JP4643696B2 - 塗装面用2剤式撥水処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、撥水処理剤に関するものであり、特に、撥水処理の難しい塗装面に対して、高い撥水性及び撥水持続性を付与し得る、塗装面用2剤式撥水処理剤に関するものである。
従来より、塗装面に対する撥水剤が、種々開発されているが、それらはいずれも、撥水性及びその撥水持続性の点では、必ずしも満足の行くものでは無かった。
アルコキシシランやシラザンは、表面コーティング剤として用いられる例があったが、ここではアルコキシシランやシラザンは、撥水剤として用いられている訳では無く、このコーティング層に撥水性を持たせるには、別途、撥水成分を含有させる必要があった(特許文献1)。
また、パーフルオロアルキルシランを、ガラス面の保護剤として使用する例はあったが、塗装面に用い得るものでは無く、また、パーフルオロアルキルシラン中のパーフルオロアルキル基以外の置換基も、本発明のような塩素原子では無く、アルコキシ基であることが一般的であった(特許文献2)。
特開2003−105263号公報 特開平09−104861号公報
本発明者は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、アルコキシシランやシラザン等を、コーティング剤というよりも、パーフルオロアルキルシランのプライマーとして用いることによって、塗装面に対して、満足の行く撥水性能を付与し得ることを見出し、本発明に到達したものであって、その目的とするところは、撥水処理の難しい塗装面に対して、高い撥水性及び撥水持続性を付与し得る、塗装面用2剤式撥水処理剤を提供するにある。
上述の目的は、下記第一の発明から第三の発明によって、達成される。
<第一の発明>
下記(A)及び(B)を含むことを特徴とする、塗装面用2剤式撥水処理剤。
(A)下記(a−1)及び/又は(a−2)を含むことを特徴とする、プライマー層形成用組成物。
(a−1)それぞれ1分子内に3つ以上のアルコキシ基を有する、下記(a−1)−1及び/又は(a−1)−2
(a−1)−1:アルコキシシラン
(a−1)−2:アルコキシシランの加水分解縮合物
(a−2)ポリシラザン
(B)下記式(b−1)で表される、パーフルオロアルキルシランを含むことを特徴とする、トップコート形成用組成物。
(b−1)Rf(CH22SiCl3
(式中、Rfは、3〜18のアルキル炭素原子を有するパーフルオロアルキルグループを表す。)
<第二の発明>
(a−1)−1のアルコキシシラン又は(a−1)−2のアルコキシシランの加水分解縮合物の、アルコキシ基の炭素数が、1又は2であることを特徴とする、第一の発明記載の塗装面用2剤式撥水処理剤。
<第三の発明>
(a−2)のポリシラザンが、有機置換基を含まないものであることを特徴とする、第一の発明又は第二の発明記載の塗装面用2剤式撥水処理剤。
本発明の塗装面用2剤式撥水処理剤は、塗布時の作業性にも優れ、撥水処理の難しい塗装面に対して、高い撥水・防汚性及び撥水・防汚持続性を付与し得る、塗装面用2剤式撥水処理剤である。
[本発明の塗装面用2剤式撥水処理剤]
本発明の塗装面用2剤式撥水処理剤は、下記(A)及び(B)の2剤を含むことを特徴とするものである。
(A)下記(a−1)及び/又は(a−2)を含むことを特徴とする、プライマー層形成用組成物。
(a−1)それぞれ1分子内に3つ以上のアルコキシ基を有する、下記(a−1)−1及び/又は(a−1)−2
(a−1)−1:アルコキシシラン
(a−1)−2:アルコキシシランの加水分解縮合物
(a−2)ポリシラザン
(B)下記式(b−1)で表される、パーフルオロアルキルシランを含むことを特徴とする、トップコート形成用組成物。
(b−1)Rf(CH22SiCl3
(式中、Rfは、3〜18のアルキル炭素原子を有するパーフルオロアルキルグループを表す。)
以下、各成分について、詳述する。
《(A)プライマー層形成用組成物》
本発明のプライマー層形成用組成物に用いられる(a−1),(a−2)は、下記の通りである。
(a−1)それぞれ1分子内に3つ以上のアルコキシ基を有する、下記(a−1)−1及び/又は(a−1)−2
(a−1)−1:アルコキシシラン
(a−1)−2:アルコキシシランの加水分解縮合物
(a−1)−1のアルコキシシランとは、ケイ素原子に、アルコキシ基が結合しているものを言うが、本発明では、1分子内に3つ以上のアルコキシ基を必要とする。
アルコキシ基が2つ以下の場合、プライマー層で形成されるOH基が不足するため、トップコートが載りにくく、その結果、初期撥水性について、アルコキシ基が3つ以上のアルコキシシランを同程度の量用いた場合と比べて劣るほか、撥水持続性については、殆ど得られないからである。
アルコキシ基の炭素数に特に制限は無いが、炭素数が少ない程、反応性に富むため、好ましくは、炭素数1〜4程度(メトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ等)であり、特に好ましくは1〜2(メトキシ,エトキシ),最も好ましくは1(メトキシ)である。
(a−1)−2の、アルコキシシランの加水分解縮合物とは、1種又は2種以上のアルコキシシラン(モノマー)を、縮合すること等によって得られる、アルコキシシランのオリゴマーを意味する。しかし、必ずしもモノマーからの縮合によって製造されたものに限定されず、同一の化学構造を有するものであれば良い。
加水分解縮合物が、1分子内に、3つ以上のアルコキシ基が含まれるのであれば、原料となるモノマーは、3つ以上のアルコキシ基を含まなくても良い。
縮合は、アルコキシシランに水を加えた後、加温しながら触媒と反応させ、アルコキシシランに部分的に加水分解を生じさせ、それらを縮合する方法等によって行うことができる。
アルコキシシランの好ましいオリゴマーとしては、ダイマー,トリマー,テトラマー等が挙げられる。オリゴマーとしては、炭化水素等の有機置換基の少ないもの程好ましい。
これらのオリゴマーの場合であっても、縮合されるモノマーは、できるだけアルコキシ基の多いものが好ましく、例えば、4官能アルコキシシラン(アルコキシ基が4個のアルコキシシラン)のダイマー等が、最も、反応性の官能基(アルコキシ基)が多くなるため好ましい。
従って、撥水性の点からは、炭素数の少ないアルコキシ基が4個結合した、テトラメトキシシラン(モノマー)が最も好ましい。
具体的には、下記表1に記載されたような製品として、入手することができる。
Figure 0004643696
これらの(a−1)は、1種類を用いても良いが、数種類の(a−1)を併用しても良い。
(a−2)ポリシラザン
ポリシラザンとは、(SiH2NH)を基本ユニットとする化合物,及びこれらに必要に応じて置換基を導入した化合物の総称である。
具体的なポリシラザンには、基本ユニットの他に、メチル基等の炭化水素のような有機置換基を含むものと、含まないものがある。
有機置換基を含まないポリシラザンは、塗装面に塗布すると、下記式(1)の様に、空気中の水分と激しく反応し、SiとOからなるシリカガラス(SiO2)に変化し、SiMe等の有機成分が無い無機のプライマー層を形成することができる点でより好ましい。
尚、この様子は、図1によっても表すことができる。
−(SiH2NH)−+2H2O → −(SiO2)−+NH3+2H2・・・・・・・(1)
有機置換基を含むポリシラザンとしては、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられ、これは、HMDS3(信越化学工業株式会社製),あるいはシラザンHMN(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)等として、入手することができる。
有機置換基を含まないポリシラザンとしては、アクアミカNP-140,アクアミカNP-110(いずれもAZエレクトロニックマテリアルズ社製)等として、入手することができる。
尚、NP-140とNP-110の違いは、ポリシラザンの固形分濃度の違いによるものである。
NP-140には、0.5質量%,1質量%,1.5質量%,2質量%等のグレードがある。
NP-110の、ポリシラザン固形分濃度は、20質量%である。
このような、有機置換基を含まないポリシラザンは、公知の方法で製造することができるが、例えば、特開2004−155834号公報等にも記載されている通り、SiH2X2(Xはハロゲン原子を表す。)で示されるジハロシランを、塩基と反応させ、更に、アンモニアと反応させること等によって、製造することができる。
これらの(a−2)は、1種類を用いても良いが、数種類の(a−2)を併用しても良い。
尚、(a−1)のアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物と、(a−2)のポリシラザンは、それぞれ単独で用いても、併用しても良いが、ポリシラザンの方が、フリーのOH基の数がより多く、反応性がより高いため、単独で用いる場合には、ポリシラザンが好ましく、併用の場合にも、ポリシラザンを多く用いることが好ましい。
プライマー層形成用組成物中の、(a−1)及び/又は(a−2)の含有量としては、(a−1)及び(a−2)の合計量が、プライマー層形成用組成物全体を100質量%として、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは、0.3〜10質量%,特に好ましくは、0.5〜5質量%である。
プライマー層形成用組成物中の、(a−1)の含有量としては、プライマー層形成用組成物全体を100質量%として、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは、0.3〜10質量%,特に好ましくは、0.5〜5質量%である。
プライマー層形成用組成物中の、(a−2)の含有量としては、プライマー層形成用組成物全体を100質量%として、0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは、0.3〜2質量%,特に好ましくは、0.5〜1質量%である。
(A)のプライマー層形成用組成物には、触媒を含有させることが好ましい。
(a−1)のアルコキシシランやアルコキシシラン加水分解縮合物中の、アルコキシシリル基を、空気中の水分で、短時間で加水分解(脱アルコール反応)し、OH基を生成するのを促進するため,あるいは、(a−2)のポリシラザンの、上記式(1)のシリカガラス形成反応を促進するためである。
(a−1)のための触媒としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
[有機金属化合物]
有機錫化合物:ブチル錫ジアセテート,ジブチル錫ジオクチレート,ジブチル錫ジラウレート等
有機アルミニウム化合物:アルミニウムトリス(アセチルアセトン),アルミニウムトリス(アセトアセテートエチル),アルミニウムジイソプロポキシ(アセトアセテートエチル)等
有機ジルコニウム化合物:ジルコニウム(アセチルアセトン),ジルコニウムトリス(アセチルアセトン),ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル),ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル),ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)等
有機チタニウム化合物:チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル),チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル),チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)等
[酸]
鉱酸類:塩酸,硝酸,硫酸,リン酸等
有機酸類:ギ酸,酢酸,シュウ酸,トリフルオロ酢酸等
[アルカリ]
無機塩基:アンモニア,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等
有機塩基:エチレンジアミン,ジエタノールアミンやトリエタノールアミンのようなアルカノールアミン等
[アミノ化合物]
アミノ変性シリコーン,アミノシラン,シラザン,アミン類等
これらの中でも、有機錫化合物,有機アルミニウム化合物,有機チタニウム化合物,鉱酸類が好ましい。
上記の触媒は、例えば以下のような製品として、各々市場より入手することができる。
有機アルミニウム化合物:DX−9740 (信越化学工業株式会社製)等
有機チタニウム化合物:DX−175 (信越化学工業株式会社製),D−20 (信越化学工業株式会社製)等
リン酸系化合物:D−220 (信越化学工業株式会社製)等
これらの触媒は、単独で用いても、2種以上併用しても良い。
また、これらの触媒の含有量は、(a−1)のアルコキシシランやアルコキシシラン加水分解縮合物100重量部に対して、0.1〜30重量部であることが好ましく、更に好ましくは、1〜10重量部である。
尚、プライマー層形成用組成物全体中では、0.001〜2質量%程度が好ましい。
(a−2)のための触媒としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
[N−ヘテロ環状化合物]
1−メチルピペラジン,1−メチルピペリジン,4,4'−トリメチレンジピペリジン等
[アミン類]
メチルアミン,ジメチルアミン,トリメチルアミン,エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミン,プロピルアミン,ジプロピルアミン,トリプロピルアミン,ブチルアミン,ジブチルアミン,トリブチルアミン,ペンチルアミン,ジペンチルアミン,トリペンチルアミン,ヘキシルアミン,ジヘキシルアミン,トリヘキシルアミン,ヘプチルアミン,ジヘプチルアミン,オクチルアミン,ジオクチルアミン,トリオクチルアミン,フェニルアミン,ジフェニルアミン,トリフェニルアミン等
[有機酸]
酢酸,プロピオン酸,酪酸,吉草酸,マレイン酸,ステアリン酸等
[無機酸]
塩酸,硝酸,硫酸,リン酸,過酸化水素,塩素酸,次亜塩素酸等
[その他の触媒]
金属カルボン酸塩,アセチルアセトナ錯体,金属微粒子等
これらの触媒は、単独で用いても、2種以上併用しても良い。
尚、触媒は、市販のポリシラザン製品中に、既に含まれている場合がある。
これらの触媒の含有量は、(a−2)のポリシラザン100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、更に好ましくは、0.5〜5重量部である。
尚、プライマー層形成用組成物全体中では、0.001〜0.5質量%程度が好ましい。
(A)のプライマー層形成用組成物には、このほか、本発明の効果を阻害しない範囲で、適宜、他の成分を含有させることができる。
他の成分としては、アルコール,炭化水素系溶剤(ターペン,ヘキサン等)等の溶剤の他、例えば、塗装面の保護剤に一般的に用いられている、粘度調整剤,紫外線吸収剤,一般の顔料または染料および蛍光顔料などの着色剤,香料,界面活性剤等が挙げられる。
(A)のプライマー層形成用組成物の塗布方法
塗布方法には、特に制限が無く、一般的な、塗装面上への膜や層を形成する方法を用いることができ、例えば、プライマー層形成用組成物を含浸させたスポンジを用いて塗装面を擦る方法,刷毛塗り,スプレーコーティング,スピンコート,ディップ,ロールコーター,フローコート等が挙げられる。
塗布後は、余分な組成物を拭き取る等をした後、常温で5〜60分間程度、乾燥させれば良く、必要に応じて、加熱処理等によって、乾燥時間を短縮することもできる。
(A)のプライマー層形成用組成物の塗布量
(A)のプライマー層形成用組成物の塗布量は、特に制限が無いが、満足の行く撥水性能を付与し得るためにも、0.5〜30g/m2が好ましく、より好ましくは、0.7〜15g/m2,特に好ましくは、1〜8g/m2である。
《(B)トップコート形成用組成物》
本発明において、トップコートとは、塗装面上に施したプライマー層上に形成させる層であり、塗装面に対する撥水性を発揮する層である。
本発明のトップコート形成用組成物に用いられる(b−1)は、下記の通りである。
(b−1)Rf(CH22SiCl3
(式中、Rfは、3〜18のアルキル炭素原子を有するパーフルオロアルキルグループを表す。)
Rfのパーフルオロアルキルグループとしては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられるが、高い撥水性,撥油性及びそれらの持続性が得られるという理由で、直鎖状のアルキルグループが好まれる。
適切なパーフルオロアルキルとしては、パーフルオロ・プロピル,パーフルオロ・ブチル,パーフルオロ・ペンチル,パーフルオロ・ヘキシル,パーフルオロ・ヘプチル,パーフルオロ・オクチル,パーフルオロ・ノニル,パーフルオロ・デシル,パーフルオロ・ウンデシル,パーフルオロ・ドデシル,パーフルオロ・トリデシル,パーフルオロ・テトラデシル,パーフルオロ・ペンタデシル,パーフルオロ・ヘキサデシル,パーフルオロ・ヘプタデシル,パーフルオロ・オクタデシル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
中でも、炭素数が、6〜16の、パーフルオロ・ヘキシル,パーフルオロ・ヘプチル,パーフルオロ・オクチル,パーフルオロ・ノニル,パーフルオロ・デシル,パーフルオロ・ウンデシル,パーフルオロ・ドデシル,パーフルオロ・トリデシル,パーフルオロ・テトラデシル,パーフルオロ・ペンタデシル,パーフルオロ・ヘキサデシルが、高い撥水性,撥油性及びそれらの持続性が得られるという理由で好ましい。
具体的には、Rfが、パーフルオロ・オクチルである、ヘプタデカフロロデシルトリクロロシラン(CF17CHCHSiCl)等が挙げられ、これは、LS-3175等として、信越化学工業株式会社から入手することができる。
(b−1)に、クロロ原子があることから、反応速度が非常に速く、プライマー層上に塗布した際に、プライマー層上のOH基と素早く反応するため、作業中のパーフルオロアルキルシランの失活が殆ど無く、撥水性及び撥水持続性に優れるという効果を有する。
これらの(b−1)は、1種類を用いても良いが、数種類の(b−1)を併用しても良い。
トップコート形成用組成物中の、(b−1)の含有量としては、トップコート形成用組成物全体を100質量%として、0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜5質量%,特に好ましくは、0.1〜1質量%である。
(B)のトップコート形成用組成物には、このほか、本発明の効果を阻害しない範囲で、適宜、他の成分を含有させることができる。
他の成分としては、フッ素系溶剤等の溶剤の他、例えば、塗装面の保護剤に一般的に用いられている、粘度調整剤,紫外線吸収剤,一般の顔料または染料および蛍光顔料などの着色剤,香料,界面活性剤等が挙げられる。
(B)のトップコート形成用組成物の塗布方法
(B)のトップコート形成用組成物は、(A)により形成したプライマー層が、乾燥した後に塗布する。
塗布方法には、特に制限が無く、一般的な、塗装面上への膜や層を形成する方法を用いることができ、例えば、トップコート形成用組成物を含浸させたスポンジを用いて塗装面を擦る方法,刷毛塗り,スプレーコーティング,スピンコート,ディップ,ロールコーター,フローコート等が挙げられる。
塗布後は、余分な組成物を拭き取る等をした後、常温で5〜60分間程度、乾燥させれば良く、必要に応じて、加熱処理等によって、乾燥時間を短縮することもできる。
(B)のトップコート形成用組成物の塗布量
(B)のトップコート形成用組成物の塗布量は、特に制限が無いが、満足の行く撥水性能を付与し得るためにも、1〜30g/m2が好ましく、より好ましくは、3〜15g/m2,特に好ましくは、5〜10g/m2である。
《本発明の塗装面用2剤式撥水処理剤の適用例》
本発明の塗装面用2剤式撥水処理剤を用いて処理する塗装面としては、塗料を施した面であればその種類は問わず、例えば樹脂製品の塗装面等に使用することができるが、自動車の車体や、シャッター,雨戸,物置等、戸外で雨等に晒される可能性が高いものにおいて、本発明は、特に有用である。
尚、実施例に先立ち、本発明の性能を確認するための試験方法等を以下に記載する。
(1)作業性試験,撥水・防汚性及びそれらの持続性確認試験
[試験用試料]
下記表2の実施例及び比較例の、塗装面用2剤式撥水処理剤を試験用試料として用いた。
また、実車試験として、平成18年式トヨタ自動車クラウン(ブラック(202)、ホワイトパール(062))のボンネット部分を用いて評価をした。
[試験方法]
まず作業性について評価した。初期撥水性は、試験用試料処理後、2日間自然乾燥させた後に評価した。尚、上記の処理後、1年間,屋外に放置し、その間、1ケ月毎に洗車用スポンジで水洗した。そして、放置後1ケ月,3ケ月,6ケ月経過時点の各々の、ボンネット表面の撥水性,皮膜の防汚性を目視にて評価し、撥水・防汚性の持続性として評価する。
試験結果は、下記の基準によって評価した。
[作業性の評価基準]
(1)プライマー層塗布における作業性
2剤式撥水処理剤の、第1剤組成物(A)による、プライマーコートの塗布に関し、下記の通り評価した。
◎:簡単にムラなく綺麗に仕上がり、深みのある艶が観察された。
○:ムラなく綺麗に仕上がるが手数を要する。もしくは、艶が観察されたが、◎ほどの深みは無かった。
△:濃淡やムラが直りにくく綺麗に仕上がらない。もしくは、あまり艶が観察されない。
×:作業性が悪く濃淡やムラが残る。
(2)トップコート塗布における作業性
2剤式撥水処理剤の、第2剤組成物(B)による、トップコートの塗布による全体のコーティング被膜の仕上がりに関し、下記の通り評価した。
◎:深みのある艶が観察された。
○:艶が観察されたが、◎ほどの深みは無かった。
△:濃淡やムラが直りにくく綺麗に仕上がらない。もしくは、あまり艶が観察されない。
×:作業性が悪く濃淡やムラが残る。
[撥水性の評価基準]
撥水性は、下記の通り、処理面に水をかけたときの水玉の状態で評価した。
◎:水玉となってはじく。
○:はじきはあるが、水玉が変形する。
△:はじきが弱く、水玉の変形も大きい。
×:ほとんどはじかず、撥水処理剤の未処理部分とほとんど変わらない。
[防汚性の評価基準]
皮膜の防汚性は、下記の通り評価した。
◎:汚れの付着が少なく、その汚れを簡単に落とすことができ、簡単に清浄になる。
○:汚れの付着があるものの、その汚れを落とすことができ、清浄になる。
△:汚れの付着があり、落としにくい汚れが部分的にある。
×:汚れの付着が多く、落とせない汚れがあり清浄にならない。
[実施例1〜25,比較例1〜2]
表2に示す組成物で、実施例及び比較例の塗装面用2剤式撥水処理剤を製造した。
[試験結果]
実施例及び比較例の塗装面用2剤式撥水処理剤を用い、上述の試験方法に従って試験を行った結果を、併せて表2に示す。
表2から分かる通り、本発明の実施例の塗装面用2剤式撥水処理剤は、作業性が良く、しかも撥水性・防汚性及びそれらの持続性が、比較例に比べて優れていた。
Figure 0004643696

本発明の塗装面用2剤式撥水処理剤は、作業性が良く、撥水性・撥油性・防汚性及びそれらの持続性に優れており、塗装面に、有効な被膜を形成することが可能である。
ポリシラザンが、塗布後に、シリカガラスを形成する様子を示す図である。

Claims (3)

  1. 下記(A)及び(B)を含むことを特徴とする、塗装面用2剤式撥水処理剤。
    (A)下記(a−1)及び/又は(a−2)を含むことを特徴とする、プライマー層形成用組成物。

    (a−1)それぞれ1分子内に3つ以上のアルコキシ基を有する、下記(a−1)−1及び/又は(a−1)−2
    (a−1)−1:アルコキシシラン
    (a−1)−2:アルコキシシランの加水分解縮合物

    (a−2)ポリシラザン

    (B)下記式(b−1)で表される、パーフルオロアルキルシランを含むことを特徴とする、トップコート形成用組成物。

    (b−1)Rf(CH22SiCl3
    (式中、Rfは、3〜18のアルキル炭素原子を有するパーフルオロアルキルグループを表す。)
  2. (a−1)−1のアルコキシシラン又は(a−1)−2のアルコキシシランの加水分解縮合物の、アルコキシ基の炭素数が、1又は2であることを特徴とする、請求項1記載の塗装面用2剤式撥水処理剤。
  3. (a−2)のポリシラザンが、有機置換基を含まないものであることを特徴とする、請求項1又は2記載の塗装面用2剤式撥水処理剤。
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