JP2003159330A - 医療器具用ガスケット及びそれを用いた医療器具並びに医療器具用ガスケットの製造方法 - Google Patents

医療器具用ガスケット及びそれを用いた医療器具並びに医療器具用ガスケットの製造方法

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JP2003159330A JP2001362358A JP2001362358A JP2003159330A JP 2003159330 A JP2003159330 A JP 2003159330A JP 2001362358 A JP2001362358 A JP 2001362358A JP 2001362358 A JP2001362358 A JP 2001362358A JP 2003159330 A JP2003159330 A JP 2003159330A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制限されたゲート位置に関わりなく、成形品
形状、機能を妨げることなく、安定した品質を有する医
療器具用ガスケット、それを用いた医療器具、シリンジ
並びに医療器具用ガスケットの製造方法を提供する。 【解決手段】 医療器具用ガスケット1は、射出成形材
料により作製されており、先端閉塞端3と、先端閉塞端
外面4の中心付近に設けられたガスケット頂点部21
と、プランジャー取付用凹部2とを備え、ガスケット頂
点部21が射出成形可能材料の溶融物流入ゲート位置と
なっており、さらに、ガスケット1は、先端閉塞端内面
5のガスケット頂点部21と対応する位置に設けられた
突起部7と突起部7より放射状に延びかつプランジャー
取付用凹部2の側面9に到達する複数のリブ8からなる
突出部6とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療器具、特に、
医療用注射器に使用される医療器具用ガスケット及びそ
れを用いた医療器具、シリンジ、並びに医療器具用ガス
ケットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形方法においては、成形品への樹
脂流入ゲート(ポイント)の位置、ゲート点数を適切に
組み合わせることによって、安定した成形製品を提供す
る手法が用いられているが、成形品の形状、機能を妨げ
ないようにするため、樹脂流入ゲート位置及び樹脂流入
ゲート点数が制限される場合が多い。特に、医療用注射
器に使用されるガスケットなど弾性材料からなる射出成
形品は、その機能上、構造上及び品質上の観点から樹脂
流入ゲート位置、ゲート点数等に関する制限が多く、射
出成形により安定した製品製造を行うことは困難であ
る。例えば、医療器具用ガスケットを射出成形により製
造する場合、樹脂流入ゲートは、射出成形用金型の天
面、背面、或いは医療用注射器の外筒内面と接触するピ
ーク間の側面に、1点もしくは2点配置することが多い
が、金型の構造上もしくは金型の製作費用上、ガスケッ
ト成形品の品質上の観点から、天面に1点配置すること
が特に好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような構造の金型を用いて射出成形を行った場合、ピ
ーク面にウェルドラインが発生し易く、樹脂流入ゲート
付近に樹脂カスが発生し易い等の問題が生じており、こ
のような問題に対しては、従来、射出成形機の条件設定
で対応していた。そこで、本発明の目的は上記問題点を
解決するものであり、射出成形時において射出成形用金
型内の樹脂流を制御可能なように設計することにより、
成形品形状、機能を妨げることなく、安定した品質を有
する医療器具用ガスケット、それを用いた医療器具、シ
リンジ並びに医療器具用ガスケットの製造方法を提供す
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は以下の通りである。 (1) 射出成形可能材料により射出成形された医療器
具用ガスケットであって、該医療器具用ガスケットは、
先端閉塞端と、該先端閉塞端外面の中心付近に設けられ
たガスケット頂点部と、後端から先端側に向かって延び
るプランジャー取付用凹部とを備えるとともに、前記ガ
スケット頂点部が前記射出成形可能材料の溶融物流入ゲ
ート位置となっており、さらに、前記先端閉塞端内面の
前記ガスケット頂点部と対応する位置に設けられた突起
部と該突起部より放射状に延びかつ前記プランジャー取
付用凹部の側面に到達する複数のリブからなる突出部と
を備えている医療器具用ガスケット。 (2) 前記複数のリブは、前記突起部に対して向かい
合うように形成されている上記(1)に記載の医療器具
用ガスケット。 (3) 前記複数のリブは、少なくとも3本以上設けら
れており、かつ、各リブは、前記突起部の中心に対して
ほぼ等角度となるように配置されている上記(1)に記
載の医療器具用ガスケット。 (4) 前記突出部は、前記プランジャーの中心軸に対
してほぼ直交するように形成されている上記(1)ない
し(3)のいずれかに記載の医療器具用ガスケット。
【0005】(5) 前記ガスケットは、先端部の外周
面に環状リブを備え、前記先端閉塞端内面に設けられた
前記リブの後端面は、該後端面の延長線が前記環状リブ
の上部となるように形成されている上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の医療器具用ガスケット。 (6) 前記リブは、前記プランジャー取付用凹部の側
面に向かうにしたがって幅が狭くなるように形成されて
いる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療器
具用ガスケット。 (7) 前記リブおよび/または前記突起部は、前記ガ
スケットの後端側に向かって肉薄となるように形成され
ている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療
器具用ガスケット。 (8) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の医
療器具用ガスケットを使用する医療器具。 (9) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の医
療器具用ガスケットと、該ガスケットを液密状態にて摺
動可能に収納するとともに先端部に注射針取付部もしく
は注射針を備える外筒と、前記ガスケットの前記プラン
ジャー取付用凹部に先端部が取り付けられたもしくは取
付可能なプランジャーとからなるシリンジ。
【0006】(10) 上記(1)ないし(7)のいず
れかに記載の医療器具用ガスケットの製造方法であっ
て、ガスケットの先端面および側面形状を形成するため
の内面形状を有すると共に、ガスケット頂点部形成部分
に溶融射出成形材料流入ゲートを備える第1の成形用金
型と、ガスケットの内面形状を形成するとともに前記第
1の成形用金型内に挿入される内面形成部とガスケット
の後端面形成部を備え、かつ前記内面形成部の先端面の
前記第1の成形用金型の流入ゲートに対応する位置に設
けられた凹部と該凹部から放射状に延びかつ該内面形成
部の側面に到達する複数の溝を有する第2の成形用金型
とを備えるガスケット成形用金型を準備する工程と、前
記第1の成形用金型内に前記第2の成形用金型の前記内
面形成部が挿入された状態とした後、前記流入ゲートよ
り溶融射出成形材料を流入する工程とを備える医療器具
用ガスケットの製造方法。 (11) 前記複数の溝は、前記突起部に対して向かい
合うように形成されている上記(10)に記載の医療器
具用ガスケットの製造方法。 (12) 前記複数の溝は、少なくとも3本以上設けら
れており、かつ、各溝は、前記凹部の中心に対してほぼ
等角度となるように配置されている上記(10)に記載
の医療器具用ガスケットの製造方法。 (13) 前記凹部の底面は、前記内面形成部の中心軸
に対してほぼ直交するように形成されている上記(1
0)ないし(12)のいずれかに記載の医療器具用ガス
ケットの製造方法。 (14) 前記溝は、前記内面形成部の側面に向かうに
したがって幅が狭くなるように形成されている上記(1
0)ないし(13)のいずれかに記載の医療器具用ガス
ケットの製造方法。 (15) 前記溝および/または前記凹部の側面は、前
記内面形成部の先端に向かって広がるように形成された
傾斜面となっている上記(10)ないし(14)のいず
れかに記載の医療器具用ガスケットの製造方法。 (16) 前記第1の成形用金型は、前記ガスケットの
外面の先端部に環状リブを形成するための環状溝を備
え、前記第2の成型用金型は、前記内面形成部の前記溝
の底面の延長線が前記第1の成型用金型の前記環状溝の
上部となるように構成されている上記(10)ないし
(15)のいずれかに記載の医療器具用ガスケットの製
造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の医療器具用ガスケ
ット及び医療器具用ガスケットを用いた医療器具並びに
医療器具用ガスケットを用いたシリンジについて図面に
示す実施例を用いて説明する。図1は、本発明の実施例
である医療器具用ガスケットの正面図、図2は、図1に
示す医療器具用ガスケットの底面図、図3は、図2に示
す医療器具用ガスケットのA−A線断面図、図4は、図
2に示す医療器具用ガスケットのB−B線断面図、図5
は、図1に示す医療器具用ガスケットの平面図、図6
は、図1に示す医療器具用ガスケットを使用したシリン
ジの断面図である。
【0008】本発明の医療器具用ガスケット1は、射出
成形可能材料により射出成形された医療器具用ガスケッ
トであって、先端閉塞端3と、先端閉塞端外面4の中心
付近に設けられたガスケット頂点部21と、後端から先
端側に向かって延びるプランジャー取付用凹部2とを備
えるとともに、ガスケット頂点部21が射出成形可能材
料の溶融物流入ゲート位置となっており、さらに、先端
閉塞端内面5のガスケット頂点部21と対応する位置に
設けられた突起部7と突起部7より放射状に延びかつプ
ランジャー取付用凹部2の側面9に到達する複数のリブ
8からなる突出部6とを備えている。また、本発明のシ
リンジ30は、図6に示すように、医療器具用ガスケッ
ト1と、ガスケット1を液密状態にて摺動可能に収納す
るとともに先端部に注射針取付部32もしくは注射針を
備える外筒31と、ガスケット1のプランジャー取付用
凹部2に先端部が取り付けられたもしくは取付可能なプ
ランジャーとからなるものである。
【0009】以下、医療器具用ガスケット1を使用した
シリンジ30を例に本発明の医療器具用ガスケット1に
ついて説明する。ガスケット1は、図1,図2に示すよ
うに、ほぼ同一外径にて延びる筒状のガスケット本体部
11と、ガスケット本体部11の先端部を閉塞する先端
閉塞端3と、ガスケット本体部11の内部に設けられた
プランジャー取付用凹部2と、ガスケット本体部11の
外周面の先端部及び後端部付近に形成された環状リブ1
2a,12bと、先端閉塞端内面5に形成された突出部
6からなる。また、先端閉塞端外面4は、先端側に向か
ってテーパー状に縮径しており、シリンジ30の外筒3
1の先端側内面39と接触したとき、極力隙間が生じな
いように外筒31の先端側内面形状に対応した形状とな
っている。また、先端閉塞端外面4の中心には、ガスケ
ット頂点部21が形成され、ガスケット頂点部21は、
射出成形の際、射出成形可能材料が流入する溶融流入ゲ
ート位置となっている。
【0010】プランジャー取付用凹部2は、図3,図4
に示すように、ガスケット本体部11の後端から先端付
近まで延びる略円柱状空間である。プランジャー取付用
凹部2の後端側には、プランジャー34の先端部に設け
られた雄ねじ部36と螺合する雌ねじ部19が設けられ
ている。先端閉塞端内面5には、図2ないし図4に示す
ように、ガスケット1のガスケット頂点部21に対応す
る位置(ガスケット頂点部21の真下)に設けられた突
起部7と、突起部7の周縁から放射状に延びかつプラン
ジャー取付用凹部2の側面9に到達する複数のリブ8か
らなる突出部6が形成されている。リブ8は、少なくと
も3本以上設けられており、かつ、各リブは、突起部7
の中心に対してほぼ等角度となるように配置されてい
る。リブは、突起部7の中心に対して3〜12本配置さ
れていることが好ましく、特に、6〜8本が好ましい。
【0011】この実施例のガスケット1では、突起部7
の中心に対して等角度となるように6本のリブが設けら
れている。また、各リブ8は、図2に示すように、直線
状に形成されている。また、リブは、突起部7に対して
向かい合うように形成されていることが好ましい。特
に、向かい合うリブが複数組設けられるとともに、各リ
ブは、突起部7の中心に対してそれぞれほぼ等角度とな
っていることが好ましい。つまり、4以上の偶数本のリ
ブを突起部7の中心に対してそれぞれほぼ等角度となる
ように配置することが好ましい。
【0012】また、突出部6(突起部7及びリブ8)の
底面は、図4に示すように、ガスケット1の中心軸に対
してほぼ直交するように形成されている。突起部7は、
ガスケットの大きさによって相違するが、直径が1〜1
0mm程度であることが好ましい。また、突起部7は、
先端閉塞端内面5の内径の1/5〜1/2であることが
好ましく、特に、1/3〜1/2が好ましい。さらに、
リブ8の底面(言い換えれば、後端面)は、その延長線
がガスケット1の外面に設けられた先端側の環状リブ1
2aの上部(言い換えれば、先端部)となるように形成
されている。また、先端側の環状リブ12aは、断面が
外方(ガスケットの中心軸に対して半径方向)に向かっ
て突出する湾曲形状となっている。具体的には、先端側
の環状リブ12aは、断面が、半円状もしくは半楕円状
となっている。同様に、後端側の環状リブ12bは、断
面が外方(ガスケットの中心軸に対して半径方向)に向
かって突出する湾曲形状となっている。具体的には、環
状リブ12bは、断面が、半円状もしくは半楕円状とな
っている。
【0013】また、リブ8は、プランジャー取付用凹部
2の側面9に向かうにしたがって幅が狭くなるように形
成されている。具体的に、リブ8は、片側0.5°〜2
°の傾斜で幅が狭くなっていることが好ましい。リブ8
の開始部は、図2に示すように、突起部側に拡がり、突
起部7となだらかに連続していることが好ましい。つま
り、図2に示すように、リブ8および突起部7により形
成される突出部6の各側面6aは、図2に示すように、
左右対称の曲線状となっていることが好ましい。また、
突起部を底面側から見た形状は、円形、正多角形である
ことが好ましい。突起部の形状を正多角形とする場合に
は、リブは正多角形の各頂点もしくは各辺の中点より延
びるものとすることが好ましい。
【0014】また、リブ8もしくは突起部7は、図2に
示すように、ガスケット1の後端側に向かって肉薄とな
るように形成されている。このようにすることにより、
後述するガスケット成形用金型50からガスケット1を
取り外す際にリブ8もしくは突起部7は破損しない(ち
ぎれない)ものとなる。リブ8もしくは突起部7の側面
の勾配は、0.5°〜5°、特に、1°〜2°であるこ
とが好ましい。また、リブ8の断面形状は、略台形状と
なっている。なお、リブ8の断面形状としては、半円形
状、略台形以外の多角形状等であってもよい。また、突
出する突起部7及びリブ8の高さは、0.5〜5mmが
好ましく、特に、1〜2mmが好ましい。また、突起部
は、先端閉塞端内面の中心付近(ガスケット頂点部21
に対応する位置)付近で交差するリブの交点により形成
されるものであってもよい。
【0015】ガスケット1は、射出成形により一体成形
されている。ガスケット1の構成材料としては、射出成
形可能材料が使用される。具体的には、弾性を有するゴ
ム(例えば、ブチルゴム、シリコーンゴム、ポリブタジ
エンゴムなど)、合成樹脂(スチレン−ブタジエン−ス
チレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコ
ポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンコ
ポリマー等のスチレン系エラストマー、ポリエチレンエ
ラストマー、ポリプロピレンエラストマー等のポリオレ
フィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、
ポリアミド系エラストマーなど)等の熱可塑性弾性樹脂
が好ましい。このうち、スチレン系エラストマーは、蒸
気圧滅菌、γ線滅菌、およびエチレンオキサイドガス滅
菌等、既存の医療用具の滅菌手法による物性変化がほと
んど無く、かつ摺動性、液密性が良好であり、さらに、
射出成形材料として好適である。
【0016】そして、ガスケット1は、上述したよう
に、先端閉塞端内面5に突起部7と突起部7の周縁から
放射状に延びる複数のリブ8からなる突出部6を有する
ため、先端部は十分な強度を有する。さらに、ガスケッ
ト頂点部21が射出成形可能材料の溶融物流入ゲート位
置となっているとともに、上述した突起部7と突起部7
の周縁から放射状に延びる複数のリブ8からなる突出部
6を有するため、成型時にこの突起部およびリブが溶融
材料の流路となり、ガスケット全体への樹脂流通を良好
なものとするため、ウェルドラインの発生のない良好な
ガスケットとなっている。
【0017】シリンジ30の外筒31は、図6に示すよ
うに、筒状体であり、先端には、先端が開口するととも
に先端に向かってテーパー状となっている注射針取付部
32が、後端には、一対のフランジ33が対向して設け
られている。また、注射針取付部32には、注射針35
が取り付けられている。注射針35としては、公知のも
のが使用される。また、外筒の先端部には注射針が直接
設けられていてもよい。また、注射針取付部の基端部の
外周面には、シールキャップ等の内周面に形成された取
付用雌ねじ部と螺合する取付用雄ねじ部38が形成され
ている。シールキャップは公知のものが使用される。ま
た、シールキャップとしては、両頭針の内針を直接挿通
可能なタイプであってもよい。プランジャー34は、断
面十字状の軸方向に延びる本体部と、本体部の先端に設
けられプランジャー取付用凹部2の後端部に設けられた
雌ねじ部19と螺合する雄ねじ部36と、雄ねじ部36
基端に設けられたガスケット支持用の円盤部と、後端部
に設けられた押圧用の円盤部と、本体部の途中に設けら
れた円盤部を備えている。
【0018】また、シリンジとしては、図7に示すシリ
ンジ40のように内部に薬剤を充填するとともに、注射
針取付部にシールキャップが取り付けられているプレフ
ィルドシリンジであってもよい。シリンジ40は、図7
に示すように、医療器具用ガスケット1と、ガスケット
1を液密状態にて摺動可能に収納するとともに先端部に
注射針取付部32を、後端部にフランジ33を備える外
筒31と、注射針取付部32に取り付けられたシールキ
ャップ42と、ガスケット1のプランジャー取付用凹部
2に先端部が取り付けられたプランジャー34と、ガス
ケット1の先端面(先端閉塞端外面4)と、外筒内面4
1とシールキャップ42との間に形成された薬剤収納部
43と、薬剤収納部43内に収納された薬剤44からな
る。
【0019】また、シールキャップ41と注射針取付部
32は、シールキャップ41の内周面に形成された雌ね
じ部45と注射針取付部32の雄ねじ部38とが螺合す
ることにより固定されている。なお、医療器具用ガスケ
ット1、外筒31、プランジャー34はシリンジ30と
同様である。シールキャップ42は、先端が閉塞したキ
ャップ本体部42aと、キャップ本体部42aの先端閉
塞面の下側部分に設けられたシール部材42bからな
る。また、シールキャップとしては、上述したように両
頭針を直接挿通可能なタイプを使用してもよい。また、
薬剤44としては、生理食塩水、高濃度塩化ナトリウム
注射液、ビタミン剤、ミネラル類、抗生物質などの薬
液、さらには、粉末状もしくは凍結乾燥薬剤が使用され
る。
【0020】そして、上述したすべての実施例におい
て、外筒31及びプランジャー34の構成材料として
は、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート等の硬質もしくは半硬
質樹脂を用いることが好ましい。また、本発明の医療器
具用ガスケット1は、シリンジ以外の医療器具に用いて
もよい。そのような医療器具としては、薬液注入器具な
どがある。
【0021】次に、医療器具に使用される医療器具用ガ
スケットの製造方法について図面に示す実施例を用いて
説明する。図8は、医療器具用ガスケットの製造方法に
使用されるガスケット成形用金型の縦断面図、図9は、
図8に示すガスケットの成形用金型のC−C線断面図で
ある。本発明の医療器具用ガスケット1の製造方法は、
ガスケット1の先端面および側面形状を形成するための
内面形状を有すると共に、ガスケット頂点部形成部分5
3に溶融射出成形材料流入ゲート54を備える第1の成
形用金型51と、ガスケット1の内面形状を形成すると
ともに第1の成形用金型51内に挿入される内面形成部
55とガスケットの後端面形成部56を備え、かつ内面
形成部55の先端面57の第1の成形用金型51の流入
ゲートに対応する位置に設けられた凹部58と凹部58
から放射状に延びかつ内面形成部55の側面59に到達
する複数の溝60を有する第2の成形用金型52とを備
えるガスケット成形用金型50を準備する工程と、第1
の成形用金型51内に第2の成形用金型52の内面形成
部55が挿入された状態とした後、溶融射出成形材料流
入ゲート54より溶融射出成形材料を流入する工程とを
備えるものである。なお、医療器具用ガスケット1は上
述したとおりである。
【0022】医療器具用ガスケット1の製造方法には、
以下のようなガスケット成形用金型50を準備する。ガ
スケット形成金型50の基本構成は、図8に示すよう
に、第1の成形用金型51と、第2の成形用金型52か
らなる。第1の成形用金型51のガスケット先端面形成
部の頂点部(ガスケット頂点部形成部53)には、溶融
射出形成材料流入ゲート54が形成されている。そし
て、流入ゲート54からは、溶融射出形成材料が第2の
成形用金型52の内面形成部55の先端面57の中心に
向かって射出されるものとなっている。第1の成型用金
型51は、ガスケットの外面に設けられる先端側の環状
リブ12aを形成するための環状溝62aを備える。さ
らに、第1の成型用金型51は、ガスケットの外面に設
けられる後端側の環状リブ12bを形成するための環状
溝62bを備える。先端側の環状リブ12aを形成する
ための環状溝62aの内面形状は、湾曲した形状となっ
ている。後端側の環状リブ12bを形成するための環状
溝62bの内面形状は、湾曲した形状となっている。
【0023】第2の成形用金型52の内面形成部55の
先端面57の中心(流入ゲートに対応する位置)には、
凹部58が形成され、凹部58から内面形成部55の側
面59まで複数の溝60が形成されている。凹部58
は、流入ゲート54から射出された溶融射出形成材料を
一旦受け止める樹脂だまり部分となっている。凹部58
は、射出された樹脂を確実に受け止められるように、先
端面57の中心から水平方向にある程度広く、また、あ
る程度の深さに形成されている。また、複数の溝60
は、凹部58にて一旦受け止められた溶融射出形成材料
を内面形成部55の側面59まで導く部分となってい
る。また、複数の溝60は、少なくとも3本以上設けら
れており、かつ、各溝60は、凹部58の中心に対して
ほぼ等角度となるように配置されていることが好まし
い。溝は、3〜12本形成されていることが好ましく、
特に、6〜8本が好ましい。この実施例では、溝60
は、6本形成されている。
【0024】このように形成することにより、射出され
た溶融射出形成材料は、複数の溝60を介して内面形成
部55の側面59からほぼ均等に流れ出るため、ガスケ
ット形成金型50内の後部側空間にほぼ均等に充填され
るものとなる。なお、本発明では各溝60は、それぞれ
凹部58の中心に対して等角度になるように形成されて
いるが、射出された樹脂がガスケット形成金型50内に
均等に充填するものであれば、全てが等角度に配置され
ていなくてもよい。また、溝60は、凹部58に対して
向かい合うように形成されていることが好ましい。特
に、向かい合う溝60が複数組設けられるとともに、各
溝は、凹部58の中心に対してそれぞれほぼ等角度とな
っていることが好ましい。つまり、4以上の偶数本の溝
を凹部の中心に対してそれぞれほぼ等角度となるように
配置することが好ましい。このようにすることにより、
より溶融材料の流通が良好なものとなる。
【0025】また、凹部58の底面は、内面形成部55
の中心軸に対してほぼ直交するように形成されている。
このように形成することにより、射出された溶融射出形
成材料は、凹部58の底面に対して垂直にあたるため第
2の成形用金型52の内面形成部(コアピン)55が左
右にぶれることがなく、また、溶融射出形成材料が溝に
分散される前に流速を十分に低下させ流動方向を制御し
やすくすることができる。また、各溝60は、内面形成
部55の側面59に向かうにしたがって幅が狭くなるよ
うに形成されている。このような構成により、凹部58
により低下した流速を再び適当に加速することができる
ため、樹脂密度の高いガスケットを作製することができ
る。
【0026】また、溝60および凹部58の側面61
は、内面形成部55の先端に向かって広がるように形成
された傾斜面となっている。言い換えると、溝60およ
び凹部58の側面61には、ガスケット形成金型50か
らガスケット1を取り外す際に破損しないように(ちぎ
れないように)、抜け勾配が形成されている。溝60お
よび凹部58の抜け勾配は、0.5°〜5°、特に、1
°〜2°であることが好ましい。 また、溝60の断面
形状は、略台形状となっている。溝60の深さとしては
溶融射出形成材料の流動方向を制御可能な深さがあれば
よく、1mm以上であることが好ましい。なお、溝60
の断面形状としては、半円形状、多角形状等であっても
よい。また、凹部58の深さも0.5〜5mmが好まし
く、特に、1〜2mmであることが好ましい。
【0027】また、凹部58は、第2の成形用金型52
の内面形成部先端面57の中心付近で交差する溝60の
交点により形成されるものであってもよい。また、ガス
ケット成形用金型50の溶融射出形成材料流入ゲート5
4から凹部58の底面までの距離は、ガスケット1の強
度等の製品形状を損なわず、かつ成形可能な厚みを保つ
範囲内でできるだけ近いことが好ましく、特に、1〜5
mmであることが好ましい。
【0028】そして、第2の成型用金型は、内面形成部
55の溝60底面の延長線が第1の成型用金型に設けら
れた先端側の環状リブを形成するための環状溝62aの
上部(言い換えれば、先端部)となるように構成されて
いる。これにより、溝60より流出した溶融材料は、確
実に環状溝の上部より流入するため、環状溝への溶融材
料充填不良が生じることがなく、環状溝により形成され
る環状リブ(ガスケットのシール性を担保する部分)に
ウェルドラインが形成されることを防止する。このた
め、形成されるガスケットは、摺動時における高い液密
性を備えるものとなる。また、溝60より流出した溶融
材料は、確実に先端側の環状溝に流入するため、金型内
の後端側空間に向かって良好に方向が変更される。ま
た、第2の成型用金型は、一体物に限定されるものでは
なく、例えば、内面形成部を構成するコアピンとその他
の部分を別部材としてもよい。
【0029】次に、第1の成形用金型51内に第2の成
形用金型52の内面形成部55が挿入された状態とした
後、溶融射出成形材料流入ゲート54より溶融射出成形
材料を流入する工程を説明する。図8に示すように、第
1の成形用金型51内に第2の成形用金型52の内面形
成部(コアピン)55を挿入した状態で、ガスケット成
形用金型50をあらかじめ加熱しておく。そして、加熱
して溶融状態となった溶融射出形成材料を流入ゲート5
4から内面形成部55の先端面57の中心に射出する
と、射出された溶融射出形成材料は凹部58に一旦受け
止められ、第1の成形用金型と第2の成形用金型の内面
形成部55の先端面57の間の空間に充填され、そし
て、方向転換されるとともに、複数の溝60にほぼ均等
に分流して側面59に向かって流れる。そして、各溝6
0より流出した溶融材料は、第1の成形用金型51と第
2の成形用金型52の内面形成部55の側面間の空間に
充填される。そして、溶融射出形成材料がガスケット成
形用金型50内に完全に充填された後、冷却し、ガスケ
ット形成金型50内からガスケット成形品を取り出す。
【0030】上述したようにガスケットを製造すること
により、ガスケット成形用金型内において、溶融射出形
成材料の流動方向及び流速が適切に制御されるため、ゲ
ート位置及びゲート点数が制限されていても、ガスケッ
ト成形品の形状及び機能を妨げることなく安定した品質
の医療器具用ガスケットを得ることができる。具体的に
は、ガスケットの環状リブなどのピーク面付近にウェル
ドラインが発生しにくくなり、流入ゲート付近のガスケ
ット頂点部付近に樹脂カスが生じにくいものとなる。
【0031】
【実施例】射出成形によって作製された実施例1、比較
例1、比較例2の医療器具用ガスケットを医療用注射器
に組み込み、液密性能試験を行った。 (実施例)図8に示すような内面形状を備えるガスケッ
ト成形用金型を用いて、図1ないし図5に示す形状を有
する医療器具用ガスケットを作製した。医療器具用ガス
ケットの形成材料としては、スチレン−エチレン−ブチ
レン−スチレンコポリマー(商品名ラバロン、三菱化学
株式会社製、メルトインデックス6)を用いた。作製し
たガスケットは、全長22.1mm、外径ピーク直径
(環状リブの外径)30.5mm、円錐状先端部の長さ
5.0mm、プランジャー取付用凹部の長さ(深さ)1
6.5mm、プランジャー取付用凹部の先端面の内径1
7.0mm、図2における突起部の最大直径(プランジ
ャー取付用凹部の先端面における直径)6.9mm、最
小直径(後端面の直径)6.5mm、6本のリブの直線
部分かつプランジャー取付用凹部の先端面における最大
幅17mm、最小幅(先端)2.15mm、6本のリブ
の直線部分かつ後端面における最大幅2.4mm、最小
幅(先端)1.0mmであった。
【0032】(比較例1)図12に示すガスケット成形
用金型70を用いて比較例1のガスケット65を作製し
た。ガスケット成形用金型70は、図8に示すガスケッ
ト成形用金型50と内面形成部形状73の先端面75の
形状のみ異なっている。具体的に先端面75は、ほぼ平
坦となっている。比較例1の医療器具用ガスケット65
は、図10,図11に示すように、ほぼ同一外径に延び
る筒状のガスケット本体部11と、ガスケット本体部1
1の先端を閉塞する先端閉塞端66と、ガスケット本体
部11の内部に設けられたプランジャー取付用凹部2
と、ガスケット本体部11の外周面の先端部及び後端部
付近に形成された環状リブ12とを備えている。そし
て、先端閉塞端66の内面67は、ほぼ平坦となってい
る。比較例1のガスケットの構成材料、外面形状及びガ
スケット内面形状の先端閉塞端内面を除く形状は、実施
例のガスケットと同様である。医療器具用ガスケットの
形成材料としては、スチレン−エチレン−ブチレン−ス
チレンコポリマー(商品名ラバロン、三菱化学株式会社
製、メルトインデックス6)を用いた。作製したガスケ
ットは、全長22.1mm、外径ピーク直径(環状リブ
の外径)30.5mm、円錐状先端部の長さ5.0m
m、プランジャー取付用凹部の長さ(深さ)16.5m
m、プランジャー取付用凹部の先端面の内径17.0m
mであった。
【0033】(比較例2)図15に示すガスケット成形
用金型90を用いて比較例2のガスケット80を作製し
た。ガスケット成形用金型90は、図8に示すガスケッ
ト成形用金型50と内面形成部形状93の先端面95の
形状のみ異なっている。具体的に先端面95には、中心
に半球状の凹部96が形成され、凹部96の周囲には環
状の凸部97が形成されている。また、凹部96及び環
状凸部97の周囲の先端面形状は、ほぼ平坦である。比
較例2であるガスケット80は、図13,図14に示す
ように、ほぼ同一外径に延びる筒状のガスケット本体部
11と、ガスケット本体部11の先端を閉塞する先端閉
塞端81と、ガスケット本体部11の内部に設けられた
プランジャー取付用凹部2と、ガスケット本体部11の
外周面の先端部及び後端部付近に形成された環状リブ1
2とを備えている。そして、先端閉塞端81の内面82
の中央部付近には、半球状の凸部84が形成されてお
り、凸部84の周囲には環状凹部85が形成されてい
る。比較例2の構成材料、外面形状及びガスケット内面
形状の先端閉塞端内面を除く形状は、実施例の医療器具
用ガスケットと同様である。医療器具用ガスケットの形
成材料としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチ
レンコポリマー(商品名ラバロン、三菱化学株式会社
製、メルトインデックス9)を用いた。作製したガスケ
ットは、全長22.1mm、外径ピーク直径(環状リブ
の外径)30.5mm、円錐状先端部の長さ5.0m
m、プランジャー取付用凹部の長さ(深さ)16.5m
m、プランジャー取付用凹部の先端面の内径17.0m
m、図13における凸部84の外径6.8mm、高さ
3.4mm、環状凹部の外径8.7mm、深さ1.1m
mであった。
【0034】(実験)実施例および比較例1および2の
ガスケットを用いて以下の実験を行った。ウェルドライ
ンの発生は、目視にて行った。また、液密性試験は、図
7に示すように、先端部をシールキャップで密封したシ
リンジの筒内(薬剤収納部)を水で満たしたものを用意
して、プランジャーに5kgfの荷重を加え、5分間静
置した後、ガスケット側面(ピーク面)等からの液漏れ
を確認することにより行った。結果は、表1に示す通り
であった。
【表1】 実施例1のガスケットにおいては、環状リブ付近にウェ
ルドラインの発生は確認できず、また、液密性能試験に
おいて液漏れは確認できなかった。一方、比較例1及び
比較例2のガスケットにおいては、環状リブ付近にウェ
ルドラインの発生が確認でき、また、液密性能試験にお
いては液漏れの発生が確認された。
【0035】
【発明の効果】本発明の医療器具用ガスケットは、射出
成形可能材料により射出成形された医療器具用ガスケッ
トであって、該医療器具用ガスケットは、先端閉塞端
と、該先端閉塞端外面の中心付近に設けられたガスケッ
ト頂点部と、後端から先端側に向かって延びるプランジ
ャー取付用凹部とを備えるとともに、前記ガスケット頂
点部が前記射出成形可能材料の溶融物流入ゲート位置と
なっており、さらに、前記先端閉塞端内面の前記ガスケ
ット頂点部と対応する位置に設けられた突起部と該突起
部より放射状に延びかつ前記プランジャー取付用凹部の
側面に到達する複数のリブからなる突出部とを備えてい
る。特に、本発明のガスケットは、先端閉塞端内面に突
起部と突起部の周縁から放射状に延びる複数のリブから
なる突出部を有するため、先端部は十分な強度を有す
る。さらに、ガスケット頂点部が射出成形可能材料の溶
融物流入ゲート位置となっているとともに、突起部と突
起部の周縁から放射状に延びる複数のリブからなる突出
部を有するため、成型時にこの突起部およびリブが溶融
材料の流路となり、ガスケット全体への樹脂流通を良好
なものとするため、ウェルドラインの発生のない良好な
ガスケットとなっている。
【0036】また、本発明のシリンジは、前記医療器具
用ガスケットと、該ガスケットを液密状態にて摺動可能
に収納するとともに先端部に注射針取付部もしくは注射
針を備える外筒と、前記ガスケットの前記プランジャー
取付用凹部に先端部が取り付けられたもしくは取付可能
なプランジャーとからなる。本発明のシリンジでは、上
述したガスケットを用いているので、液漏れがなく良好
に薬液を投与することができる。特に、あらかじめ薬液
を充填するプレフィルドシリンジに応用することによ
り、保存時、運搬時などの使用前の液漏れも防止するこ
とができる。
【0037】また、本発明の医療器具用ガスケットの製
造方法は、ガスケットの先端面および側面形状を形成す
るための内面形状を有すると共に、ガスケット頂点部形
成部分に溶融射出成形材料流入ゲートを備える第1の成
形用金型と、ガスケットの内面形状を形成するとともに
前記第1の成形用金型内に挿入される内面形成部とガス
ケットの後端面形成部を備え、かつ前記内面形成部の先
端面の前記第1の成形金型の流入ゲートに対応する位置
に設けられた凹部と該凹部から放射状に延びかつ該内面
形成部の側面に到達する複数の溝を有する第2の成形用
金型とを備えるガスケット形成金型を準備する工程と、
前記第1の成形金型内に前記第2の成形金型の前記内面
形成部が挿入された状態とした後、前記流入ゲートとよ
り溶融射出成形材料を流入する工程とを備える。このた
め、制限されたゲート位置及び点数に関わりなく、成形
品形状、機能を妨げることなく、かつ上述したような優
れた効果を備える医療器具用ガスケットを容易かつ確実
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例である医療器具用ガス
ケットの正面図である。
【図2】図2は、図1に示す医療器具用ガスケットの底
面図である。
【図3】図3は、図2に示す医療器具用ガスケットのA
−A線断面図である。
【図4】図4は、図2に示す医療器具用ガスケットのB
−B線断面図である。
【図5】図5は、図1に示す医療器具用ガスケットの平
面図である。
【図6】図6は、図1に示す医療器具用ガスケットを使
用したシリンジの一実施例の断面図である。
【図7】図7は、図1に示す医療器具用ガスケットを使
用したシリンジの他の実施例の断面図である。
【図8】図8は、医療器具用ガスケットの製造方法に使
用されるガスケット成形用金型の縦断面図である。
【図9】図9は、図8に示すガスケットの成形用金型の
C−C線断面図である。
【図10】図10は、従来タイプの一の実施例である医
療器具用ガスケットの底面図である。
【図11】図11は、図10に示す医療器具用ガスケッ
トの縦断面図である。
【図12】図12は、図10に示す医療器具用ガスケッ
トの製造方法に使用されるガスケット成形用金型の縦断
面図である。
【図13】図13は、従来タイプの他の実施例である医
療器具用ガスケットの底面図である。
【図14】図14は、図13に示す医療器具用ガスケッ
トの縦断面図である。
【図15】図15は、図13に示す医療器具用ガスケッ
トの製造方法に使用されるガスケット成形用金型の縦断
面図である。
【符号の説明】
1 医療器具用ガスケット 2 プランジャー取付用凹部 3 先端閉塞端 4 先端閉塞端外面 5 先端閉塞端内面 6 突出部 7 突起部 8 リブ 9 プランジャー取付用凹部の側面 21 ガスケット頂点部 30 シリンジ 50 ガスケット成形用金型 65,80 従来タイプの医療器具用ガスケット 70,90 従来タイプのガスケット成形用金型
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 一正 山梨県中巨摩郡昭和町築地新居1727番地の 1 テルモ株式会社内 Fターム(参考) 3J043 AA12 BA08 CA02 CB13 DA03 DA09 DA11 4C066 AA09 BB01 CC01 EE14 HH14 LL30 PP02 PP04 4F202 AG28 AH13 AH63 AM36 CA11 CB01 CK06 CK42

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形可能材料により射出成形された
    医療器具用ガスケットであって、該医療器具用ガスケッ
    トは、先端閉塞端と、該先端閉塞端外面の中心付近に設
    けられたガスケット頂点部と、後端から先端側に向かっ
    て延びるプランジャー取付用凹部とを備えるとともに、
    前記ガスケット頂点部が前記射出成形可能材料の溶融物
    流入ゲート位置となっており、さらに、前記先端閉塞端
    内面の前記ガスケット頂点部と対応する位置に設けられ
    た突起部と該突起部より放射状に延びかつ前記プランジ
    ャー取付用凹部の側面に到達する複数のリブからなる突
    出部とを備えていることを特徴とする医療器具用ガスケ
    ット。
  2. 【請求項2】 前記複数のリブは、前記突起部に対して
    向かい合うように形成されている請求項1に記載の医療
    器具用ガスケット。
  3. 【請求項3】 前記複数のリブは、少なくとも3本以上
    設けられており、かつ、各リブは、前記突起部の中心に
    対してほぼ等角度となるように配置されている請求項1
    に記載の医療器具用ガスケット。
  4. 【請求項4】 前記突出部は、前記プランジャーの中心
    軸に対してほぼ直交するように形成されている請求項1
    ないし3のいずれかに記載の医療器具用ガスケット。
  5. 【請求項5】 前記ガスケットは、先端部の外周面に環
    状リブを備え、前記先端閉塞端内面に設けられた前記リ
    ブの後端面は、該後端面の延長線が前記環状リブの上部
    となるように形成されている請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の医療器具用ガスケット。
  6. 【請求項6】 前記リブは、前記プランジャー取付用
    凹部の側面に向かうにしたがって幅が狭くなるように形
    成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の医療
    器具用ガスケット。
  7. 【請求項7】 前記リブおよび/または前記突起部は、
    前記ガスケットの後端側に向かって肉薄となるように形
    成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の医療
    器具用ガスケット。
  8. 【請求項8】 前記請求項1ないし7のいずれかに記載
    の医療器具用ガスケットを使用することを特徴とする医
    療器具。
  9. 【請求項9】 前記請求項1ないし7のいずれかに記載
    の医療器具用ガスケットと、該ガスケットを液密状態に
    て摺動可能に収納するとともに先端部に注射針取付部も
    しくは注射針を備える外筒と、前記ガスケットの前記プ
    ランジャー取付用凹部に先端部が取り付けられたもしく
    は取付可能なプランジャーとからなることを特徴とする
    シリンジ。
  10. 【請求項10】 前記請求項1ないし7のいずれかに記
    載の医療器具用ガスケットの製造方法であって、ガスケ
    ットの先端面および側面形状を形成するための内面形状
    を有すると共に、ガスケット頂点部形成部分に溶融射出
    成形材料流入ゲートを備える第1の成形用金型と、ガス
    ケットの内面形状を形成するとともに前記第1の成形用
    金型内に挿入される内面形成部とガスケットの後端面形
    成部を備え、かつ前記内面形成部の先端面の前記第1の
    成形用金型の流入ゲートに対応する位置に設けられた凹
    部と該凹部から放射状に延びかつ該内面形成部の側面に
    到達する複数の溝を有する第2の成形用金型とを備える
    ガスケット成形用金型を準備する工程と、前記第1の成
    形用金型内に前記第2の成形用金型の前記内面形成部が
    挿入された状態とした後、前記流入ゲートより溶融射出
    成形材料を流入する工程とを備えることを特徴とする医
    療器具用ガスケットの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記複数の溝は、前記突起部に対して
    向かい合うように形成されている請求項10に記載の医
    療器具用ガスケットの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記複数の溝は、少なくとも3本以上
    設けられており、かつ、各溝は、前記凹部の中心に対し
    てほぼ等角度となるように配置されている請求項10に
    記載の医療器具用ガスケットの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記凹部の底面は、前記内面形成部の
    中心軸に対してほぼ直交するように形成されている請求
    項10ないし12のいずれかに記載の医療器具用ガスケ
    ットの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記溝は、前記内面形成部の側面に
    向かうにしたがって幅が狭くなるように形成されている
    請求項10ないし13のいずれかに記載の医療器具用ガ
    スケットの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記溝および/または前記凹部の側面
    は、前記内面形成部の先端に向かって広がるように形成
    された傾斜面となっている請求項10ないし14のいず
    れかに記載の医療器具用ガスケットの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第1の成形用金型は、前記ガスケ
    ットの外面の先端部に環状リブを形成するための環状溝
    を備え、前記第2の成型用金型は、前記内面形成部の前
    記溝の底面の延長線が前記第1の成型用金型の前記環状
    溝の上部となるように構成されている請求項10ないし
    15のいずれかに記載の医療器具用ガスケットの製造方
    法。
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