JP2000356757A - 偏光照明装置 - Google Patents

偏光照明装置

Info

Publication number
JP2000356757A
JP2000356757A JP2000113488A JP2000113488A JP2000356757A JP 2000356757 A JP2000356757 A JP 2000356757A JP 2000113488 A JP2000113488 A JP 2000113488A JP 2000113488 A JP2000113488 A JP 2000113488A JP 2000356757 A JP2000356757 A JP 2000356757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
diffractive optical
optical element
liquid crystal
polarization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000113488A
Other languages
English (en)
Inventor
Akifumi Ogiwara
昭文 荻原
Yasunori Kuratomi
靖規 藏富
Narumasa Yamagishi
成多 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000113488A priority Critical patent/JP2000356757A/ja
Publication of JP2000356757A publication Critical patent/JP2000356757A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 白色光に対しても、各部が均一となる偏光照
明装置を提供する。 【解決手段】 液晶と高分子を含む光学媒体からなる回
折光学素子の回折方向を光軸に対し対称にし、光軸近傍
の回折角を大きくし周辺を小さくする。また2つの回折
光学素子により回折角の波長依存性を補償する。これら
により、回折角の波長依存性の悪影響を除去し、併せて
光利用効率を向上させる。液晶表示装置のバックライト
として使用する場合には、更に寸法、他の光学素子にも
工夫を凝らす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光照射装置に関
し、特に投写型プロジェクター等の画像表示装置及び光
記録または読みとりを行う光情報処理装置に用いられる
偏光照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶素子を用いた画像表示装置は、薄
く、軽量であるためノート型パソコンのモニターや携帯
情報端末用のモニターとして幅広く用いられている。ま
た、近年の解像度や輝度の向上に伴って1インチ程度の
小型の液晶ライトバルブの映像を拡大投写系によって大
きなスクリーンに表示する投写型プロジェクターも大き
な市場が期待されている。
【0003】ところで、これらに用いられる液晶素子の
表示は一般には光の偏光を利用することで行われる。こ
のため、偏光子や偏光ビームスプリッタ等により偏光の
方向を揃える必要があり、このため、そのままでは通常
の白色光源の全てを利用することはできない。
【0004】さて、プロジェクターの使用においては、
ビル内の通常の道路に面した比較的明るい壁面や特殊な
ショウウィンドウに投写することが多い。このため、歩
行者の安全の面等から室内をあまり暗くしなくても認識
できる充分に明るい投写画像であることへの要求が高
い。従って、液晶ライトバルブの光の利用効率を向上さ
せることが重要である。
【0005】さてこの場合、単に利用効率が高いだけで
なく、投写画面全体が均一に明るいことが重要である。
そして、この照明領域の均一性を高める光学系として、
特開平3−11180号公報または特開平5−3465
57号公報には、2枚のレンズ板を用いたインテグレー
タ光学系が開示されている。これらは原理的には露光機
に使用されているものと同じであり、光源からの平行光
束を複数の矩形レンズによって分割し、各矩形レンズの
像を各矩形レンズに1対1で対応するリレーレンズで液
晶ライトバルブに重畳結像させるものである。
【0006】特開平7−294906号公報には、レン
ズ板とプリズムを組み合わせた偏光変換素子が報告され
ている。この概略を図1に示す。これは、アレイ状のレ
ンズが形成されたレンズ板101に入射した光波は光束
が絞られて、プリズム102に入射する。ここでP波1
05はそのまま通過し、S波904はプリズムで反射さ
れて隣のプリズムに入射し、再び反射され90°角度を
変化する。そして、光路中に置かれた位相板103を通
過して偏光方向を90°回転してP波として出射する。
以上のようにレンズ板101とプリズム102との組み
合わせによって、これを出射した光波は偏光方向が揃っ
た光束となる。
【0007】次に、光透過型の液晶表示装置において
は、様々のタイプのバックライト(含む、サイドライト
等)が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】投写型液晶表示装置の
偏光照明装置のプリズムを用いた偏光分離素子では、一
旦レンズ板により光束を絞り1列おきにプリズムアレイ
に入射する。そして、プリズムは偏光ビームスプリッタ
の機能を有するため、例えばP波を透過しS波は直角に
反射される。更に、反射されたS波は隣のプリズムで直
角に反射され光の伝搬方向が先のP波と等しくなる。こ
の後、光路中に置かれた1/2波長板等の位相板によっ
て90°偏光方向が回転されP波となって出射する。
【0009】以上のような作用が小さな各プリズム毎に
行われるため、レンズ板に入射した光波は光束の幅を大
きく変えることなく偏光方向が揃った光束を得ることが
できる。
【0010】またここに、プリズムは、誘電体多層膜と
屈折率マッチングをとるための液体または固体で回りを
満たしたキューブ形状で構成される。偏光分離度を高め
るためには何重にも誘電体多層膜を形成する必要があ
り、製造コストが上昇する。また、分離膜は光の伝搬方
向を90°曲げるため45°に配置している。このた
め、各プリズムを構成する分離膜の大きさによって厚さ
方向の分離素子の大きさが固定され、素子を薄く小型に
できない。
【0011】更に、レンズ板により集光された各々の光
束のプリズムアレイへの入射位置を厳密に設定する必要
があり、素子同士のアライメントを精密にする必要があ
る。
【0012】いま、特開平5−346557号公報に示
すように光利用効率を向上させる目的で、図1に示すよ
うなレンズ板の各レンズの大きさを領域毎に変えること
を考える。この場合、各プリズムも各レンズの大きさに
併せて領域毎に変えなければならない。このため、素子
が複雑になり、製造コストが増加する。
【0013】また、照明光の均一性を向上するためには
先のインテグレータのレンズ板の各レンズの数を増加す
ることが必要となる。この際、プリズムもレンズの増加
に併せて微細化されなければならない。しかしながら、
図1に示すような多数のプリズム構造をmm単位で均一
性よく形成することは困難であり、アライメントについ
ても更に精度が要求される。
【0014】このため、高効率、かつ安価で簡易な構成
の偏光照明装置の開発が望まれていた。
【0015】次に、液晶表示装置、特に偏光を利用する
タイプの液晶表示装置のバックライトとしての偏光照明
装置においても、高効率、かつ安価で簡易な構成のもの
の開発が望まれていた。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決することを目的としてなされたものであり、偏光照
明装置に、偏光分離機能を有する回折光学素子を用い、
更にこの回折機能に回折角の波長依存性に対する補償措
置を備えたものである。
【0017】また、液晶表示装置のバックライトとして
の偏光照明装置においても、他の光学素子等との組み合
わせ等につき様々の工夫を凝らしたものである。
【0018】具体的には、以下の構成としている。
【0019】1の発明においては、光源と、第1レンズ
アレイ及び第2レンズアレイからなるインテグレータ
と、屈折率異方性を有する上流側と下流側の回折光学素
子と、偏光部とが光の流れの順に配列された偏光照明装
置であって、回折光学素子は屈折率異方性の大きい
(0.1以上、好ましくは0.15以上、より好ましく
は0.2以上)液晶を含んだ帯状の周期構造が光軸に直
交する方向、例えば上下方向に一様に配列されて形成さ
れ、この周期構造の屈折率の相違の基で光源からのS波
成分をそのまま透過し、P波成分を回折し、所定の角度
の方向へ屈折させる機能を有している。更に、P波の回
折される方向が上流側、下流側いずれの回折光学素子と
も光軸(利用する光束の中心)を通りこれに直交する直
線の一方に対し、すなわち例えば上下、左右等に対して
対称となり、その上、上流側と下流側ではこの直線の同
一方向側、例えば上側では屈折方向が逆となる。これに
より、色むらの発生を防止している。
【0020】またこの際、周期構造のピッチは、可視光
の波長に相応したものとしている。
【0021】また他の発明においては、光源からのS波
成分を透過し、P波成分を回折する機能は同じである
が、P波の回折される角度が光量の多い光軸近傍の中央
部は少ない周辺部より大きいようにしている。
【0022】また他の発明においては、インテグレータ
より回折光学素子に集光される光束あるいは中心部の光
束の幅をaとし、光の進行方向における2つの回折光学
素子間の間隔をdするとき、上流側の回折光学素子から
の回折角θは、θ≧tan-1a/dを満たすようにし
て、効率を上げている。
【0023】また他の発明においては、光源と、第1レ
ンズアレイ及び第2レンズアレイからなるインテグレー
タと、第1レンズアレイと第2レンズアレイの中間に配
置された屈折率異方性を有する回折光学素子とを有し、
回折光学素子は帯状の樹脂と、同じく帯状の一様に配列
された液晶とからなる周期構造を有し、光源からのS波
成分を透過し、P波成分を回折する機能を有しており、
更に第2レンズアレイは開口中心と曲率中心が一致する
レンズと開口中心と曲率中心が異なるレンズが交互に並
んだレンズ群によりなる。
【0024】これにより、回折光学素子を透過したS波
は開口中心と曲率中心が一致したレンズ群に入射し、回
折したP波は開口中心と曲率中心が異なるレンズ群に入
射する。あるいはそのようにしていることが望ましい。
【0025】また他の発明においては、光源と、第1レ
ンズアレイ及び第2レンズアレイからなるインテグレー
タと、屈折率異方性を有する回折光学素子と、2次元的
にλ/2板が形成された位相板を有し、回折光学素子は
一様に配列された液晶を含んだ周期構造が形成され、光
源からのS波成分を透過し、P波成分を回折する機能を
有している。そしてこのλ/2板の面積が、光軸近傍の
中央部に対し周辺部では小さくなる。これにより、光度
の大な中央部が効率よく利用され、全体の効率が上昇す
る。
【0026】また他の発明においては、位相板に形成さ
れた領域毎のλ/2板の形状が、インテグレータから集
光された光束と概ね等しい(面積の不揃いが20%以
内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内)
ことが望ましい。
【0027】また他の発明においては、位相板はラビン
グによる配向処理が施された高分子からなる薄膜を形成
した透明絶縁性基板で挟まれた領域に光(紫外線やこれ
を含む光を含む)硬化型液晶を封入し、2次元形状(平
面)のフォトマスクを介して均一な紫外光(現時点で
は)を照射して形成されている。(従って、透明絶縁基
板そのものは、製品として完成時にはないこともあり、
単にあるだけでなく反射防止膜等が付与されていること
もある。)また他の発明においては、回折光学素子の回
折機能は、屈折率異方性を有する液晶の帯の周期構造に
て発揮されており、入射光の1方向の偏波成分(P波も
しくはS波)に対し周期構造に対応した屈折率分布を生
じ、この屈折率差により光の回折を生じる。そして、回
折効率は、入射光の帯に直角する偏波成分に対し概ね
(80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは
90%以上、更に好ましくは95%以上)、そしてこの
偏波成分に直交するあるいは帯方向の偏波成分光(S波
もしくはP波)に対してはそのまま直進させる機能を有
している。
【0028】また他の発明においては、回折光学素子の
回折機能を発揮させる周期構造は、屈折率異方性を有す
る液晶の光軸の傾斜によりなされている。
【0029】また他の発明においては、光学媒体は、レ
ーザ光の干渉縞を利用するため、光重合開始剤及びレー
ザ光の波長を吸収するための色素を含んでいる(より正
確には、反応で使用されつくすことも有りうるため、製
造時に含んでいる)。
【0030】また他の発明においては、回折光学素子が
一様に配列された液晶を含んでなり、液晶には光重合性
モノマーまたは光架橋可能液晶ポリマーが添加され、フ
ォトソグラフィで多用される紫外領域の光照射に対し、
液晶の分子軸の方向が固定化がされている。このため、
製造にも都合がよい。
【0031】また、他の発明においては、偏光照射装置
は、ワードプロセッサ等の液晶表示装置の、特に偏光を
利用するそして透過型の液晶表示装置の光源に使用され
ている。
【0032】また他の発明においては、液晶表示装置の
光源としての機能発揮のため位相板等を組み合わせてい
る。
【0033】また、他の発明においては、回折光学素子
の光軸に直交する方向の断面は、重量、サイズ、効率の
兼ねあいの基で導光板とほぼ同一(±20%以内の誤
差、好ましくは±10%以内の誤差、より好ましくは±
5以内の誤差)の広さとしている。
【0034】また、他の発明においては、回折光学素子
からの回折光と位相板の面積はほぼ同一としている。
【0035】また他の発明においては、回折光等を反射
する反射板の偏光の変更特性に考慮を払っている。また
このため、反射板の表面形状に工夫を凝らしている。
【0036】また他の発明においては、導光体の背面
(反表示側)に反射膜を形成し、更に均一な表示面明る
さを得るべく、この背面の形状に工夫を凝らしている。
具体的には、光源から遠ければ、反射する光束の断面積
を多くする等である。
【0037】また他の発明においては、光源が例えば
赤、緑、青の3原色の、そして原則として多数の発光素
子であり、その下流側の回折光学素子はこれら各色の発
光素子に対応して分割して設けられ、その波長に適切な
周期構造が形成されている。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づいて説明する。
【0039】(第1の実施の形態)本実施の形態の回折
光学素子を用いた偏光照明装置を図2に示す。
【0040】光源11や一旦反射鏡10に反射された光
源からのP波とS波を含む光波は、上流側の第1レンズ
群(微小なレンズが多数配置されたレンズアレイ)12
と下流側の第2レンズ群13よりなるインテグレータ1
4に入射する。この光波は上流側の回折光学素子15近
傍に配置された第2レンズ群13の各レンズで集光され
た後、上流側の回折光学素子15、下流側の回折光学素
子16(以下、これら2つの回折光学素子を併記する場
合、単に「回折光学素子15、同16」とも記す)に入
射し偏光方向が揃った光に変換される。
【0041】ここで使用した回折光学素子15、同16
は、いずれも光軸に対して左右で回折方向が対称となる
ように製作されており、それぞれは等しい回折特性を有
し、本図に示すようにS波はそのまま透過し、P波は回
折する。更に、2つの回折光学素子の回折角は(上下な
ら上下で)逆である。
【0042】なおここで、2つのレンズ群を使用するの
は、反射鏡11の各部は光源からの距離が相違するた
め、そのままでは光束の光量は中心軸からの距離等位置
によって相違し、ひいては投写した画像の周辺部が中央
部に比較して暗くなる。このため、そのようにならなう
よう光束内の位置による光量を平均化するためである。
ただし、これについては、いわゆる周知技術なので、そ
のこと自体のこれ以上詳しい説明は省略する。
【0043】以下、この偏光照明装置の作用について説
明する。
【0044】まず、インテグレータ14の第2レンズア
レイ13により絞られたそれぞれの光波は回折光学素子
15に入射し、S波は光路を変えずに次の並列に置かれ
た回折光学素子16に入射する。一方、P波は回折光学
素子15により前述した原理に基づき回折され光路を変
化して回折光学素子16に入射する。この回折光学素子
16、同15のP波とS波に対する特性は等しく、更に
P波に対する回折方向は逆であるため、P波は再び逆の
向きへ回折され、進行方向が先の回折光学素子15に入
射するときと等しくなって出る。
【0045】但し、P波の回折光学素子16への入射位
置は直進したS波に対して回折光学素子15、同16の
間隔分だけずれることになる。このため、回折光学素子
16上ではS波とP波の領域は重複しないように回折角
と間隔により調節され、これがインテグレータの各レン
ズ毎に行われる。
【0046】また、インテグレータ14により光束の幅
が一旦1/2程度に絞られて回折光学素子15に入射す
るようにしている。このため、回折光学素子16上でS
波とP波の領域を交互に形成したため、これにより位相
板17近傍等で光束の占める領域が倍程度に広がって
も、光束全体の面積は元の場合と概ね変わらない。すな
わち、単位面積当りの光量は同じである。回折光学素子
16上のP波が入射する位置に本図に示すように位相板
17としてλ/2波長板を配置することで、ここに入射
したP波が変調されてS波となって出る。
【0047】以上の作用により、回折光学素子16を出
た後の光波は、光源11から出た時と概ね変わらない面
積のまま偏光方向のみがS波に揃った光波として利用で
きることになる。
【0048】本実施の形態の回折光学素子は、μmオー
ダーの周期構造が形成されており、入射する光波は素子
のどの位置でもよい。つまり、回折光学素子15とイン
テグレータ14との位置合わせは、それほど厳密でなく
てもよい、いわゆるアライメントフリーである。このた
め、基本構成は回折光学素子16上にインテグレータの
ピッチに対応して位相板17を設け、更に回折光学素子
15、同16の奥行き方向の位置を合わせるだけの簡便
なものとなる。
【0049】更に、光源11からの光波の均一性を向上
するためにはインテグレータのレンズアレイのレンズサ
イズを小さくし且つ数を増やすことが必要になる。この
ような場合に対しても本図の示す構成では回折光学素子
15、同16は上述したようにμmオーダーの微細構造
から形成されているため、インテグレータ14を構成す
るレンズ群の数やサイズが変化しても、回折光学素子1
6上に形成する位相板の位置を変化するだけで対応する
ことが可能となる。従ってコストについても大きな増加
なく対処することができる。
【0050】例えば、インテグレータを構成する第1レ
ンズアレイ及び第2レンズアレイのレンズを、中央部分
では大きく周辺は小さくなるよう領域毎に変化させた場
合を考える。この設計によりライトバルブに対する光利
用効率を向上することが可能となる。このような場合に
おいても、本図に示す回折光学素子15、同16は入射
光束位置を限定しないため、基本的にそのままの構成で
利用可能である。
【0051】さて、白色光が回折光学素子に入射した場
合、波長により回折角が変わる。このため、回折光学素
子15からの回折光は波長が長いほど回折角は大きくな
る。従って、白色光に含まれるR(赤)、G光(緑)、
B光(青)が色分離されて後流側の回折光学素子16に
入射する。ここで、再び回折作用を受け、P波は光軸と
平行な方向へと出射するが、回折角の波長依存性により
回折光学素子15と同16の間隔に対応する量だけ回折
光学素子16上において回折されたP波光束は周辺部で
色分離を生じる。この光束は、位相板17によって偏波
面が回転されS波に揃った光束として出射し、集光レン
ズ18及びフィールドレンズ19によりライトバルブ2
0に結像される。ライトバルブ上では先の回折光学素子
16上における回折パターンが結像される。このため、
そのままではライトバルブの周辺においてわずかに色分
離した像が結像され、色度または光強度の不均一性の原
図となる。
【0052】このため、本実施の形態の偏光照明装置で
は、回折光学素子15、同16が光軸に対し左右あるい
は上下(図では上下)で回折方向が対称となるようにし
ている。この場合、上流側の回折光学素子15に回折さ
れた光束は後流側の回折光学素子16上に波長により回
折角が異なった形態で入射する。さてこの場合、回折光
学素子16上の光軸の両側(図の上下側)では回折方向
が対称となっているため波長に対する色分離の仕方が対
称となる。つまり、光軸に近い位置から光軸に対称に青
(B)、緑(G)、赤(R)の順で分離する。
【0053】これが集光レンズ18とフィールドレンズ
19を介してライトバルブ20上に結像されるとき、結
像位置では2つの回折パターンが左右対称になる。つま
り、周辺においてB光とR光が重畳し回折に基づく色分
離からの色度変化または光強度分布が補償(あるいは、
相殺、キャンセル)され、色、明度とも均一な画質とな
る。
【0054】以上の説明で判るように、本実施の形態に
おいては回折光学素子15と同16の回折方向を光軸に
対して対称に設計して、アライメントフリーの特長を保
持したままライトバルブの画質劣化も防止することが可
能となる。
【0055】次に、本実施の形態の回折光学素子15、
同16の製作方法について図3を用いて説明する。
【0056】まず、干渉縞を露光するための光源として
は、例えば、Arレーザからの515nm前後の波長の
出射光が利用できる。これをビームエキスパンダ等によ
って直径30mm〜100mm程度のビームに広げた
後、ビームスプリッタ等により2方向に分割し、ミラー
等を組み合わせて回折光学素子上に照射する干渉縞を形
成する。ただし、このこと自体はホログラム等で広く知
られた技術であるので、その詳細な説明は省略する。
【0057】次に、回折光学素子の製作手順について説
明する。
【0058】ガラス基板21をダストを除去するために
洗浄した後、このガラス基板上に液晶と高分子を混合し
た光学媒体をスパチュラ等で滴下し、この上方からもう
1枚のガラス基板22を張り合わせ、これら2枚のガラ
ス基板21、22間に光学媒体25が封入されたセルを
作製した。
【0059】なおここに、光学媒体の液晶としてはネマ
ティック液晶を、高分子材料としてはモノマーやオリゴ
マーを使用した。具体的には、Phenylglyci
dil ether acrylate hexame
thylene diisocyanate uret
hane prepolymer,2−Hydroxy
ethul Methacrylate,Dimeth
ylol tricyclodecane diacr
ylate等が利用できる。
【0060】なお、本実施の形態で使用した液晶は正の
誘電異方性を有するものであるが、負の誘電異方性を有
するものであっても良いのは勿論である。更に、光重合
開始剤としてはN−Phenylglycineを、5
15nm付近のレーザ波長の光を吸収するための色素と
してはDibromofluoresceine等を添
加してもよい。なおまた、セルのギャップの均一性を保
つため、直径数μm程度のビーズ(図示せず)を添加し
ていてもよい。
【0061】以上のようにして製作した液晶サンプルを
ペルチェ素子からなる温度制御付きの装置により一定温
度に保持し、先に述べたArレーザを用いて干渉縞の露
光を行った。まず、光学系の作製位置に回折光学素子1
5をセッティングした。また、シャッタにより露光時間
を調節した。更に、ミラーを調整することで、サンプル
位置には、1μmピッチ程度の干渉縞が形成されるよう
にした。図3の(a)、(b)はこの状態を示す。なお
図において、干渉縞は紙面に直交する方向に帯状とな
り、また縞は左右方向に多数形成される。なおまた、こ
の詳細は後に説明する。
【0062】ここで、サンプル位置に形成される干渉縞
のピッチとミラーによるレーザ2光束の交角及びレーザ
の波長との関係は以下の式で表すことができる。
【0063】 (式1) ピッチ:P=λ/2sinθ ;λはレーザ波長、θは交角 サンプル上に形成される干渉縞のピッチは2光束の交角
が大きいほど、またレーザ波長が短いほど小さくなる。
なお、この際のArレーザの照射強度は50mW〜10
0mW程度であった。
【0064】また、回折方向の設計については露光時の
サンプルのセッティング角度において行うことができ
る。回折光学素子15の基板面に垂直方向に対し、左右
15°ずつの角度、つまり露光角30°とした場合は、
(式1)より干渉縞のピッチは1μmで格子の向きはガ
ラス基板面に対して垂直に形成される。これに対しサン
プルの角度を例えば15°回転させてセッティングした
場合、格子ピッチは1μmと同じであるが、格子は基板
面に垂直な方向から15°斜めに形成される。このと
き、回折光学素子15のガラス面に垂直に入射したP波
は進行方向に対し30°左に回折される。このようにレ
ーザ露光時のサンプルのセッティング角度を変化させる
ことで回折方向を制御することができる。
【0065】図2に示すように回折光学素子15、同1
6の回折特性を光軸に対し左右対称とするには、露光サ
ンプルに対しセッティング角度を対称に変化させて2回
露光を行えばよい。具体的には、まずサンプルの中心に
対し左右(あるいは東西、南北)いずれか半分の面積を
マスクで覆い、この部分には光が照射されない状態でセ
ッティング角度を15°として露光する。この後、マス
クの位置を左右反対にして、露光していない領域をセッ
ティング角度を−15°に変えた後、もう1度露光を行
う。この方法により図2に示すような光軸に対して左右
(あるいは、図上、上下)で回折方向が対称となる回折
光学素子を製作できる。1つの素子で場所により回折方
向が異なる機能を有するため、構成が簡単であるにもか
かわらず、回折光の均一性も高くなる。
【0066】次に、液晶サンプルに対してレーザにより
干渉縞が形成されるメカニズムについて図3の参照しつ
つ説明する。
【0067】(1)まず、シャッタを閉じて光照射が無
い状態で、温度制御装置に固定された液晶サンプルをセ
ッティングする。そして、シャッタを所定の時間、ここ
では5分間程度開放した後閉じる。初期段階として液晶
サンプルにはレーザの2光束の干渉により形成されてい
る干渉縞の強度の高い明部(図に示す横波の連続の頂部
やその近く)に属する領域において高分子材料の硬化が
開始する。この過程で周期的な高分子の柱が形成され
る。また、同時に液晶はレーザ露光により硬化が生じな
い材料なので硬化されつつある高分子の領域960から
液晶分子950が押し出され、レーザの強度の弱い暗部
の領域に集まるようになる。つまり高分子と液晶の周期
的な密度分布が生じる相分離の現象が起こる。
【0068】(2)暗部に集まった液晶分子951が最
初に硬化した高分子の柱961に対して巨視的に一様に
配向する。従って、レーザ光の明暗に対応して液晶分子
が一様に配向した層と高分子密度の多い層が交互に周期
的に形成される。
【0069】つまり、第1の工程は高分子が硬化し柱が
形成され、これにより液晶と高分子の密度分布が生じる
過程である。この過程では、高分子と液晶との密度分布
が形成されるため、液晶の密度が多い部分では平均的に
高分子層に比べ平均値が高くなり周期的な屈折率分布が
生じ回折の現象が生じることになる。この段階では液晶
の配向は形成されていないため、入射する偏波方向に対
する依存性は生じないと考えられる。
【0070】次に、第2の工程は硬化した高分子の柱に
対して液晶の密度が高い領域で液晶が並ぶ現象を生じる
過程である。これは、素子内において、より厳密には上
下のガラス板間の素子の原材料内において、硬化高分子
の柱がレーザ光の波長に相応した微少な幅の領域で周期
的に形成され、また液晶は未硬化のまま存在するため、
素子全体において高分子層と液晶層との間である程度短
い時間内に応力分布が発生する。このような物理的な要
因により、液晶の配向が定まると考えられる。そして、
この処理により、素子内にレーザ光の波長に対応した幅
での屈折率異方性が形成され、後に説明するように入射
する光の偏波成分により回折作用が異なることになる。
なお、本図の(2)に示すように、液晶分子がレーザ光
に対して直交する方向に配向した場合には、入射するP
波に対して強い回折特性を有することになる。
【0071】なお、以上の2つの過程は、露光時のレー
ザ光強度を変化させたり、添加する光重合開始剤や色素
の量を変化させても同様に生じた。
【0072】さて、高分子の屈折率は一般に1.5程度
であり、通常よく用いられるネマティック液晶の常光屈
折率と概ね等しい。このため、入射光のうち、帯状方向
に振動する常光線に対しては液晶と高分子部分の屈折率
は共に同じNo程度となる。このため、このとき回折光
学素子は等方媒体となり、入射した光はそのまま通過す
る。
【0073】一方、液晶の屈折率は異常光線に対しては
液晶分子が高分子層に対して垂直の方向に並んでいるた
めNeとなり、高分子層は屈折率異方性を有しないので
Noのままである。従って、液晶層と高分子層とで屈折
率が異なる周期構造を有していることになる。その結
果、異常光線はこの屈折率分布に対応して特定方向に回
折される。
【0074】このように、厚さ方向に周期構造を有する
ため、ブラッグの回折条件が適用されることになる。こ
れは、ある波長を有する光が周期構造を形成する各層に
入射した場合、各層で散乱された光はその波長と入射角
度及び層間のピッチに対応する特定方向に散乱成分が強
め合う現象を生じる。これが、ブラッグの回折条件と呼
ばれるものであり、このような条件は従来の2次元的な
回折光学素子に対し、3次元的な構成となり、ブレーズ
化(1つの方向に光を収束する)の作用を有することに
なる。
【0075】従って、従来の回折光学素子に対し、回折
効率を飛躍的に向上することができ理論的には100%
の効率が可能である。なお、このような理論的な回折効
率の計算結果等はH.Kogelnik、(Bell
Syst. Tech. J.,48,1969,P.
2909−2947)の解析に開示されているいわゆる
周知技術である。このため、これらについての説明は省
略する。
【0076】最後に、干渉縞を使用して露光した液晶サ
ンプルに対し、水銀ランプの概ね均一な光を5分程度照
射し、サンプル全体に散在する未硬化部分を硬化させて
安定化させ、これによりサンプルは完成した。
【0077】次に、回折光学素子の偏光の特性と製作時
の関係について説明する。
【0078】回折光学素子の内部格子構造の作成過程を
推測するために、P波とS波の入射光(He−Neレー
ザ)に対する回折光強度の時間的変化をレーザ露光中の
保持温度を変化させて行った。図4に、室温と65℃に
加熱した場合に得られた結果を示す。第1の温度条件と
して、恒温プレート及びペルチェ素子の加熱を行わず、
室温に試料及びガラス基板を保持した状態でレーザ露光
を行った。第2の温度条件として、試料及びガラス基板
を65℃に加熱保持した状態でサンプルを組み立て、ペ
ルチェ素子で同温度に制御した支持台に取り付けてレー
ザ露光を行った。なお、試料は、いずれも同じ(液晶T
L216使用)である。
【0079】その結果、製作温度が室温(23℃)の場
合、レーザ露光後のサンプルにおいてS偏光入射時の回
折光強度がP偏光入射時のそれに比較して大きく現れ
た。製作時のモニター光の時間的な変化としては、レー
ザ露光開始後内部での格子形成反応が生じず回折光強度
がほとんど変化しない図中のa領域、時間と共に回折光
強度が増加するb領域、回折光強度が飽和してほとんど
変化がなくなったc領域の3つの過程に大きく別れた。
【0080】そしてこの変化は、P偏光入射、S偏光入
射に関わらず同様であった。この変化過程については、
R.L.Sutherland,L.V.Natara
jan,and V.P.Tondiglia,Che
m.Mater. Vol.5.1993,pp153
3−1538において開示されている液晶と高分子との
相分離現象からなる干渉縞の形成過程と同様であり、入
射する光波の偏光特性に対して大きな依存性は有さな
い。
【0081】次に、製作温度が65℃の場合のモニター
光強度の時間的変化の様子を説明する。レーザ露光開始
後、反応が開始せず回折光強度がほとんど変化しないa
領域、時間と共に回折光強度が増加するb領域、回折光
強度の増加割合が急激に大きくなるb' 領域、回折光強
度が飽和しほとんど変化がなくなったc領域の4つの過
程に別れている。
【0082】今回は、入射する光波の偏光特性に対して
回折光強度の時間的な振る舞いが大きく異なっている。
P波、S波ともa領域、b領域では同様の振る舞いを示
すが、b' 領域においては大きく異なる。つまり、P波
の入射に対しては回折光強度が急激に増加するのに対
し、S波の入射に対しては、逆に回折光強度が減少す
る。この領域では、入射光の偏光方向によって回折効率
の変化が大きく異なり、内部において複屈折性が増加す
る反応が進んでいると考えられる。
【0083】図3のレーザ露光時の帯状の格子の形成過
程のモデルで示したように、硬化した高分子の柱に対し
て液晶分子が配向するような変化が格子形成過程で生
じ、この結果として入射光に対する偏光依存性が顕著に
なるのではないかと思われる。製作温度条件が図4にお
けるb' の領域で示される偏光依存性を発現させる重要
な要因であることが判明した。
【0084】図4をみると、製作温度に対してP1次、
S1次の効率は大きく変化しており、室温(23℃)付
近ではS波の回折効率が高い。一方、65℃ではP波の
回折効率が高くなりP1次とS1次の大きさが逆転す
る。室温においてS波の回折特性が大きいということ
は、液晶分子が高分子の柱に対して平行となるようなモ
デルとして考えられる。この様子を図5の(1)に示
す。
【0085】また、温度を増加していくと図5の(2)
に示すように液晶分子が高分子の柱に対して垂直に立っ
て並ぶようなモデルが予想される。このように、製作時
の温度に応じて液晶の配向方向が変化するのは、温度に
応じて液晶の粘性が変化し、先に述べた高分子の硬化に
よる周期構造形成時に体積収縮等に基づく応力分布が周
期的に生じ、両方の物理的な相互作用により液晶分子の
配列に変化が生じるのではないかと考えられる。
【0086】ここで、製作した回折光学素子に対し、
R、G、Bの各波長に対する効率(P1次、S1次)の
入射角度依存性の測定結果を、図6の(1)に示す。G
光のピークはレーザ露光時の露光角に対応する15°付
近に得られている。またB光は13°、R光は17°と
G光の前後にピークを有している。入射角15°に対し
±2.5°の範囲内においてP1次効率は80%以上と
なっている。
【0087】これに対し、S1次効率はR、G、B光そ
れぞれに対し全ての入射角でほとんど回折作用を有さず
透過されることがわかる。入射角15°付近でのP1次
とS1次との強度比は500:1程度であった。
【0088】次に、光源として白色平行光を用いて上記
同一サンプルの効率評価を行った結果を図6の(2)に
示す。測定は、白色光源として冷陰極ランプからの光を
ビームエキスパンダによりφ=10mm程度の平行光と
したものを用い、これをホログラムサンプルの露光領域
に入射し、レーザを用いた場合と同様に効率を評価し
た。検出器としては照度計を用いた。また、入射したS
偏光光は色分離することなく透過する。この一方、P偏
光はサンプルから出射光が離れると回折作用が異なるた
めこれに伴いR、G、Bに対応する色分離が生じる。こ
のため、R、G、Bの光がほぼ重なる領域で強度検出を
行った。
【0089】図6の(2)に示すグラフにおいて、回折
効率は入射角度15°付近に緩やかなピークを持ってお
り、P1次効率として入射角15°に対し±2.5°の
範囲内で80%程度を有している。一方、S1次につい
てはほとんど回折されていないのがわかる。このよう
に、白色平行光に対しても80%以上の高いP1次効率
と偏光分離特性を有することが判明した。
【0090】以上の説明で判るように本実施の形態の回
折光学素子は、高い回折効率と偏光分離特性を有してお
り、これを用いた偏光照明装置は回折による色分離の影
響がない均一性の高い照明光を有し、且つ他の構成部品
との適合性が高く簡単で安価である。
【0091】(第2の実施の形態)本実施の形態は、回
折光学素子の周辺部の回折角が中央部のそれに比較し
て、小さくなるようにしたものである。
【0092】図7の(1)に、この回折光学素子の回折
作用をなす部分の要部断面を示す。図7の(2)は、こ
の回折光学素子の回折角が異なる領域のレイアウトを示
す。図7の(3)は、図2におけるインテグレータ14
の第2レンズアレイ13に集光される光源11からの光
束を示したものである。
【0093】図2に示すように、光源11の発光体は実
際には数mm程度の大きさ(以下アーク長と呼ぶ)を有
するため、この集光束は完全な点とはならず、アーク長
に対応した形状に結像される。図7の(3)はこのイン
テグレータにより結像されたパターンを示しており、光
源のアーク長の形状に対応している。このパターンは中
央から放射状に並んでおり、光軸近傍の中央部分ほど結
像されたパターンが大きく、周辺にいくほど小さくなっ
ていることがわかる。図2に示す構造の装置で偏光変換
を行う場合、光束が最初に入射する回折光学素子15に
おいてP波を回折しS波を透過する偏光分離を行い、続
く回折光学素子16でP波の進行方向の修正と位相板1
7を用いた偏光方向を揃える。
【0094】実際に、インテグレータ14から集光され
た図7の(3)で示すような領域毎に異なる光束に対し
てこの偏光変換を行う場合、図7の(1)で示すように
集光された光束111が回折光学素子16上で重畳せず
に分離されることが必要である。しかしながら、インテ
グレータから集光された光束は領域毎で大きさが異な
る。このため、周辺の小さいパターンが回折光学素子1
6上で分離されるように回折角を設定すると、中央部の
大きいサイズの光束は周辺が重なり合ってしまいこの重
なった部分の光束の偏光変換が効率よく行われず、ひい
ては光利用効率が低下し、偏光変換ゲインを低下させ
る。
【0095】この一方、中央部の大きいサイズの光束に
あわせて回折角を設定すると、周辺では偏光分離された
光束同士の間隔が必要以上に大きくなり、偏光変換され
た後の全体光束の幅が元の光源から出射した光束に比べ
大きくなり、有効にライトバルブ110に導くことがで
きる光束が減少し光利用効率を低下させる。
【0096】以上のことから、インテグレータ14から
集光された光束に対応して回折光学素子15、16の領
域毎の回折角を最適化して設計し、光利用効率を向上す
ることが必要である。
【0097】具体的には、図7の(1)に示すようにイ
ンテグレータから集光された光束111の幅をaとし、
2つの回折光学素子15と16の間隔をdとしたとき
に、回折光学素子16上でP波によるパターンとS波に
よるパターンが正確に分離されるためには、パターン同
士が最低でもaの幅だけ離れなければならない。そして
これを実現するための回折角はθ≧tan-1a/dを満
足する必要がある。
【0098】また、インテグレータ14から集光された
光束のパターン同士の間隔が密に配置している場合、中
央で回折された大きいサイズのパターンが隣の小さいサ
イズの透過パターンに重畳することも考えられる。この
ときには、光利用効率の低下を招来する危険性もありう
るが、中央部での光束の光量は周辺部に比べかなり大き
いため、中央部での光束同士の重畳をなくした方が光利
用効率の点からは有利になる。
【0099】また、先の第1の実施の形態でも説明した
ように、回折角は波長により異なるが、可視光の中心波
長である550nmに回折角を設定することで平均的に
高い効率を得ることができる。
【0100】実際に、図7に示すように中央と周辺部で
異なった回折角を有する4つのパターンの回折光学素子
を、先の実施の形態で説明した方法を用いて製作した。
この際、図2と同様に光軸に対し回折角は対称となるよ
うに設計を行った。具体的には、中央部での回折角は3
5°、周辺では30°に設計した。また、回折光学素子
の間隔は、d=7mmとした。中央部でのインテグレー
タから集光された光束の幅は5mm程度であった。
【0101】このようにして製作した回折光学素子を用
いて図2に示すような偏光照明装置を製作し、その偏光
変換ゲインを評価した。評価方法としては、ライトバル
ブの位置に偏光子をS波が通過するような角度にて設置
し、この直後に照度計を置いて輝度を測定した。この下
で、回折光学素子15と16からなる偏光変換素子を用
いた場合と用いない場合の輝度を比較し、偏光変換ゲイ
ンを求めた。
【0102】最初に、図2で示す構成で回折光学素子の
回折角が光軸に対しては対称で、素子の領域内では等し
いものを組み合わせて偏光ゲインを測定すると、1.3
〜1.4倍程度の値が得られた。
【0103】次に、中央部に比較して、周辺部の回折角
が小さくなるように領域毎に回折角を変化して設計した
回折光学素子を用いて図2に示すものと同様の偏光照明
装置を製造し、測定した。この装置の偏光変換ゲインを
評価した結果、1.4〜1.6倍程度の値が得られ、先
に構成した偏光照明装置に対してゲインが向上している
ことが判明した。
【0104】なお、本実施の形態では、回折光学素子の
回折角を2つにしたものであったが、これは分割する領
域をさらに増やして中央から周辺に対して徐々に回折角
を小さくするようにして一層の光利用効率の向上を図っ
てもよいのはいうまでもない。
【0105】(第3の実施の形態)本実施の形態は、回
折光学素子を1枚とし、これをインテグレータ内に設け
たものである。
【0106】図8に、このシステムを示す。本図に示す
ように、インテグレータ14の第1レンズアレイ12と
第2レンズアレイ13の中間に唯1枚の回折光学素子1
5を配置し、偏光分離を行うものである。このシステム
においては、S波はそのまま透過し、第2レンズアレイ
13の対応するレンズに入射する。一方、回折されたP
波はホログラムから第2レンズアレイ13の距離に対応
して入射位置がS波と離れて対応するレンズアレイに入
射する。
【0107】ところでこのレンズアレイは、開口中心と
曲率中心がずれた円弧形状となっている。このため、回
折角度でこのレンズに入射したP波はこの軸ズラシの作
用により光軸と平行な方向に曲げられ、S波と同じ方向
に出射する。その結果、この第2レンズアレイ13を通
過した後P波とS波の向きが揃えられる。第2レンズア
レイ13の例えば回折されたP波が入射する位置に周期
的にλ/2板を配置すれば、P波が偏光変換されS波と
なる。このため第2レンズアレイ13を出射後、光束は
全てS偏光光として揃った光となる。第2レンズアレイ
13のサイズは第1レンズアレイ12に対して1/2の
大きさとなり、回折されたP波が入射するレンズは円弧
状の形状による軸ズラシの機能を有する。
【0108】偏光照明装置としては、回折光学素子15
が1つでよいため、偏光変換ゲインの向上を見込むこと
ができる。図2で示す光学系では回折光学素子15と1
6の2枚構成のため、入射光束は2度回折作用を受け
る。従って、入射光束に対する偏光変換ゲインは、最大
で回折効率の2乗になる。具体的にはP波の回折効率を
90%、S波の透過率を95%程度とすると、図2のシ
ステムにおける偏光変換ゲインは、回折されたP波の効
率の2乗とS波の透過率の2乗の和となる。つまり、
0.9×0.9+0.95×0.95=1.7倍程度が
理論値として見積もられる。
【0109】これに対して、図8に示す構成では、回折
光学素子15を1つ使用するだけでよいため、回折作用
も1度だけとなる。従って、偏光変換ゲインとしては、
0.9+0.95=1.85倍程度を見積もることがで
きる。また、白色光に対する色分離についても、図8で
示すように光軸に対して回折光学素子から回折される方
向を対称とすると共に第2レンズアレイ13の開口中心
と曲率中心とをずらした円弧状のレンズを光軸に対して
対称に設計することで補償することが可能である。
【0110】以上の説明で判るように、図8に示す偏光
照明装置は、簡易な構造で安価になると共に偏光変換ゲ
インのさらなる向上が可能となる。
【0111】(第4の実施の形態)本実施の形態は,位
相板に関する。
【0112】図9に、本発明の偏光照明装置に用いられ
る位相板の製作方法、手順の要部を示す。本図9の
(2)は形成されるλ/2板のパターンを示したもので
ある。そしてこのパターンは、図7の(3)に示すイン
テグレータから集光された複数の光束パターンと概ね等
しい。
【0113】図2に示す偏光照明装置において、回折光
学素子を用いて偏光変換を行う場合、回折光学素子によ
り偏光分離されたS波またはP波パターンのいずれか一
方に対し位相板としてのλ/2板を通過させることで偏
波面を90°回転させ、全体の偏光方向を揃えるもので
ある。このとき、λ/2板が形成された領域と通過する
光束の位置と大きさが等しい場合には、分離されたP波
またはS波の偏波成分の片方のみの偏波面が回転させら
れ理想的な偏光変換が行われる。
【0114】しかしながら、位相板の形状と回折された
光束のパターンとが一致しない場合には、偏光分離され
た光束の両方の成分がλ/2板に入射する領域が存在
し、全光束を1つの偏波面に揃えることができず、その
結果光利用効率の損失につながる。このため、偏光分離
された光束のどちらか一方の偏波面のみを効率よく偏光
させるためには、光束の大きさに概ね対応した形状を有
する位相板とすることが好ましい。
【0115】図9の(1)に、UV(紫外線)硬化型の
液晶を用いて図9の(2)に示す形状のλ/2板を製作
する手順の要部を示す。
【0116】先ず、上下2枚のガラス基板21、22を
用意し、これらの基板をダストを除去するために洗浄し
た後、高分子からなる配向膜、例えばポリイミドをスピ
ンコート法等により内面側に塗布し、加熱処理を行うこ
となどで配向膜(図示せず)を基板内面側に形成した。
この後、ローラ等により特定方向にラビング処理を施し
た。このラビング処理としては1組のガラス基板に対し
てアンチパラレルラビング(ラビング方向は等しく、ラ
ビングの向きが互いに逆方向)とした。
【0117】上記のような処理を施したガラス基板21
に対しセルギャップを保つためにビーズ(図示せず)を
分散し、周辺シールを塗布した後張り合わせを行った。
このセルにUV硬化型の液晶を大気中または真空中にお
いて注入し、液晶セル40を製作した。
【0118】この液晶セル40に対し薄い平板状のフォ
トマスク30を用いて図9の(2)に示すパターンの転
写を行う。なお、図9の(1)においては、フォトマス
ク30とガラス基板22間に隙間が存在していないが、
フォトマスク30と上部ガラス基板22間に間隙を設け
たり、レンズ系(図示せず)でガラス基板22上にパタ
ーンが結像されるようにしてもよいことは言うまでもな
い。
【0119】次に、フォトマスク30を用いての紫外光
照射の過程について説明する。
【0120】図9の(2)に示すフォトマスク30は、
白い部分のパターンのみ光を通過する。今、この部分に
波長300nm〜400nm程度の紫外領域(注:UV
ではあるが、近紫外線でありガラス基板を通過する)の
概ね均一なレーザ光または水銀ランプ等からの光が照射
されると光が通過する領域に対応するガラス基板22下
の液晶層のみが硬化する。この後、上下いずれか一方の
ガラス基板を剥がし、液晶が硬化した部分の面に対し、
アルコールまたはアセトン等により洗浄を行い、未硬化
の液晶を除去する。すると、図9の(2)に示すものと
同様の硬化した液晶パターンを得ることができる。
【0121】なお、ガラス基板の片方のみを剥がすのに
際しては、あらかじめ上下のガラス基板に塗布する配向
膜の種類を変えておくのが好ましい。そしてこれによ
り、一方のガラス基板のみを効率よく剥がすことができ
る。具体的には、一方の配向膜はアクリル系であるが他
方はテフロン(登録商標)系等極性基のより少ない材料
とする等である。
【0122】また、液晶セル40全面に均一なUV光を
照射し、液晶全体を硬化させた後一方のガラスを剥が
し、この硬化した液晶層に対して図9の(2)に示すマ
スクのネガパターンを密着させ、フッ素系のガス等によ
り(2)に示す白色部分以外をドライエッチングで除去
し、マスクに対応したパターンを得ることも可能であ
る。
【0123】ところで、液晶分子は最初に配向膜にラビ
ング処理を行っているため、その分子は1方向に配向
し、材料によって決まるリタデーションΔnを有してい
る。このため、液晶分子方向を入射する偏波成分に対
し、例えば45°となるように配置し、厚さを入射波長
に対しΔn・d/λが1/2波長分だけずれるように設
定することでλ/2板の機能を有する位相板を構成する
ことができる。
【0124】このように構成した位相板を図2に示す偏
光照明装置の回折光学素子16の出射面に配置し、第2
の実施の形態で示した方法で偏光変換ゲインを評価した
結果、ゲインとして1.4〜1.7倍程度と高い値を得
ることができた。
【0125】(第5の実施の形態)本実施の形態は、直
視型液晶表示装置のバックライトに関する。
【0126】先の第1から第4の実施の形態において
は、投写型の液晶プロジェクタに用いられる偏光照明装
置について説明した。さて、本発明の回折光学素子は、
それらに限らず直視型の液晶表示装置のバックライト等
の偏光照明装置にも適用可能である。以下、直視型の表
示装置に本発明の偏光照明装置を適用した場合について
説明する。
【0127】図10に、本発明の第5の実施の形態とし
ての偏光選択性を有する回折光学素子を用いたバックラ
イト機構を示す。光源11からの出力光が回折光学素子
151に入射するとS偏光はそのまま通過し、導光体3
5の反射板36によって反射され導光体を通過して出射
する。一方、P偏光は回折光学素子151によって回折
される。さて、回折された方向には位相板171が配置
されている。そして、この位相板としてはλ/4板を用
いている。なお、この位相板としてはλ/4板の他に、
3λ/4板等を用いても良い。
【0128】ところで、このλ/4板171に入射した
光は、その背景の導光体37の反射面で反射し、再びλ
/4板171を通過する。このため、P偏光はS偏光に
変換される。従って導光板35から出射する光は概ねS
偏光となり、1つの成分に整えられる。
【0129】さて、従来のバックライト等で用いられて
いる偏光変換の手法としては、特開平10−25383
0号や特開平10−321025号に開示されているコ
レステリック液晶を用いたものが知られている。これら
は、直視型の画像表示装置の表示面裏側に表示面積と概
ね同じ大きさのコレステリック液晶からなるシートを設
置する。そしてこのシートに光が入射すると、1方向の
偏光成分のみがこのシートを通過し、これに直交する偏
光光は反射されて再び導光体へ戻される。導光体とシー
トの間にはλ/4板等からなる位相板が配置されてい
る。このためシートで反射され導光体の反射面で反射さ
れた光は位相板により偏光成分が変調されて再びコレス
テリック液晶からなるシートへと入射する。このため、
この光成分の一部がシートを通過し、他の成分は反射さ
れる。反射された光は先の行程を繰り返すことになり、
この繰り返しの過程でシートを通過する光の偏光方向が
整えられる偏光変換が行われる。
【0130】しかしながら、この偏光変換シートを用い
た方式では表示面と同等の大きさのシートを必要とす
る。その結果、表示領域が大きくなればそれに伴ってシ
ートサイズも大きくせねばならずコストが増大する。ま
た、画面全体でのシートの均一性による偏光変換効率の
問題も生じる。これに比較して、本実施の形態では、結
果的に導光体への光入射面の面積の小さい領域に、回折
光学素子を配置したこととなり、このため任意の回折角
度で偏光分離を、しかも効率よく行うことができる。そ
の結果、従来の偏光変換シートのように表示面に対して
大きな面積を占める必要がなく、簡易な構造でありなが
ら、光利用効率が高い偏光照明装置となる。
【0131】さて、回折光学素子151を、光源11の
冷陰極管と導光体35の光入射面との間に配置した。そ
して、偏光板を通過した後の光量を偏光変換を行わなか
った場合の光量と比較した。
【0132】その結果、回折光学素子を用いた場合に
は、用いなかった場合に比較して光量が1.4〜1.6
倍程度多いのを確認できた。
【0133】今回、回折光学素子の回折角としては、3
0°〜45°程度のものを用いた。この角度において
は、先の実施の形態で説明したブラッグの回折条件を満
足し、このため90%前後の良好な回折効率を得ること
ができる。次に、回折光学素子151の光軸方向の断面
積は、導光体35の光入射面と概ね同じ大きさとするの
が光源光の有効利用の面から好ましい。また、位相板に
ついては、回折光学素子から回折される光が概ねすべて
入射できる広さ(大きさ)が好ましい。
【0134】さて、回折角度が小さい場合には位相板へ
の入射角度が緩やかになるため、入射面積は大きくな
る。一方、回折角度が大きい場合には位相板への入射角
度は大きく入射面積は小さくなる。しかしながらコスト
や配置の面からは、位相板の大きさはできるだけ小さい
のが好ましい。このため、偏光変換ゲインと位相差板の
広さの関係を調べたところ、回折光学素子151と概ね
等しい大きさとすると、コストもかからず偏光変換ゲイ
ンとしても大きな値が得られることが判明した。
【0135】(第6の実施の形態)本実施の形態は、位
相差板を導光体の表示面側に設けたバックライトに関す
る。
【0136】図11に、本実施の形態の回折光学素子を
用いたバックライトの構成を示す。本図に示すように、
このバックライトでは、回折光学素子から上面へと光が
回折される。また、位相板172としてはλ/2板を用
いた。なお位相板としては、製造時の取扱いの便宜、完
成品重量等の面を考慮して、この他に3λ/2板等を用
いても良い。そして、回折されたP偏光光は、このλ/
2板を透過すると偏光方向が90°回転されてS偏光と
なる。
【0137】導光体35の反射板としては、その背面に
後に説明する型式の反射板38を形成し、その反射面と
して曲線状のものを用いた。その結果、回折光学素子を
透過した光は反射面38の各位置で反射されるが、各位
置での反射光量を曲面の勾配によって適切なものとする
ことができる。このため、照明光の均一性を高めること
ができた。
【0138】図12に、導光体状の反射板を模式的に示
す。この反射板は、その表面に微少なドーム状の突起を
多数配置した構造としている。このため、光が入射して
反射する際に、反射光の光路はその入射位置に対応する
表面形状によって変化する。その結果、局所的に光の位
相や進行方向が変化し、全体として光の散乱が生ずる。
なお、この突起の製造方法は、表面に付着させた微少な
粒状の低融点物質を熱でだらし、しかる後アルミを付着
する等種々あるが、特に困難でないのでその詳細な説明
は省略する。
【0139】しかしながら、紙や繊維のように多数の入
り組んだ面を通過し、反射する散乱とは異なる。このた
め、光の偏光方向については反射板への入射前と入射後
とでは、概ね一定に保たれる。実際に、先の第5の実施
の形態と同様の冷陰極管と偏光板を用いて偏光変換ゲイ
ンを求めたところ1.4〜1.6倍程度と同様のゲイン
が得られることが判明した。
【0140】本実施の形態の回折光学素子を用いたバッ
クライトの構造は何も図10や図11に示すものには限
定されない。すなわち、例えば導光体の両側に光源を設
け、これに併せて回折光学素子を両側の光源に対応して
複数配置してもよい。さらに、位相板を導光体の反射板
面上と導光体の面上の複数の位置に配置し、光が複数回
位相板を通過するようにしてもよい。また、図10と図
11の構成を組み合わせたり、それぞれを変形して組み
合わせたりしてもよい。
【0141】(第7の実施の形態)本実施の形態は、更
に散乱異方性フィルムをも用いたバックライトに関す
る。
【0142】図13に、本実施の形態の回折光学素子と
散乱異方性フィルムを用いたバックライトの構成を示
す。本図に示すように、このバックライトは図10に示
すバックライトの位相板171の上面に散乱異方性フィ
ルム50を貼り付けている。
【0143】さて、この散乱異方性フィルム50は、所
定の入射角度の範囲内より入射する光束を散乱せしめか
つ所定の入射角度の範囲外より入射する光束を概ね透過
する機能を有している。本図に示す散乱異方性フィルム
50は、回折光学素子151から回折角度30°〜45
°の範囲で出力された光に対して散乱機能を有し、これ
以外の角度範囲の光に対しては概ね透過するものを使用
した。このため、本図に示すように、例えばフィルムに
対して垂直に入射する光線に対しては概ね透過し、斜め
方向から入射した光に対しては散乱する。なお、このよ
うな散乱異方性のフィルムとしては、例えばルミスティ
(住友化学)を用いることができる。
【0144】さて、このバックライトにおいては、図1
0に示すのと同じく、光源から出射した光はP偏光光が
回折光学素子151によって下方へ回折される。一方、
S偏光光は回折光学素子151をそのまま透過し導光体
35の反射板36で反射され導光体35から図示しない
液晶層側へ出射する。一方、回折されたP偏光光は、こ
の散乱異方性フィルム50によって散乱され、その後位
相板171に入射する。なおここで、位相板171とし
ては、同じくλ/4板を用いている。
【0145】ところで、散乱異方性フィルム50を用い
るため、回折された光をそのフィルム後方の広い範囲に
出射させることができる。このため、位相板171を通
過してその背面の反射剤37で反射した光は光源側にも
出射することになる。その結果、導光体出射面の光源周
辺部分の光量均一性を向上することができる。
【0146】実際に、図10に示す先の第5の実施の形
態と本実施の形態のバックライトで導光体35の光出射
面中央の光量と光源出射側の光量を評価した。その結
果、散乱異方性フィルムを配置した本実施の形態のバッ
クライトは、第5の実施の形態のものに比較して、どち
らの位置においても周辺の光量比が10〜20%程度向
上していることが判明した。
【0147】(第8の実施の形態)本実施の形態は、光
源に白色のLED(発光ダイオード)を用いたバックラ
イトに関する。
【0148】図14に、本実施の形態のバックライトを
示す。本図は、バックライトを表示面側より見た図であ
る。本図に示すように、(図上)上端近くには多数のL
ED60が配置され、更にその上部には反射鏡10が設
けられ、これにより光源としての作用を発揮するもので
ある。なお、光源の下部(図上)に回折光学素子151
を設置し、その背面側には位相板(背面となるため図示
せず)が設けられている等は、先の第5の実施の形態等
と同じである。
【0149】さて、本実施の形態においては、先の第5
の実施の形態と異なり、冷陰極管に換えて白色LEDを
用いるので、光源の配置スペースをより小さくすること
ができる。このため、導光体35の光入射面も小さくて
よい。また、回折光学素子151もこれに合わせて小さ
いものを使用することができる。その結果製作が容易に
なり、コストもさらに低下する。その当然の結果とし
て、バックライトとしてもより薄型で軽量そして安価な
ものとなる。
【0150】(第9の実施の形態)本実施の形態は、光
源に3原色の各色用の、すなわち、赤、緑、青の各色用
のLEDを用いたバックライトに関する。
【0151】本実施の形態は、図15に示すように、先
の第8の実施の形態の白色LEDに換えて3色のLED
61を光源11として用い、更にこれに併せて回折光学
素子152も各色に対応したものとし、これらの小さな
分割された各回折光学素子間には散乱板51を設けてい
る。
【0152】さて、この回折光学素子152であるが、
これは各色のLEDから出射する波長の光に対して最も
回折効率が高くなるように製作した。なおこの製造方法
であるが、これは使用するレーザ光の波長が各色に対応
して相違する他は先の第1の実施の形態で説明したもの
と同じである。
【0153】実際に、3色のLEDと3種類の回折光学
素子とを用いた本実施の形態のバックライトを、偏光変
換を行わない他は先の第5の実施の形態と同じものと比
較した。この結果、本実施の形態のものは光量比として
1.5〜1.7程度が得られた。従って、先の第5の実
施の形態に比較して偏光変換ゲインが10%向上した。
なお、散乱板の作用もあり、各色用のLEDのピッチが
多少荒くても、色むらは皆無であった。
【0154】(第10の実施の形態)本実施の形態は、
回折光学素子の製造方法に関する。
【0155】図16に、回折光学素子を1回の露光で複
数枚作製するためのプロセスを示す。 (1)周辺部分を遮光したマスク31を用いてサンプル
4面へのレーザ干渉露光を行う。第1の実施の形態で説
明したように、この過程でマスクにより遮光された部分
以外にレーザによる干渉露光パターンが形成される。 (2)先程のマスクパターンを反転し、レーザ露光した
部分を遮光したマスク32を用いてUV露光を行い、サ
ンプル周辺部分の硬化を行う。
【0156】以上のプロセスで同時に4枚の回折光学素
子を製作できた。すなわち、第2回目のUV露光で形成
した周辺部分は硬化した高分子層からなる。従って、こ
の硬化した高分子層を切り代として切断すれば、周辺部
が固定された状態で4つの回折光学素子が同時に得られ
ることとなる。
【0157】本実施の形態では、4つの回折光学素子を
同時に製作したが、他のマスクパターンを用いてさらに
多くの回折光学素子を1度に製作してもよいのは勿論で
ある。
【0158】また、露光プロセスとして、先に回折光学
素子の周辺部分の露光を行ってから、レーザ干渉露光を
行ってもよいのも勿論である。
【0159】以上のプロセスで作製した回折光学素子
を、例えば先の第8の実施の形態のバックライトの導光
体の光入射面の長手方向に複数配置して偏光変換を行わ
せるようなことが可能である。
【0160】また、レーザ露光パターンを化変させなが
ら同時に複数のサンプルを作製することができるため、
先の第9の実施の形態のように複数の種類の回折光学素
子を複数用いる場合にも効果的である。
【0161】実際に、本図16に示すプロセスで製作し
た複数の回折光学素子を用いて、図15に示すバックラ
イトを製作した。これを、先の第9の実施の形態と同様
にして偏光変換ゲインを評価したところ1.6程度と非
常に良好な値を得ることができた。
【0162】(第11の実施の形態)本実施の形態は、
液晶表示装置に関する。
【0163】図17に本実施の形態の液晶表示装置の要
部を示す。この液晶表示装置は、先の第5の実施の形態
のバックライトの光出射側(図上、上方)に、互いに偏
光方向が直交した2枚の偏光板71、72を両側に設置
した液晶素子80を組み合わせて構成している。
【0164】バックライトに回折光学素子を用いて偏光
変換を行った場合と行わない場合について、画像表示面
からの出射する光量を比較した。この結果、回折光学素
子を用いて偏光変換を行ったものは、光量が1.4〜
1.6倍程度に増加することが判明した。このように、
液晶素子を用いた画像表示装置の高輝度化に対しても有
効であることが確認できた。
【0165】なお、画像表示装置に使用するバックライ
トとしては、何もこの第5の実施の形態のものに限られ
るものではなく、先の第6から第9の実施の形態のもの
やこれらの変形または組み合わせたものを使用してもよ
いのはいうまでもない。
【0166】以上、本発明をその幾つかの実施の形態に
基づいて説明してきたが、本発明は何もこれらに限定さ
れないのは勿論である。すなわち、例えば以下のように
してもよい。
【0167】1)実施の形態で示したのと異なる材料、
製造方法等を用いている。具体的には、例えば多少複雑
な形状となる導光部背面のミラーは、レジストへのアル
ミ蒸着でなく、薄いアルミ箔をプレス、曲げ加工等で製
作している。あるいは、温度を制御しつつ製作するの
に、ペルチェ素子以外の制御手段を採用している。
【0168】2)液晶の各方向の屈折率と樹脂との屈折
率の関係が逆となっている。
【0169】3)多数の各色用発光素子に対応しての各
回折素子間には、反射鏡をいれている。
【0170】4)異方性フィルムは、薄い板である。
【0171】
【発明の効果】以上の説明で判るように、本発明では屈
折率異方性を有する光学媒体を用いて特定の偏波成分に
対しは透過し、これと直交する偏波成分に対しては回折
といった方法で偏光分離をなしている。更にこの基で、
偏光分離を複数の方向に行うことにより色彩の発生を防
止している。このため、白色光に対しても均一な照明光
を得ることができる。
【0172】また、照明装置として使用する場合、素子
間のアライメントに制約を持たず、構成ひいては製作が
非常に簡単になる。
【0173】また、位相板等と組み合わせて液晶表示装
置のバックライトとして用いた場合、非常に明るくしか
も均一な表示面となる。
【0174】また、各色毎の発光源を使用するため、更
に効率が増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の偏光変換素子を示す図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態としての偏光照明
装置を示す図である。
【図3】 上記実施の形態の回折光学素子の製作手順あ
るいは製作の原理の要部を示す図である。
【図4】 上記回折光学素子等の製作時の温度の相違に
基づく特性の評価結果を示す図である。
【図5】 上記回折光学素子等の製作温度の相違に基づ
く内部構造の相違の様子を示す図である。
【図6】 上記回折光学素子等の特性の評価結果の一例
を示す図である。
【図7】 本発明の回折光学素子の回折作用の一例を示
す図である。
【図8】 本発明の偏光照明装置の一実施の形態を示す
図である。
【図9】 本発明の位相板の製作方法の一例の図であ
る。
【図10】 本発明の第5の実施の形態としてのバック
ライトの構成図である。
【図11】 本発明の第6の実施の形態としてのバック
ライトの構成図である。
【図12】 上記実施の形態における反射面を概念的に
示した図である。
【図13】 本発明の第7の実施の形態としてのバック
ライトの構成図である。
【図14】 本発明の第8の実施の形態としてのバック
ライトの構成図である。
【図15】 本発明の第9の実施の形態としてのバック
ライトの構成図である。
【図16】 上記幾つかの実施の形態における回折光学
素子の効率的な製造方法を示す図である。
【図17】 本発明の第11の実施の形態としての液晶
表示装置の構成図である。
【符号の説明】
10 反射鏡 11 光源 111 インテグレータにて集光された光束 12 第1レンズアレイ 13 第2レンズアレイ 14 インテグレータ 15,16 回折光学素子 151 回折光学素子 152 回折光学素子 17 位相板 171 位相板(λ/4) 172 位相板(λ/2) 18 集光レンズ 19 フィールドレンズ 20 ライトバルブ 21 ガラス基板 22 ガラス基板 25 光学媒体 30 フォトマスク 35 導光体 36 反射板 37 反射板 38 反射膜 40 液晶セル 50 散乱異方性フィルム 60 LED(白色) 61 LED(3色) 71 偏向板 72 偏向板 80 液晶表示素子 101 レンズ板 102 プリズム 103 位相板 904 S波 905 P波 950 高分子領域から押し出された液晶分子 951 配列した液晶分子 960 高分子(の領域) 961 硬化した高分子(の領域)

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、上流側レンズアレイ及び下流側
    レンズアレイからなるインテグレータと、屈折率異方性
    を有する上流側と下流側の回折光学素子と、偏光部とが
    この順に配列された偏光照明装置において、 上記2つの回折光学素子は、 液晶を含んだ、そして照明光の波長を考慮した幅の帯状
    の周期構造が光軸に直交する方向に一様に配列され、い
    ずれの回折光学素子もこれにより上記光源からのS波成
    分を透過し、P波成分を回折し、その回折される方向が
    光軸を通りこれに直交する線に対し対称となり、しかも
    上記帯状の周期構造の幅と整合した距離を有して配置さ
    れている上流側と下流側の光学素子はその回折角が光軸
    を通りこれに直交する線に対して逆方向となるため結果
    的にP波成分は光軸方向に揃うこととなる対称型回折光
    学素子であることを特徴とする偏光照明装置。
  2. 【請求項2】 2つの対称型回折光学素子は、 P波の回折される角度が光軸近傍の中央部に対し、周辺
    部では小さくなる中央回折角大型回折光学素子であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の偏光照明装置。
  3. 【請求項3】 上記上流側の回折光学素子は、 上記インテグレータより前記回折光学素子に集光される
    光束の幅をaとし、光の進行方向における上流側と下流
    側の回折光学素子間の間隔をdとするとき、その回折角
    θは、θ≧tan-1a/dを満たすように設計されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の偏光照明装置。
  4. 【請求項4】 上記上流側の回折光学素子は、 上記インテグレータより前記回折光学素子のうち、中心
    部に集光される光束の幅をaとし、光の進行方向におけ
    る上流側と下流側の回折光学素子間の間隔をdとすると
    き、その回折角θは、θ≧tan-1a/dを満たすよう
    に設計されていることを特徴とする請求項2に記載の偏
    光照明装置。
  5. 【請求項5】 光源と、上流側レンズアレイと、屈折率
    異方性を有する回折光学素子と、偏光部を有する下流側
    レンズアレイとがこの順に配列された偏光照明装置にお
    いて、 上記回折光学素子は、 液晶を含んだ、そして照明光の波長を考慮した幅の周期
    構造が光軸に直交する方向に一様にかつ光軸中心に対し
    て対称に配列され、これにより上記光源からのS波成分
    を透過し、P波成分を光軸中心に対して対称に回折する
    対称型回折光学素子であり、 上記下流側レンズアレイは、 開口中心と曲率中心が一致するレンズと異なるレンズと
    が交互に並んだレンズ群による交互配列型下流レンズア
    レイであることを特徴とする偏光照明装置。
  6. 【請求項6】 前記交互配列型下流側レンズアレイは、 前記対称型回折光学素子からの距離とP波成分の回折角
    に対応した寸法で開口中心と曲率中心が一致するレンズ
    と異なるレンズとを交互に配列した偏光統一型下流側レ
    ンズアレイであることを特徴とする請求項5に記載の偏
    光照明装置。
  7. 【請求項7】 上記λ/2板等の偏光部は、 その光軸に直交する方向の幅が、光束の中央部が周辺部
    より大きくなっている中央重視型偏光部であることを特
    徴とする請求項1、請求項2、請求項3若しくは請求項
    4記載の偏光照明装置。
  8. 【請求項8】 前記偏光部は、 光軸に直交する方向に並列された帯状のλ/2板の偏光
    板等からなり、この偏光板の形状が、前記インテグレー
    タから集光された光束と概ね等しい高集光偏光偏光部で
    もあることを特徴とする請求項7に記載の偏光照明装
    置。
  9. 【請求項9】 上記位相板は、 ラビングによる配向処理が施された高分子からなる薄膜
    を形成した透明絶縁性基板で挟まれた領域に光硬化型液
    晶を封入し、所定のフォトマスクを介して紫外光等を照
    射して形成された光利用液晶型位相板であることを特徴
    とする請求項8に記載の偏光照明装置。
  10. 【請求項10】 上記回折光学素子は、 屈折率異方性を有する液晶を用いて光軸に直交する方向
    に照明光の波長を考慮した幅の帯状の周期構造を有し、
    入射光の上記周期構造に直交する1方向の偏波成分に対
    しては該周期構造に対応した屈折率分布により光の回折
    を生じ、上記周期構造の方向の偏波成分に対してはその
    まま透過させる機能を有する帯状周期的液晶層利用回折
    光学素子であることを特徴とする請求項1〜請求項9の
    いずれかに記載の偏光照明装置。
  11. 【請求項11】 前記帯状周期的液晶層利用回折光学素
    子は、 その周期構造が屈折率異方性を有する液晶の光軸の傾斜
    により形成されている帯状周期的光軸傾斜型液晶層利用
    回折光学素子であることを特徴とする請求項10記載の
    偏光照明装置。
  12. 【請求項12】 前記回折光学素子は、 上記帯状の周期構造を形成する液晶層に、光重合開始剤
    及びレーザ光の波長を吸収するための色素を含む光重
    合、レーザ光利用回折光学素子であることを特徴とする
    請求項1〜請求項11記載の偏光照明装置。
  13. 【請求項13】 前記回折光学素子は、 その帯状の周期構造が一様に配列された液晶を含んだ層
    で構成され、且つ光重合性モノマーまたは光架橋可能液
    晶ポリマーが添加され、少くも紫外領域の光照射に対
    し、液晶の分子軸の方向が固定化されている分子軸固定
    液晶利用回折光学素子であることを特徴とする請求項1
    〜請求項12のいずれかに記載の偏光照明装置。
  14. 【請求項14】 光源と、反射面を有する導光体と、位
    相板と、帯状の配向した液晶分子を含んだ周期構造を有
    する回折光学素子とを有する偏光照明装置において、 上記回折光学素子は、 上記導光体の光入射面と概ね等しい面積を有し、偏光分
    離した1つの偏光成分を位相板に入射する回折特性を有
    する光利用考慮回折光学素子であり、 上記位相板は、 前記光利用考慮回折光学素子からの入射光を他方の偏光
    分離した偏光成分にする偏光統一位相板であることを特
    徴とする偏光照明装置。
  15. 【請求項15】 光源と、反射面を有する導光体と、位
    相板と、帯状の配向した液晶分子を含んだ周期構造を有
    する回折光学素子とを有する偏光照明装置において、 上記位相板は、 上記回折光学素子から回折された偏光光が入射する面積
    とその面積とが概ね等しい等面積位相板であることを特
    徴とする偏光照明装置。
  16. 【請求項16】 光源と、反射面を有する導光体と、位
    相板と、帯状の配向した液晶分子を含んだ周期構造を有
    する回折光学素子とを有する偏光照明装置において、 上記導光体は、 その反射面が入射した光の位相を変調する変調型反射面
    付設導光体であることを特徴とする偏光照明装置。
  17. 【請求項17】 上記反射面は、 反射率の異なる複数の領域を有する複数反射率領域反射
    面であることを特徴とする請求項16に記載の偏光照明
    装置。
  18. 【請求項18】 上記反射面は、 複数の表面の凹凸から形成されている凹凸反射面である
    ことを特徴とする請求項16若しくは請求項17に記載
    の偏光照明装置。
  19. 【請求項19】 光源と、反射面を有する導光体と、帯
    状の配向した液晶分子を含んだ周期構造を有する回折光
    学素子と、位相板とを有する偏光照明装置において、 前記回折光学素子の下流側にその回折方向と散乱方向が
    概ね等しい散乱異方性フィルムを有していることを特徴
    とする偏光照明装置。
  20. 【請求項20】 前記散乱異方性フィルムは、 所定の入射角度の範囲内より入射する光束を散乱し、か
    つ所定の入射角度の範囲外より入射する光束を概ね透過
    する入射角依存型散乱異方性フィルムであることを特徴
    とする請求項19に記載の偏光照明装置。
  21. 【請求項21】 前記散乱異方性フィルムは、 上記位相板または回折光学素子上に積層される積層型散
    乱異方性フィルムであることを特徴とする請求項19若
    しくは請求項20に記載の偏光照明装置。
  22. 【請求項22】 複数の発光源を有する光源と、反射面
    を有する導光体と、位相板と、帯状の配向した液晶分子
    を含んだ周期構造を有する回折光学素子とを有する偏光
    照明装置において、 上記回折光学素子は、 上記導光体の光入射面と概ね等しい面積を有し、偏光分
    離した1つの偏光成分を位相板に入射する回折特性を有
    する光利用考慮回折光学素子であり、 上記位相板は、 前記光利用考慮回折光学素子からの入射光を他方の偏光
    分離した偏光成分にする偏光統一位相板であることを特
    徴とする偏光照明装置。
  23. 【請求項23】 上記複数の光源は、 発する光の波長の特徴が異なる複数種の発光源を有する
    波長対応光源であり、上記回折光学素子は、 前記複数種の発光源の波長特性に対応して回折作用をな
    すよう分割されている波長特性対応分割型回折光学素子
    であることを特徴とする請求項22記載の偏光照明装
    置。
  24. 【請求項24】 前記波長特性対応分割型回折光学素子
    は、 上記分割された各部の帯状の周期構造が、対応する発光
    源の波長の特性に対応してピッチが異なる分割部周期構
    造ピッチ対応型回折光学素子であることを特徴とする請
    求項23に記載の偏光照明装置。
  25. 【請求項25】 内面側に配向処理を施した透明基板で
    挟まれた領域に液晶と液晶の常光若しくは異常光のいず
    れかと屈折率の等しい樹脂を含み、かつレーザ光の照射
    で液晶と樹脂が分離して硬化し、しかもこの際液晶は分
    子がレーザ光の照射方向から定まる方向に配列する光学
    媒体を封入する封入ステップと、 該透明絶縁性基板上半分の領域にマスクをかける等して
    レーザ光が照射されないようにした後、他の半分の領域
    にレーザ光の2光束干渉による周期的な強度分布を照射
    して、上記2光束干渉に対応したそして液晶の配列、有
    無により形成された帯状の周期構造を形成する第1照射
    ステップと、 上記帯状の周期構造の形成されていない未照射の領域に
    上記レーザ光の2光束干渉による周期的な強度分布を上
    記基板の中心線に対して対称となる位置関係を保持しつ
    つ照射して、帯状の周期構造を形成する第2照射ステッ
    プとを有していることを特徴とする回折光学素子の製法
    方法。
  26. 【請求項26】 2光束干渉のレーザ光の照射により、
    照射方向に分子が揃って配列して硬化する液晶よりなる
    そして干渉縞に対応した帯状の液晶層と、 上記液晶の常光若しくは異常光のいずれかの屈折率に等
    しい、そして上記液晶と混合された状態でレーザ光の照
    射により液晶と分離して硬化する樹脂からなり、そして
    上記干渉縞に対応した樹脂層とを有し、 しかも上記2種の層は、 光束の中心に対して、光軸中心を通り光軸に直交する線
    の一方、例えば上下あるいは左右等のいずれか一方と他
    方とでP波若しくはS波のいずれかに対する回折特性が
    相違することを特徴とする回折光学素子。
  27. 【請求項27】 前記回折光学素子は、 樹脂としてモノマー、オリゴマー、ポリマーの少なくと
    も1つを含む特定物質含有回折光学素子であることを特
    徴とする請求項26に記載の偏光照明装置。
  28. 【請求項28】 上記偏光照明装置は、 偏光型液晶表示装置の光源であることを特徴とする請求
    項14〜請求項24のいずれかに記載の偏光照明装置。
  29. 【請求項29】 前記回折光学素子は、 液晶表示装置の偏光照明装置であることを特徴とする請
    求項26若しくは請求項27に記載の偏光照明装置。
  30. 【請求項30】 上記位相板は、 n・λ/4板またはn・λ/2板ここに(nは整数、λ
    は光の波長である)であることを特徴とする請求項14
    〜請求項30のいずれかに記載の偏光照明装置。
  31. 【請求項31】 上記回折光学素子は、 入射光の1方向の偏波成分に対し光の回折を生じ、これ
    に直交する方向の偏波成分に対しそのまま透過する偏向
    調整可能型回折光学素子であることを特徴とする請求項
    14〜請求項24のいずれかに記載の偏光照明装置。
  32. 【請求項32】 上記回折光学素子は、 一方向の偏光成分のみに対する回折機能発揮のため、液
    晶分子の光軸方向が利用する光の波長に適合した幅の周
    期的に変化する帯状の構造を有していることを特徴とす
    る請求項14〜請求項31のいずれかに記載の偏光照明
    装置。
  33. 【請求項33】 上記回折光学素子は、 上記液晶層構造が光重合開始剤及び色素を含む光源波長
    対応型回折光学素子であることを特徴とする請求項14
    〜請求項32のいずれかに記載の偏光照明装置。
  34. 【請求項34】 上記回折光学素子は、 光重合性モノマーまたは光架橋可能性液晶ポリマーある
    いはオリゴマーが添加され、紫外領域の波長の光照射に
    対し、液晶の分子軸の方向が固定化された帯状の液晶層
    を有していることを特徴とする請求項14〜請求項33
    のいずれかに記載の偏光照明装置。
JP2000113488A 1999-04-16 2000-04-14 偏光照明装置 Pending JP2000356757A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000113488A JP2000356757A (ja) 1999-04-16 2000-04-14 偏光照明装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-109342 1999-04-16
JP10934299 1999-04-16
JP2000113488A JP2000356757A (ja) 1999-04-16 2000-04-14 偏光照明装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000356757A true JP2000356757A (ja) 2000-12-26

Family

ID=26449112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000113488A Pending JP2000356757A (ja) 1999-04-16 2000-04-14 偏光照明装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000356757A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003100315A1 (fr) * 2002-05-24 2003-12-04 Olympus Corporation Dispositif d'eclairage ainsi que dispositif photographique et projecteur equipes de ce dispositif d'eclairage
JP2007233171A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Nikon Corp 表示装置、画像観察装置、カメラおよび画像観察方法
US8089581B2 (en) 2005-08-04 2012-01-03 Panasonic Corporation Display and illuminator
US8184236B2 (en) 2006-02-27 2012-05-22 Fujitsu Limited Lighting device and liquid crystal display device
JP5741445B2 (ja) * 2009-12-11 2015-07-01 日本電気株式会社 照明装置およびそれを用いた投射型表示装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003100315A1 (fr) * 2002-05-24 2003-12-04 Olympus Corporation Dispositif d'eclairage ainsi que dispositif photographique et projecteur equipes de ce dispositif d'eclairage
US7128423B2 (en) 2002-05-24 2006-10-31 Olympus Corporation Illumination apparatus, and image capturing apparatus and projector apparatus using this illumination apparatus
US7322705B2 (en) 2002-05-24 2008-01-29 Olympus Corporation Illumination apparatus, and image capturing apparatus and projector apparatus using this illumination apparatus
US8089581B2 (en) 2005-08-04 2012-01-03 Panasonic Corporation Display and illuminator
US8184236B2 (en) 2006-02-27 2012-05-22 Fujitsu Limited Lighting device and liquid crystal display device
JP2007233171A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Nikon Corp 表示装置、画像観察装置、カメラおよび画像観察方法
JP5741445B2 (ja) * 2009-12-11 2015-07-01 日本電気株式会社 照明装置およびそれを用いた投射型表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7573546B2 (en) Wire grid polarizer having dual layer structure and method of fabricating the same
JP3172076B2 (ja) 照明システムおよび表示装置
US6816290B2 (en) Image display element, and image display device
US8696134B2 (en) Depolarization element and projection type display device
WO2020022513A1 (ja) 光学素子の製造方法および光学素子
KR20010042282A (ko) 회절, 산란을 이루는 광학소자를 사용한 투광, 표시장치
JP5590038B2 (ja) 光学素子、光源装置、及び投射型表示装置
WO2001055778A1 (fr) Polariseur de reflexion optique et projecteur comprenant ce polariseur
JP2005208644A (ja) 光学システム、光源、投影ディスプレイおよび直視型ディスプレイ
US7336878B2 (en) Optical device
JPH11271536A (ja) 画像表示装置、偏光照明装置、偏光分離素子、回折光学素子、およびホログラム素子、ならびに回折光学素子およびホログラム素子の製造方法
JP2006047829A (ja) 液晶表示装置
WO2000033122A1 (fr) Photo-illuminateur polarise, affichage d'image, terminal d'information portatif, affichage tete haute, procede de production d'un dispositif optique de diffraction, procede de production d'un photo-illuminateur polarise et procede de production d'un affichage d'image
CN114578561B (zh) 基于多层体光栅的大视场高亮度全息波导系统及制备方法
JP5359128B2 (ja) 偏光素子及びその製造方法
US20040263974A1 (en) Flat polarization conversion system with patterned retarder
JP3688845B2 (ja) 液晶表示装置
JP2005157378A (ja) 偏光変換光学系
JP3521666B2 (ja) 偏光分離素子およびこれを用いた投写型表示装置
JP2003232910A (ja) 回折格子素子およびその製造方法、並びにこれを用いた偏光選択装置
JP2000356757A (ja) 偏光照明装置
JPH11174232A (ja) 拡散反射板、および、それを用いたプロジェクタ用スクリーンならびに液晶表示素子
US11592740B2 (en) Wire grid polarizer manufacturing methods using frequency doubling interference lithography
JP2002022949A (ja) 偏光位相変調素子とインテグレータ光学系
KR20010031135A (ko) 홀로그램소자, 편광분리소자, 편광조명장치 및 화상표시장치