JP2003161834A - 偏光選択性ホログラム光学素子及び画像表示装置 - Google Patents

偏光選択性ホログラム光学素子及び画像表示装置

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JP2003161834A
JP2003161834A JP2001363181A JP2001363181A JP2003161834A JP 2003161834 A JP2003161834 A JP 2003161834A JP 2001363181 A JP2001363181 A JP 2001363181A JP 2001363181 A JP2001363181 A JP 2001363181A JP 2003161834 A JP2003161834 A JP 2003161834A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶と高分子材料を利用して異方性領域と等
方性領域を交互に積み重ねた構造において、液晶の選
択、各種モノマの組み合わせ、光重合開始材と色素の組
み合わせや、各種材料の配合比を特定し最適化して、回
折効率を高くし、偏光分離度を大きくする。 【解決手段】 光重合性多官能基モノマ、光重合性2官
能基モノマ、光重合性単官能基モノマ及び液晶の混合物
を一対の光学基板1,2間に挟み、この層にホログラフ
ィック露光をすることにより形成する。光重合性2官能
基モノマは、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、または、その付加化合物であるこ
ととする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、投射型画
像表示装置において使用される偏光選択性ホログラムを
利用した偏光選択性ホログラム光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ホログラム技術の偏光分離素
子や色分離素子への応用が種々提案されている。偏光選
択性ホログラム光学素子は、これら両方の光学素子への
ベースとなるものである。一般的なアプリケーションと
しては、色分離素子及び偏光変換素子が挙げられる。ホ
ログラム光学素子による色分離素子、いわゆる「カラー
フィルタ」への応用としては、例えば、特開平9−17
1110号公報及び特開平9−189809号公報に記
載されている。また、偏光変換素子としては、偏光選択
性ホログラム光学素子と波長板とを組み合わせた構成の
ものが、特開平8−234143号公報に記載されてい
る。その他に、特許第3076106号の明細書には、
調光素子に利用することの記載もある。
【0003】以下、このようなホログラム光学素子の材
料に関する従来の技術について説明する。ホログラム材
料として広く使用されているものとして、フォトポリマ
がある。フォトポリマは、光重合性高分子材料を用いた
等方性材料である。特開平9−189809号公報に
は、等方性材料にて構成される厚いホログラムを利用し
回折効率の入射偏光依存性を利用したものが記載されて
いる。このようなホログラム光学素子における現象は、
理論的には、カップルド−ウェイブ−セオリ(coupled-
wave theory)の厳密解を解くことにより証明される。
しかし、フォトポリマを用いた場合、偏光分離特性が低
い。これは、フォトポリマにおいては、異方性材料を用
いたホログラム光学素子と異なり、P、Sどちらの偏光
成分にとっても屈折率の変調された見かけの干渉縞が常
に存在しているためである。通常のフォトポリマの光重
合性高分子材料では、屈折率変調度Δnを0.05以上
とすることは非常に離しい。屈折率変調度は、ホログラ
ムの回折効率を決定する重要なパラメータであり、通
常、この値が大きいほど回折効率も高くなる。
【0004】また、従来、特開平11−271536号
公報に記載されているように、偏光分離素子として光硬
化型液晶と非硬化型液晶との屈折率異方性を利用したホ
ログラム光学素子がある。このホログラム光学素子の優
位性は、非重合性液晶の液晶方位を電界印加によりスイ
ッチングして回折の有無を制御する際、図11に示すよ
うに、光硬化型液晶101及び非硬化型液晶102にお
ける常光線屈折率と異常光線屈折率とを等しくすれば、
理論上、入射方位、入射偏光に関わらず、回折しない状
態を作ることができることである。これは、回折がゼロ
の状態では、光硬化型液晶101と非硬化型液晶102
とが、その液晶方位を同じ方向に配向させるため、見か
け上、干渉縞は生じないためである。
【0005】そして、図12に示すように、電圧を印加
した状態では、非硬化液晶102が基板103に垂直な
状態となり、光硬化型液晶101との間で干渉縞が形成
される。しかし、この状態においては、光線入射方位に
よっては、見かけの屈折率変調度が大きく変化し、大き
な入射角度でホログラムに入射する光線に対する回折効
率がほとんど得られないという問題がある。
【0006】さらに、異方性材料と等方性材料とを交互
に配列させた構造をもつホログラム光学素子も提案され
ている。このようなホログラム光学素子については、高
分子分散型液晶(「PDLC」)の研究から派生した技
術として、光重合を起こすモノマ材料と液晶分子とを混
合したものに対してホログラフィックな手法を用いて干
渉縞を形成するホログラフィック高分子分散型液晶(Ho
lographically-formedpolymer dispersed liquid cryst
als、以下「H−PDLC」という。)として研究が行
われている。
【0007】このような「H−PDLC」の構成と製造
方法について、以下、図1、図2及び図3を用いて説明
する。まず、図1に示すように、プレポリマ(モノマの
混合物)、液晶及び光重合開始剤の混合物をガラス基板
1,2間に充填する。この混合物は、プレポリマが約5
0%乃至70%、液晶が約50%乃至30%、光重合開
始剤及び増感色素が数%以下という組成比で構成され
る。「H−PDLC」のセルギャップ、すなわち、ガラ
ス基板1,2間の空隙間隔は、3μm乃至15μmの範
囲で、偏光選択性ホログラム光学素子の所望の特性にあ
わせて最適な値を選ぶ。
【0008】次に、この「H−PDLC」のセル3に干
渉縞を露光するため、レーザ光源からの物体光4及び参
照光5を「H−PDLC」パネルに照射し、図2に示す
ように、これら2光束の干渉光による光の強弱を発生さ
せる。このとき、干渉縞の明部では、その光エネルギー
により、「H−PDLC」内のプレポリマ部分の重合が
起こりポリマ化する。干渉縞の明部においてプレポリマ
の重合が進むと、干渉縞の暗部から干渉縞の明部にプレ
ポリマが移動するとともに、干渉縞の明部において混合
している液晶が溶解していることができなくなって干渉
縞の暗部に移動する。この反応が進むことにより、干渉
縞に合わせてポリマ領域と液晶領域とが形成される。こ
のとき、液晶分子は、図3に示すように、干渉縞に対し
て垂直に配列する場合がある。そして、紫外線照射を行
なうことにより、未硬化部の硬化を行なう。
【0009】以上のようなプロセスによって作製された
ホログラム光学素子は、ポリマ層の屈折率と液晶層の常
光線屈折率とがほぼ等しく、かつ、ポリマ層の屈折率と
液晶層の異常光線屈折率とが異なるため、偏光選択性ホ
ログラムとして形成される。
【0010】上述の説明では、物体光4及び参照光5
が、「H−PDLC」パネルの同一の側から照射されて
いるため、透過型の偏光選択型ホログラムが形成される
が、物体光4及び参照光6を「H−PDLC」パネルに
対する反対側から照射することにより、反射型の偏光選
択型ホログラムを形成することができる。
【0011】「H−PDLC」においては、材料の選択
の仕方及び混合比の選び方により、回折効率、偏光選択
性、散乱、液晶の配向度などの性質が大きく異なる。例
えば、米国特許US5942157の記載においては、
光重合性材料として「ジペンタエリスリトールヒドロキ
シペンタアクリレート(DPHPA)」を、バインダー
モノマとして「N−ビニル−ピロリジノン」を、液晶に
シアノビフェニル系液晶の「E7」(メルク社製)を、
光重合開始剤に「N−フェニルグリシン」を、増感色素
に「ローズベンガル」をそれぞれ用いてホログラム光学
素子を作製している。この材料の組み合わせを、以下、
「従来例1」という。
【0012】この「従来例1」の材料系を用いて、「H
−PDLC」セルを作製した。すなわち、「シアノビフ
ェニル系液晶」を約40wt%、光重合性多官能基モノ
マとして、「ジペンタエリスリトールシペンタアクリレ
ート(DPHA)」を約50wt%、光重合性モノマと
して、「N−ビニル−ピロリジノン」を約10wt%、
光重合開始剤として「N−フェニルグリシン」を約1.
0wt%、増感色素として「ローズベンガル」を約1.
0wt%秤量し、混合を行なった。そして、この混合物
を、約5μmのギャップを介して対向させたガラス基板
の間に充填する。次に、波長532nmのSHGレーザ
を用いて、2光束ホログラフィック露光を行ない、干渉
縞の形成を行なった。レーザ露光を行なったサンプルに
は、さらに高圧水銀灯を光源とした紫外線を照射し、高
分子の未重合部分を硬化させた。
【0013】以上の工程により、セル内部で屈折率が周
期的に変化している「ホログラフィックPDLC」を得
た。そして、図4に示すように、測定光学系において、
波長633nmのHe−Neレーザ11からのレーザ光
を用いて、回折効率の測定を行なった。回折効率は、回
折光の強度が最も高い角度で測定を行ない、回折効率の
値は、次式によって計算した。 〔回折効率〕=(〔回折光の強度Id〕/〔入射光の強度
Ii〕)×100(%) 測定結果は、P偏光の回折効率が約80%、S偏光の回
折効率が約1.4%であった。P偏光の回折効率として
は高い値が得られた。しかし、P偏光の回折効率とS偏
光の回折効率との比で与えられる偏光分離度は、60未
満であり、低い値であった。
【0014】特開平11−119201号公報には、ハ
ロゲン系液晶「TL205」(メルク社製)を用い、光
重合性アクリル系オリゴマーとして、「アロニックスM
−6100」(2官能基ポリエステルアクリレート、東
亞合成(株)社製)を、光重合性アクリル系モノマとし
て、「KAYARAD DCP−A(ジメチロールトリ
シクロデカンジアクリレート、日本化薬(株)社製)
を、光重合開始剤として、「TAZ−101」(みどり
化学(株)製)を、増感色素として「BC」(みどり化
学(株)製)をそれぞれ用いた材料が記載されている。
なお、光重合性アクリル系モノマとして「ビスフェノー
ルA」を用いても有効であるとされている。この材料の
組み合わせを、以下、「従来例2」という。
【0015】この「従来例2」の材料系を用いて、「H
−PDLC」セルを作製した。ハロゲン系液晶「TL2
05」を約50wt%、光重合性アクリル系オリゴマー
として「アロニックスM−6100」を約10wt%、
光重合性アクリル系モノマとして「KAYARAD D
CP−A」を約40wt%、光重合開始剤として「N−
フェニルグリシン」を約0.5wt%、増感色素として
「ローズベンガル」を約0.5wt%を秤量し、混合を
行なった。そして、この混合物を約5μmのギャップを
介して対向させたガラス基板の間に充填する。次に、波
長532nmのSHGレーザを用いて、2光束ホログラ
フィック露光を行ない、干渉縞の形成を行なった。レー
ザ露光を行なったサンプルは、さらに、高圧水銀灯を光
源とした紫外線を照射して、高分子の未重合部分を硬化
させた。
【0016】以上の工程により、セル内部で屈折率が周
期的に変化している「ホログラフィックPDLC」を得
た。そして、図4に示す測定光学系において、波長63
3nmのHe−Neレーザ光を用いて、回折効率の測定
を行なった。回折効率は、回折光の強度が最も高い角度
で測定を行ない、回折効率の値は、次式によって計算し
た。 〔回折効率〕=(〔回折光の強度Id〕/〔入射光の強度
Ii〕)×100(%) 測定結果は、P偏光の回折効率が約56%、S偏光の回
折効率が約1.7%であった。P偏光の回折効率とS偏
光の回折効率との比で与えられる偏光分離度は、33程
度と、低い値であった。同様に、光重合開始剤として
「TAZ−101」を約0.2wt%、増感色素として
「BC」を約0.5wt%混合し、波長457nmのS
HGレーザで露光を行なったサンプルも作製したが、回
折効率は先に示したサンプルより低いものであった。
【0017】「Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)pp.638
8」には、ポリエステル系アクリル酸の多官能基オリゴ
マーと2官能基オリゴマーとを用い、液晶として「ハロ
ゲン系液晶TL216」(メルク社製)及び「シアノビ
フェニル系の液晶」を用いて、光重合性単官能基モノマ
の種類を変えたときの「H−PDLC」の特性の差につ
いての発表がなされている。この発表においては、多官
能基及び2官能基のオリゴマーの材料については言及さ
れていない。単官能基モノマとして「N−ビニル−ピロ
リジノン」や「2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ルアクリレート」を含めて5種類を使用して実験を行っ
た結果が発表されている。この発表によると、10μm
のセルギャップで、回折効率が高くなるという実験結果
が示されているが、セルギャップを5μmとした場合に
充分な回折効率が得られるかは疑問である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な偏光選択性ホログラム光学素子において、等方性材料
を用いたフォトポリマでは、偏光分離特性が低い。これ
は、等方性材料を用いた場合には、異方性材料を用いた
ホログラム光学素子と異なり、P、Sどちらの偏光成分
にとっても、屈折率の変調された見かけの干渉縞が常に
存在しているためである。そして、通常のフォトポリマ
の光重合性高分子材料では、屈折率変調度Δnを0.0
5以上とすることは非常に難しい。
【0019】一方、光硬化型液晶と非硬化型液晶の屈折
率異方性を利用したホログラム材料では、光線入射方位
によって、見かけの屈折率変調度が大きく変化し、大き
な入射角度でホログラムに入射する光線については回折
効率がほとんど取れないという問題がある。
【0020】そして、液晶と高分子材料を利用した異方
性領域と等方性領域を交互に積み重ねた構造をもつホロ
グラム光学素子においては、液晶の選択、各種モノマの
組み合わせ、光重合開始材と色素の組み合わせや、さら
に、各種材料の配合比が重要であるが、高い回折効率を
持つ材料の組み合わせ、偏光分離度を大きくする材料の
組み合わせは、いまだ見つけられていない。
【0021】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、液晶と高分子材料を利用して異
方性領域と等方性領域を交互に積み重ねた構造をもつホ
ログラム光学素子であって、液晶の選択、各種モノマの
組み合わせ、光重合開始材と色素の組み合わせや、各種
材料の配合比が特定され最適化されて、回折効率が高
く、偏光分離度が大きくなされた偏光選択性ホログラム
光学素子及びこのような偏光選択性ホログラム光学素子
を用いて構成された画像表示装置を提供しようとするも
のである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係る偏光選択性ホログラム光学素子は、光
重合性多官能基モノマ、光重合性2官能基モノマ、光重
合性単官能基モノマ及び液晶の混合物を一対の光学基板
間に所定の厚みの層に形成し、この層に対してホログラ
フィック露光をすることにより形成された偏光選択性ホ
ログラムであって、光重合性2官能基モノマは、ヒドロ
キシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、または、その付加化合物であることを特徴とするも
のである。
【0023】そして、本発明に係る画像表示装置は、光
重合性多官能基モノマ、光重合性2官能基モノマ、光重
合性単官能基モノマ、液晶、光重合開始剤及び増感色素
の混合物により2枚の光学基板間において形成された所
定の厚みの層にホログラフィック露光がなされて形成さ
れ、照明光を回折する偏光選択性ホログラム光学素子
と、この偏光選択性ホログラム光学素子により回折され
た照明光の偏光状態を変調する反射型空間光変調素子と
を備え、偏光選択性ホログラム光学素子における光重合
性2官能基モノマは、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、または、その付加化合物
であって、偏光選択性ホログラム光学素子は、照明光
が、この偏光選択性ホログラム光学素子の照明光受光面
の法線に対して、30°以上90°未満の入射角を有し
て入射され、この照明光のP偏光成分、または、S偏光
成分を、反射型空間光変調素子に向けて回折させるとと
もに、該反射型空間光変調素子において位相変調されて
反射され再入射する照明光のうち、1回目の入射におい
て回折された偏光成分と直行する偏光成分に対する回折
効率が10%以下であることにより、この偏光成分の7
0%以上をそのまま透過させることを特徴とするもので
ある。
【0024】さらに、本発明に係る画像表示装置は、そ
れぞれが一対の光学基板とこれら光学基板間に該光学基
板の主面部に沿う方向に順次交互に配列され屈折率異方
性が互いに異なる状態を取りうる第1の領域及び第2の
領域が交互に配列されて形成された光回折層とを有し回
折効率の波長依存性が互い異なり積層されて配設されそ
れぞれが一方の光学基板を透して照明光を入射される複
数の偏光選択性ホログラム光学素子と、これら各偏光選
択性ホログラム光学素子の各光回折層の第1の領域及び
第2の領域の少なくとも一方に電界を印加することによ
り該第1の領域及び第2の領域のうち少なくとも一方の
屈折率異方性を変化させる電界印加手段と、この電界印
加手段を制御し各偏光選択性ホログラム光学素子におけ
る回折波長帯域の切り替えを行なう偏光選択性ホログラ
ム光学素子駆動手段と、各偏光選択性ホログラム光学素
子により選択的に回折される照明光が入射されこの照明
光に含まれる各色光の偏光状態を該色光の選択に同期し
て変調する反射型空間光変調素子と、入力される画像信
号を処理しこの処理結果に基づいて反射型空間光変調素
子を駆動してこの反射型空間光変調素子に入射される各
色光に対応したモノクロ画像表示を行なわせる反射型空
間光変調素子駆動手段とを備え、各偏光選択性ホログラ
ム光学素子は、光回折層が、光重合性多官能基モノマ、
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、または、その付加化合物である光重合性2官能
基モノマ、光重合性単官能基モノマ、液晶、光重合開始
剤及び増感色素の混合物により上記一対の光学基板間に
おいて形成された所定の厚みの層にホログラフィック露
光がなされて形成されたものであって、照明光が、この
偏光選択性ホログラム光学素子の照明光受光面の法線に
対して、30°以上90°未満の入射角を有して入射さ
れ、回折効率を上記電界印加手段により制御されつつ、
入射された照明光のP偏光成分、または、S偏光成分
を、反射型空間光変調素子に向けて回折させるととも
に、該反射型空間光変調素子において位相変調されて反
射され再入射する照明光のうち、1回目の入射において
回折された偏光成分と直行する偏光成分に対する回折効
率が10%以下であることにより、この偏光成分の70
%以上をそのまま透過させることを特徴とするものであ
る。
【0025】まず、本発明に係る偏光選択性ホログラム
光学素子に用いる偏光選択性ホログラムとして、高分子
分散型液晶(「PDLC」)の材料をベースとしたホロ
グラフィックPDLC(「H−PDLC」)素子の基本
構造及び作製方法について説明する。
【0026】この「H−PDLC」において、重合が開
始する前の材料の混合物(プレポリマ)は、多官能基モ
ノマ、2官能基モノマ、単官能基モノマから構成され、
それぞれのモノマの作用はその材料により異なる。一般
的には、単官能基モノマは、他の材料との親和性を良く
するため用いられ、バインダーモノマと呼ばれることも
ある。2官能基以上の多官能基モノマは、重合性が良好
なため、ポリマを形成する上での骨格として機能する。
【0027】一般的に、このような重合性モノマは、エ
チレン性不飽和結合を有する光重合可能な化合物であっ
て、1分子中に、少なくともエチレン性不飽和二重結合
を1個有し、光重合及び光架橋可能なモノマ、オリゴ
マ、プレポリマ及びこれらの混合物である。
【0028】これらの例としては、不飽和カルボン酸及
びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化
合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミ
ン化合物とのアミド等が挙げられる。
【0029】本発明において使用されている多くの重合
性モノマは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
化合物とのエステルである。本発明では、多官能基モノ
マとして、トリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA)、ペンタエリストールトリアクリレート
(PETA)、ジペンタエリスリトールヒドロキシペン
タアクリレート(DPHPA)、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート(DPHA)などを使用すること
ができる。2官能基モノマとしては、ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートの付加化合
物を用いる。ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールジアクリレートの付加化合物は、ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートの単体に、
例えば、以下の付加物により変性された化合物である。
【0030】ε−カプロラクトン付加物(−(OC
10CO)−) エチレンオキシド付加物(−(OC−) プロピレンオキシド付加物(−(OC−) これらの付加化合物は、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールジアクリレート単体の性質を失うことな
く、低皮膚刺激性、耐候性、柔軟性及び低収縮性などの
性質改善がなされている。
【0031】なお、光重合性モノマの組み合わせについ
ては、材料の屈析率、物質拡散に関係する粘度、硬化速
度を考慮した上で選ばなければいけない。
【0032】液晶としては、シアノビフェニル系液晶、
ハロゲン系液晶、トラン系液晶、シアノエステル系液晶
など、一般に用いられている液晶を用いることができる
が、本発明において使用される液晶材料は、屈折率の異
方性Δnが、0.15以上あることが望ましい。これ
は、本発明においては、位相変調型のホログラムを使用
しているため、Δnが直接回折効率に大きく影響するか
らである。また、本発明においては、特に屈折率異方性
の大きいシアノビフェニル系の液晶を用いることによ
り、偏光選択性のよいホログラム光学素子を作製するこ
とが可能となる。
【0033】光重合開始剤は、紫外線(UV光)に対し
て感度を特ち、モノマの光重合開始剤として機能するも
のである。光重合開始剤としては、一般的にチオキサン
トン系、ベンゾフェノン系、ジケトン系、アセトフェノ
ン系のものを使用することができる。
【0034】増感色素としては、キサンテン系、クマリ
ン系、ローダミン系、カルボシアニン系などのものを使
用することができる。増感色素は、UV(紫外線)光で
しか励起されない重合開始剤を、可視光において励起さ
せる機能がある。すなわち、増感色素は、可視光レーザ
による光重合過程を経ていることにより、可視光を吸収
し、そのエネルギーを光重合開始剤に伝達する機能を有
している。この機能から、増感色素の許容エネルギーレ
ベル及び光重合開始剤の許容エネルギーレベルには、厳
密な整合性が必要となり、使用する光重合開始剤と増感
色素との組み合わせは重要である。
【0035】本発明においては、緑色レーザに対して
は、光重合開始剤にN−フェニルグリシン(下記、〔化
1〕)及び増感色素に口ーズベンガル(下記、〔化
2〕)の組み合わせをメインに用いた。また、青色のレ
ーザに対しては、光重合開始剤にTAZ−101(下
記、〔化3〕)及び増感色素にBC(下記、〔化4〕)
の組み合わせ、もしくは、N−フェニルグリシンとBC
の組合わせを用いた。
【0036】
【化1】
【0037】
【化2】
【0038】
【化3】
【0039】
【化4】
【0040】まず、以上のような、多官能基モノマ、2
官能基モノマ、単官能基モノマ、液晶、光重合開始剤及
び増感色素の混合物を、図1に示すように、互いに対向
されたガラス基板1,2の間に充填する。
【0041】この混合物の組成比は、多官能基モノマと
2官能基モノマを合わせて40wt%乃至60wt%、
単官能基モノマを5wt%乃至20wt%、液晶を30
wt%乃至50wt%、光重合開始剤と増感色素を数w
t%以下とする。「H−PDLC」のセルギャップ、す
なわち、ガラス基板1,2の間の距離は、3μm乃至1
5μmの範囲で所望の偏光選択ホログラムにあわせて最
適な値を選ぶ。
【0042】ここで、光学ガラス基板1,2上に、それ
ぞれ応力緩衝層10の形成を行う。これら応力緩衝層1
0は、光学ガラス基板1,2と「H−PDLC」材料と
の間に形成され、「H−PDLC」材料の光重合に伴う
収縮応力の緩和を実現し、また、「H−PDLC」材料
のガラス基板1,2の界面からの剥がれを防止するとと
もに、「H−PDLC」材料の熱及び光による劣化を防
ぐ。
【0043】この応力緩衝層10は、ポリイミド等、有
機膜の材料からなるものを用いることができる。作製方
法としては、ポリイミドを適当な希釈溶媒で薄め、スピ
ンコート法によって塗布を行い、所定の温度で焼成する
ことによって、ポリイミド膜を形成する。この応力緩衝
層10の厚さは、10nm乃至50nmとした。
【0044】次に、この「H−PDLC」のセル3に干
渉縞を露光するため、図1に示すように、レーザ光源か
らの物体光4及び参照光5を「H−PDLC」パネルに
照射し、図2に示すように、2光束の干渉光による光の
強弱を発生させる。
【0045】このとき、干渉縞の明部では、そのエネル
ギーにより、「H−PDLC」パネル内のプレポリマ部
分の重合が起こり、ポリマ化する。干渉縞の明部でのプ
レポリマの重合が進むと、干渉縞の暗部のプレポリマが
該暗部から干渉縞の明部に移動するとともに、干渉縞の
明部にプレポリマとともに混合している液晶が溶解して
いることができなくなり、干渉縞の暗部に移動する。こ
のような反応が進むことにより、図3に示すように、干
渉縞に対応したポリマ領域7と液晶領域8とが形成され
る。
【0046】この説明では、物体光4及び参照光5は、
「H−PDLC」パネルの同じ側から照射されるため、
透過型の偏光選択型ホログラムが形成される。しかし、
物体光4及び参照光6を「H−PDLC」パネルに対し
互いに反対側から照射することにより、反射型の偏光選
択型ホログラムを形成することができる。
【0047】このようにして形成された「H−PDL
C」において、ポリマ領域7は、屈折率npに関して等
方的である。それに対して、液晶領域8は、屈折率に関
して異方性を特つ。液晶は、一般に屈折率楕円体を用い
て記述される。屈折率楕円体の短軸側の屈折率を常光線
屈折率no、長軸側の屈折率を異常光線屈折率neとし
て表現している。液晶領域8においては、図5及び図6
に示すように、液晶の分子の長軸方向が、ポリマ領域7
との境界面に対して垂直になるように配向している場合
と、図7に示すように、液晶の分子の長軸方向が、ポリ
マ領域7との境界面に対して平行に配向している場合を
考えることができる。どちらの場合においても、液晶領
域8では、屈折率が入射偏光方位依存性を有している。
【0048】(A)液晶分子の長軸方向がポリマ領域と
の境界面に対して垂直な場合 この場合に、「H−PDLC」パネル3に入射する光線
を考える。図6に示すように、入射光は、P偏光成分の
光とS偏光線分の光に分けることができる。ここで、S
偏光成分について考える。S偏光光に対する液晶領域8
の屈折率は、常光線屈折率noであり、ポリマ領域7に
おける屈折率は、等方性の屈折率npである。そして、
この液晶領域8の常光線屈折率noをポリマ領域7の屈
折率npにほぼ等しくすれば、入射光のS偏光成分に対
する屈折率変調が極めて小さくなり、S偏光成分は、回
折を起こさない。
【0049】一方、液晶は、常光線屈折率noと異常光
線屈折率neとの差が、0.1から0.2程度ある。そ
のため、入射方向が同じ光線であっても、P偏光成分に
とっては、液晶領域8とポリマ領域7において屈折率差
があり、回折する。すなわち、この場合、「H−PDL
C」は、位相変調ホログラムとして機能する。これが
「H−PDLC」の偏光選択性ホログラムの動作原理で
ある。
【0050】(B)液晶分子の長軸方向がポリマ領域と
の境界面に対して平行な場合 この場合は、液晶分子の長軸方向がポリマ領域7との境
界面に対して垂直な場合と比較し、液晶の配向方向が9
0°異なる。すると、P偏光成分に対する液晶領域の屈
折率noとポリマ領域7の屈折率npがほぼ等しくな
り、回折効率が0に近づく。一方、S偏光については、
液晶領域8とポリマ領域7とで屈折率に差が生じ、回折
が生じる。
【0051】液晶分子を配向させる技術としては、ポリ
イミドなどの配向膜を2枚のガラス基板1,2上にスピ
ンコートなどの手法により塗布し、加熱、焼成を行い、
ローラなどを用いて一定方向にラビング処理を行い、配
向させる方法が一般的に使用されている。また、ガラス
基板1,2上に透明電極を形成し「H−PDLC」セル
に電界を印加することによる配向方法もある。その他に
も、「H−PDLC」セルの外部から非常に大きい外部
電界や外部磁界をかけることによって液晶の配向を行う
方法がある。本発明では、高分子材料及び液晶の選択と
配合比の最適化を行うことにより、特別な配向処理を行
うことなく、液晶分子を干渉縞に対して垂直な方向に配
列させることができる。
【0052】
【実施例】〔実施例1〕以下、具体的な実施例を示す。
なお、「H−PDLC」材料の混合物は、可視光の中で
重合反応を始めないように、暗室中で材料の混合を行な
った。
【0053】チッソ(株)社製、シアノビフェニル系液
晶「SY1018XX」(商品名)を約40wt%、光
重合性3官能基モノマとして、束亜合成(株)社製「ア
ロニックスM−309」(商品名)(化学名:トリメチ
ロールプロパントリアクリレート)(下記〔化5〕)を
約22wt%、光重合性2官能基モノマとして、日本化
薬(株)社製「KAYARAD HX−220」(商品
名)(化学名:ε−カプロラクトン変性ヒドロキシピバ
リン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート)(下記
〔化6〕)を約22wt%、光重合性単官能基モノマと
して日本化薬(株)社製「KAYARAD R−128
H」(商品名)(化学名:2−ヒドロキシ−3−フェノ
キシプロピルアクリレート)(下記〔化7〕)を約16
wt%、光重合開始剤としてN−フェニルグリシン(上
記〔化1〕)を約0.5wt%、増感色素としてローズ
ベンガル(上記〔化2〕)を約0.5wt%を秤量し、
混合を行なった。
【0054】
【化5】
【0055】
【化6】
【0056】
【化7】
【0057】これらの混合には、撹絆機及び超音波を用
いて行なった。この混合物を、約5μmのギャップをも
って対向させたガラス基板の間に充填した。ギャップの
維持には、ガラス、または、プラスチックからなるスペ
ーサビーズを用いた。ガラス基板上には、応力緩衝層と
して、ポリイミド膜を膜厚30nmにて形成した。
【0058】そして、波長532nmのSHGレーザを
用いて、ガラス基板の同じ面方向から、2光束ホログラ
フィック露光を行ない、干渉縞の形成を行なった。ホロ
グラフィック露光は、振動による揺らぎを防ぐために、
レーザの強度を強くして、できるだけ短時間で露光を行
った。
【0059】レーザ露光を行なったサンプルには、高圧
水銀灯を光源として紫外線を照射し、高分子の未重合部
分を硬化させた。以上の工程により、セル内部で屈折率
が周期的に変化する「H−PDLC」を得た。
【0060】光重合性2官能基モノマは、「HX−22
0」の代わりに、日本化薬(株)社製「KAYARAD
MANDA」(商品名)(化学名:ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート)(下記
〔化8〕)を用いてもよい。
【0061】
【化8】
【0062】次に、図4に示した測定光学系において、
波長633nmのHe−Neレーザ11を用いて回折効
率の測定を行なった。回折効率は、回折光の強度が最も
高い角度で測定を行ない、回折効率の値は、次式によっ
て計算した。 〔回折効率〕=(〔回折光の強度Id〕/〔入射光の強度
Ii〕)×100(%) 測定結果は、P偏光の回折効率が約80%、S偏光の回
折効率が0.2%であった。偏光分離度は、P偏光回折
効率とS偏光の回折効率の比であるから、400以上と
なっていることがわがる。
【0063】さらに、ポリイミドを塗布してラビングを
行なったガラス基板に、混合した材料を充填して「H−
PDLC」を作成することにより、液晶の配向を制御す
ることができ、偏光分離度を高めることができた。
【0064】〔実施例2〕次に、チッソ(株)社製「シ
アノビフェニル系液晶SY1018XX」(商品名)を
約40wt%、光重合性3官能基モノマとして、東亜合
成株式会社アロニックス「M−309」(商品名)(化
学名:トリメチロールプロパントリアクリレート)を約
25wt%、光重合性2官能基モノマとして、日本化薬
(株)社製「KAYARAD HX−220」(商品
名)(化学名:ε−カプロラクトン変性ヒドロキシピバ
リン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート)を約2
5wt%、光重合性単官能基モノマとして「N−ビニル
−ピロリジノン」(下記〔化9〕)を約10wt%、光
重合開始剤としてN−フェニルグリシンを約0.5wt
%、増感色素としてローズベンガルを約0.5wt%を
秤量し、混合を行なった。
【0065】
【化9】
【0066】これらの混合には、撹絆機及び超音波を用
いて行なった。この混合物を、約5μmのギャップをも
って対向させたガラス基板の間に充填した。ギャップの
維持には、ガラス、または、プラスチックからなるスペ
ーサビーズを用いた。ガラス基板上には、応力緩衝層と
して、ポリイミド膜を膜厚30nmにて形成した。
【0067】そして、波長532nmのSHGレーザを
用いて、ガラス基板の同じ面方向から、2光束ホログラ
フィック露光を行ない、干渉縞の形成を行なった。ホロ
グラフィック露光は、振動による揺らぎを防ぐために、
レーザの強度を強くして、できるだけ短時間で露光を行
った。
【0068】レーザ露光を行なったサンプルには、高圧
水銀灯を光源として紫外線を照射し、高分子の未重合部
分を硬化させた。以上の工程により、セル内部で屈折率
が周期的に変化する「H−PDLC」を得た。
【0069】光重合性2官能基モノマは、「HX−22
0」の代わりに、日本化薬(株)社製「KAYARAD
MANDA」(商品名)(化学名:ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート)(上記
〔化8〕)を用いてもよい。
【0070】光重合開始材及び増感色素の組み合わせ
は、ローズベンガル及びN−フェニルグリシンの組み合
わせに限らず、露光を行なう波長に適した材料の組み合
わせを使用することができる。例えば、波長457nm
のSHGレーザ光を露光に使用する場合には、光重合開
始剤としては、N−フェニルグリシン、または、みどり
化学(株)社製「TAZ−101」(商品名)(化学
名:2,4,6トリス(トリクロロメチル)−S−トリ
アジン(上記〔化3〕)、増感色素としては、みどり化
学(株)社製「BC」(商品名)(化学名:3,3´−
カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン(上記
〔化4〕))の組み合わせを使用した。
【0071】次に、図4に示した測定光学系において、
波長633nmのHe−Neレーザ11を用いて回折効
率の測定を行なった。回折効率は、回折光の強度が最も
高い角度で測定を行ない、回折効率の値は、次式によっ
て計算した。〔回折効率〕=(〔回折光の強度Id〕/
〔入射光の強度Ii〕)×100(%)測定結果は、P偏
光の回折効率が約70%、S偏光の回折効率が0.3%
であった。偏光分離度は、P偏光回折効率とS偏光の回
折効率の比であるから、200以上となっていることが
わがる。
【0072】さらに、ポリイミドを塗布してラビングを
行なったガラス基板に、混合した材料を充填して「H−
PDLC」を作成することにより、液晶の配向を制御す
ることができ、偏光分離度を高めることができた。
【0073】〔実施例3〕上述の実施例1及び実施例2
で作製した「H−PDLC」パネルと反射型空間光変調
素子を用いて、図8に示すように、反射型画像表示装置
を構成することができる。すなわち、この反射型画像表
示装置においては、実施例1及び実施例2と同様の方法
で作製された「H−PDLC」パネル3に、反射型空間
光変調素子として反射型液晶パネル23が、「H−PD
LC」パネルとの界面22において、光学的に密着され
ている。この実施例における「H−PDLC」パネル
は、図8に示すように、この「H−PDLC」パネルの
同じ側より入射する物体光31(入射角0°)及び参照
光32(入射角θ1)の露光によって製造されている。
【0074】この反射型画像表示装置において、P偏光
成分とS偏光成分との両方を含む再生光32が、入射角
θ1で「H−PDLC」パネル3のガラス基板1より入
射する。ここで、屈折された入射光は、続いてホログラ
ム層に入射角θ2にて入射する。このとき、前述のよう
に、本構成の場合P偏光成分の光が回折され、反射型液
晶パネル23に対して、該垂直に入射光33として入射
する。
【0075】反射型液晶パネル23に入射した光は、画
像表示装置の信号に応じて、液晶層で変調を受け、アル
ミ反射面24で反射されて、ホログラム層に再度入射す
る。液晶層で変調されたS偏光成分の変調光は、アルミ
反射面24で反射されてホログラム層に再度入射したと
きに、ホログラム層にて回折されることなく、射出光3
5として「H−PDLC」パネル3から略々垂直に射出
する。液晶層で変調を受けなかったP偏光成分の光は、
アルミ反射面24で反射され、ホログラム層に再度入射
したときに、再び「H−PDLC」パネル3で回折さ
れ、射出光34として、再生光32の逆方向に戻る。
【0076】実際の画像表示においては、反射型液晶パ
ネルの画素ごとに光の変調が行なわれることにより、パ
ネル全体として画像表示が可能となる。
【0077】一方、再生光31のS偏光成分は、「H−
PDLC」パネル3のホログラム層において回折される
ことなく、そのままθ2の入射角にて反射型液晶パネル
23に入射する。
【0078】このとき、再生光31のS偏光成分は、反
射型液晶パネル23の液晶層を通過することによって偏
光状態の変調を受ける。しかし、アルミ反射面24で反
射された反射光36は、ホログラム層が厚いホログラム
であるため、回折条件に合致せず、S偏光成分はもちろ
んP偏光成分もほとんど回折されることなく、「H−P
DLC」パネル3を透過する。たとえP偏光成分の一部
が回折されたとしても、射出光35との射出方向が十分
に異なるので、これらは容易に分離することができる。
【0079】〔実施例4〕実施例1及び実施例2で作製
した「H−PDLC」を用いて、図9及び図10に示す
ように、透過型偏光選択性ホログラムカラースイッチと
反射型空間光変調素子とからなる反射型画像表示装置を
構成することができる。
【0080】すなわち、まず、実施例1及び実施例2で
使用した材料を、透明電極44を有するガラス基板43
によって所定の厚さとなして挟み込むことにより「H−
PDLC」パネルを作製する。この「H−PDLC」パ
ネルにおいて、液晶領域8の液晶分子46は、ポリマ領
域7との境界面に対して、垂直に配向されている。この
場合、前記の説明のように、S偏光成分の光はほとんど
回折されず、P偏光成分は回折される。この状態は、ガ
ラス基板の透明電極44,44間の電圧をオフ(0V)
にした状態と同等である。
【0081】次に、透明電極44を介して、「H−PD
LC」パネルに電圧を印加した状態の動作原理を説明す
る。パネル内部に電界が印加されると、誘電率異方性を
有する液晶分子46は、印加された電圧に応じた角度だ
け、光軸を電界方向に揃える方向に向く。このため、液
晶分子46の光軸方向を揃えることにより、入射光47
の偏光方向に関わらず、この入射光47が回折を起さな
いように制御することが可能である。
【0082】以上の原理により、入射光の一方の偏光を
回折させる、または、入射光の全方向の偏光を回折させ
ない、という2つの状態への切り替え動作を可能とな
る。このようなて「H−PDLC」パネルを、赤色回折
用41R、緑色回折用41G、青色回折用41Bとして
3枚構成し、これらを積層させることにより、ホログラ
ムカラースイッチとして動作させることができる。これ
ら赤色回折用、緑色回折用及び青色回折用の「H−PD
LC」パネル41R、41G、41Bは、それぞれ光学
的に接合されて積層されている。
【0083】入射光47は、透過型偏光選択性ホログラ
ムとなる「H−PDLC」パネル41R、41G、41
Bに入射し、P偏光成分のみが回折されて、反射型液晶
パネル42に入射する。S偏光成分は、「H−PDL
C」パネル内を回折を生じずに直進して、空気層に出る
際に全反射される。この光は、光吸収層を設けることに
よって吸収する。
【0084】反射型液晶パネル42に入射した入射光の
P偏光成分は、画像信号に従って変調されて反射され
る。反射された光のうちのP偏光成分は、「H−PDL
C」パネルで再び回折され、入射光47の方向へ戻る。
そして、反射型液晶パネル42によってS偏光成分に変
調された光は、「H−PDLC」パネルで回折を生じず
に直進する。このように直進した光は、プロジェクター
レンズなどを経て、スクリーンに投影され、画像を表示
する。
【0085】これら「H−PDLC」パネル41R、4
1G、41Bにおいては、ホログラムカラースイッチ駆
動回路45によって、順次電圧を印加されることによ
り、入射光47に含まれる、赤色光、緑色光、青色光を
時分割で回折させることができる。また、反射型液晶パ
ネル42は、各色に対応して時分割で光を変調する。ホ
ログラムカラースイッチとなる各「H−PDLC」パネ
ル41R、41G、41Bと、反射型液晶パネル42と
が、スイッチングされる色について同期することによ
り、カラー画像の生成を行なうことができる。
【0086】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る偏光選択性
ホログラム光学素子においては、光重合性多官能基モノ
マ、光重合性2官能基モノマ、光重合性単官能基モノ
マ、液晶、光重合開始剤及び増感色素の混合物から構成
された偏光選択性ホログラムにおいて、2官能基モノマ
に、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジア
クリレート、または、その付加化合物を用い、さらに、
光重合性モノマ材料の組み合わせ、液晶の選択、および
配合比の最適化を図ることにより、偏光選択性を向上さ
せることができた。
【0087】また、本発明に係る偏光選択性ホログラム
光学素子においては、入射光のP偏光成分に対する回折
効率を高くし、S偏光成分に対する回折効率を限りなく
0に近づけることが可能である。
【0088】さらに、本発明に係る偏光選択性ホログラ
ム光学素子においては、このような材料の組み合わせよ
り、材料による光の吸収を小さくし、デバイスの熱によ
る劣化を少なくすることが可能となった。また、光の散
乱を小さくすることが可能であり、このことにより、デ
バイスの光利用効率を向上させることが可能となる。
【0089】すなわち、本発明は、液晶と高分子材料を
利用して異方性領域と等方性領域を交互に積み重ねた構
造をもつホログラム光学素子であって、液晶の選択、各
種モノマの組み合わせ、光重合開始材と色素の組み合わ
せや、各種材料の配合比が特定され最適化されて、回折
効率が高く、偏光分離度が大きくなされた偏光選択性ホ
ログラム光学素子を提供し、また、このような偏光選択
性ホログラム光学素子を用いて構成された画像表示装置
を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏光選択性ホログラム光学素子の
製造方法(第1の工程)を示す縦断面図である。
【図2】上記偏光選択性ホログラム光学素子の製造方法
(第2の工程)を示す縦断面図である。
【図3】上記偏光選択性ホログラム光学素子の構成を示
す縦断面図である。
【図4】上記偏光選択性ホログラム光学素子についての
回折効率の測定方法を示す側面図である。
【図5】上記偏光選択性ホログラム光学素子の動作原理
(液晶分子が境界面に垂直な場合)を示す平面図であ
る。
【図6】上記偏光選択性ホログラム光学素子の動作原理
(液晶分子が境界面に垂直な場合)を示す縦断面図であ
る。
【図7】上記偏光選択性ホログラム光学素子の動作原理
(液晶分子が境界面に平行な場合)を示す平面図であ
る。
【図8】本発明に係る反射型画像表示装置の構成を示す
縦断面図である。
【図9】本発明に係る反射型画像表示装置の他の例を構
成する偏光選択性ホログラム光学素子を示す縦断面図で
ある。
【図10】本発明に係る反射型画像表示装置の他の例を
示す縦断面図である。
【図11】従来の偏光選択性ホログラム光学素子の構成
(電圧印加なし)を示す縦断面図である。
【図12】従来の偏光選択性ホログラム光学素子の構成
(電圧印加時)を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,2,43 ガラス基板、3,41R,41G,41
B 「H−PDLC」パネル、7 ポリマ領域、8 液
晶領域、10 応力緩衝層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 21/00 G03B 21/00 E 21/14 21/14 Z G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 511 511 7/027 502 7/027 502 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA11 AB13 AB20 AC08 AD01 BC13 BC32 BC38 BC42 BC82 BC83 FA10 FA30 2H049 AA12 AA34 AA53 BA05 BA42 BB36 BB63 BC10 CA05 CA15 CA22 CA28 2H091 FA02Y FA11X FA11Z FA14Z FA19Y FB02 FB04 GA01 GA06 JA02 LA30 4J027 AB10 AB18 AB28 AC02 AC03 AC04 AC06 BA06 BA07 BA13 BA19 BA23 BA24 BA26 CA24 CA25 CA34 CB10 CC07 CD04

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光重合性多官能基モノマ、光重合性2官
    能基モノマ、光重合性単官能基モノマ及び液晶の混合物
    を一対の光学基板間に所定の厚みの層に形成し、この層
    に対してホログラフィック露光をすることにより形成さ
    れた偏光選択性ホログラムにおいて、 上記光重合性2官能基モノマは、ヒドロキシピバリン酸
    ネオペンチルグリコールジアクリレート、または、その
    付加化合物であることを特徴とする偏光選択性ホログラ
    ム光学素子。
  2. 【請求項2】 光重合性2官能基モノマに、ε−カプロ
    ラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
    ールジアクリレートを含むことを特徴とする請求項1記
    載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  3. 【請求項3】 光重合性単官能基モノマに、2−ヒドロ
    キシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを用いたこ
    とを特徴とする請求項1記載の偏光選択性ホログラム光
    学素子。
  4. 【請求項4】 光重合性単官能基モノマに、N−ビニル
    −ピロリジノンを用いたことを特徴とする請求項1記載
    の偏光選択性ホログラム光学素子。
  5. 【請求項5】 光重合性多官能基モノマに、トリメチロ
    ールプロパントリアクリレートを用いたことを特徴とす
    る請求項1記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  6. 【請求項6】 単官能基モノマの混合比が混合物全体の
    5wt%乃至20wt%となっていることを特徴とする
    請求項1記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  7. 【請求項7】 2官能基モノマの混合比が混合物全体の
    10wt%乃至40wt%となっていることを特徴とす
    る請求項1記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  8. 【請求項8】 多官能基モノマの混合比が混合物全体の
    20wt%乃至40wt%となっていることを特徴とす
    る請求項1記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  9. 【請求項9】 液晶にシアノビフェニル系液晶を用いた
    ことを特徴とする請求項1記載の偏光選択性ホログラム
    光学素子。
  10. 【請求項10】 液晶の混合比が混合物全体の30wt
    %乃至50wt%となっていることを特徴とする請求項
    1記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  11. 【請求項11】 液晶材料は、配向規制手段により配向
    制御されていることを特徴とする請求項1記載の偏光選
    択性ホログラム光学素子。
  12. 【請求項12】 2枚の光学基板は、透明電極を有し、
    これら透明電極への印加電圧により液晶方位を可変制御
    することを特徴とする請求項1記載の偏光選択性ホログ
    ラム光学素子。
  13. 【請求項13】 一対の光学基板間に、官能基を1つ以
    上持つ光重合性モノマの少なくとも1種類と液晶とから
    構成された混合物により所定の厚みの層を形成し、この
    層に対してホログラフィック露光を行って形成された偏
    光選択性ホログラム光学素子であって、 上記光学基板上には、応力緩衝層が設けられていること
    を特徴とする偏光選択性ホログラム光学素子。
  14. 【請求項14】 応力緩衝層は、有機膜により形成され
    ていることを特徴とする請求項13記載の偏光選択性ホ
    ログラム光学素子。
  15. 【請求項15】 光重合モノマは、光重合性多官能基モ
    ノマ、光重合性2官能基モノマ及び光重合性単官能基モ
    ノマの混合物から構成されていることを特徴とする請求
    項13記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  16. 【請求項16】 光重合性2官能基モノマは、ヒドロキ
    シピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、
    もしくは、その付加化合物であることを特徴とする請求
    項15記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  17. 【請求項17】 光重合性2官能基モノマに、ε−カプ
    ロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリ
    コールジアクリレートを用いたことを特徴とする請求項
    15記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  18. 【請求項18】 光重合性単官能基モノマに、2−ヒド
    ロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを用いた
    ことを特徴とする請求項15記載の偏光選択性ホログラ
    ム光学素子。
  19. 【請求項19】 光重合性単官能基モノマに、N−ビニ
    ル−ピロリジノンを用いたことを特徴とする請求項15
    記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  20. 【請求項20】 光重合性多官能基モノマに、トリメチ
    ロールプロパントリアクリレートを用いたことを特徴と
    する請求項15記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  21. 【請求項21】 単官能基モノマの混合比が混合物全体
    の5wt%乃至20wt%となっていることを特徴とす
    る請求項15記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  22. 【請求項22】 2官能基モノマの混合比が混合物全体
    の10wt%乃至40wt%となっていることを特徴と
    する請求項15記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  23. 【請求項23】 多官能基モノマの混合比が混合物全体
    の20wt%乃至40wt%となっていることを特徴と
    する請求項15記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  24. 【請求項24】 液晶にシアノビフェニル系液晶を用い
    たことを特徴とする請求項13記載の偏光選択性ホログ
    ラム光学素子。
  25. 【請求項25】 液晶の混合比が混合物全体の30wt
    %乃至50wt%となっていることを特徴とする請求項
    13記載の偏光選択性ホログラム光学素子。
  26. 【請求項26】 液晶材料は、配向規制手段により配向
    制御されていることを特徴とする請求項13記載の偏光
    選択性ホログラム光学素子。
  27. 【請求項27】 2枚の光学基板は、透明電極を有し、
    これら透明電極への印加電圧により液晶方位を可変制御
    することを特徴とする請求項13記載の偏光選択性ホロ
    グラム光学素子。
  28. 【請求項28】 光重合性多官能基モノマ、光重合性2
    官能基モノマ、光重合性単官能基モノマ、液晶、光重合
    開始剤及び増感色素の混合物により2枚の光学基板間に
    おいて形成された所定の厚みの層にホログラフィック露
    光がなされて形成され、照明光を回折する偏光選択性ホ
    ログラム光学素子と、 上記偏光選択性ホログラム光学素子により回折された照
    明光の偏光状態を変調する反射型空間光変調素子とを備
    え、 上記偏光選択性ホログラム光学素子における光重合性2
    官能基モノマは、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグ
    リコールジアクリレート、または、その付加化合物であ
    って、 上記偏光選択性ホログラム光学素子は、上記照明光が、
    この偏光選択性ホログラム光学素子の照明光受光面の法
    線に対して、30°以上90°未満の入射角を有して入
    射され、この照明光のP偏光成分、または、S偏光成分
    を、上記反射型空間光変調素子に向けて回折させるとと
    もに、該反射型空間光変調素子において位相変調されて
    反射され再入射する照明光のうち、1回目の入射におい
    て回折された偏光成分と直行する偏光成分に対する回折
    効率が10%以下であることにより、この偏光成分の7
    0%以上をそのまま透過させることを特徴とする画像表
    示装置。
  29. 【請求項29】 光重合性2官能基モノマに、ε−カプ
    ロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリ
    コールジアクリレートを用いたことを特徴とする請求項
    28の画像表示装置。
  30. 【請求項30】 光重合性単官能基モノマに、2−ヒド
    ロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを用いた
    ことを特徴とする請求項28の画像表示装置。
  31. 【請求項31】 光重合性単官能基モノマに、N−ビニ
    ル−ピロリジノンを用いたことを特徴とする請求項28
    記載の画像表示装置。
  32. 【請求項32】 光重合性多官能基モノマに、トリメチ
    ロールプロパントリアクリレートを用いたことを特徴と
    する請求項28の画像表示装置。
  33. 【請求項33】 単官能基モノマの混合比が混合物全体
    の5wt%乃至20wt%となっていることを特徴とす
    る請求項28の画像表示装置。
  34. 【請求項34】 2官能基モノマの混合比が混合物全体
    の10wt%乃至40wt%となっていることを特徴と
    する請求項28の画像表示装置。
  35. 【請求項35】 多官能基モノマの混合比が混合物全体
    の20wt%乃至40wt%となっていることを特徴と
    する請求項28の画像表示装置。
  36. 【請求項36】 液晶にシアノビフェニル系液晶を用い
    たことを特徴とする請求項28の画像表示装置。
  37. 【請求項37】 液晶の混合比が混合物全体の30wt
    %乃至50wt%となっていることを特徴とする請求項
    28の画像表示装置。
  38. 【請求項38】 液晶材料は、配向規制手段により配向
    制御されていることを特徴とする請求項28の画像表示
    装置。
  39. 【請求項39】 2枚の光学基板は、透明電極を有し、
    これら透明電極への印加電圧により液晶方位を可変制御
    することを特徴とする請求項28の画像表示装置。
  40. 【請求項40】 それぞれが一対の光学基板とこれら光
    学基板間に該光学基板の主面部に沿う方向に順次交互に
    配列され屈折率異方性が互いに異なる状態を取りうる第
    1の領域及び第2の領域が交互に配列されて形成された
    光回折層とを有し、回折効率の波長依存性が互い異な
    り、積層されて配設され、それぞれが一方の光学基板を
    透して照明光を入射される複数の偏光選択性ホログラム
    光学素子と、 上記各偏光選択性ホログラム光学素子の各光回折層の第
    1の領域及び第2の領域の少なくとも一方に電界を印加
    することにより、該第1の領域及び第2の領域のうち少
    なくとも一方の屈折率異方性を変化させる電界印加手段
    と、 上記電界印加手段を制御し、上記各偏光選択性ホログラ
    ム光学素子における回折波長帯域の切り替えを行なう偏
    光選択性ホログラム光学素子駆動手段と、 上記各偏光選択性ホログラム光学素子により、選択的に
    回折される照明光が入射され、この照明光に含まれる各
    色光の偏光状態を該色光の選択に同期して変調する反射
    型空間光変調素子と、 入力される画像信号を処理し、この処理結果に基づいて
    上記反射型空間光変調素子を駆動して、この反射型空間
    光変調素子に入射される各色光に対応したモノクロ画像
    表示を行なわせる反射型空間光変調素子駆動手段とを備
    え、 上記各偏光選択性ホログラム光学素子は、光回折層が、
    光重合性多官能基モノマ、ヒドロキシピバリン酸ネオペ
    ンチルグリコールジアクリレート、または、その付加化
    合物である光重合性2官能基モノマ、光重合性単官能基
    モノマ、液晶、光重合開始剤及び増感色素の混合物によ
    り上記一対の光学基板間において形成された所定の厚み
    の層にホログラフィック露光がなされて形成されたもの
    であって、上記照明光が、この偏光選択性ホログラム光
    学素子の照明光受光面の法線に対して、30°以上90
    °未満の入射角を有して入射され、回折効率を上記電界
    印加手段により制御されつつ、入射された照明光のP偏
    光成分、または、S偏光成分を、上記反射型空間光変調
    素子に向けて回折させるとともに、該反射型空間光変調
    素子において位相変調されて反射され再入射する照明光
    のうち、1回目の入射において回折された偏光成分と直
    行する偏光成分に対する回折効率が10%以下であるこ
    とにより、この偏光成分の70%以上をそのまま透過さ
    せることを特徴とする画像表示装置。
  41. 【請求項41】 光重合性2官能基モノマに、ε−カプ
    ロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリ
    コールジアクリレートを用いたことを特徴とする請求項
    40の画像表示装置。
  42. 【請求項42】 光重合性単官能基モノマに、2−ヒド
    ロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを用いた
    ことを特徴とする請求項40の画像表示装置。
  43. 【請求項43】 光重合性単官能基モノマに、N−ビニ
    ル−ピロリジノンを用いたことを特徴とする請求項40
    記載の画像表示装置。
  44. 【請求項44】 光重合性多官能基モノマに、トリメチ
    ロールプロパントリアクリレートを用いたことを特徴と
    する請求項40の画像表示装置。
  45. 【請求項45】 単官能基モノマの混合比が混合物全体
    の5wt%乃至20wt%となっていることを特徴とす
    る請求項40の画像表示装置。
  46. 【請求項46】 2官能基モノマの混合比が混合物全体
    の10wt%乃至40wt%となっていることを特徴と
    する請求項40の画像表示装置。
  47. 【請求項47】 多官能基モノマの混合比が混合物全体
    の20wt%乃至40wt%となっていることを特徴と
    する請求項40の画像表示装置。
  48. 【請求項48】 液晶にシアノビフェニル系液晶を用い
    たことを特徴とする請求項40の画像表示装置。
  49. 【請求項49】 液晶の混合比が混合物全体の30wt
    %乃至50wt%となっていることを特徴とする請求項
    40の画像表示装置。
  50. 【請求項50】 液晶材料は、配向規制手段により配向
    制御されていることを特徴とする請求項28の画像表示
    装置。
  51. 【請求項51】 2枚の光学基板は、透明電極を有し、
    これら透明電極への印加電圧により液晶方位を可変制御
    することを特徴とする請求項40の画像表示装置。
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