JP2003169666A - 新規酵母及びその利用 - Google Patents

新規酵母及びその利用

Info

Publication number
JP2003169666A
JP2003169666A JP2001369641A JP2001369641A JP2003169666A JP 2003169666 A JP2003169666 A JP 2003169666A JP 2001369641 A JP2001369641 A JP 2001369641A JP 2001369641 A JP2001369641 A JP 2001369641A JP 2003169666 A JP2003169666 A JP 2003169666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
yeast
strain
medium
strains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001369641A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4393028B2 (ja
Inventor
Tadao Asano
忠男 浅野
Naotaka Kurose
直孝 黒瀬
Junichi Hiramatsu
順一 平松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takara Holdings Inc
Original Assignee
Takara Holdings Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takara Holdings Inc filed Critical Takara Holdings Inc
Priority to JP2001369641A priority Critical patent/JP4393028B2/ja
Publication of JP2003169666A publication Critical patent/JP2003169666A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4393028B2 publication Critical patent/JP4393028B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seasonings (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規酵母及びその取得方法、並びに該新規酵
母を用いるリンゴ酸、コハク酸、及び酢酸イソアミルが
バランスよく高生成される酒類、食品の製造方法を提供
する。 【解決手段】 pH2.7以下の選択培地で増殖能が高
いことを特徴とする新規酵母。pH2、7以下の選択培
地で増殖能が高い菌株を分離することを特徴とする該新
規酵母の取得方法。該新規酵母を用いることを特徴とす
る酒類、食品の製造方法。 【効果】 リンゴ酸及びコハク酸をバランスよく高生成
する新規酵母を取得することができ、該酵母を用いて、
従来から行われている方法で製造することにより得るこ
とができる酒類、食品は従来にはない好ましいものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規酵母、新規酵
母の取得方法、及び酒類、食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サッカロミセス・セレビシエ(Sacc
haromyces cerevisiae)の一株で
ある清酒酵母を馴養、交雑、又は変異処理することによ
り、親株より有機酸を多く生成する株を取得する育種例
には、以下の報告がある。リンゴ酸高生成株としては、
コハク酸デヒドロゲナーゼの阻害剤であるジメチルサク
シネートの感受性酵母(特開平3−175975号公
報)、シクロヘキシミド耐性酵母(日本醸造協会誌、第
88巻、第8号、第645〜647頁、1993年)、
及びコハク酸デヒドロゲナーゼの阻害剤であるテノイル
トリフルオロアセトン又はオキシカルボキシン耐性酵母
(特開平6−121670号公報)が知られている。こ
れらの酵母は、親株に比べてリンゴ酸を、それぞれ約3
倍、約5〜7倍、及び約2倍生成することが述べられて
いる。また、爽快な酸味を生成する泡なし清酒酵母(特
開平5−317036号公報)、及びメタ重亜硫酸カリ
ウムに対する馴養株(特開平7−203951号公報)
が知られている。
【0003】しかし、これらの酵母は特定の有機酸は著
量生成するが、他の性質、例えば、清酒製造における日
本酒度の切れ及びアルコール濃度は親株より劣ってい
る。また、吟醸香の成分の一つである酢酸イソアミルの
生成、及び吟醸香の強弱の指標である酢酸イソアミルの
イソアミルアルコールに対する比(E/A比)について
は述べられていない。昨今の清酒需要が低下する中で、
その需要を喚起する方法の一つとして、特定の好ましい
香味成分によるものだけでなく、複数の成分がバランス
よく含まれる清酒が考えられる。前述のような好ましい
香味成分の多くは、酵母のアルコール発酵に伴って生成
されるものであり、このような酵母の開発が望まれてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況にかんがみて行われたものであり、リンゴ酸及びコハ
ク酸をバランスよく高生成する新規酵母及びその取得方
法、並びに該新規酵母を用いるリンゴ酸、コハク酸、及
び酢酸イソアミルがバランスよく高生成される酒類、食
品の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は、pH2.7以下の選択培地で増殖
能が高い菌株であることを特徴とする新規酵母に関し、
第2の発明は第1の発明の酵母の取得方法に関し、第3
の発明は、第1の発明の酵母を用いる酒類、食品の製造
方法に関する。
【0006】本発明者らは、糖の中間代謝産物耐性を選
択の指標として変異株を取得すれば有機酸生成の変化し
た酵母が取得できるのではないかと考えた。そこで、通
常の酵母が生育できない濃度の酸を含有する平板培地に
生育してくる変異株を分離し、該変異株の麹汁培養試験
を実施したところ、有機酸を高生成し、酸度が高い変異
株を見出した。更に、該変異株を用いて酒類、食品の製
造を行ったところ、リンゴ酸、コハク酸、及び吟醸香の
成分である酢酸イソアミルをバランスよく高含有し、並
びにアルコール濃度等の他の成分がその親株とそん色な
いことを見出し、本発明を完成した。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を具体的に説明す
る。本発明における酵母の種類には特に限定はない。こ
の中でサッカロミセス・セレビシエに属する酵母を用い
るのが好ましく、特に、清酒酵母、焼酎酵母、ワイン酵
母、ビール酵母、等の醸造用酵母、パン酵母、等の酒
類、食品の製造に用いられているものが好適に用いるこ
とができる。酒類、食品の製造に用いられている酵母の
菌株は、常法により用いられているものを使用でき、例
えば、清酒酵母では、財団法人日本醸造協会K−701
号(以下、K−701株という)、K−901号等を、
焼酎酵母では協会焼酎酵母2号等を挙げることができ
る。また、野生株、変異処理株、馴養株、交雑株、細胞
融合株、プラスミド等による形質転換株も含まれる。
【0008】本発明では、酵母を後述の選択培地に培養
後、分離することにより所望の新規酵母を取得すること
ができるが、選択培地に培養する前に、酵母に馴養、変
異処理等を行う方が効率的に得ることができ、特に変異
処理が好適である。変異処理は、公知の変異誘導方法に
より行うことができる。その例としては、紫外線若しく
は放射線を照射させる物理的方法、又はN−メチル−N
´−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、エチルメタンス
ルホネート(以下、EMSという)等の薬剤を適宜用い
ることにより行えばよく、有効な変異処理としてはEM
S処理を挙げることができる。
【0009】本発明においてはpH2.7以下の選択培
地を用いる。選択培地をpH2.7以下にするために
は、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、オキサロ酢酸、イソク
エン酸、ピルビン酸、コハク酸等の有機酸、及び塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸を添加すればよい。これ
らの酸の中でリンゴ酸、フマル酸、乳酸、オキサロ酢
酸、イソクエン酸、ピルビン酸、コハク酸、塩酸を用い
ることが好ましい。選択培地に添加する酸は任意の一種
類を添加すればよい。その結果得られる菌株は酸の種類
に関係なく同様の性質を有する菌株を取得することがで
き、リンゴ酸及びコハク酸がバランスよく高生成され
る。しかし、いずれの酸を添加した培地を用いる場合に
おいても、pH2.7以下にする必要がある。pHが
2.7超では菌株間の増殖能の差を区別し難く、効率よ
く分離することができない。酸の添加量はpH2.7以
下となる量で適宜選択すればよく、pH2.3〜2.7
の範囲となるように添加するのが好適である。pH2.
3未満では、所望の酵母が十分増殖できない場合があ
り、効率よく取得することができない。選択培地の炭素
源、窒素源等の栄養源は、酵母の培養に用いることがで
きるものであれば特に限定はない。このため、酵母の培
養に用いられている培地を用い、酸を所望のpHとなる
ように添加すればよい。この培地の例として、YPD培
地(1w/v%酵母エキス、2w/v%ポリペプトン、
2w/v%グルコース)、SD培地〔イーストニトロゲ
ンベース(アミノ酸不含)0.67w/v%、グルコー
ス2.0w/v%〕、YM培地(0.3w/v%酵母エ
キス、0.3w/v%麦芽エキス、0.5w/v%ポリ
ペプトン、2w/v%グルコース)、麹汁培地等を挙げ
ることができる。
【0010】このような選択培地を用いて酵母の培養を
行い、増殖能が高い菌株を分離する。本発明でいう増殖
能とは、DNA合成及び細胞分裂を伴い、細胞数が増加
する能力のことをいう。選択培地で培養後に増殖能が高
い菌株を分離する。増殖能は平板培地上のコロニーを観
察し、それが大きいほど増殖能が高いと判定できる。ま
た、平板培養法により分離したコロニーを、親株を対照
とし、選択培地で液体培養後、培養液の660nmにお
ける吸光度(以下、OD660という)を測定し、それが
大きいほど増殖能が高いと判定することもできる。
【0011】分離培養は常法により行えばよい。この例
として、平板培養法、平板塗抹法、等による方法を挙げ
ることができる。直径100mmのシャーレ1枚当りの
細胞数は、1×104個〜1×109個、好ましくは1×
105個〜1×106個植菌すればよい。1×104個未
満では、シャーレ1枚当りの細胞数が少ないために効率
が悪い。一方、1×109個超では、シャーレ1枚当り
の細胞数が多く、複数のコロニーが接触するので、単一
のコロニーの分離を行うことができない。培養温度及び
時間は、それぞれ酵母が増殖できる温度及び1日〜7日
の範囲で適宜選択すればよく、好ましくは、それぞれ2
0℃〜30℃及び2晩〜3日の範囲で選択すればよい。
また、酵母又はそれに変異処理を施したものをpH2.
7以下になるように前述の酸を添加してなる液体培地で
短時間培養後、選択培地に塗布してもよい。このように
行うことにより、該液体培地における増殖能が高い菌株
は短い誘導期の後、対数増殖期に入る。このため、短時
間の培養においては、該菌株の細胞数が液体培地中に増
加し、選択培地に塗布する所望の菌株の割合を高くする
ことができる。液体培地における培養時間は、用いる酵
母、変異処理条件等により異なるので、適宜選択すれば
よい。
【0012】分離した菌株を、拡大培養後、ブリックス
(Brix)10の麹汁培地で培養し、その上清中の有
機酸含量を測定する。その結果、リンゴ酸及びコハク酸
の含量が高い株を選択すればよい。有機酸含量の測定
は、有機酸分析装置等により測定することができる。
【0013】また、親株に対する、用いる酸の最小生育
阻害濃度を求め、それより高い濃度の酸を含有する培地
を用いて分離することもできる。この方法を用いれば、
直径100mmのシャーレ1枚に植菌する細胞数を1×
109個で行うこともでき、所望の菌株をより効率的に
取得することができる。この方法としては特に限定はな
いが、一例を以下の検討例に示す。
【0014】(検討例)酵母として、K−701株を用
い、リンゴ酸に対する最小生育阻害濃度を求めた。K−
701株をSD液体培地〔イーストニトロゲンベース
(アミノ酸不含)0.67w/v%、グルコース2.0
w/v%〕5mlに一夜振とう培養して、酵母前培養液
を得た。次に、リンゴ酸を0.0mM、300mM、3
70mM、460mM、520mM含有するYPD平板
培地(1w/v%酵母エキス、2w/v%ポリペプト
ン、2w/v%グルコース、2w/v%寒天)に前培養
したK−701株を植菌した。30℃で3日間培養後生
育を観察して生育の程度〔非常に生育した:(++)、
生育した(+)、生育しない(−)〕を調べた。K−7
01株に対するリンゴ酸の最小生育阻害濃度の結果を表
1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1の結果より、K−701株は370m
Mのリンゴ酸ではコロニーを形成するが、460mM以
上の濃度ではコロニーを形成しない。また、460mM
リンゴ酸含有YPD培地のpHを測定した結果、pHは
2.7であった。したがって、YPD培地において、K
−701株に対するリンゴ酸の最小生育阻害濃度は46
0mMであり、そのpHは2.7であることが明らかに
なった。
【0017】本発明の新規酵母は、前述の酸をpH2.
7以下になるように添加してなるSD液体培地〔イース
トニトロゲンベース(アミノ酸不含)0.67w/v
%、グルコース2.0w/v%〕において、30℃、4
8時間静置培養した培養液のOD660が野生株の1.8
倍以上を有するものである。また、該酵母はリンゴ酸及
びコハク酸をバランスよく高生成するものである。本発
明の代表的菌株であるMA−R161株は、Saccharomy
ces cerevisiae MA−R161株と表示、命名さ
れ、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託セン
ターにFERM P−18552として寄託されてい
る。
【0018】MA−R161株は、K−701株の変異
株であり、それらの菌学的性質を以下に示す。 (菌学的性質) 1.形態学的性質 YPD培地(1w/v%酵母エキス、2w/v%ポリペ
プトン、2w/v%グルコース)で30℃、2日間培養
した後、顕微鏡で観察した。 a)形:卵円形 b)大きさ:長さ4.7〜7.9μm、幅3.8〜5.
5μm 2.増殖の形態:出芽 3.生化学的観察 a)糖の発酵性 0.67w/v%イーストニトロゲンベース(ディフコ
社製)、下記記載の糖(2w/v%)をダーラム管入り
試験管に分注して、当該菌株を接種し、30℃で5日間
培養して、その炭酸ガスの発生の有無を観察した。 グルコース (+) ガラクトース (+) スクロース (+) マルトース (+) ラクトース (−) メリビオース (−) ラフィノース (+) b)糖の資化性 0.67w/v%イーストニトロゲンベース(ディフコ
社製)、下記記載の糖(2w/v%)を用いて、オーキ
サノグラフ法により、30℃で14日間の生育を観察し
た。 グルコース (+) ガラクトース (+) スクロース (+) マルトース (+) ラクトース (−) c)硝酸塩の同化性:(−) 硝酸塩は硝酸カリウムとしてウィッカーハムの炭素化合
物同化試験用培地(ディフコ社製)を用いて、オーキサ
ノグラフ法により生育を観察した。 d)TTC染色性:赤 e)β−アラニン培地、35℃、3日間培養での生育:
(−) 4.高泡の形成 清酒の小仕込を行ったところ、高泡の形成は観察されな
かった。以上、形態学的、生化学的結果は、本発明酵母
菌株がサッカロミセス・セレビシエに属する酵母である
ことを示すものである。また、β−アラニン培地、35
℃での生育が陰性、及び清酒の小仕込試験において、高
泡の形成も認められないことから、該菌株はK−701
株の変異株であることを示すものである。
【0019】5.薬剤に対する感受性 ジメチルスクシネート(1.5v/v%)を含むYM培
地(0.3w/v%酵母エキス、0.3w/v%麦芽エ
キス、0.5w/v%ペプトン、2w/v%グルコー
ス)を用いて、30℃で7日間培養した。親株であるK
−701株と同等に生育してきた株を+で表した。ジメ
チルスクシネートに対する結果を表2に示す。親株であ
るK−701株及びその変異株であるMA−R161株
は生育し、感受性を示さなかった。
【0020】
【表2】
【0021】6.薬剤に対する耐性 シクロヘキシミド(0.5μg/ml)含有YM培地、
テノイルトリフルオロアセトン(0.1mg/ml)、
50%オキシカルボキシンを含有する農薬プラントバッ
クス〔3.2mg/ml:日本曹達(株)製〕含有YN
BC培地(0.67w/v%ディフコ社イーストニトロ
ゲンベース、2w/v%クエン酸、2w/v%寒天、p
H6.0)、又はメタ重亜硫酸カリウム(0.2mg/
ml)含有SD培地を用いて親株であるK−701株と
同様に生育してこなかった株を−で示した。薬剤に対す
る耐性の結果を表3に示す。MA−R161株はいずれ
の薬剤を含有する培地においても生育せず、耐性を示さ
なかった。
【0022】
【表3】
【0023】7.酸存在下における増殖能 SD液体培地5mlで30℃で一晩振とう培養したMA
−R161株の培養液25μlを、リンゴ酸、コハク
酸、乳酸、オキサロ酢酸、イソクエン酸、ピルビン酸、
若しくはフマル酸を表4に示す濃度で含有するpH2.
7以下のSD液体培地5ml、又は塩酸をpH2.7に
なるように添加したSD液体培地5mlに添加し、30
℃で二晩静置培養した。静置培養後、培養液のOD660
を測定した。対照として、親株であるK−701株を用
いて同様の培養を行った。その結果を表4に示す。MA
−R161株は、表4に示す酸を含有するpH2.7以
下のSD液体培地において、その親株であるK−701
株より増殖能が1.8倍以上高かった。
【0024】
【表4】
【0025】本発明の新規酵母を用いて、酒類、食品を
製造することができ、その種類は、製造に酵母を用いる
ものであれば特に限定はない。この例として、清酒、焼
酎、ワイン、ビール、雑酒等の酒類、及びパン、発酵調
味料等の食品を挙げることができ、得られる酒類、食品
は、アルコール濃度等の好ましい性質はそのままで、爽
快な口当りや香気の良い酸味がバランスよく付与された
製品となる。例えば、清酒では、アルコール濃度及び日
本酒度は同等で、リンゴ酸の爽快な酸味、コハク酸の旨
味、及び酢酸イソアミルによる吟醸香がバランスよく付
与され、香味に優れたものである。これらの酒類、食品
の製造は常法により行うことができ、清酒、焼酎、ワイ
ン、ビール、又はパン等の用いる原料は特に限定するも
のではない。例えば、穀類では、精白及び/又は未精白
の粳米、糯米、大麦、小麦、ライ麦、ヒエ、アワ、コウ
リャン、ソバ、トウモロコシ、モロコシ、マイロ等の穀
類が挙げられるが、一般的な原料を適宜用いることがで
きる。また、本発明の新規酵母を1種類単独で、又は他
の酵母、かび、細菌等の微生物と2種類以上併用して用
いてもよく、更に該新規酵母にK−701株等の公知の
サッカロミセス・セレビシエに属する菌株を組合せて酒
類、食品を製造することができる。更に、該新規酵母又
は該公知サッカロミセス・セレビシエをそれぞれ用いて
製造した酒類、食品を混合して新規の酒類、食品も製造
できる。
【0026】かくして、本発明により、pH2.7以下
の選択培地で増殖能が高い菌株を分離することにより得
られる新規酵母及びその取得方法、並びに該新規酵母を
用いる酒類、食品の製造方法が提供される。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0028】実施例1 K−701株をYPD(1w/v%酵母エキス、2w/
v%ポリペプトン、2w/v%グルコース)液体培地5
mlで30℃にて一夜振とう培養後、遠心分離で集菌
し、滅菌水で洗浄した。洗浄菌体を4.35mlの0.
2Mリン酸バッファー(pH8.0)に懸濁し、20w
/v%グルコース溶液を0.5ml添加してかくはんし
た後、EMSを0.15ml添加して、30℃にて1時
間穏やかに振とうした。振とう後、そのうちの1mlを
49mlの6w/v%チオ硫酸ナトリウム溶液に加え
て、室温で10〜15分放置後、遠心分離で集菌し、1
mlの滅菌水に懸濁した。そして、該懸濁液0.1ml
(4×107個/ml)を460mMリンゴ酸含有YP
D平板培地(pH2.7)10枚に植菌した。30℃で
3日間培養後、出現したコロニーの中で大きいコロニー
を形成する91株を釣菌し、以下に示す麹汁培養試験を
行った。釣菌した菌株を5mlのYPD液体培地に植菌
し、30℃で一晩、振とう培養した。次に、各培養液3
mlを集菌し、Brix10.0に調整した麹汁液体培
地に植菌し、15℃で10日間発酵させた。次に、発酵
させた培養液を遠心(3,000rpm、5分間)分離
後、上澄を0.45μmのフィルターによりろ過し、島
津高速液体クロマトグラフ有機酸分析システム〔島津製
作所(株)製〕にて有機酸分析を行った。その結果、親
株であるK−701株と比較してリンゴ酸生成量とコハ
ク酸生成量との和が1.2倍以上有する株が10株得ら
れた。それらの中で顕著に酸度が高いMA−R161株
及びMA−R101株について、表5に示す仕込配合で
総米200gの小仕込試験を実施した。掛米及び麹は、
それぞれ77w/w%精白のα化米及び75w/w%精
白の白米を用いて製造した麹を使用し、酵母は5.0m
l中に109個含むものを用いた。発酵温度は15℃一
定で、留添仕込後15日目で遠心分離法により上槽し、
清酒を得た。得られた清酒の分析結果を表6に示す。
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】表6より、前述の取得方法により分離した
MA−R161株及びMA−R101株を用いることに
より得られる清酒は、親株のK−701株を用いた場合
と比べて、日本酒度の切れがよく、滴定酸度、リンゴ
酸、コハク酸、酢酸イソアミル、及びE/A比が、それ
ぞれ約1.4倍、約1.4倍〜1.6倍、約1.5〜
1.7倍、約1.6〜2.0倍、及び1.3〜1.5倍
であり、バランスよくこれらの香味成分が増加している
ものであった。また、アルコール濃度は変異株及びK−
701株ともに同じであり、十分にアルコールが生成さ
れていた。これらの清酒について官能検査を行った結
果、MA−R161株及びMA−R101株を用いて得
られる清酒は、リンゴ酸による爽快な酸味、コハク酸に
よる旨味を呈するだけでなく、酢酸イソアミルによる吟
醸香が優れた、従来にみられない好ましい香味を呈する
ものであった。特に、この傾向はMA−R161株にお
いて顕著であった。したがって、親株の生育できないp
Hになるようにリンゴ酸を添加してなる選択培地におい
て生育する変異株は、その親株の特性を保持しながら、
リンゴ酸及びコハク酸をバランスよく高生成する菌株で
あることが明らかになった。さらに、該菌株を用いた酒
類、食品、特に清酒の製造に用いることにより、これら
の有機酸及び香気を親株よりバランスよく多量に生成
し、優れたものを製造できることが明らかになった。
【0032】実施例2 酵母にK−701株を用い、実施例1と同様に変異処理
を行った。選択培地として30mMフマル酸含有SD平
板培地(pH2.7)に変異処理を行った酵母を直径1
00mmのシャーレ1枚当り1×106個植菌し、30
℃で3日間培養した。形成したコロニーのうち、その大
きさが大きいものを50菌株釣菌し、YPD培地(1w
/v%酵母エキス、2w/v%ポリペプトン、5w/v
%グルコース)で拡大培養後、Brix10の麹汁培地
30mlに6×108個植菌し、15℃で10日間静置
培養した。対照としては、K−701株を用い、Bri
x10の麹汁培地で同様に培養した。その上清につい
て、実施例1と同様にリンゴ酸及びコハク酸含量を測定
し、K−701株と比較してリンゴ酸生成量とコハク酸
生成量との和が1.2倍以上有する株が3株得られた。
その結果を表7に示す。
【0033】
【表7】
【0034】表7より、麹汁培地による培養液中のリン
ゴ酸及びコハク酸含量の和は、対照のK−701株に比
べて、該菌株を変異処理後、30mMフマル酸含有SD
平板培地で分離した菌株の方が高い濃度であった。した
がって、フマル酸をpH2.7になるように添加してな
る選択培地を用いて増殖能が高い菌株を分離すると、該
菌株はリンゴ酸及びコハク酸をバランスよく高生成する
ことが明らかになった。また、表4に示す濃度になるよ
うにリンゴ酸、コハク酸、乳酸、オキサロ酢酸、イソク
エン酸、ピルビン酸、又はフマル酸を添加したSD液体
培地、及びpH2.7になるように塩酸を添加したSD
液体培地において、リンゴ酸及びコハク酸生成量が高か
ったクローン番号FUM−R4株及びFUM−R22
株、並びに対照株であるK−701株を30℃で2晩静
置培養し、OD660を測定した。その結果、前者の2株
は対照株の1.8倍以上の値であり、選択培地に用いた
酸以外の酸においても増殖能が高いことが明らかになっ
た。
【0035】実施例3 酵母としてK−701株を用い、実施例1と同様に変異
処理を行った。選択培地として150mM乳酸含有SD
平板培地(pH2.7)に変異処理を行った酵母を直径
100mmのシャーレ1枚当り1×106個植菌し、3
0℃で3日間培養した。形成したコロニーのうち、その
大きさが大きいものを100菌株釣菌し、選択培地と同
じ組成の液体培地で拡大培養後、K−701株を対照と
して選択培地と同じ組成の液体培地10mlに2×10
6個植菌し、30℃で3日間培養した。培養後、培養液
の660nmにおける吸光度を測定し、その値が大きい
2菌株を選択した。該菌株はBrix10の麹汁培地3
0mlに6×108個植菌し、15℃で10日間静置培
養した。対照としては、K−701株を用い、Brix
10の麹汁培地で同様に培養した。その上清について、
実施例1と同様にリンゴ酸及びコハク酸含量を測定し、
K−701株と比較してリンゴ酸生成量とコハク酸生成
量との和が1.2倍以上有する株が2株得られた。その
結果を表8に示す。
【0036】
【表8】
【0037】表8より、麹汁培地による培養液中のリン
ゴ酸及びコハク酸含量の和は、対照のK−701株に比
べて、該菌株を変異処理後、150mM乳酸含有SD平
板培地で分離した菌株の方が、高い濃度であった。した
がって、乳酸をpH2.7になるように添加してなる選
択培地を用いて増殖能が高い菌株を分離すると、該菌株
はリンゴ酸及びコハク酸をバランスよく高生成すること
が明らかになった。また、表4に示す濃度になるように
リンゴ酸、コハク酸、乳酸、オキサロ酢酸、イソクエン
酸、ピルビン酸、又はフマル酸を添加したSD液体培
地、及びpH2.7になるように塩酸を添加したSD液
体培地において、リンゴ酸及びコハク酸生成量が高かっ
たクローン番号LAC−R48株及びLAC−R59
株、並びに対照株であるK−701株を30℃で2晩静
置培養し、OD660を測定した。その結果、前者の2株
は対照株の1.8倍以上の値であり、選択培地に用いた
酸以外の酸においても増殖能が高いことがあきらかにな
った。
【0038】実施例4 オキサロ酢酸、イソクエン酸、及びピルビン酸を、それ
ぞれ23mM、78mM、及び38mMを含有するSD
平板培地(pHは、それぞれ2.5、2.4、及び2.
5)を調製し、これを選択培地として変異株の分離を行
った。酵母としてはK−701株を親株として実施例1
と同様に変異処理を行い、前述の選択培地に直径100
mmのシャーレ1枚当り1×106個塗布した後、30
℃で3日間培養した。培養後、増殖能が高い株、すなわ
ちコロニーの大きい株を各選択培地につき50株ずつ釣
菌した。選択株を実施例2と同様に拡大培養、次いでB
rix10の麹汁培地で培養を行い、実施例1と同様に
麹汁培養液中のリンゴ酸及びコハク酸含量の測定を行っ
た。その結果、23mMオキサロ酢酸、78mMイソク
エン酸、及び38mMピルビン酸を含有する各選択培地
から、親株であるK−701株よりリンゴ酸及びコハク
酸をバランスよく高生成する菌株が、それぞれ3株、1
0株、8株選択することができた。更に、これらの菌株
について、表4に示す濃度になるようにリンゴ酸、コハ
ク酸、乳酸、オキサロ酢酸、イソクエン酸、ピルビン
酸、又はフマル酸を添加したSD液体培地、及びpH
2.7になるように塩酸を添加したSD液体培地におい
て、30℃で2晩静置培養を行った結果、いずれの菌株
においてもOD660は親株のK−701株の1.8倍以
上であった。したがって、選択した菌株は、選択培地に
用いた酸以外のおいても増殖能が高いことが明らかにな
った。
【0039】実施例5 塩酸をpH2.7になるように添加したSD平板培地を
調製し、これを選択培地として変異株の分離を行った。
酵母としてはK−701株を親株として実施例1と同様
に変異処理を行い、前述の選択培地に直径100mmの
シャーレ1枚当り1×106個塗布した後、30℃で3
日間培養した。培養後、増殖能が高い株、すなわちコロ
ニーの大きい株を50株釣菌した。選択株を実施例2と
同様に拡大培養、次いでBrix10の麹汁培地で培養
を行い、実施例1と同様に麹汁培養液中のリンゴ酸及び
コハク酸含量の測定を行った。その結果、親株であるK
−701株よりリンゴ酸及びコハク酸をバランスよく高
生成する菌株が、それぞれ12株選択することができ
た。更に、これらの菌株について、表4に示す濃度にな
るようにリンゴ酸、コハク酸、乳酸、オキサロ酢酸、イ
ソクエン酸、ピルビン酸、又はフマル酸を添加したSD
液体培地、及びpH2.7になるように塩酸を添加した
SD液体培地において、30℃で2晩静置培養を行った
結果、いずれの菌株においてもOD660は親株のK−7
01株の1.8倍以上であった。したがって、選択した
菌株は、選択培地に用いた酸以外のおいても増殖能が高
いことが明らかになった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、リンゴ酸及びコハク酸
をバランスよく高生成する新規酵母を取得することがで
き、該酵母を用いて製造される酒類、食品は従来にはな
い好ましいものである。更に、アルコール発酵能等の他
の性質は親株と同等であるので、従来から行われている
方法で製造することができる。特に、清酒は、リンゴ酸
による爽快な酸味、コハク酸による旨味を呈するだけで
なく、酢酸イソアミルによる吟醸香が優れたものであ
り、複数の香味成分をバランスよく高含有する好ましい
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 順一 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒造 株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4B047 LG59 LP19 4B065 AA80X AC05 AC12 AC15 BA18 BA23 BC02 CA42

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pH2.7以下の選択培地で増殖能が高
    いことを特徴とする新規酵母。
  2. 【請求項2】 リンゴ酸、フマル酸、乳酸、オキサロ酢
    酸、イソクエン酸、ピルビン酸、コハク酸、塩酸から選
    択される酸によりpH調整を行う選択培地を用いること
    を特徴とする請求項1に記載の新規酵母。
  3. 【請求項3】 酵母がサッカロミセス・セレビシエ(S
    accharomyces cerevisiae)に
    属する酵母である請求項1又は2に記載の新規酵母。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の新
    規酵母を取得する方法において、pH2.7以下の選択
    培地で増殖能が高い菌株を分離することを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の新規酵母の取得方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の新
    規酵母を用いることを特徴とする酒類、食品の製造方
    法。
JP2001369641A 2001-12-04 2001-12-04 新規酵母及びその利用 Expired - Fee Related JP4393028B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001369641A JP4393028B2 (ja) 2001-12-04 2001-12-04 新規酵母及びその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001369641A JP4393028B2 (ja) 2001-12-04 2001-12-04 新規酵母及びその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003169666A true JP2003169666A (ja) 2003-06-17
JP4393028B2 JP4393028B2 (ja) 2010-01-06

Family

ID=19179000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001369641A Expired - Fee Related JP4393028B2 (ja) 2001-12-04 2001-12-04 新規酵母及びその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4393028B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008099627A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Fukuoka Prefecture 多酸性新規清酒酵母及びこれを用いて製造する清酒の製造法
JP5901827B1 (ja) * 2015-08-11 2016-04-13 月桂冠株式会社 有機酸生成の酒酵母株およびそれを用いた清酒の製造方法
JP2018019620A (ja) * 2016-08-02 2018-02-08 興人ライフサイエンス株式会社 サッカロミセス・セレビシエの連続培養におけるエタノール生産の低減

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008099627A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Fukuoka Prefecture 多酸性新規清酒酵母及びこれを用いて製造する清酒の製造法
JP5901827B1 (ja) * 2015-08-11 2016-04-13 月桂冠株式会社 有機酸生成の酒酵母株およびそれを用いた清酒の製造方法
JP2018019620A (ja) * 2016-08-02 2018-02-08 興人ライフサイエンス株式会社 サッカロミセス・セレビシエの連続培養におけるエタノール生産の低減
JP6994821B2 (ja) 2016-08-02 2022-01-14 三菱商事ライフサイエンス株式会社 サッカロミセス・セレビシエの連続培養におけるエタノール生産の低減

Also Published As

Publication number Publication date
JP4393028B2 (ja) 2010-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5710132B2 (ja) カプロン酸エチル生成促進酵母株、その製造方法、および、それを用いた発酵産物の製造方法
JP2004215644A (ja) チロソール高生産性酵母変異株及び該酵母を用いた発酵アルコール飲料の製造法
JP4393028B2 (ja) 新規酵母及びその利用
KR101777555B1 (ko) 사카로미세스 세레비지애 n9를 이용한 증류식 소주 및 이의 제조 방법
CN104611269A (zh) 一株苹果醋杆菌及其应用
CN111621429B (zh) 一株高产酯毛榛毕赤酵母及其在木枣果酒发酵中的应用
JP3846623B2 (ja) 桜の花から分離した酵母及びその取得方法並びに該酵母を用いた清酒その他の飲食品の製造方法
JP4402779B2 (ja) 有機酸高生産新規酵母及びその用途
JPH09238673A (ja) 蒸留酒の製造方法
JP3051715B2 (ja) 新規焼酎用酵母及び当該酵母を用いる焼酎の製造法
JP2013158301A (ja) 高酸型酵母の育種方法、該育種方法で育種された高酸型酵母、及び該高酸型酵母を用いたアルコール飲料の製造方法
JP4008539B2 (ja) 有機酸高生産新規酵母及びその用途
JP2016086763A (ja) 酵母並びにこの酵母を用いた飲食物の製造方法
JP4565137B2 (ja) 新規酵母及びその取得方法
JPH0746982B2 (ja) 変異酵母の培養法
JP3932321B2 (ja) 香気生成酵母並びにこれを用いた飲食品及びその製造法
Yamamoto et al. Isolation and characterization of shochu yeasts with superior brewing ability from Shochu mashes
JP3835564B2 (ja) 新規酵母及びその用途
JP5713334B2 (ja) 酵母の自然変異株分離法及び変異株酵母
KR20190035657A (ko) 사카로마이세스 세르비지애 y283의 고체종균 제조방법
JP3136332B2 (ja) 少酸性酒類製造用酵母の育種
JP3942718B2 (ja) 酒類、食品の製造方法
Ying et al. Isolation, identification, and tolerance analysis of yeast during the natural fermentation process of Sidamo coffee beans
KR20180061115A (ko) 사카로마이세스 세르비지애 y283의 고체종균 제조방법
KR20090089189A (ko) 신규한 전분분해활성 및 알코올 발효능을 갖는 효모 및이를 이용한 전통주의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070514

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090413

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090723

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091013

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4393028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121023

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151023

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees