JP2003171521A - 樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

樹脂組成物およびその用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱履歴を受けても水溶解性に優れた樹脂組成
物およびその用途を提供すること。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂(A)、多
塩基酸またはそのアルカリ金属塩(B)及びヒドラジン
系化合物(C)を含有してなる樹脂組成物および暫定皮
膜用途。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール系樹脂(以下、PVAと略記することがある)を主
成分とする樹脂組成物およびその用途に関し、さらに詳
しくは、熱履歴を受けても水溶解性に優れた樹脂組成物
およびそれを用いた暫定皮膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、PVAは、その水溶性を生か
して、各種フィルムやシートに成形して利用されてお
り、これらのフィルムやシートは、農薬や洗剤の包装用
途あるいは生理用品のシートとして実用に供されてい
る。また、最近では、製品や部材の一時的な保護用フィ
ルムあるいはシートとしても利用されている。すなわ
ち、暫定皮膜としての用途に供されている。
【0003】たとえば、金属加工時の表面保護用途、ゴ
ム部材の加硫時の保護用途、樹脂成形品の表面保護用途
等に用いられるのである。これらの用途においては、一
時的な保護膜として利用されて、その後は剥離されて廃
棄されるのであるが、かかる保護膜が水溶性の樹脂から
なるものであれば、水や温水、あるいは熱水により容易
に除去することができ、その後の廃棄処分についても容
易に行うことができ、かかる樹脂としてポリビニルアル
コール系樹脂が用いられることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ポリビニルアルコール系樹脂は、表面保護時に熱履歴を
受けるとその水溶性が低下することがある。すなわち、
金属加工時においては、熱プレス等の工程で保護膜が熱
履歴を受けることがあり、また、ゴム部材の加硫時にお
いても当然熱履歴を免れることはできず、樹脂製品にお
いても、該樹脂が熱硬化性樹脂の時には加熱養生に供さ
れることも多く、熱履歴を受けても水溶解性の良好な樹
脂組成物が望まれるところである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は上記
の如き現況に鑑み鋭意研究した結果、PVA(A)、多
塩基酸またはそのアルカリ金属塩(B)及びヒドラジン
系化合物(C)を含有してなる樹脂組成物が、上記の目
的に合致することを見いだして本発明を完成するに至っ
た。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に用いられるPVA(A)は特に限定さ
れるものではなく、公知の方法で製造することができ
る。すなわち、ビニルエステル系化合物を重合して得ら
れたビニルエステル系重合体をケン化して得られるもの
である。
【0007】かかるビニルエステル系化合物としては、
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラ
ウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニル、パルミチン
酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が単独又は併用で用い
られるが、実用上は酢酸ビニルが好適である。
【0008】また、本発明においては、本発明の目的を
阻害しない範囲において、他の単量体を共重合させるこ
とも可能で、かかる単量体としては、例えばエチレン、
プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセ
ン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは
モノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メ
タアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、
メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィ
ンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル
類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウム
クロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチル
アリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリ
ルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエー
テルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオ
キシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシア
ルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン
(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メ
タ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)
アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)ア
クリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、
ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピ
レンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミ
ン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエ
チレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミ
ン等を挙げることができる。
【0009】重合(あるいは共重合)を行うに当たって
は、特に制限はなく公知の重合方法が任意に用いられる
が、通常は、メタノール、エタノールあるいはイソプロ
ピルアルコール等のアルコールを溶媒とする溶液重合が
実施される。勿論、乳化重合、懸濁重合も可能である。
【0010】また、重合反応は、アゾビスイソブチロニ
トリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラ
ウロイルなどの公知のラジカル重合触媒を用いて行わ
れ、反応温度は50℃〜沸点程度の範囲から選択され
る。
【0011】得られたビニルエステル系重合体をケン化
するにあたっては、該重合体をアルコールに溶解してア
ルカリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとして
は、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられ
る。アルコール中の共重合体の濃度は、20〜50重量
%の範囲から選ばれる。
【0012】ケン化触媒としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエ
チラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸
化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いることが
できる。かかる触媒の使用量はビニルエステルに対して
1〜100ミリモル当量にすればよい。なお、場合によ
っては、酸触媒によりケン化することも可能である。
【0013】本発明で用いられるPVA(A)のケン化
度は特に限定されないが、65モル%以上(さらには7
0モル%以上、特には75モル%以上、殊に80モル%
以上)が好ましく、かかるケン化度が65モル%未満で
は、製膜したときに皮膜強度が低下して好ましくない。
【0014】また、PVA(A)の4重量%水溶液粘度
についても特に限定されないが、5〜50mPa・s
(20℃)[さらには10〜45mPa・s(20
℃)、特には15〜40mPa・s(20℃)、殊に2
0〜35mPa・s(20℃)]が好ましく、かかる4
重量%水溶液粘度が5mPa・s(20℃)未満では、
製膜したときに皮膜強度が低下する傾向にあり、逆に5
0mPa・s(20℃)を越えると水溶液としたときの
粘度が高くなりすぎて作業性が低下して好ましくない。
【0015】つぎに、本発明に用いられる多塩基酸また
はそのアルカリ金属塩(B)としては、アスパラギン
酸,クエン酸,サリチル酸,シュウ酸,d−酒石酸,ピ
クリン酸,フマル酸,マレイン酸,マロン酸,リンゴ
酸,ニトロ酢酸,フルオロ酢酸,クロロ酢酸,ジクロロ
酢酸,トリクロロ酢酸,2−クロロプロピオン酸,o−
アミノ安息香酸),m−アミノ安息香酸,p−アミノ安
息香酸,o−ニトロ安息香酸,m−ニトロ安息香酸,p
−ニトロ安息香酸,o−ブロモ安息香酸,o−クロロ安
息香酸等の有機酸、亜硫酸,亜セレン酸,亜テルル酸,
炭酸,リン酸,亜リン酸等の無機酸、およびこれらの酸
基の一部またはすべてがナトリウム,カリウム等のアル
カリ金属で置換されたアルカリ金属塩を挙げることがで
き、かかるアルカリ金属塩としては具体的に、クエン酸
カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸水素二カ
リウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸水素ナトリ
ウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸水素カリウム、酒石
酸カリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸ナトリウム、
酒石酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリ
ウム、亜セレン酸カリウム、亜セレン酸水素カリウム、
亜セレン酸ナトリウム、亜セレン酸水素ナトリウム、亜
テルル酸ナトリウム、亜テルル酸水素ナトリウム、リン
酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリ
ウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リ
ン酸水素二ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜リン酸カ
リウム、亜リン酸水素カリウム、亜リン酸ナトリウム、
亜リン酸水素ナトリウム等を挙げることができ、中で
も、部分アルカリ金属塩が好ましく、さらにかかる部分
アルカリ金属塩の中でもクエン酸二水素カリウム、酒石
酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水
素ナトリウムが好適に用いられる。
【0016】さらに、本発明で用いられるヒドラジン系
化合物(C)としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラ
ート、ヒドラジンの1水和物もしくは塩、ホルムヒドラ
ジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ラ
ウリン酸ヒドラジド、メチルカルバゼート、エチルカル
バゼート、セミカルバジド塩酸塩、ステアリン酸ヒドラ
ジド、サリチル酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸
ヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、1−ナフトエ酸ヒド
ラジド、カルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マ
ロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル
酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸
ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸
ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオ
ヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、テレフタル
酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−
ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4′−ビスベンゼンジヒ
ドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石
酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸
ジヒドラジド、N,N′−ヘキサメチレンビスセミカル
バジド、イタコン酸ジヒドラジド、エチレンジアミン四
酢酸テトラヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,
2,3−ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8−ナ
フトエ酸テトラヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジ
ド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、ピ
ロメリット酸テトラヒドラジド、およびN−アミノポリ
アクリルアミドなどの分子内にヒドラジノ基またはヒド
ラジド基を有する化合物および上記ヒドラジン系化合物
にケトン化合物を反応させたヒドラジン誘導体、すなわ
ちカルボヒドラジドジアセトンヒドラゾン、アジピン酸
ジヒドラジドジアセトンヒドラゾンなどのヒドラジン誘
導体等を挙げることができ、好適には、カルボヒドラジ
ン、アジピン酸ジヒドラジドが用いられる。
【0017】本発明の樹脂組成物は、上記の如きPVA
(A)、多塩基酸またはそのアルカリ金属塩(B)及び
ヒドラジン系化合物(C)を含有してなるもので、これ
らの含有割合は特に限定されないが、多塩基酸またはそ
のアルカリ金属塩(B)の含有量はPVA(A)100
重量部に対して0.05〜5.0重量部(さらには0.
1〜4.0重量部、特には0.3〜3.0重量部)であ
ることが好ましく、かかる含有量が0.05重量部未満
では、熱履歴後の水溶解性が低下する傾向にあり、逆に
5.0重量部を越えると製膜したときの皮膜強度が低下
したり、ブリードアウトが見られたりして好ましくな
い。
【0018】また、ヒドラジン系化合物(C)の含有量
もPVA(A)100重量部に対して0.05〜5.0
重量部(さらには0.1〜4.0重量部、特には0.1
5〜3.0重量部、殊に0.2〜2.0重量部)である
ことが好ましく、かかる含有量が0.05重量部未満で
は、上記と同様、熱履歴後の水溶解性が低下する傾向に
あり、逆に5.0重量部を越えた場合も製膜したときの
皮膜強度が低下したり、ブリードアウトが見られたりし
て好ましくない。
【0019】かくして、熱履歴を受けた場合でも良好な
水溶性を有する本発明の樹脂組成物が得られるのである
が、かかる樹脂組成物は、前述の暫定皮膜用途に有用
で、かかる用途について説明するがこれに限定されるも
のではない。
【0020】本発明の樹脂組成物を用いてフィルムやシ
ートを製造するにあたっては、特に制限されることな
く、該樹脂組成物を水溶液とした後、ロール、ドラム、
エンドレスベルト等の平滑な金属面上に流延する方法や
該樹脂組成物に適宜水や後述の可塑剤を加えて押出法等
の手段によって溶融成形する方法等により、フィルムや
シートを得ることができる。
【0021】また、上記の製造時においては、必要に応
じて、該樹脂組成物やその水溶液に可塑剤(グリセリ
ン、ジグリセリン、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール等)、剥離
剤(ソルビタンエステルエーテル等)、ハジキ防止剤
(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等)、
抗酸化剤(フェノール系、アミン系等)、安定剤(リン
酸エステル類等)、着色料、香料、増量剤、消包剤、防
錆剤、紫外線吸収剤、無機粉体、界面活性剤、更には他
の水溶性高分子(ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレン
オキサイド、ポリビニルピロリドン、デキストリン、キ
トサン、キチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、澱粉等)などを添加しても差し支えない。
さらに、必要に応じて、PVA(A)として2種以上の
PVAを用いてもよい。
【0022】かかるフィルムやシートの厚みについて
は、5〜200μm(更には10〜150μm)である
ことが好ましく、かかる膜厚が5μm未満では機械強度
が不足することとなり、逆に200μmを越えると溶解
性の低下や製膜効率の低下を招き好ましくない。
【0023】かくして、暫定皮膜用途に有用なフィルム
やシートが得られるのであるが、本発明の樹脂組成物
は、上記の如き暫定皮膜以外にも、一般のフィルム、成
形物、バインダー、コーティング剤、接着剤、紙加工
剤、繊維糊剤等の用途に供することも可能である。
【0024】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
する。尚、例中「%」、「部」とあるのは特に断りのな
い限り重量基準である。
【0025】実施例1 ケン化度が96.0モル%で4重量%水溶液粘度が26
mPa・s(20℃)のPVA(A)100部、リン酸
二水素ナトリウム(B)2.0部及びアジピン酸ジヒド
ラジド(C)2.0部のブレンド物を水に溶解させて1
5%の水溶液として、表面温度が約94℃の金属ロール
の表面に流延乾燥させて、厚さ約50μmのフィルムを
得た。
【0026】得られたフィルムの溶解性について、以下
の要領で評価を行った。
【0027】(溶解性)得られたフィルムを200℃で
30分間熱処理を行った後、1000mlの温水(50
℃)が入った1000ml容のビーカー内に該フィルム
(5cm×5cm)を投入して、スターラーで攪拌(1
00rpm)しながら、水温を3℃/分の速さで昇温し
て、該フィルムが完全に溶解するまでの温度を調べた。
【0028】実施例2 実施例1において、リン酸二水素ナトリウム(B)の配
合量を1.0部とし、アジピン酸ジヒドラジド(C)の
配合量を0.5部とした以外は同様に行ってフィルムを
得て、同様に評価を行った。
【0029】実施例3 実施例1において、PVA(A)として、ケン化度が9
9.0モル%で4重量%水溶液粘度が28mPa・s
(20℃)のPVAを用いた以外は同様に行ってフィル
ムを得て、同様に評価を行った。
【0030】実施例4 実施例3において、(B)成分としてリン酸二水素カリ
ウムを3.0部用いた以外は同様に行ってフィルムを得
て、同様に評価を行った。
【0031】実施例5 実施例3において、(B)成分として酒石酸水素ナトリ
ウムを3.0部用いた以外は同様に行ってフィルムを得
て、同様に評価を行った。
【0032】実施例6 実施例1において、(A)成分としてケン化度が88.
0モル%で4重量%水溶液粘度が23mPa・s(20
℃)のPVAを100部用いた以外は同様に行ってフィ
ルムを得て、同様に評価を行った。
【0033】実施例7 実施例1において、(A)成分としてケン化度が99.
7モル%で4重量%水溶液粘度が22mPa・s(20
℃)のPVAを100部用いた以外は同様に行ってフィ
ルムを得て、同様に評価を行った。
【0034】実施例8 実施例1において、(A)成分としてケン化度が88.
0モル%で4重量%水溶液粘度が23mPa・s(20
℃)のPVAを100部、(B)成分としてリン酸二水
素カリウムを3.0部用いた以外は同様に行ってフィル
ムを得て、同様に評価を行った。
【0035】実施例9 実施例1において、(B)成分としてリン酸二水素カリ
ウムを3.0部用いた以外は同様に行ってフィルムを得
て、同様に評価を行った。
【0036】実施例10 実施例1において、(B)成分として酒石酸水素ナトリ
ウムを3.0部用いた以外は同様に行ってフィルムを得
て、同様に評価を行った。
【0037】比較例1 実施例1において、リン酸二水素ナトリウム(B)を配
合せず、アジピン酸ジヒドラジド(C)の配合量を4部
とした以外は同様に行ってフィルムを得て、同様に評価
を行った。
【0038】比較例2 実施例1において、アジピン酸ジヒドラジド(C)を配
合せず、リン酸二水素ナトリウム(B)の配合量を4部
とした以外は同様に行ってフィルムを得て、同様に評価
を行った。
【0039】実施例及び比較例の評価結果を表1に示
す。
【0040】
【0041】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、熱履歴を受けて
も良好な水溶解性を示し、各種水溶解性フィルムやシー
ト用途に有用で、特に暫定被膜等の用途に有用で、さら
には、一般のフィルム、成形物、バインダー、コーティ
ング剤、接着剤、紙加工剤、繊維糊剤等の用途に供する
ことも可能である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年10月10日(2002.10.
10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】さらに、本発明で用いられるヒドラジン系
化合物(C)としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラ
ート、ヒドラジンの1水和物もしくは塩、ホルムヒドラ
ジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ラ
ウリン酸ヒドラジド、メチルカルバゼート、エチルカル
バゼート、セミカルバジド塩酸塩、ステアリン酸ヒドラ
ジド、サリチル酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸
ヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、1−ナフトエ酸ヒド
ラジド、カルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マ
ロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル
酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸
ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸
ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオ
ヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、テレフタル
酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−
ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4′−ビスベンゼンジヒ
ドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石
酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸
ジヒドラジド、N,N′−ヘキサメチレンビスセミカル
バジド、イタコン酸ジヒドラジド、エチレンジアミン四
酢酸テトラヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,
2,3−ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8−ナ
フトエ酸テトラヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジ
ド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、ピ
ロメリット酸テトラヒドラジド、およびN−アミノポリ
アクリルアミドなどの分子内にヒドラジノ基またはヒド
ラジド基を有する化合物および上記ヒドラジン系化合物
にケトン化合物を反応させたヒドラジン誘導体、すなわ
ちカルボヒドラジドジアセトンヒドラゾン、アジピン酸
ジヒドラジドジアセトンヒドラゾンなどのヒドラジン誘
導体等を挙げることができ、好適には、カルボヒドラ
ド、アジピン酸ジヒドラジドが用いられる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系樹脂(A)、多
    塩基酸またはそのアルカリ金属塩(B)及びヒドラジン
    系化合物(C)を含有してなることを特徴とする樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 多塩基酸またはそのアルカリ金属塩
    (B)の含有量がポリビニルアルコール系樹脂(A)1
    00重量部に対して0.05〜5.0重量部であること
    を特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ヒドラジン系化合物(C)の含有量がポ
    リビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して
    0.05〜5.0重量部であることを特徴とする請求項
    1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物
    を製膜してなることを特徴とするフィルムまたはシー
    ト。
  5. 【請求項5】 暫定皮膜用途に用いることを特徴とする
    請求項4記載のフィルムまたはシート。
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