JP2003160514A - ハロゲン化有機化合物分解装置 - Google Patents

ハロゲン化有機化合物分解装置

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JP2003160514A
JP2003160514A JP2001358807A JP2001358807A JP2003160514A JP 2003160514 A JP2003160514 A JP 2003160514A JP 2001358807 A JP2001358807 A JP 2001358807A JP 2001358807 A JP2001358807 A JP 2001358807A JP 2003160514 A JP2003160514 A JP 2003160514A
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organic compound
halogenated organic
decomposing
recovery tank
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JP2001358807A
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English (en)
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Toshiaki Nishio
敏昭 西尾
Masahiro Saito
正洋 斉藤
Terumasa Harada
照正 原田
Takashi Yamamoto
崇 山元
Hiroki Yamaguchi
啓樹 山口
Yuichi Doi
祐一 土井
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応器の底部の腐食劣化を低コストで抑制す
ることができるハロゲン化有機化合物分解装置を提供す
る。 【解決手段】 供給管19から供給された処理液123
中のPCBを高温高圧環境下で分解する一次反応器12
2を備えたハロゲン化有機化合物分解装置120におい
て、一次反応器122の底部に並列に連結された複数の
濾過器15a,15bと、濾過器15a,15bに受入
口側を連結されたポンプ18と、先端側を一次反応器1
22の内部に配設され、基端側をポンプ18の送出口側
に連結された噴射ノズル14と、一次反応器122と濾
過器15a,15bとの間および濾過器15a,15b
とポンプ18との間にそれぞれ設けられた開閉バルブ1
6a,16b,17a,17bとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビフェニ
ル類やダイオキシン類等の塩素化有機化合物等のような
ハロゲン化有機化合物を分解して無害化処理するハロゲ
ン化有機化合物分解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビフェニル(Polychlorinated
biphenyl:PCB−ビフェニルの塩素化異性体の総称)
は、強い毒性を有することから、その製造および輸入が
禁止されている。PCBは、1954年頃から国内で製
造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体
や環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指
導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出され
た経緯がある。
【0003】PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜1
0個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって
理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販の製
品において約100種類以上の異性体が確認されてい
る。また、PCBは、異性体間の物理的性質や化学的性
質、生体内安定性や環境動体等が多様であるため、化学
分析や環境汚染の様式が複雑化しているのが現状であ
る。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつで
あって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率
が高いばかりか、半揮発性で大気経由の移動が可能であ
るという性質を持ち、また、水や生物など環境中に広く
残留することが判明している。このため、PCBは、体
内で極めて安定しやすく、体内に蓄積されて慢性中毒
(皮膚障害、肝臓障害等)を引き起してしまうだけでな
く、発癌性、生殖・発生毒性が認められている。
【0004】このようなPCBは、従来からトランスや
コンデンサなどの絶縁油として広く使用されてきた経緯
がある。このため、PCBを使用したトランスやコンデ
ンサなどの絶縁油を高温高圧環境下で水熱分解させるハ
ロゲン化有機化合物分解装置により、当該PCBを二酸
化炭素や水や塩化ナトリウム等にまで分解して無害化処
理するようにしている(例えば特開平11−25379
6号公報、特開2000−126588号公報他参
照)。
【0005】
【課題を解決するための手段】ところが、前述したよう
なハロゲン化有機化合物分解装置を長期にわたって高温
高圧状態で連続運転していると、当該装置の反応器の底
部に、系外から入り込んだ銅やアルミニウム等の金属物
(酸化金属物を含む)等が次第に堆積し、PCBの分解
に伴って生成する塩化ナトリウム等の塩化物等との相互
作用により、当該底部に局所的な異常腐食が生じやす
く、漏れ等を引き起こす虞がある。このため、前述した
ようなハロゲン化有機化合物分解装置の反応器等におい
ては、チタン等のような高耐食性の材料を使用しなけれ
ばならず、製造コストが非常に高くなってしまってい
た。
【0006】このようなことから、本発明は、低コスト
で腐食劣化を抑制することができるハロゲン化有機化合
物分解装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ための、第一番目の発明によるハロゲン化有機化合物分
解装置は、供給管から供給された処理液中のハロゲン化
有機化合物を高温高圧環境下で分解する反応器を備えた
ハロゲン化有機化合物分解装置において、前記反応器の
底部に連結された濾過器と、前記濾過器に受入口側を連
結されたポンプと、先端側を前記反応器の内部に配設さ
れ、基端側を前記ポンプの送出口側に連結された噴射ノ
ズルとを備えたことを特徴とする。
【0008】第二番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第一番目の発明において、前記濾過器が
前記反応器に対して並列に複数連結され、前記反応器と
前記濾過器との間および当該濾過器と前記ポンプとの間
に開閉バルブがそれぞれ設けられていることを特徴とす
る。
【0009】第三番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、供給管から供給された処理液中のハロゲ
ン化有機化合物を高温高圧環境下で分解する反応器を備
えたハロゲン化有機化合物分解装置において、前記反応
器の底部に連結された回収槽と、前記回収槽の内部に水
を供給する給水手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】第四番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第三番目の発明において、前記回収槽が
排出手段を備えると共に前記反応器に対して並列に複数
連結され、前記反応器と前記回収槽との間および前記排
出手段に開閉バルブがそれぞれ設けられていることを特
徴とする。
【0011】第五番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第三番目の発明において、前記回収槽が
前記反応器に対して下方へ向かって直列に複数連結さ
れ、最下段の前記回収槽に排出手段を設けると共に、連
結する前記回収槽の間および前記排出手段に開閉バルブ
が設けられていることを特徴とする。
【0012】第六番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第三番目から第五番目の発明のいずれか
において、一端側が前記回収槽と前記反応器との間に連
結され、他端側が前記反応器に連結されたバイパス管を
設けたことを特徴とする。
【0013】第七番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第三番目から第六番目の発明のいずれか
において、前記供給管が、前記処理液を前記反応器の内
面に沿って螺旋状に上昇させながら供給できるように当
該反応器に連結されていることを特徴とする。
【0014】第八番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、供給管から供給された処理液中のハロゲ
ン化有機化合物を高温高圧環境下で分解する反応器を備
えたハロゲン化有機化合物分解装置において、前記反応
器の底部の内面が耐食性を有するコーティング材で覆わ
れていることを特徴とする。
【0015】第九番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第八番目の発明において、前記コーティ
ング材が、耐食性を有する溶接材料で前記反応器に溶接
止めされた耐食性を有するタイル材であることを特徴と
する。
【0016】第十番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第八番目の発明において、前記コーティ
ング材が、前記反応器の内面に肉盛溶接された耐食性を
有する溶接材料であることを特徴とする。
【0017】第十一番目の発明によるハロゲン化有機化
合物分解装置は、第八番目の発明において、前記コーテ
ィング材が、前記反応器の内面に溶射されて加熱により
封孔処理された自溶性合金であることを特徴とする。
【0018】第十二番目の発明によるハロゲン化有機化
合物分解装置は、第八番目の発明において、前記コーテ
ィング材が、前記反応器の内面にスラリを塗布されて加
熱により焼結および封孔処理された自溶性合金であるこ
とを特徴とする。
【0019】第十三番目の発明によるハロゲン化有機化
合物分解装置は、第一番目から第十二番目の発明のいず
れかにおいて、前記ハロゲン化有機化合物が、ポリ塩化
ビフェニル類、ダイオキシン類等の塩素化有機化合物で
あることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置の実施の形態を以下に説明するが、本発明は
下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0021】[第一番目の実施の形態]本発明によるハ
ロゲン化有機化合物分解装置の第一番目の実施の形態を
図1〜3を用いて説明する。図1は、分解装置の概略構
成図、図2は、反応器の底部部分の抽出拡大図、図3
は、PCB無害化処理設備の全体概略構成図である。
【0022】図1に示すように、ハロゲン化有機化合物
分解装置である水熱分解装置120は、筒形状の一次反
応器122と、PCB、H2OおよびNaOHの処理液
123を加圧する加圧ポンプ124と、当該処理液12
3を予熱する予熱器125と、配管を巻いた構成の二次
反応器126と、冷却器127および減圧弁128とを
備えてなるものである。また、減圧弁127の下流に
は、気液分離器129、活性炭槽130が配置されてお
り、排ガス(CO2 )131は煙突(排ガス流路)13
2から外部へ排出され、排水(H2 O,NaCl)13
3は別途、必要に応じて排水処理される。また、処理液
123となるPCBの配管134には、H 2OおよびN
aOHがそれぞれ導入される。また、酸素を供給する図
示しない配管は、一次反応器125に対して直結されて
いる。
【0023】このような水熱分解装置120において、
加圧ポンプ124による加圧により一次反応器122内
は、26MPaまで昇圧される。また、予熱器125
は、PCB、H2OおよびNaOHの混合処理液123
を300℃程度に予熱する。また、一次反応器122内
には酸素が噴出しており、内部の反応熱により380℃
〜400℃まで昇温する。この段階までに、PCBは、
脱塩素反応および酸化分解反応を起こし、NaCl、C
2およびH2Oに分解されている。つぎに、冷却器12
7は、二次反応器126からの流体を100℃程度に冷
却すると共に後段の減圧弁128にて大気圧まで減圧す
る。そして、気液分離器129によりCO 2および水蒸
気と処理水とが分離され、CO2および水蒸気は、活性
炭槽130を通過して煙突132から大気中に排出され
る。
【0024】このようにして水熱分解装置120を用い
ることにより、PCB含有容器(例えばトランスやコン
デンサ)等を完全無害化処理することができる。
【0025】また、図2に示すように、一次反応器12
2の底部には、抜き出し管11の上端が連結している。
抜き出し管11の下端には、分岐管12a,12の一端
側がそれぞれ連結している。これら分岐管12a,12
bの他端側は、戻し管13の一端側にそれぞれ連結して
いる。戻し管13の他端側には、噴射ノズル14の基端
側が連結している。上記噴射ノズル14は、上記一次反
応器122の底側の内面に沿って先端を底側へ向けるよ
うにして当該反応器122に取り付けられている。
【0026】前記分岐管12a,12bの途中には、濾
過器15a,15bがそれぞれ設けられている。上記分
岐管12a,12bの一端側と上記濾過器15a,15
bとの間には、開閉バルブ16a,16bがそれぞれ設
けられている。上記分岐管12a,12bの他端側と上
記濾過器15a,15bとの間には、開閉バルブ17
a,17bがそれぞれ設けられている。前記戻し管13
には、ポンプ18が設けられている。なお、図1,2
中、19は処理液123の供給管である。
【0027】つまり、本実施の形態における一次反応器
122は、当該反応器122の底部に並列に連結された
複数の濾過器15a,15bと、濾過器15a,15b
に受入口側を連結されたポンプ18と、先端側を一次反
応器122の内部に配設され、基端側をポンプ18の送
出口側に連結された噴射ノズル14と、一次反応器12
2と濾過器15a,15bとの間および濾過器15a,
15bとポンプ18との間にそれぞれ設けられた開閉バ
ルブ16a,16b,17a,17bとを備えているの
である。
【0028】このような一次反応器122を備えた水熱
分解装置120においては、一方の分岐管12aの開閉
バルブ16a,17aを開放し、ポンプ18を作動する
と、一次反応器122の内部の処理液123が底部から
抜き出し管11および分岐管12aを介して濾過器15
a内を流通し、戻し管13を介して噴射ノズル14の先
端から反応器122の内部の底側の内面に沿って底側へ
向けて噴射される。
【0029】このため、一次反応器122内に銅やアル
ミニウム等の金属物(酸化金属物を含む)等が系外から
入り込んだりしても、上記金属物等が濾過器15aで捕
集されるので、長期にわたって連続運転していても、当
該金属物等が上記反応器122の底部に堆積するような
ことはなく、PCBの分解に伴って生成する塩化ナトリ
ウム等の塩化物等と上記金属物との相互作用による局所
的な異常腐食が上記底部に生じることを抑制することが
できる。
【0030】したがって、本実施の形態の水熱分解装置
120によれば、一次反応器122等にチタン等のよう
な高耐食性の材料を使用しなくてもステンレス鋼(例え
ばSUS316等)等のような一般的な材料で済むよう
になるので、低コストで腐食劣化を抑制することができ
る。
【0031】また、一方の濾過器15aが上記金属物等
を捕集するにしたがって、当該濾過器15aによる濾過
能力が低下したら、一方の分岐管12aの開閉バルブ1
6a,17aを閉じ、他方の分岐管12bの開閉バルブ
16b,17bを開けて、一次反応器122の内部の処
理液123を他方の分岐管12bを介して濾過器15b
内を流通させ、一方の濾過器15aから他方の濾過器1
5bに切り換えることにより、一方の濾過器15aの再
生作業を行いながら一次反応器122の底部の前記金属
物等の除去を行うことができる。
【0032】このようにして他方の濾過器15bによる
濾過能力が低下したら、他方の分岐管12bの開閉バル
ブ16b,17bを閉じ、一方の分岐管12aの開閉バ
ルブ16a,17aを開けて、一次反応器122の内部
の処理液123を一方の分岐管12aを介して濾過器1
5a内を流通させ、他方の濾過器15bから一方の濾過
器15aに切り換えることにより、他方の濾過器15b
の再生作業を行いながら一次反応器122の底部の前記
金属物等の除去を行うことができる。
【0033】以下、このような切り換え作業を繰り返す
ことにより、一次反応器122の底部の前記金属物等の
除去を運転停止することなく行うことができる。
【0034】このような水熱分解装置120を例えばP
CB無害化処理設備に適用した場合について次に説明す
る。
【0035】図3に示すように、PCB無害化処理シス
テムは、有害物質であるPCBが付着又は含有又は保存
されている被処理物を無害化する有害物質処理システム
であって、被処理物1001である有害物質( 例えばPC
B)1002 を保存する容器1003から有害物質1002を分離す
る分離手段1004と、被処理物1001を構成する構成材1001
a,b,…を解体する解体手段1005のいずれか一方又は
両方を有する前処理手段1006と、前処理手段1006におい
て処理された被処理物を構成する構成材であるコア1001
aをコイル1001bと鉄心1001cとに分離するコア分離手
段1007と、分離されたコイル1001bを銅線1001dと紙・
木1001eとに分離するコイル分離手段1008と、上記コア
分離手段1008で分離された鉄心1001cと解体手段1005で
分離された金属製の容器 (容器本体及び蓋等)1003 とコ
イル分離手段1008で分離された銅線1001dとを洗浄液10
10で洗浄する洗浄手段1011と、洗浄後の洗浄廃液1012及
び前処理手段で分離した有害物質1002のいずれか一方又
は両方を分解処理する水熱分解装置である有害物質分解
処理手段1013とを、具備してなるものである。
【0036】ここで、上記有害物質としては、PCBの
他、例えば、ダイオキシン類、塩化ビニルシート、有害
廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品、廃棄樹脂、未処理爆薬
等を挙げることができるが、環境汚染に起因する塩素化
有機化合物等のようなハロゲン化有機化合物であればこ
れらに限定されるものではない。
【0037】また、上記被処理物としては、例えば、絶
縁油としてPCBを用いているトランスやコンデンサ、
有害物質である塗料等を保存している保存容器を挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【0038】また、蛍光灯用の安定器においても従来は
PCBが用いられていたので無害化処理する必要があ
り、この場合には、容量が小さいので前処理することな
く、分離手段1009に直接投入することで無害化処理する
ことができる。
【0039】また、上記有害物質が液体等の場合には、
有害物質分解処理手段1013に直接投入することで無害化
処理がなされ、その保管した容器は構成材の無害化処理
により、処理することができる。なお、有害物質処理手
段1013の構成は、図1に示した水熱分解装置120の構
成と同様であるので、その説明は省略する。
【0040】また、本発明によるハロゲン化有機化合物
分解装置としては、上記水熱分解装置120を始めとし
て、塩化ビニル樹脂等を分解して油分を生成させる廃プ
ラスチックス油化装置や、ダイオキシン類等で汚染され
た土壌を無害化させる汚染汚泥無害化処理装置等が挙げ
られる。
【0041】[第二番目の実施の形態]本発明によるハ
ロゲン化有機化合物分解装置の第二番目の実施の形態を
図4を用いて説明する。図4は、反応器の底部部分の抽
出拡大図である。ただし、前述した第一番目の実施の形
態の場合と同様な部分については、前述した第一番目の
実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を用いるこ
とにより、重複する説明を省略する。
【0042】図4に示すように、抜き出し管11の下端
には、分岐管22a,22bの一端がそれぞれ連結して
いる。分岐管22a,22bの他端は、回収槽25a,
25bの上端にそれぞれ連結している。分岐管22a,
22bの途中には、開閉バルブ26a,26bがそれぞ
れ設けられている。上記回収槽25a,25bの下部に
は、開閉バルブ27a,27bを有する排出管23a,
23bがそれぞれ連結している。上記回収槽25a,2
5bの側面上方には、開閉バルブ28a,28bを備え
た給水管24a,24bの先端側がそれぞれ連結してい
る。上記給水管24a,24bの基端は、図示しない給
水器に連結している。
【0043】つまり、本実施の形態における一次反応器
122は、一次反応器122の底部に並列に複数連結さ
れると共に、排出手段である排出管23a,23b、開
閉バルブ27a,27b等を備える回収槽25a,25
bと、回収槽25a,25bの内部に水100を供給す
る給水手段である給水管24a,24b、開閉バルブ2
8a,28b、前記給水器等と、一次反応器122と回
収槽25a,25bとの間に設けられた開閉バルブ26
a,26bとを備えたのである。
【0044】このような一次反応器122を備えた水熱
分解装置120においては、一方の給水管24aの開閉
バルブ28aを開放し、一方の回収槽25a内を水10
0で満たしながら、一方の分岐管22aの開閉バルブ2
6aを開放し、当該回収槽25a内から分岐管22aお
よび抜き出し管11を介して上記水100を一次反応器
122内にわずかずつ流入させるように前記給水器から
給水すると、系外から一次反応器122内に入り込んだ
銅やアルミニウム等の金属物(酸化金属物を含む)等が
自重により抜き出し管11および分岐管22aを介して
回収槽25a内に沈降して堆積回収されるので、一次反
応器122の底部が局所的に異常腐食を生じてしまうこ
とはない。
【0045】また、回収槽25a内が塩化物等の存在し
ない水100の環境下であるので、回収堆積した上記金
属物等により当該回収槽25aの底部が異常腐食を生じ
てしまうことはない。
【0046】このため、長期にわたって連続運転してい
ても、PCBの分解に伴って生成する塩化ナトリウム等
の塩化物等と上記金属物との相互作用による局所的な異
常腐食が上記反応器122および回収槽25aの底部に
生じることを抑制することができる。
【0047】したがって、本実施の形態の水熱分解装置
120によれば、前述した第一番目の実施の形態の場合
と同様に、一次反応器122等にチタン等のような高耐
食性の材料を使用しなくてもステンレス鋼(例えばSU
S316等)等のような一般的な材料で済むようになる
ので、低コストで腐食劣化を抑制することができる。
【0048】また、一方の回収槽25a内に堆積する上
記金属物等が所定量以上になったら、一方の分岐管22
aの開閉バルブ26aを閉じた後、上述と同様に、他方
の給水管24bの開閉バルブ28bを開放し、他方の回
収槽25b内を水100で満たしながら、他方の分岐管
22bの開閉バルブ26bを開放し、当該回収槽25b
内から分岐管22bおよび抜き出し管11を介して上記
水100を一次反応器122内にわずかずつ流入させる
ように前記給水器から給水し、上記金属物等を自重によ
り抜き出し管11および分岐管22bを介して回収槽2
5b内に沈降させて堆積回収すると共に、一方の排出管
23aの開閉バルブ27aを開放し、一方の回収槽25
a内に堆積した上記金属物等を系外へ排出する。
【0049】このようにして他方の回収槽25b内の上
記金属物等が所定量以上になったら、他方の分岐管22
bの開閉バルブ26bを閉じた後、上述と同様に、一方
の給水管24aの開閉バルブ28aを開放し、一方の回
収槽25a内を水100で満たしながら、一方の分岐管
22aの開閉バルブ26aを開放し、当該回収槽25a
内から分岐管22aおよび抜き出し管11を介して上記
水100を一次反応器122内にわずかずつ流入させる
ように前記給水器から給水し、上記金属物等を自重によ
り抜き出し管11および分岐管22aを介して回収槽2
5a内に沈降させて堆積回収すると共に、他方の排出管
23bの開閉バルブ27bを開放し、他方の回収槽25
b内に堆積した上記金属物等を水100と共に系外へ排
出する。
【0050】以下、上述した作業を繰り返すことによ
り、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様に、一
次反応器122の底部の前記金属物等の除去を運転停止
することなく行うことができる。
【0051】[第三番目の実施の形態]本発明によるハ
ロゲン化有機化合物分解装置の第三番目の実施の形態を
図5を用いて説明する。図5は、反応器の底部部分の抽
出拡大図である。ただし、前述した第一,二番目の実施
の形態の場合と同様な部分については、前述した第一,
二番目の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を
用いることにより、重複する説明を省略する。
【0052】図5に示すように、抜き出し管11の下端
は、補助回収槽35aの上部に連結している。補助回収
槽35aの下部は、開閉バルブ27aを有する排出管2
3aを介して主回収槽35bの上部に連結している。主
回収槽35bの下部には、開閉バルブ27bを有する排
出管23bが連結している。補助回収槽35aの側面上
方には、開閉バルブ28aを有する給水管24aが連結
している。主回収槽35bの側面上方には、開閉バルブ
28bを有する給水管24bが連結している。
【0053】つまり、前述した第二番目の実施の形態に
おいては、一次反応器122の底部に回収槽25a,2
5bを並列に複数連結すると共に、一次反応器122と
回収槽25a,25bとの間に開閉バルブ26a,26
bを設けたが、本実施の形態においては、補助回収槽3
5aおよび主回収槽35bを一次反応器122に対して
下方へ向かって直列に複数連結し、最下段の主回収槽3
5bに排出手段である排出管23b、開閉バルブ27b
等を設けると共に、連結する前記回収槽35a,35b
の間に開閉バルブ27aを設けたのである。
【0054】このような一次反応器122を備えた水熱
分解装置120においては、排出管23aの開閉バルブ
27aを開放すると共に、排出管23bの開閉バルブ2
7bを閉鎖し、給水管24aの開閉バルブ28aを開放
し、上記回収槽35a,35b内を水100で満たしな
がら補助回収槽35a内から抜き出し管11を介して上
記水100を一次反応器122内にわずかずつ流入させ
るように前記給水器から給水すると、系外から一次反応
器122内に入り込んだ前記金属物等が自重により抜き
出し管11から補助回収槽35aおよび排出管23aを
介して主回収槽35b内に沈降して堆積回収されるの
で、一次反応器122の底部が局所的に異常腐食を生じ
てしまうことはない。
【0055】また、前記回収槽35b内が塩化物等の存
在しない水100の環境下であるので、回収堆積した上
記金属物等により当該回収槽35bの底部が異常腐食を
生じてしまうことはない。
【0056】このようにして上記金属物等が主回収槽3
5b内で所定量以上堆積したら、排出管23aの開閉バ
ルブ27aを閉じた後、排出管23bの開閉バルブ27
bを開放し、主回収槽35b内に堆積した上記金属物等
を水100と共に系外へ排出する。このとき、系外から
一次反応器122内に入り込んだ前記金属物等は、補助
回収槽35a内に堆積回収される。
【0057】主回収槽35b内の金属物等を系外へ排出
したら、排出管23bの開閉バルブ27bを閉じ、給水
管24bの開閉バルブ28bを開放して主回収槽35b
内を水100で満たした後、排出管23aの開閉バルブ
27aを開放すると共に、給水管24bの開閉バルブ2
8bを閉じると、系外から一次反応器122内に入り込
んだ上記金属物等および補助回収槽35a内に堆積して
いる上記金属物等が排出管23aを介して主回収槽35
b内に沈降堆積して回収される。
【0058】以下、上述した作業を繰り返すことによ
り、一次反応器122の底部の前記金属物等の除去を運
転停止することなく行うことができる。
【0059】すなわち、前述した第二番目の実施の形態
では、一次反応器122に対して並列に連結した回収槽
25a,25bを交互に切り換えることにより、一次反
応器122の底部の前記金属物等の除去を運転停止する
ことなく行うことができるようにしたが、本実施の形態
では、一次反応器122に対して直列に連結した前記回
収槽35a,35bで前記金属物等を順次送出すること
により、一次反応器122の底部の前記金属物等の除去
を運転停止することなく行うことができるようにしたの
である。
【0060】したがって、本実施の形態の水熱分解装置
120によれば、前述した第二番目の実施の形態の場合
と同様に、一次反応器122等にチタン等のような高耐
食性の材料を使用しなくてもステンレス鋼(例えばSU
S316等)等のような一般的な材料で済むようになる
ので、低コストで腐食劣化を抑制することができる。
【0061】[第四番目の実施の形態]本発明によるハ
ロゲン化有機化合物分解装置の第四番目の実施の形態を
図6を用いて説明する。図6は、反応器の底部部分の抽
出拡大図である。ただし、前述した第一〜三番目の実施
の形態の場合と同様な部分については、前述した第一〜
三番目の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を
用いることにより、重複する説明を省略する。
【0062】図6に示すように、抜き出し管11の途中
には、バイパス管43の一端側(下端側)が連結してい
る。バイパス管43の他端側(上端側)は、一次反応器
122の側面の底部寄りに連結している。
【0063】つまり、本実施の形態は、前述した第二番
目の実施の形態において、一端側が回収槽25a,25
bと一次反応器122との間に連結され、他端側が一次
反応器122に連結されたバイパス管43を設けるよう
にしたのである。
【0064】このような一次反応器122を備えた水熱
分解装置120においては、当該一次反応器122の内
部での処理反応に伴う処理液123の対流により、一次
反応器122の底部から抜き出し管11の内部へ向かう
ように処理液123が流通すると共に、当該処理液12
3および抜き出し管11の下方からの水100がバイパ
ス管43の下端から上端を通じて一次反応器122内に
供給されるように流通するので、系外から一次反応器1
22内に入り込んだ前記金属物等が一次反応器122の
底部に堆積することなく抜き出し管11内に引き込まれ
て回収槽25a,25b内に回収されるようになる。
【0065】すなわち、前述した第二,三番目の実施の
形態では、一次反応器122内と前記回収槽25a,2
5b,35a,35bとの連通箇所が抜き出し管11の
みであるため、一次反応器122内での処理液123の
対流による一次反応器122から前記回収槽25a,2
5b,35a,35bへ向かう流れが生じにくく、一次
反応器122から抜き出し管11内へ前記金属物等を自
重のみにより送り込むようにしたが、本実施の形態で
は、一次反応器122内と前記回収槽25a,25b,
35a,35bとの連通箇所を抜き出し管11およびバ
イパス管43の二箇所とすることにより、一次反応器1
22内での処理液123の対流による一次反応器122
から前記回収槽25a,25b,35a,35bへ向か
う流れを生じさせて、前記金属物等を一次反応器122
から抜き出し管11内へ自重だけでなく処理液123の
流れによっても送り込むようにしたのである。
【0066】したがって、本実施の形態の水熱分解装置
120によれば、前述した第二,三番目の実施の形態の
場合よりも、前記金属物等の回収をさらに確実に行うこ
とができる。
【0067】[第五番目の実施の形態]本発明によるハ
ロゲン化有機化合物分解装置の第五番目の実施の形態を
図7を用いて説明する。図7は、反応器の底部部分の抽
出拡大図である。ただし、前述した第一〜四番目の実施
の形態の場合と同様な部分については、前述した第一〜
四番目の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を
用いることにより、重複する説明を省略する。
【0068】図7に示すように、一次反応器122の底
部部分には、処理液123を供給する供給管59が当該
処理液123を当該反応器122の内壁面に沿って螺旋
状に上昇させながら当該反応器122の内部へ供給でき
るように当該反応器122に連結されている。
【0069】つまり、本実施の形態は、前述した第四番
目の実施の形態において、処理液123を一次反応器1
22の内面に沿って螺旋状に上昇させながら供給できる
ように当該反応器122に供給管59を連結するように
したのである。
【0070】このような一次反応器122を備えた水熱
分解装置120においては、供給管59から一次反応器
122の内部に処理液123を供給すると、当該処理液
123が一次反応器122の内壁面に沿って螺旋状に上
昇するため、当該一次反応器122内の処理液123
に、当該反応器122内での処理に伴う対流と併せて、
当該反応器122の中心部で上方から下方へ向かう流れ
がさらに加わるので、一次反応器122の底部から抜き
出し管11の内部へ向かう処理液123の流れおよびバ
イパス管43の下端から上端を通じて一次反応器122
内に供給される処理液123と水100との流れがさら
にスムーズになる。
【0071】すなわち、前述した第四番目の実施の形態
では、一次反応器122内での処理に伴う対流だけで一
次反応器122の底部から抜き出し管11の内部へ向か
う処理液123の流れ等を形成するようにしたが、本実
施の形態では、一次反応器122内での処理に伴う対流
および一次反応器122の内壁面に沿った処理液123
の螺旋状の上昇流に伴う下降流により、一次反応器12
2の底部から抜き出し管11の内部へ向かう処理液12
3の流れ等を形成するようにしたのである。
【0072】したがって、本実施の形態の水熱分解装置
120によれば、前述した第二〜四番目の実施の形態の
場合よりも、前記金属物等の回収をさらにスムーズに行
うことができる。
【0073】[第六番目の実施の形態]本発明によるハ
ロゲン化有機化合物分解装置の第六番目の実施の形態を
図8を用いて説明する。図8は、反応器の底部部分の抽
出拡大図である。ただし、前述した第一〜五番目の実施
の形態の場合と同様な部分については、前述した第一〜
五番目の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を
用いることにより、重複する説明を省略する。
【0074】図8に示すように、一次反応器122の底
部の内面は、ニッケル基合金鋼(例えば、Inconel625,I
nconel600 等)等のような耐食性を有するコーティング
材69で覆われており、当該コーティング材69は、耐
食性を有する溶接材料69b(例えば、Inconel625,Inc
onel600 等のようなニッケル基合金鋼)で一次反応器1
22の底部の内面に溶接止めされた耐食性を有するタイ
ル材69aからなっている。
【0075】このような一次反応器122を備えた水熱
分解装置120においては、長期にわたって高温高圧状
態で連続運転して、前記金属物等が系外から入り込んだ
りすることにより、当該反応器122の底部部分に、上
記金属物等が堆積したとしても、当該部分がコーティン
グ材69で保護されているので、当該部分が腐食劣化し
てしまうことはない。
【0076】したがって、本実施の形態によれば、前述
した第一〜五番目の実施の形態の場合と同様に、上記反
応器122等にステンレス鋼(例えばSUS316等)
等のような一般的な材料を使用することができ、チタン
等のような高耐食性の材料を使用しなくても済むように
なるので、低コストで腐食劣化を抑制することができ
る。
【0077】[他の実施の形態]なお、前述した第四,
五番目の実施の形態では、回収槽25a,25bを一次
反応器122に並列に連結した第二番目の実施の形態に
対して、バイパス管43や供給管59等を設けた場合に
ついて説明したが、例えば、回収槽35a,35bを一
次反応器122に直列に連結した第三番目の実施の形態
に対して、前述した第四,五番目の実施の形態の場合と
同様にしてバイパス管43や供給管59等を設けること
も可能である。
【0078】また、前述した第六番目の実施の形態で
は、耐食性を有する溶接材料69bで一次反応器122
の底部の内面に溶接止めされた耐食性を有するタイル材
69aによりコーティング材69を構成するようにした
が、他の実施の形態として、例えば、一次反応器122
の底部の内面を覆うように肉盛溶接した耐食性を有する
溶接材料や、一次反応器122の底部の内面に溶射され
て加熱により封孔処理された自溶性合金鋼(ニッケル基
合金鋼にホウ素等を添加して融点を下げたもの)や、上
記粉体のスラリを一次反応器122の底部の内面にスラ
リを塗布されて加熱により焼結および封孔処理された自
溶性合金鋼などにより、コーティング材を構成すること
も可能である。
【0079】
【発明の効果】第一番目の発明によるハロゲン化有機化
合物分解装置は、供給管から供給された処理液中のハロ
ゲン化有機化合物を高温高圧環境下で分解する反応器を
備えたハロゲン化有機化合物分解装置において、前記反
応器の底部に連結された濾過器と、前記濾過器に受入口
側を連結されたポンプと、先端側を前記反応器の内部に
配設され、基端側を前記ポンプの送出口側に連結された
噴射ノズルとを備えたことから、ポンプを作動させるこ
とにより、反応器の内部の処理液を底部から濾過器内に
流通させた後に噴射ノズルの先端から反応器内へ噴射す
ることができるので、反応器内に銅やアルミニウム等の
金属物(酸化金属物を含む)等が系外から入り込んだり
しても、上記金属物等が濾過器で捕集されるようにな
る。このため、長期にわたって連続運転していても、当
該金属物等が反応器の底部に堆積するようなことはな
く、ハロゲン化有機化合物の分解に伴って生成する分解
生成ハロゲン化物等と上記金属物との相互作用による局
所的な異常腐食が上記底部に生じることを抑制すること
ができる。その結果、反応器等にチタン等のような高耐
食性の材料を使用しなくてもステンレス鋼(例えばSU
S316等)等のような一般的な材料で済むようになる
ので、低コストで腐食劣化を抑制することができる。
【0080】第二番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第一番目の発明において、前記濾過器が
前記反応器に対して並列に複数連結され、前記反応器と
前記濾過器との間および当該濾過器と前記ポンプとの間
に開閉バルブがそれぞれ設けられているので、反応器の
底部から除去した前記金属物等の系外への取り出し作業
を運転停止することなく行うことができる。
【0081】第三番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、供給管から供給された処理液中のハロゲ
ン化有機化合物を高温高圧環境下で分解する反応器を備
えたハロゲン化有機化合物分解装置において、前記反応
器の底部に連結された回収槽と、前記回収槽の内部に水
を供給する給水手段とを備えたことから、回収槽内を水
で満たしながら、当該回収槽内から上記水を反応器内に
わずかずつ流入させるように前記給水手段から給水する
と、系外から反応器内に入り込んだ銅やアルミニウム等
の金属物(酸化金属物を含む)等が自重により回収槽内
に沈降して堆積回収されるので、反応器の底部が局所的
に異常腐食を生じてしまうことはない。また、回収槽内
が分解生成ハロゲン化物等の存在しない水の環境下であ
るので、回収堆積した上記金属物等により当該回収槽の
底部が異常腐食を生じてしまうことはない。このため、
長期にわたって連続運転していても、分解生成ハロゲン
化物等と上記金属物との相互作用による局所的な異常腐
食が反応器および回収槽の底部に生じることを抑制する
ことができる。その結果、反応器等にチタン等のような
高耐食性の材料を使用しなくてもステンレス鋼(例えば
SUS316等)等のような一般的な材料で済むように
なるので、低コストで腐食劣化を抑制することができ
る。
【0082】第四番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第三番目の発明において、前記回収槽が
排出手段を備えると共に前記反応器に対して並列に複数
連結され、前記反応器と前記回収槽との間および前記排
出手段に開閉バルブがそれぞれ設けられているので、反
応器の底部から除去した前記金属物等の系外への取り出
し作業を運転停止することなく行うことができる。
【0083】第五番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第三番目の発明において、前記回収槽が
前記反応器に対して下方へ向かって直列に複数連結さ
れ、最下段の前記回収槽に排出手段を設けると共に、連
結する前記回収槽の間および前記排出手段に開閉バルブ
が設けられているので、反応器の底部から除去した前記
金属物等の系外への取り出し作業を運転停止することな
く行うことができる。
【0084】第六番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第三番目から第五番目の発明のいずれか
において、一端側が前記回収槽と前記反応器との間に連
結され、他端側が前記反応器に連結されたバイパス管を
設けたことから、反応器内での処理液の対流による反応
器から回収槽へ向かう流れを生じさせて、前記金属物等
を反応器の底部から回収槽内へ自重だけでなく処理液の
流れによっても送り込むことができるので、前記金属物
等の回収をさらに確実に行うことができる。
【0085】第七番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第三番目から第六番目の発明のいずれか
において、前記供給管が、前記処理液を前記反応器の内
面に沿って螺旋状に上昇させながら供給できるように当
該反応器に連結されていることから、反応器内での処理
に伴う対流および反応器の内壁面に沿った処理液の螺旋
状の上昇流に伴う下降流により、反応器の底部から回収
槽の内部へ向かう処理液の流れ等が形成されるので、前
記金属物等の回収をさらにスムーズに行うことができ
る。
【0086】第八番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、供給管から供給された処理液中のハロゲ
ン化有機化合物を高温高圧環境下で分解する反応器を備
えたハロゲン化有機化合物分解装置において、前記反応
器の底部の内面が耐食性を有するコーティング材で覆わ
れていることから、長期にわたって高温高圧状態で連続
運転して、前記金属物等が系外から入り込んだりするこ
とにより、当該反応器の底部部分に、上記金属物等が堆
積したとしても、当該部分が腐食劣化してしまうことは
ないので、上記反応器等にステンレス鋼等のような一般
的な材料を使用することができ、チタン等のような高耐
食性の材料を使用しなくても済むようになり、低コスト
で腐食劣化を抑制することができる。
【0087】第九番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第八番目の発明において、前記コーティ
ング材が、耐食性を有する溶接材料で前記反応器に溶接
止めされた耐食性を有するタイル材であるので、反応器
の底部の内面をコーティング材で覆うことが簡単にでき
る。
【0088】第十番目の発明によるハロゲン化有機化合
物分解装置は、第八番目の発明において、前記コーティ
ング材が、前記反応器の内面に肉盛溶接された耐食性を
有する溶接材料であるので、反応器の底部の内面をコー
ティング材で覆うことが簡単にできる。
【0089】第十一番目の発明によるハロゲン化有機化
合物分解装置は、第八番目の発明において、前記コーテ
ィング材が、前記反応器の内面に溶射されて加熱により
封孔処理された自溶性合金であるので、反応器の底部の
内面をコーティング材で覆うことが簡単にできる。
【0090】第十二番目の発明によるハロゲン化有機化
合物分解装置は、第八番目の発明において、前記コーテ
ィング材が、前記反応器の内面にスラリを塗布されて加
熱により焼結および封孔処理された自溶性合金であるの
で、反応器の底部の内面をコーティング材で覆うことが
簡単にできる。
【0091】第十三番目の発明によるハロゲン化有機化
合物分解装置は、第一番目から第十二番目の発明のいず
れかにおいて、前記ハロゲン化有機化合物が、ポリ塩化
ビフェニル類、ダイオキシン類等の塩素化有機化合物で
あるので、上述した効果を顕著に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるハロゲン化有機化合物分解装置の
第一番目の実施の形態の全体概略構成図である。
【図2】反応器の底部部分の抽出拡大図である。
【図3】PCB無害化処理設備の全体概略構成図であ
る。
【図4】本発明によるハロゲン化有機化合物分解装置の
第二番目の実施の形態の反応器の底部部分の抽出拡大図
である。
【図5】本発明によるハロゲン化有機化合物分解装置の
第三番目の実施の形態の反応器の底部部分の抽出拡大図
である。
【図6】本発明によるハロゲン化有機化合物分解装置の
第四番目の実施の形態の反応器の底部部分の抽出拡大図
である。
【図7】本発明によるハロゲン化有機化合物分解装置の
第五番目の実施の形態の反応器の底部部分の抽出拡大図
である。
【図8】本発明によるハロゲン化有機化合物分解装置の
第六番目の実施の形態の反応器の底部部分の抽出拡大図
である。
【符号の説明】
11 抜き出し管 12a,12b 分岐管 13 戻し管 14 噴射ノズル 15a,15b 濾過器 16a,16b 開閉バルブ 17a,17b 開閉バルブ 18 ポンプ 19 供給管 22a,22b 分岐管 23a,23b 排出管 24a,24b 給水管 25a,25b 回収槽 26a,26b 開閉バルブ 27a,27b 開閉バルブ 28a,28b 開閉バルブ 35a 補助回収槽 35b 主回収槽 43 バイパス管 59 供給管 69 コーティング材 69a タイル材 69b 溶接材料 100 水 120 水熱分解装置 122 一次反応器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 319/24 B09B 3/00 304Z (72)発明者 原田 照正 長崎県長崎市深堀町5丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 山元 崇 長崎県長崎市深堀町5丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 山口 啓樹 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 土井 祐一 長崎県長崎市深堀町五丁目717番地1 長 菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BB00 BD11 4D004 AA22 AB06 AB07 CA22 CA50 CB31 DA02 DA06 DA07 4H006 AA04 AA05 AC13 AC26 BD81 BD83 EA22

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給管から供給された処理液中のハロゲ
    ン化有機化合物を高温高圧環境下で分解する反応器を備
    えたハロゲン化有機化合物分解装置において、 前記反応器の底部に連結された濾過器と、 前記濾過器に受入口側を連結されたポンプと、 先端側を前記反応器の内部に配設され、基端側を前記ポ
    ンプの送出口側に連結された噴射ノズルとを備えたこと
    を特徴とするハロゲン化有機化合物分解装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記濾過器が前記反応器に対して並列に複数連結され、 前記反応器と前記濾過器との間および当該濾過器と前記
    ポンプとの間に開閉バルブがそれぞれ設けられているこ
    とを特徴とするハロゲン化有機化合物分解装置。
  3. 【請求項3】 供給管から供給された処理液中のハロゲ
    ン化有機化合物を高温高圧環境下で分解する反応器を備
    えたハロゲン化有機化合物分解装置において、 前記反応器の底部に連結された回収槽と、 前記回収槽の内部に水を供給する給水手段とを備えたこ
    とを特徴とするハロゲン化有機化合物分解装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記回収槽が排出手段を備えると共に前記反応器に対し
    て並列に複数連結され、 前記反応器と前記回収槽との間および前記排出手段に開
    閉バルブがそれぞれ設けられていることを特徴とするハ
    ロゲン化有機化合物分解装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 前記回収槽が前記反応器に対して下方へ向かって直列に
    複数連結され、 最下段の前記回収槽に排出手段を設けると共に、 連結する前記回収槽の間および前記排出手段に開閉バル
    ブが設けられていることを特徴とするハロゲン化有機化
    合物分解装置。
  6. 【請求項6】 請求項3から請求項5のいずれかにおい
    て、 一端側が前記回収槽と前記反応器との間に連結され、他
    端側が前記反応器に連結されたバイパス管を設けたこと
    を特徴とするハロゲン化有機化合物分解装置。
  7. 【請求項7】 請求項3から請求項6のいずれかにおい
    て、 前記供給管が、前記処理液を前記反応器の内面に沿って
    螺旋状に上昇させながら供給できるように当該反応器に
    連結されていることを特徴とするハロゲン化有機化合物
    分解装置。
  8. 【請求項8】 供給管から供給された処理液中のハロゲ
    ン化有機化合物を高温高圧環境下で分解する反応器を備
    えたハロゲン化有機化合物分解装置において、 前記反応器の底部の内面が耐食性を有するコーティング
    材で覆われていることを特徴とするハロゲン化有機化合
    物分解装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記コーティング材が、耐食性を有する溶接材料で前記
    反応器に溶接止めされた耐食性を有するタイル材である
    ことを特徴とするハロゲン化有機化合物分解装置。
  10. 【請求項10】 請求項8において、 前記コーティング材が、前記反応器の内面に肉盛溶接さ
    れた耐食性を有する溶接材料であることを特徴とするハ
    ロゲン化有機化合物分解装置。
  11. 【請求項11】 請求項8において、 前記コーティング材が、前記反応器の内面に溶射されて
    加熱により封孔処理された自溶性合金であることを特徴
    とするハロゲン化有機化合物分解装置。
  12. 【請求項12】 請求項8において、 前記コーティング材が、前記反応器の内面にスラリを塗
    布されて加熱により焼結および封孔処理された自溶性合
    金であることを特徴とするハロゲン化有機化合物分解装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項12のいずれかに
    おいて、 前記ハロゲン化有機化合物が、ポリ塩化ビフェニル類、
    ダイオキシン類等の塩素化有機化合物であることを特徴
    とするハロゲン化有機化合物分解装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008001609A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Neos Co Ltd 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの連続製造法及び製造装置

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