JP2003160470A

JP2003160470A - 液体身体洗浄剤組成物

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Publication number: JP2003160470A
Application number: JP2001359260A
Authority: JP
Inventors: Tatsunori Tamura; 辰仙田村; Masaki Inoue; 雅喜井上
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 2001-11-26
Filing date: 2001-11-26
Publication date: 2003-06-03
Anticipated expiration: 2021-11-26
Also published as: JP4246945B2

Abstract

(57)【要約】【解決手段】高級脂肪酸及びそのカリウム塩を合計で
３０〜４０重量％含有する液体身体洗浄剤組成物であっ
て、その脂肪酸組成が、ラウリン酸３０〜６０重量％、
ミリスチン酸２０〜７０重量％、パルミチン酸５〜２５
重量％及びステアリン酸０〜３重量％であり、高級脂肪
酸：高級脂肪酸のカリウム塩の重量比が０．００１：９
９．９９９〜１：９９である液体身体洗浄剤組成物。【効果】豊かな泡立ちでクリーミーな泡を与え、しか
も５℃未満の低温安定性に優れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、高級脂肪酸のカリ
ウム塩を主成分とし、豊かでクリーミーな泡を与え、し
かも低温安定性に優れた液体身体洗浄剤組成物に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、高級脂肪酸のナトリウム塩、いわ
ゆるナトリウム石鹸は、その優れた固形物性、耐水性か
ら、広く固形洗浄剤として用いられている。しかし、ナ
トリウム石鹸は一般にクラフト点が高いため、液体洗浄
剤とするには不向きであり、液体洗浄剤とする場合には
高級脂肪酸のカリウム塩（カリ石鹸）が用いられてい
る。すなわち、ラウリン酸カリウムやオレイン酸カリウ
ム等のクラフト点の低いカリ石鹸を主成分とした液体洗
浄剤とするのが一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ラウリ
ン酸カリウムやオレイン酸カリウムを主体とするカリ石
鹸を基剤とした液体洗浄剤組成物は、低温安定性は良好
であるものの、一般に、キメの粗い泡しか得られないと
いう欠点がある。キメの細かな泡を得るためには、カリ
石鹸の脂肪酸組成を、ラウリン酸やオレイン酸よりも高
融点の脂肪酸をより多く含むものにしたり、カリ石鹸を
完全中和品でなく、一部未中和として遊離脂肪酸を含む
ようにする等の方法が考えられるが、いずれも低温で結
晶化したり、ゲル化するなどの問題があった。特開平８
−１３３９６２号には低温安定性に優れた液体身体洗浄
剤組成物が記載されているが、これも５℃未満での安定
性は解決されていない。

【０００４】従って、本発明の目的は、カリ石鹸を主成
分とするにもかかわらず、豊かでクリーミーな泡を与
え、しかも５℃未満の低温安定性に優れた液体身体洗浄
剤組成物を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の脂
肪酸組成を有するカリ石鹸と遊離脂肪酸を特定の割合で
併用すれば、豊かな泡立ちでクリーミーな泡を与え、し
かも５℃未満の低温安定性に優れた液体身体洗浄剤組成
物が得られることを見出し、本発明を完成した。

【０００６】すなわち、本発明は、高級脂肪酸及びその
カリウム塩を合計で３０〜４０重量％含有する液体身体
洗浄剤組成物であって、その脂肪酸組成が、ラウリン酸
３０〜６０重量％、ミリスチン酸２０〜７０重量％、パ
ルミチン酸５〜２５重量％及びステアリン酸０〜３重量
％であり、高級脂肪酸：高級脂肪酸のカリウム塩の重量
比が０．００１：９９．９９９〜１：９９であることを
特徴とする液体身体洗浄剤組成物を提供するものであ
る。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明で用いられる高級脂肪酸及
びそのカリウム塩は、その脂肪酸組成がラウリン酸３０
〜６０重量％、ミリスチン酸２０〜７０重量％、パルミ
チン酸５〜２５重量％、ステアリン酸０〜３重量％であ
ることが必要であり、特にラウリン酸３５〜４５重量
％、ミリスチン酸４０〜６０重量％、パルミチン酸５〜
１５重量％及びステアリン酸０〜２重量％であるのが好
ましい。これらの脂肪酸は、それぞれ高純度の脂肪酸を
前記のような脂肪酸組成となるよう混合して用いてもよ
く、あるいはヤシ油脂肪酸のような混合脂肪酸を用い、
これに適宜構成脂肪酸を加えて前記の脂肪酸組成となる
ようにしてもよい。混合脂肪酸を用いた場合、カプロン
酸、カプリル酸、アラキン酸、ヘキサデセン酸、オレイ
ン酸、リノール酸等が少量混ざってくることがあるが、
本発明の効果を損わない範囲、例えばこれらの合計が１
重量％未満であれば、差し支えない。

【０００８】本発明の液体身体洗浄剤組成物には、前記
の脂肪酸組成を有する高級脂肪酸及びそのカリウム塩を
合計で３０〜４０重量％配合する。また、高級脂肪酸：
高級脂肪酸のカリウム塩の重量比は０．００１：９９．
９９９〜１：９９であり、好ましくは０．００５：９
９．９９５〜１：９９、特に０．０５：９９．９５〜
１．０：９９．０である。即ち、実質的にフリーのアル
カリ（水酸化カリウム）を含まない範囲であり、これら
の範囲内で、豊かでクリーミーな泡立ちと優れた低温安
定性が得られる。

【０００９】本発明の液体身体洗浄剤組成物は、前記の
組成となる脂肪酸及びそのカリウム塩をそれぞれ配合す
ることにより製造することもできるが、典型的には、３
０〜９０℃程度に加温した水酸化カリウムを含む水溶液
に、脂肪酸を攪拌しつつ加え、一定量の遊離脂肪酸を残
存させるようにして製造することができる。添加する脂
肪酸は、３０〜９０℃程度に加温融解してもよいし、固
体であってもフレーク等の形態であれば、そのまま加え
て中和溶解してもよい。

【００１０】本発明の液体身体洗浄剤組成物には、通常
液体身体洗浄剤組成物に用いられる各種の成分、例えば
アルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオ
ン界面活性剤；イミダゾリン系、ベタイン系等の両性界
面活性剤；アルキルグルコシド、脂肪酸アルカノールア
ミド、アルキルジメチルアミンオキサイド等の非イオン
界面活性剤；プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、グリセリン等のポリオール類；塩類、エタノー
ル、水溶性高分子等の粘度調整剤；カチオンポリマー等
の感触向上剤；２−エチルヘキサン酸トリグリセリド等
の油剤；パラベン、ＥＤＴＡ、ＢＨＴ等の保存剤；エチ
レングリコールジステアレート等のパール化剤；トリク
ロサン等のデオドラント剤；架橋ポリアクリル酸ナトリ
ウム等のスクラブ剤；その他色素、香料等を、本発明の
効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。

【００１１】本発明の液体身体洗浄剤組成物は、２５℃
における５％水溶液のpHが９〜１２、好ましくは９．５
〜１１、特に好ましくは９．９〜１０．９になるよう調
整するのが好ましい。また、本発明において「液体」と
は、ポンプによる輸送、配合などが可能で、ポンプ容器
から排出可能なことをいい、好ましくは３０℃における
粘度（ＢＭ型粘度計、ローターＮｏ．２、３０rpmで測
定）が５０００ｍＰａ・ｓ以下が好ましく、２０００ｍ
Ｐａ・ｓ以下が更に好ましく、特に２００ｍＰａ・ｓ以
下であるのが好ましい。

【００１２】

【発明の効果】本発明の液体身体洗浄剤組成物は、カリ
ウム石鹸を主成分とするにもかかわらず、豊かな泡立ち
でクリーミーな泡を与え、しかも５℃未満の低温安定性
に優れたものである。

【００１３】

【実施例】実施例１〜５、比較例１〜８表１及び表２に示す組成の液体身体洗浄剤組成物を製造
し、泡立ち、泡質及び保存安定性について評価した。結
果を表１及び表２に示す。

【００１４】（製造方法）約７０℃に加熱した精製水に
水酸化カリウムを加え、更に脂肪酸を加え、均一に混合
して液体洗浄剤組成物を得た。

【００１５】（評価方法）（１）泡立ち：各洗浄剤組成物について、１０倍希釈水
溶液を調製し、この水溶液１００mL（液温４０℃）を目
盛付きシリンダーに注入した。次いで、水溶液中に攪拌
羽根を設置して羽根を回転させ、攪拌開始から３０秒後
において生じた泡の体積（mL）を測定して泡立ち量と
し、下記基準で評価した。なお、攪拌羽根の回転数は
１，０００r／minであり、５秒毎に反転させた。 ◎；泡立ち量２００mL以上。 ○；泡立ち量１６０mL以上２００mL未満。 △；泡立ち量１２０mL以上１６０mL未満。 ×；泡立ち量１２０mL未満。

【００１６】（２）泡質：各液体洗浄剤組成物につい
て、１０名の専門パネラーが原液１mLを手に取り適量の
水とともに手をすり合わせる手洗い試験を行い、下記基
準により泡質を評価した。５；非常にクリーミーな泡である。４；クリーミーな泡である。３；普通の泡である。２；やや粗い泡である。１；粗い泡である。これらの評価の平均値を算出し、以下の基準で判定し
た。 ◎；平均値が４．５以上。 ○；平均値が３．５〜４．４。 △；平均値が２．５〜３．４。 ×；平均値が２．４以下。

【００１７】（３）保存安定性：各洗浄剤組成物５０mL
をガラス製スクリュー管に充填して密閉し、０℃及び４
０℃の恒温室中で１ケ月保存した。１ケ月後、その内容
物の液の状態を目視観察し、下記基準で評価した。 ○；均一な透明液体である。 ×；結晶が析出、白濁している又はゲル化している。

【００１８】

【表１】

【００１９】

【表２】

【００２０】実施例６以下に示す組成の液体身体洗浄剤組成物を実施例１〜５
と同様にして製造し、泡立ち、泡質及び保存安定性につ
いて評価した。評価方法は、保存安定性の評価基準を除
き、実施例１〜５、比較例１〜８と同様の方法で行っ
た。保存安定性：各洗浄剤組成物５０mLをガラス製スクリュ
ー管に充填して密閉し、０℃及び４０℃の恒温室中で１
ケ月保存した。１ケ月後、その内容物の液の状態を目視
観察し、下記基準で評価した。 ○；均一なパール状液体である。 ×；分離している又はゲル化している。結果を表３に示す。

【００２１】

【表３】

【００２２】得られた洗浄剤組成物は、豊かでクリーミ
ーな泡であり、しかも低温安定性も優れたものであっ
た。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 4C083 AB032 AC122 AC241 AC242 AC392 AC472 AC532 AC642 AD282 CC23 DD01 DD23 DD27 EE01 EE06 EE07 EE11 FF05 4H003 AB03 AB43 AC13 BA12 DA02 EB04 EB09 EB16 EB42 ED02 FA16 FA17

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】高級脂肪酸及びそのカリウム塩を合計で
３０〜４０重量％含有する液体身体洗浄剤組成物であっ
て、その脂肪酸組成が、ラウリン酸３０〜６０重量％、
ミリスチン酸２０〜７０重量％、パルミチン酸５〜２５
重量％及びステアリン酸０〜３重量％であり、高級脂肪
酸：高級脂肪酸のカリウム塩の重量比が０．００１：９
９．９９９〜１：９９であることを特徴とする液体身体
洗浄剤組成物。
【請求項２】脂肪酸組成が、ラウリン酸３５〜４５重
量％、ミリスチン酸４０〜６０重量％、パルミチン酸５
〜１５重量％及びステアリン酸０〜２重量％である請求
項１記載の液体身体洗浄剤組成物。