JP2003171393A - 高純度大豆サポニンの製造方法 - Google Patents

高純度大豆サポニンの製造方法

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Hideko Yuchi
英子 有地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ほぼ100%の高純度大豆サポニンを製造す
る製造方法を提供することにある。 【解決手段】 高純度大豆サポニンの製造方法であっ
て、その方法が、原料大豆種子粉末を脱脂処理する工
程,脱脂処理した大豆種子粉末のアルコール抽出物を濃
縮し、水に溶解又は懸濁させた後、合成樹脂吸着剤に吸
着させて水溶出画分を除去した後、アルコールで溶出
し、アルコール溶出画分を回収する工程,前記アルコー
ル溶出画分を乾燥する工程,前記乾燥物を吸着剤に吸着
させて溶剤で溶出し、溶剤溶出画分を回収する工程,か
らなることを特徴とする高純度大豆サポニンの製造方法
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高純度大豆サポニン
の製造方法に係り、その目的はほぼ100%の高純度大
豆サポニンを製造する製造方法の提供にある。
【0002】
【従来の技術】サポニンは植物界に広く分布する配糖体
の一群で、その生理作用としては、赤血球に対する溶血
作用、粘膜への刺激作用、催涙作用、さらには魚類に対
する中毒作用などが知られている。しかし、このサポニ
ンは人が内服してもほとんど吸収されないので、食欲増
進剤、強心剤、利尿剤などとして漢方薬に用いられるほ
か、発泡剤、洗浄剤などに用いられる。
【0003】サポニンには複数の種類のものが存在する
が、中でも大豆(Glycine max Merrill)に存在するサ
ポニンには、上記したような作用はあまり発現されず、
逆に体内に摂取されると脂質の過酸化を抑制し、代謝を
促進するため、肝機能障害に有効であり、また、腸から
吸収されたブドウ糖が脂肪に変化することを抑制するた
め、肥満を予防することが知られている。大豆サポニン
には前記したような効果があることから、栄養補助食品
などに幅広く使用されている。
【0004】従来、上記大豆サポニンは大豆から抽出分
離し、溶剤で精製するか、抽出液から樹脂吸着剤を用い
て選択的にサポニンを吸着させ、精製することによって
得ることができる。
【0005】例えば、一般的に大豆サポニンを得る方法
として、以下のような方法を例示することができる。原
料となる大豆種子粉末を通常の脂溶性有機溶媒を用いて
脱脂後、水または低級脂肪族アルコール或いは含水低級
脂肪族アルコールを用いてその有効成分を抽出する。次
にこの抽出液を濃縮した後スプレードライすることによ
り大豆サポニンを得ることができる。
【0006】また、前記した以外の公知の方法として、
例えば脱脂処理した大豆種子粉末を低級脂肪族アルコー
ル等の有機溶剤を用いて抽出、減圧濃縮して得た残渣を
n−ブタノール−水(1:1)混合懸濁液に溶解した
後、n−ブタノール層を分離して減圧濃縮する。得られ
た残渣を低級脂肪族アルコールに溶解した後、エーテル
中に攪拌しながら注ぎ、生成した析出物を濾取して得る
ことも可能である。
【0007】このようにして得られた大豆サポニン成分
は、原料となる大豆の種類等に応じて構成される化合物
の種類や含有量等に若干の相違はあるが、一般的には、
黄色〜褐色で、僅かににがみを有する無臭の粉末であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法で大豆サポニンを溶出した場合、糖、イソフラボン、
アミノ酸などを含み、純度が18%前後の大豆サポニン
しか製造できなかった。また、従来の方法で製造した大
豆サポニン粉末には、大豆サポニンとほぼ同量の大豆イ
ソフラボンが含まれていた。
【0009】イソフラボンは人体内で女性ホルモンと類
似の機能を果たし、従って多量に摂取した場合、ホルモ
ンバランスに悪影響を与える恐れがあるため、大豆サポ
ニンを用いた栄養補助食品が注目される中、大豆サポニ
ンを多量に摂取すると結果、大豆イソフラボンを多量に
取ることになり好ましくない。従って大豆イソフラボン
を含まない高純度の大豆サポニンを製造することが望ま
れており、上記課題を克服すべく新しく大豆サポニンを
溶出する方法を開発することが必須であり、以上の理由
から本発明者は本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明のうち請
求項1に係る発明は、高純度大豆サポニンの製造方法で
あって、その方法が原料大豆種子粉末を脱脂処理する工
程,脱脂処理した大豆種子粉末のアルコール抽出物を濃
縮し、水に溶解又は懸濁させた後、合成樹脂吸着剤に吸
着させて水溶出画分を除去した後、アルコールで溶出
し、アルコール溶出画分を回収する工程,前記アルコー
ル溶出画分を乾燥する工程,前記乾燥物を吸着剤に吸着
させて溶剤で溶出し、溶剤溶出画分を回収する工程,か
らなることを特徴とする高純度大豆サポニンの製造方法
に関し、請求項2に係る発明は、高純度大豆サポニンの
製造方法であって、その方法が原料大豆種子粉末を脱脂
処理する工程,脱脂処理した大豆種子粉末のアルコール
抽出物を濃縮し、水に溶解又は懸濁させた後、合成樹脂
吸着剤に吸着させて水溶出画分を除去した後、アルコー
ルで溶出し、アルコール溶出画分を回収する工程,前記
アルコール溶出画分を濃縮し、アルカリ水溶液に溶解又
は懸濁させた後、非水溶性アルコール/水混合懸濁液を
加え、非水溶性アルコール層を回収する工程,からなる
ことを特徴とする高純度大豆サポニンの製造方法に関す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る高純度大豆サポニン
の製造方法を以下に説明する。
【0012】まず、第一の製造方法について説明する。
まず原料大豆種子を以下の方法で粉末とする。乾燥させ
た大豆種子を粉砕後、40〜100メッシュ、より好ま
しくは60〜80メッシュの粒度に調整する。
【0013】大豆種子粉末を脂溶性有機溶媒で脱脂す
る。脂溶性有機溶媒としては特に限定はされないが、n
−ヘキサン、アセトン、エーテル、ベンゼン、石油エー
テル、リグロイン、酢酸エチル等が挙げられ、より好ま
しくはn−ヘキサンを使用する。脱脂する条件として
は、大豆種子粉末1重量部につき3〜20重量部、好ま
しくは5〜10重量部とする。また、脱脂する温度とし
ては30〜70℃、好ましくは40〜60℃で脱脂す
る。
【0014】次に脱脂した大豆種子粉末を水又は低級脂
肪族アルコール或いは含水低級脂肪族アルコールを用い
て加熱抽出する。低級脂肪族アルコールとしては特に限
定はされないが、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等が挙げられ、好ましくはメタノール又
はエタノールを使用する。含水低級脂肪族アルコールと
しては前記低級脂肪族アルコールの水混合物で低級脂肪
族アルコールが0〜60重量%程度含まれるものが良
い。抽出条件としては、大豆種子粉末1重量部につき3
〜20重量部、好ましくは5〜10重量部とする。ま
た、抽出する温度としては30〜70℃、より好ましく
は40〜60℃で抽出する。
【0015】抽出液を濃縮して得られた残渣を水に溶解
又は懸濁させた後、カラムに充填した合成樹脂吸着剤と
接触させ、大豆サポニン成分他を合成樹脂吸着剤に吸着
させる。その後、水で洗浄することによって糖、アミノ
酸などの不純物を除去する。吸着させる合成樹脂吸着剤
としては特に限定はされないが、セルヴァクロムXAD
−2(商品名,セルバ社製)、アンバーライトXAD−
2(商品名,ローム・アンド・ハース社製)等が挙げら
れる。好ましくはセルヴァクロムXAD−2を使用す
る。
【0016】糖、アミノ酸などの不純物を除去した後、
合成樹脂吸着剤に吸着した大豆サポニン成分他を低級脂
肪族アルコールを流下させることにより溶出し回収す
る。使用する低級脂肪族アルコールとして前記低級脂肪
族アルコールが挙げられ、好ましくはメタノール又はエ
タノールを使用する。
【0017】次に低級脂肪族アルコール抽出画分を乾燥
する。乾燥する理由としては低級脂肪族アルコール分の
留去によって水洗浄性が高くなるからである。低級脂肪
族アルコール抽出画分を乾燥する方法としては特に限定
はされないが、スプレードライ法、減圧乾燥、凍結乾燥
等があり、スプレードライ法がより好ましく、その理由
としては大豆サポニンが熱の影響を受けにくく、乾燥工
程が短く大量生産が可能であるからである。
【0018】前記乾燥物を溶剤に溶解又は懸濁さた後、
カラムに充填した吸着剤と接触させ、大豆サポニンをカ
ラムに吸着させる。その後、溶剤で洗浄することによっ
てイソフラボンを完全に除去する。吸着剤としては特に
限定されないが、シリカゲル、アルミナ、マグネシア、
炭酸カルシウム等が挙げられ、好ましくはシリカゲル、
アルミナを使用する。
【0019】使用する溶剤としては、特に限定されない
が、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン等の非極
性溶媒、又はメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等の低級脂肪族アルコールを使用し、好ましくはメタ
ノール−クロロホルム(5:1)を使用する。大豆サポ
ニンを含む溶剤溶出画分を回収した後、蒸発乾燥して高
純度の大豆サポニンを得る。
【0020】次に第二の方法について説明する。第二の
方法として、原料大豆種子粉末を脱脂処理する工程、脱
脂処理した大豆種子粉末のアルコール抽出物を濃縮し、
水に溶解又は懸濁させた後、合成樹脂吸着剤に吸着させ
て水溶出画分を除去した後、アルコールで溶出し、アル
コール溶出画分を回収する工程、までは上記第一の方法
と同じ方法で行う。
【0021】前記アルコール溶出画分を減圧濃縮しアル
コールを除去した後、アルカリ水溶液に溶解又は懸濁さ
せる。アルカリ水溶液としては特に限定はされないが、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸ナトリウムなどが挙げられ、より好ましくは水
酸化ナトリウムを使用する。
【0022】次に非水溶性アルコール/水混合懸濁液を
加え、攪拌後静置すると非水溶性アルコール層と水層に
分離するので、非極性アルコール層を回収する。非水溶
性アルコールとしては特に限定されないが、ブチルアル
コール、イソブチルアルコールなどが挙げられる。非水
溶性アルコール/水混合懸濁液としては、ブタノール−
水(1:1)混合懸濁液が好ましく用いられる。この場
合大豆サポニンはブタノール層に、大豆イソフラボンは
水層に分離する。この大豆サポニンを含むブタノール層
を回収した後、蒸発乾燥して高純度の大豆サポニンを得
る。
【0023】上記した工程により得られる大豆サポニン
は原料大豆の種類によって構成される成分の種類、量に
若干の差がみられるが、次式1(化1)で示される3−
O−〔β−D−ガラクトピラノシル−(1→2)−β−
D−グルクロノピラノシル〕−22−O−〔β−D−グ
ルコピラノシル−(1→3)−α−L−アラビノピラノ
シル〕ソーヤサポゲノールA、又は3−O−〔β−D−
グルコピラノシル−(1→2)−β−D−ガラクトピラ
シル−(1→2)−β−D−グルクロノピラノシル〕−
22−O−〔β−D−グルコピラノシル−(1→3)−
α−L−アラビノピラノシル〕ソーヤサポゲノールA、
次式2(化2)で示される、3−O−〔α−L−ラムノ
ピラノシル(1→2)−β−D−ガラクトピラノシル
(1→2)−β−D−グルクロノピラノシル〕−ソーヤ
サポゲノールB、又は3−O−〔α−L−ラムノピラノ
シル(1→2)−α−L−アラビノピラノシル(1→
2)−β−D−グルクロノピラノシル〕−ソーヤサポゲ
ノールB、或いは3−O−〔β−D−ガラクトピラノシ
ル(1→2)−β−D−グルクロノピラノシル〕−ソー
ヤサポゲノールBなどのサポニン物質が含有されてい
る。(但し、式中Rは、α−L−ラムノピラノシル
(1→2)−β−D−ガラクトピラノシル(1→2)−
β−D−グルクロノピラノシル基、又はα−L−ラムノ
ピラノシル(1→2)−α−L−アラビノピラノシル
(1→2)−β−D−グルクロノピラノシル基、或いは
β−D−ガラクトピラノシル(1→2)−β−D−グル
クロノピラノシル基、Rは、水素原子又はD−グルコ
ピラノシル基を示す。)
【化1】
【化2】
【0024】上記した本発明の製造方法により、純度9
0%以上の高純度大豆サポニンを得ることができる。
【0025】以下、実施例を示すことによって本発明を
より明確なものとする。
【実施例】(実施例1)大豆種子粉末10Kgを100リット
ルのn−ヘキサンで2回、1時間ずつ加熱抽出し脱脂し
た。その脱脂乾燥物を10リットルの99%メタノールに加
え60℃で1時間加熱抽出した。この操作を3回行い、各
濾液を混合し、60℃以下の温度で減圧濃縮乾燥した。こ
の残留物を水100mlに溶解した。この溶液を合成樹脂吸
着剤セルヴァクロムXAD‐tipe2の1.8Kgを3リットルの
水に分散させて内径8cmのカラムに充填したセルヴァク
ロムXAD‐tipe2カラムの上部から注入し、流速20ml/
分の速度で流下させ、サポニン成分を吸着させた。さら
に流下物の着色のなくなるまで水を追加流下し、不純物
を除去した。着色がなくなってから99%メタノールを、
流速10ml/分の速度で流下させ、セルヴァクロムに吸着
しているサポニン成分を溶離させた。溶離の完了は、薄
層クロマトグラフィー〔担体:キーゼルゲルF254、溶
剤:クロロホルム/メタノール/水(6:4:1)、検
出:1%第二硫酸セリウム−10%硫酸噴霧後105℃で5
分間加熱〕でチェックした。5リットルの99%メタノー
ルの流下によって完全にサポニン成分を溶離した。得ら
れた溶離液を60℃以下でスプレードライ法により乾固し
た。この残留物を100リットルのメタノール−クロロホ
ルム(5:1)に溶解した。この溶液を、吸着剤シリカ
ゲルの1.8Kgを3リットルのメタノール−クロロホルム
(5:1)に分散させて内径8cmのカラムに充填したシ
リカゲルカラムの上部から注入し、流速10ml/分の速度
で流下させ、サポニン成分を溶離させた。溶離の完了
は、薄層クロマトグラフィー〔担体:キーゼルゲルF25
4、溶剤:クロロホルム/メタノール/水(6:4:
1)、検出:1%第二硫酸セリウム−10%硫酸噴霧後10
5℃で5分間加熱〕でチェックした。得られた溶離液を6
0℃以下で蒸発乾固して、黄色の大豆サポニン紛末を得
た。
【0026】(実施例2)実施例2として、上記実施例
1の方法のうち低級脂肪族アルコール抽出、減圧濃縮乾
燥、スプレードライ法による乾燥の工程において条件温
度を40℃とした。
【0027】(実施例3)実施例3として、上記実施例
1の方法のうちシリカゲルをアルミナに代えて、エタノ
ールで溶出した。
【0028】(実施例4)大豆種子粉末10Kgを100リッ
トルのn−ヘキサンで2回、1時間ずつ加熱抽出し脱脂
した。その脱脂乾燥物を10リットルの99%メタノールに
加え60℃で1時間加熱抽出した。この操作を3回行い、
各濾液を混合し、60℃以下の温度で減圧濃縮乾燥した。
この残留物を水100mlに溶解した。この溶液を合成樹脂
吸着剤セルヴァクロムXAD‐tipe2の1.8Kgを3リットル
の水に分散させて内径8cmのカラムに充填したセルヴァ
クロムXAD‐tipe2カラムの上部から注入し、流速20ml
/分の速度で流下させ、サポニン成分を吸着させた。さ
らに流下物の着色のなくなるまで水を追加流下し、不純
物を除去した。着色がなくなってから99%メタノール
を、流速10ml/分の速度で流下させ、セルヴァクロムに
吸着しているサポニン成分を溶離させた。溶離の完了
は、薄層クロマトグラフィー〔担体:キーゼルゲルF25
4、溶剤:クロロホルム/メタノール/水(6:4:
1)、検出:1%第二硫酸セリウム−10%硫酸噴霧後10
5℃で5分間加熱〕でチェックした。5リットルの99%
メタノールの流下によって完全にサポニン成分を溶離し
た。得られた溶離液を60℃以下の温度で減圧濃縮乾燥
し、水酸化ナトリウム溶液に溶解した。この溶液にブタ
ノール−水(1:1)混合懸濁液を加え、攪拌後静置す
ると2層に分離するので、上層のブタノール層を回収し
た。この操作を3回行った。各ブタノール層回収液を混
合し、60℃以下で蒸発乾燥して黄色の大豆サポニンを
得た。
【0029】(比較例)比較例として大豆種子粉末10Kg
を100リットルのn−ヘキサンで2回、1時間ずつ加熱
抽出し脱脂した。その脱脂乾燥物を10リットルの99%メ
タノールを加え60℃で1時間加熱抽出した。この操作を
3回行い、各濾液を混合し、60℃以下の温度でスプレー
ドライ法により乾燥した。
【0030】実施例1、2、3及び4と比較例で得られ
た精製物を薄層クロマトグラフィーによって純度を測定
した。サポニンはRf0.2〜0.4に紫色のスポットと
して発色し、イソフラボンはRf0.7〜0.8に黄色の
スポットとして発色する。実施例1で製造した大豆サポ
ニンとその製造の際に分離したイソフラボンの薄層クロ
マトグラフィーによる純度測定の結果を図1に示す。
尚、比較例の薄層クロマトグラフィーによる展開図も図
1に同様に示す。実施例1では純度100%、実施例2
では純度99.9%、実施例3では純度99.8%、実
施例4では純度100%と高純度でサポニンを得ること
ができたのに対し、比較例で得られたサポニンは純度5
0%であった。
【0031】この結果から、本発明の方法により高純度
のサポニンを製造できることがわかった。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に係る発
明は、高純度大豆サポニンの製造方法であって、その方
法が原料大豆種子粉末を脱脂処理する工程,脱脂処理し
た大豆種子粉末のアルコール抽出物を濃縮し、水に溶解
又は懸濁させた後、合成樹脂吸着剤に吸着させて水溶出
画分を除去した後、アルコールで溶出し、アルコール溶
出画分を回収する工程,前記アルコール溶出画分を乾燥
する工程,前記乾燥物を吸着剤に吸着させて溶剤で溶出
し、溶剤溶出画分を回収する工程,からなることを特徴
とする高純度大豆サポニンの製造方法であり、請求項2
に係る発明は、高純度大豆サポニンの製造方法であっ
て、その方法が原料大豆種子粉末を脱脂処理する工程,
脱脂処理した大豆種子粉末のアルコール抽出物を濃縮
し、水に溶解又は懸濁させた後、合成樹脂吸着剤に吸着
させて水溶出画分を除去した後、アルコールで溶出し、
アルコール溶出画分を回収する工程,前記アルコール溶
出画分を濃縮し、アルカリ水溶液に溶解又は懸濁させた
後、非水溶性アルコール/水混合懸濁液を加え、非水溶
性アルコール層を回収する工程,からなることを特徴と
する高純度大豆サポニンの製造方法であるから、ほぼ1
00%の高純度大豆サポニンを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例、イソフラボン分画後、サポニン分画後
の薄層クロマトグラフィーによる大豆サポニンと大豆イ
ソフラボンのスポットを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 39/06 A61P 39/06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度大豆サポニンの製造方法であっ
    て、その方法が原料大豆種子粉末を脱脂処理する工程,
    脱脂処理した大豆種子粉末のアルコール抽出物を濃縮
    し、水に溶解又は懸濁させた後、合成樹脂吸着剤に吸着
    させて水溶出画分を除去した後、アルコールで溶出し、
    アルコール溶出画分を回収する工程,前記アルコール溶
    出画分を乾燥する工程,前記乾燥物を吸着剤に吸着させ
    て溶剤で溶出し、溶剤溶出画分を回収する工程,からな
    ることを特徴とする高純度大豆サポニンの製造方法。
  2. 【請求項2】 高純度大豆サポニンの製造方法であっ
    て、その方法が原料大豆種子粉末を脱脂処理する工程,
    脱脂処理した大豆種子粉末のアルコール抽出物を濃縮
    し、水に溶解又は懸濁させた後、合成樹脂吸着剤に吸着
    させて水溶出画分を除去した後、アルコールで溶出し、
    アルコール溶出画分を回収する工程,前記アルコール溶
    出画分を濃縮し、アルカリ水溶液に溶解又は懸濁させた
    後、非水溶性アルコール/水混合懸濁液を加え、非水溶
    性アルコール層を回収する工程,からなることを特徴と
    する高純度大豆サポニンの製造方法。
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