JP2008299278A - 光走査装置・画像形成装置・光走査方法 - Google Patents

光走査装置・画像形成装置・光走査方法 Download PDF

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    • G02F1/31Digital deflection, i.e. optical switching
    • G02F1/311Cascade arrangement of plural switches

Abstract

【課題】光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力が可能で、高画質化、低コスト化、高信頼性及び長寿命化を実現できる光走査装置を提供する。
【解決手段】レーザ光源1から出射された光ビームは光路切り換え手段4で上段光路又は下段光路に切り換えられる。上段光路を通る光ビームは2段構成のポリゴンミラー7の上段のポリゴンミラー7aで偏向されて被走査面を走査され、下段光路を通る光ビームは下段のポリゴンミラー7bで偏向されて異なる被走査面を走査される。光ビームは分割されることなく異なるタイミング(時間分割)で用いられるため、ビームパワーのロスはない。
【選択図】図1

Description

本発明は、感光体ドラム等の被走査面に静電潜像を形成する光走査装置、該光走査装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置、及び光走査方法に関する。
レーザプリンタ、デジタル複写機、普通紙ファクス等で用いられる電子写真画像形成装置において、カラー化、高速化が進み、感光体を複数(通常は4つ)有するタンデム対応の画像形成装置が普及してきている。
カラーの電子写真画像形成装置としては、感光体を1つのみ有し、色の数だけ感光体を回転するという方式もあるが、4色、1ドラムの場合、ドラムが4回転する必要が有り、生産性に劣る。
一方、タンデム方式の場合、どうしても、光源数が増えてしまい、それに伴い、部品点数の増加、複数光源間の波長差に起因する色ずれ、コストアップが生じてしまう。また、書込ユニット(光走査装置)の故障の原因として半導体レーザの劣化が挙げられている。
光源数が多くなると、故障の確率が増え、リサイクル性が劣化する。特に、光源として面発光レーザやLDアレイを用いる場合、上記の不具合は顕著である。
光源数を減らしながらも、高速な画像出力を可能にする光走査装置として、特許文献1に記載の方式が知られている。
この方式は、共通の光源からの光ビーム(以下、単に「ビーム」ともいう)を分割し、副走査方向に異なる段の反射鏡に各分割ビームを同時に入射させ、それぞれの分割ビームで異なる被走査面を走査するものである。
特開2005−92129号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方式では、共通の光源からのビームパワーが約半分となるように分割して使用するため、光源パワーの実効率はロスし、複数の光源を用いる方式に比べて、倍以上のパワーが必要となる。パワーの増大はレーザ光源の劣化に繋がり、書き込みユニットの故障の原因ともなる。
レーザ光源の劣化は書き込み性能の低下(信頼性の低下)、ひいては画質の低下を来たすこととなる。
本発明は、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力が可能で、高画質化、低コスト化、高信頼性及び長寿命化を実現できる光走査装置及びこれを備えた画像形成装置、光走査方法の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、光源からの光ビームを分割せずにその光路を切り換えることにより時間的に分割された光ビームを確保し、これにより複数の異なる被走査面を走査することとした。光ビーム自体を分割せずに時間的に分割しているので、光源から出射されたビームパワーをロスなく使用することとなる。
具体的には、請求項1記載の発明では、光源と、該光源からの光ビームを偏向する偏向手段と、該偏向手段によって偏向された光ビームを被走査面上に結像する結像光学系とを有する光走査装置において、前記光源と前記偏向手段との間に光ビームの光路を切り換える光路切り換え手段が設けられ、前記光源からの光ビームの光路を切り換えながら該光ビームを異なるタイミングで偏向することにより、複数の異なる被走査面を走査することを特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の光走査装置において、前記光路切り換え手段は、作用力印加で屈折率が変化する第1の回折領域と、該第1の回折領域からの回折光を前記偏向手段の所定部位へ達するように回折させる第2の回折領域とを有していることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の光走査装置において、前記第2の回折領域が、作用力印加で屈折率が変化する構造を有していることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項3記載の光走査装置において、前記第1の回折領域と前記第2の回折領域とが同一の回折構造を有していることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項2〜4のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記第1の回折領域と前記第2の回折領域のうち、少なくとも一方の回折領域は、非重合性液晶からなる領域と等方性媒質からなる領域の周期的な構造からなり、前記非重合性液晶からなる領域の特定の偏光方向に対する屈折率が前記作用力印加により変化し、作用力印加に応じて前記特定の偏光方向の光を透過又は回折することを特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項2〜4のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記第1の回折領域と前記第2の回折領域のうち、少なくとも一方の回折領域は、主にポリマーから成る領域と主に非重合性液晶から成る領域との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散型液晶ホログラム素子であることを特徴とする。
請求項7記載の発明では、請求項1記載の光走査装置において、前記光路切り換え手段は、作用力印加で屈折率が変化する第1の回折光学素子と、該第1の回折光学素子からの回折光を前記偏向手段の所定部位へ達するように回折させる第2の回折光学素子とを有していることを特徴とする。
請求項8記載の発明では、請求項7記載の光走査装置において、前記第2の回折光学素子が、作用力印加で屈折率が変化する構造を有していることを特徴とする。
請求項9記載の発明では、請求項7記載の光走査装置において、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とが同一の回折構造を有していることを特徴とする。
請求項10記載の発明では、請求項7〜9のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子のうち、少なくとも一方の回折光学素子は、非重合性液晶からなる領域と等方性媒質からなる領域の周期的な構造からなり、前記非重合性液晶からなる領域の特定の偏光方向に対する屈折率が前記作用力印加により変化し、作用力印加に応じて前記特定の偏光方向の光を透過又は回折することを特徴とする。
請求項11記載の発明では、請求項7〜9のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子のうち、少なくとも一方の回折光学素子は、主にポリマーから成る領域と主に非重合性液晶から成る領域との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散型液晶ホログラム素子であることを特徴とする。
請求項12記載の発明では、光源と、該光源からの光ビームを偏向する偏向手段と、該偏向手段によって偏向された光ビームを被走査面上に結像する結像光学系とを有する光走査装置において、前記光源と前記偏向手段との間に、作用力印加で屈折率が変化する偏光切り換え手段と、偏光分離手段とが設けられ、前記光源からの光ビームの光路を切り換えながら該光ビームを異なるタイミングで偏向することにより、複数の異なる被走査面を走査することを特徴とする。
請求項13記載の発明では、請求項12記載の光走査装置において、前記偏光分離手段は、偏光ビームスプリッタプリズムであることを特徴とする。
請求項14記載の発明では、請求項12記載の光走査装置において、前記偏光分離手段は、少なくとも第1の回折領域と第2の回折領域とを有し、前記各回折領域は、光学異方性を示す領域と光学等方性を示す領域からなる周期的な構造を有し、透過及び回折により、互いに直交する偏光成分を分離することを特徴とする。
請求項15記載の発明では、請求項12記載の光走査装置において、前記偏光分離手段は、少なくとも第1の回折光学素子と第2の回折光学素子とを有し、前記各回折光学素子は、光学異方性を示す領域と光学等方性を示す領域からなる周期的な構造を有し、透過及び回折により、互いに直交する偏光成分を分離することを特徴とする。
請求項16記載の発明では、請求項12〜15のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記偏光切り換え手段は、一対の透明基板と、前記基板の内面側に設けられた配向膜と、前記配向膜によりホモジニアス配向をなすキラルスメクチックC相よりなる液晶層と、前記透明基板面に対して略垂直方向に作用力を印加する作用力印加手段とからなり、作用力強度に応じて特定の偏光方向を略90°回転することを特徴とする。
請求項17記載の発明では、請求項16記載の光走査装置において、前記偏光切り換え手段を光軸方向に複数個配列したことを特徴とする。
請求項18記載の発明では、請求項17記載の光走査装置において、前記液晶層は略同じ厚さで、略同じコーン角を有することを特徴とする。
請求項19記載の発明では、請求項18記載の光走査装置において、前記コーン角が略45°であることを特徴とする。
請求項20記載の発明では、請求項18記載の光走査装置において、前記コーン角が略22.5°であることを特徴とする。
請求項21記載の発明では、請求項2〜20のうちのいずれか1つに記載の光走査装置において、電界印加手段を有し、前記作用力印加が電界印加であることを特徴とする。
請求項22記載の発明では、請求項1〜21のうちのいずれか1つに記載の光走査装置において、前記偏向手段が、共通の回転軸を有し且つ副走査方向に複数段の構成を有する多面反射鏡であることを特徴とする。
請求項23記載の発明では、請求項1〜22のうちのいずれか1つに記載の光走査装置において、装置筐体内の温度を一定の範囲に保つ温度調整手段を有していることを特徴とする。
請求項24記載の発明では、請求項23記載の光走査装置において、前記光路切り換え手段、前記偏光切り換え手段又は前記偏光分離手段の温度を直接的に検知する温度検知手段を有し、該温度検知手段からの検知信号に基づいて温度調整を行うことを特徴とする。
請求項25記載の発明では、画像形成装置において、請求項1〜24のうちのいずれか1つに記載の光走査装置を備えていることを特徴とする。
請求項26記載の発明では、請求項25記載の画像形成装置において、前記偏向手段の走査記録に対応して、前記光源からの光路を切り換えるように、前記光走査装置を駆動制御することで、複数の異なる被走査面を順次走査記録することを特徴とする。
請求項27記載の発明では、請求項26記載の画像形成装置において、前記光路の切り換え信号は、各被走査面の走査同期信号を基準として設定されていることを特徴とする。
請求項28記載の発明では、光源からの光ビームを偏向手段により偏向し、偏向された光ビームを結像光学系を介して被走査面上に結像する光走査方法において、前記光源からの光ビームの光路を切り換えながら該光ビームを異なるタイミングで偏向することにより、複数の異なる被走査面を走査することを特徴とする。
本発明によれば、アクティブな光路の切り換えにより、従来の光束分割方式に比べて、光源からのビームパワーのロスがなく、光源数を減らしながらも、高速な画像出力が可能で、高画質化、低コスト化、高信頼性及び長寿命化を実現できる。
非重合性液晶から成る領域と等方性媒質から成る領域の周期的な構造からなる回折光学素子を用いることで、電界制御により周期構造の屈折率差の有無が容易に実現でき、かつ、周期構造の屈折率差が大きくとれる。
干渉露光により作製する液晶ホログラム素子は原版複製が可能であるため、低コスト化が実現できるとともに、電界駆動に対して応答性に優れている。
偏光分離手段として、回折光学素子を用いた構成とすることで、従来のミラー分割によるミラー面精度ばらつきの影響及び配置誤差の影響によるビームスポット径劣化の不具合がなく、高価なハーフミラープリズムに比べて低コスト化が実現できる。
偏光切り換え手段として、キラルスメクチックC相よりなる強誘電性液晶素子と電界印加手段を用いているため、光源の波長および偏光方向に対応して、液晶層の膜厚および配向方向を設定することで、偏光方向の切り換えが電界制御により容易に実現できる。また、強誘電性液晶は応答性に優れている。
偏光切り換え手段として、キラルスメクチックC相よりなる強誘電性液晶素子を光軸方向に複数個配列した構成とすることで、光源の波長および偏光方向に対応して、液晶層の膜厚および配向方向を設定することで、偏光方向の切り換えが電界制御により容易に実現でき、低電圧化、高速化が図れる。
偏光切り換え手段として、同じセルギャップ、同じコーン角を有する強誘電性液晶素子を光軸方向に複数個配列した構成とすることで、複数の強誘電性液晶素子は同プロセスで作製でき、また、電界制御が並列化できることから、比較的簡易構成にて実現できる。
偏光切り換え手段として、同じセルギャップ、同じコーン角を有する強誘電性液晶素子を光軸方向に複数個配列した構成とし、液晶層のコーン角が略45°とすることで、90°偏光回転機能を達成する場合、強誘電性液晶素子の1個構成と比較して2個配列した各素子のセルギャップは半分となり、低電圧化が図れる。また、入射偏光方向ズレの許容値が広くなる。
偏光切り換え手段として、同じセルギャップ、同じコーン角を有する強誘電性液晶素子を光軸方向に複数個配列した構成とし、液晶層のコーン角が略22.5°とすることで、90°偏光回転機能を達成する場合、強誘電性液晶素子の1個構成と比較して、セルギャップは同じであるが、液晶のコーン角が小さいことから同じ電圧で高速化が図れる。
温度調整手段を具備しているため、光路切り換えおよび偏光切り換えの応答性が安定した光走査装置が提供できる。
以下、本発明の実施形態を、図1乃至図30を参照して説明する。
まず、本発明の光走査装置の比較構成として、従来の光走査装置について、図31〜34を用いて説明する。
図31は光走査装置の一部を示している。この光走査装置は、レーザ光源1、コリメートレンズ3、光束分割手段40、共通の回転軸を有し2段からなる多面反射鏡(ポリゴンミラー)7等を有している。実際には光源1とポリゴンミラー7間には副走査方向にパワーを有するシリンドリカルレンズが配備されるが、ここでは省略している。また、ポリゴンミラー7からの走査光が被走査面に結像する結像光学系も省略している。
共通の光源1からビームを分割する光束分割手段40としては、ハーフミラープリズムや、回折光学素子を組み合わせた構成が挙げられるが、詳細な説明は省略する。
ここで、光走査装置の動作について説明する。レーザ光源1から出射したビームは光束分割手段40により、副走査方向(紙面上下方向)に2つの(上段のビームLB1と下段のビームLB2)に分割され、上下段のポリゴンミラー7a、7bにそれぞれ入射される。上下段のポリゴンミラー7a、7bは、互いに回転方向の角度(θ)がずれており、ここでは、4面のポリゴンミラーをθ=45degずらしている。
このような構成において、図32に示すように、上段のビームLB1が感光体面(被走査面)を走査しているときは下段のビームLB2は被走査面上にビームが到達しないようにし、望ましくは遮光部材13により遮光するようにする。また、下段のビームLB2が上段とは異なる感光体面(被走査面)を走査しているときは上段のビームLB1は被走査面に到達しないようにする。
さらに、光源1の変調駆動も上段と下段でタイミングをずらし、上段に対応する感光体を走査するときは、上段に対応する色(例えばブラック)の画像情報に基づき、光源1の変調駆動を行い、下段に対応する感光体を走査するときは下段に対応する色(例えばマゼンダ)の画像情報に基づき、光源1の変調駆動を行う。
図33、34は共通の光源1によりブラックとマゼンダの露光を行い、なおかつ、有効走査領域において、それぞれ、全点灯する場合のタイムチャートである。実線がブラックに相当する部分、点線がマゼンダに相当する部分を示す。ブラック、マゼンダにおける、書き出しのタイミングは、有効走査幅外に配備される同期受光手段で走査ビームを検知することにより決定される。なお、同期受光手段は図示されていないが、通常はフォトダイオードが用いられる。
図33ではブラックとマゼンダの領域での光量を同じに設定しているが、実際には光学素子の透過率、反射率は相対的に違うため、光源1の光量を同じにしてしまうと、感光体に到達するビームの光量が異なってしまう。そこで、図34に示すように、異なる感光体面を走査するときに互いの設定光量を異ならせることにより、異なる感光体面上に到達するビーム光量を等しくできる。
しかしながら、光束分割手段40を用いる場合、共通光源1のビームを2つのビームに分割し、マルチビーム化が可能であるが、前述したように、分割した1ビームにて感光体面を走査している間、分割したもう一方のビームは感光体面には達しないようにするため、ビーム光量が略半分ロスしている。そのため、実際には光源1のパワーを大きくする必要がある。
光源パワーの増大は、光源1の劣化(短命化)の原因となるとともに、消費エネルギーの増加を来たすことになる。
特に図29のような高密度化に有効な面発光レーザ(VCSEL)を光源として用いる場合、前記不具合(劣化)は顕著である。
すなわち、VCSELアレイでは微小なVCSELを多数配置して高精細化を実現しているが、1つ1つのVCSELは耐熱性が低く、配列ピッチも小さいため、パワーを増大させると互いに熱の影響を受けて劣化し易い。
このような問題に対処した本発明の第1の実施形態を以下に説明する。なお、従来と同一又は同等部分は同一符号で示す。
図1は本実施形態に係る光走査装置の一部を示している。この光走査装置20(図28、30参照)は、レーザ光源1、光路切り換え手段4、共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡7等を有している。図1では比較構成と同様にシリンドリカルレンズ、被走査面への結像光学系を省略している。
詳細は後述するが、光路切り換え手段4としては、図2に示すように、
作用力印加としての電界印加により屈折率が変化する第1の回折光学素子21と、第1の回折光学素子21に電界を印加する作用力印加手段で且つ液晶駆動源としての電界印加手段22と、第2の回折光学素子23とで構成されており、光ビームは電界印加ON時と電界印加OFF時では異なる光路を通る。
光走査装置20の動作について説明する。レーザ光源1から出射したビームは、光路切り換え手段4における電界印加制御により、副走査方向にビーム光路(上段光路と下段光路)が平行シフトされ、時間分割で、すなわち時間的に異なるタイミングで上下段のポリゴンミラー7a、7bにそれぞれ入射される。
ここでは、電界印加制御において、電界印加ON時に上段光路、電界印加OFF時に下段光路を通過するようにしているが、電界印加ON時に下段光路、電界印加OFF時に上段光路を通過するような構成としてもよい。上下段のポリゴンミラー7a、7bは、比較構成と同様にして、45°位相をずらした4面のポリゴンミラーを用いた構成としている。
このような構成において、光路切り換え手段4における電界印加を制御することで、図3(a)に示すように、上段ポリゴンミラー7aからのビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは、ビームは略上段光路のみを通過し、下段光路はほとんど通過しない。
また、図3(b)に示すように、下段ポリゴンミラー7bからのビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは、ビームは略下段光路のみを通過し、上段光路はほとんど通過しない動作が実現できる。
すなわち、光源1から出射した光ビームを分割することなく、光路を切り換えながら時間的なタイミングをずらして交互にそのまま使用するため、ビーム光量のロスはなく、光源パワーを効率的に利用できる。
そのため、光源1の長寿命化や劣化確率の低減に繋がる。特に高密度化に有効な面発光レーザを光源として用いる場合、効果が大きくなる。
また、戻り光が光源1に入って悪影響が出ること等を防止するために、従来の方式では遮光部材13やλ/4板による光アイソレータ(図示していない)等が必要であるが、本実施形態では光ビームの走査中に他の光ビームが反射するということがないので、遮光部材13や光アイソレータは必要ではなく、且つ、戻り光の問題も生じない。
光路切り換え手段4について具体的に説明する。図4に光路切り換え手段4をなす回折光学素子の概略を示す。
一対の基板24a、24b間に非重合性液晶からなる領域と等方性媒質からなる領域の周期的な構造が形成されている。符号25は支持部材を示している。ここで、周期的構造の形成は、フォトリソグラフィとエッチングまたは切削加工や成形技術等により格子形状を形成し、格子間に非重合性の液晶材料を充填することにより実現できる。
回折光学素子の構成に関して、非重合性液晶としてはネマチック、コレステリック、スメクチックなど一般的な液晶タイプを使用することができ、等方性媒質としては、フォトポリマー等の透明樹脂や石英、青板、白板、BK7等の光学硝材が使用できるが、複屈折性を有さなければこれに限るものではない。
また、図示しないが、作製時には液晶の配向方向を規制する電界が印加可能な電極を設け、液晶の複屈折性を効率よく利用するために配向膜、ラビング、光配向等の配向処理をすることが好ましい。
図5、6に光路切り換え手段4をなす第1の回折光学素子21の機能動作を示す。
図5は基板面に対して略垂直配向となるように配向処理がされており、s偏光(紙面垂直方向)の光が入射する構成としている。図5(a)に示すように、電界印加OFF時において、液晶の常光成分屈折率noと等方性媒質の屈折率nが一致している場合、光は格子の影響を受けずに直進する。
図5(b)に示すように、電界印加ON時において、液晶の異常光成分屈折率neと等方性媒質の屈折率nが一致しない場合、光は格子の影響を受けて回折する。
図6は配向方向を変えた例を示している。ここでは基板面に対して略水平配向(格子の稜線方向)となるように配向処理がされており、s偏光(紙面垂直方向)の光が入射する構成としている。
図6(a)に示すように、電界印加OFF時において、液晶の異常光成分屈折率neと等方性媒質の屈折率nが一致していない場合、光は格子の影響を受けて回折する。
図6(b)に示すように、電界印加ON時において、液晶の常光成分屈折率noと等方性媒質の屈折率nが一致している場合、光は格子の影響を受けずに直進する。
このように、前述した構成の回折光学素子は、電界印加の制御により透過または回折の動作を示す。このような動作を有する回折光学素子を第1の回折光学素子21とし、図1に示したように、第1の回折光学素子21と第2の回折光学素子23を組み合わせた構成とすることで、上下段の光路の切り換えが可能となる。
ここで、第2の回折光学素子23は、第1の回折光学素子21からの回折光を入射光と略平行となるように再回折するため、第1の回折光学素子21と同様の格子形状を有することが生産性、ひいては製造コストの低減の観点から好ましい。
第2の回折光学素子23への電界印加に関しては、構成により電界印加の必要がある場合と、ない場合がある。例えば、図7に示すような構成の場合、第2の回折光学素子23には電界印加の必要はないが、図8に示すような構成の場合、第1の回折光学素子21からの回折光を再回折するためには第2の回折光学素子23に電界を印加する必要がある。
図8に示すような構成にて、第2の回折光学素子23へ電界を印加しない場合は、第1の回折光学素子21からの回折光は再回折されずに透過するため、下段ポリゴンミラー7bに入射されなくなる。
図5、6、7、8においては入射偏光をs偏光としているが、液晶の配向方向を、図9(a)に示すように、基板面に対して略水平配向で格子の稜線方向とは略垂直な方向とすることで、p偏光に対しても同様の動作が実現できる。
回折機能に関して詳細な説明は省略するが、−1次光または+1次光の回折効率は略100%得られることが好ましく、回折光学素子としては格子ピッチに対して格子高さが厚い体積位相型回折格子が好ましい。
また、片側次数の回折光の効率を高くするには、ブラッグ回折条件を満たすように格子を傾けることが好ましい。格子の傾き調整は、図9(b)に示すように格子形状を傾斜させてもよく、図7、図8に示すように、素子自体を傾斜させてもよい。
ここで、光路切り替え手段4をなす回折光学素子の作製および動作確認について説明する。
厚さ約0.5mmのBK7基板にSiONを成膜し、フォトリソグラフィとエッチングにより、ピッチ約1μm、高さ約2.5μmの格子形状を形成し、図4に示すように格子形成基板24bと平面基板24a間にネマチック液晶(メルク製ZLI−2248)を保持した。
このとき平面基板24aのみに配向膜をスピンコートで成膜した。基板間隔は一対のアルミ電極スペーサ(支持部材25)で約6μmに設定し、アルミ電極は格子稜線方向に電界が印加可能なように配置した。この回折光学素子に電界強度4.5V/μm(100Hz)の電圧を印加し、青色LDの光を入射したところ、素子(格子)を12°傾斜させた配置において、+1次光にて70%の高い回折効率が得られた。この状態で電界印加をOFFしたところ、0次光にて、70%の透過率が得られた。
このとき偏光方向は格子稜線方向(s偏光)に設定しており、図5に示す動作が確認できた。
ここで、光路切り換え手段4をなす体積位相型回折格子としてポリマー分散型液晶ホログラム素子について説明する。干渉露光前の液晶ホログラム素子の断面構成概略を図10に示す。
非重合性液晶分子と重合性モノマーあるいはプレポリマーと図示しない光重合開始剤とを均一に混合した組成物を透明電極(図示しない)が成膜された二枚の透明基板30間に挟む。組成物の厚みは基板間隔を制御する図示しないスペーサ部材によって制御できる。
この組成物は感光性を有するため、素子作製工程において感度を有する波長域の光を遮断した環境下で取り扱う。
液晶ホログラム素子の構成に関して、スペーサ部材としては、液晶表示装置に用いられるような球形スペーサ、ファイバースペーサ、PETフィルム、マイラーフィルムなどを用いることができる。また、フォトリソグラフィとエッチングあるいは成型技術などによって基板表面に突起形状(凹凸形状も含む)を加工しても良い。
スペーサ部材はホログラム領域内に存在してもよいが、光散乱等の影響を考えるとホログラムの有効領域外に形成することがよい。スペーサ部材の高さは数μmから数十μmの範囲にて使用でき、回折光の波長とポリマー部と液晶部の屈折率差に応じて所望のホログラム層厚みとなるように適宜設定する。
透明基板としては、液晶表示装置に用いられるようなガラス、プラスチック基板などを用いることができる。
組成物に関して、非重合性液晶としては屈折率異方性を有する液晶ならば一般的なものを使用できる。液晶材料を選択する時は、あるオーダーパラメータの配向状態において、重合性モノマーあるいはプレポリマーの硬化層の屈折率とほぼ等しい屈折率となる液晶材料を選択してもよく、また、液晶材料を選択してから、その液晶のあるオーダーパラメータの配向状態での屈折率とほぼ等しい屈折率になるように重合性モノマーあるいはプレポリマーを選択してもよい。
重合性モノマーまたはプレポリマーとしては、重合による硬化収縮が大きいものを用いることが好ましい。また、上記の他に熱重合禁止剤、可塑剤等が添加されても良い。
光重合開始剤としては、公知の材料を用いることができ、添加量は照射する光の波長に対する各材料の吸光度に依存するが、モノマーまたはプレポリマー全量に対して0.1重量%以上10重量%以下がよく、さらに0.5重量%以上3重量%以下が最良である。
光重合開始剤の添加量に関しての詳細な説明は省略するが、添加量が少なすぎる場合にはポリマーと液晶の相分離が起こり難くなり、必要な露光時間が長くなってしまう。逆に、光重合開始剤が多すぎる場合にはポリマーと液晶の相分離が不十分な状態で硬化してしまうため、ポリマー中に多くの液晶分子が取り込まれ、偏光選択性が悪くなるという問題がある。
同様にして、非重合性液晶材料と重合性モノマーあるいはプレポリマーの混合比率も相分離に大きく影響し、非重合液晶の混合比率が少なすぎる場合には、十分な複屈折(屈折率変調量)が得られず、多すぎる場合には、ポリマー中に多くの液晶分子が取り込まれ、偏光選択性が悪くなる。
また、ポリマー中の液晶分子はドロップレット化し、散乱成分の原因となるため全体の透過率は低下する。混合比率としては、重合性モノマーあるいはプレポリマーの合計量100重量%に対して、非重合性液晶材料は10重量%〜30重量%の割合がよく、さらには20重量%〜25重量%の割合が最良である。この割合においては得られる複屈折と液晶による散乱成分とのバランスが良く、高透過率となる。
相分離によるホログラム形成過程について図11を用いて説明する。図示しない所望の波長のレーザ光源による二光束干渉露光を用いて、組成物中に露光を行うと、図11(a)に示すように、干渉縞の明部において重合性モノマーあるいはプレポリマーの光重合反応が始まる。
この時、硬化収縮が起こって密度差が生じ、隣接する重合性モノマーあるいはプレポリマーが明部に移動し更に重合が進行する。それと同時に明部に存在していた非重合性液晶が暗部に向かって追い出されることで相分離が起こる(図11(b))。この時、液晶分子が移動して行く際にモノマーやポリマー鎖との相互作用で液晶分子長軸を移動方向に配向させようとする力が働くと考えられる。
すなわち、相分離過程において干渉縞の間隔方向に液晶分子を配向させようとする力が働くと考えられる。最終的には図11(c)に示すように、干渉縞の明暗のピッチに対応してポリマー層と非重合性液晶層の周期構造が形成され、液晶層部の配向ベクトルが干渉縞の間隔方向を向いた状態が得られると考えられる。
この干渉露光および相分離過程において、試料を適当な温度に加熱保持しておくことがよい。温度によって相分離の速度が変化し、液晶分子の配向性に影響を及ぼすと考えられる。最適な加熱温度は使用する材料に依存するが概ね40℃から100℃程度である。
相分離によるポリマー層と非重合性液晶層の周期構造では、厳密にはポリマーと非重合性液晶が周期的に完全に分離することは困難であり、ここで言うポリマー層とはポリマー成分が多い領域であり液晶分子を含んでいても良い。また、非重合性液晶層とは非重合性液晶成分が多い領域でありポリマー成分を含んでいても良い。実際にはポリマー層と液晶層の界面は理想的な平面では無く凹凸状であると推測されるため、図11に示したように、界面での液晶分子長軸方向のバラツキは大きく、液晶層のオーダーパラメータは若干小さい状態となっている。
作製する周期構造のピッチは所望の回折角や波長によって異なるが、概ね0.2μmから10μmの範囲である。例えば、650nmの入射光に対して40°の回折角を得るためには、1.0μm程度のピッチ、780nmの入射光に対しては1.2μm程度のピッチが必要となる。
ポリマー層と液晶層界面の傾斜角は基板面に対して垂直方向を0°として0°から±20°程度が好ましい。露光量としては光重合開始剤の添加濃度や露光時の温度に依存するが、屈折率変調量が飽和安定した状態を得る0.5J/cmから30J/cmがよく、さらには安定した生産性を得るためには1J/cmから15J/cmがよい。
このような干渉露光により作製する液晶ホログラム素子は原版複製が可能であるため、低コスト化が実現できる。また、ポリマーによる配向規制の関係から、格子形状に液晶を充填した回折光学素子と比較して、電界駆動に対して応答性に優れている。
光路切り替え手段4をなす液晶ホログラム素子の作製および動作確認について説明する。
厚み0.7mmのガラス基板の片面に青色光および赤色光に対する反射防止膜を形成し、反射防止膜とは反対の面にはITO電極を成膜した。およそ8μm径のビーズスペーサをそれぞれ混入したそれぞれの接着剤により前記のガラス基板を電極面が対向するように貼り合わせた。
接着剤の塗布は反射防止膜形成面とは反対の面で、基板の縁2箇所に塗布した。
次に以下の(1)〜(5)の材料の混合物からなる組成物を約65℃に加熱しながら毛管法によりセル中に注入し、厚み約8μmの組成物層を形成した。なお、この組成物は緑色より短波長の光に反応性を示すため赤色光を用いた暗室下で取り扱った。
(1)ネマチック液晶(メルク製 TL216、Δε>0) 25重量部
(2)フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学製AH600) 75重量部
(3)ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学製DCP−A) 10重量部
(4)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学製HO) 5重量部
(5)ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(チバガイギー製イルガキュア819) 1重量部
セル中に注入後、この組成物は室温下において等方性を示した。
次に波長442nm、出力80mWのHe−Cdレーザによる二光束干渉露光系を作成した。レーザ光を分割、拡大して、1つの光束が約10mW/cm2程度の平行光として、2光束の交差角度を28度に設定した。この波長と交差角度では二光束の交差領域に約1μm周期の干渉縞が生成される。
セル基板を加熱装置に取り付け、約65℃に加熱した状態で、約1分間の二光束干渉露光を行い、液晶ホログラム素子を作製した。この時、基板面の垂直方向に対して+7度と+35度の方向から二光束が入射するように設定した。
液晶ホログラム素子の特性評価としては、作製した素子に波長633nmの直線偏光のレーザ光を照射して、入射光強度に対する0次光と+1次回折光強度を測定した。入射光強度は5mW程度になるようにNDフィルタを用いて調整し、入射光路中に直線偏光板と半波長板を配置し、半波長板の光軸を45度回転させることで、素子に入射する偏光方向(p偏光、s偏光)を切り換え可能な構成とした。
このときのp偏光は干渉露光時の干渉縞と直交方向とし、s偏光は干渉縞の方向とした。入射偏光方向をp偏光に設定したところ、+1次光にて80%の高い回折効率(0次光は8%の透過率)が得られた。ここで、入射偏光方向をp偏光に固定し、基板間に電界強度40V/μm(100Hz)となる電圧を印加したところ、+1次光の回折効率は略0%となり、0次光にて88%の高い透過率が得られた。
このときの応答速度を高速度カメラにて測定したところ、電界印加ON時は約100μsec、電界印加OFF時は約250μsecと一般的な液晶素子より2桁も高速応答性を示した。
すなわち、この液晶ホログラム素子を図2に示す第1の回折光学素子21とすることで、電界印加の制御により光路の切り換えが実現できる。
本実施形態では、光路切り換え手段4を2つの独立した部材である第1の回折光学素子21と、第2の回折光学素子23との組み合わせにより構成したが、これらの機能を領域として併せ持つ単体の光学素子で構成してもよい。
また、液晶素子(回折光学素子)をアクティブに駆動する作用力印加は電界印加に限定される趣旨ではなく、磁界印加でもよい。
また、副走査方向に2段のポリゴンミラーにより偏向走査(主走査方向に走査)するようにしたが、1段のポリゴンミラーの単面のミラーの上下部位を偏向位置として使い分ける構成としてもよい。また、単面のミラーにおいて、同じ偏向位置を使い、斜め入射方式で異なる被走査面を走査するようにしてもよい(以下の他の実施形態において同じ)。
図12〜図16に基づいて第2の実施形態を説明する。
図12に本実施形態に係る光走査装置の一部を示す。光走査装置20'は、レーザ光源1、偏光切り換え手段26、偏光分離手段27、共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡7等を有している。図12では比較構成と同様にシリンドリカルレンズ、被走査面への結像光学系を省略している。
本実施形態では、偏光切り換え手段26と偏光分離手段27とを組み合わせたものが、第1の実施形態における光路切り換え手段4の機能を有する。
ここで、偏光切り換え手段26はp偏光とs偏光の切り換えを行う機能を有し、偏光分離手段27はp偏光とs偏光を分離することで光路を選択する回折素子として機能する。
偏光分離手段27としては、偏光ビームスプリッタ(PBS)プリズムや、上述した第1の回折光学素子21と第2の回折光学素子23とを組み合わせた構成が採用でき、特に図13に示すような、回折光学素子を組み合わせた構成は低コスト化に有利である。
図13に示す構成では、s偏光は透過し、p偏光は回折する機能を有する回折光学素子を用いた構成としているが、透過および回折により、互いに直交する偏光成分を分離する機能を有するものであれば問題はない。
回折光学素子を組み合わせた偏光分離素子(偏光分離手段27)の作製および動作確認について説明する。
厚み0.7mmのガラス基板の片面に青色光および赤色光に対する反射防止膜を形成し、およそ8μm径のビーズスペーサをそれぞれ混入したそれぞれの接着剤により二枚のガラス基板を貼り合わせた。接着剤の塗布は反射防止膜形成面とは反対の面で、基板の縁2箇所に塗布した。
次に以下の(1)〜(5)の材料の混合物からなる組成物を約65℃に加熱しながら毛管法によりセル中に注入し、厚み約8μmの組成物層を形成した。なお、この組成物は緑色より短波長の光に反応性を示すため赤色光を用いた暗室下で取り扱った。
(1)ネマチック液晶(メルク製 TL216、Δε>0) 25重量部
(2)フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学製AH600) 75重量部
(3)ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学製DCP−A) 10重量部
(4)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学製HO) 5重量部
(5)ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(チバガイギー製イルガキュア819) 1重量部
セル中に注入後、この組成物は室温下において等方性を示した。
次に波長442nm、出力80mWのHe−Cdレーザによる二光束干渉露光系を作成した。レーザ光を分割、拡大して、1つの光束が約10mW/cm2程度の平行光として、2光束の交差角度を28度に設定した。この波長と交差角度では二光束の交差領域に約1μm周期の干渉縞が生成される。セル基板を加熱装置に取り付け、約65℃に加熱した状態で、約1分間の二光束干渉露光を行い、液晶ホログラム素子を作製した。この時、基板面の垂直方向に対して+7度と+35度の方向から二光束が入射するように設定した。
液晶ホログラム素子の特性評価としては、作製した素子に波長633nmの直線偏光のレーザ光を照射して、入射光強度に対する0次光と+1次回折光強度を測定した。入射光強度は5mW程度になるようにNDフィルタを用いて調整し、入射光路中に直線偏光板と半波長板を配置し、半波長板の光軸を45度回転させることで、素子に入射する偏光方向(p偏光、s偏光)を切り換え可能な構成とした。
このときのp偏光は干渉露光時の干渉縞と直交方向とし、s偏光は干渉縞の方向とした。p偏光入射時は+1次光にて89%の高い回折効率(0次光は9%の透過率)が得られており、s偏光入射時は0次光にて98%の高い透過率(+1次光は0%の回折効率)が得られた。
ここで、上記の液晶ホログラム素子を2つ用いて、図13に示すように偏光分離素子を作製した。2つの素子間距離は約10mmとし、p偏光およびs偏光をそれぞれ入射して偏光方向に対する光利用効率を測定したところ、p偏光入射時の光利用効率は78%、s偏光入射時の光利用効率は94%であり、良好に偏光分離することができた。
偏光切り換え手段26としては、電界印加により屈折率が変化する性質をもつ材料に電界印加手段を具備した構成にて実現できる。例えば、LN等の強誘電体結晶や液晶素子などからなる構成があるが、前者は結晶基板を切り出してデバイス加工するため、小型化、高密度化に限界があり、非常に高価である。後者は表示用途に広く使用されているため、安価であるが、液晶素子として一般的なツイストネマチィック液晶は応答速度が数十msecで高速応答には向かない。
そこで、比較的安価で高速応答性を示す強誘電性液晶による偏光切り換え素子が好ましい。
光走査装置の動作としては、レーザ光源から出射したビームは、偏光切り換え手段26における電界制御により、ビームの偏光方向が切り換えられ、偏光分離手段27により直交する偏光方向のそれぞれのビームは、副走査方向にビーム光路(上段光路と下段光路)が平行シフトされ、時間分割で上下段のポリゴンミラー7a、7bにそれぞれ入射される。上下段のポリゴンミラー7a、7bは、比較構成と同様にして、45°位相をずらした4面のポリゴンミラーを用いた構成としている。
このような構成において、偏光切り換え手段26における電界を制御することで、図3に示したように上段ポリゴンミラー7aからのビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは、ビームは略上段光路のみを通過し、下段光路はほとんど通過しない。
また、下段ポリゴンミラー7bからのビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは、ビームは略下段光路のみを通過し、上段光路はほとんど通過しない動作が実現でき、光源からのビーム光量をロスなく、効率的に利用できる。そのため、光源の長寿命化や劣化確率の低減に繋がる。特に高密度化に有効な面発光レーザを光源として用いる場合、効果が大きくなる。
偏光切り換え手段26について具体的に説明する。
図14に液晶素子を用いた偏光切り換え手段26の概略を示す。偏光切り換え手段26は、一対の透明基板28、28と、図示しない配向膜と、ホモジニアス配向をなすキラルスメクチックC相よりなる強誘電性液晶層と、前記透明基板面に対して略垂直方向に電界印加を可能とする一対の透明電極29、29と、図示しない作用力印加手段としての電界印加手段とからなる構成とされている。
前述したように高速応答にはホモジニアス配向されたキラルスメクチックC相よりなる強誘電性液晶を用いることが好ましいが、それほど高速応答が必要ない用途によっては、ネマチック液晶も同様の構成で用いることができる。
また、配向膜はTN液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド等の通常の配向膜、また耐久性能が高いSiO、SiO、ポリシロキサン系の無機配高膜が利用でき、液晶ダイレクタの方向を強く規制するため、ラビング処理や光配向処理を別途施すことが好ましい。透明電極29はITO等を用いることができる。
図15は強誘電性液晶のスイッチングを説明する模式図である。一般にキラルスメクチックC相よりなる強誘電性液晶層はらせん構造を有しているが、そのらせんピッチより薄いセルギャップd間に挟持すると、らせん構造がほどけ、表面安定化強誘電性液晶層(SSFLC)となる。
SSFLCは図15(a)に示すように、液晶分子がスメクチック層法線に対して傾き角−θ(ここでは、θ=22.5°)だけ傾いて安定する配向状態と、図15(b)に示すように、逆方向にθだけ傾いて安定する配向状態とが混在する状態が実現できる。
図15において、Wはスメクチック相の層法線、nは液晶分子の長軸方向(ダイレクタ)、丸印内に黒丸の記号と、丸印内に+の記号は自発分極の方向を表す。
紙面に垂直な方向に電界を印加することにより、液晶分子とその自発分極の向きを一様に揃えることができ、その状態を保持しておくことができる。そして、印加する電界の極性を切り換えることによって、2つの状態間のスイッチングを行うことができる。
すなわち、図15において−Eの電界を印加すると、スメクチック相の層法線方向Wから−θだけ傾いた配向状態1に、+Eの電界を印加すると、スメクチック相の層法線方向Wからθだけ傾いた配向状態2に安定化することができる。
すなわち、θ=22.5°とする場合、配向状態1から45°傾いた配向状態2に安定させることができる。
図16は、前述したSSFLCを用いた偏光切り換え素子の動作を示す模式図である。図16において、液晶層の厚さ(セルギャップ)dは入射光の波長λ(例えば650nmまたは780nm)と液晶材料の650nmまたは780nmにおける屈折率異方性Δnによって決まり、Δn×d=λ/2を満たすように、すなわち、半波長板条件を満たすように決定する。
入射偏光方向は液晶層における液晶分子配向の2つの配向状態のうち、どちらか一方の配向状態における液晶分子の短軸方向または長軸方向と位置するように調整配置する必要がある。
ここでは、−Eの電界を印加した時の配向状態1の短軸方向としている。調整法としては、位相板の配置により偏光方向を調整することが可能である。また、ラビング等の配向処理により、液晶分子の初期配向を設定する、または液晶素子自体を回転調整しても可能である。
このような構成とすることで図16に示すように、透明電極29間に−Eの電界を印加した場合、液晶分子はスメクチック相の層法線方向Wから−θだけ傾いた配向状態(配向状態1)をとり、入射偏光は、そのままの偏光方向を保持したまま出射する。
一方、透明電極29に+Eの電界を印加した場合、液晶分子はスメクチック相の層法線方向Wから+θだけ傾いた配向状態(配向状態2)をとる。この場合、ここではθ=22.5°としているので、入射偏光に対して、液晶分子長軸方向(ダイレクタ)は2θ=45°傾いて配向する。その結果、半波長板条件が成立し、出射偏光は入射偏光から略90°回転した偏光方向となる。
すなわち、電界制御により偏光切り換えが実現でき、強誘電性液晶を用いているため、偏光切り換えに有する応答速度は数μsec〜数百μsecと高速応答である。
ここで、図16に示すような構成の液晶素子の偏光解析をシミュレーション(LCDマスター:シンテック)により検証した。
理想モデル(配向状態)での偏光状態を解析するため、前提条件として、液晶はネマチック(ZLI−2293*)、印加電圧0V、プレチルト角0°とした。表1及び表2にシミュレーション1の詳細を示す。
Figure 2008299278
Figure 2008299278
シミュレーション1の入射偏光方向は0deg(p偏光)であり、モデル1における液晶分子の方向は0degとp偏光と同じ方向であり、光は液晶の複屈折は感じないため、p偏光の透過率が100%、s偏光の透過率が0%となっている。
また、モデル2における液晶分子の方向はp偏光から45deg傾いており、光は液晶の複屈折を感じるため、前述した[液晶複屈折Δn×セルギャップd=波長λ/2]の条件を満たすことで、90°偏光が回転する。
ここで、シミュレーション1では波長λ:650nm、液晶の複屈折Δn:0.130、セルギャップd=2.50μmであることから、上式を満たしており、90°偏光回転された結果、p偏光の透過率が0%、s偏光の透過率が100%となっている。すなわち理想モデルにおいて、90°偏光回転機能が確認できている。
参考として波長λが780nmの場合、液晶は波長分散があるため、若干複屈折は小さくなりΔn:0.125とすると、90°偏光回転機能を有するセルギャップd=3.11μmとなる。
次に、強誘電性液晶素子を用いた偏光切り換え手段26の作製および動作確認について説明する。厚さ1.1mmの無アルカリガラス基板にITO電極(膜厚1500Å)を成膜した。基板電極面に配向膜(AL3046−R31 JSR 社製)をスピンコートにより約800Åの厚さに形成し、その基板表面を、ラビング法により配向処理を行った。前述したガラス基板を2枚用い、電極面を対向させて、基板間が約2.5μmになるようにビーズを混入した接着剤にて貼り合わせた。
基板を90度に加熱した状態で2枚の基板間に液晶層として、強誘電性液晶(クラリアント製R5002 Δn=0.17、2θ=90度)を毛管法で注入し、70℃から55℃までを10V/μmの直流電圧を印加した状態で冷却後に封止し、図14に示すような液晶素子を作製した。配向状態を光学顕微鏡により観察したところ、ほぼ均一な配向状態を確認した。この液晶素子に周波数100Hz、±10V/μmの矩形波信号を入力し、クロスニコル下での明暗のスイッチング速度を測定した(液晶素子特性評価装置 大塚電子製)。
図17に液晶素子の応答速度特性を示す。応答速度は±電圧切り換えタイミングから出力飽和値とし、透過光の明暗10−90%のデータである。室温(25℃)付近における応答速度は約1msec、であり、一般的な液晶素子より1桁も高速応答性を示した。
電界制御による偏光切り換えに動作に関しては、偏光切り換えを効率よく実現するには、図16に示すように強誘電性液晶のコーン角2θが45°であることが好ましいため、2θが45°である強誘電性液晶(クラリアント製FELIX018−100 Δn=0.17、2θ=45)を用いて、前述と同様にして液晶素子を作製評価した。
評価方法は作製した液晶素子をλ/2板と、偏光板の間に配置し、入射時の偏光方向と出射時の偏光方向を評価した。光源は赤色LD(波長650nm)を用いた。
まず、λ/2板にて入射偏光方向がラビング方向と略22.5°傾いた方向となるように設定した。次に、素子電極間に+10V/μmの電界を印加したところ、若干楕円偏光になっているが、入射時と出射時の偏光方向は略同じであった。
更に、素子電極間に極性の異なる−10V/μmの電界を印加したところ、これも若干楕円偏光になっているが、入射時と出射時の偏光方向は略90°異なった方向となった。すなわち、電界印加の制御により偏光方向が90°切り換えることができた。出射偏光が楕円偏光になるのは、Δn*d=λ/2の条件が最適化されていないためである。
さらに、この液晶素子に周波数4kHz、±18V/μmの矩形波、パルス波(パルス幅40μsec)信号を入力し、クロスニコル下での明暗のスイッチング速度を測定した。スイッチング応答速度はオシロスコープを用いて、フォトダイオード出力波形により求めた。応答速度は±電圧切り換えタイミングから出力飽和値とし、透過光の明暗0−100%のデータである。
図18に液晶素子の応答速度特性を示す。±電界時の応答速度はほぼ同じであるためプロットは±電界時の平均値とした。室温(25℃)付近における応答速度は約25〜30μsecであった。前記の強誘電性液晶素子よりさらに2桁も高速応答性を示した。
図19〜図25に基づいて第3の実施形態(偏光切り換え手段の変形例;並列構造)を説明する。
図19に液晶素子(図14で示した偏光切り換え手段26と同様の構造)を光軸方向に複数個(ここでは2個とする)用いた偏光切り換え手段31の概略を示す。
各一個の液晶素子32は一対の透明基板28と、図示しない配向膜と、ホモジニアス配向をなすキラルスメクチックC相よりなる強誘電性液晶層と、前記透明基板面に対して略垂直方向に電界印加を可能とする一対の透明電極29と、共通の電界印加手段33とからなる構成とされている。
第2の実施形態での説明と同様に、高速応答にはホモジニアス配向されたキラルスメクチックC相よりなる強誘電性液晶を用いることが好ましい。また、配向膜はTN液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド等の通常の配向膜、また耐久性能が高いSiO、SiO、ポリシロキサン系の無機配高膜が利用でき、液晶ダイレクタの方向を規制するため、ラビング処理や光配向処理を別途施すことが好ましい。
透明電極はITO等を用いることができる。強誘電性液晶のスイッチング(図15参照)は、第2の実施形態での説明と同様でなので省略する。
図20は、前述したSSFLC素子を光軸方向に複数個配列した偏光切り換え手段31の動作を示す模式図である。透明電極29間に−Eの電界を印加した場合、図20(a)に示すように、液晶分子(図示しない)は配向状態1をとり、入射偏光はそのままの偏光方向を保持したまま出射する。
一方、透明電極29間に+Eの電界を印加した場合、図20(b)に示すように、液晶分子(図示しない)は配向状態2をとる。
出射偏光は液晶層の厚さ(セルギャップ)d、入射光の波長λ(例えば650nmまたは780nm)と液晶材料の650nmまたは780nmにおける屈折率異方性Δnによって決まり、2個のSSFLC(偏光回転)素子において、[第一の偏光回転素子のΔn×d]+[第二の偏光回転素子のΔn×d]=λ/2の条件を満たす(すなわち、複数個の素子で半波長板条件を満たす)ことで、入射偏光から90°回転した偏光方向となる。
入射偏光方向は液晶層における液晶分子の配向の2つの配向状態のうち、どちらか一方の配向状態における液晶分子の短軸方向または長軸方向と位置するように調整配置する必要がある。
調整法としては、入射偏光を位相板の配置により偏光方向を調整することが可能である。また、ラビング等の配向処理により、液晶分子の初期配向を設定する、または液晶素子自体を回転調整しても可能である。
このように、液晶素子を光軸方向に複数個用いた構成においても電界制御により90°偏光回転が実現でき、更に同じ厚さ(セルギャップ)dで同じコーン角2θを有する液晶素子を2個組み合わせることで、複数の液晶素子は同プロセスで作製でき、異なる素子構成での組み合わせと比較すると生産性が向上する。
また、図19で示したように、電界制御も並列化(同じ印加電圧が使用可能:電界印加手段共有化)でき、偏光切り換え手段31として構成が簡易化できる。
図21、図22は前述したSSFLC素子を光軸方向に2個配列した偏光切り換え手段31のより具体的な実施形態による動作を示す模式図である。
ここでは、2個のSSFLC(偏光回転)素子は同じセルギャップを有し、かつ同じコーン角2θを有しており、コーン角2θは45°と設定している。2個の素子の透明電極間に−Eの電界を印加した時の配向状態1の短軸方向(または長軸方向)に入射偏光方向を調整している(図21(a)、図22(a))。
また、2個の素子の透明電極間に+Eの電界を印加した場合、図21(b)、図22(b)に示すように、液晶分子はコーン角2θ分の45°傾いた配向状態2となる。出射偏光は液晶層の厚さ(セルギャップ)d'、入射光の波長λ(例えば650nmまたは780nm)と液晶材料の650nmまたは780nmにおける屈折率異方性Δnによって決まり、2個のSSFLC(偏光回転)素子において、[第一の偏光回転素子のΔn×d’=λ/4]+[第二の偏光回転素子のΔn×d’=λ/4]=λ/2の条件を満たすことで、入射偏光から90°回転した偏光方向となる。
これは、図21に示すように、第一の偏光回転素子を通過する偏光状態は直線偏光から円偏光(理想的には)となり、第二偏光回転素子を通過する偏光は円偏光から直線偏光(第一偏光回転素子への入射偏光から90°回転)となる。
このような構成とすることで、SSFLC素子が1個である偏光切換素子に比べて素子のセルギャップは小さくなり(d'<d)、低電圧化が図れる。
図20に示すような構成の液晶素子の偏光解析をシミュレーション(LCDマスター:シンテック)により検証した。ここで今回、理想モデル(配向状態)での偏光状態を解析するため、前提条件として、液晶はネマチック(ZLI−2293*)、印加電圧0V、プレチルト角0°とした。表3及び表4にシミュレーション2の詳細を示す。
Figure 2008299278
Figure 2008299278
シミュレーション2の入射偏光方向は0deg(p偏光)であり、モデル1における第一(#1)、第二(#2)の液晶分子の方向はそれぞれ0deg、0degと共にp偏光と同じ方向であり、光は液晶の複屈折は感じないため、p偏光の透過率が100%、s偏光の透過率が0%となっている。
また、モデル2における第一(#1)、第二(#2)の液晶分子の方向はそれぞれp偏光から45deg、45deg傾いており、光は液晶の複屈折を感じるため、前述した[第一の液晶(偏光回転)素子のΔn×d’=λ/4]+[第二の液晶(偏光回転)素子のΔn×d’=λ/4]=λ/2の条件を満たすことで、90°偏光が回転する。
ここで、シミュレーション2では波長λ:650nm、液晶の複屈折Δn:0.130、セルギャップd=1.25μmであることから、上式を満たしており、90°偏光回転された結果、p偏光の透過率が0%、s偏光の透過率が100%となっている。すなわち、液晶素子を光軸方向に複数個(ここでは2個とする)用いた構成における理想モデルにおいても、90°偏光回転機能が確認できている。
同様に参考として波長λが780nmの場合、液晶は波長分散があるため、若干複屈折は小さくなりΔn:0.125とすると、90°偏光回転機能を有するセルギャップd=1.55μmとなる。ここで、シミュレーション1とシミュレーション2を比較すると、液晶素子のセルギャップ(Thickness)が異なっており、シミュレーション2の素子セルギャップはシミュレーション1の素子セルギャップの1/2となっている。
すなわち、駆動電界としても1/2となり、低電圧化できる。
図23、図24は、前述したSSFLC素子を光軸方向に2個配列した偏光切り換え手段31のより具体的な他の実施形態による動作を示す模式図である。
2個のSSFLC(偏光回転)素子は同じセルギャップを有し、かつ同じコーン角2θを有しており、コーン角2θは22.5°と設定している。
入射偏光方向は2個の素子の透明電極間に−Eの電界を印加した時の配向状態1の短軸方向(または長軸方向)となるように調整している(図23(a)、図24(a))。
また、2個の素子の透明電極間に+Eの電界を印加した場合、図23(b)、図24(b)に示すように、液晶分子はコーン角2θ分の±22.5°(第一素子は22.5°、第二素子は−22.5°)傾いた配向状態2となる。出射偏光は液晶層の厚さ(セルギャップ)d、入射光の波長λ(例えば650nmまたは780nm)と液晶材料の650nmまたは780nmにおける屈折率異方性Δnによって決まり、2個のSSFLC(偏光回転)素子において、[第一の偏光回転素子のΔn1×d]+[第二の偏光回転素子のΔn2×d]=λ/2の条件を満たすことで、入射偏光から90°回転した偏光方向となる。
これは図23に示すように第一偏光回転素子を透過した偏光は入射偏光方向から45°回転した直線偏光(理想的には)となり、第二偏光回転素子を透過した偏光は第一偏光回転素子を透過した偏光からさらに45°回転した直線偏光(理想的には)となるためである。このような構成とすることで、SSFLC素子が1個である偏光切り換え素子に比べて液晶のコーン角2θが小さくなり、(2θ:22.5°<2θ:45°)、応答性の高速化が図れる。
ここで、応答性の高速化に関して説明する。図25にSSFLC物性の粘度γとコーン角2θとの関係を示す(クラリアント製FLCカタログデータ参考)。凡例はFLCの配向モードの違いを示しており、様々な配向モードにおいて、コーン角2θが小さくなると粘度γも小さくなる傾向にあることがわかる。
一般にFLCの応答性はτ=γ/Ps*E(液晶とディスプレイ応用の基礎:コロナ社参考)の式で近似でき、Ps:自発分極、E:電界との関係にもよるが、粘度γが小さくなると応答速度が速くなる傾向にあることがわかる。
図24に示すような構成の液晶素子の偏光解析をシミュレーション(LCDマスター:シンテック)により検証した。ここで今回、理想モデル(配向状態)での偏光状態を解析するため、前提条件として、液晶はネマチック(ZLI−2293*)、印加電圧0V、プレチルト角0°とした。表5及び表6にシミュレーション3の詳細を示す。
Figure 2008299278
Figure 2008299278
シミュレーション3の入射偏光方向は0deg(p偏光)であり、モデル1における第一(#1)、第二(#2)の液晶分子の方向はそれぞれ0deg、0degと共にp偏光と同じ方向であり、光は液晶の複屈折は感じないため、p偏光の透過率が100%、s偏光の透過率が0%となっている。
また、モデル2における第一(#1)、第二(#2)の液晶分子の方向はそれぞれp偏光から22.5deg、−22.5deg傾いており、光は液晶の複屈折を感じるため、前述した[第一の液晶(偏光回転)素子のΔn1×d]+[第二の液晶(偏光回転)素子のΔn2×d]=λ/2の条件を満たすことで、90°偏光が回転する。
シミュレーション3では波長λ:650nm、液晶の複屈折Δn:0.130、セルギャップd=2.5μmであることから、上式を満たしており、90°偏光回転された結果、p偏光の透過率が0%、s偏光の透過率が100%となっている。
すなわち、液晶素子を光軸方向に複数個(ここでは2個とする)用いた構成における理想モデルにおいても、90°偏光回転機能が確認できている。
SSFLC素子を光軸方向に複数個配列した偏光切り換え手段の構成において、同じコーン角としたとき、コーン角2θが略45°の場合は45°±13°、コーン角2θが略22.5°の場合は22.5°±10°であれば所望偏光成分の透過率は90%以上を確保でき、応用にもよるが実用的に問題はない。
また、所望偏光成分の透過率確保には第一SSFLC素子のコーン角2θ1と、第二SSFLC素子のコーン角2θ2とは、0.9*(90+2θ1)/2≦2θ2≦1.1*(90+2θ1)/2の関係を満たすことが好ましい。
図26及び図27に基づいて第4の実施形態を説明する。
前述した光走査装置において、光源からのビームをロスすることなく、時間分割で上下段のポリゴンミラーにそれぞれ入射するためには、光路切り換えの応答速度が重要となる。
前述したように、光路の切り換えは、アクティブな回折光学素子あるいは偏光切り換え素子の電界制御によりなされる。そこで、安価な素子を実現するために液晶を用いた構成としている。液晶材料は一般的に温度依存性を示し、温度が高くなるに従い、粘性が低くなり、応答速度が速くなる性質をもつ(図17参照)。
そこで、本実施形態では光路切り換えの高速化を定常的に得るための温度調整手段を設けたことを特徴としている。
温度調整手段としては、光路切り換えの応答性に影響するアクティブな回折光学素子あるいは偏光切り換え素子に直接ペルチェ素子や小型ヒータなどの温度調整素子を設けることが可能である。
このような構成とする場合、直接素子を温度調整するため、調整温度に達する時間が早く、高精度の調整ができるといった利点がある。一般にペルチェ素子は高価であるため、小型ヒータを用いることが好ましく、小型ヒータとしては例えば、セラミックヒータ等を用いることができる。
また、光走査ユニット内の温度を調整するように光走査装置に温度調整手段を設ける構成としてもよい。
以下に具体的に説明する。図26に温度調整手段を具備した光走査装置の概略を示す。本実施形態に係る光走査装置34は、光走査装置本体としての図示しない光学部品(光源、光路切り換え手段、ポリゴンミラー、結像光学系等)を覆う筐体35と、筐体35内の温度を調整する温度調整手段36を有している。
温度調整手段36は、筐体35の外面近傍に配置された熱源37と、筐体35内の温度を検知する温度検知手段38と、温度検知手段38からの検知信号に基づいて熱源37を調整する温度制御回路39を有している。
ここでは、熱源37としてヒータを用いて、温度調整する構成としている。例えば、ヒータとしては、加熱源と熱拡散板とで構成することができ、加熱源によって加熱された雰囲気は、熱拡散板によって均一に拡散される。また、ファンによる送風量を調節することでも装置内の温度を調整することができる。特定の温度範囲に調整されるようにサイリスタやサーモスタットを設けることが好ましい。
例えば、図17に示すような応答性を示す液晶素子を光路切り換えに用いる場合、温度調整手段36における温度範囲を30℃〜40℃に設定することで0.5msec以下の高速応答を保つことができ、第2の実施形態で説明した応答性を示す液晶素子を光路切り換えに用いる場合、温度調整手段36における温度範囲を30℃〜40℃に設定することで25μsec以下の高速応答を保つことができる。
熱源37を筐体35の外部に配置して筐体35内の温度調整をする方式では、温度変化に対する調整の応答性が低い。このため筐体35内の光学部品のうち、例えば温度変化に敏感な特性を有する光路切り換え手段の高速応答性が低下する懸念がある。
このような場合、図27に示すように、光路切り換え手段4に直接的にその熱容量に適した熱源37'を配置し、且つ、温度検知手段38によりその近傍を検知するようにすれば常に良好な高速応答性を維持することができる。
温度を検知する手段としてはサーミスタ、熱電対などを用いることができるが、以下の理由のため熱電対を用いることが好ましい。サーミスタは抵抗温度変化特性の直線性が悪く測定精度が低い。熱電対は、熱起電力が大きく、特性のバラツキが小さく互換性がある。また、熱に対し安定で寿命が長いなどの特徴があり信頼性が高い。材質としては例えば、JIS規格に規定されているK(クロメルーアルメル)、J(鉄−コンスタタン)、T(銅−コンスタンタン)、E(クロメル−コンスタンタン)、N(ナイクロシル−ナイシル)または、JIS規格外の(ニッケル−ニッケル18%モリブデン)、(タングステン5%レニウム−タングステン26%レニウム)などを用いることができる。
上述した光走査装置の具体的構成(第5の実施形態)を説明する。
図28は本実施形態に係る光走査装置の構成を示す概要斜視図である。同図において符号1、1’は光源としての半導体レーザ、2はLD(半導体レーザ)ベース、3、3’はカップリングレンズ、4は上述した光路切り換え手段、5、5’はシリンドリカルレンズ、6は防音ガラス、7は偏向手段としてのポリゴンミラー、8は第1走査レンズ、9はミラー、10は第2走査レンズ、12は被走査面としての感光体(像担持体)、50は開口絞りをそれぞれ示す。
カップリングレンズ3、3’、光路切り換え手段4、シリンドリカルレンズ5は第1の結像光学系を構成し、第1走査レンズ8、ミラー9、第2走査レンズ10は第2の結像光学系を構成する。
なお、図28では2つの感光体12M、12Kに対応する構成のみ示しているが、実際には偏向手段7を挟んで、図示された光学系と同様の光学系を配備することにより、4つの感光体を走査するようになっている。
半導体レーザ1、1’から出射した各2本の発散光束はカップリングレンズ3、3’により、弱い収束光束、または平行光束、または弱い発散光束に変換される。
カップリングレンズ3、3’を出たビームは被走査面上でのビーム径を安定させるための開口絞り50を通過し、光路切り換え手段4に入射する。上述のようにビームは光路切り換え手段4により光路を切り換えられる。
光路切り換え手段4により光路を切り換えられたビームは上下段それぞれに配備されるシリンドリカルレンズ5、5’により、偏向反射面の近傍にて主走査方向に長い線像に変換される。ここで、偏向手段7は上下段にそれぞれ単体のポリゴンミラー7a、7bが同心で配置され、互いに回転方向の角度がずらしてある(ここではθ=45deg)。
両ポリゴンミラーは同形で、原理的には任意の多角形からなる。一方の多角形の1辺の中心角をほぼ2等分する角度に他方の多角形の頂点が対応するように重ねてある。
上述のように、共通の光源からの上段のビームが被走査面である感光体12Kを走査し、異なるタイミングで下段のビームが上段とは異なる感光体12Mを走査する。
光路切り換え手段4における光路切り換え信号は、有効走査幅外に配備される図示しない同期受光手段(例えばフォトダイオード)により検知される走査同期信号を基準として設定されている。
光路切り換え手段4に代えて、偏光切り換え手段と偏光分離手段とからなる構成としてもよい。
光源としては、図29に示すように、高密度化に有効な面発光レーザ(VCSEL)を用いてもよい。
本実施形態では光走査装置20を例示しているが、光走査装置20'、34においても同様である。
図30に基づいて、上述した光走査装置を用いたタンデム型のカラー画像形成装置(第6の実施形態)を説明する。
カラー画像形成装置は、転写ベルト11の移動方向に沿って並置された4つの感光体12Y、12C、12M、12Kを有している。イエロー画像形成用の感光体12Yの周りには、その矢印で示す回転方向において順に、帯電器13Y、現像器14Y、転写手段15Y、クリーニング手段16Yが配置されている。他の色についても同様の構成を有しており、色別の欧文字(C:シアン、M:マゼンダ、K:ブラック)を付して区別し、説明は省略する。
帯電器13は、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。帯電器13と現像器14の間において感光体表面に光走査装置20によりビームが照射され、感光体12に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、静電潜像に基づき、現像器14により感光体面上にトナー像が形成される。転写手段15により、転写ベルト11で搬送される記録媒体(転写紙)に各色の転写トナー像が順次転写され、最終的に定着手段17により重ね合わせ画像が転写紙に定着される。
本実施形態では光走査装置20を例示しているが、光走査装置20'、34においても同様である。
前述したような電界制御により光路が切り換え可能な光走査装置を用いた画像形成装置において、複数段のポリゴンミラーからの走査記録に対応して、レーザ光源の光路切り換えおよび光量を変調駆動することで、各色に対応する感光体を順次走査記録することができ、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力を可能とする画像形成装置が実現できる。
第1の実施形態に係る光走査装置の要部を示す概略図で、(a)は側面図、(b)は偏向手段の斜視図である。 光路切り換え手段の構成及び機能を示す模式図である。 光路切り換え手段を通った光ビームの偏向走査を示す図で、(a)は上段のポリゴンミラーによる反射状態を示す図、(b)は下段のポリゴンミラーによる反射状態を示す図である。 回折光学素子の基本的な構造を示す概略図で、(a)は上面図、(b)は断面図である。 図4で示した回折光学素子の動作を示す図で、電界印加ONにより回折機能が生じるタイプの動作図である。 図4で示した回折光学素子の動作を示す図で、電界印加OFFにより回折機能が生じるタイプの動作図である。 光路切り換え手段における回折光学素子の組み合わせを示す図である。 光路切り換え手段における回折光学素子の他の組み合わせを示す図である。 p偏光に対する回折機能を有する回折光学素子を示す図で、(a)は格子が垂直なタイプを示す図、(b)は格子が傾斜したタイプを示す図である。 干渉露光前の液晶ホログラム素子の構成を示す概略断面図である。 液晶ホログラム素子の相分離によるホログラム形成過程を示す図である。 第2の実施形態に係る光走査装置の要部を示す概略図で、(a)は側面図、(b)は偏向手段の斜視図である。 偏光分離手段の構成及び機能を示す模式図である。 液晶素子を用いた偏光切り換え手段の概要断面図である。 強誘電性液晶のスイッチングを説明するための模式図である。 表面安定化強誘電性液晶層を用いた偏光切り換え手段の動作を示す模式図である。 液晶素子の応答速度特性を示すグラフである。 温度と応答速度の関係を示すグラフで、(a)は矩形波のグラフ、(b)はパルス波のグラフである。 第3の実施形態に係る偏光切り換え手段の構成を示す概要断面図である。 SSFLC素子を光軸方向に複数個配列した偏光切り換え手段の動作を示す模式図である。 SSFLC素子を光軸方向に2個配列した偏光切り換え手段(コーン角2θ=45°)の動作を示す模式図である。 SSFLC素子を光軸方向に2個配列した偏光切り換え手段(コーン角2θ=45°)の動作を示す模式図である。 SSFLC素子を光軸方向に2個配列した偏光切り換え手段(コーン角2θ=22.5°)の動作を示す模式図である。 SSFLC素子を光軸方向に2個配列した偏光切り換え手段(コーン角2θ=22.5°)の動作を示す模式図である。 SSFLC物性粘度γとコーン角2θとの関係を示すグラフである。 第4の実施形態に係る光走査装置の構成ブロック図である。 第4の実施形態に係る光走査装置の変形例の構成ブロック図である。 第5の実施形態に係る光走査装置の一部の斜視図である。 光源としてのVCSELアレイの構成の概要を示す模式図である。 第6の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。 従来の光走査装置の要部を示す概略図で、(a)は側面図、(b)は偏向手段の斜視図である。 従来の光走査装置における光ビームの偏向走査状態を示す図である。 複数色用の露光タイミングを示すタイミングチャートである。 色によって露光量を異ならせることを示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 光源としてのレーザ光源
4 光路切り換え手段
7 偏向手段としてのポリゴンミラー
12 被走査面としての感光体
20 光走査装置
21 第1の回折光学素子
23 第2の回折光学素子
26 偏光切り換え手段
27 偏光分離手段
28 透明基板
33 作用力印加手段としての電界印加手段
36 温度調整手段
38 温度検知手段

Claims (28)

  1. 光源と、該光源からの光ビームを偏向する偏向手段と、該偏向手段によって偏向された光ビームを被走査面上に結像する結像光学系とを有する光走査装置において、
    前記光源と前記偏向手段との間に光ビームの光路を切り換える光路切り換え手段が設けられ、前記光源からの光ビームの光路を切り換えながら該光ビームを異なるタイミングで偏向することにより、複数の異なる被走査面を走査することを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    前記光路切り換え手段は、作用力印加で屈折率が変化する第1の回折領域と、該第1の回折領域からの回折光を前記偏向手段の所定部位へ達するように回折させる第2の回折領域とを有していることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項2記載の光走査装置において、
    前記第2の回折領域が、作用力印加で屈折率が変化する構造を有していることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項3記載の光走査装置において、
    前記第1の回折領域と前記第2の回折領域とが同一の回折構造を有していることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記第1の回折領域と前記第2の回折領域のうち、少なくとも一方の回折領域は、非重合性液晶からなる領域と等方性媒質からなる領域の周期的な構造からなり、前記非重合性液晶からなる領域の特定の偏光方向に対する屈折率が前記作用力印加により変化し、作用力印加に応じて前記特定の偏光方向の光を透過又は回折することを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記第1の回折領域と前記第2の回折領域のうち、少なくとも一方の回折領域は、主にポリマーから成る領域と主に非重合性液晶から成る領域との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散型液晶ホログラム素子であることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1記載の光走査装置において、
    前記光路切り換え手段は、作用力印加で屈折率が変化する第1の回折光学素子と、該第1の回折光学素子からの回折光を前記偏向手段の所定部位へ達するように回折させる第2の回折光学素子とを有していることを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項7記載の光走査装置において、
    前記第2の回折光学素子が、作用力印加で屈折率が変化する構造を有していることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項7記載の光走査装置において、
    前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とが同一の回折構造を有していることを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子のうち、少なくとも一方の回折光学素子は、非重合性液晶からなる領域と等方性媒質からなる領域の周期的な構造からなり、前記非重合性液晶からなる領域の特定の偏光方向に対する屈折率が前記作用力印加により変化し、作用力印加に応じて前記特定の偏光方向の光を透過又は回折することを特徴とする光走査装置。
  11. 請求項7〜9のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子のうち、少なくとも一方の回折光学素子は、主にポリマーから成る領域と主に非重合性液晶から成る領域との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散型液晶ホログラム素子であることを特徴とする光走査装置。
  12. 光源と、該光源からの光ビームを偏向する偏向手段と、該偏向手段によって偏向された光ビームを被走査面上に結像する結像光学系とを有する光走査装置において、
    前記光源と前記偏向手段との間に、作用力印加で屈折率が変化する偏光切り換え手段と、偏光分離手段とが設けられ、前記光源からの光ビームの光路を切り換えながら該光ビームを異なるタイミングで偏向することにより、複数の異なる被走査面を走査することを特徴とする光走査装置。
  13. 請求項12記載の光走査装置において、
    前記偏光分離手段は、偏光ビームスプリッタプリズムであることを特徴とする光走査装置。
  14. 請求項12記載の光走査装置において、
    前記偏光分離手段は、少なくとも第1の回折領域と第2の回折領域とを有し、前記各回折領域は、光学異方性を示す領域と光学等方性を示す領域からなる周期的な構造を有し、透過及び回折により、互いに直交する偏光成分を分離することを特徴とする光走査装置。
  15. 請求項12記載の光走査装置において、
    前記偏光分離手段は、少なくとも第1の回折光学素子と第2の回折光学素子とを有し、前記各回折光学素子は、光学異方性を示す領域と光学等方性を示す領域からなる周期的な構造を有し、透過及び回折により、互いに直交する偏光成分を分離することを特徴とする光走査装置。
  16. 請求項12〜15のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記偏光切り換え手段は、一対の透明基板と、前記基板の内面側に設けられた配向膜と、前記配向膜によりホモジニアス配向をなすキラルスメクチックC相よりなる液晶層と、前記透明基板面に対して略垂直方向に作用力を印加する作用力印加手段とからなり、作用力強度に応じて特定の偏光方向を略90°回転することを特徴とする光走査装置。
  17. 請求項16記載の光走査装置において、
    前記偏光向切り換え手段を光軸方向に複数個配列したことを特徴とする光走査装置。
  18. 請求項17記載の光走査装置において、
    前記液晶層は略同じ厚さで、略同じコーン角を有することを特徴とする光走査装置。
  19. 請求項18記載の光走査装置において、
    前記コーン角が略45°であることを特徴とする光走査装置。
  20. 請求項18記載の光走査装置において、
    前記コーン角が略22.5°であることを特徴とする光走査装置。
  21. 請求項2〜20のうちのいずれか1つに記載の光走査装置において、
    電界印加手段を有し、前記作用力印加が電界印加であることを特徴とする光走査装置。
  22. 請求項1〜21のうちのいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記偏向手段が、共通の回転軸を有し且つ副走査方向に複数段の構成を有する多面反射鏡であることを特徴とする光走査装置。
  23. 請求項1〜22のうちのいずれか1つに記載の光走査装置において、
    装置筐体内の温度を一定の範囲に保つ温度調整手段を有していることを特徴とする光走査装置。
  24. 請求項23記載の光走査装置において、
    前記光路切り換え手段、前記偏光切り換え手段又は前記偏光分離手段の温度を直接的に検知する温度検知手段を有し、該温度検知手段からの検知信号に基づいて温度調整を行うことを特徴とする光走査装置。
  25. 請求項1〜24のうちのいずれか1つに記載の光走査装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  26. 請求項25記載の画像形成装置において、
    前記偏向手段の走査記録に対応して、前記光源からの光路を切り換えるように、前記光走査装置を駆動制御することで、複数の異なる被走査面を順次走査記録することを特徴とする画像形成装置。
  27. 請求項26記載の画像形成装置において、
    前記光路の切り換え信号は、各被走査面の走査同期信号を基準として設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  28. 光源からの光ビームを偏向手段により偏向し、偏向された光ビームを結像光学系を介して被走査面上に結像する光走査方法において、
    前記光源からの光ビームの光路を切り換えながら該光ビームを異なるタイミングで偏向することにより、複数の異なる被走査面を走査することを特徴とする光走査方法。
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