JP7016315B2 - キャップ - Google Patents

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Description

本発明は、容器のキャップに関する。
特許文献1には、薬ボトルの密封キャップが開示されている。この密封キャップは、薬ボトルに連結されるキャップ部分と、キャップ部分の上壁を覆うカバー部品とを含む。カバー部品により密封キャップの開放が制限されるため、密封キャップが連結された薬ボトルは密封されている。
特許文献2には、輸液ボトル等のキャップが開示されている。このキャップは、キャップ部材と封止部材とを含む。キャップ部材は、輸液ボトルの頂部の形状に対応して形成されている。封止部材は、ゴム状の部材であり、キャップ部材の内面に設けられている。このキャップ部材で輸液ボトル等の頂部を覆うことで、輸液ボトルを封止する。輸液ボトルを使用する際には、キャップ部材の外側から針を差し込む。
このような特許文献1、2のキャップは、薬液等の入ったボトルを封止して、ボトル内の薬液がこぼれたり、汚染されたりするのを防ぐ。
中国実用新案第201791085号明細書 国際公開第2014/169929号
しかし、特許文献1、2のキャップは、単に薬液等の入ったボトルを密封するために設けられており、針を差し込んで引き抜いた後であっても、薬液がボトルからこぼれないようにする機能は有していない。よって、例えば、キャップに対して複数回の針の抜き差しが行われる場合、その過程において、抜き差しにより生じた孔からボトル内の溶液が漏れ出すおそれがある。そのため、針を抜き取った後でも、容器内の溶液がこぼれ出ない、止水性能を向上できるキャップが望まれている。
そこで、本発明は、止水性能を向上することができるキャップを提供することを目的とする。
本発明に係るキャップは、内部空間を有する筒状の側壁、及び当該側壁の軸方向の一端部を閉じる閉鎖壁を備え、前記閉鎖壁に少なくとも1つの貫通孔が形成された、キャップ本体と、前記貫通孔を塞ぐように前記キャップ本体に取り付けられている、弾性変形可能な栓と、を備え、前記栓は、前記貫通孔から前記内部空間側へ延び、針が差し込まれる第1部位と、前記第1部位の周囲に一体的に形成される第2部位と、を備え、前記第1部位と第2部位との間に段差が形成されるように、前記第1部位の周縁が、前記第2部位よりも前記内部空間側へ突出しており、前記第2部位は、前記段差から径方向外方に前記内部空間側へ延びる傾斜面を有している。
上記キャップによれば、次の効果を得ることができる。まず、針がキャップの貫通孔から露出する栓に刺し込まれると、栓には、概ねキャップ本体の軸方向に力が作用する。この針は、弾性変形可能な栓を径方向に押し広げること、及び栓からの反力も影響して、針から栓に作用する力は、概ね、キャップ本体の軸線方向に対して径方向外方に鋭角をなす方向に及ぶ。
そして、本発明の栓の第2部位は、第1部位の周囲で径方向外方に内部空間側へ延びる傾斜面を有している。すなわち、この傾斜面はキャップ本体の軸に対し、鋭角をなして延びているため、針による力の方向と概ね一致する。そのため、第1部位及び第2部位を合わせた、針からの力を受ける方向の長さを長くすることができ、針からの力をしっかりと受け止めることができる。これにより、栓全体の厚みを大きくすることなく、栓の軸方向の撓みを抑制することができるため、針を刺し込んだり、あるいは引き抜く際の力を低減することができる。
その一方で、第1部位と第2部位との間には、段差が形成されているため、第1部位は第2部位から切り離されて変形しやすくなっている。そのため、第1部位は、針が刺し込まれて径方向に押し広げられる程度には変形可能とすることができる。しかしながら、第1部位の周囲は変形が抑制される第2部位が配置されているため、針を刺し込んだとき、第1部位を径方向からしっかり受け止め、また抜いたときには、第1部位を径方向から強固に押圧するため、液漏れを防止することができる。
また、上記キャップは、キャップ本体及び栓という簡単な構成である。よって、部品点数を少なくしてキャップのコストを削減することができる。
上記キャップにおいて、前記キャップ本体の軸線からの、前記傾斜面の傾斜角度は、例えば、15°~60°とすることができる。
上記各キャップにおいて、前記閉鎖壁における前記内部空間側の面には、前記貫通孔の周囲を囲み、前記栓が収容される収容空間を規定する栓受け部を形成することができる。
このような栓受け部を設けることで、栓の径方向の変形の範囲を制限することができるため、特に、第2部位の変形をしっかりと抑制することができる。したがって、第2部位により囲まれた第1部位の変形も最小限にとどめることができ、上述した液漏れを防止することができる。
上記各キャップにおいて、前記キャップ本体の閉鎖壁には、前記貫通孔よりも小さい少なくとも1つの開口部を形成することができ、前記栓は、前記開口部にも栓の一部を埋め込むことができる。
このように、閉鎖壁に形成された開口部に栓を埋め込むと、栓と閉鎖壁との密着度を向上することができ、栓が閉鎖壁から離脱するのを防止することができる。また、キャップ本体に栓の材料を流し込んで射出成型する場合、開口部が空気孔となり、射出成型時に発生する空気を排出することができる。したがって、射出成形をスムーズに行うことができる。
上記各キャップにおいて、前記閉鎖壁には、複数の前記貫通孔を形成することができ、前記栓は、前記複数の貫通孔のすべてを塞ぐように一体的に形成することができる。
上記各キャップにおいて、前記第1部位における前記内部空間側の面には、前記貫通孔側に凹む凹部を有することができる。
上記各キャップにおいて、前記第1部位における前記内部空間側の面には、当該内部空間側に突出する凸部を有することができる。
上記各キャップにおいて、前記第1部位における前記内部空間側の面は、前記軸方向に直交する水平方向に沿った平端面を有することができる。
また、上記キャップにおいて、前記栓は、ショアA硬度を、20~50とすることができる。
本発明によれば、止水性能を有する容器のキャップを提供することができる。
本実施形態に係るキャップが取り付けられた輸液容器を示す模式図。 実施形態に係るキャップを上側から見た斜視図。 図2のキャップを下側から見た斜視図。 キャップ本体を上側から見た斜視図。 キャップ本体を上側から見た平面図。 図5のA-A線断面図。 図5のB-B線断面図。 キャップ本体を下から見た斜視。 キャップ本体を下からみた平面図。 図9のA-A線断面図において、キャップ本体に栓が嵌め込まれた様子を示す断面図。 図10の1つの栓を取り出した部分拡大図。 フィルムが溶着されたキャップを示す斜視図。 図10に示すキャップの断面図において、針が差し込まれるときの栓部のうち第1栓部の挙動を示す説明図。 投与の際の輸液容器及びキャップ。 傾斜角θが22.5°である場合において、針が差し込まれるときの栓部の挙動を示す説明図。 第1部位の厚みの定義を説明するための説明図。 第1部位の内部空間側の表面形状の変形例を示す断面図。 第1部位の内部空間側の表面形状の変形例を示す断面図。 比較例のキャップの断面図。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るキャップについて説明する。本実施形態に係るキャップは、例えば輸液バック及び輸液ボトルなどの輸液容器の封止に用いられる。図1は、本実施形態に係るキャップが取り付けられた輸液容器を示す模式図である。以下では、図1のほか、各図に示す方向を基準に説明を行うこととする。但し、この向きによって、本発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態に係るキャップ10は、例えば、生理食塩水及び薬液等が収容された輸液容器100に取り付けられる。輸液容器100は、薬液が収容される容器本体120と、この容器本体120の端部から突出するボトルヘッド110とを備えており、このボトルヘッド110にキャップ10が取り付けられる。以下では、まずキャップ10について説明し、その後、これを輸液容器100に取り付けた態様での使用方法について説明する。
<1.キャップ>
まず、本実施形態に係るキャップ10の構成について説明する。図2は、本実施形態に係るキャップを上側から見た斜視図、図3は、図2のキャップを下側から見た斜視図である。
図2及び図3に示すように、このキャップ10は、キャップ本体20と、キャップ本体20に取り付けられた栓部40とを備えている。キャップ本体20は、円筒状の側壁22と、この側壁22の軸方向の上側を閉じる上壁部(閉鎖壁)26とを備えており、この上壁部26に形成された一対の貫通孔、つまり第1及び第2貫通孔28L,28Rを塞ぐように、栓部40が嵌め込まれている。そして、この貫通孔28L,28Rから露出した栓部40L,40Rにおいて後述するように、針の抜き差しが行われる。以下、キャップ本体20と、栓部40とについてそれぞれ説明する。
(1)キャップ本体20 以下ではキャップ本体について、キャップ本体20の外観の構成と、キャップ本体20の内部空間S側の構成について分けて説明する。
(1-1)キャップ本体20の外観の構成
図4はキャップ本体を上側から見た斜視図、図5はキャップ本体を上側から見た平面図、図6は図5のA-A線断面図、図7は図5のB-B線断面図である。図4及び図5に示すように、キャップ本体20は、上下方向に延びる円筒状の側壁22と、この側壁22の軸方向の上端部を閉じる上壁部26と、を備えている。側壁22の下端部の外周面には、環状の縁部21が一体的に形成されており、側壁22から径方向外方に突出している。
図5に示すように、上壁部26は、円形状に形成されており、その上面には、上壁部26を二分する直線状の溝25が形成されている。この溝25は、上壁部26の中心を通過し、上壁部26の右前部から左後部に亘って斜めに延びており、前後方向の線(図5のB-B線)から例えば約10°~40°傾斜している。以下では、上壁部26において、溝25の左側の領域を第1上壁部26L、溝の右側の領域を第2上壁部26Rと称することとする。両上壁部26L,26Rは、上壁部26の中心を基準として点対称に構成されているため、以下では、第1上壁部26Lについてのみ説明し、第2上壁部26Rについては第1上壁部26Lの構成と同様であるので説明を省略する。
なお、本実施形態の図面において、左側の構成には添え字としてLを付し、左側の構成と対応する右側の構成には同じ符号番号を付し、添え字としてRを付している。また、明細書において、添え字L又はRを付さずに部材番号のみを付す場合には、左側及び右側の一組の構成要素を指すものとする。この点は、上壁部26以外の説明においても同様である。
(a)第1上壁部26L
第1上壁部26Lは、直線状の溝25と、円弧状に形成された上壁の外周縁とで囲まれた半円状に形成されており、円弧状の外周縁に沿って、上方にやや突出する外周壁24Lが形成されている。
図5等に示すように、第1上壁部26Lにおいて、上壁部26の中心と近接する位置には円形状の第1貫通孔28Lが形成されている。第1貫通孔28Lは、上壁部26を上下方向に貫通するように形成されており、キャップ本体20の内部空間Sと連通している。
また、第1貫通孔28Lは、キャップ10の外部から注射器の針を挿入可能な大きさに形成されている。そして、上述したように、この第1貫通孔28Lは、栓部40によって塞がれる。
さらに、第1上壁部26Lには、2つの開口部、つまり第1開口部30La、及び第2開口部30Lbが形成されている。第1開口部30Laは、第1貫通孔28Lよりも左側に配置されており、第2開口部30Lbは、第1貫通孔28Lよりも前側に配置されている。これら2つの開口部30La,30Lbは、いずれも第1貫通孔28Lよりも小径の円形状に形成されており、上壁部26を貫通し、内部空間Sと連結している。また、これら2つの開口部30La,30Lbは、製造工程における空気孔等として機能するが、後述するように、栓部40の一部が埋め込まれる。同様に、上壁部26の中心にも円形状の小径の中央開口部30cが形成されている。この中央開口部30cは、溝25の内部に形成されており、上壁部26を貫通して内部空間Sに通じている。この中央開口部30cにも栓部40の一部が埋め込まれる。
また、第1上壁部26Lには、複数の突部が形成されている。すなわち、第1上壁部26Lには、第1貫通孔28Lの周縁に形成された円形の突部38La、第1貫通孔28Lから間隔をおいて配置される円弧状の突部38Lb、及び溝25に沿って形成される直線状の突部38Lcが形成されている。これら突部38La,38Lb,38Lcには、後述するフィルム50が溶着される。
(b)縁部
上記のように、縁部21は、側壁22の下端部の外周面から突出するように環状に形成されている。より詳細には、図6及び図7に示すように、縁部21は、側壁22の外周面から径方向外方に延びる第1延在部211と、この第1延在部211の先端から下方に延びる第2延在部212とを備える、断面L字状に形成されている。そして、第2延在部212と、側壁22との間には、環状溝36が形成されている。この環状溝36は、後述するように、輸液容器100のボトルヘッド110を固定するために用いられる。
(1-2)キャップ本体20の内部空間S側の構成
次に、キャップ本体20の内部空間S側の構成について説明する。図8はキャップ本体を下から見た斜視図、図9はキャップ本体を下からみた平面図である。図8及び図9に示すように、内部空間Sに形成される構成は、図9に示すようにB-B切断線を基準にして反転対称である。よって、B-B切断線を基準にして左側の構成について以下に説明し、右側の構成については左側の構成と同様であるので説明を省略する。
図8及び図9に示すように、上壁部26の下面には、第1貫通孔28Lの周縁に沿って第1開口周壁33Lが形成されている。この第1開口周壁33Lは、上壁部26の下面からやや突出するように環状に形成されている。また、この第1開口周壁33Lの周囲には、間隔をおいて、円弧状の第1栓受け部31Lが形成されている。そして、第1開口周壁33Lと第1栓受け部31Lとの間には、上述した第1開口部30La及び第2開口部30Lbが形成されている。第1栓受け部31Lは、上壁部26の下面から下方に延びる壁面を有しており、この壁面は、第1開口周壁33Lよりも高くなっている。また、第1栓受け部31Lは全体として中心角が270°~300°程度の円弧状に形成され、その両端は、上壁部26の中心を通過し前後方向に延びるB-B線(以下、中心線という)上にある。そして、この第1栓受け部31Lにおける中心線側の両端部は、この第1栓受け部31Lと対称形である第2栓受け部31Rと一体的に連結されている。これにより、上壁部26の下面には、第1栓受け部31Lと第2栓受け部31Rとで囲まれた収容空間が形成され、この収容空間に、栓部40が配置される。
また、この収容空間内には、中心線に沿って、間仕切部34が形成されている。この間仕切部34は、中央開口部30cを挟んで分断された2つの部位によって形成されており、各部位が第1及び第2栓受け部31L,31Rの連結部分にそれぞれ、接続されている。間仕切部34は、収容空間を、第1栓受け部31L側と第2栓受け部31R側とに仕切るものであるが、図7に示すように、第1及び第2栓受け部31L,31Rとの連結部分から中央開口部30cに向かって、上壁部26からの高さが低くなっている。そのため、収容空間は、間仕切部34よりも下方において、第1栓受け部31L側と第2栓受け部31R側とが連通している。
(2)栓部40
次に、栓部40について、図10及び図11を参照しつつ説明する。図10は図9のA-A線断面図において、キャップ本体に栓が嵌め込まれた様子を示す断面図、図11は、図10の1つの栓を取り出した部分拡大図である。図10及び図11に示すように、栓部40は、キャップ本体20の収容空間に収容されるものであるが、中心線を挟んで左側の第1栓受け部31Lに配置される第1栓部40Lと、右側の第2栓受け部31Rに配置される第2栓部40Rとで構成されている。但し、これら各栓部40L,40Rは対称形であるため、以下では、左側の第1栓部40Lについてのみ以下に説明し、右側の第2栓部40Rについては説明を省略する。
第1栓部40Lは、円柱状の第1部位41Lと、この第1部位41Lの周囲に配置される第2部位42Lとを含む。第1部位41L及び第2部位42Lは、同一材料により一体に成形されているが、説明の便宜のため、以下の図面ではこれらを色分けして説明することがある。また、図10では、第1部位41Lと第2部位42Lとの境界Dを破線で示している。
第1部位41Lは、第1開口周壁33Lの内部から下方に延びるように円柱状に形成されており、この第1部位41Lから注射器等の針が差し込まれる。具体的には、図10、図11に示すように、第1部位41Lの上面41Laが第1貫通孔28Lから露出しており、この露出部分に注射器等の針が差し込まれる。そのため、第1部位41Lの上面41Laの中央には、凹部P0が形成されており、この凹部P0を目印として針が差し込まれる。この凹部P0は、第1貫通孔28Lの概ね中心部に形成されている。一方、第1部位41Lの下面41Lbは、上方に凹む球面状になっている。
第2部位42Lは、第1部位41Lの周囲に連続しており、第1栓受け部31Lに沿って延びている。すなわち、第1栓受け部31Lの内壁面に沿うように、概ね環状に形成されている。よって、第2部位42Lは、少なくとも径方向において第1栓受け部31Lによって支持される。また、第1部位41Lが内部空間S側へ突出することにより、第1部位41Lと第2部位42Lとの境界には段差Eが形成されている。第2部位42Lは、この段差Eから径方向外方に向かって下方に延びる傾斜面421Lと、傾斜面421Lの下端部から径方向外方へ向かって第1栓受け部31Lの内壁まで延びる平坦部422Lとを備えている。ここで、第2部位42Lの径方向内方の基端部(段差Eの最深部)と、第1部位41Lの下面において最も凹んだ中央部分とは、上壁部26Lからの距離が概ね同じとなっている。その一方で、第1部位41Lの下面は球面状に凹んでいるため、径方向外方にいくにしたがって下方に突出しており、最も凹んだ中央部分と、周縁部との高さの差は、ΔKである。これにより、第1部位41Lの厚みを確保して第1部位41Lの強度を高めることができる。
また、第2部位42Lの傾斜面421Lは、凹部P0から上下方向に延びる線を鉛直線Gとすると、この鉛直線Gに対して鋭角の傾斜角θで延びており、この傾斜面421Lの径方向外方の端部は上述した平坦部422Lに連結されている。また、この傾斜面421Lに沿って延びる斜線Hは、凹部P0を通過する。そして、この平坦部422Lの上壁部26Lからの距離は、上壁部26Lから第1部位41Lの下端までの距離よりも大きくなっている。すなわち、第2部位42Lの径方向外方の端縁は、第1部位41Lよりも下側に配置されている。なお、傾斜面421Lの傾斜角θは、15°~60°であることが好ましく、20~55°であることがさらに好ましく、40~50°であることが特に好ましい。
また、この第2部位42Lの平坦部422Lのうち、第1栓部40Lと第2栓部40Rとの境界部分は、第2栓部40Rの平坦部422Rと共有されている。
(3)キャップ本体20及び栓部40の材料
上記のキャップ本体20の材料としては、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン等の材料が挙げられる。また、栓部40の材料としては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等の材料が挙げられる。栓部40に用いられる材料の硬度としては、例えば、JIS-K6253に準拠したショアA硬度が20以上50以下であるのが好ましい。
<2.キャップへのフィルムの取付け>
続いて、上記のキャップ10へのフィルム50の取付けについて説明する。図12は、フィルムが溶着されたキャップを示す斜視図である。
まず、上記キャップ10には、図12に示すように、上壁部26には、薄膜のフィルム50が取り外し可能に取り付けられている。上述したように、このフィルム50は、上壁部26に設けられた複数の突部38La,38Lb,38Lc,38Ra,38Rb,38Rc(図5等参照)に溶着される。このようなフィルム50を溶着することで、上壁部26の各貫通孔28L,28Rから露出している栓部40が、塵、埃及び細菌等により汚染されるのを抑制できる。また、フィルム50には、前述の溝25と対応する位置に沿って破断可能なスリット51が形成されている。したがって、輸液容器100を使用する際には、例えば、フィルム50において、使用する側の栓部40L,40Rに対応した部分を剥がすと、フィルム50は突部38La,38Lb,38Lc又は38Ra,38Rb,38Rcから離脱するとともに、スリット51に沿って切断される。これにより、一方の栓部40L,40Rのみを露出させることができる。
<3.針の差し込みによる栓の挙動>
次に、注射器等の針が差し込まれるときの第1栓部40Lの挙動について、図13を参照しつつ説明する。図13は図10に示すキャップの断面図において、針が差し込まれるときの栓部のうち第1栓部40Lの挙動を示す説明図である。
図13に示すように、第1栓部40Lには、第1部位41Lの凹部P0を概ねの起点として、鉛直線Gに沿って針が差し込まれている。このとき、凹部P0には、概ね上下方向に矢印の向きに沿って針からの力Fが加わっている。また、この力Fは、針が両栓部40L,40Rを径方向外方へ水平方向に押し広げることから、水平方向にも及ぶ。そのため、この針からの力Fは、水平方向へ及ぶ力、及び栓部40からの反力の影響から、概ね、鉛直線Gに対して径方向外方へ傾斜角αをなす鋭角方向に、力Faとして伝わる。なお、この傾斜角αは、本実施形態のような医療用のキャップで用いられる栓部40であれば、概ね15°~60°の範囲内が好ましいが、図13では力Fが伝わる最も典型的なものとして、傾斜角αを45°として記載している。
上記のように、第1栓部40Lの第2部位42Lの傾斜面421Lは鉛直線Gに対して傾斜角θで径方向外方へ下方に延びているため、この傾斜角θは上述した力Faの伝達される方向である傾斜角αと概ね一致する。さらに、傾斜面421Lに沿って延びる斜線Hは、針が刺し込まれる凹部P0を通過するため、第1部位41L及び第2部位42Lを合わせて、針からの力Faを受ける方向の長さを長くすることができ、針からの力Faをしっかりと受け止めることができる。これにより、栓部40全体の厚みを大きくすることなく、栓部40の軸方向の撓みを抑制することができるため、針を刺し込んだり、あるいは引き抜く際の力を低減することができる。
その一方で、第1部位41Lと第2部位42Lとの間には、段差Eが形成されているため、第1部位41Lは第2部位42Lから切り離されて変形しやすくなっている。そのため、第1部位41Lは、針が刺し込まれて径方向に押し広げられる程度には変形可能とすることができる。しかしながら、第1部位41Lは、第1栓受け部31Lによって変形が抑制される第2部位42Lによって支持されているため、針を刺し込んだとき、あるいは抜いたときには、第1部位41Lを径方向から強固に押圧するため、液漏れを防止することができる。
なお、輸液容器100を使用する場合には、例えば一方の第1栓部40Lは薬液の輸液容器100内への注入のために、薬液等の入った注射器の針が抜き差しされる。また、他方の栓部40Rは、チューブ101が接続された針が挿入されて輸液容器100内の溶液を患者に投与するために用いられる。投与の際には、輸液容器100は通常、図14に示すようにスタンド200等に吊り下げられる。この状態では、キャップ10は輸液容器100の下部に位置し、キャップ10の栓部40が輸液容器100内の溶液によって押圧される。このような場合でも、本実施形態の構成によれば、針が差し込まれて抜かれることで生じた第1部位41Lの孔は塞がっているため、輸液容器100内の溶液がこぼれることを抑制できる。
上記では、左側の第1栓部40Lを中心に説明したが、右側の第2栓部40Rも左側の第1栓部40Lと対称の構成であるので、同様の作用効果を奏する。
なお、本実施形態に係るキャップ10は、種々の製造方法で製造することができるが、キャップ本体20と栓部40とを二色成形により形成することができる。
<4.特徴>
<4-1>
以上の通り、本実施形態に係るキャップでは、針の抜き差しに係る力を低減でき、また、その際の液体の漏洩を防止することができる。
<4-2>
上記実施形態のキャップ10は、キャップ本体20及び栓部40という簡単な構成である。よって、上記のように栓部40の構造により止水性能を向上させつつも、部品点数を少なくしてキャップ10のコストを削減することができる。
<4-3>
上記実施形態では、図11に示すように、第1部位41と第2部位42との境界Dから、第1部位41が第2部位42よりも内部空間S側に突出しているため、第1部位41の厚みを確保して第1部位41の強度を向上できる。その一方で、第1部位41の下面には、球面状の凹部が形成されているため、針が刺し込まれる部分の厚みを小さくしている。そのため、強度を確保しつつ、針を刺し込みやすくすることができる。
<4-4>
上記実施形態では、栓部40を鉛直線Gを基準として概ね対称に構成している。これにより、第1部位41に針が差し込まれた時の力が概ね均等に栓部40全体にかかり分散される。よって、不均一な力がかかることによる栓部40の撓みを抑制できる。結果として、第1部位41に差した針を抜いた場合、小さな戻りで針の差し込みよって生じた孔が塞がり、止水性能を向上できる。
<4-5>
上記実施形態では、上壁部26に形成された開口部30(30La,30Lb,30Ra,30Rb,30c)に、栓部40の一部が入り込んでいる。よって、栓部40とキャップ本体20との接触面積が大きくなり密着度を向上できるため、栓部40とキャップ本体20との結合強度を大きくできる。これにより、栓部40に針を抜き差しする場合に、栓部40がキャップ本体20から外れるのを抑制できる。また、例えば、キャップ本体20に栓部40の材料を流し込んで射出成型する場合に、これら開口部30を空気孔として利用することができ、射出成型時に発生する空気を排出することができる。
<4-6>
上記実施形態では、栓受け部31内に栓部40が収容されることで、栓受け部31と栓部40との接触により、栓部40が栓受け部31内にしっかりと固定される。よって、栓部40に注射器等の針を差し込んでも、栓部40がキャップ本体20から外れるのを抑制できる。また、栓受け部31により栓部40の水平方向の変形を制限できるため、上述した漏洩防止効果を向上することができる。
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<5-1>
上記実施形態では、図13に示すように、第2部位42の傾斜面421は、断面視において、鉛直線Gに対して傾斜角θが45°を有する斜線Hに沿って延びている。しかし、上記の通り、傾斜角θは、15°~60°の範囲のいずれかの角度であり、例えば傾斜角θが22.5°であってもよい。図15は、傾斜角θが22.5°である場合において、針が差し込まれるときの栓部40の挙動を示す説明図である。図15では、左側の第1栓部40Lの第2部位42Lが、断面視において、鉛直線Gに対して傾斜角θが22.5°を有する傾斜面421Lを有している。但し、この傾斜面421Lを延長した斜線Hは、上壁部26の中央の凹部P0を通過していない。したがって、傾斜面421Lを延長した斜線Hは、上壁部26の中央の凹部P0を必ずしも通過していなくてもよいが、それに近い位置を通過することが好ましい。
そして、図15における例においても、上記実施形態と概ね同様の作用効果を得ることができる。なお、右側の第2栓部40Rについても同様の作用効果を得ることができる。
<5-2>
上記実施形態では、図11の破線で示される境界Dにおいて、第1部位41が第2部位42よりも内部空間S側に突出することで、第1部位41と第2部位42とにより段差Eが形成されている。しかし、第1部位41と第2部位42とに段差Eが形成されればよく、例えば第1部位41の厚みは次のように定義できる。図16は、第1部位41の厚みの定義を説明するための説明図である。
図16の断面視において、第2部位42Lの傾斜面421Lは、鉛直線Gに対して傾斜角θが例えば45°を有する斜線Hに沿って延びている。ここで、斜線Hに沿った第2部位42Lの端部を点Paとする。第1部位41Lの上下方向の厚みW41は、凹部P0と点Paとを結ぶ線分Rpaを半径とする円弧Jの範囲内にある。
上記構成の場合、針の第1栓部40Lへの差し込みのときにかかる力Faの方向、つまり線分Rpaが延びる方向において、第1栓部40Lの厚みが最大となる。よって、針が第1栓部40Lに差し込まれていくときにかかる力Faの方向において構造的に第1栓部40Lの強度が大きく、第1栓部40Lの撓みを抑制できる。針の差し込みによる大きな変形が抑制されるため、第1部位41Lから針を抜いた場合、小さな戻りで針の差し込みによって生じた孔が塞がる。結果として、キャップ10の第1栓部40Lが輸液容器100内部の溶液によって押圧されても、輸液容器100内の溶液がこぼれるのを抑制し、止水性能を向上できる。上記では第1栓部40Lについて説明したが、第2栓部40Rについても同様なことが適用できる。
なお、第1部位41Lが、上記線分Rpaを半径とする円弧Jの外に位置すると仮定する。この場合、最大の厚みW41は、第1部位41Lの凹部P0と第1部位41Lのキャップ本体内部に面する下面41Lbとの距離となる。この場合、針の第1栓部40Lへの差し込みのときにかかる力の方向において第1栓部40Lの厚みが最大とならず、前述のような第1栓部40Lの撓みの抑制を達成できない。そのため、針の差し込みによって生じた孔が完全に塞がらないか、あるいは孔が塞がるのに時間がかかる。結果として、キャップ10の第1栓部40Lが輸液容器100内部の溶液によって押圧され、孔から輸液容器100内の溶液がこぼれてしまう。
<5-3>
上記実施形態では、図11に示すように、第1部位41Lの下面41Lbは、貫通孔28側に凸となるように凹んでいるが、下面41Lbの形状はこれに限定されない。図17及び図18は、第1部位の内部空間側の表面形状の変形例を示す断面図である。上記では第1栓部40Lについて説明したが、第2栓部40Rについても同様なことが適用できる。
図17に示すように、第1部位41Lの下面41Lbは、水平方向に平坦であってもよい。また、図18に示すように、図11とは逆に、第1部位41Lの下面41Lbが内部空間S側へ凸となるように突出してもよい。特に、図18の形状によると、第1部位41Lの突出した部分が、輸液容器100内の溶液から水圧を受けて、針の抜き差しにより生じた孔が閉じる方向に力が働くため好ましい。上記では第1栓部40Lについて説明したが、第2栓部40Rについても同様なことが適用できる。
<5-4>
上記実施形態では、図2等に示すように、キャップ本体20には2つの貫通孔28L,28Rが形成されており、それぞれ栓部40L,40Rが嵌め込まれている。しかし、キャップ本体20の貫通孔28L、28R及び栓部40の数は2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
<5-5>
上記実施形態では、容器として輸液容器100を例に挙げて説明した。しかし、容器はこれに限定されず、キャップから針を刺し込んで、液体を注入、または注出可能なものであれば、特には限定されない。
<5-6>
上記実施形態では、キャップ本体20の側壁22の上側に縁部21が設けられている。しかし、キャップ本体20を輸液容器100のボトルヘッド110に嵌め込んで固定可能であれば、縁部21は必ずしも必要ではない。
<5-7>
上記実施形態では、図2等に示すように、貫通孔28L、及び28R及び栓部40は、円形状の上壁部26の中心を基準に対称に位置されている。しかし、貫通孔28の位置は特には限定されず、それに合わせて栓部40を配置すればよい。
また、上記実施形態では、図2等に示すように、貫通孔28L、及び28R及び栓部40の大きさは同程度であるが、これに限定されず、異なる大きさであってもよい。
<5-8>
上記実施形態では、図11に示すように、第1部位41Lの下面41Lbの最も凹んだ点と、段差Eの最も凹んだ点とは概ね一致しているが、これに限定されない。例えば、下面41Lbの最も凹んだ点は、段差Eの最も凹んだ点よりも内部空間S側に位置してもよい。あるいは、下面41Lbの最も凹んだ点は、段差Eの最も凹んだ点よりも第1貫通孔28L側に位置してもよい。
<5-9>
上記実施形態では、キャップ本体20は円筒形状である。しかし、キャップ本体20の形状はこれに限定されず、例えば立方体状、直方体状、多角柱状、楕円形状など多様な形状であってもよい。
<5-10>
上記実施形態では、図2等に示すように、貫通孔28L、28Rは平面視において円形状であるが、これに限定されない。貫通孔28L、28Rは、例えば正方形状、長方形状、多角形状及び楕円形状などのその他の形状であってもよい。ただし、貫通孔28L、28Rが平面視において円形状である場合に、栓部40の製造過程において栓部40の対称性を確保し易いので好ましい。
<5-11>
上記実施形態では、図2等に示すように、各貫通孔に配置される栓部40は平面視において概ね円形状に形成されるが、これに限定されない。栓部40は、例えば正方形状、長方形状、多角形状及び楕円形状などのその他の形状であってもよい。また、図8等の栓受け部31L、31Rの形状も栓部40に応じて多様に変形可能である。ただし、栓部40及び栓受け部31L、31Rが平面視において円形状である場合は、栓部40の製造過程において栓部40の対称性を確保し易いので好ましい。また、栓部40を射出成型する場合に、栓部40の中心付近から金型に材料を注入し、金型内に均等に材料を注入でき好ましい。
<5-12>
上記実施形態では、図9等に示すように、上壁部26に5個の開口部を形成しているが、開口部30(30La,30Lb,30Ra,30Rb,30c)の数はこれに限定されず、適宜変更可能である。また、開口部30は必ずしも設けなくてもよい。
<5-13>
上記実施形態では、栓部40の第1部位41及び第2部位42は、同一材料により一体に成形されている。しかし、栓部40を複数の材料で形成することも可能である。例えば、第1部位41及び第2部位42を全て異なる材料で形成してもよい。
<5-14>
上記実施形態では、栓部40は、第1栓受け部31Lと第2栓受け部31Rとで囲まれたキャップ本体20の収容空間に嵌め込まれている。この栓部40は、キャップ本体20の収容空間に対応した金型に材料が流し込まれることによって形成されてもよいし、あるいは、予め形成された栓部40が収容空間に嵌め込まれてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
1.実施例
実施例として、断面視が図11及び図12で示されるキャップ10を用いた。キャップ本体20はポリエチレンを用い、栓部40は熱可塑性エラストマーを用いて製作した。
2.比較例
比較例として、断面視が図19で示されるキャップ300を用いた。図19は、比較例のキャップの断面図である。図19のキャップ300は、キャップ本体70と、キャップ本体70に収容された栓部75とを有する。栓部75は針が差し込まれる第1部位75aと、第1部位75aの周囲の第2部位75bとを有する。第1部位75aは、第2部位75bから凹んでおり、凹部を形成している。第2部位75bの外周面はキャップ本体70の内壁面に接している。また、第2部位75bの下端部は径方向外方に水平方向に延び、キャップ本体70に隣接する隣接部分80を構成している。そして、第2部位の下端面は、栓部75の上面の中央部P0を通過する鉛直線Gに対して直交する直線Kの方向に延び、この直線Kは、隣接部分80の端部P80を通過している。そのため、鉛直線Gと直線Kとの成す角θkは、約90°に近く鈍角に近似される。キャップ本体70はポリエチレンを用い、栓部75は熱可塑性エラストマーを用いて製作した。
3.評価項目
3.1針刺し貫通力
栓への針の挿入速度200mm/minでの貫通力を測定した。
3.2針保持力
針の抜去速度200mm/minでの針保持力を測定した。
3.3止水性
針を抜いた後の漏出量(滴下量)を観測した。
測定結果を以下の表1に示す。
Figure 0007016315000001
4.結果
以上の結果から、針刺し貫通力に関しては、実施例は比較例に比べて低い。よって、針が容易に栓部40に差し込めることが分かる。この点については、以下のように考えられる。まず、比較例では、栓部75の第1部位75aの凹部P0に針が差し込まれると、鉛直線Gを中心として中央部P0から概ね45°の方向に力が伝達される。これに対して、第2部位75bの下面の延びる方向(直線Kの方向)は、中央部P0を通過しておらず、鉛直線Gに対して概ね90°の方向に延びている。よって、比較例では、針からの力が伝達される方向に対して第2部位75bの下面が延びておらず、針からの力をしっかりと受け止めるだけの厚みが不十分であると考えられる。また、栓部75は、針が差し込まれる第1部位75aは、その周囲の第2部位75bよりも凹んでおり、厚みが小さい。よって、針からの力を受けると、栓部75全体として大きく撓み、針刺しに要する貫通力が大きくなる。一方、実施例では、上記の通り、針からの力が伝達される方向に対して第2部位42の下面が延びており、針からの力をしっかりと受け止めることができる。よって、実施例では栓部40の撓みが小さく、針刺し貫通力が小さい。
また、針保持力に関しては、実施例は比較例に比べて低い。ただし、実施例においては、針保持力(N)はMINにおいて19.4Nであり、中国の医薬品用包装資材関係国家標準規格YBBの5N以上(樹脂針)又は1N以上(金属針)を超えている。よって、実施例では、針保持力は高い一方、使用者が針を容易に抜くことができ好ましいことが分かった。比較例では、上述した通り、栓部75は針が差し込まれると大きく撓むため、針を引き抜くのにも力がかかり、針保持力が高くなっている。一方、実施例では、栓部40は針が差し込まれたときの撓みが小さいため、針を差し込むときだけでなく、針を引き抜くときの力も小さく針保持力が小さくなっている。
さらに、止水性に関しては、実施例では針を抜いた後の漏れがほとんどないのに対して、比較例では漏れが非常に多い。よって、実験例では止水性能に優れていることが分かった。比較例では、針の抜き差しによって栓部75が大きく撓むため、針が引き抜かれた後に、針により形成された孔が完全に塞がっておらず、止水性能が低い。一方、実施例では、針の抜き差しによる栓部40の撓みが小さいため、針が引き抜かれた後に、針により形成された孔が即座に塞がり止水性能が優れている。
以上より、本発明のキャップは、針刺し貫通力、針保持力及び止水性能において比較例よりも優れていることが分かった。
10:キャップ、20:キャップ本体、21:縁部、22:側壁、
24L:外周壁、25:溝、26:上壁部、26L:第1上壁部、
26R:第2上壁部、28:貫通孔、28L:第1貫通孔、
28R:第2貫通孔、30:開口部、30La:第1開口部、
30Lb:第2開口部、30c:中央開口部、31:栓受け部、
31L:第1栓受け部、31R:第2栓受け部、33L:第1開口周壁、
34:間仕切部、36:環状溝、38La:突部、38Lb:突部、
38Lc:突部、38Ra:突部、38Rb:突部、38Rc:突部、
40:栓部、40L:第1栓部、40R:第2栓部、41:第1部位、
41L:第1部位、41R:第1部位、41La:上面、
41Lb:下面、42:第2部位、42L:第2部位、
42R:第2部位、50:フィルム、51:スリット、
70:キャップ本体、75:栓部、75a:第1部位、
75b:第2部位、80:隣接部分、100:輸液容器、
101:チューブ、110:ボトルヘッド、110a:縁部、
120:容器本体、200:スタンド、211:第1延在部、
212:第2延在部、300:キャップ、421:傾斜面、
421L:傾斜面、422L:平坦部、D :境界、
E:段差、F:力、Fa:力、G:鉛直線、H:斜線、
J:円弧、L:断面、L:添え字、P0:中央部、
P0:凹部、P80:端部、Rpa:線分、
S:内部空間、W41:厚み、α:傾斜角、
θ:傾斜角、θk:角

Claims (8)

  1. 内部空間を有する筒状の側壁、及び当該側壁の軸方向の一端部を閉じる閉鎖壁を備え、前記閉鎖壁に少なくとも1つの貫通孔が形成された、キャップ本体と、
    前記貫通孔を塞ぐように前記キャップ本体に取り付けられている、弾性変形可能な栓と、
    を備え、
    前記栓は、
    前記貫通孔から前記内部空間側へ延び、針が差し込まれる第1部位と、
    前記第1部位の周囲に一体的に形成される第2部位と、
    を備え、
    前記第1部位と第2部位との間に段差が形成されるように、前記第1部位の周縁が、前記第2部位よりも前記内部空間側へ突出しており、
    前記第2部位は、前記段差から径方向外方に前記内部空間側へ延びる傾斜面を有し、
    前記キャップ本体の閉鎖壁には、前記貫通孔よりも小さい少なくとも1つの開口部が形成されており、前記栓の弾性変形可能な材料が、前記開口部にも取り付けられている、キャップ。
  2. 前記キャップ本体の軸線からの、前記傾斜面の傾斜角度が、15°~60°である、請求項1に記載のキャップ。
  3. 前記閉鎖壁における前記内部空間側の面には、前記貫通孔の周囲を囲み、前記栓が収容される収容空間を規定する栓受け部が形成されている、請求項1または2に記載のキャップ。
  4. 前記閉鎖壁には、複数の前記貫通孔が形成されており、
    前記栓は、前記複数の貫通孔のすべてを塞ぐように一体的に形成されている、請求項1からのいずれかに記載のキャップ。
  5. 前記第1部位における前記内部空間側の面は、前記貫通孔側に凹む凹部を有している、請求項1からのいずれかに記載のキャップ。
  6. 前記第1部位における前記内部空間側の面は、当該内部空間側に突出する凸部を有している、請求項1からのいずれかに記載のキャップ。
  7. 前記第1部位における前記内部空間側の面は、前記軸方向に直交する水平方向に沿った平端面を有している、請求項1からのいずれかに記載のキャップ。
  8. 前記栓のショアA硬度が、20~50である、請求項1からのいずれかに記載のキャップ。
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