JP2003161487A - 浴室暖房乾燥機および全熱交換装置の運転方法 - Google Patents

浴室暖房乾燥機および全熱交換装置の運転方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全熱交換装置の使用時に浴室暖房乾燥機を運
転しても室内が負圧になるのを防止する。 【解決手段】 全熱交換装置11および浴室暖房乾燥機
25が設置された系において、全熱交換装置11が運転
されているときに浴室暖房乾燥機25の換気装置27が
作動したとき、全熱交換装置11の排気ファン13の作
動を停止させる、排気ファン13の回転数を減少させ
る、吸気ファン12の回転数を増加させる、または、全
熱交換装置11の吸気分岐通路42を解放して外気の吸
気量を増大させるのいずれかの方法により室内の負圧化
を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴室や、脱衣室、
洗面所、あるいはトイレなどのいわゆるサニタリーゾー
ンを利用して洗濯物を乾燥したり、暖房や換気などを行
う浴室暖房乾燥機を全熱交換装置の運転と連動させて運
転する運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】浴室暖房乾燥機は、浴室の天井に埋め込
んだり側壁に設置して、浴室内に温風を吹き込むととも
に、湿った空気を外部に放出して浴室内を換気すること
により衣類を乾燥させている。また、この温風を利用し
て冬季に浴室内を暖房することも行われている。
【0003】一方、居室空間の冷暖房は、浴室暖房乾燥
機とは独立して設置された全熱交換装置により行われて
いる。この全熱交換装置は、居室内の空気を吸気口から
吸い込み熱交換器を通して屋外に排気し、一方屋外の空
気を吸気口から吸い込み熱交換器を通して居室空間内に
吹き出すことにより冷暖房を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】全熱交換装置の使用時
は、室内からの吸気量と屋外への排気量が等しく設定さ
れており、室内の気圧は屋外の気圧とほぼ等しい状態で
運転されている。この状態で全熱交換装置とは独立して
浴室に配置されている浴室暖房乾燥機が運転されると、
浴室暖房乾燥機が浴室やトイレ、脱衣室などの空気を吸
入して屋外に排出するので、室内の気圧が低下して負圧
状態になることがある。室内が負圧になると、屋外から
の空気が居室や浴室、トイレ、脱衣室など設けられた自
然換気口から吸気されるが、この場合、全熱交換装置で
冷房または暖房して快適な温度や湿度にコントロールさ
れた室内空気の温度や湿度が吸気された外気によって乱
されてしまう。この結果室内にいる人は不快感を感じる
とともに、浴室暖房乾燥機の運転効率が低下する。
【0005】また、浴室暖房乾燥機から排気される空気
は暖房または洗濯物乾燥用に使用された空気なので熱を
有しており、そのまま排気した場合は室内の熱量を屋外
に排出してしまうので冬季には暖房効果を損なうことが
ある。
【0006】本発明は、以上のような課題を解決するも
ので、全熱交換装置の使用時に浴室暖房乾燥機を運転し
ても室内が負圧になることを防止することが可能な浴室
暖房乾燥機および全熱交換装置の運転方法を提供するも
のである。
【0007】また本発明の他の目的は、浴室暖房乾燥機
の換気装置から排気される空気の熱を回収することが可
能な浴室暖房乾燥機および全熱交換装置の運転方法を提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の運転方法は、上
記課題を解決するために、全熱交換装置および浴室暖房
乾燥機が設置された系において、前記全熱交換装置が運
転されているときに前記浴室暖房乾燥機の換気装置が作
動したとき、前記全熱交換装置の排気ファンの作動を停
止するものである。
【0009】また、運転方法の他の構成は、全熱交換装
置および浴室暖房乾燥機が設置された系において、前記
全熱交換装置が運転されているときに前記浴室暖房乾燥
機の換気装置が作動したとき、前記全熱交換装置の排気
ファンによる排気量を前記換気装置の排気量相当分減少
させるものである。
【0010】また、運転方法の他の構成は、全熱交換装
置および浴室暖房乾燥機が設置された系において、前記
全熱交換装置が運転されているときに前記浴室暖房乾燥
機の換気装置が作動したとき、前記全熱交換装置の吸気
ファンによる吸気量を前記換気装置の排気量相当分増大
させるものである。
【0011】また、運転方法の他の構成は、全熱交換装
置および浴室暖房乾燥機が設置された系において、前記
全熱交換装置が運転されているときに前記浴室暖房乾燥
機の換気装置が作動したとき、前記全熱交換装置の吸気
分岐通路を解放して前記換気装置の排気量相当分外気の
吸気量を増大させるものである。
【0012】また、運転方法の他の構成は、上記構成に
おいて、浴室暖房乾燥機の換気装置の排気を全熱交換装
置の排気通路に供給し、熱交換した後屋外に排気させる
ものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の運転方法は、全熱交換装
置および浴室暖房乾燥機が設置された系において、前記
全熱交換装置が運転されているときに前記浴室暖房乾燥
機の換気装置が作動したとき、前記全熱交換装置の排気
ファンの作動を停止させるので、前記全熱交換装置の使
用時に前記浴室暖房乾燥機を運転しても室内が負圧にな
ることを防止することができるという作用を有する。
【0014】また本発明による運転方法は、全熱交換装
置および浴室暖房乾燥機が設置された系において、前記
全熱交換装置が運転されているときに前記浴室暖房乾燥
機の換気装置が作動したとき、前記全熱交換装置の排気
ファンによる排気量を前記換気装置の排気量相当分減少
させるので、前記全熱交換装置の使用時に前記浴室暖房
乾燥機を運転しても室内が負圧になることを防止するこ
とができるという作用を有する。
【0015】また本発明による運転方法は、全熱交換装
置および浴室暖房乾燥機が設置された系において、前記
全熱交換装置が運転されているときに前記浴室暖房乾燥
機の換気装置が作動したとき、前記全熱交換装置の吸気
ファンによる吸気量を前記換気装置の排気量相当分増大
させるので、前記全熱交換装置の使用時に浴室暖房乾燥
機を運転しても室内が負圧になることを防止することが
できるという作用を有する。
【0016】また本発明による運転方法は、全熱交換装
置および浴室暖房乾燥機が設置された系において、前記
全熱交換装置が運転されているときに前記浴室暖房乾燥
機の換気装置が作動したとき、前記全熱交換装置の吸気
分岐通路を解放して前記換気装置の排気量相当分外気の
吸気量を増大させるので、前記全熱交換装置の使用時に
浴室暖房乾燥機を運転しても室内が負圧になることを防
止することができるという作用を有する。
【0017】また本発明による運転方法は、上記構成に
おいて、浴室暖房乾燥機の換気装置の排気を全熱交換装
置の排気通路に供給し、熱交換した後屋外に排気させる
ので、前記浴室暖房乾燥機の換気装置から排気される空
気の熱を回収することができるという作用を有する。
【0018】以下本発明の実施の形態について、図面と
ともに詳細に説明する。
【0019】(実施の形態1)図1は住宅内に本発明に
使用される全熱交換装置と浴室暖房乾燥機とが設置され
たときのダクト配管および動作制御系の一例を示す平面
図である。全熱交換装置11は外気を取り込む吸気ファ
ン12、室内の空気を屋外へ排気する排気ファン13お
よび熱交換器14を有している。吸気ファン12はダク
ト15により屋外吸込口16に接続され、排気ファン1
3はダクト17により屋外排気口18に接続されてい
る。また、熱交換器14はダクト19を介して各居室の
吹出口20、21、22へ接続される。また、ダクト2
3により集中吸込口24と連結される。
【0020】浴室暖房乾燥機25は浴室26の天井また
は壁面に設置され、換気装置27を一体または別体で備
えている。換気装置27には少なくとも3つの吸込口を
有しており、1つは浴室26の吸込口(図示省略)に接
続され、他の1つはダクト28を介して脱衣室29の吸
込口30に接続され、残りの1つはダクト31を介して
トイレ32の吸込口33に接続されている。また、換気
装置27は1つの排気口を有しており、ダクト34、切
替ダンパ35およびダクト36を介して屋外排気口37
に連結される。切替ダンパ35の他方の通路はダクト3
8によりダクト23に連結される。
【0021】つぎに、動作を説明する。全熱交換装置1
1は吸気ファン12により屋外吸込口16から外気を取
り込み、熱交換器14で熱交換した後ダクト19により
各居室の吹出口20、21、22へ供給して各居室の冷
暖房を行う。一方住宅内の空気は集中吸込口24から取
り込まれ、ダクト23により熱交換器14へ供給され、
熱交換器14で熱回収した後排気ファン13によりダク
ト17を介して屋外排気口18から屋外へ排気する。
【0022】浴室暖房乾燥機25は、浴室26内の空気
を吸入して熱交換した後浴室26内に循環させ、浴室2
6に温風を吹き出して入浴時には暖房を、洗濯物の乾燥
時には洗濯物の乾燥を行う。温風の代わりに冷風を吹き
出すことも可能である。
【0023】換気したいときは浴室26内の空気を換気
装置27に供給し、ダクト34、切替ダンパ35、ダク
ト36を介して屋外排気口37より屋外へ排気させる。
同様に、脱衣室29の換気は、脱衣室29の空気を吸込
口30からダクト28を介して換気装置27に供給し、
ダクト34、切替ダンパ35、ダクト36を介して屋外
排気口37より屋外へ排気させる。トイレ32の換気
は、トイレ32の空気を吸込口33からダクト31を介
して換気装置27に供給し、ダクト34、切替ダンパ3
5、ダクト36を介して屋外排気口37より屋外へ排気
させる。
【0024】全熱交換装置11が運転中に浴室暖房乾燥
機25の換気装置27で換気を行う場合は、前述したよ
うに室内が負圧になるおそれがある。そこで、本実施の
形態においては、全熱交換装置11が運転中に浴室暖房
乾燥機25の換気装置27を作動させたとき、制御線3
9を介して排気ファン13の制御装置40を制御して排
気ファン13の回転を停止させる。この結果、全熱交換
装置11の排気が停止されて室内空気の排気は換気装置
27の排気のみになり、これが全熱交換装置11の吸気
とバランスして室内が負圧になることが防止される。
【0025】なお、換気装置27の排気量より全熱交換
装置11の吸気量の方が多くなった場合には、制御装置
40がそれを検知して排気ファン13を再び回転させる
ことにより両者のバランスをとることができる。
【0026】(実施の形態2)本実施の形態2において
は、実施の形態1における排気ファン13の回転停止の
代わりに、そのときの排気量にあわせて排気ファン13
の回転速度を制御する方法である。すなわち、全熱交換
装置11が運転中に浴室暖房乾燥機25の換気装置27
を作動させたとき、制御線39を介して排気ファン13
の制御装置40を制御して排気ファン13の回転速度を
換気装置27の排気量にあわせて小さくする。換気装置
27の排気量は換気装置の換気ファンの回転速度により
検知できるので、この回転速度を与える電気信号を制御
線39により制御装置40に供給し、換気装置27の排
気量に相当する排気量だけ全熱交換装置11の排気量を
低減するように排気ファン13の回転速度を小さくする
ように制御する。この結果、全熱交換装置11の排気量
と換気装置27の排気量の和が全熱交換装置11の吸気
量とバランスし、室内が負圧になることが防止される。
【0027】(実施の形態3)本実施の形態3において
は、実施の形態1および2における排気ファン13の回
転制御の代わりに、全熱交換装置11の吸気ファン12
の回転速度を制御する方法である。すなわち、全熱交換
装置11が運転中に浴室暖房乾燥機25の換気装置27
を作動させたとき、制御線39を介して吸気ファン12
の制御装置41を制御して吸気ファン12の回転速度を
換気装置27の排気量にあわせて大きくする。前述した
ように、換気装置27の排気量は換気装置の換気ファン
の回転速度により検知できるので、この回転速度を与え
る電気信号を制御線39により制御装置41に供給し、
換気装置27の排気量に相当する排気量だけ全熱交換装
置11の吸気量が増大するように吸気ファン12の回転
速度をおおきくするように制御する。この結果、全熱交
換装置11の排気量と換気装置27の排気量の和が全熱
交換装置11の吸気量とバランスし、室内が負圧になる
ことが防止される。
【0028】(実施の形態4)本実施の形態4において
は、実施の形態3における吸気ファン12の回転制御の
代わりに、全熱交換装置11の吸気分岐通路を解放する
方法である。すなわち、全熱交換装置11が運転中に浴
室暖房乾燥機25の換気装置27を作動させたとき、制
御線39を介して吸気分岐通路42の制御装置43を作
動させる。制御装置43は吸気分岐通路42を開閉する
電動シャッタと吸気ファン44の回転速度を制御する制
御回路を備えており、換気装置27を作動させたとき制
御信号を受けて電動シャッタが解放され、制御回路が吸
気ファン44を作動させる。この制御回路は換気装置2
7の排気量に対応する換気ファンの回転速度を与える電
気信号を吸気ファン44に供給し、換気装置27の排気
量に相当する量の空気量を吸気ファン44で吸気するよ
うに制御する。この結果、全熱交換装置11の排気量と
換気装置27の排気量の和が全熱交換装置11の吸気量
と吸気分岐通路42での吸気量の和とバランスし、室内
が負圧になることが防止される。
【0029】(実施の形態5)本実施の形態は、以上の
各運転方法において、換気装置27からダクト34、3
6を介して屋外排気口37より排気される空気に含まれ
る熱エネルギを熱回収するものである。すなわち、実施
の形態1から4のいずれかの方法で運転する際、換気装
置27から排気される空気を切替ダンパ35によりダク
ト38を介してダクト23に供給し、全熱交換装置11
の熱交換器14で熱回収した後排気ファン13によりダ
クト17を介して屋外排気口18から排気する。したが
って、換気装置27の廃熱は確実に回収される。この実
施の形態は浴室26、脱衣室29およびトイレ33を暖
房する機会の多い冬季において特に有効である。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明の運転方法によれ
ば、全熱交換装置の使用時に浴室暖房乾燥機を運転した
場合に、室内が負圧になることを防止することができ
る。また、浴室暖房乾燥機の換気装置から排気される空
気の熱を確実に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される全熱交換装置と浴室暖房乾
燥機とが設置されたときのダクト配管および動作制御系
の一例を示す平面図
【符号の説明】
11 全熱交換装置 12 吸気ファン 13 排気ファン 14 熱交換器 17 ダクト 18 屋外排気口 25 浴室暖房乾燥機 27 換気装置 42 吸気分岐通路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全熱交換装置および浴室暖房乾燥機が設
    置された系において、前記全熱交換装置が運転されてい
    るときに前記浴室暖房乾燥機の換気装置が作動したと
    き、前記全熱交換装置の排気ファンの作動を停止するこ
    とを特徴とする浴室暖房乾燥機および全熱交換装置の運
    転方法。
  2. 【請求項2】 全熱交換装置および浴室暖房乾燥機が設
    置された系において、前記全熱交換装置が運転されてい
    るときに前記浴室暖房乾燥機の換気装置が作動したと
    き、前記全熱交換装置の排気ファンによる排気量を前記
    換気装置の排気量相当分減少させることを特徴とする浴
    室暖房乾燥機および全熱交換装置の運転方法。
  3. 【請求項3】 全熱交換装置および浴室暖房乾燥機が設
    置された系において、前記全熱交換装置が運転されてい
    るときに前記浴室暖房乾燥機の換気装置が作動したと
    き、前記全熱交換装置の吸気ファンによる吸気量を前記
    換気装置の排気量相当分増大させることを特徴とする浴
    室暖房乾燥機および全熱交換装置の運転方法。
  4. 【請求項4】 全熱交換装置および浴室暖房乾燥機が設
    置された系において、前記全熱交換装置が運転されてい
    るときに前記浴室暖房乾燥機の換気装置が作動したと
    き、前記全熱交換装置の吸気分岐通路を解放して前記換
    気装置の排気量相当分外気の吸気量を増大させることを
    特徴とする浴室暖房乾燥機および全熱交換装置の運転方
    法。
  5. 【請求項5】 浴室暖房乾燥機の換気装置の排気を全熱
    交換装置の排気通路に供給し、熱交換した後屋外に排気
    させる請求項1〜4のいずれかに記載の運転方法。
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