JP2951766B2 - 糊料組成物 - Google Patents

糊料組成物

Info

Publication number
JP2951766B2
JP2951766B2 JP3245887A JP24588791A JP2951766B2 JP 2951766 B2 JP2951766 B2 JP 2951766B2 JP 3245887 A JP3245887 A JP 3245887A JP 24588791 A JP24588791 A JP 24588791A JP 2951766 B2 JP2951766 B2 JP 2951766B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
vinyl
emulsion
parts
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3245887A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0586576A (ja
Inventor
一敏 井手
博 出島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP3245887A priority Critical patent/JP2951766B2/ja
Publication of JPH0586576A publication Critical patent/JPH0586576A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2951766B2 publication Critical patent/JP2951766B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は糊料組成物、さらに詳し
くは、従来の糊料組成物に比べて低温での凍結安定性が
格段に優れる糊料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】糊料には従来、澱粉が用い
られていたが、使い易くするために種々の改良が行わ
れ、現在は冷水に希釈が容易であり、使用が簡単で安定
な糊料として液状糊料が開発され、カルボキシメチルセ
ルロース、澱粉、ポリビニルアルコール等の2〜15%溶
液に消泡剤、防腐剤、螢光増白剤、香料等が配合された
ものが使用されている。
【0003】しかしながら、これら澱粉、ポリビニルア
ルコール、カルボキシメチルセルロース等はガラス転移
温度が80℃以上の硬いポリマーであって、糊料としては
安価であるが衣類に糊付けすると衣類は硬くなりすぎ、
紙のような風合いを与え、場合によっては皮膚と接触す
る部位で皮膚荒れを起こすといった不都合がしばしば見
られていた。さらに、これらポリマーの水溶液は濃度が
低くても粘度が高く、取り扱いにくいという欠点も持っ
ている。
【0004】これらの欠点を除くものとして、ポリ酢酸
ビニル乳濁液(エマルジョン)が使用されており、高浴
比からの繊維への吸着性を改善し、家庭での洗濯機処理
が可能なように糊料基剤にカチオン荷電を保持させる新
規な糊料組成物も提案されている(例えば、特開昭53−
70191 号、同53−94688 号、同52−53086 号、同59−88
978 号、同58−4875号、同58−65073 号公報等)。また
従来から、水に不溶の酢酸ビニルを主モノマーとしたエ
マルジョンの場合、洗濯サイクルでの糊落ち性が悪く、
衣類の硬化等の原因となっていたが、この点に関して
も、不飽和カルボン酸を共重合することで洗濯時のアル
カリによってポリマーが膨潤、溶解し、糊落ちがよくな
るようにした糊料組成物も提案されている。
【0005】このようにポリ酢酸ビニル乳濁液(エマル
ジョン)は、その数々の利点のために現在では衣類の糊
付け剤として広く使用されるようになった。
【0006】しかしながら、このようなエマルジョンを
使用した糊剤の場合、しばしば製品としての安定性、と
りわけ凍結から回復(解凍)時における粘度安定性が問
題になる場合が多くみられるのも事実である。これらの
凍結・解凍時に発生する粘度安定性の問題を解決するた
めの手段として、一般的にはグリセリン、プロピレング
リコール、エチレングリコール等のポリオール類が有効
であることが知られているが、これらの添加剤のみでは
その粘度安定性の問題を解決するには不十分であり、更
に効果的な凍結安定化剤が求められているのが現状であ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる従来
の酢酸ビニル系糊料組成物のもつ欠点を改善すべく鋭意
研究した結果、(a) 低級脂肪酸ビニルエステルとN−ビ
ニル−2−ピロリドンの二元共重合体エマルジョン及び
/又は低級脂肪酸ビニルエステルと不飽和カルボン酸と
N−ビニル−2−ピロリドンの三元共重合体エマルジョ
ンに対して、(b) 炭素数が4〜10のアルコール、炭素数
が10以下のアルコールと蟻酸、酢酸、プロピオン酸との
エステル及び炭素数が2〜10アルデヒドから選ばれる1
種又は2種以上を添加することにより凍結安定性が格段
に優れた糊料組成物を得ることができることを見出し、
本発明に到った。
【0008】即ち、本発明は、(a) 低級脂肪酸ビニルエ
ステルとN−ビニル−2−ピロリドンの二元共重合体エ
マルジョン及び/又は低級脂肪酸ビニルエステルと不飽
和カルボン酸とN−ビニル−2−ピロリドンの三元共重
合体エマルジョンと、(b) 炭素数が4〜10のアルコー
ル、炭素数が10以下のアルコールと蟻酸とのエステル、
炭素数が10以下のアルコールと酢酸とのエステル、炭素
数が10以下のアルコールとプロピオン酸とのエステル及
び炭素数が2〜10のアルデヒドから選ばれる1種又は2
種以上を含有することを特徴とする糊料組成物を提供す
るものである。
【0009】本発明において使用される低級脂肪酸ビニ
ルエステルとしては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等が例示されるが、更には次の(1) 〜(7)
に示すような低級脂肪酸ビニルエステル(好ましくは酢
酸ビニル)と共重合可能なモノマーもあわせて使用され
得る。この場合、両者の重量比は低級脂肪酸ビニルエス
テル:共重合可能なモノマー=80:20〜100 :0であ
る。 (1) アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸ブチル等のアクリル酸、メタクリル酸のアルキルエス
テル (2) α、βのエチレン性不飽和ジカルボン酸のジエステ
ル、例えばジブチルマレエート、ジエチルマレエート、
及びこれに相当するフマレート、イタコネート、シトラ
コネート (3) スチレン、エチレン (4) 塩化ビニルのようなハロゲン化ビニル (5) 塩化ビニリデンのようなハロゲン化ビニリデン (6) α、βエチレン性不飽和カルボン酸アミド及びその
N-アルキロール誘導体、例えばアクリルアミド及びN-メ
チロールアミド (7) 先に使用した低級脂肪酸ビニルエステルと異なる低
級脂肪酸ビニルエステルこれらの共重合可能なモノマー
として、好ましくはアクリル酸又はメタクリル酸のアル
キルエステルが挙げられる。
【0010】本発明において使用される不飽和カルボン
酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アコニチン酸、ソ
ルビン酸、ケイ皮酸、α−クロロソルビン酸、シトラコ
ン酸、 p−ビニル安息香酸等の他、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸のような不飽和ポリカルボン酸のアルキ
ル半エステル、部分エステル又は部分アミドが挙げられ
る。不飽和ポリカルボン酸のアルキル半エステルの例と
しては、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチ
ル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチル、マレイ
ン酸モノブチル等の炭素数1〜6の低級アルキル半エス
テルが挙げられる。これらの不飽和カルボン酸のうち好
ましい例示としてはアクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸が挙げられる。
【0011】本発明の糊料組成物に使用される(a) 成分
のエマルジョンにおいては、高浴比からの繊維への吸着
性を向上させる目的で種々のカチオン性ポリマーを共存
させて重合を行うか、これらのカチオン性ポリマーを重
合終了後に添加することもできる。その際、使用される
カチオン性ポリマーとしてはカチオン性セルロース、カ
チオン性澱粉、カチオン性ビニル重合体等が挙げられ
る。
【0012】カチオン性セルロース及びカチオン性澱粉
としては例えば次式(1) に示されるものが好ましい。
【0013】
【化1】
【0014】(式中、 A :セルロース又は澱粉残基 R :アルキレン基又はヒドロキシアルキレン基 R1,R2,R3:同じか又は異なっており、アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は式中の窒素原子を含んで複素
環を形成してもよい。 X-:アニオン基(塩素、臭素、沃素、硫酸、スルホン
酸、メチル硫酸、燐酸、硝酸等) p :正の整数 を意味する。) カチオン性セルロース及びカチオン性澱粉のカチオン置
換度は0.01〜1、即ち無水グルコース単位当り0.01〜1
個、好ましくは0.02〜0.5 個のカチオン基が導入された
ものが好ましい。置換度が0.01以下では効果が充分でな
く、また置換度は1以上でもかまわないが、反応収率の
点から1以下が好ましい。かかるカチオン性セルロース
は例えばアルカリ性条件下で例えばヒドロキシエチルセ
ルロースにグリシジルトリメチルアンモニウムクロライ
ドまたは3−クロル−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライドを反応させて得ることができ
る。また、ヒドロキシエチルセルロースに4−クロルブ
テントリメチルアンモニウムクロライドを反応させて得
ることもできる。
【0015】カチオン性澱粉の場合も例えばアルカリ条
件下で澱粉にグリシジルトリメチルアンモニウムクロラ
イドまたは3−クロル−2−ヒドロキシプロピルトリメ
チルアンモニウムクロライドを反応させて得ることがで
きる。また、ジメチルアミノエチル化澱粉を4級化して
得ることもできる。更に、澱粉に4−クロルブテントリ
メチルアンモニウムクロライドを反応させて得ることも
できる。
【0016】またカチオン性ビニル重合体としては次の
式(2) で表されるものが例示される。
【0017】
【化2】
【0018】(式中、 R4:水素原子又はメチル基 R5,R6,R7:同じか異なっており、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基又は置換アルキル基 Y :酸素原子またはアミド結合中のNH基 X-:式(1) と同じ m :1〜10の整数 n :5〜5000の数、 を意味する。) これらカチオン性ポリマーの水溶液の粘度は、1%水溶
液の場合5〜1000cps(センチポイズ)(20℃) 、好ましく
は10〜500cpsがよい。
【0019】また、本発明において使用されるN−ビニ
ル−2−ピロリドンは次の式(3) で表される化合物であ
り、一般的な市販品が使用できる。
【0020】
【化3】
【0021】本発明の糊料組成物に使用される(a) 成分
のエマルジョンを得るための重合に際しては、一般に用
いられるノニオン性、アニオン性、カチオン性の乳化剤
を適宜使用することができる。ノニオン性乳化剤の例と
しては、C7〜C18 アルキル基と9〜30またはそれ以上の
エチレンオキサイド単位を持つアルキルフェノキシポリ
エトキシエタノール、例えばヘプチルフェノキシポリエ
トキシエタノール、オクチルフェノキシポリエトキシエ
タノール、メチルオクチルフェノキシポリエトキシエタ
ノール、ノニルフェノキシポリエトキシエタノール、ド
デシルフェノキシポリエトキシエタノール等、またはメ
チレン結合で連結したアルキルフェノールのポリエトキ
シエタノール誘導体、ノニル、ドデシル、テトラデシル
等のメルカプタンやC6〜C15 アルキルチオフェノールと
必要な量のエチレンオキサイドを縮合させた硫黄を含む
乳化剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オ
レイン酸、トール油混合酸のような長鎖カルボン酸のエ
チレンオキサイド誘導体、疎水性炭化水素鎖をもつエー
テル化した又はエステル化したポリヒドロキシ化合物の
エチレンオキサイド誘導体等が挙げられる。ノニオン乳
化剤はHLB が12〜19、好ましくは15〜18のものが用いら
れる。アニオン乳化剤の例としては、ラウリルアルコー
ルのようなC8〜C18 アルコールの硫酸エステルのナトリ
ウム塩、カリウム塩で代表される高級脂肪族アルコール
硫酸塩、C8〜C18 の脂肪酸のナトリウム塩、カリウム
塩、或いはトリエタノールアミンのようなエタノールア
ミン塩(例えばオレイン酸トリエタノールアミン、ステ
アリン酸トリエタノールアミン)、ロート油、硫酸化リ
シノレイン酸のようなスルホン化合物、ナトリウム−t
−オクチルベンゼンスルホネート、ナトリウム−t−オ
クチルフェノールスルホネートのようなスルホン化アル
キルアリール化合物が例示される。カチオン乳化剤の例
としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアル
キルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチル
アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウ
ム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルキノリウム
塩、アルキルイソキノリウム塩、ステアリルアミドメチ
ルピリジニウム塩、アシルアミノエチルメチルジエチル
アンモニウム塩、アシルアミノエチルピリジニウム塩、
アルコキシメチルピリジニウム塩、1−メチル−1−ア
シルアミノエチル−2−アルキルイミダゾリン、ジアシ
ルアミノプロピルジメチルアンモニウム塩、ジアシルア
ミノエチルジメチルアンモニウム塩、ジアルキルジ(ポ
リオキシエチレン)アンモニウム塩、ジアルキルメチル
ポリオキシエチレンアンモニウム塩などが挙げられる。
【0022】本発明の糊料組成物を構成する(a) 成分の
エマルジョンを重合する際には、エマルジョンの安定性
を向上させるために、更にノニオン性水溶性ポリマーを
併用することもできる。ノニオン性水溶性ポリマーとし
てはポリビニルアルコール、化工澱粉、セルロース誘導
体等が挙げられる。本発明に使用できる化工澱粉は水溶
性の化工澱粉であり、例えば、ヒドロキシエチル化澱
粉、ヒドロキシプロピル化澱粉、α化澱粉等を挙げるこ
とができる。本発明に使用できるポリビニルアルコール
としては酢酸ビニルホモポリマー又は酢酸ビニルと他の
モノマーのコポリマーの完全又は不完全鹸化物、又はこ
れらを例えばアルデヒド等によって化工したポリビニル
アルコール誘導体であって、その5%水溶液の粘度が30
℃で5〜10000cpsのものが例示される。また、本発明に
使用できる非イオン性セルロース誘導体は水溶性のヒド
ロキシアルキル化セルロース又はアルキルセルロースで
あり、その5%水溶液の粘度が30℃で5〜10000cpsのも
のであり、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、メチルセルロース等を挙げる
ことができる。これらのノニオン性水溶性ポリマーの添
加量はエマルジョン系に対して0〜10重量%、好ましく
は1〜4重量%である。
【0023】本発明に使用される(a) 成分のエマルジョ
ンの重合に用いる重合開始剤としては2,2'アゾビス(2−
アミジノプロパン) の他、過酸化水素、 t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
t−ブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオ
キサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、過酢酸、
過安息香酸、過硫酸カリウム等を用いることができる。
重合開始剤の添加量はビニルエステル単量体に対して、
0.01〜5.0 重量%の範囲で使用するのが好ましい。ま
た、本発明に係わる(a) 成分のエマルジョンを得るため
の重合反応の温度は40〜120 ℃、好ましくは50〜90℃で
あり、重合時のpHは3〜9、好ましくは4〜8の範囲で
行う。この際、緩衝剤として炭酸ナトリウム、重炭酸ナ
トリウム、オルソリン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリ
ウム、第1リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナ
トリウムのような無機塩を0〜2重量%、好ましくは
0.1〜1重量%用いるのが良い。
【0024】本発明には(b) 成分として炭素数が4〜1
0、好ましくは7〜10のアルコール、炭素数が10以下の
アルコールと蟻酸、酢酸及び/又はプロピオン酸とのエ
ステル及び炭素数が2〜10、好ましくは6〜10のアルデ
ヒドから選ばれる1種又は2種以上の化合物が使用され
る。これらは凍結安定化剤として使用される。具体的に
は炭素数4〜10のアルコールとして、n−オクチルアル
コール、2,6 −ジメチル−5−ヘプテン−3−オール、
リナロール、ゲラニオール等の1価アルコールが挙げら
れ、エステルとしては、蟻酸イソブチル、蟻酸イソアミ
ル、酢酸−n−デシル、酢酸−n−ノニル、プロピオン
酸メチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸
リナリル等が挙げられ、炭素数2〜10のアルデヒドとし
ては、n−バレルアルデヒド、α−アミル・イソバレル
アルデヒド、2−デセナール、デシナール、α,β−ヘ
キサナール等が挙げられる。これらの(b) 成分は組成物
中に0.01〜3.0 重量%程度添加されることにより顕著な
安定化効果を発揮する。
【0025】本発明におけるこれら各成分の相対的含有
量は、低級脂肪酸ビニルエステル単量体を(a) 成分の水
性エマルジョン中に20〜60重量%含有する場合、不飽和
カルボン酸は前記低級脂肪酸ビニルエステル単量体100
重量部に対して0〜15重量部、好ましくは 0.2〜5重量
部であり、更にN−ビニル−2−ピロリドンは前記低級
脂肪酸ビニルエステル100 重量部に対して1〜30重量
部、好ましくは2〜20重量部である。また、(b) 成分は
(a) 成分中の低級脂肪酸ビニルエステル単量体100 重量
部に対して総量で0.01〜15重量部、好ましくは0.02〜10
重量部添加することで凍結安定性の向上効果が得られ
る。
【0026】本発明のポリマー糊料基剤の最終エマルジ
ョン中の各成分の含有量の一例を以下に示す。 (a) 成分;低級脂肪酸ビニルエステル単量体;20〜60
重量%、好ましくは25〜50重量% 不飽和カルボン酸;低級脂肪酸ビニルエステル単量体10
0 重量部に対して0〜15重量部、好ましくは 0.2〜5重
量部 N−ビニル−2−ピロリドン;低級脂肪酸ビニルエステ
ル100 重量部に対して1〜30重量部、好ましくは2〜20
重量部 (b) 成分;(a) 成分中の低級脂肪酸ビニルエステル単
量体100 重量部に対して0.01〜15重量部、好ましくは0.
02〜10重量部であり、糊料組成物中に0.01〜3.0 重量% その他、任意成分として、非イオン性乳化剤、アニオ
ン性乳化剤、カチオン性乳化剤、カチオン性ポリマー、
水溶性非イオンポリマー、重合開始剤、無機塩等が適宜
配合される。
【0027】また、本発明の糊料組成物は予め乳化重合
して得られた上記(a) 成分のエマルジョンに対して上記
範囲の含有量となるように(b)成分を添加することによ
って得られる。本発明に係わる(a) 成分のエマルジョン
の重合時における原料の添加方法は、全ての原料を同時
に添加して反応させてもよいが、より好ましくは低級脂
肪酸ビニルエステル単量体以外の原料を仕込んだ反応容
器中に、低級脂肪酸ビニルエステル単量体を徐々に添加
していく方法が望ましい。
【0028】また、本発明の糊料組成物には他の方法で
重合されたエマルジョンを添加しても良く、従来のエマ
ルジョン系糊基剤と本発明におけるエマルジョンの混合
物であっても充分に効果を発揮するものである。
【0029】本発明の糊料組成物には必要に応じて、一
般の高分子エマルジョン用の添加剤、例えば、ジブチル
フタレート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペー
ト、トリアセチン等のような可塑剤、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、エタノールのような凍結防
止剤、その他香料、殺菌剤、防腐剤、螢光染料、顔料な
どを添加することができる。
【0030】本発明の糊料組成物を使用するにあたって
は、従来の糊料組成物を使用する方法、即ち衣類に対す
る糊料組成物希釈の水量、所謂、浴比を1対1〜1対4
程度にする方法でも使用することができるし、前述のよ
うなカチオン性ポリマーを使用した場合には1対10〜1
対40程度での使用も可能である。特に、このような浴比
の増大は均一な糊付けを可能にし、しかも家庭において
使用する場合、電気洗濯機による処理が可能になる。
【0031】本発明の糊料組成物を用いて糊付けする際
の糊料組成物の布重量に対する比率は、衣類重量に対し
て糊料組成物有効分(固形分)0.2 〜6重量%であり、
好ましくは 0.5〜4重量%である。
【0032】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を詳述する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、例中の部は重量部であり、%は重量%である。
【0033】<エマルジョンの合成> (1) エマルジョンA 窒素導入管、撹拌機、モノマーの定量滴下装置、温度
計、還流冷却器を取りつけた5つ口セパラブルフラスコ
に、カチオン性澱粉(分子量60000、窒素含量0.18%) 6.
0 部、ポリビニルアルコール(鹸化度80%、重合度150
0)3.0 部、及びイオン交換水100 部を加えて90℃に溶
解し、60℃に冷却した後、酢酸ビニル単量体10部とエマ
ルゲン920 (花王株式会社製)2.0 部を加え、炭酸ナト
リウム 0.5部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩 0.1部、イオン交換水20部を加え、75℃に昇
温して重合を開始した。重合開始後30分から 350分にわ
たり酢酸ビニル単量体88部とメタクリル酸モノマー2部
とN−ビニル−2−ピロリドンモノマー10部を予め混合
しておいたものを前記重合反応溶液中に連続的に滴下し
た。滴下終了後80℃に昇温して1時間撹拌した後、反応
を終了しエマルジョンAを得た。
【0034】(2) エマルジョンB 窒素導入管、撹拌機、モノマーの定量滴下装置、温度
計、還流冷却器を取りつけた5つ口セパラブルフラスコ
に、カチオン性澱粉(分子量60000、窒素含量0.18%)6.
0 部、ポリビニルアルコール(鹸化度80%、重合度150
0)3.0 部、及びイオン交換水100 部を加えて90℃に溶
解し、60℃に冷却した後、酢酸ビニル単量体10部とエマ
ルゲン920 (花王株式会社製)2.0 部を加え、炭酸ナト
リウム 0.5部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩 0.1部、イオン交換水20部を加え、75℃に昇
温して重合を開始した。重合開始後30分から 350分にわ
たり酢酸ビニル単量体90部とN−ビニル−2−ピロリド
ンモノマー10部を予め混合しておいたものを前記重合反
応溶液中に連続的に滴下した。滴下終了後80℃に昇温し
て1時間撹拌した後、反応を終了しエマルジョンBを得
た。
【0035】(3) エマルジョンC 窒素導入管、撹拌機、モノマーの定量滴下装置、温度
計、還流冷却器を取りつけた5つ口セパラブルフラスコ
に、カチオン性澱粉(分子量60000、窒素含量0.18%)6.
0 部、ポリビニルアルコール(鹸化度80%、重合度150
0)3.0 部、及びイオン交換水100 部を加えて90℃に溶
解し、60℃に冷却した後、酢酸ビニル単量体10部とエマ
ルゲン920 (花王株式会社製)2.0 部を加え、炭酸ナト
リウム 0.5部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩 0.1部、イオン交換水20部を加え、75℃に昇
温して重合を開始した。重合開始後30分から 350分にわ
たり酢酸ビニル単量体98部とメタクリル酸2部を予め混
合しておいたものを前記重合反応溶液中に連続的に滴下
した。滴下終了後80℃に昇温して1時間撹拌した後、反
応を終了しエマルジョンCを得た。
【0036】以上のようにして合成した3種のエマルジ
ョンA,B,Cを用いて以下のような糊料組成物を調製
した。
【0037】実施例1 エマルジョンA(固形分40%品) 90.0% デシナール 0.1 エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0038】実施例2 エマルジョンA(固形分40%品) 90.0% ゲラニオール 0.1 エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0039】実施例3 エマルジョンA(固形分40%品) 90.0% プロピオン酸リナリル 0.1 エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0040】実施例4 エマルジョンB(固形分40%品) 90.0% プロピオン酸リナリル 0.1 エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0041】実施例5 エマルジョンB(固形分40%品) 90.0% 蟻酸イソブチル 0.1 エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0042】実施例6 エマルジョンA(固形分40%品) 90.0% デシナール 0.5 水 バランス。
【0043】比較例1 エマルジョンC(固形分40%品) 90.0% デシナール 0.1 エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0044】比較例2 エマルジョンC(固形分40%品) 90.0% エタノール 0.1 エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0045】比較例3 エマルジョンC(固形分40%品) 90.0% ポリオキシエチレンドデシルエーテル 0.1 エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0046】比較例4 エマルジョンA(固形分40%品) 90.0% ポリオキシエチレンドデシルエーテル 0.1 エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0047】比較例5 エマルジョンB(固形分40%品) 90.0% グリセリン 3.0 エチレングリコール 3.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0048】比較例6 エマルジョンB(固形分40%品) 90.0% エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0049】比較例7 エマルジョンB(固形分40%品) 90.0% ドデカノール 0.1 エチレングリコール 5.0 フタル酸ジオクチル 3.0 水 バランス。
【0050】上記実施例1〜6及び比較例1〜7で得ら
れた各種糊料組成物を用いて以下の方法により凍結安定
性の評価を行った。 〔凍結安定性の評価〕配合したサンプルを100 mlのガラ
ス瓶に入れ、−20℃で12時間、20℃で12時間静置し、こ
のサイクルを20回繰り返して5回ごとに粘度を測定を行
った。粘度の測定は25℃、B型粘度計を使用して行っ
た。その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 13/224 D06M 13/224

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 低級脂肪酸ビニルエステルとN−ビ
    ニル−2−ピロリドンの二元共重合体エマルジョン及び
    /又は低級脂肪酸ビニルエステルと不飽和カルボン酸と
    N−ビニル−2−ピロリドンの三元共重合体エマルジョ
    ンと、(b) 炭素数が4〜10のアルコール、炭素数が10以
    下のアルコールと蟻酸とのエステル、炭素数が10以下の
    アルコールと酢酸とのエステル、炭素数が10以下のアル
    コールとプロピオン酸とのエステル及び炭素数が2〜10
    のアルデヒドから選ばれる1種又は2種以上 を含有することを特徴とする糊料組成物。
  2. 【請求項2】 低級脂肪酸ビニルエステルが酢酸ビニ
    ル、酪酸ビニル又はプロピオン酸ビニルである請求項1
    記載の糊料組成物。
  3. 【請求項3】 不飽和カルボン酸がアクリル酸、メタク
    リル酸又はクロトン酸である請求項1又は2記載の糊料
    組成物。
JP3245887A 1991-09-25 1991-09-25 糊料組成物 Expired - Fee Related JP2951766B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3245887A JP2951766B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 糊料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3245887A JP2951766B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 糊料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0586576A JPH0586576A (ja) 1993-04-06
JP2951766B2 true JP2951766B2 (ja) 1999-09-20

Family

ID=17140289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3245887A Expired - Fee Related JP2951766B2 (ja) 1991-09-25 1991-09-25 糊料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2951766B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0586576A (ja) 1993-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3032481B2 (ja) 衣料用仕上剤組成物および衣料の処理方法
US4376177A (en) Sizing composition
JP2951766B2 (ja) 糊料組成物
JP2989722B2 (ja) 糊料組成物
JPH0784704B2 (ja) 糊料組成物
JP2951764B2 (ja) 糊料組成物
JP2796051B2 (ja) 糊料組成物
JP2854233B2 (ja) 糊料組成物
US4435539A (en) Stabilized polymer compositions
JPH05222674A (ja) 糊料組成物
JPH0115625B2 (ja)
JPH05222673A (ja) 糊料組成物
JPH0598574A (ja) 糊料組成物
GB1589482A (en) Fabric stiffening composition
JPH0811869B2 (ja) 衣料用糊料組成物
JPH05222675A (ja) 糊料組成物
JP2001003270A (ja) 糊 剤
JP3877881B2 (ja) 糊料組成物
JPH0140845B2 (ja)
JP3923195B2 (ja) 糊料組成物
JPH1112936A (ja) 液体糊組成物
JPS607070B2 (ja) 糊料組成物
JPH1112934A (ja) 液体糊組成物
JP2001348781A (ja) 糊料組成物
JPH06313090A (ja) 樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees