JP2003171774A - アルミニウム基材及びその表面処理方法 - Google Patents

アルミニウム基材及びその表面処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 りん酸を含む処理液を用いて、クロメート皮
膜又は陽極酸化皮膜の生成を妨げる自然酸化皮膜やシリ
コン等の偏析物を除去するアルミニウム基材及びその表
面処理方法を提供する。 【解決手段】 300〜1200g/lのりん酸を含
み、その温度が20〜60℃である表面処理液を、アル
ミニウムを含む被処理物1の表面3に接触させることに
より、該表面3の酸化皮膜及び偏析物を除去して表面3
に凹凸5を形成すると共に、前記表面3にりん酸系皮膜
を形成する表面処理方法、及び、この方法によって作製
されたアルミニウム基材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、りん酸を含む表面
処理液を用いたアルミニウム部材又はアルミニウム合金
部材(以下、アルミニウム部材等という。)の表面処理
に関する。更に詳しくは、アルミニウム部材等の耐食性
をより向上させるために、りん酸系処理液による表面処
理をクロメート処理又は陽極酸化処理の前に施す前処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムは、白さびなどが発生しや
すく耐食性が比較的低い材料であるため、耐食性を向上
させるために表面処理を施す必要がある。このアルミニ
ウムの表面処理として、陽極酸化処理やクロメート処理
が一般的に行われている。
【0003】これらのうち、陽極酸化処理は耐食性に優
れているものの、コストが高いという短所がある。一
方、クロメート処理はコストが安価で、大量生産に向い
ているが、耐食性がやや安定しないなどの問題がある。
従って、アルミニウムの場合は、通常、クロメート処理
を行って厚みが0.1μmであるクロム酸皮膜を被処理
物の表面に形成したのち、その表面上に塗装を施してい
る。
【0004】また、従来から、高い耐食性が求められる
アルミニウム合金部品、例えばアルミダイカスト製の船
外機塗装部品には、クロメート処理の一種であるアロジ
ン処理が施されている。このアロジン処理は、主成分に
クロム酸及びフッ化物を含有したpH1.8〜3.8の酸性水溶
液を用いる処理である。
【0005】アルミニウムは、通常その表面に自然酸化
皮膜やシリコン等の偏析物が形成されやすい。例えば、
アルミニウムを鋳造する場合は、鋳造時にアルミニウム
溶湯が型の中で冷却され、表面にアルミニウム以外のC
u,Fe,Zn,Ni成分が偏析するため、塗膜密着性と共に耐食
性が問題となる。特に、ダイカスト部品はアルミニウム
以外の成分含有率が高く、冷却速度が高いため偏析が起
こりやすい。そのため、アルミニウムダイカストの表面
に自然酸化皮膜や偏析物(シリコン等)があると、クロ
メート皮膜や陽極酸化皮膜が形成しにくいため、アルミ
ニウム鋳造品及びアルミニウムダイカスト塗装部品の耐
食性が安定しないおそれがある。
【0006】この耐食性の対応策としてベルト研磨、バ
レル研磨、ブラスト等の機械的方法や電解研磨が行われ
ているが、これらの電気的及び機械的方法は大量処理に
不向きで、複雑な部品形状や薄板に対して適用が困難で
あった。一方、複雑な部品形状や薄板に対して適用でき
る、薬液を使用した化学的方法があるが、一般的に偏析
の少ないアルミニウム展伸材を被処理物とし、主に密着
性が改善されていた。
【0007】そこで、アルミニウム部材又はアルミニウ
ム合金部材表面の自然酸化皮膜や偏析物を取り除くた
め、りん酸、硫酸、硝酸等の酸を一種又は数種類を含有
したものに酸化剤の過酸化水素等を加えた薬液が用いら
れている。りん酸と過酸化水素水を含む処理液をアルミ
ニウムの溶解に適用している技術が、特開昭52−86
937号公報、特公平7−122152号公報に開示さ
れている。しかし、これらの公報には、アルミニウム部
材等の表面に複合皮膜を形成する技術は開示されていな
い。さらに、表面調整が行われるアルミダイカスト等で
は、鉄材が鋳込まれることがあり、このようなりん酸と
過酸化水素溶液により表面調整する方法では、鉄材が処
理液により溶解し、処理液が無駄に消費されるという問
題が生じていた。一方、処理液中に溶け込んだ鉄イオン
は放置される間、銅イオンと同様に処理液中の過酸化水
素を消費してしまうことが分かった。
【0008】
【特許文献1】特開昭52−86937号公報 (第3
頁右欄上段)
【特許文献2】特公平7−122152号公報 (請求
項1〜請求項3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記課題を
解決し、りん酸を含む処理液を用いて、クロメート皮膜
又は陽極酸化皮膜の生成を妨げる自然酸化皮膜やシリコ
ン等の偏析物を除去することにより、クロメート皮膜又
は陽極酸化皮膜を形成し易くして、クロメート皮膜等の
本来の耐食性を向上させるアルミニウム基材及びその表
面処理方法を提供することを目的とする。さらに、本発
明は、前記課題を解決し、アルミダイカスト部品に多く
見られるように鉄材を含むアルミニウムの表面処理に対
して、処理液を無駄に浪費することなく、自然酸化皮膜
やシリコン等の偏析物を除去するとともに、クロメート
皮膜又は陽極酸化皮膜を形成し易くして、クロメート皮
膜等の本来の耐食性を向上させるアルミニウム基材及び
その表面処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム基材の表面処理方法は、前記目的を達成するため、3
00〜1200g/lのりん酸を含む表面処理液を、ア
ルミニウムを含む被処理物の表面に接触させることによ
り、該表面の酸化皮膜及び偏析物を除去して表面に凹凸
を形成すると共に、前記表面にりん酸系皮膜を形成する
方法である。また、本発明に係るアルミニウム基材の表
面処理方法は、前記目的を達成するために、600〜1
200g/lのりん酸を含む表面処理液を、アルミニウ
ムとアルミニウム以外の金属を含む被処理物の表面に接
触させることにより、該表面の酸化皮膜及び偏析物を除
去して表面に凹凸を形成すると共に前記アルミニウム以
外の金属の溶解を抑制し、前記表面にりん酸系皮膜を形
成する方法である。アルミニウムは、りん酸濃度と過酸
化水素濃度の増加と共に、溶解(エッチング)速度が増
加する。特に、りん酸濃度の溶解速度に対する影響が高
いことにより、りん酸濃度の高い範囲では、アルミニウ
ムを効率的に溶解することができる。鉄もりん酸濃度と
過酸化水素濃度の増加と共に溶解速度が増加する傾向に
あるが、高濃度領域では溶解量は急減する。このりん酸
の高濃度範囲では、アルミニウムの溶解速度が鉄に対し
て一段と高くなる。鉄の溶け込みが減り、不必要な処理
液消費が抑えられる。このように、アルミニウムの溶解
速度が高い濃度範囲を特定し、しかも、鉄の溶解速度が
低い処理液濃度を求め、アルミニウムが鉄に対して優先
的に溶解する処理液濃度とすることで問題解決を図っ
た。また、本発明に係るアルミニウム基材の表面処理方
法の一態様では、前記表面処理液として、1〜100g
/lの過酸化水素を更に含むものを用いてもよい。
【0011】前述した特開昭52−86937号公報,
特公平7−122152号公報に開示された表面処理技
術では、りん酸及び過酸化水素溶液を用いてアルミニウ
ム部材をエッチングしているが、何れの実施例も比較的
薬液濃度が低いため、処理温度を高く設定する必要があ
る。しかし、アルミニウムダイカストなどの鋳造部品で
は処理温度を高くすると偏析物を均一に取り除きにくく
耐食性が安定しないという問題がある。また、処理液温
度が高いと、その熱や溶存金属イオン等による金属エッ
チングに寄与しない過酸化水素の消耗が多くなるという
問題がある。従って、本発明によれば、処理液濃度を比
較的高く設定することにより、低温でしかも、1〜5分
間という短い時間で被処理物表面の自然酸化皮膜や偏析
物を均一に除去することができる。また、本発明の処理
は低温で行うため、処理液の劣化を起こしにくく、設備
の資材コストも安価になり、ライン管理もし易くなると
いう効果がある。また、前記表面処理液の温度は、特に
限定されないが、例えば20〜60℃の範囲で処理を行
うことができる。なお、前記表面処理液中には、必要に
応じて、添加剤、例えば界面活性剤、硫酸、塩酸、ふっ
酸等を適量添加するようにしてもよい。
【0012】また、本発明に係るアルミニウム基材の表
面処理方法の別の態様は、前記りん酸皮膜を形成したの
ちに、前記被処理物にクロメート処理を施すことによっ
て、前記りん酸皮膜の表面にクロメート皮膜を形成する
方法である。
【0013】クロメート皮膜の生成を妨げる自然酸化皮
膜や偏析物(シリコン等)が存在する被処理物表面上に
クロメート皮膜を形成する場合と、被処理物表面の自然
酸化皮膜や偏析物(シリコン等)を除去してりん酸系皮
膜を形成した後、該りん酸系皮膜の上にクロメート皮膜
を形成することにより、これらのりん酸系皮膜とクロメ
ート皮膜とからなる複合皮膜を被処理物表面に形成する
場合とを比較すると、耐食性に関して大きな差異があら
われる。よって、被処理物表面にりん酸系皮膜とクロメ
ート皮膜とを複合的に形成させることにより、従来より
大幅に耐食性を向上させることができる。なお、前記ク
ロメート処理の代わりに、陽極酸化処理を施すようにし
ても良い。この場合も、りん酸系皮膜の上に陽極酸化皮
膜が形成されるため、りん酸系皮膜と陽極酸化皮膜とを
複合的に形成させることにより、従来より大幅に耐食性
を向上させることができる。
【0014】さらに、本発明に係るアルミニウム基材の
表面処理方法の更に別の態様は、前記被処理物が、アル
ミニウム部材、アルミニウム合金部材、アルミニウム鋳
造部材、又はアルミニウムダイカスト部材のいずれかで
ある方法である。被処理物としては、アルミニウム成分
を含む金属を広く用いることができる。例えば純アルミ
ニウム部材や、鉄、亜鉛、マンガンなどの金属を含むア
ルミニウム合金部材、及び、アルミニウムダイカスト部
材(ADC10〜12)等の被処理物にも処理を施すこと
ができる。また、腐食に最も有害な影響を及ぼす成分の
一つであるCuを含むことが多いアルミ鋳物部品にも好適
に用いることができる。
【0015】そして、本発明に係るアルミニウム基材
は、アルミニウムを含む被処理物本体と、該被処理物本
体の表面に形成されたりん酸皮膜と、該りん酸皮膜の表
面に形成されたクロメート皮膜とを備えている。被処理
物表面にりん酸系皮膜とクロメート皮膜とを複合的に形
成させることにより、従来より大幅にアルミニウム基材
の耐食性を向上させることができる。さらに、前記クロ
メート皮膜の上に、プライマー層などの下塗り層や上塗
り層を適宜形成してもよい。また、前記クロメート皮膜
の代わりに、陽極酸化皮膜を形成し、該陽極酸化皮膜の
上から下塗り層や上塗り層を適宜形成してもよい。そし
て、前記りん酸皮膜は、前述した処理方法(300〜1
200g/lのりん酸を含む表面処理液を、アルミニウ
ムを含む被処理物の表面に接触させる方法)によって形
成することができる。また、クロメート皮膜について
も、前述の方法によって形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施の形
態に係るアルミニウム基材の表面処理方法について、詳
細に説明する。なお、以下においては、表面処理方法の
一実施の形態として、アルミニウムダイカスト部材の表
面にりん酸系皮膜を生成させたのち、該りん酸系皮膜の
表面にクロメート皮膜を形成させる処理方法について説
明するが、本願はこれに限定されるものではない。
【0017】「表面処理工程の概要」まず、アルミニウ
ム成分を含有する被処理物の表面に、りん酸を含むりん
酸系処理液を接触させたのち、必要に応じて乾燥させ
る。この接触の方法は、表面処理液中に被処理物を浸漬
させても良く、また、スプレー等で表面処理液を被処理
物に噴霧してもよい。
【0018】このりん酸系処理液を用いた表面処理を行
うと、被処理物の表面に適度な大きさの凹凸(サブミク
ロンオーダーの凹凸)が形成され、アンカー効果により
塗装の密着性が向上するので、塗装品の耐食性が向上す
る。また、りん酸系処理液を接触させると、被処理物表
面に形成された酸化皮膜や偏析物を除去すると共に、被
処理物表面にりん酸系皮膜が形成されるため、表面が活
性化されてクロメート皮膜や陽極酸化皮膜が付着しやす
くなる。なお、被処理物表面の凹凸はサブミクロンオー
ダーでありクロメート皮膜の形成に障害とならないこと
が望ましい。
【0019】次いで、前記りん酸系皮膜の上からクロメ
ート処理や陽極酸化処理を施してクロメート皮膜又は陽
極酸化皮膜を形成する。さらに、必要に応じて、このク
ロメート皮膜の上から下塗り層であるプライマー層を形
成したり、該プライマー層の上から上塗り層を形成する
ことができる。なお、クロメート皮膜の好ましい膜厚の
範囲は、0.1〜10μmであり、陽極酸化皮膜の好ま
しい膜厚の範囲は、1〜50μmである。
【0020】[処理条件]前記りん酸系処理液を被処理物
に接触させる処理条件を簡単に説明する。りん酸系処理
液は、300〜1200g/lのりん酸を含む組成を有
するものであり、処理液温度は20〜60℃で、1〜1
50分間の時間、浸漬等の手段によって被処理物に接触
させる。
【0021】前記りん酸濃度は、好ましくは400〜8
00g/lであり、必要に応じて1〜100g/lの過
酸化水素を添加してもよい。この過酸化水素濃度は、好
ましくは20〜50g/lである。また、処理液温度
は、好ましくは20〜60℃であり、更に好ましくは2
5〜50℃である。さらに、処理時間は、好ましくは1
〜5分間である。なお、過酸化水素は40℃以上の熱や
金属イオンに対して不安定で金属の表面処理を連続して
行うためには過酸化水素の消耗量の大きいことが障害と
なっている。よって、表面処理液に過酸化水素を含む場
合は、処理温度は、25〜40℃とする。
【0022】[りん酸系皮膜]前述したように、被処理物
の表面に析出している鉄、亜鉛、マンガン等の金属とり
ん酸系処理液を接触することにより、クロメート処理や
陽極酸化処理を行う前段階において、耐食性を有するり
ん酸系皮膜を生成させることができる。このりん酸系皮
膜は、りん酸鉄、りん酸亜鉛、りん酸マンガン等から構
成されており、りん酸系皮膜の膜厚は、0.05〜10
μmであり、好ましくは、0.1〜5μmである。
【0023】[表面処理液]りん酸を300〜1200g
/lと多量に加えた表面処理液を、比較的低い温度、例
えば室温程度において表面処理を行うと、調整時間が1
〜5分と短時間で耐食性向上に十分なエッチング量を確
保できる。また、表面処理液中に過酸化水素を含む場合
は、該過酸化水素の消耗も抑制できることを見出した。
このとき過酸化水素の濃度は1〜100g/lあれば十
分なエッチング量を確保できる。しかし、過酸化水素の
自然消耗が抑制できているので、過酸化水素の補充回数
を減らすために過酸化水素を薬液中に30〜80g/l
とすることが好ましい。
【0024】以下に、実施例を通じて本発明を具体的に
説明する。 [実施例1〜4]市販の精製りん酸、過酸化水素がそれぞ
れ表1のように含まれる表面調整液を調合して20〜3
3℃とし、船外機用アルミダイカスト部品(材質ADC
12)を3〜5分間、調整液に浸漬又は調整液をスプレ
ーすることにより表面処理を行った。
【0025】
【表1】
【0026】表面調整後、クロメート処理、下塗り、上
塗りを施した塗装部品にクロスカットを入れ、塩水噴霧
試験(以下、SSTという)、又は複合サイクル試験(以
下、CCTという)を実施し耐食性を評価した。ここで、
塩水噴霧試験は、5%の濃度を有する塩水を720時間
の間、部品に噴霧して行い、また、複合サイクル試験
は、50℃の塩水を30分間噴霧するサイクルと、80
℃で1.5時間の間乾燥させるサイクルとを90サイク
ル繰り返して行った。
【0027】実施例1〜3では本発明例と比較例の試料
として塗装部品を各1個づつ、実施例4では各々10個
づつ用意した。なお、塩水噴霧試験、又は複合サイクル
試験は、本発明例と比較例の塗装部品の耐食性に明確な
差異が出るまで行った。耐食性は、塩水噴霧試験、又は
複合サイクル試験後にクロスカット部でテープ剥離試験
を行い評価した。試験方法はJISに従ったものである。
【0028】また、表2に示すように、実施例1におけ
る本発明例1の塗装品はテープ剥離試験でも剥離するこ
となく、耐食性試験後も良好な塗装の密着性であった。
一方、比較例1の塗装品(従来塗装品)はテープ剥離試
験で、テープの接触部全面で剥離する部分があり耐食性
試験後の密着性が良好でなかった。
【0029】
【表2】
【0030】そして、表3に示すように、実施例2にお
ける本発明例2の塗装品はテープ剥離試験でも著しく剥
離することなく、耐食性試験後も良好な塗装の密着性で
あった。一方、比較例2の塗装品は、従来の塗装品であ
り、アルミニウムダイカスト部品の上からクロメート処
理のみを施したものである。この比較例2では、テープ
剥離試験で、テープの接触部全面で剥離する部分があり
耐食性試験後の密着性が悪かった。
【0031】
【表3】
【0032】さらに、表4に示すように、本発明例3の
塗装品にはクロスカット部に著しい塗膜の膨れを生じな
かったが、比較例3の塗装品はクロスカット部に大きな
膨れを生じていた。
【0033】
【表4】
【0034】表5に示すように、本発明例4の塗装品に
は著しい塗膜の膨れを生じなかったが、比較例4の塗装
品には部品全面に膨れを生じるものやピンの打ち込み部
で大きく膨れを生じるものが多数あった。耐食性の評価
はクロスカット部での外観評価にて行った。
【0035】
【表5】
【0036】[実施例5]本発明例5として、市販の精製
りん酸、過酸化水素を各々600g/l、35g/l含
有する表面調整液を調合し、この調整液にてアルミニウ
ム板をその重量が1wt%減少するまで表面調整した。
図1に、表面調整後のアルミニウム板1の表面3をSEM
にて観察した写真を示す。図1に示すように、この表面
3には、サブミクロンオーダーの凹凸5がほぼ均一に形
成されていることが判る。また、表面3の上部には埋込
み樹脂7が設けられており、表面3のすぐ下部に見える
白い層状の部分は、光が反射して写ったものであり、実
際にはアルミニウム板1が存在している。比較例5とし
て、硫酸、過酸化水素をそれぞれ300g/l、35g
/l含有する薬液にて、アルミニウム板をその重量が1
wt%減少するまで表面調整した。図2に示すように、
表面調整後のアルミニウム板11の表面13をSEMにて
観察したが、図1に示す本発明例5のようなサブミクロ
ンの凹凸5は見られなかった。 そして、図3に示すよ
うに、アルミニウム板21に表面調整を施さなかった場
合は、表面23はほぼ平坦に形成された。
【0037】[実施例6]さらに、船外機の部品であるテ
ィラーハンドルを用い、表6及び表7に示すように、部
品の表面に、りん酸系皮膜とクロメート皮膜との複合皮
膜を形成したもの、クロメート皮膜のみを形成したも
の、りん酸系皮膜のみを形成したものの3種類について
耐食性試験を行った。なお、クロメート処理は、処理液
中に部品を浸漬させることにより行った。
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】これらの表に示すように、本発明例6であ
るリン酸系皮膜とクロメート皮膜との複合皮膜の場合
が、最も耐食性が良好であった。なお、以上の評価を表
8にまとめて示した。この表8から明らかなように、耐
食性、及びコスト面から総合的にみると、本発明に係る
複合皮膜の方が優れていることが確認できた。
【0041】
【表8】
【0042】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。上記の第1の実施の
形態で説明した薬液濃度は、りん酸濃度300〜120
0g/l、過酸化水素濃度1〜100g/lとした。こ
の方法によれば、処理液の温度が比較的低い室温(20
℃以上、好ましくは25〜35℃)でも、処理時間が1
〜5分と短時間で耐食性向上に十分なエッチング量を確
保できた。しかしながら、このりん酸と過酸化水素溶液
により表面調整する方法は、アルミダイカスト部品で
は、鋳鉄製の素材が鋳込まれることがあり、その鉄材は
処理液により溶解し、薬液が無駄に消費されるという問
題が生じていた。そこで、アルミニウムが優先的に溶
け、鉄が溶けにくい条件を設定する必要があり、処理液
成分であるりん酸と過酸化水素のアルミニウムと鉄の溶
解度を詳細に調べた。なお、過酸化水棄は金属がりん酸
と反応することにより発生する水素と反応し無害な水と
なり、工程管理上の環境面に対する効果を併せ持つ。
【0043】[実施例7]以下に、鋳鉄等の鉄による過
酸化水素の消耗を抑制できる条件を、種々の処理液種・
濃度・温度で検討し、鉄が鋳込まれたアルミニウム部品
を表面調製することで、その塗装部品の耐食性を確認し
た。本実施例では、85%りん酸、35%過酸化水素と
イオン交換水を混合して全体を120mlとした。撹拌
後所定の温度を約30℃に設定し、試料を処理液に浸漬
した。試料にはアルミニウムダイカスト約40gと鋳鉄
製の平板形状部品の切り出し品14gを使用した。各試
料は脱脂後乾燥して使用した。薬液中への浸漬時間は約
3分間とし、乾燥後、試料の重量を測ることで溶解量を
測定した。図4は、そのアルミダイカストの溶解量をり
ん酸と過酸化水素の濃度に対して測定した結果を示す。
縦軸の左に重量差、右に過酸化水素の濃度、横軸にりん
酸濃度を示す。アルミニウムの溶解量は、りん酸と過酸
化水素濃度の増加とともに増加した。また、各りん酸濃
度における過酸化水素濃度の増加に対して、アルミニウ
ムの溶解量は増加の傾向を示した。よって、アルミニウ
ムの溶解量(速度)を高めるにはりん酸濃度が高いほう
が良い。
【0044】一方、図5は、鋳鉄の溶解量をりん酸と過
酸化水素の濃度に対して測定した結果を示す。縦軸及び
横軸の内容は、図4と同じである。鋳鉄部品は過酸化水
素が含有する状況下で、りん酸の濃度により溶けやすい
範囲と解けにくい範囲があることが分かった。即ち、り
ん酸が高濃度(85%りん酸600g/l以上)の時、
過酸化水素濃度が変化しても、溶解量は低くほぼ一定と
なった。薬液中過酸化水素の濃度は変化し易いが、高濃
度のりん酸溶液では鉄材の溶解量は変化しにくいため工
程管理を行い易い。また、過酸化水素は金属がりん酸と
反応することにより発生する水素と反応し、無害な水と
する役割を果たす。
【0045】さらに、処理温度を40℃とした場合、8
5%りん酸94g、35%過酸化水素7g濃度でアルミ
ニウム0.041g、鉄0.071gが溶解され、アル
ミニウムの溶解量は鉄に比較して非常に高かった。本表
面調整の後にクロメート処理(主成分にクロム酸、フッ
化物を含有しPH1.8〜3.8の酸性水溶液を含む薬
液によりアルミニウム表面にクロム被膜を形成する処
理)を行った。その後、塗装を行い、塩水噴霧試験によ
り耐食性を評価した。りん酸600g/1以上で、表面
調整されたアルミ塗装部品の耐食性は、720時間にお
いても問題なく良好であった。そして、上記実施の形態
と同様に、表面処理後にクロメート処理等を行う。この
ように、種々検討した結果、りん酸と過酸化水素溶液の
濃度を比較的高く設定することにより、低温でしかも短
時間で鋳造表面の自然酸化皮膜や偏析物を均一的に除去
できる方法を発明した。
【0046】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明
の技術的思想に基いて種々の変形及び変更が可能であ
る。例えば、上記第2の実施の形態では、りん酸を含む
表面処理液600〜1200g/lを、アルミダイカス
トと鉄を含む被処理物の表面に接触させるようにした
が、鉄と同様に、りん酸を含む表面処理液600〜12
00g/lにより溶解が抑制される金属であれば、その
ような他の金属を含む被処理物にも適用することが可能
である。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、300〜1200g/
lのりん酸が過酸化水素の消耗を抑え、表面調整したア
ルミニウム基材の表面は、腐食しやすい偏析物や自然酸
化皮膜が除去されると共に、サブミクロンオーダーの凹
凸が生じるため、クロメート、塗装、陽極酸化皮膜など
の密着性を向上させることができる。よって、高耐食性
を有する複合皮膜が生成し、アルミニウム基材の耐食性
を向上させることができる。また、600〜1200g
/lのりん酸が、鉄のエッチングを抑えるために、その
溶解に伴う過酸化水素の消費及び鉄イオンの触媒作用に
よる消耗が少なくなる。そして、表面処理したアルミニ
ウムの表面は、腐食しやすい偏析物や自然酸化物被膜を
速やかに除去される他、サブミクロンオーダーの凹凸が
生じ、クロメート、塗装、陽極酸化皮膜などの密着性を
向上させ、アルミニウムの基材の耐食性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5における本発明例5のアルミニウム板
を示すSEM写真である。
【図2】実施例5における比較例5のアルミニウム板を
示すSEM写真である。
【図3】実施例5における未処理のアルミニウム板を示
すSEM写真である。
【図4】実施例7におけるアルミダイカストの溶解量
を、りん酸と過酸化水素の濃度に対して測定した結果を
表すグラフである。
【図5】実施例7における鋳鉄の溶解量を、りん酸と過
酸化水素の濃度に対して測定した結果を表すグラフであ
る。
【符号の説明】
1,11,21 アルミニウム板 3,13,23 表面 5 凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 直弘 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 (72)発明者 河合 眞 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 Fターム(参考) 4K026 AA09 BA03 BA04 BA05 BA06 BA12 BB06 BB08 CA16 CA18 CA26 CA28 CA33 CA35 DA03 DA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 300〜1200g/lのりん酸を含む
    表面処理液を、アルミニウムを含む被処理物の表面に接
    触させることにより、該表面の酸化皮膜及び偏析物を除
    去して表面に凹凸を形成すると共に、前記表面にりん酸
    系皮膜を形成することを特徴とするアルミニウム基材の
    表面処理方法。
  2. 【請求項2】 600〜1200g/lのりん酸を含む
    表面処理液を、アルミニウムとアルミニウム以外の金属
    を含む被処理物の表面に接触させることにより、該表面
    の酸化皮膜及び偏析物を除去して表面に凹凸を形成する
    と共に前記アルミニウム以外の金属の溶解を抑制し、前
    記表面にりん酸系皮膜を形成することを特徴とするアル
    ミニウム基材の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記表面処理液が、更に1〜100g/
    lの過酸化水素を含むことを特徴とする請求項1又は2
    に記載のアルミニウム基材の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 前記りん酸系皮膜を形成したのちに、前
    記被処理物にクロメート処理を施すことによって、前記
    りん酸皮膜の表面にクロメート皮膜を形成することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム
    基材の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記被処理物が、アルミニウム部材、ア
    ルミニウム合金部材、アルミニウム鋳造部材、又はアル
    ミニウムダイカスト部材のいずれかであることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム基材
    の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 アルミニウムを含む被処理物本体と、該
    被処理物本体の表面に形成されたりん酸系皮膜と、該り
    ん酸系皮膜の表面に形成されたクロメート皮膜とを備え
    たことを特徴とするアルミニウム基材。
  7. 【請求項7】 前記りん酸系皮膜は、前記請求項1〜3
    のいずれかに記載された方法によって形成し、前記クロ
    メート皮膜は、前記請求項4に記載された方法によって
    形成したことを特徴とする請求項6に記載のアルミニウ
    ム基材。
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