JP3639938B2 - 防振ゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防振ゴム組成物に関する。特には、自動車用エンジンマウント等、自動車用防振ゴムの組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や車両の振動を吸収し騒音を防止するため、エンジンマウント等のマウント材、ブッシュ材、ダンパー材などには防振ゴムが用いられる。
【0003】
防振ゴムを組成する高分子材料としては、防振性能と繰り返し変形に対する抵抗性とを備えたものである天然ゴム系高分子材料が一般に用いられる。すなわち、天然ゴム単独、または、天然ゴムを主体とした他のゴムとのゴムブレンドに対して適当な充填材、油剤等が配合され成形される。ゴムブレンドとしては、例えば天然ゴムとブタジエンゴムとを80/20の重量比で配合したもの等が用いられている。
【0004】
自動車用防振ゴムにおいては熱劣化に対する耐久性が要求されるため、上記天然ゴム系高分子材料に適当な熱安定剤が添加される。熱安定剤の代表的なものとしては、N−フェニル−N'−イソプロピル−パラフェニレンジアミン(3C)及び、2−,2−,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(RD)が挙げられる。比較的特殊な熱安定剤としては、特開昭53−36548、特開昭57−115436及び特開平3−39337に開示のものが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のゴム組成物から得られる防振ゴムは、100℃数百時間といった促進熱劣化条件の後には、強度、靱性、疲労に対する抵抗性、及び、振動吸収性能が著しく低下する。
【0006】
したがって、自動車用防振ゴムのように、長期に亘って過酷な条件で使用されるものについては、防振性能の信頼性が必ずしも十分でなかった。特に、近年、乗り心地の改善と騒音の低減に対する要求が高まるにともない防振ゴムに対する性能要求も厳しさを増しているが、従来の防振ゴム組成物ではこの要求に十分答えることが出来なかった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、防振性能とその耐熱安定性とに優れた防振ゴム組成物を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の防振ゴム組成物においては、天然ゴムを50重量%以上含むゴム成分100重量部に対して、下記(1)〜(3)の特徴を備えた安定剤0.5〜7重量部を配合してなることを特徴とする。
【0009】
(1)下記一般式(I)で表される化合物(A)と下記一般式(II)で表される化合物(B)とよりなり、
(2)前記両化合物の重量比(B)/(A)が0.8〜4であり、
(3)前記安定剤全体(A)+(B)におけるパラ異性体の含有率が85重量%以上である。
【0010】
【化2】
Figure 0003639938
上記構成により防振性能及びその耐熱安定性に優れた防振ゴムを与える。
【0011】
請求項2の防振ゴム組成物においては、請求項1記載の防振ゴム組成物において、前記ゴム成分は、前記天然ゴム、及び、ポリブタジエンゴムもしくはスチレン−ブタジエン共重合体ゴムからなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる高分子成分(ゴム成分)は、天然ゴムを50〜100重量%、好ましくは、70〜100重量%含む。天然ゴムが少なくとも50重量%含まれているため、繰り返し変形に対する抵抗性及び防振性を備える。本明細書における天然ゴムの用語には合成天然ゴムも含まれるものとする。
【0013】
天然ゴム(NR)と合成ゴムとをブレンドする場合には、合成ゴムとして、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)その他が用いられる。これら合成ゴムが50重量%以下の重量比で天然ゴムとブレンドされた場合には、天然ゴム100%のゴムがもつ防振ゴムとしての性能を基本的に損なわず、用途によってはより優れた性能を付与することができる。合成ゴムの重量比が55重量%を越えた場合には、ブレンドされたゴムの靱性及び耐疲労性が低下する。合成ゴムの重量比が55重量%を越えると、天然ゴムが連続相を形成し得ないためと思われる。
【0014】
高分子成分に添加する熱安定剤は、下記一般式(I)で表される化合物(A)と下記一般式(II)で表される化合物(B)とよりなる。化合物(A)と化合物(B)とは、高分子成分100重量部に対して、両化合物からなる熱安定剤(A)+(B)の添加量が0.5〜7重量部、両化合物の重量比(B)/(A)が0.8〜4となるように配合される。また、この熱安定剤全体(A)+(B)におけるパラ異性体の含有率が85重量%以上となるように配合される。
【0015】
【化3】
Figure 0003639938
本明細書において熱劣化及び熱安定剤の用語は、それぞれ熱によって促進される酸化劣化及びそれに対する安定剤を含むものとする。
【0016】
熱安定剤(A)+(B)の添加量が0.5重量部未満であると熱安定性が不十分であり、7重量部を越えると、ゴム成形体の表面に配合剤が析出するブルーム(ブルーミング、blooming)が観察される。添加量が2重量部を越えてもそれ以上の熱安定性の向上は僅かであり、さらに添加量が5重量を越えるとそれ以上の熱安定性の向上は全く見られない。ブルームは、5重量部以下であると全く観察されないが、10重量部程度であるとやや多数のものが明瞭に観察される。
【0017】
化学式(I)の化合物(A)に対する化学式(II)の化合物(B)の重量比(B)/(A)が0.5未満であるかまたは4を越える場合には、促進熱劣化後の強度、伸び(引っ張り試験の場合)、耐疲労性及び振動吸収性能の低下が大きくなる。両化合物(A)+(B)におけるパラ異性体の含有率が全体の85重量%未満である場合にも同様である。
【0018】
天然ゴム系防振ゴムの性能は、防振ゴムの形状及び取付構造が一定の場合、ゴムの強度、靱性、耐疲労性によって決定される。これらは、JIS K 6301にしたがって、引っ張り試験における強度及び伸び率、耐屈曲試験(デマチヤ試験)における耐疲労性測定、及び、圧縮永久歪み(CS)の測定により評価される。
【0019】
(試験方法)
表面温度50℃に調整されたミキシングロールにゴム材料(ゴム高分子成分)を巻き付け、所定の組成の熱安定剤を添加し、このゴム材料100重量部に対してFEF級カーボンブラック(CB)30重量部、プロセスオイル5重量部、酸化亜鉛(ZnO)5重量部及びステアリン酸1重量部を逐次添加した。混練終了後、ロールでシート状にし、熱プレスにて160℃20分加硫を行った。このシートより引っ張り及び疲労試験用の試片を採取した。また、同様に圧縮永久歪み測定用の試片を作成した。各試験法は、ブルーム評価を除き、JIS K 6301に準拠した。
【0020】
<促進劣化>
試験片を200℃に調整した恒温乾燥機中500時間放置した。
【0021】
<疲労試験>
モンサント社製疲労試験機を用いて、140%の伸長を繰り返し、破断までの繰り返し伸長の回数を測定した。この回数をデマチヤ数とした。
【0022】
<ブルーム>
未加硫のゴムをロールにてシートに成形し、40℃の恒温槽中に2週間放置した。この後肉眼観察によりシート表面への配合剤の析出の状態を判定し、全く又はほとんど観察されない場合に良好と判断した。
【0023】
(実施例1〜9)
化合物(A)及び(B)としてそれぞれ下記(IV)及び(V)の化学式のものを用いた。
【0024】
【化4】
Figure 0003639938
ゴム高分子成分及び熱安定剤の組成と、各組成について得られた試験結果とを表1にまとめて示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003639938
実施例1〜5は、ゴム高分子成分として、天然ゴム(NR)100重量%からなるものを用いたものである。ゴム高分子成分100重量部に対する熱安定剤の添加量を2〜5重量部、両化合物の重量比(B)/(A)を1〜3、熱安定剤中のパラ異性体含有率を90〜100重量%とした。実施例1〜5のいずれにおいても良好な結果が得られた。促進劣化前における引っ張り強度、伸び率及びデマチヤ数は、それぞれ、27Mpa以上、600%以上及び16万回以上であり、促進劣化後の、強度、伸び及びデマチヤ数の減少は、それぞれ、42%以下、39%以下及び53%以下であり、促進劣化後における圧縮永久歪みは51〜52%であった。実施例2において特に良好な結果が得られた。
【0026】
実施例6〜9は、ゴム高分子成分中に、ブタジエンゴム(BR)またはスチレン・ブタジエンゴムを30重量%または50重量%含むものを用い、熱安定剤組成は実施例1と同様としたものである。ブタジエンゴムまたはスチレン・ブタジエンゴムの含有率が30重量%である場合(実施例6及び8)は、天然ゴム100重量%のもの(実施例1)とほぼ同様の結果となったが、ブタジエンゴム(またはスチレン・ブタジエンゴムの含有率が50重量%である場合(実施例7及び9)には、熱劣化の程度がやや大きかった。また、ブタジエンゴム(またはスチレン・ブタジエンゴムの含有量が増えるにつれて、常態試験における引っ張り強度および伸び率が低下した。
【0027】
(比較例1〜3)
従来の技術による防振ゴム組成物について、比較例1〜3として表2にまとめて示す。安定剤として、N−フェニル−N'−イソプロピル−パラフェニレンジアミン(3C)を用いた。比較例1〜3は、ゴム高分子成分がそれぞれ天然ゴム100重量%、ブタジエンゴム50重量%およびスチレン・ブタジエンゴム50重量%のものである。
【0028】
【表2】
Figure 0003639938
常態試験による測定値は、いずれも対応するゴム高分子成分組成のものと同様であるが、促進劣化後における、強度、伸び率及びデマチヤ数の減少率はそれぞれ65%以上、57%以上及び69%以上、圧縮永久歪みは66%以上となった。これらの値を上記実施例と比較すると、強度、伸び率及びデマチヤ数の減少率において、それぞれ13%以上、18%以上及び16%以上の差があり、圧縮永久歪みにおいて14%以上の差がある。すなわち、これら従来例(比較例1〜3)と比較した場合に、本発明の実施例による熱安定性の改善は極めて顕著である。
【0029】
(比較例4〜10)
熱安定剤(A)及び(B)の配合組成を種々変化させた比較例(比較例1〜8)及びゴム高分子成分中の天然ゴム含有率を30重量%とした比較例(比較例9〜10)について、表3にまとめて示す。
【0030】
【表3】
Figure 0003639938
ゴム高分子成分100重量部に対する熱安定剤(A)+(B)の添加量が0.2重量部であると、熱劣化後の物性値低下がやや大きく(比較例4)、添加量が10重量部であると熱劣化の程度は実施例1〜5と同様に少なかったが、安定剤が成形体表面に析出するブルームが観察された(比較例5)。
【0031】
比較例4と比較例1とを対比した場合に、本発明の組成物にかかる熱安定剤は0.2重量部のみの添加で、従来の熱安定剤(3C)の2重量部添加よりも安定剤としての効果が大きいことが知られる。要求される熱安定性がそれほど大きくない場合には、比較例4のような組成を用いることができる。
【0032】
熱安定剤を構成する両化合物の重量比(B)/(A)が0.5及び5である場合(比較例6及び7)や、熱安定剤(A)+(B)中のパラ異性体含有率が80重量%である場合には、促進劣化後の物性値低下が比較例4の場合よりも大きかった。すなわち、熱安定剤における両化合物の重量比(B)/(A)及びパラ異性体含有率の特定範囲からの逸脱が、安定剤添加量が過小である場合よりも影響が大きい。熱安定剤(A)及び(B)が既知のものであったとしても、このように特定の配合組成でのみ効果を発揮する場合にそれを見いだすのは極めて困難と思われる。
【0033】
一方、ゴム高分子成分中における天然ゴム含有率が30重量%である場合には、常態試験結果、特にはデマチヤ数が小さく、熱劣化による物性値低下もやや大きかった(比較例9〜10)。
【0034】
【発明の効果】
天然ゴム系の自動車用防振ゴム組成物において、2種の特殊な熱安定剤を特定の配合組成で用いることにより、劣化に対する抵抗性が大幅に向上される。

Claims (2)

  1. 天然ゴムを50重量%以上含むゴム成分100重量部に対して、下記(1)〜(3)の特徴を備えた安定剤0.5〜7重量部を配合してなる防振ゴム組成物。
    (1)下記一般式(I)で表される化合物(A)と下記一般式(II)で表される化合物(B)とよりなり、
    (2)前記両化合物の重量比(B)/(A)が0.8〜4であり、
    (3)前記安定剤全体(A)+(B)におけるパラ異性体の含有率が85重量%以上である。
    Figure 0003639938
  2. 請求項1記載の防振ゴム組成物において、
    前記ゴム成分は、前記天然ゴム、及び、ブタジエンゴムもしくはスチレン・ブタジエンゴムからなることを特徴とする防振ゴム組成物。
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