JP2003161566A - 熱伝導方法，装置及び製品 - Google Patents

熱伝導方法，装置及び製品

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JP2003161566A JP2002265590A JP2002265590A JP2003161566A JP 2003161566 A JP2003161566 A JP 2003161566A JP 2002265590 A JP2002265590 A JP 2002265590A JP 2002265590 A JP2002265590 A JP 2002265590A JP 2003161566 A JP2003161566 A JP 2003161566A
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heat conduction
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱の伝導効果があると共に，熱の消費
を節約することができる熱伝導方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 中空二重層密閉体を形成し，該密閉体内
に超熱伝導媒体を充満したのち，該密閉体内を真空引き
して密封してなる超熱伝導構造体を用い，該超熱伝導構
造体の外面の１箇所に冷／熱源を密着して取付け，超熱
伝導構造体の他の部位との間で熱移動を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は，熱伝導方法に関
し，特に熱が熱伝導媒体を伝って高い方から低い方へ移
る現象を利用して冷却や加熱をするための熱伝導方法，
装置及びこの装置を備えた器具に関する。
【０００２】
【従来の技術】熱伝導手段によって加熱或いは冷却の機
能を果たす物品が至る所で見られている。図１は，従来
使われている冷蔵ボックスの概略縦断面図である。該冷
蔵ボックスには，保温材よりなる蓋付開口部をそなえた
収納室１０１と，該収納室１０１の底部に設けられた金
属片１０２と，該収納室１０１の底部と該金属片１０２
との間に設けられた熱ポンプとして熱電冷却素子などか
らなる冷却体１０３とが設けられており，該冷却体１０
３の真下に放熱板が設けられ，該冷却体１０３は外部の
電源１０４と連結されている。該電源１０４によって該
冷却体１０３を駆動させることにより，上記金属片１０
２を介し上記収納室１０１の温度を下げ，収納室１０１
内の冷却効果を挙げるのである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら，該冷蔵
ボックスによれば，所要の低温の冷蔵効果に達するまで
の時間がかなりかかる。また，一旦上記収納室１０１の
蓋を開けると，該収納室１０１内の温度が上昇してしま
って，再び所要の低温になるまで時間がかかるので，電
力の浪費になる。
【０００４】上記従来の熱伝導における問題点に鑑み，
本発明は，優れた熱の伝導効果があると共に，熱の消費
を節約することができる方法及び装置を提供することを
目的とする。
【０００５】また，一般の料理用レンジなどに利用でき
る熱伝導方法及び装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め，本発明の熱伝導方法は，まず二重層密閉体を形成
し，該密閉体内に超熱伝導媒体を充満させ，該密閉体を
密封してなる超熱伝導構造体を用い，該密閉体の外面の
１箇所に冷／熱源を密着して取付け，該密閉体の外面の
他の部位との間に熱を伝導させることを特徴とする。
【０００７】また，上記目的を達成するため，本発明の
熱伝導装置は，超熱伝導媒体を二重層密閉体に充満させ
た超熱伝導構造体によりなる伝導装置であって，前記密
閉体の外面の１箇所に取付けた冷・熱源によって，上記
超熱伝導構造体を通して前記密閉体の外面の他の部位と
の間に熱を効率よく伝導させることを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を，添付図面
に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説
明する。
【０００９】添付図面において，図２は，本発明の熱伝
導法のフローチャートを示すブロック図である。本発明
の熱伝導法は，図２に示す如く，次のようなプロセスを
含む。
【００１０】（２Ａ），二重層真空密閉体を形成し，該
密閉体内に超熱伝導媒体を充満し，該密閉体内を真空引
きして密封してなる真空超熱伝導構造体が形成され； （２Ｂ），該超熱伝導構造体を用い，該超熱伝導構造体
の外面の１箇所に冷／熱源を密着して取付け， （２Ｃ），超熱伝導構造体の外面の他の部位との間で熱
移動を行わせる。
【００１１】本発明に使用する超熱伝導構造体は，アル
ミニウム，銅，その他の熱伝導性のよい材料によって成
形される中空胴体を備え，該中空胴体よりなる２重層密
閉体に超熱伝導媒体を充満し真空にして超熱伝導構造体
としている。
【００１２】上記超熱伝導媒体は，好ましくは，無機超
熱伝導媒体であることが望ましく，該超熱伝導媒体の熱
伝導媒体は完全に無機物を調合してつくられ，水素，酸
素の発生を抑制でき，爆発する危険がなく，そして，密
閉体の外被をアルミニュウム，銅或いは合金，その他の
熱伝導性がよい非金属を選択使用することにより，適用
温度は−５０℃乃至金属融点の上限（約１７００℃）の
範囲に及ぶと共に，前記超熱伝導媒体の例によっては放
射性がなく（無毒，無汚染，無腐食性），熱伝導係数
（単位：ｗ／ｍ・℃）は下記により示すように極めて高
い値のものが使える。
【００１３】 記 材料 熱伝導係数（ｗ／ｍ・℃） 空気 ０．０２６７ 水 ０．６１ アルミニュウム ２１８． 銅 ４１８． 銀 ４９８． 無機超熱伝導媒体 ２９２６０００． このような超熱伝導媒体として，本発明では，少なくと
も過酸化ナトリウム，酸化ナトリウム，酸化ベリリウ
ム，セスキ酸化マンガン，重クロム酸化アルミニウム，
重クロム酸カルシウム，酸化マンガン，重クロム酸イオ
ンのいずれか又はそれらを組み合せた化合物，少なくと
も酸化コバルト，セスキ酸化マンガン，酸化ベリリウ
ム，クロム酸ストロンチウム，炭酸ストロンチウム，酸
化ロジウム，酸化銅，β−チタン，重クロム酸カリウ
ム，酸化マンガン，重クロム酸カルシウム，重クロム酸
マンガン，重クロム酸化イオンのいずれか又はそれらを
組合わせた化合物，或いは，少なくとも変性酸化ロジウ
ム，重クロム酸カリウム，変性酸化ラジウム，重クロム
酸ナトリウム，重クロム酸銀，単結晶珪素，酸化ベリリ
ウム，クロム酸ストロンチウム，酸化マンガン，ペル酸
化ナトリウム，β−チタン，金属重クロム酸塩のいずれ
か又はそれらを組合わせた化合物が用いられ，前記化合
物を適当に配合することによっても超熱伝導媒体が得ら
れる。
【００１４】上記超熱伝導媒体を充満させる前に，上記
中空密閉体内を不活性化処理し，洗浄乾燥後，該中空密
閉体の内面を粗面に形成する。そして，液状の超熱伝導
媒体を真空密閉体内に充満させ，該密閉体内を真空引き
して密封することによって超熱伝導構造体が得られる。
この超熱伝導構造体内においては，超熱伝導媒体が気化
した際，粗面の毛細現象により該密閉体の内表面に密着
することにより超熱伝導媒体層を形成するので，効果的
に熱を構造体内部の全体に伝導させることができる。即
ち，上記超熱伝導媒体が上記真空密閉体内に充満される
と，超熱伝導媒体が自然的に真空密閉体の内壁面に密着
することになるので，効果的に熱を構造体内部の全体に
伝導させることができ，即ち，周壁表面積の大小に見合
った熱の伝導が期待できる。
【００１５】したがって，本発明は，上記無機超熱伝導
媒体を採用し，これを中空密閉体内に密封することによ
って超熱伝導構造体を得るようにしたから，該構造体
は，爆発する危険がなく，適用温度範囲が広いと共に，
放射性を生じなく（無毒，無汚染，無腐食性），且つ熱
伝導係数は極めて高くなる。
【００１６】また，本発明の方法によると，上記密閉体
は真空密閉体にすることによって，熱伝導度をより一層
向上させることができる。
【００１７】そして，上記密閉体の一面側に熱ポンプ手
段を密着して取付け，上記超熱伝導構造体を介して他面
へ効率よく熱を伝導させることができる。前記熱ポンプ
手段の対象としては，特に制限されなく，用途により日
光や，電熱，その他燃料の燃焼熱などが使える。
【００１８】図３は，本発明の熱伝導方法を利用した一
装置例の縦断面図である。図４は，該装置の要部拡大断
面図である。
【００１９】該装置は，保温材からなる断面Ｕ字形の中
空円筒状ハウジング１００の内周面沿いに，第１層外被
３１と第２層外被３２よりなる中空二重層密閉体３３が
形成され，二重層中空内部に無機超熱伝導媒体２が充満
され，超熱伝導構造体３をなす。ハウジング１００の開
口部を除いた内面全体を覆っている。
【００２０】図示のように，該ハウジング１００の底部
に冷却体４が，一面４１を上記密閉体３３の第２層外被
３２と接するように設けられると共に，該冷却体４の他
面４２には熱伝導材としての放熱板７が設けられてい
る。また上記冷却体４は，プラグ５を経て図示しない外
部の電源と接続駆動されている。そして，上記装置の放
熱効果を高めるため，上記放熱板７に対向して扇風機８
が設けられる。なお，図示のように，該装置のハウジン
グ１００の適当な部位に，例えば図３のハウジング１０
０右側に，着脱可能なバッテリー５ａが設けられること
により，該装置を手持ちタイプにすることが可能にな
る。また，バッテリー５ａは充電器（図示せず）を使用
することにより，取替え可能になる。
【００２１】上記冷却体４は，外部の電源により駆動さ
れ，熱交換が行われる介面としては低温面４１が上記第
２層外被３２の他面と接触されると共に，放熱面である
高温面４２が上記放熱板７と接触されている。
【００２２】本発明の熱伝導法による装置は，例えば冷
蔵ボックスまたは冷凍庫において，上記冷却体４の低温
面４１及び高温面４２に，熱伝導材６として放熱ペース
トを塗布することによって，放熱効果を向上させ得る。
以上のように，該装置は，上記電源によって冷却体４が
駆動され，冷却体４の低温面４１の温度が下がって装置
内の温度と比べて低くなり，該装置内の熱が上記超熱伝
導構造体３を介して外部へ移動放出することによって，
該装置内を冷却させると共に，該超熱伝導構造体３によ
って効率的に所要の低温にされることができる。
【００２３】また，断熱材により造られた上記ハウジン
グ１００，上記冷却体４の高温面４２に設けられた放熱
板７や，放熱板７と対面して設けられた扇風機８によっ
て，該装置の冷却効果がより一層向上される。
【００２４】また，該実施の形態における冷却体４とし
て，図４に示される如く，例えば，熱電冷却素子として
知られるＰＮアレイ型半導体素子が設けられている。そ
して，上記冷却体４内に適当に断熱材１０を配置するこ
とにより，上記放熱板７へ伝導された熱を再び上記装置
内へ戻ることを抑制し，該装置の冷却効果を保つことが
できる。
【００２５】また，本発明の装置によると，熱の伝達効
果の優れた熱ポンプ手段として，冷却体４に代って，発
熱体（図５における参照符号１３１）を使用することも
できる。言うまでもなく，この場合は放熱板や扇風機を
設ける必要はない。例えば，図５に示した電気ジャー１
３０がその一例である。
【００２６】また，上記超熱伝導構造体３のみを用いる
ことによって，熱の伝達効果の優れた料理用レンジを構
成することができる。また，該超熱伝導構造体３によっ
て構成された料理用なべによると，時間を節約すること
もできる。例えば，図６，７，８に示されているよう
に，ポット１１０，フライパン１２０やオーブン１４０
など幅広く，本発明による超熱伝導構造体を利用するこ
とができる。なお，この際に用いられる熱源として，上
記の電熱のほか，ガス燃焼，熱電半導体，太陽熱などを
利用できる。
【００２７】
【発明の効果】上記のように構成された本発明の熱伝導
方法は，二重層構造の密閉体を作り，該密閉体内へ超熱
伝導媒体を充満させた後，該密閉体を密封することによ
って，熱が有効に伝達される超熱伝導構造体が造られ
る。本発明による該超熱伝導構造体によれば，効果的に
冷却や加熱機能が得られ，消費電力を大幅に低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来の熱伝導方法を利用している冷蔵ボックス
の概略縦断面図
【図２】本発明の熱伝導方法のフローチャートを示すブ
ロック図
【図３】本発明の熱伝導方法による一装置の概略縦断面
図
【図４】同装置における冷却体としてのＰＮアレイ型の
半導体素子の局部拡大縦断面図
【図５】本発明の熱の伝導手段による電気ジャーを示す
概略縦断面図
【図６】本発明の熱の伝導手段を採用したポットを示す
概略縦断面図
【図７】本発明の熱の伝導手段を採用したフライパンを
示す概略縦断面図
【図８】本発明の熱の伝導手段を採用したオーブンを示
す概略縦断面図
【符号の説明】
３・・・超熱伝導構造体 ３１・・・第１層外被 ３２・・・第２層外被 ３３・・・密閉体 ４・・・冷却体 ５・・・プラグ（電源接続手段） ５ａ・・・バッテリー ６・・・熱伝導材 ７・・・放熱板（熱伝導材） ８・・・扇風機 １０・・・断熱材 １００・・・ハウジング １１０・・・ポット １２０・・・フライパン １３０・・・ジャー １３１・・・発熱体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 二重層密閉体を形成し，該密閉体内に超
    熱伝導媒体を充満したのち，該密閉体を密封してなる超
    熱伝導構造体を用い，該超熱伝導構造体の外面の１箇所
    に冷／熱源を密着して取付け，超熱伝導構造体の他の部
    位との間で熱移動を行わせる熱伝導方法。
  2. 【請求項２】 上記超熱伝導媒体が，無機超熱伝導媒体
    である請求項１に記載の熱伝導方法。
  3. 【請求項３】 上記冷／熱源は，日光，ガスバーナ，電
    源，及び熱電冷却装置の中のいずれかとする請求項１に
    記載の熱伝導方法。
  4. 【請求項４】 超熱伝導媒体を二重層密閉体に充満さ
    せた超熱伝導構造体によりなる伝導装置であって，前記
    密閉体の外面の１箇所に取付けた加熱源によって，上記
    超熱伝導構造体を通して前記密閉体の外面の他の部位と
    の間に熱を効率よく伝導させることを特徴とする熱伝導
    装置。
  5. 【請求項５】 上記超熱伝導構造体が，ポットの形態を
    とる請求項４に記載の熱伝導装置。
  6. 【請求項６】 上記超熱伝導構造体が，ジャーの形態を
    とる請求項４に記載の熱伝導装置。
  7. 【請求項７】 上記超熱伝導構造体が，オーブンの形態
    をとる請求項４に記載の熱伝導装置。
  8. 【請求項８】 上記超熱伝導構造体が，フライパンの形
    態をとる請求項４に記載の熱伝導装置。
  9. 【請求項９】 上記超熱伝導構造体が，内部に立体空間
    が形成されるよう，周囲を３次元に囲んでなる形状にさ
    れ，外部に冷却体が設けられる請求項４に記載の熱伝導
    装置。
  10. 【請求項１０】 上記冷却体が，外部の電源と接続され
    た熱ポンプ手段を備え，該電源に駆動され，該冷却体の
    上記超熱伝導構造体側寄りの面と反対の面に熱伝導材が
    設けられる，請求項９に記載の熱伝導装置。
  11. 【請求項１１】 扇風機が，上記熱伝導材に対面して設
    けられる上記請求項９に記載の熱伝導装置。
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