JP2008504580A - ポリマー−液晶混合物に基づく高効率でチューナブルでスイッチ可能な光学素子の製造方法 - Google Patents

ポリマー−液晶混合物に基づく高効率でチューナブルでスイッチ可能な光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光素子の製造のための優れた方法を提供することにある。これらの光素子は、例えば透過器、反射器、斜めグレーティングであり、又は光学上の目的のため望ましい人工的に制御された構造を持つものであり、不均質に分布するポリマー領域と光学的に透明な液晶領域とを有し、基本的又は本質的に光散乱がなく、強い異方性を示し、高い回折効率を有しており、それ故に短い応答時間と優れたスイッチングコントラストを示す。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つの液晶又は液晶混合物と混ぜ合わされた少なくとも1つの光硬化性のモノマー又はオリゴマーとを含む混合物から、好ましくは基板上に又は基板間に配列されて製造された均質、等方性、非散乱性のフィルムに関する。光化学作用のある光の非均質場を有する照射手順が、室温で初期均質なフィルムに施される。フィルムは、主として光硬化されたポリマーを有する領域と、主として液晶又は液晶混合物を有する領域とによって特徴付けられる。そのようなフィルムは、1D、2D、又は3D回折構造を有して、例えば透過、反射又は傾いたグレーティング、若しくは様々な目的のための光素子として使用される。回折構造は、低い光散乱値、高い異方性、高いスイッチングコントラスト、速い電気−光応答及び広いチューナブルなスペクトル領域によって特徴付けられる。
【選択図】図1a

Description

本発明は、一般に、均質及び等方性で非散乱性フィルムに関するものである。このフィルムは、少なくとも1つの液晶又は液晶混合物と混ぜ合わせた、少なくとも1つの光硬化性のモノマー又はオリゴマーを、基板上又は2つの基板の間に配置した混合物から製造される。更に、本発明は、当初均質なフィルムを、少なくとも主として光硬化性のポリマーを有する領域と、少なくとも主として液晶又は液晶混合物を有する領域とに特徴付けられたフィルムに変える光化学作用のある光の非均質場を用いる照射手順に関する。そのようなフィルムは、1D(1次元)、2D(2次元)又は3D(3次元)の回折構造を有しており、例えば、透過器、反射器、又は斜めグレーティング、又は様々な目的のための光学素子として使用できる。回折構造は、低い光散乱、高い異方性、高いスイッチングコントラスト、速い電気−光応答、そして広いチューナブルなスペクトル領域で特徴付けられる。
ポリマー分散液晶構造に基づく透過型及び反射型ホログラフィック素子、所謂PDLC又はHPDLCは、10年以上前から低損失の電気−光スイッチの構造物として魅力を引いてきた。ポリマー分散液晶材料、光学素子の製造方法、実用を目的とした関連デバイスは、数多くの特許文献や非特許文献に記述されている。HPDLCグレーティングは、ボリューム位相グレーティングとして特徴付けられる。典型的に、HPDLCの形態は、ポリマーマトリクスに埋め込まれたネマチック又はスメクチック液晶材料を含む孤立した又は相互に接続した小滴を含む。小滴は、ポリマーマトリクス内にランダムに存在し、また初期配向なしで存在している。しかし、電界の印加によるスイッチングには敏感である。通常、光架橋結合可能なモノマー、オリゴマー、又はポリマーが(H)PDLCシステムの製造に用いられる。これらのシステムは、散乱する“オフ”状態と、散乱しない“オン”状態によって特徴付けられる。ここで、LC小滴の対称軸は、電界によって均質に整えられている。
PDLCフィルムの多くの特性はフィルムにおいてLC小滴のサイズを変えることにより変化できることのみでなく、LC小滴のサイズはフィルムの重合が起こる環境を注意深く選択することで変えることができることが発見されている。PDLC工学より、LC小滴のサイズは低露出強度では増加し、更に強い露出強度では減少することが良く知られている。光透過のフィルムの閾値及び操作電圧は、小滴のサイズが減少すると増加し、小滴のサイズが増加すると減少する。コントラスト比、絶対透過量、光応答時間は、小滴のサイズに依存する。重合が起こる温度とLC濃度は、フィルムの電気―光特性を決定するために選択され得る。
電界又は磁界の影響の基でスイッチ可能なホログラフィック光素子(HOE)は、種々の光−電気システム及び通信ネットワークにおいて幅の広い応用がある。通常、これらのHOEは、上述のポリマー分散液晶材料に基づく。
例えば、非特許文献1には、電気的にスイッチ可能なPDLC透過グレーティングをカスケードに接続した光スイッチが記述されている。このようなグレーティングは、ブラッグ理論に基づいて操作される。ここで、入射光ビームが印加する電界によって、零次と1次の回折光との間でスイッチされる。
更に、特許文献1には、PDLC材料の明確な説明と、応用として電気的にスイッチ可能な回折及び屈折デバイスのホログラフィックの製造について記述されている。この特許文献1には、PDLCグレーティングのスイッチングの機能が説明されており、光学的な透明の条件は、ポリマーの屈折率がネマチック液晶混合物の常光屈折率に等しいことが要求されることが記載されている。
非特許文献2には、HPDLC透過グレーティングの作用が記載されている。前述の文献と同様に、グレーティングの光学的に透明な状態の簡単な記載がある。
特許文献2には、電界を印加することによって、またPDLC材料を熱することによって、本質的に散乱状態から本質的に透明な状態にスイッチし得るPDLC光モジュール材料が記載されている。特許文献3には、ビューイングアングルが選択できるPDLC材料が記載されている。特に、選択されたビューイングアングル又はビューイングアングルの範囲で透明な状態にスイッチし得るPDLCフィルムが製造できる説明が記載されている。これは、屈折率に応じてPDLCのポリマー内容を選択することにより為される。
特許文献4には、モノマーにLCを溶解させてなる混合物からPDLC素子を形成する方法が記載されている。そのような溶解による光重合過程において、LC小滴が散乱されたフィルムが形成される。LC小滴サイズと選択されたフィルム特性との相互関係が見られる。光重合条件を制御することにより、LC小滴サイズが選択でき、これは望むフィルム特性に対応する。LC小敵サイズ、結果として得られる光透過のためのフィルム閾値及び操作電圧、コントラスト比、絶対透過量、電気−光応答時間の間には相互関係が確立している。
特許文献5には、制御可能な屈折パラメータを有するPDLC材料に基づくスイッチ可能なホログラフィック光学素子が記載されている。初期混合物の様々なタイプと最終構造のパラメータを制御する可能な方法が示されている。
HPDLC構造は顕著な特性を有するものの、用途が限られている。それは、光散乱特性、高いスイッチ電圧、長すぎるレスポンスタイムのためである。
非特許文献3には、光重合によってサブミクロンのネマチック層のグレーティング形成のためにネマチック液晶と前ポリマーの混合物からなる材料の使用について記載がある。混合物が照射中に熱せられ、引き続いて冷却されるという省略することができない条件で、等方性のポリマー壁に分離されたネマチック液晶の方向付けられた層のグレーティングが得られた。
この明細書と、特許文献6及び非特許文献4に掲載された技術内容に従い、HPDLCグレーティングに替わって、ポリマーと純ネマチック材料が交互になったグレーティングを得るための特別な温度処理法が要求される。出発混合物の光学特性によらず、照射中、温度は少なくとも混合物の等方性条件が得られ維持でき得るほど、そして照射中のI−N遷移が阻止されるほど高温でなければならない。
非特許文献3又は4、若しくは特許文献6に詳述されている特別な温度処理法を実行することは時間が掛かる。更に、この方法は、逆に昇温又は高い温度で影響を受けない最適な基板に限定される。この方法で得られたグレーティンのスイッチ時間及び回折効率はしばしば満足できないものであった。
US 5,942,157 US 4,688,900 US 4,890,902 US 5,096,282 US 6,115,152 PCT/IB2004/051174 Stone et al. in Proc. SPIE 4112, 38-47(2000). Bunning et al. in Polymer 36(14), 2699-2708(1995). R. Caputo et al. in Journal of Experimental and Theoretical Physics, 91(6), 2000, pp. 1190-1197. R. Caputo et al. Optics Letters, Vol 29(11), pp. 1261-1263, 2004. Optical Holography R. J. Colier, C. B. Burckhardt, L. Y. Lin, 1971, Acad. Press., N. Y. London, 1973, 686p. J. R. Lawrence, F. T. O'Neil, J. T. Sheridan, Optik 112(2001) 449. G. M. Karpov, V. V. Obukhovsky, T. N. Smirnova, V. V. Lemeshkp Spatial transfer of matter as a method of holographic recording in photoformers Opt. Comm. 174(2000) 391-400. Smimona T. N., Sakhno O. V. Kinetic peculiarities of holographic recording in photopolymers Proc. SPIE, 1998, v. 3488, pp. 276-284.
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、光素子の製造のための優れた方法を提供することにある。これらの光素子は、例えば透過器、反射器、斜めグレーティングであり、又は光学上の目的のため望ましい人工的に制御された構造を持つものであり、不均質に分布するポリマー領域と光学的に透明な液晶領域とを有し、基本的又は本質的に光散乱がなく、強い異方性を示し、高い回折効率を有しており、それ故に短い応答時間と優れたスイッチングコントラストを示す。
驚くべきことに、本発明者は、特有の特性を有する合成材料から出発して、特有の加工条件を用いることにより、回折光学素子(又はホログラフィック光学素子、HOE)として使用し得る光学フィルムが得られることを発見した。それは、上述の特性を全て備え、優れた効果を示すものである。素子は、通常1つの基板上又は2つの基板の間にフィルムの形を有しており、フィルムにおいて様々な化学及び物理特性を有する領域の分布により特徴付けられる。即ち、それらは前述したような液晶の小滴の様な形態は示さず、透明な、又は光化学作用のある光が伝達する架橋結合した光ポリマーのマトリクスに“凍結”された、分離したスイッチ可能な整列されたLCの領域又はドメインを含んでいる。これらのドメイン又は領域は、フィルムの1つの表面から他の表面、又はLC領域まで拡がっている。そして、架橋結合した光ポリマーマトリクスは、フィルムの平面に沿って拡がる交互の層を構成する。他の変形例は、LC領域が完全に架橋結合した光ポリマーマトリクスに囲まれているものである。この変形例は、電圧又は他のスイッチング手段が印加される前からLC領域が光学的に透明であり、限定的で整えられ及び/又は周期的な構造内のポリマー内に領域が位置し、知られているPDLCの確率的な小滴構造とは異なる。この種の構造は、初期に示された構造に比べて、光散乱特性が非常に低い値、若しくは散乱がないこと、照射の工程前、工程中、及び工程後に得られるフィルムの透明性が良いこと、ホログラフィック又は他の照射製造工程後での異方性が高いこと、そして最終的な光学素子の電気−光パラメータが高いことで特徴付けられる。
1つの基板上に又は2つの基板の間の狭い空間に配置されたフィルムは、POLIPHEM(POlymer LIguid Crystal Polymer Holograms Electrically Managable)フィルムと呼ばれる。これらの構造は、マイクロパターン化されたPOLIPHEMフィルム基づく電気的にスイッチ可能でチューナブルな光素子として機能する。
発明者は、そのフィルムが20−25℃かそれ以下の周囲(通常)の室温で照射条件を用いて得られることを発見した。フィルム材料として用いた混合物は、当初(通常、室温で)光硬化型モノマー及び/又はオリゴマーの均質で光学的に等方性の混合物及び液晶又は液晶混合物(以下、LC又はLCsと記す)であり、要求又は希望があれば付加要素及び/又は光重合開始剤が混合されても良い。この混合物から、フィルムは最初に2つの基板間又は1つの基板上に形成される。フィルムは均質であり、光学的に等方性である。その均質性の故に、混合物そしてフィルムも非散乱性である。光の明暗パターンを照射することにより位相分離が得られ、好ましくは上記の環境条件で温度を増加する必要なしに、1ステップの光重合として為される。この照射により、LCの分離し整列したモノ−ドメイン形態を有するポリマー及びLCリッチな領域からなる周期的又は規則的な構造が得られる。位相分離は通常完全なものであり、稀な場合、液晶がポリマー構造に残されたままで、一方、僅かに重合又は(更に)低重合したモノマー又はオリゴマーがLCリッチな領域に存在するかも知れない。
これらのPOLIPHEMフィルムは、従来の知られているホログラフィックPDLC構造と、光散乱がある点で、整列されたLCを有する又は整列されたLCからなる領域により非常に強い異方性の点で、そして減じられた応答時間の点で異なる。POLIPHEMは、光学素子として作用する。例えば、電界、電磁界、又は磁界を印加することにより回折と回折しない状態の間でスイッチし得る透過又は反射回折ボリュームグレーティングである。それ故、これらの構造物は光スイッチとして使用することができる。POLIPHEMに基づくブラッグ反射グレーティングはチューナブルである。これはそれらの反射スペクトルバンドが、電界、電磁界又は磁界を印加することにより波長スケール内でシフトすることを意味する。構造の形態は、モノマー/オリゴマーと液晶又は液晶混合物の量の間で適切な関係を選択することで制御できる。それぞれは、化学者又は熟練工が知っているように、選択した成分の性質に依存する。更に、露出強度、露出温度、露出波長及び/又は光重合開始剤の濃度は、ポリマー及び/又は光重合開始剤の種類と、位相分離の望む効率に依存して適切に採用することができる。
このように、前記のPOLIPHEMフィルムは、光効果したポリマーのみからなる、又は実質的に又は主として光効果したポリマーからなる第1の領域と、液晶又は液晶混合物のみからなる、又は実質的に又は主として液晶又は液晶混合物からなる第2の領域とを有する。知られている(H)PDLC構造とは対象的に、実質的に前記の領域が少なくとも第1の平面で第1と第2の領域が交互に配列されていることが、前記フィルム又は光学素子の特徴である。ここで、フィルムの構成は前記第1の平面に角度のある方向には変えられない。又は、前記領域が人工的に規則正しく、望ましくは周期的に配置されていること、そしてLC領域は初期に電気的、電磁気的又は磁気的にスイッチングされなくても光学的に透明であり、非散乱性であることが特徴である。そのようなフィルム及び光学素子は、低い光散乱値、高いスイッチングコントラスト、短い応答時間そして広いチューナブルなスペクトル領域を有する。
もし第1及び第2の領域が第1の平面に直交する第2の平面ではなく、少なくとも第1の平面に交互に配置されるなら、それらは周期的な1D、好ましくは2D構造を形成する。ここで、構成は一定の領域がフィルムの1つの表面から対向する表面に拡がる。又は、構成は一定にフィルムが層からなる。そして、層はフィルム面に沿って拡がる。最初の場合、一定の延びている構造が、図1の概略図に示されているようにフィルム平面と直交する面にある。しかし、必ずしも直交する面にある必要はなく、傾いていても良い。それらは図2に示すように、真っ直ぐか曲がった縞(フリンジ)、筋(ストライプ)、線(ライン)で配列されており、それらは、ロッドのような方法でそれぞれ他の領域に完全に囲まれていても良い。そのような1D又は2Dフィルムは、例えば透過グレーティングとして使用できる。一定の領域が交互に成っている層の形式でフィルム面に沿って、或いは実質的に沿って配置されるなら、そのフィルムは、例えば反射グレーティングとして使用できる。上述のどんな場合であっても、そのようなフィルム構造は、フィルムにおいて、それぞれ明暗のパターン領域を作成する光化学作用のある光の非均質場にフィルムを晒すことにより得られる。明暗のパターン領域は、例えば下部で詳述しているホログラフィック照射、マスク(所謂振幅マスク)を用いて偏光した光をフィルムに照射することにより得られる。前記のポリマー領域とLC領域の更に複雑な回折構造は、しわがある形(そのようなものはビードのような又は他の3D構造であり)と異なり、それらは3以上のビームを用いた空間的に変調された光の場の複雑な形状を適用することにより製造される。全ての場合、初期フィルムは、入射非均質光の場に十分に固定されねばならない。
本発明のフィルムのために選ばれた具体的なパターンは、光素子として、又は光素子内でフィルムを用いる目的に依存する。
本発明のPOLIPHEMフィルムは、このように特別なポリマー−液晶混合材料に関係しており、2位相分離が自発的に光−誘導で起こる。本発明の目的は、新しい有用な特性を有するホログラフィックなポリマー−LC周期構造の製造技術にある。本発明によるホログラフィック回折グレーティングは、ブラッグ又はラマン−ナザ方式において用いられる。適正な方式でのグレーティングの作用は、構造の周期と厚さの比により決定される。ブラッグ方式においては、単に2つの回折次数(0次と−1次)が観測され、光とグレーティングの角度及びスペクトルパラメータはブラッグの条件を満たす。ブラッグの回折効率は100%まで到達することができる。そして、回折効率はスペクトル及び角度依存性がある。ラマン−ナザ方式では複数の回折次数が存在する。回折効率は、屈折率のsin関数分布では34%を超えないし、回折は一般の回折論議で記述される(非特許文献5)。本発明のPOLIPHEMは、極端に低い光散乱損失と、高い屈折率変調と、マイクロ時間軸でのスイッチング時間と“オフ”と“オン”状態の高いコントラストを示す。
上述したように、ポリマー−LC回折構造等が本発明により得られる。それは、主として又は大部分又は完全に純ポリマーと、主として又は大部分又は完全に純LC又は液晶混合物とが交互に配置された領域を有する又は領域からなる。LC又はLC混合物は、光架橋結合したポリマーネットワークに埋め込まれる。前述した(H)PLDC構造の小滴形状にはならない。また、前述したように限定した構造内に拡がっている。ポリマーフリンジの間に配列された大部分が純粋なLC領域、例えば線(ライン)又は“縞(フリンジ)”は簡単に電界、電磁界又は時間によりスイッチされる。これらの領域の配向と形状は、光学素子(例えば、透過用、反射用又は両方に意図されたもの)の選択されたタイプと構造のディメンション(1D、1D、又は3D)に依存する。
このように、低散乱回折構造が初期混合物の、十分な、ほとんど又は少なくとも実質的に十分な位相分離を保証するために提供される。そして、それは、強い異方性と、電界、電磁界、又は磁界を印加したときの短いスイッチング時間と、以下で述べる適切な照射条件を用いて得られる高いスイッチングコントラストを有する。前述した構造の形成が為されている証拠は、ホログラフィック記録の運動曲線の特定の形状(2位相)の観察、高い最終回折効率(99%以上)、非常に低い光散乱及び照射工程で得られる(LCが豊富な領域で配向したLCにより決定される)最終構造の強い異方性により得られる。
本発明のフィルムがボリューム回折グレーティングとして使用されると、それらは多種の光学デバイス内で又は光学デバイスとして用いることができる。例えば、ビームスプリッタ、ビーム反射器、分散素子、狭帯域反射器、又はボリュームホログラフィック拡散器である。それらは、更に自由空間光結合、可変スペクトルフィルタ及び特に導波システム用のスイッチ可能なビーム操縦デバイスとして用いることができる。電気通信及びその他の応用分野で使えるために、スイッチ可能なグレーティングがブラック法則内で作用すること、電界(又は電磁界又は磁界)又は熱を介して、回折状態と非回折状態(“オフ状態”と“オン状態”)の間でスイッチできることが望ましい。更に、グレーティングは高いコントラスト、低い損失、低い動作電圧そして短い応答時間を備えることが望ましい。
光素子の製造のための優れた方法を提供される。これらの光素子は、例えば透過器、反射器、斜めグレーティングであり、又は光学上の目的のため望ましい人工的に制御された構造を持つものであり、不均質に分布するポリマー領域と光学的に透明な液晶領域とを有し、基本的又は本質的に光散乱がなく、強い異方性を示し、高い回折効率を有しており、それ故に短い応答時間と優れたスイッチングコントラストを示す。
発明を実施するための最良の形態について、以下図面を参照しながら説明する。これにより本発明をより理解することができる。
上述したように、本発明のフィルムは1つの基板上又は2つの基板の間に均質な、光学的に等方性のフィルムを形成することにより得られる。フィルムは、光重合性の成分(1種以上のモノマー及び/又はオリゴマーからなる)と、もし要求又は希望があれば光重合開始剤と、任意に付加成分が混ざっている液晶(LC)分子又はLC混合物、とからなる若しくは有する均質で等方性の光硬化性の混合物から製造される。初期混合物は、光学的に透明で非散乱性の等方性の良質のフィルムが比較的多量のLCを含んで製造され得るように選択されねばならない。初期混合物の均質性は、少なくとも温度範囲で略15−20℃の範囲で現れていなければならない。フィルムが光学的に等方性であるという要求に対しても同様に適用される。
そのような均質、等方性の混合物を得るために、光硬化混合物の2つの主成分と、光重合性のある成分と液晶成分は、前述の温度範囲略15−25℃の範囲で準備するときに完全に混和性でなければならない。そして、前述の温度範囲で混合される。これは、光硬化性のモノマー及び/又はオリゴマーの割合は、異方性LC配列の特性が抑えられるようにLC成分を“薄める”程度に選択されることを意味する。上述の温度への冷却で位相分離が起こらない場合、特別にしかし例外の場合として、混合が上記温度範囲より上で行われる。混合物が光硬化性のモノマー/オリゴマーと、多くの実質的な量の液晶を含むことが望ましい。
成分の比が以下のように選択されていれば更に好都合である。液晶成分が、等方性−異方性の位相遷移からそれ程離れていない、例えば、すでに少しのエネルギー損失又は化学変化がLCの配列を再確立(好ましくはネマチック、しかし他も可能、例えばスメクチック又はコレステリック)し、混合物が異方性状態に遷移する状態である。
原理的に、光重合性のある成分として有用なモノマー及び/又はオリゴマーは、モノマー及び/又はオリゴマーが光重合可能であり、LC及びLC混合物と混合した混合物が均質であり等方性である限り、制限なく選択することができる。それ故、前記モノマー及び/又はオリゴマーは勿論、等方性でなければならない。混合物に表面張力を備えるため極抽出物を使用することは好ましい。混合物は表面張力が低すぎ、液晶との混合物の位相分離を喚起するのに十分ではない。しかし、これは強制的な方法ではない。LC又はLC混合物の混和性は、当該分野で知られているように表面活性剤等の添加物によって適切にすることができるからである。モノマー及び/又はオリゴマーは、純粋な有機分子である(多くの場合にそうである)。しかし、あるときには例えば有機的に変更されたシランのような非有機−有機分子の“ハイブリッド”を付加的に又は替わりに有しても良い。
本発明の特有で大切な実施例では、用いたモノマー又はポリマーは、重合化が少なくとも30%達成した後、好ましくは略50%のモノマー−ポリマー変換の後、より好ましくは略70%−80%のモンマー−ポリマー変換の後で、ゲル化ポイントに到達する。パーセントはモル%である。これを測定する理由は、余り速くゲル化ポイントに到達すると、良くない影響を与え、又は完全な位相分離を阻むからである。ポリマーの形成がゲル化ポイントで達成していると、残っている液晶分子はもはやネットワークの形成から逃れられず、そこで罠に掛けられたままになる。発明者は、モノマー又はポリマーの大部分が反応した後にゲル化ポイントが到達されれば、液晶分子はポリマーネットワークの形成から逃れるための時間が十分にあり、前記ネットワークから自由なダーク領域に拡散する。即ち、完全な分離が、混合物の温度を環境温度より上げる必要なく起こることとなる。それ故、“遅い”ゲル化ポイント有する有機的、重合性のあるモノマー又はオリゴマーを使うことで、結果として良い分離が達成され、改良され優れた光学特性、例えば良いスイッチング時間を有するグレーティングを得ることが可能となる。
他方、本発明の方法は、緻密なネットワークが得られるように光架橋結合が起これば最も効果的であることを忘れてはならない。緻密なネットワーク形成は液晶成分の分離を増加させる。その結果、この成分(LC)が豊富な領域と、LCのネマチック配向の後、最終的に巨視的な液体の結晶段階域と、それらの領域の間のポリマーネットワーク領域が形成される。ポリマーネットワーク領域は、反応性モノマーが豊富であり、重合化している。前記プロセスは、周囲の温度条件の下で起こることに注意すべきである。
上記の考察の下、少なくとも1つのC=C2重結合を有する化合物を使うのが好ましい。前記又は少なくとも1つのC=C2重結合は、例えば断片C=C−C=Oを含むような所謂マイケルシステムの一部となる。替わりに、又は加えてチオール化合物がC=C2重結合を有する成分に加えられた所謂チオール−エン化合物、及び/又はエポキシグループを有する化合物を使用しても良い。前記化合物は、実質的な量が反応した後にのみゲル化ポイントに到達するという事実ゆえに好ましいものである。更に好ましくは、異なる数の2重結合を有するモノマー及び又はオリゴマーの混合物が使用されている。1つ以上のチオール化合物と共であれば更に好ましい。1つの例は、前ポリマー材料の機能と濃度を最適化するためにジ又はトリアクリレートを有するペンタアクリレートの化合物である。特に好ましい実施の形態では、均質な混合物をアシストするためにジからペンタアクリレートの略1:4又は略1:2混合物が使用されている。そのような混合物で、例えば6−20μmの望む厚さの光学的に透明な記録フィルムが容易に製造され得る。
例えば、アクリル酸塩(アクリレート)とメタクリル酸塩(メタクリレート)を有するグループから適するモノマーとオリゴマーを選択することができる。それらは、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチルプロパン、ジアリルエーテル、トリメチルプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールハイドロキシペンタアクリレートである。光重合性のある成分としての二機能性又は多機能性アクリレートは、典型的に低分子液晶成分と高い適合性を示し、高濃度のLCの使用を許し、高い光学特質を有する記録フィルムを提供するという利点を有する。
非アクリレートモノマーの例として、ペンタエリトリトールテトラキス(3メルカプチド)プロピオネートを挙げることができる。それは、C=C−を含む化合物、例えばビニル化合物に加えることができる。例えば、通常粘着剤として使用され、アクリレート化合物と共に異なるチオール−エンモノマーとオリゴマーを有する光硬化性の化合物、例えばNOA(登録商標)-61,65.68,81を使用することができる。正しく選択することにより、混合物は最初均質であり、重合化の条件で位相分離の工程に入る。そこでは、液晶成分が成長するポリマーネットワークから分離し、これにより最終構造の形態に到達する。チオール−エン重合性のある化合物を用いることは、それらの特別な光重合熱力学により好ましい。多機能脂肪族チオールと“エン”グループを含むビニルモノマーとの間の段階成長とフリーラジカル反応が結果として“遅い”ゲル化ポイントを達成するからである。更に、前駆体がまだ液体である間は大部分の2重結合は消費される。これらの特性により、例えば表面活性剤のような外部添加物なしに、排他的に、本質的に又は実質的に光重合性のある化合物と液晶成分のみで光重合性のある化合物を製造すること、そして前述した適切な照射で前述した2位相構造に到達することは可能である。
POLIPHEM材料の第2の成分は、液晶(LC)成分である。この成分は、構造物の電気−光学応答を許容する。本発明で実際に使用された適切なLCは、どんなタイプのLCをも含む。光硬化性の混合物のためにLC又はLC混合物を選ぶことは重要ではない。このことは、例えば、ネマチック、コレステリック、スメクチック分子の何れのものも使用できることを意味する。ここで、液晶は、当該分野の技術で知られているように、単独で、又は他の混合物と共に使用される。LC混合物は、LCに機能を更に高めるために、付加的にドーパントを含んでいても良い。こうして、結果として最終デバイスの所望する特性が得られる。そのようなドーパントとして、例えば染料分子又はフォトクロミック分子であっても良い。
使用するLCの濃度は、一方で、照射と同時に位相分離が起こり得る程、十分に高くなければならない。しかし、前述のようにPDLC構造が不透明でかすむような量を超えてはならない。もし液晶混合物が、重量%で、前ポリマー混合物又は重合性のある混合物の20%以下であるなら、室温で照射と同時に第1と第2の領域に僅かな屈折率の差が生じ、たとえ位相分離が十分に起こったとしても、回折効率は低くなる。他方で、LC成分が重量%で45%を超えるなら、製品は大部分が高い散乱を示し、回折効率及び透過率は減少する。このように、LC成分は前ポリマー混合物の重量に対して25から45%の割合で混合するのが好ましい。更に望ましくは、重量%で35−40%の割合が良い。そのような混合物は、フィルム又はコーティングで、高い回折効率、光学的な透明さ、そして良好な電気−光学パラメータを示す。加えて、混合物は、重量%で10%を超えない、好ましくは5%を超えない、より好ましくは2%を超えない、最も好ましくは略0.4〜0.7%の液晶成分を発明のために選ばれた混合物に加えると、結果として不透明で散乱する混合物になるように選択されるべきである。ここで、液晶成分は、それ自体“液晶”状態に配置している。LCの割合をこのように選択すると、液晶又は液晶混合物は、他の混合物があることにより混合物内に分布し、“通常の”例えば、ネマチックの挙動を示さない。しかし、混合物内の液晶は、前記“通常の”挙動を小さなエネルギー損失と同時に、又は化学条件の僅かな修正によってすでに持ち込んでいることもある。換言すると、LCの濃度は、照射前の混合物の位相分離の力が、誘因力よりも僅かに高いような条件が得られるように選択すべきである。
表面活性剤(例えば、オクチル酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸等)を加えると、成分の混和性に影響(即ち、混和性が増加する)が現れ、フィルムの光学的パフォーマンス、取り分けスイッチング時間が増加し、スイッチング電圧が減ぜられる。例として、Fluorad RTM FC-430又はFluorad RTM FC-431が重合性のある混合物の重量に対して0.2−5%の重量濃度で使用することができる。
重合性のある混合物が重合を開始するために光重合開始剤を要求する限り、前ポリマー材料の照射光に対する感度は、光重合開始剤とその濃度により決定される。光重合開始剤の型と濃度は、要求された又は望まれる照射波長と重合化する化合物を考慮して選択される。明細書中で、“光重合性のある”という表現は、重付加の可能性だけでなく重縮合の可能性を含んで使用される。“光重合性のある化合物”又は“光重合性のある混合物”の表現は、ポリマーマトリクスの硬化に参加する1種以上の機能性グループを有するどんな化合物も含むべきである。光重合開始剤は、光化学作用のある光の照射と自由活性ラジカルの形成によって活性化する。生成された自由ラジカルは通常重合プロセスを開始させる。
都合良く、もし望むなら光重合開始剤は商業的に入手可能である。例えば、Irgacure(登録商標)184、Irgacure(登録商標)1700、Irgacure(登録商標)500、Irgacure(登録商標)369、Irgacure(登録商標)1117(Ciba-Geily)、Michlersケトン、(1−オキシシクロヘキシル)、フェニルケトン、ベンゾフェノン、又は同様な誘導体がUV照射記録に使用できる。青−緑又は赤色光源用に、電子ドナーを有する(共反応開始剤)、Irgacure(登録商標)784、ダイローズベンガルエステル(dye rose Bengal ester)、ローズベンガルナトリウム塩(rose Bengal sodium salt)、カンファフィノン(campharphinone)、メチレンブルー等の知られた光重合開始剤システムが使用できる。共反応開始剤は、基の前ポリマーの自由ラジカル重合化の硬化率を制御するのに使用される。最適な共反応開始剤は、N−フェニルグリチン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等である。
下記の例で用いられるノーランドプロダクツ社製(Norland Products)のNOA(登録商標)粘着剤は、独自の光重合開始剤(UV領域用)を含んでいる。ベンゾフォン、2、2−ジエタオキシアセトフォン(DEAP)、ベンゾイン、ベンジル又はIrgacure(登録商標)1700のような他の反応開始剤も使用することができる。NorlandのNOA(登録商標)-61,65.68,81への添加剤としてIrgacure(登録商標)369は、UV領域で光感度を向上し、ポリマーとLC成分の間で位相分離を完遂するために用いることができる。
最終デバイスの質、回折効率及び電気光学挙動に関して、最良の結果は、反応開始剤は重量%で0.5−2%の範囲の量を用いて、共反応開始剤は重量%で2−3%の範囲の量を用いて得られていることが解った。
初期に述べたように、混合物は環境温度である加工温度において均質で等方性の必要がある。熟練した者は、適宜混合物を選択することができる。
多くの場合、2つの主要な成分を混ぜれば、どんな追加的な処置なしででも結果は等方性の均質な混合物となる。光硬化性のモノマー及び/又はオリゴマーが選択された場合は、“液晶”の異方性が僅かに(しかし好ましくは極僅かに、前述の部分を参照)妨害され、その結果として前記混合物ではそれらが液晶としては振る舞わない、そして替わりに“LC”特性(配列)が抑えられているというのが本当である。この目的のための光硬化性のモノマー又はオリゴマーは、例えば(例えばネマチックLCを例にとると)球状の又は多少巻かれた又は嵩張る形をした分子であり、少なくとも液晶分子のような棒状の構造は有していない。アクリレート、そしてより好ましくはペンタアクリレートが、そのような分子の例である。一方、熟練者は他の多機能性にも気が付いている。他方、光重合性のあるモノマー/オリゴマー成分と特定の混合用のLCの特性は、互いに“良好”な溶媒でとして機能するように物理化学的な類似性(例えば両極性)を示すべく選択されるべきであることを心に留めておく必要がある。そのような要求は、分子の物理的な相互作用、例えば誘因力又は反発力(イオンの又はファン−デ−ワールス力、クーロン相互作用、位相分離/位相分離傾向、特別なイナー(iner)分子相互作用、両極性の比率、・・・)を正しく選ぶことで満たされる。代替的又は付加的にLCの異方性を妨害するために他の方法が採り得る。例えば、光化学手段(照射等)である。これにより、非メゾジェニック(mesogenic)な異性体が、限られた時間周期で、成分を混合する時の正しい温度プロファイルを選択し引き続いて冷却する間に、磁界を印加する時に、又はフォトクロミックな添加物を加えるときに可逆的に生成される。勿論、光素子として使用されるフィルムの液晶領域を照射と同時に構成する分子混合の部分は、再び“通常”の液晶の異方性を示さなければならない。即ち、少なくともネマチック(又は他のLC)の特性を持たねばならない。
要するに、熟練者は、親和性と混和性に関する物理化学特性に類似性を有するが異なる形である、光硬化性のモノマー/オリゴマーとLCとの混合を好ましく選択することができる。ここで、明らかにモノマー/オリゴマーは(ネマチックLCの場合)棒状のLC成分の構造を有していないし、(コレステリックの場合)円板状のLC成分の構造を有していない。
全ての成分は、適切な手段(例えば、超音波)により混合される。このようにして得られた出発混合物は均質で、一般に光学的に透明である。
本発明では、前記混合物は1つの基板上か2つの基板間にフィルム状態にされる。前述の第1及び第2領域は、混合物の成分と濃度の特性(及び特に反応性)を考慮して選ばれた条件のもので、照射によりフィルムにおいて形成される。照射の目的は、高いネットワーク密度を得るため、ネットワークの形成からLCの空間的、周期的な分離を刺激するためである。
多くの場合、比較的低露出強度が用いられる。その値は、熟練者が知っているように、用いる材料(主として重合性のある成分の反応性とその濃度、又はむしろ重合性のあるグループの濃度)に依存して選択される。勿論、他の要因にも相互に依存する。例えば、重合化反応開始剤の濃度、種類、照射時間等である。強度は、局所的なモノマー/オリゴマーの比較的低い光重合化率が非均質光場の明るい領域で示されることが確実であるように選択される。他方、緻密なポリマーネットワークが得られるべきである。結果として、LC分子と重合性のある材料、例えばモノマー又はより小さいオリゴマーの少量が、明るい領域から暗い領域へ拡散する。そして、多かれ少なかれ初期混合物の位相分離が完全に行われる。周期的なボリューム構造が初期液体モノマー希釈剤(LCs)に形成される力は、文献によると、局所的な光重合化工程中、初期フィルム内部のモノマーの濃度勾配によると信じられている。そしてそれは、モノマーを照射パターンの明るい領域へ拡散するように誘導する。引き続いて、希釈剤(又はLC)分子がパターンの暗い領域に逆に拡散する。最終的に、2相の線のような構造が形成される。
局所的な重合化率は、局所的な光強度(干渉(照射)パターンの相対コントラスト)、オリゴマーの機能性及び光重合開始剤の種類と濃度等に関係している。架橋結合で重合性のある材料の光重合化と同時に、スポンジのような方法で小さな分子を追い出しながら、この材料の収縮が起こる。どんな理論に拘束されることなく、発明者は本発明により最良の光重合化が得られると信じている。それは、少なくとも1つの、そして好ましくは1組の低重合化率、即ち“遅い”ゲル化ポイントを許容し、緻密なネットワークを提供する条件を整えることによってである。
位相分離の傾向は、成分の適合性、それらの両極性比率、分子間の接触面での相互作用、温度に関係している。周期的なボリューム構造(ホログラム)のモノマー−液体希釈剤(LCs)での形成のプロセスは非常に複雑で、このプロセスに影響を与える化学的、熱力学的、物理的プロセスの注意深い考察を必要とするが、発明者は上述の手段によって最良の結果が得られると信じている。
前述のように、光重合性のある混合物(光重合性のあるモノマー、LC、反応開始剤システム、要求があれば添加物)の全ての成分を正しく選択し、濃度を調整すれば、最終構造で高い光学的及び電気的スイッチングパラメータが保証される。最初の成分(光重合性のあるモノマー及び/又はオリゴマー)は、照射下で架橋結合したネットワークを形成する。それは、第2の位相材料、LC成分を形成された又は形成されつつある重合体の領域(明るい照射された部分に作られる)からLC分子若しくはLC混合物のみ、又は実質的に又は主としてLC分子若しくはLC混合物を有する限定された領域へ非等方的に拡散させる傾向にある。これらの領域は、“ラインのように”並べられる(LCsの配列の後)。光重合開始剤システム、光化学作用のある光の強度、波長、重合化プロセス(開始、進行、及び停止)の異なる工程のパラメータは、前述したように、完全な位相分離が起こり重合化の割合が低いように、重合化の割合、成分の位相分離、及びPOLIPHEMの最終2成分構造を制御しなければならない。
結果として得られる構造は、導電フィルム、例えばLCDで知られている透明なインジウム−錫−酸化物(ITO)導電フィルムでコーティングされ、好ましくはガラス又はプラスチックの2つの基板からなるセル内に閉じ込められたPOLIPHEMフィルム(図1)である。その構造は、フィルムを横切って電界の印加を容易にする。少なくとも、基板の1つは透明であって、印加された光の透過を許容する。球状の又は円筒状のスペーサが、ガラス基板を分離し、セルの至る所で厚さdを維持するために使用される。通常、セルの厚さは略5から略50μmの範囲で変えられる。そのようなフィルムを得るために、液体又は粘性のある出発混合物が前記基板の間の空間に満たされる。
このようにPOLIPHEM構造体(好ましくはホログラフィック透過又は反射(非斜め又は斜め)ボリューム回折グレーティング)は、フィルムの第1の領域が照射され、第2の領域は照射されず又は実質的に照射されない条件の基で、元来均質で等方性のフィルムが照射される間に形成される。この照射は、マスク又はホログラフィック記録、即ちフィルム面で干渉するように2以上の単色光ビームを用いての光の記録によって為される。代表的な“ホログラフィック”記録装置がPOLIPHEM構造体を製造するために用いられる。空間フィルタを通した後、ビームスプリッタで初期のレーザビームを広げて分岐し、ビームを交差させて干渉パターンを形成する。干渉パターンは、反応層に記録される(又は換言すれば、反応層が照射される)。広げられたビーム内のコンストラクティブ(明)とデストラクティブ(暗)の干渉領域からなる記録場は、フィルムの厚さ又は体積を通して周期的な強度プロファイルを確立する。記録ビームはもし透過グレーティングを製造するならばフィルムの同じ側からフィルムを貫通させる。もし反射グレーティングを製造するなら異なる側から貫通させる(非傾斜グレーティングの場合は対称的、傾いたグレーティングの場合は非対称的)。非均質の照射は、マスク又は干渉場の明るい領域で局所的に光重合性のあるモノマー及び/又はオリゴマーの速い重合化を開始させる。しかし、速すぎて、より小さなモノマーが脱出できないということはなく、明るい領域がLC分子から完全に、大部分又は主として枯渇される。モノマーの濃度勾配は、線画力の一種を発展させる伸縮効果により明るい領域から暗い領域への光重合性のあるユニットの拡散の原因となる。一方、第2の成分は、それはネマチック又は他の液晶であるが、位相分離傾向及びスポンジのように働く光重合の力により、小さな分子を成長するポリマーネットワークの外に押し出ながら、反対方向に強いられる。それ故、小さな分子、即ち液晶と多分未反応のモノマーは、干渉場の暗い領域へ拡散する。こうして、多かれ少なかれ完全に純粋なLC又は液晶混合物のはっきりした領域と、はっきりと分離した、多かれ少なかれ完全に純粋なポリマー領域とが交互に、図1aに示すように基の場所に制御できる仕方で製造され得る。干渉場又はリソグラフィックな方法(振幅マスク)を用いて照射が行われるなら、もしポリマー及びLC(混合物)の領域が純粋又は大部分純粋であるようにパラメータが選択されるなら、材料の構成上のこの周期的な差、その密度、(そしてフィルムの材料の屈折率)は、位相ホログラム(グレーティング)の形成を保証する。これは、干渉場での光化学作用のある光の適切な強度分布を有する照射又はマスクにより、次の仕方で得られる。それは、LC領域が、同様に形成されたポリマー“縞”によって分割される、はっきりと並んだ“縞”を形成する形で得られる。その結果、非散乱で異方性の領域になる。露出強度の正しい調整は、前述の並んだ構造の形成を保証する。外部の電界、電磁界、又は磁界の印加の下に、図1bに示すように、LCとポリマーの屈折率を合わせることにより、回折状態から非回折状態にスイッチされ得る。
照射中は特別な方法は必要でない。普通の室の条件、例えば、周囲の温度、圧力で十分である。適切な露出強度により、LC分子又は成分の拡散がある一時、禁止又は妨害されないように、モノマーの光重合化の割合が制御され得る。
露出強度それ自体は、選択した化学成分の物理特性に照らして、熟練者により適切に選択され得る。特別に、重合化率と拡散率の比は、小さな分子、特にLC分子が形成されるポリマーネットワークから逃げるための十分な時間を許容するために重要である。明らかに、重合化率は上述の方法により制御可能である。拡散率は、小さなサイズの混合物、主としてLC分子の拡散係数により決定される。それは、とりわけ、分子の形と直径、成長するポリマーネットワークの拡散率に関係する親和性/疎水性に依存する。このように、それぞれの混合物に関しては、それぞれのパラメータは従来技術で知られているように個々に選択される。参照は関連した文献、例えば非特許文献6、7、8に為される。
グレーティング(屈折率変調)又はボリューム周期構造の効率は、ポリマーとLCsの分離の成長と共に増加する。そして、それは重合化プロセスの熱力学適合性と運動パラメータ、混合物の拡散分離により決定される。拡散プロセスは、ホログラム記録の割合を制限しない。それは(そのような混合物内では)、重合化の割合により決定される。
照射光の強度は、明るい領域で架橋結合が速く起こりすぎない程低く、そしてこれらの領域からLCsの最大分離が得られるような強度であるべきである。他方、低い照射強度(それは照射パターンに低いコントラストを与える)では、明るい領域と暗い領域へのポリマー変換は略等しい。そして、大量移送拡散の割合を下げ、分離度の減少を可能にする。更に、明るい領域での比較的高い強度(そしてパターンの十分高いコントラスト)は、前記領域で緻密なポリマーネットワークを形成するのに必要である。加えて、大量移送拡散の効率と最終グレーティングの効率は、構造の周期に依存する。このように、上述した全ての点が、照射条件を調整するために考慮されるべきである。
例えば、もし基本的な混合物がチオール−エン重合性のある成分を含んでいる場合、照射強度が略0.1から200mW/cm2のUVの光化学作用のある光を用いることができる。それは、具体的な材料及び位相分離の効率に依存する。更に好ましくは、強度は100−150mW/cm2を超えないこと、更に好ましくは略20から50mW/cm2の範囲内であることが望ましい。
もし照射強度が、重合化の割合が非常に高くて、モノマーが、成長するポリマーネットワークから十分拡散できないほどの上限を超えている場合、PDLCの形成が観察される。これらのPDLCsは非常に強い光散乱と製造工程後の異方性の非存在により特徴付けられる。
ポリマー−LC材料は結果として、光化学的に硬化したポリマーマトリクス内にLCの空間分布(小滴形態ではない)を有する。POLIPHEMのLC豊富な面内に略一様なLC指揮配列により、これは露光中に起こるが、これらの構造は、通常の(H)PDLCとは対照に、露光工程後に異方性を表す。図2に、Λ=1.2μm、0.85μmでd=8μmのPOLIPHEMグレーティングの顕微鏡像と、直交した偏光子間でPOLIPHEMに基づく、フレネルレンズの一部分(縞の間隔は略6μm)の顕微鏡像を示す。
POLIPHEMのLCが豊富な領域でLCが非小滴形態であることの証拠は、1つの基板を取り除いてPOLIPHEM層の目立つ構造を観察することで得られる。図3は、そのように処理したΛ=1.2μm、d=14μmのグレーティングのAFM像である。表面の高低の深さhは120nm以上である。
POLIPHEMの製造は、照射中(マスクを介して又はホログラフィック記録によって)運動曲線の形を観察することにより制御可能である。そのような曲線の例を図4aに示す。この観察のために光化学作用のない光、例えばHe−Neレ−ザのビームがリアルタイムで使用される。このビームは、対応するブラッグ角(用いた構造の周期に調整されている)で記録層に貫通する。2つの段階の曲線は、2つの共存するプロセスの存在を示している。最初のものは、(回折効率略30%での)位相グレーティングの形成に対応する。それは恐らく光の周期場での明るい領域内でモノマー/オリゴマーの速い光重合化による(Iステージ)。第2のプロセスはグレーティングの屈折率変調(及び回折効率)の増加に対応する。これは低い光重合化の領域内にLCが非可逆的に拡散することによる(IIステージ)。グレーティングの最終的な効率は高くなり得る(λ=632.8nm、P偏光で98%以上)。そのような特定の運動曲線が観察できない場合、POLIPHEMの形成は通常起こらない。
回折状態(“オフ状態”)では、電界がPOLIPHEM構造体に印加される。電界は、LC領域のLCの最終配向を変えることができる。ここで、電界は“縞”の屈折率変調を減じ、グレーティングの回折効率を非常に低い値(“オン状態”)まで減ずることとなる。図5は、POLIPHEM構造体において、回折状態と透明状態のスイッチングが速い(略15−20μ秒)ことを示している。“オフ状態”と“オン状態”との得られたコントラストの最大比は略300である。
特定の場合、POLIPHEM構造体は、ブラッググレーティングの反射導波路として用いられる。この目的のために、光はPOLIPHEMグレーティングの横方向の端部からフィルムに入射される。これらの場合、POLIPHEMは、透過グレーティングとして製造され、導波路モードで伝搬する光に関しては反射グレーティングとして作用する。狭い幅の帯域バンドにおいて極端に大きなスペクトルシフトが電界を印加することにより又は温度をプロセスにより得られる。光素子のそのようなタイプによる光の反射及び遷移の制御は、以下の様にしてなされる(図6参照)。導波路の入射端でスペクトル幅がλ1からλ2を有する光は2つに分割される。第1の部分は、導波路フィルタに基づくPOLIPHEMの拒絶帯に対応し、反射し戻ってくる。第2の部分は素子を通過する。電圧を印加することで、スペクトルバンドがシフトし、続いて透過及び反射光のスペクトル範囲が変化する。
これは、POLIPHEM構造体が異なる素子として、又は異なる素子内に使用できる可能性を開く。例えば、ミラー、フィルタ、電気−光スイッチ等として視覚ディスプレイ及び光電気通信システム用に使用できる。
反射ホログラフィックポリマー液晶素子は、高い反射効率を有する狭波長帯を示し、電界により制御できる。それ故、それらは数多くの応用、例えば反射ディスプレイ用の魅力的な候補である。そのようなスイッチできる反射型HOEは、前述したようにPOLIPHEM構造体に基づいて製造される。反射グレーティングを横切って印加される電界により、反射状態と透過状態の間でスイッチできる。
POLIPHEM反射器の製造において、いくらかの特別な要求を満たす必要がある。例えば、負の誘電体異方性Δεを持つネマチック液晶又は液晶混合物は、重合化性のある混合物でLC成分として用いられねばならない。反射構造では、縞は完全に又は略、基板に並行に置かねばならない。そして、LCのディレクターは、グレーティングベクトルに沿って配列される(グレーティングベクトルは、“オフ状態”で基板の表面に対してほぼ垂直である)。電界を印加してグレーティングパラメータを制御するためには、LCは電界のベクトルEに対して垂直に回転させねばならない。そして、Δεは負でなければならない。2つの周波数のLCが同じ目的に使用できる(Δεは印加された電圧の異なる周波数に関して変化数する)。
正の異方性の場合には、反射グレーティングのスイッチングは磁界によってなされる。
多数の異なるモノマーとLCsが溶解して混ぜ合わされる。そして、本発明に従って光重合化され、溶液の中のLC濃度はかなり変えられる。2、3の例を以下に述べる。これらの例は、本発明の様々な実施例であり、これに限定されるものではない。
本発明の方法を用いて、例えば以下の材料が供給され得る。
a)光硬化されたポリマーからなる第1の領域と、液晶又は液晶混合物であるか、又は実質的に又は主として液晶又は液晶混合物である第2の領域とを有する硬質又は軟質のフィルム。ここで、(a)第1及び第2の領域は、少なくとも第1の平面に交互になっており、フィルムの構成は前記第1の平面に角度のある少なくとも1つの方向で実質的に不変であり、(b)第1又は第2の領域の少なくとも1つは、完全に他の領域に囲まれており、前記領域は周期パターン内に配置されているもの。
b)上記のa)に定義されるフィルムであって、(a)に替わって、第1及び第2の領域は前記第1の平面に垂直な第2の方向では交互になっていないもの。
c)上記a)とb)に定義されるフィルムであって、(a)に替わって、第1及び第2の領域は、フィルムの1つの表面から対向する表面に向かって伸張しているか、フィルムの面に沿って伸張している層であるもの。
d)上記a)からc)に定義されるフィルムであって、第1及び第2の領域が空間的に周期構造、好ましくは真っ直ぐな又は曲がった縞を構成するもの。
e)上記a)からd)に定義されるフィルムであって、フィルムが略1−100μm、好ましくは4から50μm、更に好ましくは5〜25μmの厚さを有するもの。
f)上記a)からe)に定義されるフィルムを有する光素子であって、フィルムは平面な光透過基板上に、又は少なくとも1つが光透過する2つの平面な基板間に配置されたもの。
g)上記f)に定義される光素子であって、第1及び第2の基板間に電界、磁界又は電磁界が印加される手段を有するもの。
h)上記g)に定義される光素子であって、電界を生成する手段が基板の内部の少なくとも一部分を覆う導電フィルムを有しているもの。
i)上記f)からh)に定義される光素子であって、光学素子は、構成が実質的に不変である領域が、前記フィルムの1つの表面から対向する表面に延びている、又は前記フィルムが、構成が実質的に不変であり前記フィルムの面に沿って延びている層からなる2D形状を有する素子及び前記第1の領域又は前記第2の領域の内の少なくとも1つの領域が他の領域に完全に囲まれている3D形状を有する素子から選択された回折素子であるもの。
j)上記i)に定義される光素子であって、2D形状を有する素子の領域は、フィルムの表面に垂直か傾いた角度で伸張し実質的に不変であるもの。
k)上記g)からj)に定義される光素子であって、第1の領域は、電界、磁界、又は電磁界が印加されても実質的に定数である光学誘電率により特徴付けられるもの。
l)上記f)からk)に定義される光素子であって、第2の領域は、電界、磁界、又は電磁界の影響で変化する光複屈折率により特徴付けられるもの。
m)上記f)からl)に定義される光素子であって、第1の領域の中心と第2の領域の中心との距離は、150nmから10μmの範囲であるもの。
更に、上記f)からm)に定義される光素子は操作又は使用され得る。ここで、操作又は使用は、素子が回折状態(オフ状態)と非回折状態との間をスイッチでき、付加的に第2の領域の屈折率が変化する前記状態間の中間状態にスイッチできるような、電界、磁界又は電磁界を印加することによる第2の領域内の液晶の配向及び/又は再配向を含む。これは、例えば、光電気通信用デバイスとして使用できる。ここで、光素子は、2方向電気−光スイッチ、可変光減衰器(VOAs)、可変ブラッググレーティングフィルタ(TBGフィルタ)、自由空間又は平面導波路構造で実現できる波長合分波器、自由空間光結合又は他の目的のためのスイッチできるビーム操縦デバイス、可変スペクトルフィィルタ及び導波路システムから選択される。
〔例1(比較例)〕
光重合性のある混合物のサンプルは、ノーランドプロダクツ社(Norland Products, INC., New Brunswick., N.J.)製のNOA(登録商標)68光粘着剤と、5CB(Merck)シアノジフェニル液晶混合物を重量%で60:40に混合して製造した。表面活性剤FC−431を2重量%、UV光重合開始剤Irgacure(登録商標)369(Ciba)を0.5%加えた。全ての成分は完全に混合され、ITO(インジウム−錫−酸化物)をコートしたガラス基板の間に、滴下充填剤として8−15μmのMylar RTM スペーサを用いた。全ての操作は室温で行った。異方性の液体で満たされたセルは、垂直偏光の365nmアルゴンレーザの波長の干渉場で露光された。露光時間は100−300秒の範囲で変え、硬化のためのレーザ光(両ビーム用)の強度は200−250mW/cm2の範囲とした。1.5−0.3μmの周期を持つボリューム透過グレーティングは22℃(室温)でテストセルの中で記録された。具レーティングの回折効率の実時間挙動(ホログラフィック記録の運動力学)は、水平(p−)及び又は垂直(s−)偏光を有するHe−Neレーザビームによりテストされた。ビームは、適切なブラッグ角でセルに入射された。回折効率(DE)は、回折されたビームの強度と、回折されたビームの強度と透過されたビームの強度の和との比より決定された。前述の記録条件の下で、普通のホログラフィックPDLC構造体(従来技術)が製造された。これは、前述のようにサンプルのLC小滴形成による光散乱の存在、ホログラフィック記録の後の異方性の欠如、そして60%を超えない低い回折効率により証明された。
〔例2〕
反応混合物とサンプルは例1と同様に製造した。等方性液体で満たしたセルは、波長365nmの干渉場にさらされ、22℃で周期1.5−0.3μmの透過グレーティングを記録するため記録ビームのs−偏光にさらした。レーザ光(両ビーム用)の総合強度は、40−60mW/cm2の範囲で変えた。例えば、Λ=0.9μm、d=8μmであるグレーティングのホログラフィック記録の運動力学曲線は図4(a)に示されている。それは2段階挙動を示しており、最初の段階は重合化プロセスによるものであり、第2の段階は位相分離プロセスによるものである。結果として、POLIPHEM構造体が製造された。DEは98%に近かった(632.8nmのp−偏光テストビームにおいてである)。ホログラフィック露光の後の、グレーティングのほとんどない光散乱と高い異方性を観察した。そのような構造の電気−光特性(印加した電界によるDEに依存する)は、図5の曲線1に示されている。
〔例3〕
反応混合物とサンプルは例1、2と同様に製造した。周期1.2−0.5μmの周期を持つボリューム透過グレーティングが22℃で記録された。セルは波長364nmの干渉場に載置された。使用した光の強度は、60−100mW/cm2の範囲で変えた。ホログラフィック記録の運動力学は、図4b(Λ=0.9μm、d=8μm)に示されている。それは3段階の挙動を示す。最初の段階は重合化プロセスによるものであり、第2は位相分離プロセスによるものである。第3段階は、グレーティングの過変調による回折効率の減少を示している。この場合でも、POLIPHEMシステムは生成されている。透過ボリュームグレーティングのDEは、屈折率変化Δnに厚さdを乗じたsin関数で表される。もし、DEが100%(632.8nmのp−偏光テストビーム)に到達し、適当な値(過変調)に落ち着いたなら、それはグレーティングの屈折率差(Δn)が増加していることを意味する。例3から、グレーティングのΔnは、例2に対するものよりも高い。この例は、ホログラフィック記録の後の光散乱がほとんど完全にないことと異方性により特徴付けられる。電気−光応答は図5の曲線2に示されている。例2との違いは、スイッチング曲線が印加電圧を増加すると2つの湾曲を持つことである。それは、過変調グレーティングにおけるLCの特別な配列によって説明される。
電界を印加しないでホログラフィック記録をした後のPOLIPHEM透過グレーティングの模式図である。 電界を印加してホログラフィック記録をした後のPOLIPHEM透過グレーティングの模式図である。 POLIPHEMグレーティングを示したものであって、a)はΛ=0.9μm、b)はΛ=1.2μmであり、c)はPOLIPHEM(隣り合う領域間の距離が略6μm)に基づくフレネルレンズの一部を示したもので、直交ポラライザ間で構造の線(ライン)又は“(縞)フリンジ”を示している。 上部基板を取り除いたPOLIPHEM構造(Λ=1.2μm)の原子力顕微鏡写真である。 異なる記録強度でPOLIPHEMグレーティングのホログラフィック記録の運動曲線であって、a)はI=30mW/cm2、b)は80mW/cm2である。 解説ビームの強度と印加電圧の関係を示したものであって、a)は透過グレーティングでΛ=0.9μm、d=12μm(過変調なし)であり、b)は透過グレーティングでΛ=0.9μm、d=12μm(過変調あり)について示す。 可変スペクトルフィルタとして機能するPOLIPHEMフィルムの模式図である。
符号の説明
ITO インジウム−錫−酸化物
E 電界

Claims (20)

  1. 光硬化されたポリマーのみからなるか、又は実質的に又は主として光硬化されたポリマーからなる第1の領域と、液晶若しくは液晶混合物のみからなるか、又は実質的に又は主として液晶若しくは液晶混合物からなる第2の領域を有する硬質又は軟質のフィルムであって、(a)前記第1の領域と前記第2の領域は、少なくとも第1の平面で交互に配置され、一方前記フィルムの構成は、前記第1の平面に角度のある少なくとも一方向においては実質的に不変であり、又は(b)前記第1の領域又は前記第2の領域の少なくとも1つは、他の領域に完全に囲まれており、そしてこの他の領域は周期パターンで配置されている当該フィルムを製造するための、
    或いは、平面状の光透過基板上若しくは少なくとも何れかが光透過する2枚の平面上基板間に配置された前記フィルムを含む光素子を製造するための製造方法であって、以下に示す工程を有することを特徴とする製造方法:
    (a)少なくとも、1種以上の光硬化性モノマー及び/又はオリゴマーを含む第1の成分と、1種以上の液晶又は液晶混合物を含む第2の成分と、更に必要であれば前記光硬化性モノマー及び/又はオリゴマーの光重合化のための光重合開始剤とを含む均質で等方性であり、少なくとも20から25℃の温度範囲で、より好ましくは少なくとも15と25℃の間で光学的に透明である混合物を供給する工程;
    (b)前記(a)工程で定義した温度範囲で為される工程であって、基板上に前記混合物の光学的に透明なフィルムを製造するか、又は少なくとも1つが光化学作用のある光が伝搬する2つの基板間の空間に前記混合物を満たす工程;
    (c)前記フィルムのある領域が照射され、前記フィルムの他の領域は照射されない、又は実質的に照射されないように、前記フィルムの少なくとも1つの面に光化学作用のある光の非均質場を前記工程(a)で定義した温度範囲で照射する工程で、その照射の強度を十分に低くすることにより、前記照射により単独の光硬化されたポリマー又は実質的に又は主として光硬化されたポリマーからなる前記第1の領域を形成させ、一方前記液晶又は液晶混合物を照射されない若しくは実質的に照射されない前記第2の領域に完全に又は実質的に又は主として逃げ込ませ、これにより前記フィルムを形成する工程;
    (d)前記フィルムのみ又は1つの前記基板上に前記フィルムを製造するため前記基板の1つ又は両方を取り除く工程。
  2. 選択肢(a)に従って製造される前記フィルムにおいて、前記第1の平面に垂直な第2の方向に、前記第1の領域と前記第2の領域が交互に配置されていないことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 選択肢(a)に従って製造される前記フィルムにおいて、前記第1の領域及び前記第2の領域が、前記フィルムの1つの表面から対向する表面に延びているか、又は前記フィルム面に沿って延びている層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 製造される前記フィルムにおいて、前記第1の領域及び前記第2の領域は、空間的に周期的構造、好ましくは真っ直ぐな又は曲がった縞を構成することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 前記光学的に透明なフィルムは、厚さが略1−100μm、好ましくは4から50μm、更に好ましくは5から25μmで製造されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
  6. 前記光素子を製造するために前記第1の基板及び前記第2の基板は、電界、磁界又は電磁界を印加する手段を有すことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記電界を発生する手段は、前記基板の内部の少なくとも一部を覆う導電フィルムを含むことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記光学素子は、構成が実質的に不変である領域が、前記フィルムの1つの表面から対向する表面に延びているか、又は前記フィルムが、構成が実質的に不変であり前記フィルムの面に沿って延びている層からなる2D形状を有する素子及び前記第1の領域又は前記第2の領域の内の少なくとも1つの領域が他の領域に完全に囲まれている3D形状を有する素子から選択された回折素子であることを特徴とする請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 構成が実質的に不変である2D形状を有する前記素子の領域は、前記フィルムの表面に対して傾くか、又は垂直に延びていることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記第1の領域は、電界、磁界、又は電磁界が印加されても実質的に一定の光学誘電率を有することを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の製造方法。
  11. 前記第2の領域は、電界、磁界、又は電磁界の影響で変化する光学複屈折率を有することを特徴とする請求項6〜10の何れか1項に記載の製造方法。
  12. 前記第1の領域の中心と前記第2の領域の中心との距離は、略150nmから10μmの範囲であることを特徴とする請求項6〜11の何れか1項に記載の製造方法。
  13. 前記均質で等方性の混合物は、更に表面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の製造方法。
  14. 前記均質で等方性の混合物の前記第1の成分は、不飽和のモノマー又はオリゴマーから、好ましくはミカエル付加し得るモノマー又はオリゴマーの1種以上の成分から、より好ましくはチオール化合物とチオール−エン反応において反応し得る少なくとも1個のC=C結合を含む化合物との組合せからなる若しくは含むグループの1種以上の化合物から、又は前記モノマー又は前記オリゴマーと少なくとも1種のエポキシ化合物との組合せから、更により好ましくは少なくとも1種のチオール化合物とミカエル付加し得る少なくとも1種のモノマー又はオリゴマーとの組合せから選ばれることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の製造方法。
  15. 前記均質で等方性の混合物の前記第2の成分は、ネマチック、スメクチック及びコレステリック液晶と任意に染色分子又は光単色分子を添加した液晶混合物のグループから選ばれ、前記液晶は負又は正の誘電率異方性Δεを有し、前記ネマチック液晶又は、前記ネマチック液晶からなる若しくは含む液晶混合物の選択が好ましいことを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の製造方法。
  16. 前記フィルムの両表面が照射されることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の製造方法。
  17. 前記照射は、周期的な又は非周期的な光の場で為されることを特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記載の製造方法。
  18. 前記工程(c)の非均質な光の場は、干渉パターンが前記フィルムのボリュームに記録(ホログラフィック記録)されるように、互いに直交する光化学作用のある少なくとも2色のコヒーレントビームの照射により得られることを特徴とする請求項1〜17の何れか1項に記載の製造方法。
  19. 前記非均質な光の場は、リソグラフィックな方法、好ましくはマスクを使用して得られることを特徴とする請求項1〜18の何れか1項に記載の製造方法。
  20. 前記照射の強度は、0.1から200mW/cm2の範囲であり、好ましくは140mW/cm2を超えないことを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の製造方法。
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