JP2003165747A - ガラス用撥水剤及び撥水方法 - Google Patents

ガラス用撥水剤及び撥水方法

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JP2003165747A
JP2003165747A JP2001362449A JP2001362449A JP2003165747A JP 2003165747 A JP2003165747 A JP 2003165747A JP 2001362449 A JP2001362449 A JP 2001362449A JP 2001362449 A JP2001362449 A JP 2001362449A JP 2003165747 A JP2003165747 A JP 2003165747A
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Japan
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water repellent
glass
water
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JP2001362449A
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English (en)
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Mitsuo Hakuryu
美津夫 白龍
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CENTER SANNIIMARU KK
CT SANNIIMARU KK
Original Assignee
CENTER SANNIIMARU KK
CT SANNIIMARU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アミノ変性シリコーンを含有するガラス用撥
水剤よりも長期に亘る撥水持続性を有し、ガラス周辺の
塗装及び金属等に腐食等の悪影響を与えず、作業者の健
康を害することもないガラス用撥水剤及び撥水方法を提
供すること。 【解決手段】 アルコキシチタネート、アミノ変性シリ
コーン以外のシリコーン化合物及び有機溶剤を含有する
ことを特徴とするガラス用撥水剤及び撥水方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はガラス用撥水剤及
び撥水方法に関し、更に詳しくは、雨天に使用しても高
い撥水効果を奏することができ、自動車、電車、船舶、
航空機等の窓ガラスに好適に使用することのできるガラ
ス用撥水剤及び撥水方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来のガ
ラス用撥水剤は、次のようにして使用されていた。すな
わち、晴天下にガラス面を水で十分に清浄にし、しかも
そのガラス面を乾燥させてからガラス用撥水剤をそのガ
ラス面に均一に塗布し、さらに塗布されたガラス面から
そのガラス撥水剤をよくふき取っていた。したがって、
従来のこのようなガラス用撥水剤は、十分な撥水性をガ
ラス面に付与するにはかなり煩雑な操作が必要であると
いう問題点があった。しかも、このような晴天時適用型
のガラス用撥水剤は、雨天に使用しても十分な撥水効果
を付与することができないと言う欠点もあった。
【0003】雨天に適用してガラス面に撥水性を付与す
ることができるとするガラス用撥水剤が、発明として提
案されていて、いずれもアミノ変性シリコーンを含有し
ていた(例えば特開平10−102046号公報、特開
平10−36821号公報、特開平7−41336号公
報等を参照)。
【0004】雨天にガラス用撥水剤を布等にてガラス面
に塗布する使用形態では、作業者が雨に濡れてしまうこ
とになる。したがって、アミノ変性シリコーン含有のガ
ラス用撥水剤の製品形態は、その殆どがエアゾールタイ
プ、換言すると、噴霧塗布タイプである。
【0005】アミノ変性シリコーンはカチオン性を示
し、そのミストを吸入すると、心肺機能を低下させると
いう吸入毒性があるので、アミノ変性シリコーン含有の
ガラス用撥水剤は噴霧塗布タイプとして使用するには、
健康上の問題がある。
【0006】更になによりもこのアミノ変性シリコーン
含有のガラス用撥水剤は、即効性の撥水効果があるけれ
ども、その撥水効果の持続性がない。したがって、アミ
ノ変性シリコーン含有のガラス用撥水剤を用いるときに
は、頻繁にガラス表面にこのガラス用撥水剤を噴霧しな
ければならないと言う煩わしさがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、雨
天にガラス表面に噴霧することにより、速効的に撥水効
果が奏され、しかもその撥水効果が長時間に亘って持続
するガラス用撥水剤及び雨天においても簡便に、しかも
長期間に亘って持続する撥水性を付与することのできる
撥水方法を提供することにある。この発明の他の目的
は、雨天適用型のガラス用撥水剤に必要とされていたア
ミノ変性シリコーンを用いなくても、アミノ変性シリコ
ーンを含有するガラス用撥水剤と同等若しくはそれ以上
に撥水性が速効的に発現し、しかもその撥水性が長期間
に亘って持続するガラス用撥水剤及びそれを使用した撥
水方法を提供することにある。この発明の更に他の目的
は、噴霧塗布を行っても作業者に吸引毒性を与えること
がなく、環境に優しいガラス用撥水剤及びそれを使用し
た撥水方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
のこの発明における手段は、 (1) アルコキシチタネートと、環状シリコーン、ア
ルコキシシラン、フルオロアルキルシランおよびアルキ
ルポリシロキサンよりなる群から選択される少なくとも
一種であって、アミノ変性シリコーン以外のシリコーン
化合物と、有機溶剤とを含有することを特徴とするガラ
ス用撥水剤であり、 (2) このガラス用撥水剤の好適な態様では、前記ア
ルコキシチタネートが、以下の一般式(I)又は(II)
で示される化合物であり、 Ti(OR (I) (但し、一般式(I)においてRはアルキル基を表
す。Tiに結合する4個のORにおけるRそれぞれ
は互いに同一であっても相違していても良い。)
【0009】
【化5】
【0010】(但し、一般式(II)においてR及びR
は、アルキル基又はアルキルカルボニル基を表し、互
いに同一であっても相違していてもよい。R及びR
はアルキル基を表し、互いに同一であっても相違してい
てもよい。nは2〜20の整数を示す。) (3) このガラス用撥水剤の好適な態様では、前記環
状シリコーンは、以下の一般式(III)で表され、前記
アルコキシシランは、以下の一般式(IV)にて表され、
前記アルキルポリシロキサンは以下の一般式(V)で表
され、前記フルオロアルキルシランは、一部又は全部の
水素原子がハロゲン原子で置換されてなる炭化水素基を
ケイ素原子に結合してなる構造、ケイ素にハロゲン原子
を結合してなる構造、又は一部又は全部の水素原子がハ
ロゲン原子で置換されてなる炭化水素基を有し、かつハ
ロゲン原子をケイ素原子に結合してなる構造を有する化
合物であり、
【0011】
【化6】
【0012】(但し、一般式(III)におけるmは2〜
20の整数を示す。)
【0013】
【化7】
【0014】(但し、一般式(IV)におけるR、R
及びRはそれぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ
基又はハロゲン原子を表し、R〜Rで表される基は
互いに同一であっても相違していてもよい。Rはアル
キル基を表す。)
【0015】
【化8】
【0016】(但し、一般式(V)におけるR10及び
11の一方がアルキル基であり、R 10及びR11
他方が、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール
基、又はハロゲン原子を表し、前記pはアルキルポリシ
ロキサンの粘度が1×10−6〜1,000,000×
10−6−1となるような繰り返し数である。) (4) このガラス用撥水剤の好適な態様では、前記有
機溶剤がアルコール、直鎖状炭化水素及び分岐状炭化水
素よりなる群から選択される少なくとも一種であり、 (5) 前記課題を解決するためのこの発明の手段は、
前記ガラス用撥水剤を塗布または散布することを特徴と
する撥水方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】前記ガラス用撥水剤は、アルコキ
シチタネートと、アミノ変性シリコーンを除くシリコー
ン化合物とを含有することを特徴とする。
【0018】前記アルコキシチタネートは、アルコキシ
基を含有する有機チタン化合物であればよく、例えば以
下の一般式(I)及び(II)で表される化合物を好適例
として挙げることができる。
【0019】Ti(OR (I) ただし、一般式(I)において、Rはアルキル基を表
す。Tiに結合する4個のORにおけるRそれぞれ
は互いに同一であっても相違していても良い。このR
で示されるアルキル基としては、炭素数1〜30、好ま
しくは1〜15、更に好ましくは炭素数1〜10、特に
は炭素数1〜8のアルキル基が好適である。また、この
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であっても、
また環状であってもよい。好適なアルキル基の具体例を
示すと、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−
メチルプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、及びオク
チル基等を挙げることができる。
【0020】また、前記一般式(I)で示される好適な
アルコキシチタネートの具体例として、テトラメチルチ
タネート、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチ
タネート、テトラn−ブチルチタネート、テトラn−ペ
ンチルチタネート、テトラn−ヘキシルチタネート、テ
トラn−ヘプチルチタネート、テトラn−オクチルチタ
ネート、及びテトラ(2−エチルヘキシル)チタネート
等を挙げることができる。
【0021】
【化9】
【0022】但し、一般式(II)においてR及びR
は、アルキル基又はアルキルカルボニル基を表し、互い
に同一であっても相違していてもよい。R及びR
アルキル基を表し、互いに同一であっても相違していて
もよい。nは2〜20の整数を示す。
【0023】前記R及びRで示されるアルキル基及
びアルキルカルボニル基中のアルキル基としては、炭素
数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましく
は炭素数1〜8のアルキル基が好適である。また、この
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であっても、
また環状であってもよい。好適なアルキル基の具体例を
示すと、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−
メチルプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、及びオク
チル基等を挙げることができる。
【0024】R及びRで示されるアルキル基として
は、炭素数1〜30、好ましくは1〜15、更に好まし
くは炭素数1〜10、特には炭素数1〜8のアルキル基
が好適である。また、このアルキル基は、直鎖状であっ
ても、分岐状であっても、また環状であってもよい。好
適なアルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、及びオクチル基等を挙げることがで
きる。
【0025】また、前記一般式(II)で示される好適な
アルコキシチタネートの具体例として、日本曹達株式会
社から市販されているTPTポリマーのA−10、TB
TポリマーのB−2、B−4、B−7及びB−10、並
びにTBSTAポリマーのTBSTA−400等を挙げ
ることができる。
【0026】この発明に係るガラス用撥水剤は、アルコ
キシチタネートが含有されているので、雨天により水で
濡れたガラス表面にガラス用撥水剤を付与すると、ガラ
ス表面の水とアルコキシチタネートとが反応して加水分
解反応を起こし、ガラス表面に撥水性のある強固な結合
が形成され、後述するアミノ変性シリコーン以外のシリ
コーン化合物と共に強固な撥水被膜が形成される。
【0027】この発明に係るガラス用撥水剤におけるア
ルコキシチタネートの含有量は、通常、0.05〜5質
量%であり、好ましくは0.2〜2質量%である。アル
コキシチタネートの含有量が前記下限値よりも小さいと
ガラス表面に強固な撥水被膜が形成されにくくなり、前
記上限値よりも大きいと含有量を多くするに見合った技
術的効果が奏されないことがある。また、アルコキシチ
タネートの含有量が多すぎると、ガラス表面に白っぽい
粉が残留する所謂白残現象が生じて実用的でないことが
ある。
【0028】この発明に係るガラス用撥水剤には、シリ
コーン化合物が含まれる。重要なことは、この発明に係
るガラス用撥水剤に含まれるシリコーン化合物は、アミ
ノ変性シリコーン化合物を含まず、アミノ変性シリコー
ン化合物以外のシリコーン化合物を含むことである。こ
の発明に係るガラス用撥水剤においては、アミノ変性シ
リコーン化合物を特に含有していなくても、前記アルコ
キシチタネートとアミノ変性シリコーン化合物以外のシ
リコーン化合物とにより、アミノ変性シリコーン化合物
を含有する従来のガラス用撥水剤よりも遙かに長い期間
に亘って撥水効果が持続することが、特長的である。
【0029】この発明に係るガラス用撥水剤に含める必
要のないアミノ変性シリコーンとしては例えば以下の一
般式(VI)で示される化合物を挙げることができる。
【0030】(VI)式においてX、Yはメチル基、また
はアルコキシ基。q及びrは、25℃において粘度が1
0×10−6〜10000×10−6−1(s
t))の範囲となる1以上の整数を示す。
【0031】この発明におけるシリコーン化合物として
は、アミノ変性シリコーン化合物以外のシリコーン化合
物であれば特に制限がないのであるが、好適なシリコー
ン化合物としては、前記式(III)で示される環状シリ
コーン、式(IV)で示されるアルコキシシラン、式(V)
で示されるアルキルポリシロキサン及びフルオロアルキ
ルシラン等を挙げることができる。
【0032】前記環状シリコーンの好適例として、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペ
ンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサ
ン等を挙げることができる。これら環状シリコーンは他
の成分との相溶性に優れている。
【0033】この発明に係るガラス用撥水剤中の前記環
状シリコーンの含有量は、好ましくは0.1〜10質量
%であり、より好ましくは1〜5質量%である。0.1
質量%未満では、環状シリコーンを配合する効果が見ら
れず、10質量%より多い含有量では、経済的に不利で
あり実用的ではない。
【0034】前記アルコキシシランは以下の(IV)式に
て表される。
【0035】前記(IV)式において、R、R及びR
はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基又は
ハロゲン原子を表し、R〜Rで表される基は互いに
同一であっても相違していてもよい。Rはアルキル基
を表す。
【0036】R〜Rで示されるアルキル基及びアル
コキシ基中のアルキル基、並びにR で示されるアルキ
ル基としては、炭素数1〜30、好ましくは1〜15、
更に好ましくは炭素数1〜10、特には炭素数1〜8の
アルキル基が好適である。また、このアルキル基は、直
鎖状であっても、分岐状であっても、また環状であって
もよい。好適なアルキル基の具体例を示すと、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル
基、ペンチル基、ヘキシル基、及びオクチル基等を挙げ
ることができる。
【0037】R、R及びRで示されるハロゲン原
子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を挙げる
ことができる。
【0038】このアルコキシシランとしてトリメチルメ
トキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルジメト
キシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキ
シシラン等を挙げることができる。
【0039】このガラス用撥水剤におけるアルコキシシ
ランの含有量は、通常、0.1〜20質量%であり、よ
り好ましくは0.5〜5質量%である。含有量が0.1
質量%未満では効果が十分に発揮されず、20質量%よ
り多い場合は経済的に不利であり実用的でない。
【0040】アルコキシシランが含有されていると、こ
のガラス用撥水剤は、ガラス面と水滴との接触角が増加
すると言う優れた効果を奏し、有利である。
【0041】前記アルキルポリシロキサンは以下の
(V)式にて表される。
【0042】(V)式において、R10及びR11の一
方がアルキル基であり、R10及びR11の他方が、水
素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はハロ
ゲン原子を表し、前記pはアルキルポリシロキサンの粘
度が1×10−6〜1,000,000×10−6
−1となるような繰り返し数である。
【0043】R10及びR11で示されるアルキル基及
びアルコキシ基におけるアルキル基としては、炭素数1
〜30、好ましくは1〜15、更に好ましくは炭素数1
〜10、特には炭素数1〜8のアルキル基が好適であ
る。また、このアルキル基は、直鎖状であっても、分岐
状であっても、また環状であってもよい。好適なアルキ
ル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプ
ロピル基、2−メチルプロピル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、及びオクチル基等を挙げることができる。
【0044】このアルキルポリシロキサンは、粘度が2
5℃で1×10−6〜1,000,000×10−6
−1までにわたる種類が有り、いずれもこの発明の
ガラス用撥水剤に使用することができる。
【0045】このアルキルポリシロキサンの好適例とし
て、例えばジメチルポリシロキサン、オクタメチルトリ
シロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルフェ
ニルポリシロキサン等を挙げることができる。
【0046】前記アルキルポリシロキサンは、ガラス用
撥水剤における他の成分との相溶性に優れ、初期撥水性
を向上させ、ワイパーのビビリ現象を防止するといった
技術的効果を奏することができる。
【0047】前記アルキルポリシロキサンの含有量は、
通常0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5
質量%である。0.1質量%未満では十分に効果を発揮
できず、10質量%より多い場合は、経済的に不利であ
り実用的でないことがある。
【0048】前記フルオロアルキルシランはケイ素に隣
接するアルキル基の一部がフッ素に置換されている化合
物体の総称である。この発明におけるフルオロアルキル
シランとしては例えばCFCHCHSi(OCH
、CFCHCHSiCl、CF(CF
CHCHSiCl、CF(CF
CHSiCl、CF(CFCHCH
Si(CH)Cl 、CF(CFCH
Si(OCH、CF(CFCH
Si(OCH、CF(CFCH
SiCH(OCH等を挙げることができ
る。
【0049】前記フルオロアルキルシランは、撥水効果
の持続性を向上させると言う技術的効果を奏することが
できる。
【0050】この発明に係るガラス用撥水剤における前
記フルオロアルキルシランの含有量は、好ましくは0.
01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜2
質量%である。フルオロアルキルシランの含有量が0.
01質量%未満では効果が十分に発揮されないことがあ
り、10質量%より多い場合は経済的に不利であり実用
的でないことがある。
【0051】このガラス用撥水剤における前記有機溶剤
としては、前記アルコキシチタネート及びアミノ変性シ
リコーン化合物以外のシリコーン化合物を溶解させるこ
とができる限り特に制限がなく、例えば、アミン類、ア
ルコール類、グリコール類、エーテル類、カルボン酸
類、及び直鎖、分岐炭化水素を挙げることができる。前
記アルコール類としては例えばメチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコールを挙げることがで
き、前記グリコール類としては例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコールを挙げ
ることができる。前記直鎖および分岐炭化水素としては
例えばペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサ
ン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカンを挙げる
ことができる。前記以外の直鎖および分岐炭化水素も沸
点、引火点、毒性等を考慮して使用することができる。
【0052】前記有機溶剤のガラス撥水剤における含有
量は、前記アルコキシチタネートと前記シリコーン化合
物とを合計して100質量%になる量が配合される。
【0053】この発明に係るガラス用撥水剤において更
に特筆することは、塩酸、硫酸及び硝酸等の酸成分を含
有する必要がないことである。酸成分を含有していない
ことにより、このガラス用撥水剤を噴霧塗布する場合に
発生するミストが作業者に悪影響を及ぼすことがなく、
また例えば撥水性を付与するガラスの近傍に存在する塗
装面に腐食を生じさせることもない。この点において
も、この発明に係るガラス用撥水剤は、環境に悪影響を
与えることのない優れたガラス用撥水剤であることが理
解される。
【0054】この発明に係るガラス用撥水剤は、前記ア
ルコキシチタネートと、アミノ変性シリコーン以外のシ
リコーンと、有機溶剤とを混合することにより、調製さ
れることができる。調製方法としては特に制限がない。
【0055】この発明に係るガラス用発生剤は、晴天下
においても使用することができるのであるが、好ましく
は雨天下に使用するのがよい。
【0056】前述したように、水で濡れたガラス面にこ
の発明に係るガラス用撥水剤を付与すると、ガラス表面
に存在する水とアルコキシチタネートとが反応して加水
分解し、チタンとガラスのSiとが結合し、シリコーン
化合物の存在と相俟って、撥水効果の持続する強固な撥
水被膜がガラス表面に形成される。
【0057】したがって、この発明に係るガラス用撥水
剤は、雨天時のガラス表面への付与の便宜を考慮する
と、エアゾールタイプにしてガラス表面に塗布するのが
好ましい。エアゾールタイプの外に、塗布用具例えばス
ポンジ、布等にしみこませてガラス面にこのガラス用撥
水剤を塗布することも可能である。
【0058】晴天下にこのガラス用撥水剤を使用すると
きには、予めガラス面に水を散布するなどしてガラス表
面に水の膜が形成されるようにしておくのが好ましい。
【0059】
【実施例】表1及び表2に示す種類のアルコキシチタネ
ートとシリコーン化合物と有機溶剤とを、表1及び表2
に示す割合で配合することにより、ガラス用撥水剤を調
製した。
【0060】このガラス用撥水剤につき、以下の試験を
行って性能を評価した。評価結果を表1及び表2に示し
た。
【0061】(1)明視性試験 あらかじめ清浄にした自動車のフロントガラスに噴霧器
で水滴を付着させ、次に別の噴霧器に用意しておいたガ
ラス用撥水剤を均一に吹き付け、ワイパーを3回間欠作
動させて停止する。そのまま放置してガラス面を自然乾
燥させ、室内より観察して明視性を以下の評価基準によ
り判定した。 ○:白残現象が全く認められず、視界が良好である。 △:わずかに白残するが、実用上支障がないと思われ
る。 ×:白残が激しく、視界が不良となる。
【0062】(2)撥水性試験 明視性試験の結果で○又は△であると評価されたガラス
用撥水剤について撥水性試験を実施した。明視性評価
後、噴霧器で水を約10ml均一に吹き付け、撥水状態
を以下の評価方法により判定した。 ○:水滴が球状になり、明瞭な撥水性を示す。 △:撥水性はあるが、完全な球状にはならない。 ×:撥水性がない。
【0063】(3)持続性試験 撥水性試験の結果で○又は△であると評価されたガラス
用撥水剤について持続性試験を実施した。試験車の屋根
に、並列に細孔をあけた塩化ビニル製パイプを配置し、
その塩化ビニル製パイプに導管を介して水道に接続す
る。毎分あたり水量約5リットルの水道水を流しながら
ワイパーを連続作動させて放置する。1時間毎に状態を
観察し、持続性を以下の評価方法により判定した。 ○:4時間以上撥水性を維持している。 △:3時間以内に撥水性が消失した。 ×:1時間以内に撥水性が消失した。
【0064】表1中に示される商品の記号は以下の物質
及び製造会社名を示す。 TSL−8122 ジメチルジエトキシシラン (GE東芝シリコーン) TSL−8114 テトラメトキシシラン (GE東芝シリコーン) TSL−8124 テトラエトキシシラン (GE東芝シリコーン) TSL−8257 フルオロアルコキシシラン (GE東芝シリコーン) TSL−8233 フルオロアルコキシシラン (GE東芝シリコーン) TSL−8231 フルオロアルコキシシラン (GE東芝シリコーン) SH200C−6cs ジメチルポリシロキサン(6×10−6−1) (トーレダウシリコーン) SH200C−20csジメチルポリシロキサン(20×10−6−1) (トーレダウシリコーン) SH−245 デカメチルシクロペンタシロキサン(トーレダウシリコーン) オルガチックスTA−22 ブチルチタネートダイマー (松本製薬工業) オルガチックスTA−25 テトラn−ブチルチタネート (松本製薬工業) オルガチックスTA−30 テトラ(2エチルヘキシル)チタネート (松本製薬工業) TPTポリマーA−10 イソプロポキシチタネートポリマー(日本曹達) TBTポリマーB−7 ブトキシチタネートポリマー (日本曹達) TSF−4701 アミノ変性シリコーン (GE東芝シリコーン) KF−859 アミノ変性シリコーン (信越化学工業) 評価試験の結果からも明らかな通り、アルコキシチタネ
ートを配合したガラス用撥水剤はいずれも良好な成績を
示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】この発明によると、アルコキシチタネー
トとアミノ変性シリコーン以外のシリコーン化合物とを
含有することにより、アミノ変性シリコーンを含有する
ガラス用撥水剤よりも撥水性が持続するガラス用撥水剤
を提供することができる。この発明は、アミノ変性シリ
コーン及び酸類を含有しないので、ガラスの周辺に配置
される金属、塗装面等に腐食等の悪影響を与えず、更に
作業者の健康をも害しない安全なガラス用撥水剤を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/00 C09D 183/00 185/00 185/00 C09K 3/18 101 C09K 3/18 101 104 104 Fターム(参考) 4D075 CA13 CA36 DA06 DB13 DC08 DC13 EA07 EB16 EB43 EB47 EB52 EC08 EC30 4G059 AA01 AC22 FA01 FA05 FA22 FB05 4H020 BA04 BA32 BA36 4J038 DL031 DL071 DM011 JA02 JA17 KA06 NA07 PA06 PB07 PC03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコキシチタネートと、環状シリコー
    ン、アルコキシシラン、フルオロアルキルシランおよび
    アルキルポリシロキサンよりなる群から選択される少な
    くとも一種であって、アミノ変性シリコーン以外のシリ
    コーン化合物と、有機溶剤とを含有することを特徴とす
    るガラス用撥水剤。
  2. 【請求項2】前記アルコキシチタネートは、以下の一般
    式(I)又は(II)で示される化合物であることを特徴
    とする前記請求項1に記載のガラス用撥水剤。 Ti(OR (I) (但し、一般式(I)においてRはアルキル基を表
    す。Tiに結合する4個のORにおけるRそれぞれ
    は互いに同一であっても相違していても良い。) 【化1】 (但し、一般式(II)においてR及びRは、アルキ
    ル基又はアルキルカルボニル基を表し、互いに同一であ
    っても相違していてもよい。R及びRはアルキル基
    を表し、互いに同一であっても相違していてもよい。n
    は2〜20の整数を示す。)
  3. 【請求項3】前記請求項1に記載の環状シリコーンは、
    以下の一般式(III)で表され、前記請求項1に記載の
    アルコキシシランは、以下の一般式(IV)にて表され、
    前記請求項1に記載のアルキルポリシロキサンは以下の
    一般式(V)で表され、前記請求項1に記載のフルオロ
    アルキルシランは、一部又は全部の水素原子がハロゲン
    原子で置換されてなる炭化水素基をケイ素原子に結合し
    てなる構造、ケイ素にハロゲン原子を結合してなる構
    造、又は一部又は全部の水素原子がハロゲン原子で置換
    されてなる炭化水素基及びハロゲン原子をケイ素原子に
    結合してなる構造を有する化合物であることを特徴とす
    る前記請求項1に記載のガラス用撥水剤。 【化2】 (但し、一般式(III)におけるmは2〜20の整数を
    示す。) 【化3】 (但し、一般式(IV)におけるR、R及びRはそ
    れぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲ
    ン原子を表し、R〜Rで表される基は互いに同一で
    あっても相違していてもよい。Rはアルキル基を表
    す。) 【化4】 (但し、一般式(V)におけるR10及びR11の一方
    がアルキル基であり、R 10及びR11の他方が、水
    素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はハロ
    ゲン原子を表し、前記pはアルキルポリシロキサンの粘
    度が1×10−6〜1,000,000×10−6
    −1となるような繰り返し数である。)
  4. 【請求項4】前記有機溶剤がアルコール、直鎖状炭化水
    素及び分岐状炭化水素よりなる群から選択される少なく
    とも一種であることを特徴とする前記請求項1に記載の
    ガラス用撥水剤。
  5. 【請求項5】前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    ガラス用撥水剤を塗布または散布することを特徴とする
    撥水方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014114455A (ja) * 2003-09-17 2014-06-26 Kazufumi Ogawa 撥水撥油性複合膜形成溶液とそれを用いた撥水撥油性複合膜の製造方法とその方法を用いて製造した撥水撥油性複合膜
JP2018009088A (ja) * 2016-07-13 2018-01-18 セントラル硝子株式会社 撥水液、撥水性物品及びその製造方法
CN111662638A (zh) * 2020-08-04 2020-09-15 青岛泰能科技实业发展有限公司 一种抑菌性防腐涂料及其应用

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