JP2003171686A - 高分子ゲル潤滑方法 - Google Patents

高分子ゲル潤滑方法

Info

Publication number
JP2003171686A
JP2003171686A JP2001373894A JP2001373894A JP2003171686A JP 2003171686 A JP2003171686 A JP 2003171686A JP 2001373894 A JP2001373894 A JP 2001373894A JP 2001373894 A JP2001373894 A JP 2001373894A JP 2003171686 A JP2003171686 A JP 2003171686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gel
polymer gel
friction
water
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001373894A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3936180B2 (ja
Inventor
Masayuki Mori
誠之 森
Shinichi Hosokawa
新一 細川
Hidetaka Nanao
英孝 七尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2001373894A priority Critical patent/JP3936180B2/ja
Publication of JP2003171686A publication Critical patent/JP2003171686A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3936180B2 publication Critical patent/JP3936180B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイドロゲルの低荷重摩擦において、ゲル表
面の化学的性質を制御して潤滑特性との関係を明らかに
して、生体内等の水中における摩擦部の潤滑性能を向上
させる高分子ゲル潤滑方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 水中の相対摺動部材間に潤滑材である高
分子ゲルを配設して用いる潤滑方法において、前記高分
子ゲルを親水性高分子ゲルとするとともに、該親水性高
分子ゲルの官能基を親水基としたことにより、潤滑剤で
ある水と相互作用を持ち易い親水性の官能基の存在によ
って高分子ゲルを水中での優れた潤滑剤として使用する
ことが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中の相対摺動部
材間に潤滑材である高分子ゲルを配設して用いる潤滑方
法に係り、好適には、生体内で使用する人工関節の摺動
部等における水潤滑技術に適用される。
【0002】
【従来の技術】ハイドロゲル等の水含有系のゲルは生体
への毒性が低いことから、以前より人工関節材料として
広く研究されている。人工関節のような高荷重における
ゲルの潤滑特性に関しては、臨床応用が検討されてい
る。一方、医療機器分野では、手術時に用いられるカテ
ーテル先端にマニピュレート機能を持たせるようなマイ
クロマシン(微小機械)の開発もなされている。生体に
用いる材料としての潤滑性を考慮すると水含有系のハイ
ドロゲルが相応しいと考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような微小機械の
摩擦場に掛かる荷重は極めて低いものであるが、ハイド
ロゲルの低荷重条件下における潤滑特性に関しての研究
は殆どなされていない。また、微小機械の摩擦場におい
ては、摩擦力に対する表面力の影響の顕在化は無視でき
ず、特に、生体内のように水が摩擦界面に存在すること
によって、界面での水素結合やメニスカス力等が摩擦を
大きくする要因となる。このような場合、表面の疎水化
等の処理により低摩擦とするのが一般的である。しかし
ながら、この種のハイドロゲルのように水を含み膨潤
し、かつ極めて軟質な材料においては、表面の疎水化が
有効かどうかは明らかではない。そこで、水の含浸能力
の高い多孔質の性状を有するポリビニルアルコールを用
いて、しみ出た水による潤滑効果を得ることも提案され
た。しかしながら、ゲル表面の保水能力が充分でなく、
より低い摩擦係数を得ることはできなかった。
【0004】そこで、本発明では、前記ハイドロゲルの
低荷重摩擦において、ゲル表面の化学的性質を制御して
潤滑特性との関係を明らかにして、生体内等の水中にお
ける摩擦部の潤滑性能を向上させる高分子ゲル潤滑方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、水中
の相対摺動部材間に潤滑材である高分子ゲルを配設して
用いる潤滑方法において、前記高分子ゲルを親水性高分
子ゲルとするとともに、該親水性高分子ゲルの官能基を
親水基としたことを特徴とする。また本発明は、前記親
水性高分子ゲルが、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ルアミド、ポリアクリル酸およびこれらの共重合体から
選定されたことを特徴とする。また本発明は、前記官能
基が、水酸基、アミド基、カルボキシル基等の1ないし
複数から選定されたことを特徴とする。また本発明は、
前記官能基として、アミド基にカルボキシル基を数モル
%添加したことを特徴とする。また本発明は、前記親水
性高分子ゲルの潤滑面に凹凸を形成したことを特徴とす
る。また本発明は、前記凹凸形成による潤滑面積に対す
る接触面積の比率をほぼ40〜60%前後としたことを
特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とす
るものである。
【0006】
【実施の形態】以下、本発明における高分子ゲル潤滑方
法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1
(A)は本発明の高分子ゲル潤滑方法にて使用される親
水性高分子ゲルの実施の形態のモデル図、図1(B)は
比較例である疎水性高分子ゲルのモデル図、図2は摩擦
試験機の概略図、図3は試験ゲルの摩擦力の時間的変化
図、図4は試験ゲルの物理特性(重合度)と摩擦係数と
の関係図、図5は試験ゲルの含水率(溶液濃度)と摩擦
係数との関係図、図6は試験ゲルのスライダ(摩擦対象
物である相対摺動部材)種別とゲル種別毎の摩擦係数と
の比較図、図7は試験ゲルの保存日数と摩擦係数との関
係図、図8は試験ゲルのアクリル酸濃度と摩擦係数との
関係図、図9は試験ゲルの表面形状図、図10は試験ゲ
ルの表面形状と大気中および水中での摩擦係数との関係
表図、図11は大気中における試験ゲルの接触面積比率
と摩擦係数との関係図、図12は水中における試験ゲル
の接触面積比率と摩擦係数との関係図、図13は大気中
における試験ゲルの凹部深さと摩擦係数との関係図、図
14は水中における試験ゲルの凹部深さと摩擦係数との
関係図である。
【0007】本発明の高分子ゲル潤滑方法は、図1
(A)に示すように、水中の相対摺動部材間に潤滑材で
ある高分子ゲルを配設して用いる潤滑方法において、前
記高分子ゲルを、ポリビニルアルコール(PVA)、ポ
リアクリルアミド(PAAm)およびポリアクリル酸お
よびその共重合体等の親水性高分子ゲルとするととも
に、該親水性高分子ゲルの官能基を、水酸基、アミド
基、カルボキシル基等の1ないし複数から選定された親
水基としたことを特徴とする。
【0008】本発明の高分子ゲル潤滑方法を導くため
に、ハイドロゲルの低荷重摩擦において、ゲル表面の化
学的性質を制御して潤滑特性との関係について行った摩
擦試験について以下に詳述する。 <潤滑試験> <試料>各種ゲルを作成するためのモノマ溶液の性状を
以下にまとめて示す。 ・ポリビニルアルコール(PVA)ゲル 超音波分散器中、PVAを蒸留水に溶解させ(10wt
%)、約24時間サイクルで凍結解凍(−10°C〜室
温)を10回繰り返しゲルを得た。 ・ポリアクリルアミド(PAAm)およびN−イソプロ
ピルアクリルアミド(NiPAAm)ゲル モノマ水溶液(PAAmは10wt%、NiPAAmは
15wt%)に架橋剤N,N’−メチレンビスアクリル
アミド(BIS)を1mol%で溶解し、該水溶液に
N,N,N,N−テトラメチレンエチレンジアミン(T
MED)を加え、氷浴中、窒素もしくはアルゴン置換を
行った。その後、重合開始剤ペルオキソ二硫化アンモニ
ウム(APS)を40g/lで加え、攪拌、成形した。 ・アクリルアミド−アクリル酸共重合(Poly(AA
m−co−AAc))ゲル 10wt%AAm水溶液に対して、AAcを〜20mo
l%で溶解した水溶液にTMEDを加え、氷浴中、窒素
もしくはアルゴン置換を行った。その後、重合開始剤A
PSを40g/lで加え、攪拌、成形した。 ・ポリビニルメチルエーテル(PVME)ゲル PVME水溶液をγ線で架橋させたもの。
【0009】図2は低荷重の摩擦試験機の概略図で、各
試験ゲルは、0.5mm厚さのスペーサを介した2枚の
スライドガラスに挟んで成形したため、基本的には平滑
表面を有するが、前記PVMEに関しては、μmオーダ
の細孔が表面およびバルクに形成されていた。また、全
ての摩擦試験は超純水中、室温で行った。試料サンプル
である試験ゲルを水中に保持した状態で摩擦試験が行わ
れ、荷重は、サンプルを支持する板ばねに貼り付けたス
トレインゲージでモニタした。一方、得られる摩擦力
は、スライダを支持する板ばねの変位を渦電流式センサ
で検出し、これにばね定数を乗じることによって算出し
た。スライダ(曲率半径:7.8mm)には光学ガラス
(BK−7)とスチール(SUJ−2)製のものを用い
た、荷重を加え始めてから、摩擦開始までの保持時間の
増加に伴う静摩擦係数の上昇が報告されているため、摩
擦開始までの荷重時間は20〜30sに統一した。その
他の摩擦条件として、荷重を3〜25mN、摩擦速度を
20μm/sとした。
【0010】<結果および考察> <PVAゲルの水中摩擦試験>図3は、PVAゲルをサ
ンプルとした水中における摩擦試験時に得られた典型的
な時間的変化による摩擦力曲線を示す。スライダ(SU
J−2)をサンプル(PVAゲル)に押し付け、一定荷
重で約20s保持した後、サンプルステージを一定速度
で移動させて摩擦を開始した。摩擦開始後から約6s間
は、ゲルの拈弾性変形による流動抵抗を伴い、見かけ上
の摩擦力は約1mNまで急激に上昇した。その後、ステ
ィック・スリップ現象を起こして摩擦状態に移行し、定
常な摩擦においては平均摩擦係数が約0.05と非常に
低い値となった。サンプルである軟質のゲルは、硬質の
スライダを押し付けられて変形する。つまり、接触面積
はゲルの物理特性に依存する。
【0011】そこで、試験ゲルにおける平均重合度を変
え、摩擦に対する影響を検討した。図4は試験ゲルの物
理特性(重合度)と摩擦係数との関係図で、平均重合度
が800から2500までのPVAゲル(いずれもモノ
マ水溶液の濃度は10wt%のものを使用)を用いた。
PVAゲルの重合度増加により、平均摩擦係数は低下す
る傾向があった。この時の平均摩擦係数の変化は0.1
から0.05と低く、いずれの場合においても低い摩擦
係数だった。PVAゲルが人工関節の軟質潤滑膜として
優れた潤滑特性を示すと報告されており、その理由とし
て、弾性流体潤滑作用とともに、荷重を掛けた場合にゲ
ル内部からしみ出した水が寄与しているものと考えられ
ている。
【0012】そこで、ゲルの含水率を82〜95%と変
えて摩擦試験を行った。図5は試験ゲルの含水率(溶液
濃度)と摩擦係数との関係図である。試験ゲルはPVA
ゲルで、平均重合度は3500に統一した。いずれの含
水率においても、摩擦係数は0.1以下であり、また、
平均摩擦係数の含水率依存性は小さいものであった。傾
向としては含水率の高い方ゲルの方が摩擦係数が低くな
った。一方、大気中での摩擦試験では、ゲル内部に水が
存在しても表面は乾燥しており、その時の平均摩擦係数
は0.9と非常に高かった。これらの結果により、PV
Aゲルによる潤滑において低摩擦を実現するためには、
スライダ・ゲル界面に充分な水が存在することが重要で
あることが理解される。
【0013】<各種ゲルの水中摩擦試験>PVAゲルに
加え、分子構造が異なるPAAm、NiPAAmおよび
PVMEの4種類のゲルを用い、水中で摩擦試験を行っ
た。その結果を図6に示す。図6は試験ゲルのスライダ
(摩擦対象物である相対摺動部材)種別と前記ゲル種別
毎の摩擦係数との比較図である。摩擦条件は前述のPV
Aゲルの摩擦試験時と同様とした。スライダにはBK−
7(Glass slider)を使用した。全てのゲ
ルにおいてゲル調製前のモノマ水溶液濃度は10wt%
に揃えた。各々の平均摩擦係数はPVAゲルが最も低く
て0.1、PAAmゲルが0.2、NiPAAmおよび
PVMEゲルが0.9であった。NiPAAmおよびP
VMEゲルは表面が乾いたPVAゲルと同等の摩擦係数
であることより、水中でも潤滑性に乏しい材料であるこ
とが分かった。
【0014】次に、PVAゲル、PAAmおよびNiP
AAmゲルについて、スライダをBK−7からSUJ−
2(Steel slider)に変えて摩擦試験を行
った。PVAゲルではスライダ材質の違いによる摩擦係
数の変化は殆ど見られず、どちらも0.1と低い値を示
しており、優れた潤滑性を示した。PAAmゲルはスラ
イダをSUJ−2とすることによって摩擦係数が1以上
と極めて高くなった。これに対し、NiPAAmゲルに
対しては、スライダをSUJ−2とすることで摩擦係数
が0.9から0.4にまで低下した。この試験におい
て、相手材がゲルで軟質であるため、スライダの接触面
積はゲルのみに依存しスライダに依らないと考えてよ
い。すなわち、摩擦係数がスライダ材料に強く依存した
ことは、スライダ・ゲル界面の化学的性質が摩擦に関与
したと考えられる。
【0015】PVAゲルの平均摩擦係数が最も低く、P
VMEゲルが高くなった理由について、ゲルの分子構造
という観点から考察すると、PVAゲルは分子側鎖に親
水性の水酸基(OH基)を有し、PVMEゲルは疎水性
のOCH3 基を有する。つまり、親水基を有するPVA
ゲルは潤滑剤として働く水をスライダ・ゲル界面に保持
する能力が高かったためと考えられる。また、PAAm
ゲルとNiPAAmゲルを比較すると、ガラススライダ
を用いた場合、PVAゲルとPVMEゲルと同様に、親
水性のアミド基を有するPAAmゲルがNiPAAmゲ
ルより低い摩擦係数を示した。NiPAAmゲルにもア
ミド結合が分子側鎖に存在するものの、疎水基であるイ
ソプロピル基が立体的な障害となり疎水性である。しか
し、スライダ材質としてSUJ−2を用いた場合、摩擦
係数に及ぼす影響が逆転したという結果については今後
の検討が必要である。
【0016】<PAAmゲルの摩擦係数経時変化>図7
は試験ゲルの保存日数と摩擦係数との関係図で、PAA
mゲルを作成してから摩擦係数試験を行うまでの保存期
間を変えた時の摩擦係数の変化を示したものである。用
いたスライダはBK−7とした。ゲルを作成後100日
を越えたものは、平均摩擦係数が0.1以下となり、1
年を経過したものは0.04まで低下した。これはPV
Aゲルと同等の潤滑性を有することになる。PAAm−
アセトン系の研究によると、保存時間とゲルの膨潤度に
相関が見られ、これはアミド結合部分の加水分解に起因
すると報告されている。つまり、本試験においても、P
AAmゲルが加水分解されて側鎖にCOOH(カルボキ
シル)基を持つようになり、PVAゲルのOH基と同様
に、水と相互作用し易くなったため摩擦係数がPVAゲ
ルと同等の値まで低下したと考えられる。
【0017】<共重合体ゲルによる潤滑>これまでの考
察において、PVAゲルがスライダ材料に関わらず高い
潤滑性を示したのは、ゲル分子側鎖のOH基が潤滑剤と
して働く水を保持するためと考えてきた。また、PAA
mゲルの平均摩擦係数が保存期間ととともに低下した結
果については、前記段落でゲル分子の加水分解によるC
OOH基の増加の影響であると考察した。そこで、PA
AmとPAAcの共重合体を用いて摩擦係数に対するC
OOH基の影響を検討した。スライダにはSUJ−2を
用いた。AAc(アクリル酸)の添加濃度はAAmとの
重量比で0〜20%、荷重は5〜20mNとした。
【0018】摩擦試験結果を図8に示す。図8は試験ゲ
ルのアクリル酸濃度と摩擦係数との関係図で、AAcが
無添加の場合、平均摩擦係数は1前後と高い値だった。
しかし、AAcを僅かに0.2%加えたことにより、平
均摩擦係数は0.1以下まで下がった。その後AAcを
5、10%と増すと、僅かではあるが摩擦係数は上昇
し、20%に至っては、無添加と変わらない値まで高く
なった。この傾向は荷重によらなかった。添加濃度の上
昇に伴い摩擦係数が上昇するという結果については、ゲ
ルの物性の変化等も関与してくると考えられるが、低摩
擦係数となった時のAAcの添加濃度が極めて低いこと
から、物性の影響は小さいと考えられる。また、この結
果より摩擦係数を下げるためには微量のAAcの添加が
重要であることが分かった。
【0019】さらに、その理由としてカルボキシル(C
OOH)基による親水性の向上が考えられる。添加濃度
の上昇に伴い、再び摩擦係数が高くなるという興味ある
結果が得られた。その理由について図1に示したモデル
で説明する。添加濃度の低い状態では、図1(A)に示
すように、AAmのアミド(CONH2 )基に加え、A
AcのCOOH基の導入によりゲル表面の親水性が高ま
り潤滑剤として働く水を留めておく能力が増加したと考
えられる。しかし、AAcの添加濃度が高くなると、図
1(B)の比較例に示すように、CONH2 基とCOO
H基が水素結合でカップリングし、潤滑性のCONH2
基やCOOH基がゲル表面に存在せず、ゲルのバルクに
取り込まれるようになると考えられる。このため、ゲル
表面には疎水性のゲル分子主鎖が露出するようになり、
潤滑性が低下したと考えられる。
【0020】親水基を有するPVAゲルやPAAmゲル
で摩擦係数が低かったのに対し、官能基が疎水基のPV
MEやNiPAAmゲルでは摩擦係数が高かったという
結果もこの考え方を支持している。この結果に荷重依存
性が殆ど見られないということ、さらに、ゲルの硬さや
含水率を変化させた場合よりも摩擦係数の変化量が大き
い(図4、5参照)ことから、積極的なCOOH基の導
入が摩擦の低減に効果があることが分かった。つまり、
ゲルの化学的特性(分子構造、親水性)が摩擦に大きく
影響していることが明らかとなった。
【0021】図9は試験ゲルの表面形状図である。平面
形状が亀甲模様に形成された摩擦面を形成する接触面長
さをb、摩擦への寄与が少ない凹部長さをa、凹部深さ
をhとして試験ゲルの表面形状を考察した。図10は試
験結果を示した試験ゲルの表面形状と大気中および水中
での摩擦係数との関係表図である。該図10と図11
(大気中試験)および図12(水中試験)の接触面積比
率と摩擦係数との関係図から理解されることは、接触面
積比率が40〜60%の時に摩擦係数が最も小さいこと
である。また、凹部深さhに関しては、大気中および水
中試験のいずれの場合もフラットおよび1.92μmの
比較的浅い場合は摩擦係数は高いことが分かるが、それ
以上の深さについては摩擦係数との関係は明確ではな
い。凹部にある程度の深さがあれば、潤滑面であるスラ
イダ・ゲル界面に低摩擦のための水の確保は可能である
と考えられる。
【0022】以上、低荷重(5〜20mN)における各
種ゲルの摩擦試験を水中で行った結果、次のことが明ら
かとなった。PVAゲルはスライダ材料によらず、平均
摩擦係数が0.1前後と低く、優れた潤滑性を示した。
含水率が高く、高重合度のPVAゲルで摩擦係数が最も
低かったことから、このような低荷重条件下において
も、接触面積が小さいことや、また荷重を加えた後の水
の摩擦界面へのしみ出しが摩擦に影響していることが示
唆された。ゲルの潤滑性はその分子構造に強く依存し、
類似ゲルで比較すると、摩擦係数は、PVAゲル<PV
MEゲルおよびPAAm<NiPAAmであった。すな
わち、ゲルの親水性が水中での潤滑性に深く関わってい
ることが明らかとなった。さらに、PAAmにAAcを
微量添加し、ゲルに親水性官能基(COOH基)を導入
することで摩擦係数が著しく低下した。PVAゲルが最
も摩擦係数が低いという結果から、ハイドロゲルでの潤
滑においては、水がスライダ・ゲル界面に保持され、潤
滑剤として働くことが重要であると結論された。
【0023】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明の趣旨の範囲内で、潤滑剤としての親
水性高分子ゲルの種類(ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、ポリアクリル酸およびこれらの共重合体
の他、ポリスチレンスルホン酸等の適宜の親水性高分子
ゲル)、該高分子ゲルが潤滑剤として使用される対象部
位、官能基における親水基の種類(水酸基、アミド基、
カルボキシル基の他、アミノ基、ケトン基、エステル
基、スルホン酸基、エーテル基等)、官能基におけるア
ミド基へのカルボキシル基の添加モル%、親水性高分子
ゲルの潤滑面の凹凸形状、該凹凸形状における接触面積
の比率および凹部深さ等については適宜選定することが
できる。
【0024】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、水中の相対摺動部材間に潤滑材である高分子ゲル
を配設して用いる潤滑方法において、前記高分子ゲルを
親水性高分子ゲルとするとともに、該親水性高分子ゲル
の官能基を親水基としたことにより、潤滑剤である水と
相互作用を持ち易い親水性の官能基の存在によって高分
子ゲルを水中での優れた潤滑剤として使用することが可
能となった。
【0025】また、前記親水性高分子ゲルが、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸お
よびこれらの共重合体から選定された場合は、最適な親
水性高分子ゲルの採用により毒性が低い素材が要求され
る生体内での水による無害な潤滑性の向上に寄与でき
る。さらに、前記官能基が、水酸基、アミド基、カルボ
キシル基等の1ないし複数から選定された場合は、好適
な親水性の高分子ゲルと官能基との組み合わせにより飛
躍的な水による潤滑性の向上が実現できた。
【0026】さらにまた、前記官能基として、アミド基
にカルボキシル基を数モル%添加した場合は、分子内水
素結合の生成による疎水性表面を形成することなく最も
効果的に最適化されて摩擦係数を低下(従来の1/10
程度)させることができる。また、前記親水性高分子ゲ
ルの潤滑面に凹凸を形成した場合は、凹部の保水機能に
より潤滑性能がさらに向上する。
【0027】さらに、前記凹凸形成による潤滑面積に対
する接触面積の比率をほぼ40〜60%前後とした場合
は、凸部である摩擦面積と凹部である保水部との適度の
バランスにより摩擦低減効果がさらに向上する。かくし
て、本発明によれば、生体内等の水中における摩擦部の
潤滑性能を向上させる高分子ゲル潤滑方法が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における高分子ゲル潤滑方法の1実施の
形態を示すもので、図1(A)は本発明の高分子ゲル潤
滑方法にて使用される親水性高分子ゲルの実施の形態の
モデル図、図1(B)は比較例である疎水性高分子ゲル
のモデル図である。
【図2】同、摩擦試験機の概略図である。
【図3】同、試験ゲルの摩擦力の時間的変化図である。
【図4】同、試験ゲルの物理特性(重合度)と摩擦係数
との関係図である。
【図5】同、試験ゲルの含水率(溶液濃度)と摩擦係数
との関係図である。
【図6】同、試験ゲルのスライダ(摩擦対象物である相
対摺動部材)種別とゲル種別毎の摩擦係数との比較図で
ある。
【図7】同、試験ゲルの保存日数と摩擦係数との関係図
である。
【図8】同、試験ゲルのアクリル酸濃度と摩擦係数との
関係図である。
【図9】同、試験ゲルの表面形状図である。
【図10】同、試験ゲルの表面形状と大気中および水中
での摩擦係数との関係表図である。
【図11】同、大気中における試験ゲルの接触面積比率
と摩擦係数との関係図である。
【図12】同、水中における試験ゲルの接触面積比率と
摩擦係数との関係図である。
【図13】同、大気中における試験ゲルの凹部深さと摩
擦係数との関係図である。
【図14】同、水中における試験ゲルの凹部深さと摩擦
係数との関係図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 149/06 C10M 149/06 151/02 151/02 // C10N 40:00 C10N 40:00 Z 40:02 40:02 50:10 50:10 Fターム(参考) 4C081 AA14 AB11 AC06 AC16 BA01 BB05 CA051 CA081 CA101 CB011 CC01 DA12 DB07 4D075 CA09 CA37 DB01 DB14 DB31 DC30 EA12 EB19 EB20 EB22 4H104 AA01Z CB02A CB08A CE03A CH01A PA01 PA50 QA01 QA18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中の相対摺動部材間に潤滑材である高
    分子ゲルを配設して用いる潤滑方法において、前記高分
    子ゲルを親水性高分子ゲルとするとともに、該親水性高
    分子ゲルの官能基を親水基としたことを特徴とする高分
    子ゲル潤滑方法。
  2. 【請求項2】 前記親水性高分子ゲルが、ポリビニルア
    ルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸および
    これらの共重合体から選定されたことを特徴とする請求
    項1に記載の高分子ゲル潤滑方法。
  3. 【請求項3】 前記官能基が、水酸基、アミド基、カル
    ボキシル基等の1ないし複数から選定されたことを特徴
    とする請求項1または2に記載の高分子ゲル潤滑方法。
  4. 【請求項4】 前記官能基として、アミド基にカルボキ
    シル基を数モル%添加したことを特徴とする請求項3に
    記載の高分子ゲル潤滑方法。
  5. 【請求項5】 前記親水性高分子ゲルの潤滑面に凹凸を
    形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載の高分子ゲル潤滑方法。
  6. 【請求項6】 前記凹凸形成による潤滑面積に対する接
    触面積の比率をほぼ40〜60%前後としたことを特徴
    とする請求項5に記載の高分子ゲル潤滑方法。
JP2001373894A 2001-12-07 2001-12-07 高分子ゲル潤滑方法 Expired - Fee Related JP3936180B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001373894A JP3936180B2 (ja) 2001-12-07 2001-12-07 高分子ゲル潤滑方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001373894A JP3936180B2 (ja) 2001-12-07 2001-12-07 高分子ゲル潤滑方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003171686A true JP2003171686A (ja) 2003-06-20
JP3936180B2 JP3936180B2 (ja) 2007-06-27

Family

ID=19182537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001373894A Expired - Fee Related JP3936180B2 (ja) 2001-12-07 2001-12-07 高分子ゲル潤滑方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3936180B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009051087A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Three M Innovative Properties Co 高分子ゲル構造体及びその製造方法
JP2010520317A (ja) * 2007-02-28 2010-06-10 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 親水性コーティング
KR20160148685A (ko) * 2014-05-05 2016-12-26 실란티스 리미티드 생물학적 접착제 및 밀봉제, 그리고 이들을 이용하는 방법
WO2017146101A1 (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 東レ株式会社 デバイスおよびその製造方法
WO2017146102A1 (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 東レ株式会社 デバイスおよびその製造方法
CN107670104A (zh) * 2017-11-21 2018-02-09 吉林大学 一种具有剪切力响应自润滑仿生关节软骨的制备方法
JP2018127551A (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 国立大学法人山形大学 低摩擦化された表面を有する高強度ゲルの製造方法
US11202849B2 (en) 2017-08-09 2021-12-21 Toray Industries, Inc. Medical device and method for manufacturing the same

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104877748B (zh) * 2014-02-27 2017-10-17 中国科学院兰州化学物理研究所 一种凝胶润滑剂组合物及其制备方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51124095A (en) * 1975-04-18 1976-10-29 Sulzer Ag Mixer used for securing explant in bone and method of producing same
JPS61247448A (ja) * 1985-04-25 1986-11-04 日石三菱株式会社 人工関節の製造方法
JPH03141957A (ja) * 1989-10-27 1991-06-17 Kyocera Corp 人工関節軟骨
JPH05228167A (ja) * 1992-02-26 1993-09-07 Kyocera Corp 人工関節
JPH07299086A (ja) * 1994-05-09 1995-11-14 Katsuzo Okada 人工関節の恒久的潤滑方法、および、人工関節
JPH0824327A (ja) * 1994-07-15 1996-01-30 Terumo Corp 湿潤時に表面が潤滑性を有する医療用具及びその製造方法
US5509899A (en) * 1994-09-22 1996-04-23 Boston Scientific Corp. Medical device with lubricious coating
JPH1036534A (ja) * 1996-07-30 1998-02-10 Kyocera Corp ポリビニルアルコールハイドロゲルの耐摩耗特性向上方法
JPH11276421A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd 内視鏡用親水性チューブ
WO2000071181A1 (en) * 1999-05-21 2000-11-30 Scimed Life Systems, Inc. Lubricious coating for medical devices

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51124095A (en) * 1975-04-18 1976-10-29 Sulzer Ag Mixer used for securing explant in bone and method of producing same
JPS61247448A (ja) * 1985-04-25 1986-11-04 日石三菱株式会社 人工関節の製造方法
JPH03141957A (ja) * 1989-10-27 1991-06-17 Kyocera Corp 人工関節軟骨
JPH05228167A (ja) * 1992-02-26 1993-09-07 Kyocera Corp 人工関節
JPH07299086A (ja) * 1994-05-09 1995-11-14 Katsuzo Okada 人工関節の恒久的潤滑方法、および、人工関節
JPH0824327A (ja) * 1994-07-15 1996-01-30 Terumo Corp 湿潤時に表面が潤滑性を有する医療用具及びその製造方法
US5509899A (en) * 1994-09-22 1996-04-23 Boston Scientific Corp. Medical device with lubricious coating
JPH1036534A (ja) * 1996-07-30 1998-02-10 Kyocera Corp ポリビニルアルコールハイドロゲルの耐摩耗特性向上方法
JPH11276421A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd 内視鏡用親水性チューブ
WO2000071181A1 (en) * 1999-05-21 2000-11-30 Scimed Life Systems, Inc. Lubricious coating for medical devices

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010520317A (ja) * 2007-02-28 2010-06-10 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 親水性コーティング
JP2009051087A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Three M Innovative Properties Co 高分子ゲル構造体及びその製造方法
KR101476484B1 (ko) * 2007-08-27 2014-12-24 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 중합체 젤 구조체 및 이의 제조 방법
US9453084B2 (en) 2007-08-27 2016-09-27 3M Innovative Properties Company Polymer gel structure and method for producing the same
KR20160148685A (ko) * 2014-05-05 2016-12-26 실란티스 리미티드 생물학적 접착제 및 밀봉제, 그리고 이들을 이용하는 방법
KR102514110B1 (ko) 2014-05-05 2023-03-24 어드밴스드 메디칼 솔루션스 이스라엘 (실란티스) 엘티디. 생물학적 접착제 및 밀봉제, 그리고 이들을 이용하는 방법
JPWO2017146101A1 (ja) * 2016-02-22 2018-12-13 東レ株式会社 デバイスおよびその製造方法
US11020511B2 (en) 2016-02-22 2021-06-01 Toray Industries, Inc. Device and production method for the same
US11986573B2 (en) 2016-02-22 2024-05-21 Toray Industries, Inc. Device and production method for the same
KR20180114900A (ko) * 2016-02-22 2018-10-19 도레이 카부시키가이샤 디바이스 및 그의 제조 방법
WO2017146102A1 (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 東レ株式会社 デバイスおよびその製造方法
JPWO2017146102A1 (ja) * 2016-02-22 2018-12-13 東レ株式会社 デバイスおよびその製造方法
JP2021079193A (ja) * 2016-02-22 2021-05-27 東レ株式会社 デバイスおよびその製造方法
WO2017146101A1 (ja) * 2016-02-22 2017-08-31 東レ株式会社 デバイスおよびその製造方法
US11045574B2 (en) 2016-02-22 2021-06-29 Toray Industries, Inc. Device and production method for the same
KR102490268B1 (ko) 2016-02-22 2023-01-20 도레이 카부시키가이샤 디바이스 및 그의 제조 방법
KR20220054912A (ko) * 2016-02-22 2022-05-03 도레이 카부시키가이샤 디바이스 및 그의 제조 방법
KR102400800B1 (ko) 2016-02-22 2022-05-24 도레이 카부시키가이샤 디바이스 및 그의 제조 방법
JP7163985B2 (ja) 2016-02-22 2022-11-01 東レ株式会社 眼用レンズの製造方法
JP2018127551A (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 国立大学法人山形大学 低摩擦化された表面を有する高強度ゲルの製造方法
US11202849B2 (en) 2017-08-09 2021-12-21 Toray Industries, Inc. Medical device and method for manufacturing the same
CN107670104A (zh) * 2017-11-21 2018-02-09 吉林大学 一种具有剪切力响应自润滑仿生关节软骨的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3936180B2 (ja) 2007-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6011081A (en) Contact lens having improved dimensional stability
JPH01503072A (ja) 湿潤性、親水性、軟性及び酸素透過性の共重合体組成物
JP2003171686A (ja) 高分子ゲル潤滑方法
BR9611469A (pt) Polímeros absorventes de líquido processo para sua preparação e sua aplicação
JP6718858B2 (ja) 表面改質されたコンタクトレンズ及びその調製方法
WO2002015911A1 (fr) Agent lubrifiant et solution permettant de faciliter l'insertion de verres de contact
Tomić et al. Biocompatible and bioadhesive hydrogels based on 2-hydroxyethyl methacrylate, monofunctional poly (alkylene glycol) s and itaconic acid
KR102490268B1 (ko) 디바이스 및 그의 제조 방법
US8729149B2 (en) Silicone hydrogels and methods of manufacture
WO2009029087A2 (en) Superporous hydrogels
JPS6229775B2 (ja)
Shi et al. Surface characterization of a silicone hydrogel contact lens having bioinspired 2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine polymer layer in hydrated state
CA1167673A (en) Contact lens and composition
WO2006001313A1 (ja) ゲル、その製造方法、吸水性樹脂、潤滑材及び細胞培養用基材
US11591426B2 (en) Copolymer, wetting agent, medical device, and method for producing same
IL46514A (en) The standard copolymers of 3 - methoxy - 2 - hydroxypropyl methacrylate and N - vinyl lactam
Bonyadi et al. Compositional dependence of polyacrylamide hydrogel abrasive wear resistance
JP7025749B2 (ja) 形状記憶ハイドロゲル
Lee et al. Preparation of interpenetrating polymer network composed of poly (ethylene glycol) and poly (acrylamide) hydrogels as a support of enzyme immobilization
US20230076717A1 (en) Ultra-high molecular weight polymers and methods of using the same
CN1226318C (zh) 一种医用共聚水凝胶及制备方法
JP2021109094A (ja) 医療デバイスの製造方法
US20190015542A1 (en) Device and production method for the same
EP2807198A1 (en) Silicone hydrogels and methods for manufacture
JP2550345B2 (ja) コンタクトレンズ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060516

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061017

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061208

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20061225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees