JP2003161340A - 防振ゴムおよび防振装置 - Google Patents

防振ゴムおよび防振装置

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JP2003161340A
JP2003161340A JP2001359223A JP2001359223A JP2003161340A JP 2003161340 A JP2003161340 A JP 2003161340A JP 2001359223 A JP2001359223 A JP 2001359223A JP 2001359223 A JP2001359223 A JP 2001359223A JP 2003161340 A JP2003161340 A JP 2003161340A
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rubber
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Jun Sanpei
純 三瓶
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エンジンマウント等の防振装置におけるゴム
部材の振動特性を維持しつつ耐熱性を向上させることに
より、高熱環境下であっても長期間に亙って優れた性能
を発揮することが可能な防振ゴムを提供する。 【解決手段】 ビニル基間の距離が異なる少なくとも2
種類以上のポリシロキサンを主成分とし、充填材として
表面積が少なくとも250m/g以上の乾式シリカを
10〜35重量部と湿式シリカを5〜100重量部含有
し、1分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なくと
も2個含有するオルガノハイドロジエンポリシロキサン
を0.1〜10重量部添加したコンパウンドをパーオキ
サイド加硫したシリコンゴムよりなる防振ゴム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防振技術に係る防
振ゴムおよびこれを用いた防振装置に関するものであ
る。本発明の防振ゴムおよび防振装置は特に、耐熱環境
の厳しい部位に使用されるエンジンマウントやブッシュ
等として用いるのに適している。
【0002】
【従来の技術】エンジンの高出力化、燃焼効率の向上お
よび各種部品の増加等による省スペース化に伴ってエン
ジンマウント周辺では温度が上昇しており、これまでは
100℃環境で使用されていたのに対して、現在では1
20〜150℃雰囲気下での使用要求がある。またFF
車の増加に伴い、エンジンマウントはますます高温雰囲
気下で使用される傾向にある。
【0003】エンジンマウントは、7〜15Hzの振動
周波数領域での振動(エンジンシェイク)に対する減衰
力が大きく、また100Hz以上の振動周波数領域での
振動に対する動倍率(動バネ定数/静バネ定数)が小さ
いことが望まれ、かつ耐久性や耐へたり性等が良好であ
ることが必要とされている。これらの特性のうち、エン
ジンシェイクに対する減衰力はエンジンマウントの形状
要素(例えば液体封入式マウントの採用)により改善す
ることが可能であるが、その他の特性は使用するゴム材
料に負うところが大きい。そのため、エンジンマウント
に使用する成形ゴム材料としては、天然ゴム、ブタジエ
ンゴムまたはスチレン・ブタジエン共重合ゴム等が一般
に用いられている。
【0004】しかしながら、上記したようにエンジンマ
ウント(特にフロントおよびリヤ部分)の使用温度は上
昇してきており、従来のゴム材料では、熱負荷によるバ
ネ定数、強度、伸びの変化が大きく、かつこれらの物性
変化により耐久性の低下が著しいことから、高温環境下
で長期間に亙って機能を維持することは難しい。
【0005】これまで、エンジンマウントの耐熱性の向
上を目的として、ゴム材料の加硫系や老化防止剤等の最
適化による材料の耐熱性の向上や遮熱板構造等を取り入
れるなど形状要素の変更を実施してきたが、天然ゴム系
のゴム材料は基本的に使用環境温度が100℃であるた
め、十分な耐熱性の改良に至っていない。またEPDM
材を使用したエンジンマウントも考案されているが、耐
久性と動倍率の兼ね合いが取れていない状態である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みて、エンジンマウント等の防振装置におけるゴム部材
の振動特性を維持しつつ耐熱性を向上させることによ
り、高熱環境下であっても長期間に亙って優れた性能を
発揮することが可能な防振ゴムおよび防振装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1による防振ゴムは、ポリシロキサ
ンを主成分とし、充填材として乾式シリカ、湿式シリカ
およびオルガノハイドロジエンポリシロキサンを含有し
たシリコンゴムよりなることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の請求項2による防振ゴム
は、ビニル基間の距離が異なる少なくとも2種類以上の
ポリシロキサンを配合し、表面積が少なくとも250m
/g以上の乾式シリカを10〜35重量部と湿式シリ
カを5〜100重量部含有し、1分子中に珪素原子に結
合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイド
ロジエンポリシロキサンを0.1〜10重量部含有した
シリコンゴムよりなることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の請求項3による防振ゴム
は、ビニル基間の距離が異なる少なくとも2種類以上の
ポリシロキサンを主成分とし、充填材として表面積が少
なくとも250m/g以上の乾式シリカを10〜35
重量部と湿式シリカを5〜100重量部含有し、1分子
中に珪素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有
するオルガノハイドロジエンポリシロキサンを0.1〜
10重量部添加したコンパウンドをパーオキサイド加硫
したシリコンゴムよりなることを特徴とするものであ
る。
【0010】また、本発明の請求項4による防振ゴム
は、ビニル基間の距離が異なる2種類以上のポリシロキ
サンとして末端ビニル型ポリシロキサン、側鎖ビニル型
ポリシロキサン、およびビニル基含量の高いシロキサン
オイルの3成分を主成分とし、オルガノハイドロジエン
ポリシロキサンを10重量部以下、表面積が250m
/g以上の乾式シリカを35重量部以下、および適量の
湿式シリカを含有するコンパウンドをパーオキサイド加
硫したシリコンゴム加硫物よりなることを特徴とするも
のである。
【0011】また、本発明の請求項5による防振装置
は、自動車におけるエンジンおよびボディ間等の防振部
位に用いられる防振装置であって、ポリシロキサンを主
成分とし、充填材として乾式シリカ、湿式シリカおよび
オルガノハイドロジエンポリシロキサンを含有したシリ
コンゴムよりなる弾性体を有することを特徴とするもの
である。
【0012】また、本発明の請求項6による防振装置
は、自動車におけるエンジンおよびボディ間等の防振部
位に用いられる防振装置であって、ビニル基間の距離が
異なる少なくとも2種類以上のポリシロキサンを配合
し、表面積が少なくとも250m /g以上の乾式シリ
カを10〜35重量部と湿式シリカを5〜100重量部
含有し、1分子中に珪素原子に結合した水素原子を少な
くとも2個有するオルガノハイドロジエンポリシロキサ
ンを0.1〜10重量部含有したシリコンゴムよりなる
弾性体を有することを特徴とするものである。
【0013】また、本発明の請求項7による防振装置
は、自動車におけるエンジンおよびボディ間等の防振部
位に用いられる防振装置であって、ビニル基間の距離が
異なる少なくとも2種類以上のポリシロキサンを主成分
とし、充填材として表面積が少なくとも250m/g
以上の乾式シリカを10〜35重量部と湿式シリカを5
〜100重量部含有し、1分子中に珪素原子に結合した
水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジエ
ンポリシロキサンを0.1〜10重量部添加したコンパ
ウンドをパーオキサイド加硫したシリコンゴムよりなる
粘弾性体を有することを特徴とするものである。
【0014】更にまた、本発明の請求項8による防振装
置は、自動車におけるエンジンおよびボディ間等の防振
部位に用いられる防振装置であって、ビニル基間の距離
が異なる2種類以上のポリシロキサンとして末端ビニル
型ポリシロキサン、側鎖ビニル型ポリシロキサン、およ
びビニル基含量の高いシロキサンオイルの3成分を主成
分とし、オルガノハイドロジエンポリシロキサンを10
重量部以下、表面積が250m/g以上の乾式シリカ
を35重量部以下、および適量の湿式シリカを含有する
コンパウンドをパーオキサイド加硫したシリコンゴム加
硫物よりなる粘弾性体を有することを特徴とするもので
ある。
【0015】エンジンマウント等の防振装置に用いるゴ
ム材に要求される特性を大別すると振動特性と耐久性の
2点が挙げられる。このうち振動特性は、動倍率(動的
バネ定数(100Hz)と静的バネ定数との比率)とバ
ネ定数の温度依存性とがNRと同等であることが要求さ
れる。これに対して、耐久性に影響を及ぼす因子は明確
でなく、実際の使用環境やマウントの形状または特性等
により異なるが、少なくとも各自動車メーカーが規定す
る耐久性のスペックを満足する必要がある。
【0016】
【表1】
【0017】振動特性は、基本的にポリマーの構造に起
因するものが多く、動倍率はできる限り充填率を下げる
ことが配合処方としては必要である。またバネの温度依
存性(特に定温性)に関しては、ほとんどポリマーの分
子構造に起因するため、配合処方で改良できる要素は少
ない。
【0018】図1および図2に、一般的に耐熱材料とし
て使用されているポリマーの使用環境温度とバネ定数の
温度依存性とを示すが、これらのデータからして、耐熱
材料とされる材料の中で、シリコンゴムは高い耐熱性を
もち、かつNRと同等以上の温度依存性を有することが
分かる。逆にいえば耐熱エンジンマウント用として使用
可能なゴム材料は、シリコンもしくは低温性を大幅に改
良したEPDMのみである。
【0019】しかしながら、シリコンゴムは一般に常態
物性、特に引き裂き強度が弱く、NR並みの耐久性を出
すことは難しいと考えられており、これまでエンジンマ
ウント等の防振装置への適用は全く提案されていない。
【0020】そこで、本発明は、シリコンゴムの配合検
討から、エンジンマウント等の防振装置に要求される特
性と耐久性とを満たすシリコンゴムの配合を見出したこ
とから、上記各請求項に記載した内容の防振ゴムまたは
防振装置を提案する。防振ゴムは例えば、エンジンに接
合する取付部材と、自動車のボディに接合する取付部材
との間に弾性体(粘弾性体)部品として介装されて防振
装置としてのエンジンマウントをなすものであって、こ
のエンジンマウントの好適例としては、ビニル基間の距
離が異なる少なくとも2種類以上のポリシロキサンを主
成分とし、充填材として表面積が少なくとも250m
/g以上の乾式シリカを10〜35重量部(30wt%
以下)と湿式シリカを5〜100重量部含有し、1分子
中に珪素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有
するオルガノハイドロジエンポリシロキサンを0.1〜
10重量部添加したコンパウンドをパーオキサイド加硫
したシリコンゴムを粘弾性体に用いるものが挙げられ
る。
【0021】そして、本発明によれば、上記シリコンゴ
ムの加硫成形品を用いることにより使用初期においては
従来のゴム部材を用いたエンジンマウント等の防振装置
と変わらぬ製品特性(防振特性)を有し、かつ100〜
150℃の環境下で熱老化した後も、従来のゴム部材で
あるNR/BR材を使用しかつ120℃の環境下で熱老
化したエンジンマウントと比較して、製品機能の主とな
る7〜15Hzの減衰力と100Hz以上の動倍率およ
び常態物性の変化とを大幅に改善することができる。ま
た、熱による経時的な製品機能の悪化ばかりでなく、ヒ
ートショック的な熱負荷環境での耐久性も著しく向上す
る。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施例としては、
自動車のエンジンに接合する取付部材と、自動車のボデ
ィに接合する取付部材との間に介装される弾性体(粘弾
性体)部品として、次のようにして得られるパーオキサ
イド加硫のシリコンゴムよりなる弾性体を挙げることが
でき、またこのシリコンゴムよりなる弾性体を用いたエ
ンジンマウントを挙げることができる。
【0023】すなわち上記シリコンゴムは、ビニル基間
の距離が異なる2種類以上のポリシロキサンとして末端
ビニル型ポリシロキサン、側鎖ビニル型ポリシロキサ
ン、ビニル基含量の高いシロキサンオイルの3成分を主
成分とし、耐久性向上に寄与のあるオルガノハイドロジ
エンポリシロキサンを10重量部以下、表面積が250
/g以上の乾式シリカを35重量部以下、適量の湿
式シリカを含有するコンパウンドをパーオキサイド加硫
したシリコンゴム加硫物であり、具体的には上記成分の
うち湿式シリカのみ配合されていないコンパウンドであ
るDY32−336U(東レ・ダウコーニング株式会社
製)を利用し、これと汎用シリコンであるSH831
U、SH841U(東レ・ダウコーニング株式会社製)
等とをブレンドし、硬度調整として湿式シリカを適量添
加し、RC−4(2.5−ジメチル2.5−ジターシャ
リーブチルパーオキシ)ヘキサン(東レ・ダウコーニン
グ株式会社製)を1.0重量部配合し、加硫成形したシ
リコンゴムを弾性体部品としてエンジンマウントに使用
する。
【0024】下記する表2は、上記実施例によるエンジ
ンマウントの効果を確認すべく、エンジンマウントに用
いられるシリコンゴムの物性試験を、汎用のシリコンゴ
ムおよび耐熱性の良好なEPDMゴムと、従来のNR/
BRゴムとの比較において行なった結果を示している。
【0025】これらの各物性試験における試験条件は、
以下のとおりとした。
【0026】試料の作成方法・・・比較例1および2の
NR/BRブレンド材およびEPDM材に関しては、ニ
ーダーと12インチオープンロールとを用いて混練し、
2mmシートは、NR/BR材は170℃6分、EPD
M材は180℃10分加硫して作成した。比較例3〜5
および実施例1に関しては、ロールを用いてフルコンパ
ウンドに架橋剤を添加し、2mmシートは180℃10
分加硫して作成した。
【0027】試験条件・・・ ゴム硬度および初期物性はJIS−K6251、J
IS−K6253に基づいて実施した。 動倍率(動バネ100Hz/静バネ1Hz)、静バ
ネ定数、動バネ定数およびバネ定数の温度依存性はUB
M社製粘弾性スペクトロメーターを使用し、6×6×6
mmのTPを圧縮方向に以下の条件で測定した。 静バネ定数;初期歪:0.6mm、周波数:1Hz、振
幅:0.2mm 動バネ定数;初期歪:0.6mm、周波数:100H
z、振幅:0.003mm 老化試験はJIS−K6257に則って行ない、上記と
同様の方法でバネ定数を測定した。 耐久性は、図1に示すTP形状を用い、鷺宮製作所
製耐久試験機を用い、各温度で測定した。 静バネの低下率は、直径25mm、高さ12.5m
mの円柱形状のサンプルを作成し、上記耐久試験機で初
期歪3mm、±1.5mm加振し、10回後の静的バネ
定数の変化率を測定した。
【0028】
【表2】
【0029】上記試験により以下の結果を得た。
【0030】従来材料であるNR/BR材は、初期の振
動特性[tanδ、動倍率]は良好であるが、現在要求
されている120℃環境下での老化試験後の常態値、振
動特性変化率が大きく、高い耐熱環境下で長期間に亙っ
て製品機能を満足することは困難である。
【0031】一方、一般的に耐熱材料とされているゴム
材料を各種検討した結果、アクリルゴム、エチレンアク
リルゴムおよびH−NBRなど分子間の相互作用の高い
ゴムは動倍率が大きく、バネ定数の温度依存性も大きい
ために、製品機能を満足しない。その原因としては、こ
れらのポリマーの構造に起因するものと推定する。これ
らのポリマーの主鎖骨格はC−C一重結合から構成され
ており、分子回転が容易な骨格であるものの、側鎖にカ
ルボキシル基やニトリル基等の嵩高い骨格を有してお
り、その立体障害により分子回転、分子運動が大きく抑
制されたことにより減衰は大きくなるものの、バネ定数
が増加し、動倍率が悪化したものと考えられる。
【0032】また、EPDM材は、先に示したような分
子回転、分子運動を抑制するような構造を有していない
ため、振動特性[動倍率]は良好である。また150℃
環境下でも優れた耐熱性を有しており、熱老化後の防振
特性の変化率も小さい。しかしながら、EPDMポリマ
ーはエチレンとプロピレンを主な構成要素としているた
め、二重結合は非常に少なく、ポリマー分子間の相互作
用が著しく低いゴム材料であり、かつ低動倍率化のため
にカーボンの配合を抑える必要性からポリマー・カーボ
ン間の相互作用も少ない。そのためエンジンマウントの
ような歪量の大きい製品の場合、歪に対する応力が直接
ポリマーにかかることからポリマーの劣化が進み、耐久
性がスペックを満たさない。
【0033】これらに対して、シリコンゴムは、主鎖が
シリルエーテル結合からなるため、分子運動性は良好で
ある。またメチル基やビニル基のようなある程度嵩高い
側鎖をもっているものの珪素原子自体が大きいことか
ら、側鎖の回転立体障害が生じないため、動倍率は優れ
た値を示す。また主鎖構造に二重結合を含まず、かつ側
鎖ビニル基も架橋剤によりほぼ定量的に反応するため熱
老化性も良好であることから、150℃という環境でも
物性の変化はほとんど認められない。
【0034】しかしながら、一般的にシリコンゴムは引
き裂き強度や動的耐久性が低く、定伸長疲労試験等の結
果から耐疲労性が良好とされるシリコンゴム(架橋点間
距離が一定でありオルガノハイドロジエンポリシロキサ
ンが配合されていないもの)を使用した場合、NR材と
比して耐久性が著しく低い(比較例3)。
【0035】上記3成分のポリシロキサンを併用するこ
とにより、架橋点密度が偏在化し、引き裂き強度が向上
する。またオルガノハイドロジエンポリシロキサンと乾
式シリカの配合により耐疲労性は向上し、NRと同等以
上の耐久性をもたせることは可能であるが、市販されて
いるDY32−336Uをそのまま使用した場合、架橋
密度を向上させる高ビニル含量のシリコンオイルの配合
比率が多く高歪の加振により架橋点間距離の短い部分の
切断が生じ、バネ定数が低下してしまう。また高強度化
のために相互作用の大きな表面積の大きい乾式シリカを
40重量部程度使用しているため、加振に伴いシリカ同
士もしくはポリマーとシリカの間の二次的な結合が切断
し、同様にバネ定数の低下が生じる(比較例4)。また
乾式シリカの充填量を低下させると相互作用が低下する
ため、物性、耐久性が悪化する(比較例5)。
【0036】またポリマー構造、比率をそのままにして
シリカを相互作用の少ない湿式シリカに変えた場合、バ
ネ定数の変化は抑えられるが、ポリマーとシリカの間の
相互作用がないため、ポリマーが劣化し易く、耐久性が
悪化する(比較例6)。
【0037】これらに対して、3成分系のDY32−3
36Uに対して、末端ビニル型で乾式シリカの充填量が
低いSH831Uを1対2の比率でブレンドした系で
は、何れの特性も良好である(実施例1)。
【0038】但し、エンジンマウントとして要求される
硬度はHs40〜60°であり、実施例1より高硬度化
が必要である。先の比較例2より乾式シリカによる高硬
度化はバネ定数の低下を招くため、湿式シリカにより硬
度を上げた結果、バネ定数の低下も抑えられ、かつ耐久
性も満足することが判明した(実施例2)。
【0039】したがって、以上、エンジンマウントの粘
弾性体にシリコンゴムを使用することにより、従来材料
を用いたエンジンマウントと比較して初期で同等の製品
機能を有し、かつ高温環境下で長期的に安定した製品機
能および耐久性を維持できることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種耐熱材の使用環境温度を示す説明図
【図2】バネ定数の温度依存性を示す説明図
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月4日(2001.12.
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/08 F16F 15/08 W //(C08L 83/04 C08L 83:05 83:05)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリシロキサンを主成分とし、充填材と
    して乾式シリカ、湿式シリカおよびオルガノハイドロジ
    エンポリシロキサンを含有したシリコンゴムよりなるこ
    とを特徴とする防振ゴム。
  2. 【請求項2】 ビニル基間の距離が異なる少なくとも2
    種類以上のポリシロキサンを配合し、表面積が少なくと
    も250m/g以上の乾式シリカを10〜35重量部
    と湿式シリカを5〜100重量部含有し、1分子中に珪
    素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオル
    ガノハイドロジエンポリシロキサンを0.1〜10重量
    部含有したシリコンゴムよりなることを特徴とする防振
    ゴム。
  3. 【請求項3】 ビニル基間の距離が異なる少なくとも2
    種類以上のポリシロキサンを主成分とし、充填材として
    表面積が少なくとも250m/g以上の乾式シリカを
    10〜35重量部と湿式シリカを5〜100重量部含有
    し、1分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なくと
    も2個含有するオルガノハイドロジエンポリシロキサン
    を0.1〜10重量部添加したコンパウンドをパーオキ
    サイド加硫したシリコンゴムよりなることを特徴とする
    防振ゴム。
  4. 【請求項4】 ビニル基間の距離が異なる2種類以上の
    ポリシロキサンとして末端ビニル型ポリシロキサン、側
    鎖ビニル型ポリシロキサン、およびビニル基含量の高い
    シロキサンオイルの3成分を主成分とし、オルガノハイ
    ドロジエンポリシロキサンを10重量部以下、表面積が
    250m/g以上の乾式シリカを35重量部以下、お
    よび適量の湿式シリカを含有するコンパウンドをパーオ
    キサイド加硫したシリコンゴム加硫物よりなることを特
    徴とする防振ゴム。
  5. 【請求項5】 自動車におけるエンジンおよびボディ間
    等の防振部位に用いられる防振装置であって、 ポリシロキサンを主成分とし、充填材として乾式シリ
    カ、湿式シリカおよびオルガノハイドロジエンポリシロ
    キサンを含有したシリコンゴムよりなる弾性体を有する
    ことを特徴とする防振装置。
  6. 【請求項6】 自動車におけるエンジンおよびボディ間
    等の防振部位に用いられる防振装置であって、 ビニル基間の距離が異なる少なくとも2種類以上のポリ
    シロキサンを配合し、表面積が少なくとも250m
    g以上の乾式シリカを10〜35重量部と湿式シリカを
    5〜100重量部含有し、1分子中に珪素原子に結合し
    た水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジ
    エンポリシロキサンを0.1〜10重量部含有したシリ
    コンゴムよりなる弾性体を有することを特徴とする防振
    装置。
  7. 【請求項7】 自動車におけるエンジンおよびボディ間
    等の防振部位に用いられる防振装置であって、 ビニル基間の距離が異なる少なくとも2種類以上のポリ
    シロキサンを主成分とし、充填材として表面積が少なく
    とも250m/g以上の乾式シリカを10〜35重量
    部と湿式シリカを5〜100重量部含有し、1分子中に
    珪素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有する
    オルガノハイドロジエンポリシロキサンを0.1〜10
    重量部添加したコンパウンドをパーオキサイド加硫した
    シリコンゴムよりなる粘弾性体を有することを特徴とす
    る防振装置。
  8. 【請求項8】 自動車におけるエンジンおよびボディ間
    等の防振部位に用いられる防振装置であって、 ビニル基間の距離が異なる2種類以上のポリシロキサン
    として末端ビニル型ポリシロキサン、側鎖ビニル型ポリ
    シロキサン、およびビニル基含量の高いシロキサンオイ
    ルの3成分を主成分とし、オルガノハイドロジエンポリ
    シロキサンを10重量部以下、表面積が250m/g
    以上の乾式シリカを35重量部以下、および適量の湿式
    シリカを含有するコンパウンドをパーオキサイド加硫し
    たシリコンゴム加硫物よりなる粘弾性体を有することを
    特徴とする防振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014114375A (ja) * 2012-12-10 2014-06-26 Wacker Asahikasei Silicone Co Ltd 高温下で耐伸長疲労性に優れるミラブルシリコーンゴム組成物
JP2016056226A (ja) * 2014-09-05 2016-04-21 信越化学工業株式会社 シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴム硬化物の引裂き強度を向上させる方法
JP2021102992A (ja) * 2019-12-25 2021-07-15 株式会社クボタ 防振装置およびこれを備えた産業用機械

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