JPH0360611A - 万能調理鍋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、中華鍋、フライパン、煎り鍋、すき焼鍋、煮
込み鍋、天ぷら鍋、圧力鍋等々を含む調理用加熱器具の
改良に関する。

〔従来の技術〕

今日、調理の熱源としてはガスが最も広く利用されてい
る。

ガスレンジの炎は温度が高く、集中的かつ迅速な加熱が
可能であるため、調理用の熱源として大変便利であるが
、加熱される器具の温度分布が均一にならず、局部的に
高温になり易いという問題点がある。

一方、伝統的な鍋類は、普通、鋳鉄、タングステン鋼、
ステンレス鋼、銅、アル稟ニウム等の材料を用い、パン
チング加工、旋圧加工、鋳造後の旋盤加工、溶湯の鋳鍛
造等の方法で鍋本体を作製し、これを更に研摩、発色、
電気メツキ、塗装、琺瑯引き等の各種の表面処理を施し
て成るものである。

然しなから、■鋳鉄製のものは重すぎて一般家庭では使
用に不便である；■タングステンＥｌのものは油垢がつ
き易く洗いにくい：■ステンレス鋼製のものは熱伝導性
に劣り、局部的な過熱を生じ食物が焦げて人体に有害な
物質を発生し易い；■銅製のものは熱伝導性は良好であ
るが、生地が軟質であるため炒めものなどの場合に傷が
つき易く、又しばらく放置すると毒性の強い緑青（ろく
しよう）を発生するので日頃の手入れも大変である；■
アルミニウム製のものは、アルミニウム自体に発癌作用
があり、調理用具として不適である等、それぞれに問題
点があった。

近年、特殊な表面処理を施した鍋類も市販されているが
、一つの鍋で、焼く、煮る、炒める、揚げる等々の一般
家庭における通常の用途にすべて対応し得るものは未だ
に提供されていない０例えば、琺瑯引きのカラー鍋は主
に煮炊きにしか使用できず、テフロン塗装の焦げつき防
止鍋は、表面が軟らかく傷つくとはげ易いので、焼肉等
の調理にしか適していない。

一つの器具で、焼く、煮る、炒める、揚げる等々、各種
の使用目的に対応できる理想的な調理用加熱器具に必要
な条件を、−船釣な鍋の構造と機能を示す第１図を参照
しつ一考察してみれば、■鍋本体１の内面２、特にその
調理部２ａは充分な硬度と靭性を持ち、金属製の箸やフ
ライ返しで擦ったり叩いたりしても、容易に傷や亀裂を
生じないこと、 ■調理部２ａの温度分布が均一で、高温時の熱容量が大
きく、成る一定の温度範囲内に維持され、調理材料４の
焦げつきが少ないこと、 ■鍋の内面２及び外面３の化学的性質が安定しており、
錆びにくく、洗浄も容易であり、特に高温時に調理部２
ａから有害物質が滲出しないこと、■外面３の過熱部３
ａや内面２の調理部２ａの熱伝導性が良好で、望ましく
は低温時の熱容量は小さく、然しなから高温時の熱容量
は大きく、しかも周辺部１ａの熱伝導性は低く、これに
より鍋全体としての熱効率が良好であること、 ■鍋全体の重さがそれほど重くなく、調理時に扱いやす
いこと、 等々が挙げられる。

然しなから、従来の単一構造の鍋本体によっては、各種
の表面処理を施したとしても、これらの多くの条件を一
つの器具で適えることは不可能である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は、畝上の問題点を解決するためなされたもので
あり、その目的とするところは、器具内面の調理部の温
度分布が均一で局部的な過熱を生じず、器具全体として
の熱効率が高く、充分な硬度と靭性を有し傷や亀裂を生
じず、化学的にも安定で有害物質を発生せず、洗浄も容
易で、重すぎることなく取扱いに便利である等、多くの
利点を有する調理用加熱器具を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的は、 鍋本体の少なくとも加熱領域を外面部材と内面部材とか
ら成る二重構造とし、両者間の空所内に上記両部材より
も融点の低い熱媒体材料を封入したことを特徴とする調
理用加熱器具によって達成し得る。

上記熱媒体材料としては、調理温度の範囲内で溶融及び
凝固を行なう低融点金属もしくは合金を用いることが推
奨される。

又、上記空所内に上記熱媒体材料と共に熱伝導率の高い
熱分散部材を収納することが推奨される。

〔作　　用〕

上記の如き構成であれば、鍋本体の外部部材と内部部材
間の空所内に封入された熱媒体材料が、その融解熱によ
り多量の熱を蓄積し、鍋の熱容量を大きく増大させるの
で、鍋の調理部の温度分布を均一に保つと共に、内部部
材を比較的薄手の硬質かつ靭性を有し、化学的にも安定
な材料で作製することにより、有害物質を発生せず、洗
浄、保管等も容易で取扱いにも便利な調理用加熱器具が
提供されるものである。

〔実　施　例〕

以下、第２図を参照しつ＼本発明の構成を具体的に説明
する。

第２図中、１０は持ち手、１１は鍋本体、１２は内面部
材、１３は外面部材、１４は内面部材と外面部材の間に
形成された空所、１５は空所内に封入された熱媒体材料
、１６は眼状の熱分散部材、Ｉ７は熱分散部材の内面部
材１２と対向する面に設けられた断熱層である。

鍋本体１１は、内面部材１２と外面部材１３とから形成
され、少なくともその中央付近の外面加熱部１３ａの領
域においては、内面部材１２との間に空所１４が形成さ
れるよう作製され、上記空所１４内には熱媒体材料１５
と熱分散部材１６が封入されている。

内面部材１２は１枚の金属板で作製し、その厚さは通常
の鍋よりも幾分薄手のものを使用し、形状は使用目的に
応じて通常の各種の鍋と特に変わるところはない。材料
的には、硬く且つ靭性に優れ、化学的にも安定性のある
もの、例えば、ステンレス鋼、モネル合金、白銅等々を
使用する。これらの材料の熱伝導率は一般的に低いが、
後述する如く、空所１４内に収容した熱媒体材料１５及
び熱分散部材１６の作用により局部的な過熱は防止され
る。

外面部材１３も１枚の金属板で作製し、中央部は内面部
材１２との間に空所１４が形成されるように膨出させる
と共に、その周辺部１３ｂは内面部材１２の周辺部１２
ｂと気密にシールされるよう溶着その他の手段で堅固に
結合せしめる。

熱媒体材料１５としては、調理温度近くで大きな熱容量
を有する材料、即ち調理温度近くに融点を有し、その温
度領域において大きな潜熱を有する材料が用いられ、又
、当然ながら内面部材１２、外面部材１３及び熱分散部
材１６よりも融点の低い材料が選定される。このような
材料としては、調理目的にもよるが、一般に融点が２５
０″Ｃ以下の低融点金属又は合金が使用され、例えば、
錫、銀錫合金、亜鉛錫合金等が使用される。熱媒体材料
１５はその融点における溶解と固化の状態変化の過程で
一定温度を保ちつ＼吸熱若しくは放熱を行なうので、調
理温度近くに融点を有する材料を用いることにより、調
理温度近くにおける鍋の熱容量を大幅に増大させること
が可能となるものである。

熱分散部材１６としては、熱伝導率の高い材料、例えば
銅やアルミニウム等が使用される。コスト的な制約がな
ければ、銀も非常に好適である。熱分散部材１６は熱媒
体材料１５中に置かれて熱媒体材料１５の各部の温度を
均一にするよう熱を分散させる役割を果たすものである
。熱分散効果を良好ならしめるため、熱分散部材１６を
プロ゛ンク状、ネット状又は多孔状等々、所望の形状と
することが推奨される。又、熱分散部材１６の熱分散効
果を一層増大させるため、熱分散部材１６が内面部材】
２と対向する側の面に琺瑯引きその他の熱伝導率の低い
材料によって表面処理を施して断熱１１７を形成するこ
とも推奨される。

熱分散部材１６の空所１４内における位置は必ずしも厳
密に設定する必要はなく、熱媒体材料１５が加熱され溶
融状態にあるとき、皿状の熱分散部材１６が熱媒体材料
１５中で多少は移動しても構わない。

而して、鍋本体１１の外面加熱部１３ａを加熱すると、
熱媒体材料１５が加熱される。温度がまだ熱媒体材料１
５の融点に達しないうちは、熱媒体材料１５の熱容量は
それほど大きくなく、又その熱伝導率も比較的良好であ
るので、熱は比較的すみやかに内面調理部１２ａに伝達
されると共に、熱分散部材１６の作用により全体的に均
一に加熱が行なわれる。

温度が更に上昇し、熱媒体材料１５が部分的に溶解し始
めると、多量の融解熱が吸収され、熱媒体材料１５がす
べて融解するまで同一温度に保たれる。

熱媒体材料１５がすべて融解するまでには多大の熱量を
必要とするので、鍋本体１１は相当長い時間にわたって
同一温度に保たれ、局部的な高温部もなくなり、内面調
理部１２ａの各部の温度勾配は減少し、全体的に均一か
つ同一の温度分布が得られる。

従って、熱媒体材料１５全体が溶解する以前の段階にお
いても、内面調理部１２ａの均一な温度分布を得ること
ができる。

而して、内面調理部１２ａが部分的に冷却され、熱媒体
材料１５の凝固点に達すると、熱媒体材料１５はその溶
解時に吸収した多量の熱を放出して、この部分的な冷却
を緩和し、内面調理部１２ａの温度分布を均一に保ち、
又その大きな熱容量によって良好な調理効果をもたらす
ことができる。

このように、本発明においては、内面部材１２と外面部
材１３の間の空所１４内に熱媒体材料１５を収容するこ
とにより、熱媒体材料１５の「溶解−凝固」過程におけ
る多量の吸熱、放熱作用によって、調理に好適な内面調
理部１２ａの均一な温度分布と熱効果を得ることが可能
となるものである。

こ＼で熱分散部材１６の役割について補足説明する。鍋
内に調理材料が投入され、成る程度の時間が経過して、
外面加熱部１３ａに加えられる熱と内面調理部１２ａか
ら料理材料等へ放出される熱とが平衡状態に達した時点
における熱分散部材１６への熱の出入りを考察してみれ
ば、熱分散部材１６がその周囲の熱媒体材料１５に伝達
する熱量は、外面加熱部１３ａから局部的に付与される
熱量から内面調理部１２ａ側へ出てゆく熱量を引いたも
のに等しい。

然しなから、外面加熱部１３ａから付与される熱は、熱
源である炎の分布等の影響で必ずしも均等ではなく、こ
れをそのま＼内面調理部１２ａへ伝達すると内面調理部
１２ａの温度分布が均一でなくなる可能性が大きいので
、これを防止するには、熱分散部材１６に加えられた熱
を可能な限り周囲の熱媒体材料１５に一旦放出するよう
にすることが望ましい。

一方、熱分散部材１６の熱伝達特性は、熱分散部材１６
の材料の熱伝導率、熱分散部材１６の厚さ、加熱部分の
面積、放熱部分の面積、加熱部分と放熱部分の温度差等
の函数となる。そこで、熱分散部材１６の材料としては
熱伝導率の高いものを使用すると共に、内面調理部１２
ａへの直接の熱伝導を防止するよう、熱分散部材１６の
内面調理部１２ａに対向する面に琺瑯引き等による熱伝
導率の低い断熱層１７を設け、局部的に高温となりやす
い熱分散部材１６からの熱が内面調理部１２ａへ直接伝
わることなく、−旦周囲の熱媒体材料１５へ万遍なく伝
達、分散されるように構成することが推奨される。

熱媒体材料１５の材料として、固体及び液体時の熱伝導
率がいずれにおいても鍋の内面部材１２のそれよりも大
きい低融点金属（例えば５ＵＳ３０４に対するＳｎ）を
用いると、断熱層１７を上記の如く熱分散部材１６の上
面に設ける代わりに、鍋の内面部材１２の内面調理部１
２ａの下面（空所１４の側）に設けることによっても同
様に内面調理部１２ａの局部過熱防止効果を得ることが
できる。

又、外面部材１３の少なくとも外面過熱部１３ａを熱伝
導性の良い材料で作製すれば、外面過熱部１３ａが熱分
散部材１６の役割を兼ね、鍋の構造を簡略化できる。モ
して又、熱分散部材１６を設けなくても、熱媒体材料１
５自体が前記の通り内面調理部１２ａの温度分布を均一
化する作用を有するので、通常の鍋に比べてその性能は
大幅に改善されるものである。

なお、空所１４内には、熱媒体材料１５や熱分散部材１
６と共に、他の材料若しくは構成エレメントを収容する
ことも可能である。即ち例えば、空所１４を確保するた
めのスペーサや、鍋本体の剛性を向上させるための補強
材や、鍋の温度測定のための熱電対等々を収容すること
も可能である。

〔発明の効果〕

本発明は畝上の如く構成されるから、本発明によるとき
は次のような多くの利点を有する調理用加熱器具が提供
されるものである。

■本発明にか＼る鍋本体１１は二重構造となっており、
充分な硬度と靭性を有すると共に、内面部材１２として
化学的安定性を有する材料を用いることにより、錆びた
り有毒物質を発生することがなく、衛生的に優れ、保管
にも手間がかからず、煮る、焼く、炒める、煎る等々の
各種用途に対応できる便利な過熱器具を提供し得る。

■内面部材１２と外面部材１３間の空所１４に封入され
る低融点の熱媒体材料１５は、その比熱が比較的小さい
（例えば錫の場合０．２２５５　Ｊ／ｇ″Ｃであり、通
常、鍋の材料として使用される鉄の０．４５〜０．４６
　Ｊ／ｇ″Ｃや銅の０．３４〜０．４１　Ｊ／ｇ’ｃよ
り小さい。）ので、加熱初期の低温時には速やかに鍋が
熱くなり、熱媒体材料１５の融点に達するとその状態変
化時の潜熱によって熱容量が格段に増大して鍋の温度を
一定に維持する作用を有し、鍋の熱効率を大幅に改善し
得る。

■空所１４内の熱媒体材料１５、熱分散部材１６、断熱
層１７等の作用により内面調理部１２ａが一定温度に保
たれ、かつ温度分布も均一となるので、局部的な過熱に
より料理材料が焼は焦げて発癌物質等の有害物を発生し
ない。

■鍋本体１１が二重構造となっているが、格別複雑な構
成要素を含まないので、製作が容易であり（熱媒体材料
１５は、製造時には固体の状態で内面調理部１２ａの下
面や外面過熱部１３ａの上面に鑞付は等により予め取り
付けておくことができる。）、内面部材１２や外面部材
１３は従来の単一部材から成る鍋のように厚手のもので
なく良く、それらの接合も比較的容易になされ、堅固な
構造とすることができる。

■内面調理部１２ａ　、外面過熱部１３ａ、空所１４、
熱媒体材料１５、熱分散部材１６、断熱層１７等々は特
に形状的な制限はないので、図示した中華鍋以外にも、
ポット、フライパン、すき焼鍋等々、各種の加熱器具に
広く適用し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一般的な鍋の構造と機能を説明するため
の断面図、第２図は本発明にか覧る調理用加熱器具の一
実施例を示す断面図である。 １−・−・−〜−−−−−−−−−−・−・−−−−一
鍋本体１ａ−−・−−−−−−−−・・・−一−−−・
−・−周辺部２−−−−−−−−・・−−−−一一−−
−−−・−内面３−−−−−−−−−−一・−一一−−
−−−−−−−−・・・・−外面３ａ・−−−一−−−
−−−・−−一−−−−−−−−−−加熱部４−・・・
−・・−−−一−−−−−・・・−−−一−−−−−調
理材料１０・・−−−一−−−−・・・・−−−−−−
−−・−・・持ち手１１−・−−一−−・−・−・−−
−−一−−−−・・・・・−・−鍋本体１２−−−一・
−−−−一−−−−−−・−−一−−−−−−−−−内
面部材１２ａ　・−−−−−−一・−・・・−−−ｍ−
・−−−一−−−内面調理部１２ｂ−・−・−・・・−
一−−−−・・・・−−−−−−−−ｍ−周辺部１３−
・・−・・−−−−・−・・・・−・・−・・−外面部
材１３ａ・−・−−−−−−・−・・−−−一−−−・
−・外面加熱部１３ｂ　−・・・−・−一一一−−−−
−・−・−−−−ｍ−周辺部１４−−−−−−−−一・
・−一−−−−−・−・・・−−−−−一空所１５−−
−・・・−一−−−−・・・−・−一−−−−−−−−
−熱媒体材料１６−−−−−・−・−・・・−−−−−
−・−・・・・−・−熱分散部材１７−・−・・−−−
−一−−−・−・−−−−−−一・・・・−・・−断熱
層・・鍋本体 ２−−−−一・・−内面 ３−　・−・−外面 ３ａ−・−一一一一加熱部 ４−・−一一一−−−−調理材料 １０−・・−−−一−−−−持ち手 １１・・・−・−・・・鍋本体 １２−・・−−−−−・−内面部材 １３−・〜・−・・−外面部材 １３ａ　−−ｍ−・−外面加熱部 １３ｂ　−−−−一・−周辺部 １４−・・・−−−一−−−・空所 １５・−−−−−・−・熱媒体材料 ■６−・・・−−一−−−・熱分散部材１７−・−・・
−断熱層 Ｓ ） 第 図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）鍋本体の少なくとも加熱領域を外面部材と内面部材
   とから成る二重構造とし、両者間の空所内に上記両部材
   よりも融点の低い熱媒体材料を封入したことを特徴とす
   る調理用加熱器具。 ２）上記熱媒体材料が、調理温度の範囲内で溶融及び凝
   固を行なう低融点金属もしくは合金である請求項１に記
   載の調理用加熱器具。 ３）上記空所内に熱伝導率の高い熱分散部材を収納した
   請求項１に記載の調理用加熱器具。 ４）上記熱分散部材がプレート状、ネット状、多孔状、
   その他熱分散特性に優れた形状を有する請求項３に記載
   の調理用加熱器具。 ５）上記熱分散部材の上記内面部材と対向する面に断熱
   層を形成した請求項３に記載の調理用加熱器具。