおよび積層構造により、コンデンサ部とインダクタ部とが形成してある積層型誘電体共振器であって、
前記インダクタ部が、
導電性粒子が比較的に少なくガラス成分が比較的に多く含まれる中心層と、
前記中心層の周囲を覆うように形成してあり、前記中心層よりも導電性粒子が多く含まれる被覆層とを有することを特徴とする。
本発明者等の実験によれば、特に数百MHz〜数GHzのマイクロ波帯においては、内部電極層を構成する導電層の表層を主として電流が流れることが判明した。そこで、本発明では、インダクタ部を構成する内部電極層の被覆層を、導電性粒子が多く含まれる層で構成することで、大幅に電気抵抗を低下させ、低損失でQ値が高い共振器構造を実現することができる。すなわち、本発明では、従来構造に比較して、より多くの電流を通過させることが可能であり、挿入損失が少ない。そのため、本発明では、サイズを小型化してもQ値が高く、低損失な積層型誘電体共振器を実現することが可能になる。
しかも本発明では、導電性粒子が多く含まれる層を厚くするのではなく、導電性粒子が多く含まれる層は、被覆層であり、その中心層は、導電性粒子が比較的に少なくガラス成分が比較的に多く含まれる層で構成される。導電性粒子が比較的に少なくガラス成分が比較的に多く含まれる層は、導電性粒子を多く含む層に比較すれば電気抵抗が高いが、誘電体層と熱膨張係数が近く、誘電体層と内部電極層との界面でのクラックやデラミネーションを有効に防止することができる。しかも、マイクロ波帯においては、内部電極層を構成する導電層の表層を主として電流が流れるので、中心層の電気抵抗が比較的に高いことは、それほどQ値を低下させる要因には成らない。
したがって、本発明によれば、焼成後の素子本体にクラックやデラミネーションなどを生じさせることなく、しかも低コストで、Q値が高く、小型で低損失な積層型誘電体共振器を提供することができる。
好ましくは、前記被覆層が、下部導電層と、当該下部導電層の上に形成してある前記中心層の上を被覆する上部導電層とで構成してある。また、好ましくは、前記中心層の横幅は、前記下部導電層および上部導電層の横幅よりも狭い。このような構成の時に、中心層の周囲を被覆層で良好に被覆することができる。なお、本発明では、インダクタ部を構成する内部電極層は、上部導電層と中心層と下部導電層との3層以外に、4層以上の導電層で構成しても良い。
好ましくは、前記被覆層の厚みが2μm以上である。被覆層の厚みが薄すぎると、Q値を高くすることが困難になる傾向にある。
好ましくは、前記中心層の厚みは、前記被覆層の厚み以上である。中心層の厚みは、素子の小型化の要請に反しない程度で厚くすることができる。
好ましくは、前記被覆層に含まれる導電性粒子は、前記被覆層全体100重量%に対して90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上、特に100重量%近く含まれる。被覆層に含まれる導電性粒子の配合量が増すほど、電気抵抗が下がり、Q値を高くすることができる。
好ましくは、前記中心層に含まれる導電性粒子は、前記中心層全体100重量%に対して99.8重量%以下含まれる。中心層に含まれる導電性粒子の配合量が多すぎると、内部電極層と誘電体層との界面におけるクラック防止やデラミネーション防止の効果が小さくなる傾向にある。
好ましくは、前記中心層に含まれるガラス成分は、前記中心層全体100重量%に対して0.2重量%以上含まれる。ガラス成分の添加量が少なすぎると、内部電極層と誘電体層との界面におけるクラック防止やデラミネーション防止の効果が小さくなる傾向にある。
前記導電性粒子としては、特に限定されず、ニッケル、銅、銀、金、またはこれらの合金などが例示されるが、好ましくは、前記導電性粒子が銀または銀合金である。
本発明に係る積層型誘電体共振器は、バンドパスフィルタやデュプレクサなどとして利用できるが、好ましくはバンドパスフィルタとして利用される。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層型バンドパスフィルタ(積層型誘電体共振器)の全体斜視図、
図2は図1に示す積層型バンドパスフィルタの分解斜視図、
図3は図2に示すIII−III線に沿う要部断面図、
図4は図1および図2に示す積層型バンドパスフィルタの等価回路図、
図5および図6は図1に示す積層型バンドパスフィルタの製造過程を示す分解斜視図、
図7は図6に示すVII−VII線に沿う要部断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る積層型誘電体共振器の一例としての積層型バンドパスフィルタ2は、素子本体4を有する。素子本体4の内部には、誘電体層400〜408を介して、複数の内部電極層500〜504が積層してある。これらの内部電極層500〜504のパターンおよび積層構造により、図4に示すコンデンサ部C11〜C16と、インダクタ部Q1、Q2およびQ3とが形成してあり、バンドパスフィルタ回路を構成している。
図1に示すように、素子本体4は、直方体形状を有し、その大きさは、特に限定されないが、縦(X軸方向)1.0〜3.0mm、横(Y軸方向)0.5〜2.5mm、高さ(積層方向Zに一致する)0.6〜1.0mm程度である。
素子本体4のY軸方向に対向する二側面4cおよび4dには、接地用端子電極8および9が形成してあり、X軸方向に対向する二側面4aおよび4bには、入力端子電極6および出力端子電極7が形成してある。これらの端子電極6〜9の材質は、特に限定されないが、たとえばAu、Ag、Cu、及びそれらを主成分とする合金などが用いられる。
素子本体4には、図2および図3に示すように、積層方向Zの下から上に向けて、誘電体層400〜408を介して、内部電極層500〜504が積層してある。誘電体層400〜408は、たとえば図5〜図7に示す誘電体グリーンシートGS0〜GS8(グリーンシートGS5〜GS8は図示省略)を積層後に焼成して得られる。誘電体層400〜408の材質は、特に限定されず、たとえばBaTiO系、BaZrO系、BaNdTi系、BaSnTi系などの誘電体材料が用いられる。各誘電体層400〜408の厚みは、特に限定されず、10〜200μmである。
各誘電体層400〜408の上に形成してある内部電極層500〜504は、誘電体層400〜408となる誘電体グリーンシートの表面に印刷法などで形成され、グリーンシートと共に焼成されて内部電極となる。内部電極層500〜504を構成する金属としては、特に限定されず、Au、Ag、Cu、及びそれらを主成分とする合金などが例示される。
なお、内部電極層500および501の間と、内部電極層503および504の間には、内部電極層を構成する電極パターンが形成されていない誘電体層401,405,406が積層してある。
素子本体4の積層方向Z軸の最も下側に位置する内部電極層500は、図2および図5に示すように、Y軸方向に延びる長方形パターンであり、誘電体層400のX軸方向幅よりもすこし狭い幅を有する。この内部電極層500は、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンであり、側面4cおよび4b間を接続するように延び、図1に示す端子電極8および9に対して電気的に接続してある。
図5に示すように、誘電体層401および402を介して内部電極層500の上側に位置する内部電極層501は、図4に示すコンデンサ部C11を形成するための一方のコンデンサ電極パターンに形成されている。この内部電極層501は、図5に示すように、いずれの側面4a〜4dにも露出しない孤立パターンとなっており、図4に示すコンデンサ部C11のフローティング電極となる。この内部電極層501は、誘電体層402の表面で、側面4dに近い位置で、X軸方向の中央位置に形成され、平面矢視側から見て、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンである。
誘電体層403を介して内部電極層501の上側に位置する内部電極層502は、図5および図6に示すように、側面4cに露出する共通接地用リードパターン21から3本に枝分かれしてY軸方向に平行に延びる3つのインダクタ用導体パターン20を有する。この実施形態では、インダクタ用導体パターン20は、直線パターン(長手パターンの1種)であり、それぞれ図4に示すインダクタ部Q1〜Q3の一部となる。
各インダクタ用導体パターン20の頭部には、図4に示すコンデンサ部C11〜C16の電極を主として構成するコンデンサ用電極パターン24が各々一体に形成してある。
X軸方向の両側に位置するコンデンサ用電極パターン24には、Y軸方向の中央部において、X軸方向に延びるリードパターン22および23がそれぞれ一体に形成してある。リードパターン22は、側面4aに露出し、図1に示す入力端子電極6に接続してある。リードパターン23は、側面4bに露出し、図1に示す出力端子電極6に接続してある。図5および図6に示すように、内部電極層502は、平面矢視側から見て、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンである。
図2および図3に示すように、各インダクタ用導体パターン20は、中心層20aと、その中心層20aを被覆する被覆層20bとを有する。中心層20aは、導電性粒子が比較的に少なくガラス成分が比較的に多く含まれる層で構成される。被覆層20bは、中心層20aよりも導電性粒子が多く含まれる。
被覆層20bに含まれる導電性粒子は、被覆層全体100重量%に対して90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上、特に100重量%近く含まれる。被覆層20bに含まれる導電性粒子の配合量が増すほど、電気抵抗が下がり、Q値を高くすることができる。
中心層20aに含まれる導電性粒子は、中心層全体100重量%に対して99.8重量%以下含まれる。中心層20aに含まれる導電性粒子の配合量が多すぎると、導体パターン20と誘電体層403,404との界面におけるクラック防止やデラミネーション防止の効果が小さくなる傾向にある。なお、中心層20aに含まれる導電性粒子の配合量は、仮にゼロであっても、被覆層20bにて電気を流すので問題はないが、好ましくは70〜99.8重量%である。
中心層20aに含まれるガラス成分は、前記中心層全体100重量%に対して0.2重量%以上含まれる。ガラス成分の添加量が少なすぎると、内部電極層と誘電体層との界面におけるクラック防止やデラミネーション防止の効果が小さくなる傾向にある。なお、中心層20aは、必ずしも導電性を持たなくても良いので、ガラス成分100重量%の中心層20aや、誘電体層400〜408と同様な成分で構成してある中心層20aもあり得る。ただし、好ましくは、中心層20aに含まれるガラス成分は、中心層全体100重量%に対して0.2〜30重量%である。
中心層20aおよび被覆層20bに含まれる導電性粒子としては、特に限定されず、ニッケル、銅、銀、金、またはこれらの合金などが例示されるが、好ましくは、導電性粒子が銀または銀合金である。銀または銀合金が好ましいのは、電気的に低抵抗であり、低温で誘電体ガラスセラミックスと同時焼成が可能、大気中で焼成可能などの理由からである。
中心層20aの断面形状は、特に限定されず、図3に示すように、楕円形状、円形状、四角形状、その他の形状が例示されるが、好ましくは楕円形状、円形状である。被覆層20bの形状は、中心層20aの周囲を均一な厚みで覆う形状であることが好ましい。
被覆層20bの厚みは2μm以上である。被覆層20bの厚みが薄すぎると、Q値を高くすることが困難になる傾向にある。なお、被覆層20bの厚みの上限は、好ましくは10μm以下である。被覆層20bの厚みが厚すぎると、クラックやデラミネーションを発生させる可能性が増えると共に、導電性粒子の使用量が増えて製造コストが増大する。また、素子の小型化の要請にも反する。
中心層20aの厚み(積層方向Zの最大厚み)は、被覆層20bの厚み以上である。中心層20aの厚みは、素子の小型化の要請に反しない程度で厚くすることができる。中心層20aの厚みの上限は、好ましくは10μm以下である。中心層20aを厚くしすぎると、素子の小型化の要請に反する。
楕円形の中心層20aおよび被覆層20bは、たとえば図7に示すように、焼成前の下部導電層20b1と、下部導電層20b1の上に形成してある焼成前の中心層20a1と、その上を被覆する焼成前の上部導電層20b2とを焼成することにより形成される。この場合において、中心層20a1の横幅W1は、下部導電層20b1および上部導電層20b2の横幅W2よりも狭い。このような構成の時に、図3に示すように、中心層20aの周囲を被覆層20bで良好に被覆することができる。中心層20a1の横幅W1は、特に限定されないが、好ましくは20〜300μmであり、横幅の差(W2−W1)は、好ましくは5〜15μmである。
なお、本発明では、インダクタ用導体パターン20は、上部導電層20b2と中心層20a1と下部導電層20b1との3層以外に、4層以上の導電層で構成しても良い。また、図示する実施形態では、内部電極層502において、インダクタ用導体パターン20のみを、中心層20aと被覆層20bとで構成したが、本発明では、共通接地用リードパターン21、コンデンサ用電極パターン24、リードパターン22および23を含めて、内部電極層502の全体を、中心層20aと被覆層20bとで構成しても良い。
図6に示すように、誘電体層404を介して内部電極層502の上側に位置する内部電極層503は、内部電極層502におけるコンデンサ用電極パターン24に対応する位置に、コンデンサ用電極パターン31を有する。各コンデンサ用電極パターン31は、誘電体層404を介して、コンデンサ用電極パターン24と対となり、図4に示すコンデンサ部C12,C14,C16を構成する。
また、同一平面状で隣接するコンデンサ用電極パターン24,31相互間では、図4に示すコンデンサ部C13およびC15を構成する。3つのコンデンサ用電極パターン31は、素子本体4の側面4dにおいて、共通接地用リードパターン32に接続してある。共通接地用リードパターン32は、側面4dに露出し、図1に示す端子電極9に接続してある。
図2に示すように、誘電体層405,406および407の上側に位置する内部電極層504は、Y軸方向に延びる長方形パターンであり、誘電体層407のX軸方向幅よりもすこし狭い幅を有する。この内部電極層504は、内部電極層500と同じパターンであり、側面4cおよび4b間を接続するように延び、図1に示す端子電極8および9に対して電気的に接続してある。
本実施形態では、図4に示すインダクタ部Q1〜Q3は、図3に示すように、それぞれ、中心層20aと被覆層20bとで構成してある。本実施形態では、インダクタ部Q1〜Q3を構成するインダクタ用導体パターン20の被覆層20bを、導電性粒子が多く含まれる層で構成することで、大幅に電気抵抗を低下させ、低損失でQ値が高い共振器構造を実現することができる。すなわち、本実施形態では、従来構造に比較して、より多くの電流を通過させることが可能であり、挿入損失が少ない。そのため、本実施形態では、サイズを小型化してもQ値が高く、低損失な積層型誘電体共振器を実現することが可能になる。
しかも本実施形態では、導電性粒子が多く含まれる層を厚くするのではなく、導電性粒子が多く含まれる層は、被覆層であり、その中心層は、導電性粒子が比較的に少なくガラス成分が比較的に多く含まれる層で構成される。導電性粒子が比較的に少なくガラス成分が比較的に多く含まれる層は、導電性粒子を多く含む層に比較すれば電気抵抗が高いが、誘電体層と熱膨張係数が近く、誘電体層と内部電極層との界面でのクラックやデラミネーションを有効に防止することができる。しかも、マイクロ波帯においては、内部電極層を構成する導電層の表層を主して電流が流れるので、中心層20aの電気抵抗が比較的に高いことは、それほどQ値を低下させる要因には成らない。
したがって、本実施形態によれば、焼成後の素子本体にクラックやデラミネーションなどを生じさせることなく、しかも低コストで、Q値が高く、小型で低損失なバンドパスフィルタ2を提供することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、本発明に係る積層型誘電体共振器は、バンドパスフィルタのみではなく、その他の用途の共振器としても使用することも可能である。
図1は本発明の一実施形態に係る積層型バンドパスフィルタ(積層型誘電体共振器)の全体斜視図である。 図2は図1に示す積層型バンドパスフィルタの分解斜視図である。 図3は図2に示すIII−III線に沿う要部断面図である。 図4は図1および図2に示す積層型バンドパスフィルタの等価回路図である。 図5は図1に示す積層型バンドパスフィルタの製造過程を示す分解斜視図である。 図6は図5の続きの工程を示す分解斜視図である。 図7は図6に示すVII−VII線に沿う要部断面図である。
符号の説明
2… 積層型バンドパスフィルタ
4… 素子本体
6… 入力端子電極
7… 出力端子電極
8,9… 接地用端子電極
20… インダクタ用導体パターン
20a… 中心層
20b… 被覆層
20b1… 下部導電層
20b2… 上部導電層
24… コンデンサ用電極パターン
400〜408… 誘電体層
500〜504… 内部電極層

Claims (5)

  1. 誘電体層を介して複数の内部電極層が積層してあり、これらの内部電極層のパターンおよび積層構造により、コンデンサ部とインダクタ部とが形成してある積層型誘電体共振器であって、
    前記インダクタ部のみが、
    周囲を覆う被覆層に比べて、導電性粒子が少なくガラス成分が多く含まれる中心層と、
    前記中心層の周囲を覆うように形成してあり、前記中心層よりも導電性粒子が多く含まれる被覆層とを有し、
    前記被覆層が、下部導電層と、当該下部導電層の上に形成してある前記中心層の上を被覆する上部導電層とで構成してあり、
    前記中心層の幅は、前記下部導電層および上部導電層の幅よりも狭く、
    前記中心層の厚みは、前記被覆層の厚み以上であることを特徴とする積層型誘電体共振器。
  2. 前記被覆層の厚みが2μm以上である請求項1に記載の積層型誘電体共振器。
  3. 前記被覆層に含まれる導電性粒子は、前記被覆層全体100重量%に対して90重量%以上含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型誘電体共振器。
  4. 前記中心層に含まれる前記ガラス成分は、前記中心層全体100重量%に対して、0.2〜30重量%含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層型誘電体共振器。
  5. 前記導電性粒子が銀または銀合金である請求項1〜4のいずれかに記載の積層型誘電体共振器。
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