JP3594910B2 - 音声処理装置及び該音声処理装置を有する電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声処理装置及び該音声処理装置を有する電子機器に関する。特に、小口径スピーカを使用するテレビジョン受像機などの電子機器に搭載される音声処理装置として適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
小さな口径からなるスピーカを搭載するテレビジョン受像機としては、以下に示すごとき特徴がある。
即ち、テレビジョン受像機に使用される小口径スピーカとしては、スピーカ口径サイズが、オーディオ用のスピーカに比し、大幅に小さく、余り低音域が出ないものであり、而して、スピーカの再生周波数帯域も全音域をカバーするには貧弱なものとなっている。
【0003】
ここに、小口径スピーカとは、たとえば、「スピーカ基礎知識」(松下電子部品(株)ホームページの掲載記事)にも記述されているように、一般的には、直径9cm以下のスピーカを示すようではあるが、現状では、CRT(ブラウン管)テレビジョン受像機の場合においては、直径8cm以下のスピーカを、液晶表示テレビジョン受像機の場合においては、直径4cm以下のスピーカを、小口径スピーカと称しているのが一般的である。
【0004】
テレビジョン受像機のキャビネットにスピーカを取り付ける場合に、バフル(baffle)板の厚さだけ、凹ませて取り付けることとすると、凹みの影響により、音響特性に山谷が生じてしまう。この音響特性の山谷の大きさ(深さ)は、スピーカの口径をバフル板の厚みに相当する凹みの大きさ(深さ)により除した商の値が、小さくなる程、著しく大きくなっていくので、小口径のスピーカ程、スピーカの取り付け方法に注意する必要がある。即ち、前記凹みによる音響特性変化を許容範囲にとどめるためには、一般的には、スピーカの実効振動半径aと凹みの深さlとの比a/lを、(4〜5)以上とすることが重要である。
更に、凹みの深さが深くなる程、スピーカの指向性が劣化してしまうこととなる。
【0005】
例えば、現状のほとんどの液晶テレビジョン受像機における場合のように、スピーカの外形寸法が4cmである場合、スピーカの実効振動半径aは2cm以下となり、凹みの深さlを1cmにとどめたとしても、前記a/lの値が2以下となってしまう。而して、かかる場合においては、中島 平太郎著「スピーカ」(日本放送出版協会)にも記載されているごとく、図4の周波数特性図に示すように、中音域の周波数帯域にピークが生じ易い音響特性になってしまい、低音域・高音域の帯域の出力レベルが低下した不自然な音質が出力されてしまう結果を招きかねない。
【0006】
したがって、図5の周波数特性図に一例を示すごとく、従来技術においては、小口径スピーカでは低音域の帯域の出力が困難であるため、テレビジョン受像機からの出力音量が小さい場合においては、図5の曲線1に示すように、周波数帯域の中央部分を中心にして、低周波数帯になるに従い、また、逆に、高周波数帯になるに従い、中音域の周波数帯域に比し、出力ゲイン(即ち、出力音声信号における増幅度)を増加せしめるように増幅を行ない、一方、テレビジョン受像機からの出力音量が大きい場合においては、図5の曲線2に示すように、全周波数帯域において、出力ゲイン(即ち、出力音声信号に対する増幅度)がフラットとなるように増幅がなされることにより、聴覚補正を行なうラウドネス技術が、一般的である。
【0007】
かかる小口径スピーカを用いる場合のラウドネス技術としては、特開平10−173459号公報「音響装置」、特開平9−182197号公報「ラウドネス回路」、特開平6−232662号公報「音量制御装置」、特開平1−200812号公報「自動ラウドネス補償装置」などに開示されている技術がある。
即ち、特開平10−173459号公報における発明は、低音域及び高音域における強調指定による増幅度があらかじめ定められた閾値を越えている場合で、かつ、出力音量の増幅をあらかじめ定められた第2の閾値よりも大きくなるように指定された場合に、低音域及び高音域の出力の歪みが強調されないように、低音域及び高音域における強調指定値を減少させるものである。
【0008】
また、特開平9−182197号公報における発明は、出力音量が大きくなるにしたがって、低音域の出力を抑制するように制御すると共に、低音域の強調機能(ラウドネス機能)のオン・オフ制御を可能として、低音域強調機能の効果を判別可能としようとするものである。
【0009】
また、特開平6−232662号公報における発明は、入力音声信号をハイパスフィルタとローパスフィルタとを用いて、複数の周波数帯域の音声信号に分割して、それぞれの周波数帯域の出力音量を独立に制御できる各減衰器により、指定された出力音量の大きさに基づいて、減衰量を変更させることができるように制御させることによって、出力音量の大きさに応じて任意に低音域及び高音域の出力を強調した歪みが伴わないラウドネス特性を得ようとするものである。
【0010】
また、特開平1−200812号公報における発明は、タップ付き音量調整ボリュームにより、出力音量が小さい場合には、中音域の帯域に比し、低・高音域の帯域を増幅させ、出力音量が大きい場合には、中音域の帯域に比し、低・高音域の帯域を減衰させるようにして、音量の大きさによらず、自然な音質を出力させようとするものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、たとえば、テレビジョン受像機の場合のごとく、小口径スピーカを用いる場合において、テレビジョン受像機などの電子機器からの出力音量が小さい場合においては、前述のごとき各種の従来技術を適用することは可能ではあるが、テレビジョン受像機などの電子機器のキャビネットにスピーカを取り付けた場合の凹みが及ぼす影響が考慮されていない。即ち、かかる従来技術においては、出力音量が大きくなっていくにしたがって、低音域の帯域は豊かになっていく一方、高音域の帯域は、テレビジョン受像機などの電子機器のキャビネットにスピーカを取り付けるために設けられた前記凹みの影響を受けて、中音域の帯域にピークが生じてしまうために、うるさく響くこととなり、音質を維持することが大変困難になってしまうという問題を有している。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、出力音量が大きい場合に対しても適切な音声処理を施すことにより、音質の向上を図ることを可能にする音声処理装置及び該音声処理装置を備えた電子機器を提供せんとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の技術手段は、音声処理回路と音量制御部と音声出力部とスピーカとからなる音声処理装置において、前記音声処理回路が、入力音声信号を増幅した増幅音声信号を出力する増幅手段と、前記スピーカの口径に応じて、中音域の帯域を低音域の帯域に比し減衰させ、高音域の帯域を低音域の帯域に比し増幅させる出力周波数特性に基づいて、前記増幅音声信号の特定周波数帯域をフィルタリングしてフィルタリング増幅音声信号として出力するフィルタ手段と、出力音量の大きさに応じて前記フィルタリング増幅音声信号の出力レベルを調整した調整フィリタリング増幅音声信号として出力する出力調整手段と、複数の音声信号を加算する加算手段と、を有し、前記出力調整手段が、ユーザが指定した出力音量に設定制御する前記音量制御部の制御と連動して制御されることにより、前記フィルタ手段の出力である前記フィルタリング増幅音声信号が、前記出力音量の大きさに基づいて、前記出力レベルが調整制御されて、前記調整フィリタリング増幅音声信号として前記出力調整手段から出力され、かつ、前記増幅音声信号と前記調整フィルタリング増幅音声信号とが、前記加算手段により加算されて、出力音声信号とされて、前記音声出力部を介して前記スピーカに出力される音声処理装置とすることを特徴とするものである。
【0014】
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の音声処理装置において、前記音量制御部と連動制御される前記出力調整手段から出力される前記調整フィルタリング増幅音声信号の前記出力レベルが、前記出力音量が小さい場合においては、すべての周波数帯域に亘って平坦な特性を示し、一方、前記出力音量が大きくなるにしたがって、中音域の帯域の減衰量を増加させ、高音域の帯域の増幅量を増加させるように連動調整制御されている音声処理装置とすることを特徴とするものである。
【0015】
第3の技術手段は、前記第1又は第2の技術手段に記載の音声処理装置を備えている電子機器とすることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る音声処理装置及び該音声処理装置を搭載した電子機器の一実施形態について、以下に図を参照しながら説明する。
ここに、本発明に係る電子機器としては、テレビジョン受像機,VTR,PC、あるいは、自動車や航空機などの制御機器、更には、ロボットなど、音声出力用の音声処理装置が備えられているいかなる電子機器であってもよいが、以下の実施形態の説明においては、電子機器の例として、テレビジョン受像機を用いて説明することとする。
【0017】
図1は、本発明に係る音声処理装置と該音声処理装置を搭載したテレビジョン受像機の具体的な回路構成の一例を示す回路構成図である。
図1において、テレビジョン受像機100には、音声信号を処理するための音声処理装置10,映像信号を処理するための映像処理装置20,テレビジョン受像機全体の制御を司るマイコン30,映像信号と音声信号を分離する映像音声分離回路40などが備えられている。
【0018】
また、映像処理装置20には、映像信号から各種制御信号を抽出し映像表示可能な映像情報に復元する映像信号処理回路21,該映像情報を増幅して映像表示部23に出力する映像出力回路22,CRTあるいは液晶などからなる映像表示部23などが備えられている。
一方、音声処理装置10は、ユーザが所望する音量レベルに出力音量を設定制御するための音量制御回路1,音質を確保すべく音声処理を施す音声処理回路2,音声をスピーカ4に出力するために増幅を行なう音声出力回路3,スピーカ4などが備えられている。
【0019】
図示していないアンテナからのテレビジョン放送信号は、復調された後、映像音声分離回路40により、映像信号と音声信号とに分離された後、映像信号は、映像処理装置20に入力され、音声信号は、音声処理装置10に入力される。
映像処理装置20に入力された映像信号は、映像信号処理回路21により、信号処理がなされて、映像表示が可能な映像情報に復元された後、映像出力回路22により、増幅されて、映像表示部23に出力表示される。
一方、音声処理装置10に入力された音声信号は、音量制御回路1により、ユーザが所望する音声信号レベルに増幅・減衰された後、音声処理回路2に入力される。更に、該音量制御回路1においては、前述した従来技術のごとく、低音域及び高音域の各帯域の出力レベルを、中音域の帯域の出力レベルに比し、更に強調させて出力させることとしても良い。音声処理回路2に入力された音声信号は、出力音量の大きさに応じて、音量制御回路1の動作と連動して調整制御が施された後、音声出力回路3を介して、スピーカ4から出力される。
【0020】
ここで、音声処理回路2の回路動作について、図1にしたがって説明する。
図1において、Inputとして示された音量制御回路1から入力された音声信号は、前段増幅器5において増幅された後、増幅音声信号として2つに分岐されて出力される。分岐された一方の増幅音声信号は、あらかじめ定められた特定周波数帯域のみをフィルタリングして出力する機能を有する(即ち、フィルタ手段を実現している)周波数設定増幅器6に入力されて、あらかじめ定められた特性周波数成分の増幅音声信号のみがあらかじめ定められた出力周波数特性に基づいて増幅・減衰処理が施されて、フィルタリング増幅音声信号として出力された後、電子ボリューム7に入力される。
【0021】
ここに、テレビジョン受像機のごとく、小口径スピーカをキャビネットに取り付けているような場合においては、周波数設定増幅器(即ち、フィルタ手段)6では、入力された前記増幅音声信号について、低音域の周波数帯域の前記増幅音声信号に比し、中音域の周波数帯域の前記増幅音声信号をあらかじめ定められた減衰量に応じて減衰させ、一方、高音域の周波数帯域の前記増幅音声信号をあらかじめ定められた増幅量に応じて増幅させるフィルタリング処理が施されて、フィルタリング増幅音声信号として出力させる。
【0022】
電子ボリューム7は、出力音量レベルに応じて、音量制御回路1への制御と連動して制御されて、出力レベルを所望のレベルに設定させるための出力調整手段を提供するためのものであり、テレビジョン受像機の音量制御部と連動して制御される減衰器(ATT:Attenuator)である。即ち、本音声処理装置2を制御するマイコン30から、ユーザが設定した所望の出力音量レベルに対応して前記音量制御部を制御すべく、算出された電圧設定指示値と同様の指示が入力されることにより、入力された前記フィルタリング増幅音声信号の出力レベルが調整されて、調整フィルタリング増幅音声信号として加算増幅器8の加算回路に入力される。
【0023】
一方、前段増幅器5において増幅音声信号として増幅された後、2つに分岐されたもう一方の増幅音声信号は、加算増幅器8のもう一方の加算回路側に入力されて、前記調整フィルタリング増幅音声信号との間で信号加算がなされ、加算増幅器8から出力音声信号として出力される。
図1において、Outputとして示された該出力音声信号は、後段の音声出力回路3に導かれて、スピーカ4を駆動させることとなる。
【0024】
図2は、本発明に係る音声処理装置における出力音声信号の周波数特性の一例を示す周波数特性図である。即ち、出力音声信号の周波数特性とは、図1に示す加算増幅器8の出力信号である出力音声信号(Output)の周波数毎の出力レベルに関する出力特性を示すものである。ここで、図1に示す加算増幅器8の出力信号である出力音声信号(Output)の周波数特性を、図2に示すごとく制御するために、図1における周波数設定増幅器(フィルタ手段)6と電子ボリューム(減衰器)7とが備えられている。
【0025】
後述するように、周波数設定増幅器(フィルタ手段)6においては、曲線2(破線)に示すごとき周波数特性を付与するようにフィルタリング制御がなされて、フィルタリング増幅音声信号として出力される。
即ち、周波数設定増幅器(フィルタ手段)6においては、低音域の帯域に比し、中音域の帯域では、減衰された出力音声信号が出力されるように制御され、高音域の帯域においては、より増幅された出力音声信号が出力されるように制御され、曲線2(破線)に示すごとき周波数を有するフィルタリング増幅音声信号が出力される。
【0026】
一方、電子ボリューム(出力調整手段)7においては、周波数設定増幅器(フィルタ手段)6から出力されて、曲線2(破線)に示すごとき周波数特性を有するフィルタリング増幅音声信号の出力レベルが、出力音量の大きさに応じて、制御され、出力音量が小さくなるにつれて出力レベルが小さくなるように制御される。
而して、出力音量の大きさを最も小さく設定した場合、曲線1のごときフラットな周波数特性を有する調整フィルタリング増幅音声信号が出力されることになる。
【0027】
電子ボリューム(出力調整手段)7の出力信号である前記調整フィルタリング増幅音声信号と前段増幅器5の出力信号である増幅音声信号とが、加算増幅器8において信号加算されることにより、加算増幅器8の出力信号である出力音声信号(Output)として出力され、該出力音声信号(Output)の周波数特性として、図2に示すごとき周波数特性が得られるように制御される。
【0028】
図2の周波数特性図において、縦軸としては、横軸に示す周波数1kHzにおける出力音声信号の出力利得(ゲイン)を基準利得として、正規化して表現した出力音声信号の出力利得(ゲイン)を示している。即ち、低音域と中音域との境界周波数となる周波数1kHzにおける基準利得を0dBとして表示している。また、横軸は、10Hzから20kHzに及ぶ周波数帯域の範囲を、対数目盛として表示したものであり、横軸の中央部分を、周波数1kHzとして模式的に表示している。
而して、本発明に係る音声処理装置においては、出力音量が小さい場合において、図2の曲線1(実線)に示すごとく、10Hzから20kHzまでの広範囲の周波数帯域において、基準利得0dBを維持させるフラットな周波数特性としている。
【0029】
一方、出力音量が大きくなった場合には、図2の曲線2(破線)に示すごとく、低音域の帯域に比し、中音域の帯域では、減衰された出力音声信号が出力されるように制御され、高音域の帯域においては、より増幅された出力音声信号が出力されるように制御される。
【0030】
かかる周波数特性を付与することにより、出力音量が大きくなっていくにしたがって、低音域の帯域は豊かになっていく一方、高音域の帯域が、テレビジョン受像機のキャビネットにスピーカを取り付けるために設けられた前記凹みの影響を受けて、中音域の帯域にピークが生じてしまうために、うるさく響くこととなるという問題を解決することが可能となる。
【0031】
また、図3は、音量制御回路(即ち、音量制御部)において、音量を可変に制御する場合の出力利得特性に関する一般的な特性図を示すものであり、横軸がユーザから指定される出力音量の大きさを示し、縦軸が、指定された該出力音量に対する出力音声信号の利得を示している。
【0032】
図3において、横軸は、テレビジョン受像機の音量表示画面上に音量の大きさを音量バーとして、(0〜60)に亘る範囲で表示されている場合を示しており、ユーザが、この音量バーを操作して、所望の出力音量を指定することができる。
一方、縦軸は、減衰利得特性を示すものであり、音響変換装置であるスピーカの入力電圧値からなる音量を最大値にした場合(即ち、図3における音量画面表示60の場合)の出力音声信号の出力利得を基準レベルとして、音量制御回路1において、該基準レベルから、指定された出力音量の位置までの差分を減衰器(ATT)により減衰させる減衰利得を示している。即ち、図3においては、音量バーの位置に対して、リニアな減衰利得を与えていることを示している。
【0033】
而して、図3に示す横軸の音量の大きさを可変操作することにより、出力音量が小さくなるように変化させた場合には、出力音量を小さくする旨の信号が、マイコンから、図1に示す電子ボリューム(出力調整手段)7に送信されることにより、図2の曲線1(実線)に示すごときフラットな周波数特性の出力音声信号が得られ、逆に、出力音量を小さいところから大きい方向に順次変化させていった場合においては、出力音量がより大きい値に変化した旨の信号が、順次、マイコンから、図1に示す電子ボリューム(出力調整手段)7に送信されることにより、図2の曲線2(破線)によって示したごとき周波数特性を示す出力音声信号に徐々に強調されて出力されていくこととなる。即ち、図2に示す曲線1(実線)の周波数特性と曲線2(破線)の周波数特性との間を、ユーザが所望する出力音量の大きさに応じて変化する音量可変特性変化が得られる。
【0034】
即ち、出力音量の大きさが小さい場合においては、図1に示す周波数設定増幅器(フィルタ手段)6,電子ボリューム(出力調整手段)7を経由して、加算増幅器8に入力されてくる調整フィルタリング増幅音声信号の信号レベルが、電子ボリューム(出力調整手段)7によって小さくなり、前段増幅器5からの増幅音声信号に信号加算されたとしても、信号加算効果は少なく、加算増幅器8からの出力音声信号の出力周波数特性は、図2に示す曲線1(実線)のごとく、広範囲の周波数帯域に亘って、フラットな特性が得られる。
【0035】
一方、出力音量の大きさが大きくなると、該出力音量の大きさのレベルに応じて、図1に示す周波数設定増幅器(フィルタ手段)6,電子ボリューム(出力調整手段)7を経由して、加算増幅器8に入力されてくる調整フィルタリング増幅音声信号の信号レベルが大きくなり、前段増幅器5からの増幅音声信号に信号加算されることにより、加算増幅器8からの出力音声信号の出力周波数特性は、図2に示す曲線2(破線)のごとく、低音域の帯域に比し、中音域の帯域付近で増幅利得が減衰され、高音域の帯域では増幅されるような周波数特性が得られる。
【0036】
而して、前記出力音量が小さい場合においては、すべての周波数帯域に亘って平坦な特性を示し、一方、前記出力音量が大きくなるにしたがって、中音域の帯域の減衰量を増加させ、高音域の帯域の増幅量を増加させるように、音量制御回路1と連動調整制御されていることにより、音量の大きさに関わらず、高音質の出力音声信号を得ることが可能となる。
【0037】
【発明の効果】
前述したように、本発明に係る音声処理装置及び該音声処理装置を搭載した電子機器によれば、以下のごとき作用効果を得ることができる。
即ち、例えば、テレビジョン受像機のごとき小口径スピーカが搭載されている電子機器の場合において、出力音量を大きく設定せんとした場合、従来技術では、出力音量が大きくなっていくにしたがって、低音域の帯域は豊かになっていく一方、スピーカの口径が小口径になる程、(1〜5)kHzの中音域の帯域にピークが生じてしまうために、高音域の帯域が、うるさく響くという問題を有している。
【0038】
本発明に係る音声処理装置においては、低音域の帯域の出力レベルに比し、かかる中音域の帯域の出力レベルを、減衰させるように制御し、高音域の帯域の出力レベルをより強調せしめるように制御することが可能であり、ユーザが所望する出力音量の大きさ如何によらず、自然な音質の出力音声を出力させることを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音声処理装置と該音声処理装置を搭載したテレビジョン受像機の具体的な回路構成の一例を示す回路構成図である。
【図2】本発明に係る音声処理装置における出力音声信号の周波数特性の一例を示す周波数特性図である。
【図3】音量制御回路における音量を可変に制御する場合の出力利得特性に関する一般的な特性を示す特性図である。
【図4】スピーカのレスポンス特性の一例を示す周波数特性図である。
【図5】従来技術における音声処理装置における特性を示す周波数特性図である。
【符号の説明】
1…音量制御回路、2…音声処理回路、3…音声出力回路、4…スピーカ、5…前段増幅器、6…周波数設定増幅器(フィルタ手段)、7…電子ボリューム(出力調整手段)、8…加算増幅器、10…音声処理装置、20…映像処理装置、21…映像信号処理回路、22…映像出力回路、23…映像表示部、30…マイコン、40…映像音声分離回路、100…テレビジョン受像機。
Claims (3)
- 音声処理回路と音量制御部と音声出力部とスピーカとからなる音声処理装置において、前記音声処理回路が、入力音声信号を増幅した増幅音声信号を出力する増幅手段と、前記スピーカの口径に応じて、中音域の帯域を低音域の帯域に比し減衰させ、高音域の帯域を低音域の帯域に比し増幅させる出力周波数特性に基づいて、前記増幅音声信号の特定周波数帯域をフィルタリングしてフィルタリング増幅音声信号として出力するフィルタ手段と、出力音量の大きさに応じて前記フィルタリング増幅音声信号の出力レベルを調整して調整フィリタリング増幅音声信号として出力する出力調整手段と、複数の音声信号を加算する加算手段と、を有し、前記出力調整手段が、ユーザが指定した出力音量に設定制御する前記音量制御部の制御と連動して制御されることにより、前記フィルタ手段の出力である前記フィルタリング増幅音声信号が、前記出力音量の大きさに基づいて、前記出力レベルが調整制御されて、前記調整フィリタリング増幅音声信号として前記出力調整手段から出力され、かつ、前記増幅音声信号と前記調整フィルタリング増幅音声信号とが、前記加算手段により加算されて、出力音声信号とされて、前記音声出力部を介して前記スピーカに出力されることを特徴とする音声処理装置。
- 請求項1に記載の音声処理装置において、前記音量制御部と連動制御される前記出力調整手段から出力される前記調整フィルタリング増幅音声信号の前記出力レベルが、前記出力音量が小さい場合においては、すべての周波数帯域に亘って平坦な特性を示し、一方、前記出力音量が大きくなるにしたがって、中音域の帯域の減衰量を増加させ、高音域の帯域の増幅量を増加させるように連動調整制御されていることを特徴とする音声処理装置。
- 請求項1又は2に記載の音声処理装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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