JP2003168940A - 音響調整装置 - Google Patents

音響調整装置

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JP2003168940A
JP2003168940A JP2001368489A JP2001368489A JP2003168940A JP 2003168940 A JP2003168940 A JP 2003168940A JP 2001368489 A JP2001368489 A JP 2001368489A JP 2001368489 A JP2001368489 A JP 2001368489A JP 2003168940 A JP2003168940 A JP 2003168940A
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利仁 澤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的能力に低いDSPでも、音質調整およ
び聴感特性補正を行うことのできる音響調整装置を実現
すること。 【解決手段】 制御部からの音響特性制御信号に基づい
て音響信号にディジタル演算処理を施し、その音響特性
を調整するディジタル演算処理部を備えた音響調整装置
において、制御部4に、イコライザ設定部8からの音質
設定値と、音量調整操作部9からの音量設定値とから音
響特性制御信号を算出してDSP2に出力する音響特性
演算部を装備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声再生装置にお
ける再生音声の音響特性を調整する音響調整装置に関
し、特に音量設定状態に応じて高音域と低音域の信号レ
ベルを補正する、所謂ラウドネス機能を有する音響調整
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの音声再生装置には、音質の調整を
行う音質調整機能、および小音量時における人間の聴感
特性を補正する聴感特性補正機能、所謂ラウドネス機能
を有する音響調整装置が内蔵されている。そして、最近
ではデジタル信号処理技術が発達し、デジタルシグナル
プロセッサ(DSP)によるデジタル演算処理により、
音響調整を行うようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、音質調整およ
び聴感特性補正の信号処理はそれぞれ独立的に行われて
いる。従って、それぞれの演算処理が必要となり、DS
Pで処理される演算ステップ数は膨大となり、そのため
高速の演算処理が要求され、DSPが高価なものとなっ
てしまうといった課題があった。
【0004】本発明は、このような課題に鑑みなされた
もので、比較的能力の低いDSPであったとしても、音
質調整および聴感特性補正の両者を行うことのできる音
響調整装置を実現することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記課題を
解決するため、本発明に係る音響調整装置(1)は、制
御部からの音響特性制御信号に基づいて音響信号にデジ
タル演算処理を施し、その音響特性を調整するデジタル
演算処理部を備えた音響調整装置において、前記制御部
が、音質設定部からの音質設定値と、音量設定部からの
音量設定値とから前記音響特性制御信号を算出して前記
デジタル演算処理部に出力する音響特性演算部を備えて
いることを特徴としている。
【0006】上記音響調整装置(1)によれば、前記制
御部が音質設定値と音量設定値に応じて音響特性制御信
号を演算して前記デジタル演算処理部に出力するので、
該デジタル演算処理部における演算処理は1系統の演算
処理でよくなり(通常は音質設定値に基づく演算と、音
量設定値に基づく演算の2系統が必要)、その総演算量
は低減される。従って、比較的処理能力の低い演算素子
(DSP)を用いても音質調整および聴感特性補正の両
者を行うことができる音響調整装置を実現することがで
き、低価格化が可能となる。
【0007】また、本発明に係る音響調整装置(2)
は、上記音響調整装置(1)において、前記音響特性演
算部が、前記音質設定値に基づいて音質制御値を算出す
る音質算出手段と、該音質算出手段により算出された音
質制御値に、前記音量設定値に応じた高音域と低音域の
信号レベル補正を施す補正手段とを備えていることを特
徴としている。上記した音響調整装置(2)によれば、
音量調整量に応じて低音域および高音域の信号レベルが
調整されるので、人間の聴感特性に応じた音響信号の補
正を行うことができる。
【0008】また、本発明に係る音響調整装置(3)
は、上記音響調整装置(1)又は(2)において、前記
音響特性演算部が、前記音質設定値に基づいて音質制御
値を算出する音質算出手段と、該音質算出手段により算
出された音質制御値に、高音域と低音域におけるレベル
調整における前記音量設定値に応じたQ値の補正を施す
Q値補正手段とを備えていることを特徴としている。上
記した音響調整装置(3)によれば、音量調整量に応じ
て低音域および高音域における信号レベル補正のQ値
(先鋭度)が補正される、つまり信号レベルの増減の周
波数軸方向の広がりが調整されるので、低音域および高
音域における音響信号のエネルギー量が調整されること
になり、結果的に人間の聴感特性に応じた音響信号の補
正を行うことができる。
【0009】また、本発明に係る音響調整装置(4)
は、上記音響調整装置(1)〜(3)のいずれかにおい
て、前記音響特性演算部が、前記音質設定値に基づいて
音質制御値を算出する音質算出手段と、該音質算出手段
により算出された音質制御値に、高音域と低音域におけ
るレベル調整における前記音量設定値に応じた中心周波
数の補正を施す中心周波数補正手段とを備えていること
を特徴としている。上記した音響調整装置(4)によれ
ば、音量調整量に応じて低音域および高音域における信
号レベル補正の中心周波数が補正される、つまり信号レ
ベルの増減の周波数が調整されるので、その信号レベル
の人間に与える影響が変化し(周波数が中音域となるほ
ど、同じレベル変化量でも大きく変わったように感じ
る)、結果的に人間の聴感特性に応じた音響信号の補正
を行うことができる。
【0010】また、本発明に係る音響調整装置(5)
は、上記音響調整装置(1)〜(4)のいずれかにおい
て、前記音響特性演算部が、前記音質設定値に基づいて
音質制御値を算出する音質算出手段と、該音質算出手段
により算出された音質制御値に、高音域と低音域におけ
るレベル調整における前記音量設定値に応じたターンオ
ーバー周波数の補正を施すターンオーバー周波数補正手
段とを備えていることを特徴としている。上記した音響
調整装置(5)によれば、音量調整量に応じて低音域お
よび高音域における信号レベル補正のターンオーバー周
波数が補正される、つまり信号レベルの増減の周波数範
囲が調整されるので、その信号レベルの人間に与える影
響が変化し(調整周波数域が広がるほど音響エネルギー
量が大きく変わる)、結果的に人間の聴感特性に応じた
音響信号の補正を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1は実施の形態に係る音響
調整装置の構成を示したブロック図である。音響信号源
1は音響信号を出力する装置で、例えばCDプレーヤ、
カセットプレーヤ、ラジオ受信機等により構成される。
音響信号源1からの音響信号はDSP(ディジタル・シ
グナル・プロセッサ)2に入力され、その音響特性がデ
ィジタル演算処理により調整される。DSP2には、そ
の演算処理内容を決める、即ち、音響信号に施す音響特
性を決める制御データが制御部4から与えられるように
なっている。DSP2への入力信号はディジタル信号で
なければならないが、音響信号源1がアナログ信号を出
力するものの場合、アナログ/ディジタル変換回路(図
示せず)によりディジタル信号に変換した後入力される
ようになっている。
【0012】DSP2でディジタル演算処理された音響
信号はディジタル−アナログ変換回路(図示せず)でア
ナログ信号に変換され、電子ボリュームで構成された音
量調整回路11に出力されるようになっている。音量調
整回路11は制御部4からの音量制御信号に基づいて音
響信号を減衰し、後段のパワーアンプ3に出力し、パワ
ーアンプ3は、音響信号を電力増幅してスピーカ10に
出力し、スピーカ10から音声出力が行われるようにな
っている。
【0013】制御部4は、マイクロコンピュータ(マイ
コン)6と、データを記憶するROM、RAMからなる
メモリ5等により構成され、音響調整装置の各部の制御
を行うようになっている。また制御部4には、音量を設
定するための音量調整操作部9(ボリュームにより構成
されている)、周波数特性を設定するためのイコライザ
設定部8(調整周波数毎に設けられたスライドボリュー
ムにより構成されている)等により構成された操作部7
が接続されており、音量設定値、音質設定値が制御部4
に入力されるようになっている。そして、制御部4は、
入力された音量設定値、音質設定値に基づいて音響特性
を算出し、その算出した音響特性からDSP2に出力す
る制御データを算出するようになっている。
【0014】これにより、DSP2は音響信号が所定の
音響特性となるように演算処理を施すようになる。メモ
リ5には、制御できる音響特性、及び全ての種類に応じ
た制御データ(調整周波数とそのレベル増減量の全ての
組み合わせに対する制御データで、特性周波数とレベル
増減量は数段階で選択できるようになっており、その組
み合わせは所定数となる)が記憶されており、音響特性
が決まれば、その特性値に応じた制御データがメモリ5
から読み込まれ、DSP2に出力されるようになってい
る。そして、DSP2がこの制御データに基づいて音響
信号に演算処理を施し、対応する音響特性の音響信号が
スピーカ10から再生されるようになっている。従っ
て、DSP2は1つの制御データに基づいてディジタル
演算処理、つまり1系統の音響信号処理により音質調整
及び聴感特性補正制御を行うこととなる。
【0015】次にマイコン6の行うDSP2に出力する
制御データの具体的算出方法の例を説明する。マイコン
6は、先ずイコライザ設定部8の操作状態により、音響
信号に施すべき周波数特性(以降、イコライザ特性と記
す)を算出する。つまり、X1Hz(X1ヘルツ)をY
1dB(Y1デシベル)増加、X2HzをY2dB増加
・・と言うように算出する。そして、このイコライザ特
性に対して、音量調整操作部9の操作状態に応じた補正
(ラウドネス補正)を施す。
【0016】図2、図3、図4は、それぞれラウドネス
補正の異なる例を示すもので、これら補正を単独で行う
こともできれば、併用することも可能である。また図5
は、図2、図3、図4で示したラウドネス補正の補正量
(音量調整値に対する)の一例を示したものである。
【0017】図2に示したラウドネス補正は、低音域と
高音域の信号レベルを音量調整操作部9の操作状態(音
量調整値)に応じて増減するもので、この例ではイコラ
イザ特性でそれぞれadB(低音域:100Hz)、b
dB(高音域:10kHz)増加された信号レベルを、
さらに音量調整値に応じてcdB、ddB増大させる特
性となっている。そして、その増加量は図5に示したよ
うに、音量調整が小音量となるに従って大きくなるよう
になっている(例えば、大音量である0から−10dB
では増加は無く(0dB)、小音量である〜∞では10
dBの増加)。
【0018】図3に示したラウドネス補正は、低音域と
高音域の信号レベルの増加処理のQ値(先鋭度)を音量
調整操作部9の操作状態(音量調整値)に応じて増減す
るもので、この例では低音域(fLHz)、高音域(fHH
z)での信号レベルの増加処理に対してそのQ値を音量
調整値に応じて制御する特性となっている。そして、そ
のQ値は図5に示すように、音量調整が小音量となるに
従って小さく(先鋭度が小さい:周波数軸方向への広が
りが大きい)なるようになっている(例えば、大音量で
ある0から−10dBでは、低音域、高音域共にQ値が
5で、小音量である〜∞では低音域、高音域共にQ値が
1)。
【0019】図4に示したラウドネス補正は、低音域と
高音域の信号レベルの増加処理の中心周波数を音量調整
操作部9の操作状態(音量調整値)に応じて増減するも
ので、この例では低音域、高音域での信号レベルの増加
処理に対してその中心周波数(低音域fL0 Hz、高音域
fH0 Hz)を音量調整値に応じて制御する特性となって
いる。そして、その中心周波数は図5に示すように、音
量調整が小音量となるに従って低音域側では高くなるよ
うに、また高音域側では低くなるようになっている(例
えば、大音量である0から−10dBでは、中心周波数
が低音域fL1、高音域fH1で、小音量である〜∞では中
心周波数が低音域fL5、高音域fH5)。
【0020】尚、これらのイコライザ特性の算出方法の
いくつかを併用した場合には、例えば低音域は中心周波
をfLHz、Q値を1として10dB信号レベルを増加、
高音域は中心周波をfHHz、Q値を1として6dB信号
レベルを増大させると言った具合になる。また、図5に
示したデータはメモリ5に記憶され、イコライザ特性算
出時に使用されることになる。
【0021】図6は、ラウドネス補正の別の例を示すも
ので、これは多くの周波数ポイントに対して信号レベル
の増減をできるようにした、所謂グラフィックイコライ
ザではなく、高音域と低音域のレベル調整のみ(これに
加え中音域を加えたものも可能)を行う、所謂BASS
・TREBLEコントロールを備えた音響調整装置に適
用したものである。また図7は、この図6で示したラウ
ドネス補正の補正量(音量調整値に対する)の一例を示
したものである。
【0022】図6に示したラウドネス補正は、低音域と
高音域の信号レベルの増加処理のターンオーバー周波数
を音量調整操作部9の操作状態(音量調整値)に応じて
増減するもので、この例では低音域、高音域での信号レ
ベルの増加処理に対してそのターンオーバー周波数(低
音域fL0 Hz、高音域fH0 Hz)を音量調整値に応じて
制御する特性となっている。そして、そのターンオーバ
ー周波数は図7に示すように、音量調整が小音量となる
に従って低音域側では高くなるように、また高音域側で
は低くなるようになっている(例えば、大音量である0
から−10dBでは、ターンオーバー周波数が低音域f
L1、高音域fH1で、小音量である〜∞ではターンオーバ
ー周波数が低音域fL5、高音域fH5)。つまり、音量調
整が小音量となるに従って、BASS・TREBLEコ
ントロールにおける音響信号レベルの増加処理の行われ
る周波数帯域が広がることになり、結局ラウドネス機能
が実現されることとなる。尚、図7に示したデータはメ
モリ5に記憶され、BASS・TREBLEコントロー
ル特性算出時に使用されることになる。
【0023】尚、上記した実施の形態にかかる音響調整
装置では、1チャンネル(モノラル)の構成で説明した
が、ステレオ等の多チャンネルの音響調整装置でも同様
に実現可能で、この場合DSPの能力により、1チャン
ネル毎にDSPを用いるか、いくつかのチャンネルでD
SPを共用するかを決定すればよく、ある1つのチャン
ネルにおける音量設定値、音質設定値に応じた音響特性
処理は同じDSPで行われることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る音響調整装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】信号レベルによるラウドネス補正の例を示す特
性図である。
【図3】Q値によるラウドネス補正の例を示す特性図で
ある。
【図4】中心周波数によるラウドネス補正の例を示す特
性図である。
【図5】メモリに記憶されるラウドネス補正データを示
す表である。
【図6】ターンオーバー周波数によるラウドネス補正の
例を示す特性図である。
【図7】メモリに記憶されるターンオーバー周波数デー
タを示す表である。
【符号の説明】
1・・・音響信号源 2・・・DSP 3・・・パワーアンプ 4・・・制御部 5・・・メモリ 6・・・マイクロコンピュータ(マイコン) 7・・・操作部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御部からの音響特性制御信号に基づい
    て音響信号にデジタル演算処理を施し、その音響特性を
    調整するデジタル演算処理部を備えた音響調整装置にお
    いて、 前記制御部が、音質設定部からの音質設定値と、音量設
    定部からの音量設定値とから前記音響特性制御信号を算
    出して前記デジタル演算処理部に出力する音響特性演算
    部を備えていることを特徴とする音響調整装置。
  2. 【請求項2】 前記音響特性演算部が、 前記音質設定値に基づいて音質制御値を算出する音質算
    出手段と、 該音質算出手段により算出された音質制御値に、前記音
    量設定値に応じた高音域と低音域の信号レベル補正を施
    す補正手段とを備えていることを特徴とする請求項1記
    載の音響調整装置。
  3. 【請求項3】 前記音響特性演算部が、 前記音質設定値に基づいて音質制御値を算出する音質算
    出手段と、 該音質算出手段により算出された音質制御値に、高音域
    と低音域におけるレベル調整における前記音量設定値に
    応じたQ値の補正を施すQ値補正手段とを備えているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の音響調整
    装置。
  4. 【請求項4】 前記音響特性演算部が、 前記音質設定値に基づいて音質制御値を算出する音質算
    出手段と、 該音質算出手段により算出された音質制御値に、高音域
    と低音域におけるレベル調整における前記音量設定値に
    応じた中心周波数の補正を施す中心周波数補正手段とを
    備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの
    項に記載の音響調整装置。
  5. 【請求項5】 前記音響特性演算部が、 前記音質設定値に基づいて音質制御値を算出する音質算
    出手段と、 該音質算出手段により算出された音質制御値に、高音域
    と低音域におけるレベル調整における前記音量設定値に
    応じたターンオーバー周波数の補正を施すターンオーバ
    ー周波数補正手段とを備えていることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかの項に記載の音響調整装置。
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