JP2019001847A

JP2019001847A - 洗浄剤組成物。

Info

Publication number: JP2019001847A
Application number: JP2017115301A
Authority: JP
Inventors: 周平野村; Shuhei Nomura
Original assignee: Naris Cosmetics Co Ltd
Current assignee: Naris Cosmetics Co Ltd
Priority date: 2017-06-12
Filing date: 2017-06-12
Publication date: 2019-01-10
Anticipated expiration: 2037-06-12
Also published as: JP6320602B1

Abstract

【課題】低温条件下における脂肪酸の結晶化抑制に由来する、低温安定性に優れた洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】洗浄剤組成物が、成分Ａ：パルミチン酸、成分Ｂ：分岐脂肪酸、成分Ｃ：炭素数が５〜８のアルカンジオール、および成分Ｄ：両性界面活性剤を含有し、成分Ａの配合量が５質量％〜３０質量％の組成とする。これにより、低温条件下における脂肪酸の結晶化を抑制し、低温化における粘度上昇が抑えられ、使用感に優れた洗浄剤組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、洗浄剤組成物に関し、更に詳細には、パルミチン酸高配合に伴う低温条件下での粘度上昇防止効果に優れた洗浄剤組成物に関する。

従来、皮膚の洗浄を目的とする洗浄剤組成物には脂肪酸アルカリ塩である石鹸が洗浄基剤として用いられてきた。石鹸は洗浄効果に非常に優れており、水で流しやすく、洗い流し後も良好なサッパリ感を得るなど、皮膚の洗浄に際し好ましい感触を期待できる。そのため、固形石鹸のみならず、クリーム状、液状など非常に多くの洗浄剤組成物に応用されている。石鹸を洗浄基剤とする皮膚洗浄剤組成物は、含有する脂肪酸組成によってその基本的な性質を大きく左右されることが知られている。

パルミチン酸は洗浄剤組成物に高配合すると、泡立ち、泡質に良好な使用感を付与する事ができ、非常に使用感の良いクリーム状の洗浄剤組成物を得る事が可能となる。しかしながらパルミチン酸を高配合した皮膚洗浄剤組成物は低温条件下における結晶化に基づく粘度上昇がおき、チューブ容器に適さない固さになってしまうなど、使用性が著しく低下するという問題があった。

脂肪酸組成の割合や脂肪酸：脂肪酸塩の質量比によって低温環境下における硬さを低減させる方法が知られている(例えば、特許文献１〜４) 。しかし剤型がクリーム状であった場合に低温環境下で硬い問題を解決できるかには疑問が残る。

以上のことから、パルミチン酸を高配合しながらも低温環境下で使用性に優れた洗浄剤組成物が求められてきた。

特開２０１２‐１４９１９８号公報特開２００３‐１６０４７０号公報特開平９‐１５７１５４号公報特開平８‐１３３９６２号公報

本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、パルミチン酸を高配合しながらも低温安定性に優れた洗浄剤組成物を提供することを課題とする。

上記目的を達成するため、本発明者が鋭意研究した結果、パルミチン酸を高配合した洗浄剤組成物において、分岐脂肪酸、炭素数が５〜８のジオール化合物、両性界面活性剤を含有することで、低温下における粘度上昇が抑えられ、使用感に優れた洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

すなわち本発明は、次の成分Ａ〜Ｄ
成分Ａ：パルミチン酸
成分Ｂ：分岐脂肪酸
成分Ｃ：炭素数が５〜８のジオール化合物
成分Ｄ：両性界面活性剤
を含有し、成分Ａの配合量が５質量％〜３０質量％である洗浄剤組成物である。

本発明によれば、パルミチン酸を高配合しながらも低温安定性と使用感に優れた洗浄剤組成物を提供することができる。

以下、本発明について更に詳しく説明する。なお、特段注釈のない限り、以下で成分の配合量を「％」で表示する場合は質量％を意味する。

本発明に用いる成分Ａのパルミチン酸は、特に制限はなく、通常洗浄剤組成物に用いられるものを使用することができる。パルミチン酸は、洗浄剤組成物に配合した場合にその配合量に応じて泡立ちや泡質が向上する性質があるが、特に５％以上の高配合量で、低温下における粘度上昇が問題であった。本発明では、偶然にも成分Ａを高配合していても、成分Ｂおよび成分Ｃとの組み合わせによって、粘度上昇の問題点を解消することができた。

成分Ａの配合量としては、通常、洗浄剤組成物全量に対し５〜３０質量％、好ましくは７〜１５質量％の範囲で用いられる。この範囲では泡立ちや泡質が非常に優れている。

本発明に用いる成分Ｂの分岐脂肪酸は、特に制限はなく、通常洗浄剤組成物に用いられるものを使用することができる。オクチルデカン酸、オクチルウンデカン酸、オクチルドデカン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸などが有効であり、特にイソステアリン酸が好適に使用される。

成分Ｂの配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、例えば、洗浄剤組成物全量に対し０．００１〜１０質量％、好ましくは０．１〜１質量％の範囲で用いられる。この範囲では成分Ａと組み合わせた洗浄剤組成物においても、低温での粘度上昇を抑制する効果が非常に優れている。

本発明に用いる成分Ｃの炭素数が５〜７のジオール化合物は、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。ペンタンジオール、ヘキサンジオール、カプリリルグリコールなどが利用でき、中でも製品の安全性の面から、１，２−ペンタンジオールが処方上最も好適である。

成分Ｃの配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、例えば、洗浄剤組成物全量に対し０．００１〜１０質量％、好ましくは０．１〜１質量％の範囲で用いられる。この範囲では低温安定性が非常に優れている。

本発明に用いる成分Ｄの両性界面活性剤は、特に制限はないが、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、Ｎ−ラウロイル−Ｎ’−カルボキシメチル−Ｎ’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。

成分Ｄの配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、例えば、洗浄剤組成物全量に対し１〜４０質量％、好ましくは５〜１５質量％の範囲で用いられる。この範囲では低温安定性が非常に優れている。

本発明の組成物には、上記の必須成分のほかに、必要に応じ一般的に洗浄剤組成物などに用いられる成分を配合することも可能である。例えば、パール剤、保湿剤、増粘剤、水溶性高分子、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、ｐＨ調整剤、キレート剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、抗酸化剤、清涼剤、生薬抽出物やビタミン類、の添加物を適時配合することができる。これら成分を含有させる場合の配合割合は、その種類や目的に応じて適宜選択することができ、１種を単独で用いてもよく、２種以上を適宜組合せて用いることもできる。

以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これら実施例は本発明を何ら限定するものではない。

水相と油相をそれぞれ８０℃に加熱溶解し、両者を混合攪拌することで乳化および脂肪酸を鹸化し、冷却後、各洗浄剤組成物を得た。表１に、各配合成分と配合量を記載している。

[安定性試験]
＜評価方法＞
実施例および比較例のクリーム型洗顔料をチューブ容器(口径直径４ｍｍ)に充填し、５℃１ヶ月および１０℃１ヶ月静置した後に粘度を測定し、経時安定性について下記に示す判断基準により評価を行った。また粘度に関しては、Ｒｉｏｎ粘度計（リオン（株））により３０℃、ローターＮｏ．２、１０秒後の条件下で測定した。
＜評価基準＞
◎：問題なくチューブから出せる(粘度：８〜２０Ｐａ・ｓ未満)
○：やや負荷がかかるものの問題なくチューブから出せる(粘度：２０Ｐａ・ｓ以上、３０Ｐａ・ｓ未満)
△：通常使用時以上の力を加えればチューブから出せる(粘度：３０Ｐａ・ｓ以上、４５Ｐａ・ｓ未満)
×：チューブから出ない（粘度：４５Ｐａ・ｓ以上)

［起泡力試験法］
製剤１ｇを手にとり、水９ｇを３回に分けて加えながら２分間泡立てた後、その泡を全量プラスチックボードの上にサンプリングした。泡の縦（ｃｍ）、横（ｃｍ）、高さ（ｃｍ）を測定しその積を算出した。この値を起泡力の指標とした。
判定は◎：１２０（ｃｍ³）以上、○：９０（ｃｍ³）以上１２０（ｃｍ³）未満、△：６０（ｃｍ³）以上９０（ｃｍ³）未満、×６０（ｃｍ³）未満である。

［脂肪酸質量比の算出］
例えば脂肪酸と水酸化カリウムで鹸化した場合、脂肪酸と水酸化カリウムはそれぞれ等モル数にて反応し、脂肪酸カリウムと水になる。表１に記載してある脂肪酸質量比は、鹸化後の残存脂肪酸と脂肪酸カリウムとの質量比の理論値である。脂肪酸質量比の数値は、小数点第２位を四捨五入した概数を記載している。

表１からわかるように、本発明の実施例１〜実施例６は泡立ちに優れ、なおかつ低温条件下における粘度上昇を有意に抑制した。したがって成分Ａ、成分Ｂ、成分Ｃおよび成分Ｄの存在下では、洗浄剤組成物がチューブ製品として良好な硬さで安定化する効果が認められた。

表２から比較例１〜比較例４を参照すると、成分Ａが低濃度の場合泡立ちが不足しており十分な使用感を得られない。また、成分Ｂ、成分Ｃ、および成分Ｄのいずれかが不足している場合、低温時に結晶化が起こり、粘度が高く使用性が非常に悪くなる。比較例５のように成分Ａが多い場合、泡立ちも悪く、硬くなり、洗浄剤組成物として適しない傾向がある。

常法にて、洗浄剤組成物を作製した。下記処方においても本発明の効果を奏することが確認された。

（１）クリーム型洗顔料
配合成分配合量（％）
ラウリン酸７
ミリスチン酸１５
パルミチン酸１８
ステアリン酸１０
イソステアリン酸０．５
１，２−ペンタンジオール０．５
ジプロピレングリコール１
グリセリン２０
ラウリルヒドロキシスルホベタイン液１０
ノバラエキス０．１
ユーカリエキス０．１
ヒアルロン酸ナトリウム０．０１
水酸化カリウム１０．５
キレート剤適量
保存料適量
水残余
合計１００

Claims

次の成分Ａ〜Ｄ
成分Ａ：パルミチン酸
成分Ｂ：分岐脂肪酸
成分Ｃ：炭素数が５〜８のアルカンジオール
成分Ｄ：両性界面活性剤
を含有し、成分Ａの配合量が配合成分全体に対し５質量％〜３０質量％である洗浄剤組成物。
成分Ｂが、イソステアリン酸である請求項１に記載の洗浄剤組成物。
成分Ｂの配合量が０．０１質量％〜１０質量％である請求項１〜２に記載の洗浄剤組成物。
成分Ｄを１質量％以上含む請求項１〜３に記載の洗浄剤組成物。
鹸化後の脂肪酸：脂肪酸塩の質量比が１０:９０〜３０:７０である請求項１〜４に記載の洗浄剤組成物。