JP2003171465A - 有機シリコーン微粒子、有機シリコーン微粒子の製造方法及び高分子材料用改質剤 - Google Patents
有機シリコーン微粒子、有機シリコーン微粒子の製造方法及び高分子材料用改質剤Info
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Abstract
サン架橋構造体から成る新規の有機シリコーン微粒子を
提供する 【解決手段】周面に長手方向へ沿う一本の割れ目を有す
る全体としてはラグビーボール様を呈し、長径(L1)
の平均値が0.05〜20μm、短径(L2)の平均値
が0.03〜15μm、且つ長径(L1)の平均値/短
径(L2)の平均値=1.1〜3.3の範囲内にある有
機シリコーン微粒子。
Description
粒子、有機シリコーン微粒子の製造方法及び高分子材料
用改質剤に関する。高分子材料用改質剤、化粧品原料、
コーティング材、診断薬用担体、塗料原料等として、有
機シリコーン微粒子が広く利用されている。本発明は、
かかる有機シリコーン微粒子であって、周面に長手方向
へ沿う一本の割れ目を有する全体としてはラグビーボー
ル様を呈する有機シリコーン微粒子に関する。
のものや天然高分子系のもの等、各種が知られている。
なかでも合成高分子系の有機微粒子である有機シリコー
ン微粒子については、それが平滑性、非粘着性、吸油
性、分散性、耐熱性、耐溶剤性、撥水性等に優れている
ことから注目され、1)表面の滑らかな中実球状の有機
シリコーン微粒子(特開昭61−159427、特開昭
61−159467、特開昭61−194009、特開
昭63−15849、特開昭63−8461、特開昭6
3−77940、特開昭63−297313、特開昭6
3−312324、特開平1−144423、特開平2
−209927、特開平4−337390、特開平6−
49209、特開平6−279589、特開平11−1
16681)、2)表面に多数のくぼみを有する全体と
しては中実球状の有機シリコーン微粒子(特開2000
−191788、3)断面馬蹄形を呈する有機シリコー
ン微粒子(特開平2000−191789)等が提案さ
れている。
な有機シリコーン微粒子は、全体として球状を呈するか
又はほぼ球状に近い形状を呈するため、これらを例えば
合成高分子フィルムや合成繊維の滑剤として用いた場
合、該合成高分子フィルムや該合成繊維の全方向に平滑
性が付与されてしまうという問題がある。合成高分子フ
ィルムや合成繊維の全方向に平滑性が付与されると、そ
れらの製造工程において、該合成高分子フィルムや該合
成繊維がそれらの流れ方向(工程通過方向)や巻き方向
へ滑り易くなるだけでなく、かかる方向と直交する幅方
向(横方向)へも滑り易くなって、それらがパスライン
(所定の通過路)からずれたり又はそれらの巻き形状が
悪くなったりする等の支障を生じるのである。
する課題は、例えば合成高分子フィルムや合成繊維の滑
剤として用いた場合に、それらに特定方向の平滑性を付
与し、よってそれらの製造工程において、それらを流れ
方向や巻き方向にのみ滑り易くし、それらがパスライン
からずれたり又はそれらの巻き形状が悪くなったりする
等の支障が生じるのを防止できる新たな有機シリコーン
微粒子を提供する処にある。
記の課題を解決するべく研究した結果、ポリシロキサン
架橋構造体から成り、周面に長手方向へ沿う一本の割れ
目を有する全体としてはラグビーボール様を呈する特定
の大きさの有機シリコーン微粒子が正しく好適であるこ
とを見出した。
造体から成る有機シリコーン微粒子であって、周面に長
手方向へ沿う一本の割れ目を有する全体としてはラグビ
ーボール様を呈し、長径(L1)の平均値が0.05〜
20μm、短径(L2)の平均値が0.03〜15μ
m、且つ長径(L1)の平均値/短径(L2)の平均値
=1.1〜3.3の範囲内にあることを特徴とする有機
シリコーン微粒子に係る。また本発明はかかる有機シリ
コーン微粒子の製造方法、該有機シリコーン微粒子から
成る高分子材料用改質剤に係る。
について説明する。本発明に係る有機シリコーン微粒子
は、ポリシロキサン架橋構造体から成るものである。こ
のポリシロキサン架橋構造体は、シロキサン単位が3次
元の網目構造を形成した構造体である。本発明はポリシ
ロキサン架橋構造体を構成するシロキサン単位の種類や
割合を特に制限するものではないが、かかるシロキサン
単位としては下記の式1で示されるシロキサン単位と式
2で示されるシロキサン単位と式3で示されるシロキサ
ン単位とから構成されたものが好ましい。
する有機基
式2中のR1は、いずれもケイ素原子に直結した炭素原
子を有する有機基であって、反応性基でない有機基又は
反応性基を有しない有機基である場合と、反応性基であ
る有機基又は反応性基を有する有機基である場合とがあ
るが、反応性基である有機基又は反応性基を有する有機
基である場合が好ましい。
ない有機基又は反応性基を有する有機基である場合の有
機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アルキルアリール基、アラルキル基等が挙げられ
るが、なかでもメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基が好
ましく、メチル基がより好ましい。式2中のR1がかか
る有機基である場合、式2で示されるシロキサン単位と
しては、メチルシロキサン単位、エチルシロキサン単
位、プロピルシロキサン単位、ブチルシロキサン単位、
フェニルシロキサン単位等が挙げられる。
ある有機基又は反応性基を有する有機基である場合の有
機基としては、エポキシ基、エポキシ基を有する置換ア
ルキル基、(メタ)アクリロキシ基、アルケニル基、メ
ルカプトアルキル基、アミノアルキル基、ハロアルキル
基、グリセロキシ基、ウレイド基、シアノ基等が挙げら
れるが、なかでも2−グリシドキシエチル基、3−グリ
シドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)プロピル基等のエポキシ基を有する置換アルキ
ル基、3−メタクロキシプロピル基、3−アクリロキシ
プロピル基等の(メタ)アクリロキシ基、ビニル基、ア
リル基、イソプロペニル基等のアルケニル基、メルカプ
トプロピル基、メルカプトエチル基等のメルカプトアル
キル基、3−(2−アミノエチル)アミノプロピル基、
3−アミノプロピル基、N,N−ジメチルアミノプロピ
ル基等のアミノアルキル基が好ましい。式2中のR1が
かかる有機基である場合、式2で示されるシロキサン単
位としては、1)3−グリシドキシプロピルシロキサン
単位、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
シロキサン単位、2−グリシドキシエチルシロキサン単
位等のエポキシ基を有するシロキサン単位、2)3−メ
タクロキシプロピルシロキサン単位、3−アクリロキシ
プロピルシロキサン単位等の(メタ)アクリロキシ基を
有するシロキサン単位、3)ビニルシロキサン単位、ア
リルシロキサン単位、イソプロペニルシロキサン単位等
のアルケニル基を有するシロキサン単位、4)メルカプ
トプロピルシロキサン単位、メルカプトエチルシロキサ
ン単位等のメルカプトアルキル基を有するシロキサン単
位、5)3−アミノプロピルシロキサン単位、3−(2
−アミノエチル)アミノプロピルシロキサン単位、N,
N−ジメチルアミノプロピルシロキサン単位、N,N−
ジエチルアミノプロピルシロキサン単位、N,N−ジメ
チルアミノエチルシロキサン単位等のアミノアルキル基
を有するシロキサン単位、6)3−クロロプロピルシロ
キサン単位、トリフルオロプロピルシロキサン単位等の
ハロアルキル基を有するシロキサン単位、7)3−グリ
セロキシプロピルシロキサン単位、2−グリセロキシエ
チルシロキサン単位等のグリセロキシ基を有するシロキ
サン単位、8)3−ウレイドプロピルシロキサン単位、
2−ウレイドエチルシロキサン単位等のウレイド基を有
するシロキサン単位、9)シアノプロピルシロキサン単
位、シアノエチルシロキサン単位等のシアノ基を有する
シロキサン単位等が挙げられるが、なかでもエポキシ基
を有するシロキサン単位、(メタ)アクリロキシ基を有
するシロキサン単位、アルケニル基を有するシロキサン
単位、メルカプトアルキル基を有するシロキサン単位、
アミノアルキル基を有するシロキサン単位が好ましい。
式3中のR2及びR3は式2中のR 1について前記した
ことと同様である。但しここでは、R2及びR3の双方
が反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基
である場合と、R2及びR3のうちで一方が反応性基で
ない有機基又は反応性基を有しない有機基であり且つ他
方が反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基
である場合と、R2及びR3の双方が反応性基である有
機基又は反応性基を有する有機基である場合とがある
が、R2及びR3のうちで少なくとも一方が反応性基で
ある有機基又は反応性基を有する有機基である場合が好
ましい。
ない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合の
式3で示されるシロキサン単位としては、ジメチルシロ
キサン単位、ジエチルシロキサン単位、メチルプロピル
シロキサン単位、ブチルメチルシロキサン単位、メチル
フェニルシロキサン単位等が挙げられる。
一方が反応性基である有機基又は反応性基を有する有機
基である場合の式3で示されるシロキサン単位として
は、1)3−グリシドキシプロピル=メチルシロキサン
単位、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
=メチルシロキサン単位、2−グリシドキシエチル=メ
チルシロキサン単位等のエポキシ基を有するシロキサン
単位、2)3−メタクロキシプロピル=メチルシロキサ
ン単位、3−アクリロキシプロピル=メチルシロキサン
単位等の(メタ)アクリロキシ基を有するシロキサン単
位、3)ビニル=メチルシロキサン単位、アリル=メチ
ルシロキサン単位、イソプロペニル=メチルシロキサン
単位等のアルケニル基を有するシロキサン単位、4)メ
ルカプトプロピル=メチルシロキサン単位、メルカプト
エチル=メチルシロキサン単位等のメルカプトアルキル
基を有するシロキサン単位、5)3−アミノプロピル=
メチルシロキサン単位、3−(2−アミノエチル)アミ
ノプロピル=メチルシロキサン単位、N,N−ジメチル
アミノプロピル=メチルシロキサン単位、N,N−ジエ
チルアミノプロピル=メチルシロキサン単位、N,N−
ジメチルアミノエチル=メチルシロキサン単位等のアミ
ノアルキル基を有するシロキサン単位、6)3−クロロ
プロピル=メチルシロキサン単位、トリフルオロプロピ
ル=メチルシロキサン単位等のハロアルキル基を有する
シロキサン単位、7)3−グリセロキシプロピル=メチ
ルシロキサン単位、2−グリセロキシエチル=メチルシ
ロキサン単位等のグリセロキシ基を有するシロキサン単
位、8)3−ウレイドプロピル=メチルシロキサン単
位、2−ウレイドエチル=メチルシロキサン単位等のウ
レイド基を有するシロキサン単位、9)シアノプロピル
=メチルシロキサン単位、シアノエチル=メチルシロキ
サン単位等のシアノ基を有するシロキサン単位等が挙げ
られるが、なかでもエポキシ基を有するシロキサン単
位、(メタ)アクリロキシ基を有するシロキサン単位、
アルケニル基を有するシロキサン単位、メルカプトアル
キル基を有するシロキサン単位、アミノアルキル基を有
するシロキサン単位が好ましい。
なシロキサン単位で構成する場合、(式1で示されるシ
ロキサン単位+式2で示されるシロキサン単位)/式3
で示されるシロキサン単位=99/1〜50/50(モ
ル比)の構成割合とするのが好ましく、90/10〜6
0/40(モル比)の構成割合とするのがより好まし
い。またこれに併せて、式1で示されるシロキサン単位
/式2で示されるシロキサン単位=23/77〜40/
60(モル比)の構成割合とするのが特に好ましい。
上説明したようなポリシロキサン架橋構造体から成るも
のであって、周面に長手方向へ沿う一本の割れ目を有す
る全体としてはラグビーボール様を呈するものである。
言い替えれば、全体としては外観が長円形の中空ボール
であるラグビーボールに略々近似する形状を呈し、その
周面に、平面から見て長手方向の一端部から他端部へと
直線的に渡り、内側中空部と連続する割れ目が形成され
たものである。そして長径(L1)の平均値が0.05
〜20μm、短径(L2)の平均値が0.03〜15μ
m、且つ長径(L1)の平均値/短径(L2)の平均値
=1.1〜3.3の範囲内にあるものであるが、長径
(L1)の平均値が0.1〜15μm、短径(L2)の
平均値が0.05〜10μm、且つ長径(L1)の平均
値/短径(L2)の平均値=1.2〜2.5の範囲内に
あるものが好ましい。本発明において、長径(L1)は
本発明に係る有機シリコーン微粒子の長手方向における
最大外径を意味しており、また短径(L2)は本発明に
係る有機シリコーン微粒子の短手方向における最大外径
を意味していて、更に長径(L1)の平均値及び短径
(L2)の平均値は共に、本発明に係る有機シリコーン
微粒子の走査電子顕微鏡像から抽出した任意の100個
についてそれぞれを測定し、その平均を求めた値であ
る。
の製造方法について説明する。本発明に係る有機シリコ
ーン微粒子の製造方法は、前記した本発明に係る有機シ
リコーン微粒子を製造する方法であって、下記の式4で
示されるシラノール基形成性ケイ素化合物と式5で示さ
れるシラノール基形成性ケイ素化合物と式6で示される
シラノール基形成性ケイ素化合物とを、(式4で示され
るシラノール基形成性ケイ素化合物+式5で示されるシ
ラノール基形成性化合物)/式6で示されるシラノール
基形成性化合物=99/1〜50/50(モル比)の割
合で用い、これらを触媒を共存させた条件下で水と接触
させて加水分解することによりシラノール化合物を生成
させ、次に生成させたシラノール化合物を触媒を存在さ
せた水性条件下で縮合反応させて、有機シリコーン微粒
子を製造する方法である。
する有機基 X,Y,Z:炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜
4のアルコキシ基を有するアルコキシエトキシ基、炭素
数2〜4のアシロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基を
有するN,N−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、
ハロゲン原子又は水素原子
化合物は、結果として式1で示されるシロキサン単位を
形成することとなる化合物である。式4中のXは、1)
メトキシ基やエトキシ基等の、炭素数1〜4のアルコキ
シ基、2)メトキシエトキシ基やブトキシエトキシ基等
の、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエ
トキシ基、3)アセトキシ基やプロピオキシ基等の、炭
素数2〜4のアシロキシ基、4)ジメチルアミノ基やジ
エチルアミノ基等の、炭素数1〜4のアルキル基を有す
るN,N−ジアルキルアミノ基、5)ヒドロキシル基、
6)塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子、又は7)水
素原子である。
成性ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメ
トキシエトキシシラン、テトラブトキシエトキシシラ
ン、テトラアセトキシシラン、テトラプロピオキシシラ
ン、テトラ(ジメチルアミノ)シラン、テトラ(ジエチ
ルアミノ)シラン、シランテトラオール、クロルシラン
トリオール、ジクロルジシラノール、テトラクロルシラ
ン、クロルトリハイドロジェンシラン等が挙げられる
が、なかでもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラブトキシシランが好ましい。
化合物は、結果として式2で示されるシロキサン単位を
形成することとなる化合物である。式5中のYは前記し
た式4中のXと同様であり、また式5中のR4は前記し
た式2中のR1と同様である。
反応性基を有しない有機基である場合、かかる式5で示
されるシラノール基形成性ケイ素化合物としては、メチ
ルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プ
ロピルトリブトキシシラン、ブチルトリブトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリ
ブトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラ
ン、メチルトリプロピオキシシラン、メチルトリアセト
キシシラン、メチルトリ(ジメチルアミノ)シラン、メ
チルトリ(ジエチルアミノ)シラン、メチルシラントリ
オール、メチルクロルジシラノール、メチルトリクロル
シラン、メチルトリハイドロジェンシラン等が挙げられ
るが、なかでも式2中のR1について前記したように、
結果としてメチルシロキサン単位、エチルシロキサン単
位、プロピルシロキサン単位、ブチルシロキサン単位又
はフェニルシロキサン単位を形成することとなるシラノ
ール基形成性ケイ素化合物が好ましい。
又は反応性基を有する有機基である場合、式5で示され
るシラノール基形成性ケイ素化合物としては、1)3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2
−グリシドキシエチルトリメトキシシラン等のエポキシ
基を有するシラン化合物、2)3−メタクロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等の(メタ)アクリロキシ基を有するシ
ラン化合物、3)ビニルトリメトキシシラン、アリルト
リメトキシシラン、イソプロペニルトリメトキシシラン
等のアルケニル基を有するシラン化合物、4)メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、メルカプトエチルトリ
メトキシシラン等のメルカプトアルキル基を有するシラ
ン化合物、5)3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメト
キシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリメトキ
シシラン等のアミノアルキル基を有するシラン化合物、
6)3−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリフル
オロプロピルトリメトキシシラン等のハロアルキル基を
有するシラン化合物、7)3−グリセロキシプロピルト
リメトキシシラン、3−グリセロキシプロピルトリエト
キシシラン等のグリセロキシ基を有するシラン化合物、
8)3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウ
レイドプロピルトリエトキシシラン、2−ウレイドエチ
ルトリメトキシシラン等のウレイド基を有するシラン化
合物、9)シアノプロピルトリメトキシシラン、シアノ
エチルトリメトキシシラン、シアノプロピルトリエトキ
シシラン等のシアノ基を有するシラン化合物等が挙げら
れるが、なかでもエポキシ基を有するシラン化合物、
(メタ)アクリロキシ基を有するシラン化合物、アルケ
ニル基を有するシラン化合物、メルカプトアルキル基を
有するシラン化合物、アミノアルキル基を有するシラン
化合物が好ましい。
化合物は、結果として式3で示されるシロキサン単位を
形成することとなる化合物である。式6中のZは前記し
た式4中のXと同様であり、また式6中のR5,R6は
前記した式3中のR2,R3と同様である。
ない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合、
かかる式6で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物
としては、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエト
キシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジブチルジ
メトキシシラン、メチルフェニルメトキシエトキシシラ
ン、ジメチルブトキシエトキシシラン、ジメチルジアセ
トキシシラン、ジメチルジプロピオキシシラン、ジメチ
ルジ(ジメチルアミノ)シラン、ジメチルジ(ジエチル
アミノ)シラン、ジメチルシランジオール、ジメチルク
ロルシラノール、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジ
ハイドロジェンシラン等が挙げられるが、なかでも式3
中のR2,R3について前記したように、結果としてジ
メチルシロキサン単位、ジエチルシロキサン単位、ジプ
ロピルシロキサン単位、ジブチルシロキサン単位又はメ
チルフェニルシロキサン単位を形成することとなるシラ
ノール基形成性ケイ素化合物が好ましい。
とも一方が反応性基である有機基又は反応性基を有する
有機基である場合、かかる式6で示されるシラノール基
形成性ケイ素化合物としては、1)3−グリシドキシプ
ロピル=メチル=ジメトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピル=メチル=ジエトキシシラン、2−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチル=メチル=ジメトキシ
シラン、2−グリシドキシエチル=メチル=ジメトキシ
シラン等のエポキシ基を有するシラン化合物、2)3−
メタクロキシプロピル=メチル=ジメトキシシラン、3
−アクリロキシプロピル=メチル=ジメトキシシラン等
の(メタ)アクリロキシ基を有するシラン化合物、3)
ビニル=メチル=ジメトキシシラン、アリル=メチル=
ジメトキシシラン、イソプロピル=メチル=ジメトキシ
シラン等のアルケニル基を有するシラン化合物、4)メ
ルカプトプロピル=メチル=ジメトキシシラン、メルカ
プトエチル=メチル=ジメトキシシラン等のメルカプト
アルキル基を有するシラン化合物、5)3−アミノプロ
ピル=メチル=ジメトキシシラン、3−(2−アミノエ
チル)アミノプロピル=メチル=ジメトキシシラン、
N,N−ジメチルアミノプロピル=メチル=ジメトキシ
シラン、N,N−ジメチルアミノエチル=メチル=ジメ
トキシシラン等のアミノアルキル基を有するシラン化合
物、6)3−クロロプロピル=メチル=ジメトキシシラ
ン、トリフルオロプロピル=メチル=ジメトキシシラン
等のハロアルキル基を有するシラン化合物、7)3−グ
リセロキシプロピル=メチル=ジメトキシシラン、2−
グリセロキシエチル=メチル=ジメトキシシラン等のグ
リセロキシ基を有するシラン化合物、8)3−ウレイド
プロピル=メチル=ジメトキシシラン、2−ウレイドエ
チル=メチル=ジメトキシシラン等のウレイド基を有す
るシラン化合物、9)シアノプロピル=メチル=ジメト
キシシラン、シアノエチル=メチル=ジメトキシシラン
等のシアノ基を有するシラン化合物等が挙げられるが、
なかでもエポキシ基を有するシラン化合物、(メタ)ア
クリロキシ基を有するシラン化合物、アルケニル基を有
するシラン化合物、メルカプトアルキル基を有するシラ
ン化合物、アミノアルキル基を有するシラン化合物が好
ましい。
方法では先ず、以上説明した式4で示されるシラノール
基形成性ケイ素化合物と式5で示されるシラノール基形
成性ケイ素化合物と式6で示されるシラノール基形成性
ケイ素化合物とを、(式4で示されるシラノール基形成
性ケイ素化合物+式5で示されるシラノール基形成性化
合物)/式6で示されるシラノール基形成性化合物=9
9/1〜50/50(モル比)、好ましくは90/10
〜60/40(モル比)の割合で用い、ここで特に好ま
しくは式4で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物
/式5で示されるシラノール基形成性化合物=23/7
7〜40/60(モル比)の割合で用いて、これらを触
媒存在下で、水と接触させて加水分解し、シラノール化
合物を生成させる。
解するための触媒は従来公知のものを用いることができ
る。これには例えば、塩基性触媒として、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム等の無機塩基類や、アンモニア、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、テトラエチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド、ドデシルジメチルヒドロキシエチルア
ンモニウムハイドロオキサイド、ナトリウムメトキシド
等の有機塩基類が挙げられる。また酸性触媒としては、
塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸類や、酢酸、クエン酸、
メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等の有機酸類
が挙げられる。
化合物式と5で示されるシラノール基形成性ケイ素化合
物と式6で示されるシラノール基形成性化合物とを、触
媒存在下で、水と接触させて加水分解する場合、通常、
水にシラノール基形成性ケイ素化合物と触媒とを加えて
撹拌し、水に不溶のシラノール基形成性ケイ素化合物が
反応系から消失して均一な液層が形成された時点を加水
分解の終点とする。シラノール基形成性ケイ素化合物の
種類により、本来的な加水分解反応性の他に、水に対す
る分散性の差に基づく加水分解反応性が異なるため、反
応系に加える触媒の種類、その使用量及び反応温度等を
適宜選択するが、シラノール基形成性ケイ素化合物と水
との接触反応を容易にするため、反応系に界面活性剤を
加えることもできる。
ては、いずれも公知のノニオン性界面活性剤、アニオン
性界面活性剤が好ましい。ノニオン性界面活性剤として
は、オキシアルキレン基がオキシエチレン基及び/又は
オキシプロピレン基からなる、ポリオキシアルキレンア
ルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、
ポリオキシアルキレンヒマシ油等の、ポリオキシアルキ
レン基を有するノニオン性界面活性剤が挙げられる。か
かるノニオン性界面活性剤は、反応系に0.001〜
0.55重量%の濃度で存在されるのが好ましい。
チル硫酸塩、セチル硫酸塩、ラウリル硫酸塩等の炭素数
8〜18の有機硫酸塩、オクチルスルホン酸塩、セチル
スルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、ステアリルスル
ホン酸塩、オレイルスルホン酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、オレイルベン
ゼンスルホン酸塩、ナフチルスルホン酸塩、ジイソプロ
ピルナフチルスルホン酸塩等の炭素数8〜30の有機ス
ルホン酸塩等が挙げられる。かかるアニオン性界面活性
剤は、反応系に0.001〜0.55重量%の濃度で存
在されるのが好ましい。
上説明したようなノニオン性界面活性剤又はアニオン性
界面活性剤を単独で存在させることもできるが、双方を
共存させるのが好ましく、双方を共存させる場合も、ノ
ニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を合計で
0.001〜0.55重量%の濃度で存在させるのが好
ましい。
込み割合は通常、10/90〜70/30(重量比)と
する。触媒の使用量は、その種類及びシラノール基形成
性ケイ素化合物の種類によっても異なるが、通常シラノ
ール基形成性ケイ素化合物の全量に対して1重量%以下
とするのが好ましい。また反応温度は、通常0〜40℃
とするが、加水分解反応によって生成させたシラノール
化合物の即製的な縮合反応を避けるために30℃以下と
するのが好ましい。
化合物、式5で示されるシラノール基形成性ケイ素化合
物及び式6で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物
は、例えば水中へ一度にこれらを投入してから加水分解
してもよいし、又は遂次投入しつつ加水分解してもよ
い。用いるシラノール基形成性ケイ素化合物の間で加水
分解速度が著しく異なるような場合には、予め加水分解
速度の遅いシラノール基形成性ケイ素化合物の加水分解
を行ない、次いで加水分解速度の速いシラノール基形成
性ケイ素化合物を投入して引き続き加水分解を行なうの
が好ましい。
方法では次に、以上で生成させたシラノール化合物を触
媒を存在させた水性条件下で縮合反応させて有機シリコ
ーン微粒子を生成させる。本発明において、縮合反応の
触媒としては加水分解における前記したような触媒を使
用できるので、加水分解により生成させたシラノール化
合物を含有する反応液をそのまま縮合反応に供すること
もできるし、該反応液に更に触媒を加えて縮合反応に供
することもできるし、又は該反応液中に残存する触媒や
未反応のシラノール基形成性ケイ素化合物を失活又は除
去してから縮合反応に供することもできる。
物を縮合反応に供する方法としては、前記のように各種
の方法が可能であるが、加水分解により生成させたシラ
ノール化合物を含有する反応液と、縮合反応用の触媒を
存在させた水性液、なかでもかかる触媒の水溶液とを混
合するのが好ましい。この場合、双方を一度に混合する
こともできるが、シラノール化合物を含有する反応液
を、縮合反応用の触媒の水性液中へ徐加しながら混合す
るのが好ましい。
として用いたシラノール基形成性ケイ素化合物の合計量
に対し通常1〜40重量%とするが、好ましくは3〜3
0重量%とする。縮合反応は40℃〜水の沸点の温度で
行なうことができるが、60〜95℃で行なうのが好ま
しい。かかる縮合反応によって、有機シリコーン微粒子
をその水性懸濁液として得る。
液から分離し、乾燥することにより得られる。例えば、
水性懸濁液を金網を通して抜き取り、遠心分離法、加圧
濾過法等により脱水し、その脱水物を100〜250℃
で加熱乾燥する方法により得られる。また水性懸濁液を
スプレードライヤーにより直接100〜250℃で加熱
乾燥する方法によっても得られる。これらの乾燥物は、
例えばジェットミル粉砕機を用いて解砕するのが好まし
い。以上の水性懸濁液から脱水物を得る過程において、
該水性懸濁液を多孔質膜で分別処理すると、大きさのば
らつきを少なくした有機シリコーン微粒子を得ることが
できる。かかる多孔質膜としては、分相法で製造された
多孔質セラミックス膜、相転換法や延伸法で製造された
高分子メンブランフィルター、高分子延伸糸をワインデ
ィングして製造されたカートリッジフィルター、中性子
線照射によって得られるポア−フィルター等が挙げられ
るが、高分子メンブランフィルター、中性子線照射によ
って得られるポア−フィルターが好ましく、高分子メン
ブランフィルターがより好ましい。
は、周面に長手方向へ沿う一本の割れ目を有する全体と
してはラグビーボール様を呈し、長径(L1)の平均値
が0.05〜20μm、短径(L2)の平均値が0.0
3〜15μm、且つ長径(L1)の平均値/短径
(L2)の平均値=1.1〜3.3の範囲内にあるもの
である。前記したように、シラノール化合物を縮合反応
させた後、生成した有機シリコーン微粒子の水性懸濁液
を高分子メンブランフィルターで分別処理すると、長径
(L1)の平均値が0.1〜15μm、短径(L2)の
平均値が0.05〜10μm、且つ長径(L1)の平均
値/短径(L2)の平均値=1.2〜2.5の範囲内に
あるものとすることができる。
分子材料用改質剤、化粧品原料、コーティング材、診断
薬用担体、塗料原料等として広く利用できるが、特に高
分子材料用改質剤として有用である。
説明したような本発明に係る有機シリコーン微粒子又は
本発明に係る有機シリコーン微粒子の製造方法によって
得られる有機シリコーン微粒子から成るもので、高分子
材料に高度の平滑性、密着防止性、離型性等の表面特性
を付与する。本発明に係る高分子材料用改質剤を適用す
る高分子材料としては、ポリエステル、ナイロン、ポリ
プロピレン、ポリカプロラクトン、アクリル樹脂等の合
成高分子から成形された合成高分子フィルムやシート、
同様の合成高分子から成形されたフィラメントヤーンや
ステープルファイバー等の合成繊維が挙げられる。本発
明に係る高分子材料用改質剤は、なかでも合成高分子フ
ィルム又は合成繊維の滑剤として適用する場合に特に有
用である。
分子フィルムの滑剤として適用する方法には、1)高分
子材料用改質剤を合成高分子に含有させた後、フィルム
に成形する方法、2)合成高分子フィルムに高分子材料
用改質剤を塗布する方法がある。前記1)の方法では、
高分子材料用改質剤を、フィルムに成形する合成高分子
100重量部当たり、0.01〜5重量部、好ましくは
0.05〜3重量部となるように含有させる。高分子材
料用改質剤を合成高分子に含有させる方法、高分子材料
用改質剤を含有させた合成高分子を溶融製膜してフィル
ムに成形する方法は特に制限されず、公知の方法を適用
できる。また前記2)の方法では、高分子材料用改質剤
の水性懸濁液を調製し、これをローラータッチ法、スプ
レー法等の公知の方法によって合成高分子フィルムの表
面に塗布する。塗布する工程は、合成高分子フィルムの
製造工程において、これらの溶融押出し直後における延
伸配向前の工程、一軸延伸配向後における二軸延伸配向
前の工程が好ましく、これらの工程で塗布する場合に通
常は、高分子材料用改質剤を、合成高分子フィルム1m
2当たり、0.01〜0.2gとなるように塗布する。
維の滑剤として適用する方法には、1)高分子材料用改
質剤を合成高分子に含有させた後、合成繊維とする方
法、2)合成繊維に紡糸油剤や紡績油剤等と共に高分子
材料用改質剤を付着させる方法がある。前記1)の方法
では、高分子材料用改質剤を、合成繊維とする合成高分
子100重量部当たり、0.01〜2重量部、好ましく
は0.05〜1重量部となるように含有させる。高分子
材料用改質剤を合成高分子に含有させる方法、高分子材
料用改質剤を含有させた合成高分子を合成繊維とする方
法は特に制限されず、公知の方法を適用できる。また前
記2)の方法では、高分子材料用改質剤を例えばシリコ
ーンオイルや鉱物油に分散させた分散液を調製し、これ
をローラー給油法、ガイド給油法等の公知の方法によっ
て合成繊維の表面に付着させる。付着させる工程は延伸
前の工程が好ましく、通常は高分子材料用改質剤を、合
成繊維に対し0.01〜5重量%となるように付着させ
る。本発明に係る高分子材料用改質剤は、高度の膠着防
止性及び安定した巻き形状が要求されるウレタン系弾性
繊維の製造に適用する場合に、効果の発現が特に高い。
子の実施形態としては、図1〜図3に例示したものが挙
げられる。図1は本発明に係る有機シリコーン微粒子を
略示する拡大正面図、図2は図1と同じ有機シリコーン
微粒子を略示する拡大平面図、図3は図2のA−A線断
面図である。図1〜図3に略示した有機シリコーン微粒
子1は、周面に長手方向へ沿う一本の割れ目2を有する
全体としてはラグビーボール様を呈し、長径(L1)の
平均値が2.50μm、短径(L2)の平均値が1.2
0μm、且つ長径(L1)の平均値/短径(L2)の平
均値=2.1の範囲内にあるものである。有機シリコー
ン微粒子1は、(式1で示されるシロキサン単位+式2
中のR1がメチル基である場合の式2で示されるシロキ
サン単位)/式3中のR2及びR3が共にメチル基であ
る場合の式3で示されるシロキサン単位=82/18
(モル比)の割合であって、式1で示されるシロキサン
単位/式2中のR1がメチル基である場合の式2で示さ
れるシロキサン単位=33/67(モル比)の割合で構
成されたポリシロキサン架橋構造体から成っている。
方法の実施形態としては、次の1)と2)が挙げられ
る。 1)式4で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物と
してテトラエトキシシラン、式5で示されるシラノール
基形成性ケイ素化合物としてメチルトリメトキシシラン
及び式6で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物と
してジメチルジメトキシシランを用い、イオン交換水1
00gに酢酸0.02g及び10%ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム水溶液3gを溶解した溶液に、テト
ラエトキシシラン56.2g(0.27モル)、メチル
トリメトキシラン74.8g(0.55モル)及びジメ
チルジメトキシシラン21.6g(0.18モル)を加
え、温度を30℃に保ちながら30分間攪拌し、加水分
解を行なってシラノール化合物を生成させる。別に、イ
オン交換水700gに48%水酸化ナトリウム水溶液
0.3gを加えた溶液を用意し、この溶液に前記でシラ
ノール化合物を生成させた反応液を徐加し、温度を13
〜15℃に保ちながら5時間縮合反応を行ない、更に温
度を30〜80℃に保ちながら5時間縮合反応を行なっ
て、有機シリコーン微粒子を生成させ、これを含有する
水性懸濁液を得る。この水性懸濁液から固形分を分離し
て有機シリコーン微粒子を得る。尚、この有機シリコー
ン微粒子は、図1〜図3について前記した有機シリコー
ン微粒子である。
イ素化合物としてテトラエトキシシラン、式5で示され
るシラノール基形成性ケイ素化合物としてメチルトリメ
トキシシランと3−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、及び式6で示されるシラノール基形成性ケイ
素化合物としてジメチルジメトキシシランと3−グリシ
ドキシプロピル=メチル=ジメトキシシランを用い、イ
オン交換水100gに酢酸0.02g、ラウリルスルホ
ン酸ナトリウム2.62g及びポリオキシエチレン(1
4モル)ノニルフェニルエーテル0.09gを溶解した
溶液に、テトラエトキシシラン72.8g(0.35モ
ル)、メチルトリメトキシシラン47.6g(0.35
モル)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン24.8g(0.10モル)、ジメチルジメトキシシ
ラン18.0g(0.15モル)、3−グリシドキシプ
ロピル=メチル=ジメトキシシラン11.0g(0.0
5モル)を加え、温度を30℃に保ちながら加水分解を
行なってシラノール化合物を生成させる。別に、イオン
交換水700gに48%水酸化ナトリウム水溶液0.3
gを加えた溶液を用意し、この溶液に前記でシラノール
化合物を生成させた反応液を徐加し、温度を13〜15
℃に保ちながら5時間縮合反応を行ない、更に30〜8
0℃に保ちながら5時間縮合反応を行なって、有機シリ
コーン微粒子を生成させ、これを含有する水性懸濁液を
得る。この水性懸濁液から固形分を分離して有機シリコ
ーン微粒子を得る。この有機シリコーン微粒子は、全体
としては図1〜図3に略示した有機シリコーン微粒子と
同様の形状を呈し、長径(L1)の平均値が0.51μ
m、短径(L2)の平均値が0.24μm、且つ長径
(L1)の平均値/短径(L2)の平均値=2.1のポ
リシロキサン架橋構造体から成っている。
態としては、前記した有機シリコーン微粒子から成る合
成高分子フィルム又は合成繊維用の滑剤が挙げられる。
にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実
施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施
例及び比較例において、部は重量部を、また%は重量%
を意味する。
0%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液3g
を仕込み、均一な水溶液とした。この水溶液にメチルト
リメトキシシラン74.8g(0.55モル)、ジメチ
ルジメトキシシラン21.6g(0.18モル)及びテ
トラエトキシシラン56.2g(0.27モル)を加
え、温度を30℃に保ちながら加水分解を行なった。約
30分間でシラノール化合物を含有する透明な反応液を
得た。次に、別の反応容器にイオン交換水700gを仕
込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを加えて
均一な水溶液とした。この水溶液に前記の反応液を徐加
し、温度を13〜15℃に保ちながら5時間縮合反応を
行ない、更に温度を30〜80℃に保ちながら5時間縮
合反応を行なって、有機シリコーン微粒子を含有する水
性懸濁液を得た。この水性懸濁液を孔径5μmの高分子
メンブランフィルター(アドバンテック社製)に通した
後、遠心分離機を用いて白色微粒子を分離した。分離し
た白色微粒子を水洗し、150℃で5時間熱風乾燥を行
なって有機シリコーン微粒子(P−1)60.1gを得
た。有機シリコーン微粒子(P−1)について、以下の
走査型電子顕微鏡による観察及び測定、元素分析、IC
P発光分光分析、FT−IRスペクトル分析、NMRス
ペクトル分析を行なったところ、この有機シリコーン微
粒子(P−1)は、周面に長手方向へ沿う一本の割れ目
を有する全体としてはラグビーボール様を呈し、長径
(L1)の平均値が2.5μm、短径(L2)の平均値
が1.2μm、且つ長径(L1)の平均値/短径
(L2)の平均値=2.1であり、(式1で示されるシ
ロキサン単位+式2中のR1がメチル基である場合の式
2で示されるシロキサン単位)/式3中のR2及びR3
がメチル基である場合の式3で示されるシロキサン単位
=82/18(モル比)、且つ式1で示されるシロキサ
ン単位/式2中のR1がメチル基である場合の式2で示
されるシロキサン単位=33/67(モル比)の割合で
構成されたポリシロキサン架橋構造体であった。
状、長径(L1)の平均値、短径(L 2)の平均値:走
査型電子顕微鏡を用い、5000〜10000倍で任意
の100個の有機シリコーン微粒子(P−1)を観察
し、各部位を測定して、その平均値を求めた値。 ・結合シロキンサン単位の分析:有機シリコーン微粒子
(P−1)5gを精秤し、0.05Nの水酸化ナトリウ
ム水溶液250mlに加え、有機シリコーン微粒子(P−
1)中の加水分解性基を抽出処理した。抽出処理液から
超遠心分離により有機シリコーン微粒子を分離し、分離
した有機シリコーン微粒子を水洗した後、200℃で5
時間乾燥したものを、元素分析、ICP発光分光分析、
FT−IRスペクトル分析に供して、全炭素含有量及び
ケイ素含有量を測定すると共に、ケイ素−炭素結合、ケ
イ素―酸素―ケイ素結合を確認した。これらの分析値、
固体の29SiについてCP/MASのNMRスペクト
ルの積分値、原料として用いた式5で示されるシラノー
ル基形成性ケイ素化合物のR4の炭素数及び式6で示さ
れるシラノール形成性ケイ素化合物のR5,R6の炭素
数より、(式1で示されるシロキサン単位+式2で示さ
れるシロキサン単位)/式3で示されるシロキサン単位
の割合及び式1で示されるシロキサン単位/式2で示さ
れるシロキサン単位の割合を算出した。
−2)〜(P−4)の合成} 実施例1と同様にして、有機シリコーン微粒子(P−
2)〜(P−4)を合成し、実施例1と同様の観察、測
定及び分析を行なった。
5)の合成} 反応容器にイオン交換水100g、酢酸0.02g及び
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5gを仕込
み、均一な水溶液とした。この水溶液にメチルトリメト
キシシラン54.4g(0.40モル)、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン35.4g(0.15
モル)、ジメチルジメトキシシラン21.6g(0.1
8モル)及びテトラエトキシシラン56.2g(0.2
7モル)を加え、温度を30℃に保ちながら加水分解を
行なった。約30分間でシラノール化合物を含有する透
明な反応液を得た。次に、別の反応容器にイオン交換水
700gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.
3gを加えて均一な水溶液とした。この水溶液に前記の
反応液を徐加し、温度を13〜15℃に保ちながら5時
間縮合反応を行ない、更に温度を30〜80℃に保ちな
がら5時間縮合反応を行なって、有機シリコーン微粒子
を含有する水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を孔径3
μmの高分子メンブランフィルター(アドバンテック社
製)に通した後、遠心分離機を用いて白色微粒子を分離
した。分離した白色微粒子を水洗し、150℃で5時間
熱風乾燥を行なって有機シリコーン微粒子(P−5)5
5.1gを得た。有機シリコーン微粒子(P−5)につ
いて、実施例1と同様の観察、測定及び分析を行なっ
た。
6)の合成} 反応容器にイオン交換水100g、酢酸0.02g、ラ
ウリルスルホン酸ナトリウム0.83g及びポリオキシ
エチレン(14モル)ノニルフェニルエーテル0.09
gを仕込み、均一な水溶液とした。この水溶液にメチル
トリメトキシシラン47.6g(0.35モル)、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン24.8g
(0.10モル)、ジメチルジメトキシシラン18.0
g(0.15モル)、3−グリシドキシプロピル=メチ
ル=ジメトキシシラン11.0g(0.05モル)及び
テトラエトキシシラン72.8g(0.35モル)を加
え、温度を30℃に保ちながら加水分解を行なった。約
30分間でシラノール化合物を含有する透明な反応液を
得た。次に、別の反応容器にイオン交換水700gを仕
込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを加えて
均一な水溶液とした。この水溶液に前記の反応液を徐加
し、温度を13〜15℃に保ちながら5時間縮合反応を
行ない、更に30〜80℃に保ちながら5時間縮合反応
を行なって、有機シリコーン微粒子を含有する水性懸濁
液を得た。この水性懸濁液を孔径3μmの高分子メンブ
ランフィルター(アドバンテック社製)に通した後、遠
心分離機を用いて白色微粒子を分離した。分離した白色
微粒子を水洗し、150℃で5時間熱風乾燥を行なって
有機シリコーン微粒子(P−6)57.2gを得た。有
機シリコーン微粒子(P−6)について、実施例1と同
様の観察、測定及び分析を行なった。
−7),(P−8)の合成} 実施例6と同様にして、有機シリコーン微粒子(P−
7)、(P−8)を合成し、実施例1と同様の観察、測
定及び分析を行なった。
9)の合成} 反応容器にイオン交換水100g、酢酸0.02g及び
ポリオキシエチレン(10モル)ノニルフェニルエーテ
ル0.09gを仕込み、均一な水溶液とした。この水溶
液にテトラエトキシシラン72.8g(0.35モ
ル)、メチルトリメトキシシラン47.6g(0.35
モル)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン17.
9g(0.10モル)、ジメチルジメトキシシラン1
2.0g(0.10モル)及び3−アミノプロピル=メ
チル=ジメトキシシラン16.3g(0.10モル)を
加え、温度を30℃に保ちながら加水分解を行なった。
約30分間でシラノール化合物を含有する透明な反応液
を得た。次に、別の反応容器にイオン交換水700gを
仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを加え
て均一な水溶液とした。この水溶液に前記の反応液を徐
加し、温度を13〜15℃に保ちながら5時間縮合反応
を行ない、更に温度を30〜80℃に保ちながら5時間
縮合反応を行なって、有機シリコーン微粒子を含有する
水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を孔径3μmの高分
子メンブランフィルター(アドバンテック社製)に通し
た後、遠心分離機を用いて白色微粒子を分離した。分離
した白色微粒子を水洗し、150℃で5時間熱風乾燥を
行なって有機シリコーン微粒子(P−9)55.1gを
得た。有機シリコーン微粒子(P−9)について、実施
例1と同様の観察、測定及び分析を行なった。
−10)の合成} 反応容器にイオン交換水100g及び酢酸0.02gを
仕込み、均一な水溶液とした。この水溶液にメチルトリ
メトキシシラン74.8g(0.55モル)、ジメチル
ジメトキシシラン6.0g(0.05モル)及びテトラ
エトキシシラン83.2g(0.40モル)を加え、温
度を30℃に保ちながら加水分解を行なった。約30分
間でシラノール化合物を含有する透明な反応液を得た。
次に、別の反応容器にイオン交換水700gを仕込み、
48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを加えて均一な
水溶液とした。この水溶液に前記の反応液を徐加し、温
度を13〜15℃に保ちながら5時間縮合反応を行な
い、更に温度を30〜80℃に保ちながら5時間縮合反
応を行なって、有機シリコーン微粒子を含有する水性懸
濁液を得た。この水性懸濁液を孔径5μmの高分子メン
ブランフィルター(アドバンテック社製)に通した後、
遠心分離機を用いて白色微粒子を分離した。分離した白
色微粒子を水洗し、150℃で5時間熱風乾燥を行なっ
て有機シリコーン微粒子(P−10)60.1gを得
た。有機シリコーン微粒子(P−10)について、実施
例1と同様の観察、測定及び分析を行なった。
1)の合成} 反応容器にイオン交換水100g及び酢酸0.02gを
仕込み、均一な水溶液とした。この水溶液にテトラエト
キシシラン69.3g(0.33モル)、メチルトリメ
トキシシラン59.8g(0.44モル)及びジメチル
ジメトキシシラン7.3g(0.06モル)を加え、温
度を30℃に保ちながら加水分解を行なった。約30分
間でシラノール化合物を含有する透明な反応液を得た。
次に、別の反応容器にイオン交換水700gを仕込み、
48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを加えて均一な
水溶液とした。この水溶液に前記の反応液を徐加し、温
度を13〜15℃に保ちながら5時間縮合反応を行な
い、更に温度を30〜80℃に保ちながら5時間縮合反
応を行なって、有機シリコーン微粒子を含有する水性懸
濁液を得た。この水性懸濁液から遠心分離機を用いて白
色微粒子を分離した。分離した白色微粒子を水洗し、1
50℃で5時間熱風乾燥を行なって有機シリコーン微粒
子(R−1)60.1gを得た。有機シリコーン微粒子
(R−10)について、実施例1と同様の観察、測定及
び分析を行なった。
2)の合成} 反応容器にイオン交換水3950g及び28%アンモニ
ア水50gを仕込み、室温下で10分間攪拌して均一な
アンモニア水溶液とした。このアンモニア水溶液に、メ
チルトリメトキシシラン600g(4.41モル)をア
ンモニア水溶液中に混ざらないように加え、上層にメチ
ルトリメトキシラン層、下層にアンモニア水溶液層の2
層状態となるようにした。次いで2層状態を保ちながら
ゆっくり攪拌し、メチルトリメトキシランとアンモニア
水溶液との界面において加水分解及び縮合反応を進行さ
せた。反応の進行に伴い、反応物が徐々に沈降して下層
は白濁し、上層のメチルトリメトキシシラン層は徐々に
層が薄くなり、約3時間で消失した。更に温度を50〜
60℃に保ち、同条件で3時間攪拌を行なった後、25
℃に冷却し、懸濁状に析出した白色微粒子を濾別した。
濾別した白色微粒子を水洗し、150℃で3時間熱風乾
燥を行なって有機シリコーン微粒子(R−2)266g
を得た。実施例1と同様の観察、測定及び分析を行なっ
たところ、平均粒子径が3.0μm、全体としては中実
球状の有機シリコーン微粒子であった。
3)の合成} 反応容器にイオン交換水1080g及び酢酸0.2gを
仕込み、均一な水溶液とした。この水溶液にメチルトリ
メトキシシラン1788.8g(8.6モル)及びテト
ラエトキシシラン190.4g(1.4モル)を加え、
温度を30℃に保ちながら加水分解を行なった。約30
分間でシラノール化合物を含有する透明な反応液を得
た。次に、別の反応容器にイオン交換水475g及びド
デシルベンゼンスルホン酸50gを仕込み、よく溶かし
た後、温度を80〜85℃にした。これに前記の反応液
300gを約2時間かけて滴下し、縮合反応を行なっ
た。15分間熟成後、徐冷し、室温になるまで1時間撹
拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液でpH7.
0となるように調整し、有機シリコーン微粒子の水性懸
濁液を得た。この水性懸濁液から白色微粒子を濾別し
た。濾別した白色微粒子を水洗し、150℃で3時間熱
風乾燥を行なって有機シリコーン微粒子(R−3)59
4gを得た。実施例1と同様の観察、測定及び分析を行
なったところ、平均粒子径が2.6μm、全体としては
中実球状を呈するものの、その表面に平面から見てほぼ
円形の小さいくぼみを多数有する有機シリコーン微粒子
であった。
4)の合成} 反応容器にイオン交換水1080g及び酢酸0.2gを
仕込み、均一な水溶液とした。この水溶液にメチルトリ
メトキシシラン816g(6モル)及びテトラエトキシ
ラン832g(4モル)を加え、温度を30℃に保ちな
がら加水分解を行なった。約30分間でシラノール化合
物を含有する透明な反応液を得た。次に、別の反応容器
にイオン交換水475g及びドデシルベンゼンスルホン
酸50gを仕込み、よく溶かした後、温度を80〜85
℃にした。これに前記の反応液300gを約2時間かけ
て滴下し、縮合反応を行なった。15分間熟成後、徐冷
し、室温になるまで1時間攪拌した。反応終了後、炭酸
ナトリウム水溶液でpH7.0となるように調整し、有
機シリコーン微粒子の水性懸濁液を得た。この水性懸濁
液から白色微粒子を濾別した。濾別した白色微粒子を水
洗し、150℃で3時間熱風乾燥を行なって有機シリコ
ーン微粒子(R−4)578gを得た。実施例1と同様
の観察、測定及び分析を行なったところ、平均粒子径が
4.5μm、全体として断面馬蹄形を呈する有機シリコ
ーン微粒子であった。以上で合成した各例の有機シリコ
ーン微粒子の内容を表1〜表3にまとめて示した。
(%) (D+E)/F:(式4で示されるシラノール基形成性
ケイ素化合物+式5で示されるシラノール基形成性ケイ
素化合物)/式6で示されるシラノール基形成性ケイ素
化合物(モル比) D/E:式4で示されるシラノール基形成性ケイ素化合
物/式5で示されるシラノール基形成性ケイ素化合物
(モル比)
ン SM−5:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン SM−6:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン SM−7:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン SM−8:ビニルトリメトキシシラン SM−9:3−アミノプロピルトリメトキシシラン SM−10:ジメチルジメトキシシラン SM−11:3−グリシドキシプロピル=メチル=ジメ
トキシシラン SM−12:3−メタクリロキシプロピル=メチル=ジ
メトキシシラン SM−13:3−メルカプトプロピル=メチル=ジメト
キシシラン SM−14:3−アミノプロピル=メチル=ジメトキシ
シラン SM−15:フェニル=メチル=ジメトキシシラン
リウム A−2:ラウリルスルホン酸ナトリウム N−1:ポリオキシエチレン(14モル)ノニルフェニ
ルエーテル N−2:ポリオキシエチレン(10モル)ノニルフェニ
ルエーテル
2で示されるシロキサン単位)/式3で示されるシロキ
サン単位(モル比) A/B:式1で示されるシロキサン単位/式2で示され
るシロキサン単位(モル比)
ン単位 S−12:3−メタクリロキシプロピル=メチルシロキ
サン単位 S−13:3−メルカプトプロピル=メチルシロキサン
単位 S−14:3−アミノプロピル=メチルシロキサン単位 S−15:フェニル=メチルシロキサン単位
してラグビーボール様 2:全体として中実球状 3:全体として中実球状を呈するもののその表面に多数
の窪みを有する 4:全体として断面馬蹄形
としての評価) ・ポリエチレンテレフタレートフィルム試料の作製と評
価 試験区分1で調製した有機シリコーン微粒子の表4に記
載した所定量をポリエチレンテレフタレートと共に2軸
混練機を用いて280℃で溶融押し出しし、未延伸シー
トを作製した。次に80℃で長さ方向に5倍延伸した
後、200℃で5秒間熱固定して厚さ15μmの1軸延
伸フィルムを試料として得た。この試料の平滑性を下記
の条件で測定し、下記の基準で評価した。結果を表4に
まとめて示した。
下で梨地表面のステンレス板に対する長さ方向と幅方向
の動摩擦係数を摩擦係数測定機(東洋精機社製のTR
型、荷重250g、速度500mm分)で測定し、長さ方
向の動摩擦係数と、長さ方向の動摩擦係数/幅方向の動
摩擦係数の比をそれぞれ下記の基準で評価した。 ・・長さ方向の動摩擦係数の評価基準 ◎:動摩擦係数が0.3未満、優れている。 ○:動摩擦係数が0.3以上0.5未満、良好である。 △:動摩擦係数が0.5以上0.7未満、やや劣る。 ×:動摩擦係数が0.7以上、劣る。 ・・長さ方向の動摩擦係数/幅方向の動摩擦係数の比の
評価基準 ◎:長さ方向の動摩擦係数/幅方向の動摩擦係数の比が
1.4以上。 ○:長さ方向の動摩擦係数/幅方向の動摩擦係数の比が
1.2以上1.4未満。 △:長さ方向の動摩擦係数/幅方向の動摩擦係数の比が
1.1以上1.2未満。 ×:長さ方向の動摩擦係数/幅方向の動摩擦係数の比が
1.1未満。
する有機シリコーン微粒子の使用重量部 P−1〜P−10及びR−1〜R−4:試験区分1で合
成した有機シリコーン微粒子
価 試験区分1で合成した有機シリコーン微粒子の表5に記
載した所定量をポリプロピレン(アイソタクチックイン
デックス97.5%、[h]2.3)と共に2軸混練機
を用いて275℃で溶融押し出しし、45℃の冷却ドラ
ムにキャストして未延伸シートを作製した。この未延伸
シートを予熱ロール群に導き、138℃に加熱しつつ、
長さ方向に7倍延伸した後、150℃で熱固定を行な
い、単層の1軸延伸ポリプレンフィルム(厚み20μ
m)を試料として得た。この試料の平滑性を前記と同様
の条件で測定し、前記と同様の基準で評価した。結果を
表5にまとめて示した。
コーン微粒子の使用重量部 P−1〜P−10及びR−1〜R−4:試験区分1で合
成した有機シリコーン微粒子
価) ・処理剤1〜14の調製 25℃における粘度が7×10−6m2/sのジメチル
シリコーンオイル97部と試験区分1で合成した実施例
1の有機シリコーン微粒子(P−1)3部をホモミキサ
ーに供して処理剤(T−1)を調製した。処理剤(T−
1)と同様にして表6に記載した処理剤(T−2)〜
(T−10)及び(r−1)〜(r−4)を調製した。 ・合成繊維の製造及び処理剤の付着 分子量1000のポリテトラメチレングリコールとジフ
ェニルメタンジイソシアネートとから得たポリウレタン
重合体を用いて溶融紡糸したポリウレタン系弾性繊維
に、前記の処理剤をローラーオイリング法で表6に記載
の付着量となるようニート給油し、引き続き600m/
分の速度で紙管に巻き取り、捲き幅38mm、捲き量40
0gの44デシテックス/1フィラメントの処理済みポ
リウレタン系弾性繊維から成るパッケージを得た。
ジについて、下記の方法でバルジとサドルを測定すると
共に、端面における綾落ちを肉眼観察し、下記の基準で
捲形状を評価した。結果を表6にまとめて示した。
の最大幅(Wmax)と最小幅(Wmin)を計測し、その差
(バルジ)をWmax−Wminで求め、下記の基準で評価し
た。 ◎:3mm未満 ○:3mm以上5mm未満 △:5mm以上7mm未満 ×:7mm以上
繊維の捲き幅が正面に見えるようにパッケージを置き、
パッケージの最大円周部分の直径(Lmax)と最小円周
部分の直径(Lmin)を計測し、その差(サドル)をLm
ax−Lminで求め、下記の基準で評価した。 ◎:0.7mm未満 ○:0.7mm以上1mm未満 △:1mm以上2mm未満 ×:2mm以上
られた処理済みポリウレタン系弾性繊維が円周面から滑
落している程度を肉眼で観察し、下記の基準で評価し
た。 ○:綾落ちが認められない。 ×:綾落ちが認められる。
ージの内層と外層での解舒張力を測定して、内層と外層
との差を下記の基準で評価した。結果を表6にまとめて
示した。 ○:0.0以上0.2未満 △:0.2以上0.4未満 ×:0.4以上
明には、高分子材料用改質剤として有用な、ポリシロキ
サン架橋構造体から成る新規の有機シリコーン微粒子を
提供することができるという効果がある。
拡大正面図。
大平面図。
長径、L2・・短径
Claims (15)
- 【請求項1】 ポリシロキサン架橋構造体から成る有機
シリコーン微粒子であって、周面に長手方向へ沿う一本
の割れ目を有する全体としてはラグビーボール様を呈
し、長径(L1)の平均値が0.05〜20μm、短径
(L2)の平均値が0.03〜15μm、且つ長径(L
1)の平均値/短径(L2)の平均値=1.1〜3.3
の範囲内にあることを特徴とする有機シリコーン微粒
子。 - 【請求項2】 長径(L1)の平均値が0.1〜15μ
m、短径(L2)の平均値が0.05〜10μm、且つ
長径(L1)の平均値/短径(L2)の平均値=1.2
〜2.5の範囲内にある請求項1記載の有機シリコーン
微粒子。 - 【請求項3】 ポリシロキサン架橋構造体が、下記の式
1で示されるシロキサン単位と式2で示されるシロキサ
ン単位と式3で示されるシロキサン単位とから構成され
たものである請求項1又は2記載の有機シリコーン微粒
子。 【式1】SiO2 【式2】R1SiO1.5 【式3】R2R3SiO (式2,式3において、 R1,R2,R3:ケイ素原子に直結した炭素原子を有
する有機基) - 【請求項4】 ポリシロキサン架橋構造体が、(式1で
示されるシロキサン単位+式2で示されるシロキサン単
位)/式3で示されるシロキサン単位=99/1〜50
/50(モル比)の割合で有するものである請求項3記
載の有機シリコーン微粒子。 - 【請求項5】 ポリシロキサン架橋構造体が、式1で示
されるシロキサン単位/式2で示されるシロキサン単位
=23/77〜40/60(モル比)の割合で有するも
のである請求項4記載の有機シリコーン微粒子。 - 【請求項6】 式2で示されるシロキサン単位が、式2
中のR1が下記の反応性基群から選ばれる反応性基又は
該反応性基を有する有機基である場合のものであり、ま
た式3で示されるシロキサン単位が、式3中のR2及び
R3のうちで少なくとも一方が下記の反応性基群から選
ばれる反応性基又は該反応性基を有する有機基である場
合のものである請求項3〜5のいずれか一つの項記載の
有機シリコーン微粒子。 反応性基群:エポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、ア
ルケニル基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基 - 【請求項7】 請求項1記載の有機シリコーン微粒子の
製造方法であって、下記の式4で示されるシラノール基
形成性ケイ素化合物と式5で示されるシラノール基形成
性ケイ素化合物と式6で示されるシラノール基形成性ケ
イ素化合物とを、(式4で示されるシラノール基形成性
ケイ素化合物+式5で示されるシラノール基形成性ケイ
素化合物)/式6で示されるシラノール基形成性ケイ素
化合物=99/1〜50/50(モル比)の割合で用
い、これらを触媒を存在させた条件下で水と接触させて
加水分解することによりシラノール化合物を生成させ、
次に生成させたシラノール化合物を触媒を存在させた水
性条件下で縮合反応させることを特徴とする有機シリコ
ーン微粒子の製造方法。 【式4】SiX4 【式5】R4SiY3 【式6】R5R6SiZ2 (式4,式5,式6において、 R4,R5,R6:ケイ素原子に直結した炭素原子を有
する有機基 X,Y,Z:炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜
4のアルコキシ基を有するアルコキシエトキシ基、炭素
数2〜4のアシロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基を
有するN,N−ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、
ハロゲン原子又は水素原子) - 【請求項8】 式4で示されるシラノール基形成性ケイ
素化合物/式5で示されるシラノール基形成性ケイ素化
合物=23/77〜40/60(モル比)の割合で用い
る請求項7記載の有機シリコーン微粒子の製造方法。 - 【請求項9】 シラノール化合物を縮合反応させた後、
更に高分子メンブランフィルターで分別処理する請求項
7又は8記載の有機シリコーン微粒子の製造方法。 - 【請求項10】 式5で示されるシラノール基形成性ケ
イ素化合物が、式5中のR4が下記の反応性基群から選
ばれる反応性基又は該反応性基を有する有機基である場
合のものであり、また式6で示されるシラノール基形成
性ケイ素化合物が、式6中のR5及びR6のうちで少な
くとも一方が下記の反応性基群から選ばれる反応性基又
は該反応性基を有する有機基である場合のものである請
求項7〜9のいずれか一つの項記載の有機シリコーン微
粒子の製造方法。 反応性基群:エポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、ア
ルケニル基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基 - 【請求項11】 式4で示されるシラノール基形成性ケ
イ素化合物と式5で示されるシラノール基形成性ケイ素
化合物と式6で示されるシラノール基形成性ケイ素化合
物とを、触媒の他に、更にノニオン性界面活性剤及び/
又はアニオン性界面活性剤を存在させた条件下で水と接
触させる請求項7〜10のいずれか一つの項記載の有機
シリコーン微粒子の製造方法。 - 【請求項12】 請求項1〜6のいずれか一つの項記載
の有機シリコーン微粒子から成ることを特徴とする高分
子材料用改質剤。 - 【請求項13】 請求項7〜11のいずれか一つの項記
載の有機シリコーン微粒子の製造方法によって得られる
有機シリコーン微粒子から成ることを特徴とする高分子
材料用改質剤。 - 【請求項14】 合成高分子フィルム用の滑剤である請
求項12又は13記載の高分子材料用改質剤。 - 【請求項15】 合成繊維用の滑剤である請求項12又
は13記載の高分子材料用改質剤。
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