JP3652030B2 - 防振ゴム用組成物及び防振ゴム - Google Patents
防振ゴム用組成物及び防振ゴム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防振ゴム用組成物及び防振ゴム、特に、耐熱性、耐久性及び静的弾性に優れ、しかも低動倍率(動倍率=動的弾性率/静的弾性率)を示す、自動車のエンジンマウント等に好適に用いられる防振ゴムを得るための防振ゴム用組成物及び防振ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、エンジンの高性能、高出力化や排気ガス規制等によるエンジンル−ムや排気系の高温化に伴い、防振ゴムの耐熱性の向上が要求されている。この要求に応えるための方策として、ジエン系ゴム等においては、ゴム組成物中の硫黄量を低減し加硫促進剤量を多く用いて加硫すること(いわゆるEV加硫)による耐熱性改良法が知られている。
【0003】
しかし、このような手法は下記欠点を有するため、エンジンマウント等の防振ゴムとしての使用には問題があった。
▲1▼低硫黄化によりゴムの静的弾性率が低下してしまうため、防振ゴムの支持体としての機能が不足する。
▲2▼ポリスルフィド結合の減少(モノ、ジスルフィド結合の増加)により、ゴムの耐疲労性が悪化し、防振ゴムの寿命の低下を招く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、低硫黄のジエン系ゴムの静的弾性率及び耐疲労性の改善と共に動倍率の低下を図り、耐熱性、耐久性、静的弾性率及び低動倍率特性のいずれにも優れた防振ゴムを得るための防振ゴム用組成物と防振ゴムを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、鋭意研究した結果、本発明を完成させた。すなわち、本発明のうち請求項1記載の発明は、ジエン系ゴムの一種又は二種以上の組み合わせから成る原料ゴムに補強材としてのカ−ボンブラック、加硫剤としての硫黄、加硫促進剤を配合したゴム組成物において、原料ゴム100重量部に対し、硫黄の0.1〜1重量部と、少なくとも下記一般式(1)で示される加硫促進剤の1〜10重量部と、カ−ボンブラックの次式で示される範囲の配合量Y(重量部)とを配合したことを特徴とする防振ゴム用組成物である。
一般式(1);
【化2】
但し、Rはt−ブチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基を表わす。
Y≦90−0.3X
但し、Xはカ−ボンブラック粉末の窒素吸着比表面積(m 2 /g)を表わす。
【0006】
ここで、ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム等が例示される。これらのジエン系ゴムは原料ゴムとして一種類用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。補強材としては通常はカ−ボンブラックが使用される。加硫剤としての硫黄の配合量は、原料ゴム100重量部に対し、0.1〜1重量部であり、好ましくは0.2〜0.8重量部が最適である。この範囲より低配合量では所定の加硫強度が得がたく、上限を越えると加硫ゴムに耐熱性の大幅な向上を期待しがたいからである。
【0007】
また、この発明においては、上記一般式1で示される加硫促進剤を原料ゴム100重量部に対し1〜10重量部配合することが必要であり、好ましくは2〜8重量部が最適である。この範囲より低配合量では防振ゴムに所定の耐久性、静的弾性率及び低動倍率特性が得がたく、また上限を越えるとスコ−チタイムが短くなり加硫工程上支障が生じるばかりでなく防振ゴムの耐久性が悪くなり、かつ加硫剤がブル−ムし防振ゴムの外観不良をもたらすからである。
なお、加硫促進剤としては、上記一般式(1)で示される加硫促進剤に加えて、ゴム加硫に通常用いられるスルフェンアミド系、チウラム系等の他の加硫促進剤を併用してもよい。
【0008】
かかるジエン系ゴム組成物には、更に必要に応じて従来からゴム配合剤として知られている、加硫助剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、粘着付与剤などを適宜配合して用いるとよい。
このように形成することにより、低硫黄化により耐熱性が向上すると共に、一般式(1)により示される加硫促進剤の作用により、耐久性、静的弾性率及び低動倍率特性に優れた防振ゴム用の組成物が得られる。
【0009】
また、本発明のうち請求項1記載の発明は、補強材をカ−ボンブラックとし、その配合量Y(重量部)を次式で示される範囲の配合量としたことを特徴とする防振ゴム用組成物である。
Y≦90−0.3X
但し、Xはカ−ボンブラック粉末の窒素吸着比表面積(m2 /g)を表わす。
防振ゴムの動倍率を低く抑える観点からすれば、補強材のカ−ボンブラックをかかる範囲内で使用することが好ましい。
【0010】
また、本発明のうち請求項2記載の発明は、請求項1記載の防振ゴム用組成物を用いて形成したことを特徴とする防振ゴムである。ここで、形成とは、前記防振ゴム用組成物を混練・加硫等して防振ゴム製品を得ることを意味する。このように形成された防振ゴムは、低硫黄化により十分な耐熱性が得られるばかりでなく、一般式(1)により示される加硫促進剤の作用により、静的弾性率(Es)が2MPa以上で動倍率が2以下を示し、かつ低硫黄化による耐久性の低下もほとんどないものである。
【0011】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明にかかる防振ゴム用組成物のより好ましい形態は、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム等のジエン系ゴムのうちの一種類又は二種類以上の組合わせからなる原料ゴム100重量部に対し、加硫促進剤としてN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾルスルフェンイミド(以下、TBSIという)の2〜8重量部と加硫剤として硫黄の0.2〜0.6重量部とを配合すると共に、カ−ボンブラック等の補強材、加硫助剤、加工助剤、老化防止剤、軟化剤等の通常ゴム組成物に使用される配合剤を配合して製造する。この場合の加硫促進剤は、TBSIに付加して他の加硫促進剤であるスルフェンアミド系やチウラム系の加硫促進剤の1又は2種以上を併用してもよい。
本発明にかかる防振ゴムは、上記のようにして製造された防振ゴム用組成物を、練り工程、加硫工程等従来と同様の工程を施して製造される。
【0012】
【実施例】
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとする。但し、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
天然ゴム100重量部に対し、第1表記載の配合剤を第1表記載の配合量(重量部)配合するのと、酸化亜鉛の5重量部と、ステアリン酸の1重量部と、ワックスの2重量部と、老化防止剤(大内新興化学株式会社製のノクラック 6C)の1重量部とを配合して防振ゴム用組成物を製造した後、これをバンバリ−MIXにて2回練りを行い、レオメ−タ−より求めた加硫曲線より最適加硫時間を求め、150℃にて最適時間モ−ルド加硫して、12種類の防振ゴム材料を得た。各ゴム材料から各試験片を調整し、下記項目の試験を行った。結果を第1表に示す。
【0013】
静的弾性率(Es);低伸張応力をJIS K 6301に基づいて測定し(試験片は5mm短冊を用いた)、次式により求めた。
Es=1.639×σ25(σ25は、25%伸張時の伸張応力)
動的弾性率(Ed);株式会社レオロジ−製のDVE−V4レオスペクトラ−により、試験片として5mm短冊を用い、周波数が100Hz、動歪が0.5%の条件で測定した。
耐疲労性;ASTM−D430−59に基づき、硫黄量の多い比較例1を基準(100)として相対比較した。
耐熱性;JIS K 6301に基づき、熱老化前の引張試験における引張破断強度に対する、100℃で100時間熱老化後の引張試験における引張破断強度の保持率(%)を求めた。
【0014】
なお、本実施例で使用した加硫促進剤は次の通りである。
TBSIはフレキシス株式会社製サントキュア−TBSIを、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(以下、CZという)は大内新興化学株式会社製のノクセラ−CZを、テトラメチルチウラムモノスルフィドは大内新興化学株式会社製ノクセラ−TSを使用した。
また、カ−ボンブラックFEF(窒素吸着比表面積Xは42である)は東海カ−ボン株式会社製シ−スSOを、カ−ボンブラックHAF(窒素吸着比表面積Xは79である)は東海カ−ボン株式会社製シ−スト3を使用し、芳香族系Oil(以下、ArOilという)はジャパンエナジ−社製X−140を使用した。
【0015】
【表1】
【0016】
表1は次のことを示している。
比較例1は、加硫剤である硫黄量が多いため耐熱性が悪くなっている。
比較例2は、硫黄量は請求項1記載の配合量の範囲であるが、本発明に係る加硫促進剤TBSIではなく別種の加硫促進剤CZが配合されているため耐疲労性が悪くなっている。
比較例3は、Esを大きくするため前記CZ量を増やしたが、耐疲労性がさらに悪化している。
比較例4は、本発明に係る加硫促進剤TBSIは請求項1記載の配合量範囲となっているが、硫黄量が多いため耐熱性が改良されない。
比較例5は、本発明に係る加硫促進剤TBSIは請求項1記載の配合量範囲外となっているため、耐疲労性が低下している。
比較例6、7は、カ−ボンブラック配合量が請求項2記載の配合量の範囲外となっており、動倍率が大きくなっている。
これに対し、本発明に係る防振ゴム(実施例1〜5)は、耐熱性に優れる一方、静的弾性率Esが2MPa以上であり動倍率が2以下であるばかりか、耐久性も低硫黄化によりほとんど低下することなく良好であり、エンジンマウント等の防振ゴムとして優れた特性を示す。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の防振ゴムは、耐熱性、耐久性、静的弾性率及び低動倍率特性のいずれにも優れており、エンジンマウント等の自動車用防振ゴムとして好適に使用できる。
Claims (2)
- ジエン系ゴムの一種又は二種以上の組み合わせから成る原料ゴムに補強材としてのカ−ボンブラック、加硫剤としての硫黄、加硫促進剤を配合したゴム組成物において、原料ゴム100重量部に対し、硫黄の0.1〜1重量部と、少なくとも下記一般式(1)で示される加硫促進剤の1〜10重量部と、カ−ボンブラックの次式で示される範囲の配合量Y(重量部)とを配合したことを特徴とする防振ゴム用組成物。
一般式(1);
Y≦90−0.3X
但し、Xはカ−ボンブラック粉末の窒素吸着比表面積(m 2 /g)を表わす。 - 請求項1記載の防振ゴム用組成物を用いて形成したことを特徴とする防振ゴム。
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