JP5824200B2 - プレフィルドシリンジ - Google Patents

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Description

本発明は、予め薬液が充填されたプレフィルドシリンジに関する。
プレフィルドシリンジとしては、プランジャがガスケットに装着されておらず、使用時に装着するタイプのものと、プランジャが予めガスケットに装着されたタイプのものがある。
プランジャがガスケットに装着されているタイプのプレフィルドシリンジは、先端開口がシールされた外筒内に薬剤を充填した状態とし、減圧下雰囲気(真空下雰囲気)にて、ガスケットを外筒の開口部に配置し、その後、常圧状態とすることにより、ガスケットを外筒内に挿入させるといういわゆる真空打栓といわれる方法を用いてガスケットを挿入した後、プランジャをガスケットに装着することにより製造されている。プランジャが装着済みでは、外筒の開口部へのガスケットの配置が困難であるため、ガスケット単体にて上記の打栓作業が行われる。このため、プレフィルドシリンジとしては、その後のプランジャ装着作業を必要とするのが一般的である。また、プランジャがガスケットに装着されていないタイプのプレフィルドシリンジでは、使用時に使用者がプランジャをガスケットに装着する作業を行うものとなる。
そして、プランジャのガスケットへの装着時に、プランジャをガスケットに圧入して装着すると、その圧力でガスケットまたは外筒のノズルから薬液が漏出することがある。そのため、プレフィルドシリンジでは、ガスケットとプランジャの結合形態として、ガスケット側に雌ねじをプランジャ側に雄ねじを設けた螺合によるものが多く用いられている。
また、プレフィルドシリンジは、シリンジポンプに装着されて使用されるケースも多い。シリンジポンプへのプレフィルドシリンジのセットは、例えば、外筒の基端部に設けられているフランジをシリンジポンプのホルダーに装着し、プランジャの基端に設けられている円盤部をシリンジポンプのスライダーの固定溝に装着する。そして、シリンジポンプの機種の中には、スライダーにプランジャの軸方向リブを係合させるための縦スリットを有するものがあり、このような機種に対しては、スライダーの縦スリットにプランジャのリブを適合させるためにプランジャを回転させて微調整することが必要となる。上述したような、螺合によりプランジャがガスケットに装着させるタイプのものでは、上記のプランジャの回転操作により、両者の螺合が緩む場合がある。
そして、国際公開WO2006/087762(特許文献1)には、ルアーテーパー部5が形成されたバレル2の内部を摺動自在に閉塞すると共に内周側に空洞部10を備えるガスケット3と、プランジャロッド4とを備え、プランジャロッド4は錨部11を介してガスケット3に連結される。錨部11は、プランジャロッド4の軸方向に直交する面に対して5〜45°の角度で傾いたテーパー面からなる台座部18から突出して形成されて、ガスケット3先端の裏面側に当接する先端当接部22を備えると共に、外周側に遊嵌されガスケット3の内周壁に当接する当接部材12を備える。台座部18は先端当接部22と前記テーパー面との間に凹曲面20を備え、当接部材12は、凹曲面20に対向する部分に凸曲面28aを備え、バレル2は、内面側に螺条7を形成したロック筒6を備えるものが提案されている。
また、特開2008−307237(特許文献2)では、内部に薬液が充填され、ガスケットが打栓されたプレフィルドシリンジであって、前記ガスケットの基端に螺合するカプラーと、前記カプラーの基端側より連結されるボトムロッドと、前記カプラーに形成されたストッパーと、前記ボトムロッドに形成された、前記ボトムロッドの螺合方向回転によって前記ストッパーと係合する係合部とを含み、前記ストッパーは、前記係合部に反螺合方向より当たると弾性変形して前記係合部と係合しないことを特徴とするプレフィルドシリンジが提案されている。
また、本願出願人は、特開2009−142508(特許文献3)において以下のものを提案している。注射器10は、ガスケット3と外筒2とプランジャ4とを備える。そして、プランジャ4は、ヘッド部42の外面に設けられた螺旋状リブ44を備え、ガスケットは、螺旋状リブと螺合するための螺旋状螺合部33と、螺旋状螺合部33の付近かつ先端側に位置するプランジャ抜け止め用環状リブ34と、プランジャのヘッド部の螺旋状リブ形成部位収納部32を備える。環状リブ34は、プランジャの螺旋状リブとガスケットの螺旋状螺合部との螺合の進行により、環状リブに到達した螺旋状リブを収納部に誘導するためのリブ欠損部35を備えている。
特許文献2のものでは、部品点数が多く、構造が複雑である。また、特許文献3のものでは、構造はシンプルであるが、螺合が緩む可能性が少なからずあり、また、プランジャのガスケットへの装着のためにプランジャを回転させる作業を必要とする。特許文献1のものでは、プランジャのガスケットへの装着のためにプランジャを回転させる作業を必要とせず、プランジャの先端部をガスケットに押し込むことにより装着可能である。しかし、製造工程中もしくは使用時の装着作業時に、バレルの軸方向以外への揺動、すなわちプランジャの傾倒に対して、プランジャの先端部がガスケットを変形させ液漏れを発生させる可能性が高い。また、プランジャの装着後においても、プランジャ押圧時にプランジャの先端部がガスケットを変形させ液漏れを発生させる可能性もある。
国際公開WO2006/087762 特開2008−307237 特開2009−142508
そこで、本発明の目的は、ガスケットへのプランジャの装着を押し込みによりかつガスケットに高い圧力を負荷することなく行うことができ、かつ、装着後にプランジャを回転させてもプランジャとガスケットの結合に緩みを与えることがなく、製造工程中、ガスケットへのプランジャ装着工程で組み立て時の衝撃による液漏れを防止すると共に、製品使用時に、プランジャに与えられた衝撃がガスケット表面の変形を引き起こすことによる液漏れを防止できるプレフィルドシリンジを提供する。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 外筒と、該外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記外筒の先端開口部を封止する封止部材と、前記外筒内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤とからなるプレフィルドシリンジ本体と、前記ガスケットに装着されたもしくは装着可能なプランジャとからなるプレフィルドシリンジであって、前記ガスケットは、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部を備えるガスケット本体と、前記ガスケット本体に取り付けられたプランジャ装着用部材とからなり、前記ガスケット本体は、前記内腔部の内面に設けられたプランジャ装着用部材抜け止め用リブを備え、前記プランジャ装着用部材は、該プランジャ装着用部材の前記ガスケット本体への取付位置を規定する本体部と、複数のヘッド部と、前記各ヘッド部と前記本体部とを部分的に連結する弾性変形可能部とを備え、前記弾性変形可能部の幅は、前記ヘッド部の円弧長より短いものとなっており、前記各ヘッド部は、前記プランジャ装着用部材抜け止め用リブと係合し、前記プランジャ装着用部材の前記ガスケット本体からの離脱を規制する側部突出部と、前記ヘッド部の先端部の先端面により形成されたプランジャ抜止用係止部と、前記複数のヘッド部間に設けられた前記ヘッド部の先端まで延びる空隙部とを備え、前記プランジャは、前記ガスケットに装着された状態において、前記プランジャ装着用部材の後端部を押圧可能な押圧部と、該押圧部より先端側に突出し、前記プランジャ装着用部材内に侵入可能な筒状先端部と、該筒状先端部の外面に設けられ、前記プランジャ装着用部材の前記プランジャ抜止用係止部と係合する外面突起部とを備え、
前記プランジャ装着用部材は、前記ガスケット本体のプランジャ装着用部材抜け止め用リブと前記プランジャ装着用部材の側部突出部とが係合した状態で、前記ガスケット本体に装着されており、かつ、前記プランジャ装着用部材の前記ヘッド部の先端は、前記ガスケット本体の先端内面と離間しており、さらに、前記プランジャは、前記ガスケットに装着された状態において、前記プランジャの前記先端部が前記ガスケット本体の内面に接触しないものとなっている
プレフィルドシリンジ。
(2) 前記複数のヘッド部は、前記プランジャ装着用部材の中心軸を中心とする同一円周上にほぼ位置するものとなっている上記(1)に記載のプレフィルドシリンジ。
(3) 前記弾性変形可能部は、前記プランジャの前記筒状先端部によって前記プランジャ装着用部材のヘッド部が先端方向に押されたとき弾性変形し、前記プランジャの前記筒状先端部の前記外面突起部が前記ヘッド部を通過することを許容し、前記外面突起部の通過後、前記弾性変形可能部が原形状に復元もしくはほぼ復元することにより、前記各ヘッド部の先端面により形成された前記プランジャ抜止用係止部と前記プランジャの前記外面突起部とが係合するものである上記(1)または(2)に記載のプレフィルドシリンジ。
(4) 前記プランジャ装着用部材の各ヘッド部の先端面は、前記プランジャ装着用部材の中心軸とほぼ直交する平坦面となっており、前記プランジャの前記外面突起部の基端面は、前記プランジャの筒状先端部の中心軸とほぼ直交する平坦面となっており、前記プランジャ装着用部材のヘッド部の先端面は、前記プランジャの外面突起部の後端面と係合するプランジャ抜止用係止部を形成している上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
(5) 前記複数のヘッド部は、前記プランジャ装着用部材の中心軸に対して向かい合うように2つもしくは前記プランジャ装着用部材の中心軸に対してほぼ等角度となるように3つ以上設けられている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
(6) 前記プランジャ装着用部材は、前記ガスケット本体に装着された状態では、前記プランジャ装着用部材の前記本体部、前記ヘッド部および前記弾性変形可能部は、前記ガスケット本体の前記プランジャ装着用部材抜け止め用リブを含む内面と圧接せず、前記ガスケット本体内部にて回転可能もしくは若干前後移動可能となっている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
(7) 前記プランジャ装着用部材の前記複数のヘッド部により、先端方向に向かって縮径する環状傾斜内面が形成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
(8) 前記複数のヘッド部は、前記プランジャ装着用部材の中心軸に直交する断面の内縁が、前記プランジャ装着用部材の中心軸をほぼ中心とする円弧状である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
(9) 前記プランジャ装着用部材の前記本体部は、前記弾性変形可能部と連結した筒状部と、該筒状部の基端部に設けられたフランジ部とを備え、前記プランジャ装着用部材は、前記フランジ部より先端側部分が前記ガスケット本体内に収納されており、前記フランジ部が、前記ガスケット本体の基端部に当接し、ガスケット本体を前方に押圧する押圧部となっている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
(10) 前記ガスケット本体は、先端部内面の中央部に後端側に突出する突起部を備え、前記突起部は、前記ガスケット本体の先端部が後端側に変形したときに、前記プランジャの前記筒状先端部の先端に当接可能である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
本発明のプレフィルドシリンジでは、プランジャは、その先端部をプランジャ装着用部材内に押し込むことにより、プレフィルドシリンジ本体に装着することができ、装着時にプランジャを回転させる必要がない。そして、装着後のプランジャからのガスケットの離脱を確実に抑制することができ、かつ、装着されたプランジャを回転させてもその回転力は、ガスケット本体には伝達されず、ガスケットを変形させることがない。このため、製造工程中におけるガスケットへのプランジャ装着工程で組み立て時の衝撃による液漏れの発生、製品使用時におけるプランジャに与えられた衝撃がガスケット表面の変形を引き起こすことによる液漏れを防止する。また、プランジャを傾倒させてもガスケットに変形が生じることが少なく、液漏れを生じにくいものとなっている。
図1は、本発明の実施例のプレフィルドシリンジの正面図である。 図2は、図1のA−A線断面図である。 図3は、本発明のプレフィルドシリンジに使用されるガスケットの拡大正面図である。 図4は、図3のB−B線断面図である。 図5は、図3に示したガスケットに使用されるガスケット本体の正面図である。 図6は、図5に示したガスケット本体の底面図である。 図7は、図5のC−C線断面図である。 図8は、図3に示したガスケットに使用されるガスケット装着用部材の正面図である。 図9は、図8に示したガスケット装着用部材の右側面図である。 図10は、図8のD−D線断面図である。 図11は、図8に示したガスケット装着用部材の平面図である。 図12は、図8に示したガスケット装着用部材の先端側から見た斜視図である。 図13は、本発明のプレフィルドシリンジに使用されるプランジャの拡大正面図である。 図14は、図13に示したプランジャの平面図である。 図15は、図13に示したプランジャの斜視図である。 図16は、本発明のプレフィルドシリンジにおけるプレフィルドシリンジ本体とプランジャとが装着された状態における作用を説明するための説明図である。 図17は、本発明のプレフィルドシリンジに使用される外筒の正面図である。 図18は、本発明のプレフィルドシリンジに使用される封止部材(シールキャップ)の断面図である。
以下、本発明のプレフィルドシリンジについて、図面に示した実施例を用いて説明する。
本発明のプレフィルドシリンジ1は、外筒2と、外筒2内に摺動可能に収納されたガスケット3と、外筒2の先端開口部を封止する封止部材5と、外筒2内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤8とからなるプレフィルドシリンジ本体10と、ガスケット3に装着されたもしくは装着可能なプランジャ4とからなる。
ガスケット3は、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部60を備えるガスケット本体6と、ガスケット本体6に取り付けられたプランジャ装着用部材7とからなる。ガスケット本体6は、内腔部60の内面に設けられたプランジャ装着用部材抜け止め用状リブ62を備える。
プランジャ装着用部材7は、プランジャ装着用部材のガスケット本体6への取付位置を規定する本体部70と、複数のヘッド部73、74と、ヘッド部を73,74を本体部70に連結する弾性変形可能部75,76とを備える。そして、各ヘッド部73,74は、プランジャ装着用部材抜け止め用リブ62と係合し、プランジャ装着用部材7のガスケット本体6からの離脱を規制する側部突出部73a,74aと、ヘッド部の先端部に形成されたプランジャ抜止用係止部73b,74bとを備える。
プランジャ4は、ガスケット3に装着された状態において、プランジャ装着用部材7の後端部を押圧可能な押圧部45と、押圧部45より先端側に突出し、プランジャ装着用部材内に侵入可能な筒状先端部42と、筒状先端部42の外面に設けられ、プランジャ装着用部材7のプランジャ抜止用係止部73b,74bと係合する外面突起部43とを備えている。
そして、プランジャ装着用部材7は、ガスケット本体6のプランジャ装着用部材抜け止め用リブ62とプランジャ装着用部材7の側部突出部73a,74aとが係合した状態で、ガスケット本体6に装着されている。
この実施例のプレフィルドシリンジ1は、プレフィルドシリンジ本体10と、プレフィルドシリンジ本体10(ガスケット3)に装着されたプランジャ4とからなる。
プレフィルドシリンジ本体10は、外筒2と、外筒2の先端開口部を封止する封止部材5と、外筒内に摺動可能に収納されたガスケット3と、外筒2内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤8とを備える。
そして、ガスケット3は、ガスケット本体6と、ガスケット本体6に取り付けられたプランジャ装着用部材7とからなる。
ガスケット本体6は、図1ないし図7に示すように、閉塞した先端と、後端開口より先端側に延びる内腔部60を有する筒状体である。ガスケット本体6は、先端側に向かってテーパー状に縮径するテーパー部61を有する。また、ガスケット本体6は、外面の先端側に設けられた先端側環状リブ63と後端側に設けられた後端側環状リブ64を備えている。
そして、ガスケット本体6は、内腔部60を備え、この内腔部60が、プランジャ装着用部材を部分的に(基端部を除く部分)収納する収納部となっている。内腔部60は、その内面に、内腔部60の内面に設けられたプランジャ装着用部材抜け止め用リブ62を備える。この実施例では、プランジャ装着用部材抜け止め用リブ62は、内腔部60の軸方向中央部より若干後端側となる位置に設けられている。また、プランジャ装着用部材抜け止め用リブ62は、ガスケット本体6の中心軸にほぼ直交する用に設けられた無端の環状リブとなっている。なお、プランジャ装着用部材抜け止め用リブ62は、環状リブであることが好ましいが、連続せず、かつ同じ円上に配置された複数のリブにより形成してもよい。また、プランジャ装着用部材抜け止め用リブ62の先端面は、内腔部60の内面より起立する環状起立面62aとなっている。また、ガスケット本体6のプランジャ装着用部材抜け止め用リブ62より後端側部分は、後端方向に拡径する環状傾斜面69となっており、ガスケット本体の内腔部60にプランジャ装着用部材の先端側部分を誘導する誘導部となっている。
また、プランジャ装着用部材抜け止め用リブ62は、実質的に同じ内径にて所定長延びる同一内径部を備えることが好ましい。このような同一内径部を有することにより、プランジャが後端側に引かれた時に、プランジャ装着用部材のガスケット本体からの離脱を確実に防止できる。プランジャ装着用部材抜け止め用リブ62の高さは、0.3〜2.0mmであることが好ましく、特に、1.0〜1.5mmであることが好ましい。また、プランジャ装着用部材抜け止め用リブ62の同一内径部の長さは、0.5〜3.0mmであることが好ましく、特に、1.0〜2.0mmであることが好ましい。
さらに、ガスケット本体6は、先端部内面の中央部に後端側に突出する突起部66を備えている。この突起部66は、ガスケット本体6の先端部が後端側に変形したときに、プランジャ4の筒状先端部42の先端に当接可能なものとなっており、ガスケット本体6の先端部の過剰な変形を防止する。突起部66は、略半球状であることが好ましい。ガスケット本体6は、直径が5〜30mm、全長が5〜30mm程度のものが一般的である。
ガスケット本体6の構成材料としては、従来からガスケットに使用されている公知のものが使用できる。例えば、ゴム、エラストマー、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。ゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムが好ましく、特に、加硫処理したものが好ましい。エラストマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー及びこれらの混合物が好ましい。上記ゴム、エラストマーの中でも、特に、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン系エラストマーが、好適な硬度、弾性特性を有し、γ線滅菌、電子線滅菌、高圧蒸気滅菌などの各種滅菌方法が採用可能であることから好ましい。
また、ガスケット本体の先端側部分に低薬剤吸着性物質等を被覆したものであってもよい。
低薬物吸着層の材質としては、従来からラミネートガスケットに使用されている公知のものが使用できる。低薬物吸着層の材質としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。具体的に、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、環状ポリオレフィン等が好ましく、フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン−パーフルオロエトキシエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が好ましい。
また、ガスケット本体6の外面、少なくとも先端側環状リブ63および後端側環状リブ64の表面に潤滑剤の塗布を行うことが好ましい。また、潤滑剤は、外筒の内面に塗布してもよい。潤滑剤としては、シリコーンオイルが好適である。また、ガスケット本体表面に、当該表面にて固化することにより形成されたシリコーン系樹脂層を設けることにより、シリコーンオイル等の潤滑剤を用いないものであってもよい。
プランジャ装着用部材7は、図2、図4、図8ないし図12に示すように、先端より後端まで貫通した中空部を有する筒状体である。
プランジャ装着用部材7は、プランジャ装着用部材のガスケット本体6への取付位置を規定する本体部70と、複数(具体的には、2つ)のヘッド部73、74と、ヘッド部73,74を本体部70に連結する弾性変形可能部75,76とを備える。また、この実施例では、プランジャ装着用部材7の本体部70は、筒状部と、筒状部の基端部に設けられたフランジ部72とを備えている。また、プランジャ装着用部材7は、フランジ部72より先端側部分がガスケット本体6内に収納されている。
各ヘッド部73,74は、プランジャ装着用部材抜け止め用リブ62と係合し、プランジャ装着用部材7のガスケット本体6からの離脱を規制する側部突出部73a,74aと、ヘッド部の先端部により形成されたプランジャ抜止用係止部73b,74bとを備える。
筒状本体部70は、短い筒状部であり、この実施例のプランジャ装着用部材7では、筒状本体部70は、図8ないし図10に示すように、先端方向に向かって縮径する内面部を備えている、そして、フランジ部72は、筒状本体部70の基端部、具体的には、基端より若干先端側となる位置より、外方に延びるドーナツ板状のものとなっている。そして、筒状本体部70の基端は、このフランジ部72より僅かに突出している。プランジャ4が押圧されたとき、このフランジ部72の先端側面が、ガスケット本体6の基端部(具体的には、基端面突出部68および基端面67)に当接し、ガスケット本体を前方に押圧する。
複数のヘッド部73,74は、プランジャ装着用部材7の中心軸を中心とする同一円周上にほぼ位置するものとなっている。また、この実施例のプランジャ装着用部材7では、複数のヘッド部73,74は、プランジャ装着用部材の中心軸に対して向かい合うように2つ設けられている。なお、ヘッド部は、プランジャ装着用部材の中心軸に対してほぼ等角度となるように3つ以上設けてもよい。
そして、ヘッド部73,74は、図8ないし図10に示すように、側部突出部73a,74aと、ヘッド部の先端部により形成されたプランジャ抜止用係止部73b,74bとを備える。
側部突出部73a,74aは、ガスケット本体6のプランジャ装着用部材抜け止め用リブ62と係合し、プランジャ装着用部材7のガスケット本体6からの離脱を規制するものである。この実施例のプランジャ装着用部材7では、ヘッド部73,74の基端部外面に設けられ、プランジャ装着用部材7の中心軸にほぼ直交する円弧状突出部となっている。そして、側部突出部(円弧状側部突出部)73a,74aの後端面は、ヘッド部73,74および弾性変形可能部75,76の外面より起立する環状起立面となっている。なお、側部突出部73a,74aとしては、円弧状のものに限定されるものではなく、連続しない複数の突出部からなるものであってもよい。側部突出部73a,74aの高さは、0.5〜2.0mmであることが好ましく、特に、1.0〜1.5mmであることが好ましい。そして、プランジャ装着用部材7の側部突出部73a,74a部分におけるプランジャ装着用部材7の外径は、ガスケット本体62のプランジャ装着用部材抜け止め用リブ62における内径より、1.0〜4.0mm大きいものであることが好ましく、特に、2.0〜3.0mm大きいものであることが好ましい。
そして、プランジャ抜止用係止部73b,74bを形成するプランジャ装着用部材7の各ヘッド部73,74の先端面は、プランジャ装着用部材7の中心軸とほぼ直交する平坦面となっている。これに対応するように、後述するプランジャ4の筒状先端部42の外面突起部43の後端面43aは、プランジャ4の筒状先端部42の中心軸とほぼ直交する平坦面となっている。
また、この実施例のプランジャ装着用部材7では、図8ないし図10に示すように、ヘッド部73,74は、プランジャ装着用部材7の中心軸に直交する断面の内縁が、プランジャ装着用部材7の中心軸をほぼ中心とする円弧状となっている。また、この実施例のプランジャ装着用部材7では、図10に示すように、複数のヘッド部73,74により、先端方向に向かって縮径する環状傾斜内面が形成されており、後述するプランジャの筒状先端部42の外面突起部43を誘導する誘導部として機能する。また、ヘッド部73とヘッド部74間には、空隙部77a,77bが形成されている。また、各ヘッド部73,74の外面には、凹部が形成されており、ヘッド部の軽量化と成形性の向上が図られている。
そして、プランジャ装着用部材7は、図8ないし図10に示すように、ヘッド部73、74を筒状本体部70に連結する弾性変形可能部75,76を備えている。弾性変形可能部75,76は、ヘッド部73、74の中央部下部と筒状本体部の先端部とを部分的に接続するものである。特に、この実施例では、弾性変形可能部75,76の幅(言い換えれば、円弧長)は、ヘッド部73、74の円弧長より十分に短いものとなっており、これにより、弾性変形を容易なものとしている。また、プランジャ装着用部材7の弾性変形可能部75,76の側部には、円弧状スリット78a,78bが形成されている。なお、この実施例のプランジャ装着用部材7では、弾性変形可能部75,76の内面は、プランジャ装着用部材7の中心軸を中心もしくはほぼ中心とする円弧状のものとなっている。
そして、この実施例では、プランジャ装着用部材7は、プランジャ装着時に、ヘッド部73,74が先端方向に押されたとき弾性変形可能部75,76が弾性変形することにより、プランジャ4の筒状先端部42の外面突起部43のヘッド部73,74の通過を許容する。
そして、プランジャ装着用部材7は、図4に示すように、ガスケット本体6のプランジャ装着用部材抜け止め用リブ62とプランジャ装着用部材7の外面突出部73とが係合した状態で装着されている。さらに、プランジャ装着用部材7がガスケット本体6に装着された状態では、図4に示すように、プランジャ装着用部材7のヘッド部73,74の先端は、ガスケット本体6の先端内面と離間しており、また、プランジャ装着用部材7の筒状本体部70、ヘッド部73,74および弾性変形可能部75,76は、ガスケット本体6のプランジャ装着用部材抜け止め用リブ62を含む内面と圧接しないものとなっている。このため、プランジャ装着用部材7は、ガスケット本体6に装着された状態において、内部にて回転可能、若干の前後移動可能となっている。
プランジャ装着用部材7の構成材料としては、弾性変形可能部の弾性変形を可能とする硬質若しくは半硬質の樹脂であることが好ましく、具体的には、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましい。
プランジャ4は、図1,図2、図13ないし図15に示すように、プランジャ本体部41と、ガスケット3に装着された状態において、プランジャ装着用部材7の後端部(具体的には、プランジャ装着用部材7の後端突出部およびフランジ部72)を押圧可能な押圧部45と、押圧部45より先端側に突出し、プランジャ装着用部材7の中空部内に侵入可能な筒状先端部42と、筒状先端部42の外面に設けられ、プランジャ装着用部材7のプランジャ抜止用係止部を構成するプランジャ装着用部材7の各ヘッド部73,74の先端面と係合する外面突起部43とを備えている。
プランジャ4は、先端部42をプランジャ装着用部材7の中空部内に押し込むことにより、プランジャ装着用部材7に装着可能となっている。また、プランジャ4は、ガスケット3に装着された状態において、プランジャの先端部42がガスケット本体6の内面に接触しないものとなっている。
筒状先端部42は、押圧部45の中心よりほぼ同一外径にて先端方向にかつプランジャの中心軸に平行延びるものであり、その先端部に外面突起部43を備えている。また、この実施例のプランジャ4では、筒状先端部42の内部に棒状部44が設けられている。棒状部44は、押圧部45の中心よりほぼ同一外径にて先端方向にかつプランジャの中心軸に平行延びるものであり、その先端が、筒状先端部42の先端に到達しない位置にて終端している。この実施例では、棒状部は、断面十字状のものとなっている。なお、棒状部は、円柱状、多角柱状などであってもよい。
押圧部45は、プランジャ本体部41の先端に位置し、円盤状に形成されている。また、プランジャ本体部41は、図13および図15に示すように十字状に形成されており、その先端に押圧部45が設けられ、後端に円盤状の後端押圧部47が設けられ、シャフト部の途中に補強用リブ48を有している。
プランジャ4の構成材料としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の硬質もしくは半硬質樹脂を用いることが好ましい。
そして、この実施例のプランジャ4では、プランジャ装着用部材7の各ヘッド部73,74の先端面と係合する外面突起部43は、筒状先端部42の先端部外面(具体的には、先端外面)に設けられ、プランジャ4の筒状先端部42の中心軸にほぼ直交する環状外面突起部により形成されている。そして、外面突起部(外面環状突起部)43の後端面43aは、筒状先端部42の外面より起立する環状起立面となっている。なお、外面突起部43としては、環状のものに限定されるものではなく、連続しない複数の突起部からなるものであってもよい。
外面突起部43の高さは、0.2〜1.0mmであることが好ましく、特に、0.4〜1.0mmであることが好ましい。そして、外面突起部43部分における外径は、プランジャ装着用部材7のヘッド部73,74の先端面が形成する円の内径(部品状態での内径)より0.4〜1.6mm大きいものであることが好ましく、特に、0.6〜0.9mm大きいものであることが好ましい。
プランジャ4の外面突起部43を含む筒状先端部42がプランジャ装着用部材7の中空部に押し込まれることにより、外面突起部43部分が、プランジャ装着用部材7のヘッド部73,74の先端面を押圧し、弾性変形可能部75,76が弾性変形することにより、プランジャ4の筒状先端部42の外面突起部43のヘッド部73,74を通過し、外面突起部43の通過後、弾性変形可能部75,76が原形状に復元もしくはほぼ復元することにより、ヘッド部73,74の先端面により形成されたプランジャ抜止用係止部73b,74bとプランジャ4の外面突起部43の後端面43aとが係合する。これにより、プランジャ4のプランジャ装着用部材7からの離脱が規制される。
また、この実施例のプランジャ4では、プランジャ装着用部材7に装着された状態では、プランジャ装着用部材7のヘッド部73,74の先端部内面は、プランジャ4の筒状先端部42の外面と接触している。また、プランジャ装着用部材7に装着された状態では、図16に示すように、プランジャ装着用部材7の各ヘッド部73,74の先端部は、プランジャ4の筒状先端部42の外面と圧接し、弾性変形可能部75,76が若干拡がる方向に押圧されているものであってもよい。このようにすることにより、プランジャ傾倒時にガスケット変形による液漏れを防止するとともに、ガスケットのガタツキが少ないものとなる。
また、この実施例のプレフィルドシリンジでは、図1、図2及び図16に示すように、ガスケット3は、外筒の基端より所定長先端側に位置し、装着されたプランジャ4の押圧部45が、外筒内に位置するものとなっている。このため、装着されたガスケットの傾き自体を抑制している。
外筒2は、外筒本体部21と、外筒本体部21の先端部に設けられたノズル部22と、外筒本体部21の後端部に設けられたフランジ24を備える。
外筒本体部21は、ガスケット3を液密かつ摺動可能に収納するほぼ筒状の部分であり、ノズル部22は、外筒本体部21より小径の筒状部となっている。また、外筒本体部21の先端部(肩部)は、ノズル部22に向かってテーパー状に縮径している。
外筒2は、透明もしくは半透明材料により、好ましくは、酸素透過性、水蒸気透過性の少ない材料により形成された筒状体である。
フランジ24は、図1および図17に示すように、外筒本体部21の後端全周より垂直方向に突出するように形成された楕円ドーナツ状の円盤部である。フランジ24は、向かい合う幅広となった2つの把持部を備え、さらに、把持部の先端面側には、複数のリブが形成されている。また、フランジ24の後端面は、周縁および外筒後端部がリブ部分以外となる部分は凹部となっている。
ノズル部22は、図17に示すように、先端に向かって縮径する注射針装着用部を備えている。また、本実施例では、チップ部より後端側に設けられたノズル側螺合部23を備えている。本実施例では、ノズル側螺合部23により封止部材5を取り付けているが、他の公知の手段によって封止部材5を取り付けてもよい。
また、この実施例では、図17に示すように、ノズル部は、チップの基端と外筒本体部21間に設けられたノズル基部25を備えている。そして、ノズル基部25の側面には、ノズル側係合部26を備えている。ノズル側係合部26は、リブにより形成されている。
外筒2の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。また、外筒2の形成材料としては、密封性を高めるために、封止部材より相対的に硬度が高い樹脂を使用することが好ましい。このようにすると、ノズル部22への封止部材5の取り付けの際、螺合操作に伴って封止部材5がノズル部22に密着し、より密封性を高めることができる。
シリンジ本体10内に充填される薬液8としては、どのようなものでもよいが、例えば、高濃度塩化ナトリウム注射液、ミネラル類、ヘパリンナトリウム水溶液、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、シクロスポリン、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリンのような抗血栓剤、インスリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正用電解質、抗ウイルス剤、免疫賦活剤等、いかなるものでも良い。特に、シリンジポンプにセットされて、持続的微量投与が必要である薬液が好ましい。
次に、封止部材5について説明する。
封止部材5としては、シールキャップまたは注射針(図示せず)のいずれを用いてもよい。シールキャップまたは注射針としては、公知のものが用いられる。
本実施例における封止部材5は、図18に示すように、閉塞部53を有する内筒部52と、内筒部52を取り囲むように形成された外筒部51と、内筒部5と外筒部51とを連結する連結部55とからなるシールキャップである。封止部材5では、内筒部52と外筒部51は、後端部の全周にて連結部55により一体化している。
封止部材5は、図18に示すように、外筒2のノズル部22の注射針装着用チップ部を収納するチップ部収納部57と、ノズル側螺合部23と螺合するキャップ側螺合部54と、チップ部の先端開口面に当接し、先端開口を封止するシール部材56とを備える。内筒部52の基端部は、ほぼ同一内径の円柱状空間であり、内面には、ノズル側係合部23と係合するキャップ側螺合部54が設けられている。この実施例では、キャップ側螺合部54は、2本の螺旋状のものとなっている。シール部材の形成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を使用することが好ましい。
また、この実施例では、図18に示すように、封止部材5は、基端開口部の内面に形成され、外筒のノズル側係合部26と係合可能な封止部材側係合部58を備えている。封止部材側係合部58は、二つのリブ間により形成された凹部により構成されている。
封止部材5をシールキャップとした場合の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。
次に、本発明のプレフィルドシリンジ1の作用を図16を用いて説明する。
プレフィルドシリンジ本体10は、外筒2の後端部内にガスケット3を収納した状態となっている。図16に示すように、プランジャ4をその筒状先端部42から外筒2内に挿入させ、プランジャ4の筒状先端部42をプランジャ装着用部材7の中空部内に進入させ、さらに、押し込むことにより、プランジャ4の筒状先端部42の外面突起部43部分が、プランジャ装着用部材7のヘッド部73,74を押圧し、弾性変形可能部75,76を弾性変形させることにより、ヘッド部73,74を通過し、その後、弾性変形可能部75,76が元の形状に復元もしくはほぼ復元することにより、外面突起部43の後端面部分とヘッド部73,74の先端面とが係合する。これにより、プランジャ4のプランジャ装着用部材7からの離脱が規制される。
そして、このプレフィルドシリンジでは、プランジャを回転させることなく単に押し込むことにより、その装着を行うことができる。また、装着後のプランジャはプランジャ装着用部材7により離脱しないものとなっている。また、装着後のプランジャ4を回転させたとき、プランジャ4のみがプランジャ装着用部材7内に回転するもしくは、追従してプランジャ装着用部材7も回転する可能性があるが、プランジャ4の回転がガスケット本体6に伝達されないものとなっている。
1 プレフィルドシリンジ
2 外筒
3 ガスケット
4 プランジャ
5 封止部材
6 ガスケット本体
7 プランジャ装着用部材
10 プレフィルドシリンジ本体

Claims (10)

  1. 外筒と、該外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記外筒の先端開口部を封止する封止部材と、前記外筒内に形成された薬剤収納部に収納された薬剤とからなるプレフィルドシリンジ本体と、前記ガスケットに装着されたもしくは装着可能なプランジャとからなるプレフィルドシリンジであって、
    前記ガスケットは、先端が閉塞し後端が開口する筒状体であり、かつ、後端の開口より先端側に延びる内腔部を備えるガスケット本体と、前記ガスケット本体に取り付けられたプランジャ装着用部材とからなり、
    前記ガスケット本体は、前記内腔部の内面に設けられたプランジャ装着用部材抜け止め用リブを備え、
    前記プランジャ装着用部材は、該プランジャ装着用部材の前記ガスケット本体への取付位置を規定する本体部と、複数のヘッド部と、前記各ヘッド部と前記本体部とを部分的に連結する弾性変形可能部とを備え、前記弾性変形可能部の幅は、前記ヘッド部の円弧長より短いものとなっており、前記各ヘッド部は、前記プランジャ装着用部材抜け止め用リブと係合し、前記プランジャ装着用部材の前記ガスケット本体からの離脱を規制する側部突出部と、前記ヘッド部の先端部の先端面により形成されたプランジャ抜止用係止部と、前記複数のヘッド部間に設けられた前記ヘッド部の先端まで延びる空隙部とを備え、
    前記プランジャは、前記ガスケットに装着された状態において、前記プランジャ装着用部材の後端部を押圧可能な押圧部と、該押圧部より先端側に突出し、前記プランジャ装着用部材内に侵入可能な筒状先端部と、該筒状先端部の外面に設けられ、前記プランジャ装着用部材の前記プランジャ抜止用係止部と係合する外面突起部とを備え、
    前記プランジャ装着用部材は、前記ガスケット本体のプランジャ装着用部材抜け止め用リブと前記プランジャ装着用部材の側部突出部とが係合した状態で、前記ガスケット本体に装着されており、かつ、前記プランジャ装着用部材の前記ヘッド部の先端は、前記ガスケット本体の先端内面と離間しており、
    さらに、前記プランジャは、前記ガスケットに装着された状態において、前記プランジャの前記先端部が前記ガスケット本体の内面に接触しないものとなっていることを特徴とするプレフィルドシリンジ。
  2. 前記複数のヘッド部は、前記プランジャ装着用部材の中心軸を中心とする同一円周上にほぼ位置するものとなっている請求項1に記載のプレフィルドシリンジ。
  3. 前記弾性変形可能部は、前記プランジャの前記筒状先端部によって前記プランジャ装着用部材のヘッド部が先端方向に押されたとき弾性変形し、前記プランジャの前記筒状先端部の前記外面突起部が前記ヘッド部を通過することを許容し、前記外面突起部の通過後、前記弾性変形可能部が原形状に復元もしくはほぼ復元することにより、前記各ヘッド部の先端面により形成された前記プランジャ抜止用係止部と前記プランジャの前記外面突起部とが係合するものである請求項1または2に記載のプレフィルドシリンジ。
  4. 前記プランジャ装着用部材の各ヘッド部の先端面は、前記プランジャ装着用部材の中心軸とほぼ直交する平坦面となっており、前記プランジャの前記外面突起部の基端面は、前記プランジャの筒状先端部の中心軸とほぼ直交する平坦面となっており、前記プランジャ装着用部材のヘッド部の先端面は、前記プランジャの外面突起部の後端面と係合するプランジャ抜止用係止部を形成している請求項1ないし3のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
  5. 前記複数のヘッド部は、前記プランジャ装着用部材の中心軸に対して向かい合うように2つもしくは前記プランジャ装着用部材の中心軸に対してほぼ等角度となるように3つ以上設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
  6. 前記プランジャ装着用部材は、前記ガスケット本体に装着された状態では、前記プランジャ装着用部材の前記本体部、前記ヘッド部および前記弾性変形可能部は、前記ガスケット本体の前記プランジャ装着用部材抜け止め用リブを含む内面と圧接せず、前記ガスケット本体内部にて回転可能もしくは若干前後移動可能となっている請求項1ないし5のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
  7. 前記プランジャ装着用部材の前記複数のヘッド部により、先端方向に向かって縮径する環状傾斜内面が形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
  8. 前記複数のヘッド部は、前記プランジャ装着用部材の中心軸に直交する断面の内縁が、前記プランジャ装着用部材の中心軸をほぼ中心とする円弧状である請求項1ないし7のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
  9. 前記プランジャ装着用部材の前記本体部は、前記弾性変形可能部と連結した筒状部と、該筒状部の基端部に設けられたフランジ部とを備え、前記プランジャ装着用部材は、前記フランジ部より先端側部分が前記ガスケット本体内に収納されており、前記フランジ部が、前記ガスケット本体の基端部に当接し、ガスケット本体を前方に押圧する押圧部となっている請求項1ないし8のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
  10. 前記ガスケット本体は、先端部内面の中央部に後端側に突出する突起部を備え、前記突起部は、前記ガスケット本体の先端部が後端側に変形したときに、前記プランジャの前記筒状先端部の先端に当接可能である請求項1ないし9のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
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