JP2003171425A - 糊剤用エマルジョン及びその製造方法 - Google Patents

糊剤用エマルジョン及びその製造方法

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JP2003171425A
JP2003171425A JP2001368890A JP2001368890A JP2003171425A JP 2003171425 A JP2003171425 A JP 2003171425A JP 2001368890 A JP2001368890 A JP 2001368890A JP 2001368890 A JP2001368890 A JP 2001368890A JP 2003171425 A JP2003171425 A JP 2003171425A
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emulsion
weight
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sizing agent
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JP2001368890A
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Makoto Sato
佐藤  誠
Toshihiko Kodama
稔彦 児玉
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Chuo Rika Kogyo Corp
Original Assignee
Chuo Rika Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗濯時の脱糊性が良好で、かつ経時による不
快臭の発生が抑制された糊剤用エマルジョン及びその製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 (A)酢酸ビニル88〜99.5重量
%、及び(B)不飽和カルボン酸0.5〜12重量%と
の乳化共重合体を含有する水性分散液からなり、この水
性分散液中に、上記乳化共重合体100重量部あたり2
〜20重量部の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含有すると
共に、上記水性分散液中の乳化共重合体の粒径を0.1
〜1.5μmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、糊剤用エマルジ
ョン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から糊剤としては、デンプン、ポリ
ビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等が安
価な点から、多用されてきた。しかし、これらはガラス
転移温度が高いために、衣類が硬くなりすぎ、皮膚に接
触した際に不快感を与えるという欠点を有していた。
【0003】これに対し、特公昭57−19233号公
報、同60−26863号公報、同61−42025号
公報等に、ガラス転移温度の低いポリ酢酸ビニルエマル
ションから成る糊剤が提案され、実用化されている。
【0004】また、特公昭57−33398号公報、同
57−29483号公報、同57−36284号公報、
同58−12959号公報、同60−7070号公報、
特公平1−15625号公報等において、酢酸ビニルと
不飽和カルボン酸とを共重合させることにより、洗濯時
に、洗剤中のアルカリによって、衣類における脱糊性を
改善することが試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
糊剤は、ポリ酢酸ビニルが水不溶性であり、洗濯によっ
ても衣類に付着した糊剤がほとんど落ちることがないた
め、糊剤が衣類上に残り、繰り返し使用すると衣類が硬
くなりすぎるという欠点を有していた。また、後者の糊
剤は、経時的に共重合体から酢酸ビニル成分が分解され
て酢酸が発生するため、不快臭をもたらすという欠点が
あった。
【0006】そこで、この発明は、洗濯時の脱糊性が良
好で、かつ経時による不快臭の発生が抑制された糊剤用
エマルジョン及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、酢酸ビニル
を88〜99.5重量%、及び不飽和カルボン酸を0.
5〜12重量%の原料モノマーを含有する予備乳化液
を、水性媒体中に添加して乳化重合を行うことにより、
上記の課題を解決したのである。
【0008】酢酸ビニルと不飽和カルボン酸とを原料モ
ノマーとした予備乳化液を用いて得られた乳化共重合体
を用いるので、不飽和カルボン酸の共重合効率が向上し
た乳化共重合体が得られる。このため、水親和性の性質
を有する共重合体が生成されると共に、水不溶性の酢酸
ビニル重合体の生成が抑制され、この水不溶性成分によ
って生じる洗濯時の脱糊性の悪化を防止でき、脱糊性を
向上できる。また、酢酸ビニルと不飽和カルボン酸との
混合比を一定範囲としたので、経時的に共重合体から酢
酸ビニルが分解されて酢酸が発生するのを抑制でき、不
快臭の発生が抑制される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。この発明にかかる糊剤用エマルジョンは、酢酸ビ
ニルからなる(A)成分と不飽和カルボン酸からなる
(B)成分との乳化共重合体を含有してなる水性分散液
からなる。
【0010】上記(B)成分を構成する不飽和カルボン
酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
イタコン酸、マレイン酸などがあげられ、これらは1種
又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】また、上記不飽和カルボン酸は、その少な
くとも一部が中和されているものがよい。一部を中和さ
せることにより水溶性が向上し、後述する予備乳化液の
安定性が向上する。
【0012】上記の不飽和カルボン酸の中和度は、1〜
20%がよく、3〜10%が好ましい。1%より低い
と、酢酸ビニルが分解しやすくなり、酢酸臭が発生する
場合がある。一方、20%より高いと、不飽和カルボン
酸が完全に水溶化し、酢酸ビニルとの共重合性が悪化す
る場合がある。
【0013】上記の不飽和カルボン酸の中和は、重合前
に行うのが好ましい。重合後に行うと、得られる糊剤用
エマルジョンの異常な増粘が発生するので好ましくな
い。
【0014】上記(A)成分と(B)成分の合計量に対
する(A)成分の含有割合は、88〜99.5重量%が
よく、90〜99重量%が好ましく、93〜98重量%
がより好ましい。また、上記(A)成分と(B)成分の
合計量に対する(B)成分の含有割合は、0.5〜12
重量%がよく、2〜7重量%が好ましい。(A)成分の
割合が88重量%より少ないと、経時により不快臭が発
生する場合がある。一方、99.5重量%より多いと、
脱糊性が不十分な場合がある。
【0015】上記乳化共重合体は、上記の(A)成分と
(B)成分からなる原料モノマーを含有する予備乳化液
を乳化重合して得られる共重合体である。このため、不
飽和カルボン酸の共重合効率を向上させることができ、
水不溶性の酢酸ビニル重合体の生成を抑制することがで
きる。これにより、この水不溶性成分によって生じる洗
濯時の脱糊性の悪化を防止でき、脱糊性を向上させるこ
とができる。
【0016】上記水性分散液中には、上記原料モノマー
を乳化するための乳化剤(以下、「第1乳化剤」と称す
る。)が含有される。この第1乳化剤としては、部分ケ
ン化ポリ酢酸ビニルがよい。この部分ケン化ポリ酢酸ビ
ニルを用いることにより、上記予備乳化液中の共重合体
の粒径分布を調整しやすくなるからである。また、この
第1乳化剤として、界面活性剤を用いると、上記予備乳
化液中の共重合体の粒径分布が広がり、重合の際に粗大
粒子が生成したり、沈降が生じたりする場合があるの
で、あまり好ましくない。
【0017】上記第1乳化剤として用いられる部分ケン
化ポリ酢酸ビニルのケン化度は、85〜95%がよく、
88〜91%が好ましい。85%より小さいと、乳化能
力が低下し、重合安定性が悪化する場合がある。一方、
95%より大きいと、粒径が大きくなり、生成エマルジ
ョンの経時による沈降、分離が起こる場合がある。
【0018】また、第1乳化剤の使用量は、上記原料モ
ノマーの合計量100重量部あたり、言い換えれば、上
記原料モノマーを乳化重合して得られる乳化共重合体1
00重量部あたり、2〜20重量部がよく、3〜15重
量部が好ましい。2重量部より少ないと、上記原料モノ
マーの乳化が不十分となり、乳化重合において、水不溶
性の酢酸ビニル重合体の生成が生じやすくなり、洗濯時
の脱糊性が悪化する場合がある。一方、20重量部より
多いと、乳化重合で生成される乳化共重合体粒子が過度
に微細化してエマルジョンの粘度が高くなり、取り扱い
にくくなる。
【0019】上記糊剤用エマルジョンには、必要に応じ
て、カチオン化デンプン等のデンプン化合物を添加して
もよい。このデンプン化合物を使用することにより、洗
濯後の衣類等のボリューム感に優れ、好ましい風合いを
得ることができる。このデンプン化合物の添加時期は、
特に限定されないが、乳化重合後に加えるのが好まし
い。
【0020】上記デンプン化合物の添加量は、上記原料
モノマーの合計量、又は上記原料モノマーを乳化重合し
て得られる乳化共重合体に対して、1〜30重量%がよ
く、5〜10重量%が好ましい。1重量%より少ない
と、繊維との密着性が低下して仕上がりのボリューム感
が損なわれ、風合いが悪化する場合がある。一方、30
重量%より多くてもよいが、添加量に見合う効果の増加
がないため、不経済となるため、30重量%で十分であ
る。
【0021】上記糊剤用エマルジョン中の乳化重量体の
粒径は、0.1〜1.5μmであり、0.2〜1.2μ
mが好ましく、0.5〜1μmが特に好ましい。0.1
μmより小さいと、エマルジョンの流動性が変化する場
合がある。一方、1.5μmより大きいと、エマルジョ
ン粒子の沈降が生じる場合があり、好ましくない。
【0022】また、上記糊剤用エマルジョンの固形分量
は、10〜70重量%がよく、40〜50重量%が好ま
しい。10重量%より少ないと、液成分が多くなり、使
用時や輸送時に作業性低下等の不都合がある。一方、7
0重量%より多いと、粘度が高くなりすぎ、作業性が低
下する場合がある。
【0023】さらに、上記糊剤用エマルジョンの粘度
は、100〜2000mPa・sがよく、300〜10
00mPa・sが好ましい。100mPa・sより小さ
いと、エマルジョン粒子の沈降が生じやすくなる。一
方、2000mPa・sより大きいと、上記水性媒体へ
の分散性が悪くなる場合がある。
【0024】さらにまた、上記糊剤用エマルジョンの最
低造膜温度(MFT)は、0〜10℃がよく、2〜5℃
が好ましい。0℃より小さいと、過度に風合いが柔らか
くなる場合がある。一方、10℃より大きいと、冬期に
繊維への固着性が悪化し、風合いが劣るものとなる場合
がある。
【0025】この発明にかかる糊剤用エマルジョンは、
所定の割合の(A)成分と(B)成分からなる原料モノ
マーを含有する予備乳化液を、水性媒体中に添加して乳
化重合することにより製造される。
【0026】上記予備乳化液は、上記のとおり、上記原
料モノマーに上記第1乳化剤を加えて乳化したものであ
る。また、上記予備乳化液には、この発明の目的がそこ
なわれない範囲で、上記原料モノマー以外に、この原料
モノマーと共重合可能な他のモノマー、例えばアクリル
酸エステル類やメタクリル酸エステル類等を1種又は2
種以上添加することができる。
【0027】上記水性媒体は、上記予備乳化液を重合さ
せる場となる媒体であり、水、又は水と混和可能なメタ
ノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒と水との混
合物等の水を主体とする媒体を使用することができる。
中でも、水を単独で用いるのが、排水処理等の点で好ま
しい。上記水性媒体には、上記予備乳化液を添加する前
に、必要に応じて、乳化重合用の乳化剤(以下、「第2
乳化剤」と称する。)や重合開始剤を添加しておくのが
好ましい。
【0028】上記第2乳化剤としては、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロッ
ク共重合体等のノニオン性界面活性剤、長鎖アルキルト
リメチルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチルアン
モニウム塩、長鎖アルキルジメチルベンジルアンモニウ
ム塩等のカチオン性界面活性剤、長鎖アルキル硫酸エス
テル塩、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、セッケン
などのアニオン性界面活性剤等があげられる。この中で
も、ノニオン系界面活性剤を用いると、重合反応性が改
良され、また風合いを適度に柔らかくすることができる
ので好ましい。
【0029】上記第2乳化剤の使用量は、上記原料モノ
マー合計量に対し、0〜5重量%がよく、1〜3重量%
が好ましい。5重量%より多いと、風合いが柔らかくな
り過ぎ、仕上がりの「コシ」がなくなる場合がある。一
方、予備乳化液に使用されている第1乳化剤で乳化重合
は可能であるので、第2乳化剤を用いなくてもよい。
【0030】上記重合開始剤としては、通常の乳化重合
に使用されている水溶性ラジカル開始剤、例えば、ラジ
カル発生剤及び有機還元剤からなる酸化還元系ラジカル
発生剤があげられる。
【0031】上記ラジカル発生剤としては、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒ
ドロペルオキシド、クメンヒドロオキシペルオキシド、
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩等
があげられる。また、上記有機還元剤としては、酒石酸
又はアスコルビン酸等があげられる。上記ラジカル発生
剤の中でも、過酸化水素を用いると、洗濯後の黄ばみの
発生を防止することができ、好ましい。
【0032】上記ラジカル発生剤の使用量は、上記原料
モノマー全重量に対し、0.1〜2重量%がよく、0.
5〜1重量%が好ましい。2重量%より多いと、風合い
が損なわれる場合がある。一方、0.1重量%より少な
いと、重合反応性が著しく低下する。
【0033】また、有機還元剤の使用量は、上記ラジカ
ル発生剤1重量部に対し、0.1〜1重量部がよく、
0.2〜0.6重量部が好ましい。1重量部より多い
と、反応末期の重合反応性が著しく悪化する場合があ
る。一方、0.1重量部より少ないと、反応の進行が遅
くなる。
【0034】次に、乳化重合法について説明する。ま
ず、上記酢酸ビニルと不飽和カルボン酸を所定割合で混
合し、原料モノマーとする。次いで、この原料モノマー
及び部分ケン化ポリ酢酸ビニル等の第1乳化剤を水等の
水性媒体に入れて乳化させ、予備乳化液を調製する。予
備乳化液の調製に際しては、撹拌による方法や、ホモジ
ナイザー等の機械的乳化を行う方法が用いられる。反応
器に上記水性媒体を仕込み、ノニオン系界面活性剤等の
上記第2乳化剤、上記重合開始剤、必要に応じてデンプ
ン化合物等を所定量添加し、混合する。そして、上記の
予備乳化液を所定温度に設定した水性媒体中に添加して
乳化重合を行う。
【0035】上記の予備乳化液の上記水性媒体中への添
加方法は、特に限定されるものではなく、逐次的に添加
する方法、連続的に添加する方法、一括して添加する方
法等が挙げられる。これらの中でも、逐次的に添加する
方法や連続的に添加する方法を採用すると、酢酸ビニル
と不飽和カルボン酸の共重合効率が上昇するので、より
好ましい。
【0036】また、このようにして得られる糊剤用エマ
ルジョンに安定化剤として低重合度の部分ケン化ポリ酢
酸ビニルを添加すると、エマルジョンの安定性が向上す
るので好ましい。上記安定化剤としての部分ケン化ポリ
酢酸ビニルの重合度は、具体的には、300〜2000
が好ましく、500〜1700がより好ましい。300
より小さいと、過度に風合いが柔らかくなる場合があ
る。一方、2000より大きいと、風合いが硬くなる場
合がある。
【0037】また、上記安定化剤としての部分ケン化ポ
リ酢酸ビニルのケン化度は、75〜98%が好ましく、
80〜90%が特に好ましい。75%より小さいと、安
定化効果に乏しくなる場合がある。一方、98%より大
きいと、泡沫凝固性が損なわれる場合がある。
【0038】さらに、上記安定剤の糊剤用エマルジョン
の固形分に対する添加割合は、1〜20重量%がよく、
2〜5重量%が好ましい。1重量%より少ないと、泡沫
凝固性が損なわれる場合がある。一方、20重量%より
多くてもよいが、添加効果の増大はなく、経済的でない
ため、20重量%で十分である。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明する。まず、実施例及び比較例で行った試験及び評価
方法について説明する。
【0040】<粒径>レーザー回折式粒径分布測定装置
((株)島津製作所製;SALD−2000)を用いて
測定した。 <粘度>ブルックフィールド型粘度計(B型粘度計、
(株)トキメック製)を用いて、25℃で測定した。
【0041】<重合性>予備乳化液又はモノマー滴下の
際に、温度制御・付着物について観察し、下記の基準で
判断した。 ◎:温度制御が容易で、付着物もほとんどない ○:温度制御が可能で、付着物もあまりない ×:温度制御が困難か、又は付着物が多量に発生する
【0042】<エマルジョン安定性> ・沈降安定性は、下記の基準で評価した。 ◎:3ヶ月室温放置して、沈降していないもの ○:3ヶ月室温放置して、少し沈降しているもの ×:3ヶ月室温放置して、かなり沈降しているもの ・放置安定性は、下記の基準で評価した。 ◎:3ヶ月室温放置して、分離しないもの ○:3ヶ月室温放置して、少し分離するもの ×:3ヶ月室温放置して、かなり分離するもの <泡沫凝固性>対象エマルジョン50gと水50gとを
ビーカーに秤量し、撹拌して凝集物発生を観察した。 ◎:凝集物が発生しない ○:少し凝集物が発生する ×:かなり凝集物が発生する
【0043】<脱糊率>糊剤用エマルジョンの1.4%
水溶液を調整し、これに生地を3分間浸漬後、マングル
を用いて脱水し、105℃で3分間乾燥し、アイロン仕
上げを行い、糊付けした生地を得た。次いで、1リット
ル当たり2gのメタケイ酸ソーダと2gの家庭用中性洗
剤の洗濯液を作り、上記生地をこの洗濯液に浸漬して撹
拌し、60℃×10分間の条件で洗濯した。洗濯後、上
記生地を105℃×3分間熱風乾燥、又は25℃×8時
間風乾した。上記洗濯及び乾燥を1サイクルとして、繰
り返しテストを5サイクル行った。5サイクル終了後の
生地の重量と、試験開始前の生地の重量を測定し、下式
により脱糊率を算出した。 脱糊率(%)={(糊付後の生地重量)−(洗濯後の生
地重量)}/{(糊付け後の生地重量)−(原料生地重
量)}×100
【0044】<生地の硬さ>糊付け時及び洗濯時の生地
から2cm×15cmの試験片を5枚採取し、その表裏
について、カンチレバー法(JIS L 1084)の
45℃法にしたがって測定し、その平均値を示した。 <風合い>上記の生地の硬さの試験で得られた試験片を
手触りによって評価した。 ・糊付け時:◎;非常にボリューム感あり、○;ボリュ
ーム感あり、×;ボリューム感なし ・洗濯後:◎;原布と同じ程度に柔らかい、○;柔らか
い、×;硬い
【0045】(実施例1〜9)不飽和カルボン酸として
アクリル酸(三菱化学(株)製)に水酸化カリウム水溶液
を加えて、表1に示す割合だけ中和した不飽和カルボン
酸((A)成分)を得た。そして、(B)成分として酢
酸ビニル(日本合成化学(株)製)と、上記(A)成分と
を表1に示す量ずつ混合した。次いで、この混合した原
料モノマーと、第1乳化剤として部分ケン化ポリ酢酸ビ
ニル(日本合成化学(株)製;GH−17、ケン化度;8
6.5〜89モル%)を表1に示す量ずつ、水470g
に混合して乳化させ、予備乳化液を調整した。また、水
410gに、表1に示す所定の第2乳化剤、重合開始剤
として過酸化水素を4gを加えて混合し、80℃に調整
した。続いて、ここに、上記予備乳化液を5g/分添加
していき、80℃所定温度に設定した水性媒体中に添加
して80℃を維持しながら6時間、乳化重合を行った。
乳化重合終了後、必要に応じて、カチオン化澱粉(日澱
化学(株)製:EXCELL A−2)、及び安定化剤と
して上記部分ケン化ポリ酢酸ビニルを表1に示す量だけ
添加した。得られた糊剤用エマルジョンを用いて、上記
の各試験を行った。その結果を表1に示す。なお、表1
において、アニオン性界面活性剤として、花王(株)製:
ラテムルWXを、ノニオン性界面活性剤として、花王
(株)製:エマルゲンEM147を用いた。
【0046】(比較例1)不飽和カルボン酸を用いなか
った以外は、実施例5と同様にして糊剤用エマルジョン
を得、これを用いて、上記の各試験を行った。その結果
を表1に示す。
【0047】(比較例2)部分中和した不飽和カルボン
酸を用い、表1に示す割合の各成分を用いた以外は、実
施例5と同様にして予備乳化液を調整し、乳化重合を行
った。乳化重合後、水酸化カリウム水溶液を用いて、表
1に示す割合だけ中和し、糊剤用エマルジョンを得、こ
れを用いて、上記の各試験を行った。その結果を表1に
示す。
【0048】(比較例3)中和しない不飽和カルボン酸
を用い、表1に示す割合の各成分を水850gに一括に
仕込んだ。次いで、80℃に調整した後、実施例1で用
いた重合開始剤3gを加えて乳化重合を行った。乳化重
合後、水酸化カリウム水溶液を用いて部分中和し、糊剤
用エマルジョンを得、これを用いて、上記の各試験を行
った。その結果を表1に示す。
【0049】(比較例4)表1に示す割合の各成分を使
用した以外は、比較例3と同様にして糊剤用エマルジョ
ンを得、これを用いて、上記の各試験を行った。その結
果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】この発明にかかる糊剤用エマルジョン
は、酢酸ビニルと不飽和カルボン酸との予備乳化液を用
いて乳化重合するので、不飽和カルボン酸の共重合効率
が向上する。このため、水親和性の性質を有する共重合
体が生成されると共に、水不溶性の酢酸ビニル重合体の
生成が抑制され、この水不溶性成分によって生じる洗濯
時の脱糊性の悪化を防止でき、脱糊性を向上できる。
【0052】また、酢酸ビニルと不飽和カルボン酸との
混合比を一定範囲としたので、経時的に共重合体から酢
酸ビニルが分解されて酢酸が発生するのを抑制でき、不
快臭の発生が抑制される。
【0053】さらに、この発明にかかる糊剤用エマルジ
ョンは、所定の粒径を有するので、洗濯後、衣類の厚み
感、シャキット感、しなやかさ等の風合いを改善するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/333 D06M 15/333 Fターム(参考) 4J002 AB042 BF021 GC00 HA07 4J011 BB01 BB04 KA12 KA16 KB09 KB22 KB29 4J015 CA03 4J100 AG04P AJ02Q CA04 EA07 FA03 FA20 JA11 4L033 AB04 AC12 CA18 CA28

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)酢酸ビニル88〜99.5重量
    %、及び(B)不飽和カルボン酸0.5〜12重量%と
    の乳化共重合体、及び上記乳化共重合体100重量部あ
    たり2〜20重量部の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを含有
    する水性分散液からなり、この水性分散液中の乳化共重
    合体の粒径が0.1〜1.5μmである糊剤用エマルジ
    ョン。
  2. 【請求項2】 上記乳化共重合体のカルボン酸基の少な
    くとも一部が中和された請求項1に記載の糊剤用エマル
    ジョン。
  3. 【請求項3】 上記乳化共重合体100重量部あたり、
    1〜30重量部のカチオン化デンプンを含有させた請求
    項1又は2に記載の糊剤用エマルジョン。
  4. 【請求項4】 上記の(B)成分である不飽和カルボン
    酸がアクリル酸である請求項1乃至3のいずれかに記載
    の糊剤用エマルジョン。
  5. 【請求項5】 酢酸ビニルを88〜99.5重量%、及
    び不飽和カルボン酸を0.5〜12重量%の原料モノマ
    ーを含有する予備乳化液を、水性媒体中に添加して乳化
    重合を行う糊剤用エマルジョンの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記不飽和カルボン酸として、その少な
    くとも一部が中和されたものを用いる請求項5に記載の
    糊剤用エマルジョンの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記の予備乳化液が、部分ケン化ポリ酢
    酸ビニルにより乳化されたものである請求項5又は6に
    記載の糊剤用エマルジョンの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記乳化重合に用いられる乳化剤とし
    て、ノニオン系界面活性剤を用いた請求項5乃至7のい
    ずれかに記載の糊剤用エマルジョンの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記乳化重合に用いられる重合開始剤と
    して、過酸化水素と有機還元剤とを組み合わせた酸化還
    元系ラジカル発生剤を用いた請求項5乃至8のいずれか
    に記載の糊剤用エマルジョンの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記有機還元剤が酒石酸又はアスコル
    ビン酸である請求項9に記載の糊剤用エマルジョンの製
    造方法。
  11. 【請求項11】 上記予備乳化液の上記水性媒体中への
    添加を、逐次的又は連続的に行う請求項5乃至10のい
    ずれかに記載の糊剤用エマルジョンの製造方法。
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