JP2016187530A - シリンジ用プランジャー、シリンジ及びプレフィルドシリンジ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスケットへの押子の装着が容易であり、かつ、装着後の押子のガスケットからの離脱を防止できるシリンジ用プランジャーを提供する。
【解決手段】シリンジ用プランジャー1は、ガスケット3と押子2を備える。押子は、本体部の先端部より、先端方向に突出する弾性変形可能な複数の突出先端部7a,7bを備え、突出先端部は、シャフト部71a,71bとその先端部に設けられた傾斜部72a,72bを備える。ガスケットは、押子の複数の突出先端部を収納可能な内腔部35を備える。内腔部は、基端側内腔部36とその先端部より大きい後端部内径を有する略円錐状内面部37aを備える。押子の傾斜部は、ガスケットの先端側内腔部内への収納時、略円錐状内面部と当接し押圧する。
【選択図】図13

Description

本発明は、シリンジ用プランジャー、シリンジ及びプレフィルドシリンジに関する。
最近では、予め薬液が充填されたプレフィルドシリンジが、多く利用されている。プレフィルドシリンジにおけるガスケット挿入は、先端開口がシールされた外筒内に薬剤を充填した状態とし、減圧下雰囲気(真空下雰囲気)にて、ガスケットを外筒の開口部に配置し、その後、常圧状態とすることにより、ガスケットを外筒内に挿入させるといういわゆる真空打栓といわれる方法を用いるのが一般的である。ガスケットにプランジャーが装着されていると、外筒の開口部へのガスケットの配置が困難であるため、ガスケット単体にて上記の打栓作業が行われる。このため、プレフィルドシリンジとしては、その後のプランジャー装着作業を必要とするのが一般的である。そして、ガスケットへのプランジャー装着作業を容易なものとし、かつ、装着作業時における液漏れ発生防止、内部圧の上昇抑制を少ないものとするために、プランジャーに雄ねじ部、ガスケットに雌ねじ部を設け、両者の螺合による装着機構を有するものが一般的となっている。
しかしながら、従来の螺合による結合は、製造時におけるネジの寸法差や、組立機の締め付けトルクの誤差などが原因で結合が緩くなる場合がある。この場合、運搬中などに付与される振動等により、プランジャーが回転して、ガスケットより、脱落することがあった。
そして、プランジャーとガスケットの装着機構として、上記のような螺合タイプではないものが提案されている。そのようなタイプのものとして、本願出願人は、特開2004−283466(特許文献1)を提案している。また、特開2013−255837(特許文献2)も提案されている。
特開2004−283466 特開2013−255837
特許文献1のシリンジ用ガスケット付きプランジャー1は、閉塞した先端と開口する後端を備える筒状体であり、かつ基端側内腔部4と縮径部4の前方に形成されたプランジャー先端部収納部5とを備えるプランジャー取付部3を有するシリンジ用ガスケット2と、シリンジ用ガスケット2に取り付けられたまたは取り付け可能なプランジャー10とを備える。プランジャー10は、収納部5内に侵入可能な先端部を備え、先端部は、プランジャー10の後端開口から収納部5内に侵入するために縮径可能であるとともに、収納部5内にて復元力により縮径部4の内径より拡径して縮径部4と係合可能な離脱防止部12を備えている。
また、特許文献2には、注射筒16と共に使用するためにストッパー12を装着するのに適したプランジャーロッド14が開示されている。そして、このプランジャーロッド14は、前端236と、後端238と、これら前端と後端との間の長手方向軸線AXに沿って延在して内側中空部242を画成する複数のローブ240を具えた側壁部239とを有する中空の細長い部材234と、前端に固定されてプランジャーロッドをストッパーに装着するようになっている装着部材244と、細長い部材の後端に固定され、内側中空部を覆って使用中にプランジャーロッドに力を加えるための親指押し領域248をもたらすためのカバー部材246とを具えている。
上記のものも有効ではあるが、ガスケットへのプランジャの装着がより容易であり、かつ、装着後のプランジャの離脱をより確実に防止できるものが求められている。
本願発明の目的は、ガスケットへの押子の装着がより容易であり、かつ、装着後の押子のガスケットからの離脱をより確実に防止できるシリンジ用プランジャー、シリンジ及びプレフィルドシリンジを提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 閉塞した先端と、開口する後端とを備える筒状体であるシリンジ用ガスケットと、前記ガスケットに取り付けられたまたは取り付け可能な押子とを備えるシリンジ用プランジャーであって、
前記押子は、本体部と、前記本体部の先端部より、先端方向に突出する弾性変形可能な複数の突出先端部を備え、前記突出先端部は、前記本体部より突出するシャフト部と、前記シャフト部の先端部に設けられた傾斜部を備え、前記傾斜部は、先端側が前記本体部の中心軸側となるように傾斜し、かつ、後端に後部自由端を備え、
前記ガスケットは、筒状本体部と、前記筒状本体部の先端部に設けられた閉塞先端部と、前記押子の前記複数の突出先端部を収納可能な内腔部を備え、前記内腔部は、基端側内腔部と、前記基端側内腔部より先端側に設けられた先端側内腔部を備え、さらに、前記先端側内腔部は、前記基端側内腔部の先端部より大きい後端部内径を有し、先端方向に向かってテーパー状に縮径し、かつ、前記押子の前記傾斜部を収納可能である略円錐状内面部を備え、
前記押子の前記突出先端部が、前記ガスケットの前記内腔部に収納され、かつ、前記押子の前記傾斜部が、前記ガスケットの前記先端側内腔部内に収納された時、前記押子の前記傾斜部は、前記ガスケットの前記略円錐状内面部と当接し、前記略円錐状内面部を押圧するものであるシリンジ用プランジャー。
(2) 前記ガスケットは、前記略円錐状内面部と前記基端側内腔部との境界部に形成され、前記ガスケットの基端方向に延びる環状凹部を備え、前記押子の前記傾斜部の前記後部自由端は、前記環状凹部内に進入可能である上記(1)に記載のシリンジ用プランジャー。
(3) 前記突出先端部は、向かい合うように2つ設けられている上記(1)または(2)に記載のシリンジ用プランジャー。
(4) 前記押子は、前記突出先端部を3つ以上備え、かつ、前記複数の突出先端部は、前記押子の中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている上記(1)または(2)に記載のシリンジ用プランジャー。
(5) 前記押子の前記シャフト部は、弾性変形可能であり、前記ガスケットの前記先端側内腔部内に前記傾斜部が収納された時、先端側部分が、前記ガスケットの中心軸方向に湾曲するものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
(6) 前記押子の前記傾斜部は、弾性変形可能であり、前記ガスケットの前記先端側内腔部内に前記傾斜部が収納された時、前記ガスケットの前記略円錐状内面部と当接し、弾性変形するとともに、反発力により、前記略円錐状内面部を押圧するものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
(7) 前記傾斜部は、平板部であり、かつ、前記シャフト部の先端部は、前記傾斜部の先端部に連結されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
(8) 前記突出先端部の前記シャフト部および前記傾斜部ともに弾性変形可能である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
(9) 前記突出先端部の前記シャフト部は、弾性変形可能であり、前記傾斜部は、実質的に弾性変形不能である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
(10) 前記突出先端部の前記傾斜部は、弾性変形可能であり、前記シャフト部は、実質的に弾性変形不能である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
(11) 前記突出先端部の前記傾斜部は、前記シャフト部の先端より、先端方向に突出する前部自由端を備えている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
(12) 前記ガスケットは、前記基端側内腔部の後端に設けられ、開口部方向に拡径する後端テーパー部を備えている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
(13) 前記プランジャーは、前記先端部に平板状部を備え、前記突出先端部は、前記平板状部の先端面より突出している上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(14) 上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャーと、前記シリンジ用プランジャーの前記ガスケットを摺動可能に収納した外筒とを備えるシリンジ。
(15) 上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のシリンジ用プランジャーと、前記シリンジ用プランジャーの前記ガスケットを摺動可能に収納した外筒と、前記外筒内に充填された薬液と、前記外筒を封止する封止部材とを備えるプレフィルドシリンジ。
本発明のシリンジ用プランジャーは、閉塞した先端と、開口する後端とを備える筒状体であるシリンジ用ガスケットと、ガスケットに取り付けられたまたは取り付け可能な押子とを備える。押子は、本体部と、本体部の先端部より、先端方向に突出する弾性変形可能な複数の突出先端部を備え、突出先端部は、本体部より突出するシャフト部と、シャフト部の先端部に設けられた傾斜部を備え、傾斜部は、先端側が本体部の中心軸側となるように傾斜し、かつ、後端に後部自由端を備える。ガスケットは、筒状本体部と、筒状本体部の先端部に設けられた閉塞部と、押子の複数の突出先端部を収納可能な内腔部を備え、内腔部は、基端側内腔部と、基端側内腔部より先端側に設けられた先端側内腔部を備える。さらに、先端側内腔部は、基端側内腔部の先端部より大きい後端部内径を有し、先端方向に向かってテーパー状に縮径し、かつ、押子の傾斜部を収納可能である略円錐状内面部を備える。そして、押子の突出先端部が、ガスケットの前記内腔部に収納され、かつ、押子の傾斜部が、ガスケットの前記先端側内腔部内に収納された時、ガスケットの略円錐状内面部と当接し、略円錐状内面部を押圧するものとなっている。
このため、押子は、突出先端部をガスケットの後端開口より挿入し、さらに押し込むことにより、ガスケットに装着されるので、押子の装着が極めて容易である。また、押子の傾斜部は、ガスケットの先端側内腔部内に収納された時、ガスケットの略円錐状内面部と当接し、弾性変形するとともに、略円錐状内面部を押圧するものとなっているので、ガスケットに装着された押子の離脱を確実に防止できる。
図1は、本発明の一実施例のシリンジ用プランジャーの正面図である。 図2は、図1に示したシリンジ用プランジャーの平面図である。 図3は、図2のA−A線断面図である。 図4は、図1に示すシリンジ用プランジャーに用いられているガスケットの拡大縦断面図である。 図5は、図1に示すシリンジ用プランジャーに用いられている押子の正面図である。 図6は、図5に示した押子の平面図である。 図7は、図6のB−B線断面図である。 図8は、図7に示した押子の先端部の拡大図である。 図9は、図5に示した押子の斜視図である。 図10は、本発明の他の実施例のシリンジ用プランジャーの先端部の拡大断面図である。 図11は、本発明のシリンジ用プランジャーの作用を説明するための説明図である。 図12は、本発明のシリンジ用プランジャーの作用を説明するための説明図である。 図13は、本発明のシリンジ用プランジャーの作用を説明するための説明図である。 図14は、本発明のプレフィルドシリンジの正面図である。 図15は、図14に示したプレフィルドシリンジの縦断面図である。 図16は、図14の先端付近の拡大断面図である。 図17は、本発明の他の実施例のシリンジ用プランジャーの正面図である。 図18は、図17に示したシリンジ用プランジャーの平面図である。 図19は、図18のC−C線断面図である。 図20は、図17に示すシリンジ用プランジャーに用いられている押子の正面図である。 図21は、図20に示した押子の平面図である。 図22は、図20に示した押子の斜視図である。 図23は、本発明の他の実施例のシリンジ用プランジャーの先端部の拡大断面図である。 図24は、本発明の他の実施例のシリンジ用プランジャーに用いられる押子の先端部の拡大断面図である。
本発明のシリンジ用プランジャー、シリンジ及びプレフィルドシリンジについて、図面に示した実施例を用いて説明する。
本発明のシリンジ用プランジャー1は、閉塞した先端と、開口する後端とを備える筒状体であるシリンジ用ガスケット3と、ガスケット3に取り付けられたまたは取り付け可能な押子2とを備える。押子2は、本体部21と、本体部21の先端部より、先端方向に突出する弾性変形可能な複数の突出先端部7a,7bを備え、突出先端部7a,7bは、本体部21より突出するシャフト部71a,71bと、シャフト部71a,71bの先端部に設けられた傾斜部72a,72bを備え、傾斜部72a,72bは、先端側が本体部21の中心軸側となるように傾斜し、かつ、後端に後部自由端73a,73bを備える。
ガスケット3は、図1ないし図4に示すように、筒状本体部31と、閉塞先端部32と、押子2の複数の突出先端部7a,7bを収納可能な内腔部35を備え、内腔部35は、基端側に設けられた基端側内腔部36と、基端側内腔部36より先端側に設けられ、押子2の傾斜部72a,72bを収納可能である先端側内腔部37を備える。先端側内腔部37は、基端側内腔部36の先端部より大きい後端部内径を有し、先端方向に向かってテーパー状に縮径し、かつ、押子2の傾斜部72a,72bを収納するために設けられた略円錐状内面部37aを備える。
そして、押子2の突出先端部7a,7bが、ガスケット3の内腔部35内に収納され、かつ、押子2の傾斜部72a,72bが、ガスケット3の先端側内腔部37内に収納された時、傾斜部72a,72bは、ガスケット3の略円錐状内面部37aと当接し、略円錐状内面部37aを押圧するものとなっている。
シリンジ用プランジャー1は、図1ないし図3に示すように、押子2と、その先端部に装着されるシリンジ用ガスケット3とからなる。
この実施例のシリンジ用ガスケット3は、図2,図3,図4に示すように、閉塞した先端と、後端開口を有する筒状体である。ガスケット3は、図4に示すように、筒状本体部31と、本体部31の先端側に設けられ先端側に向かってテーパー状に縮径する閉塞先端部32を有する。また、シリンジ用ガスケット3は、本体部31の先端部外面に設けられた先端側環状部33と、本体部31の後端部外面に設けられた後端側環状部34を有している。
そして、シリンジ用ガスケット3は、図4に示すように、内部に、押子の先端部7を収納するための内腔部35を有している。そして、この内腔部35が、押子取付部となっている。シリンジ用ガスケット3は、本体部31の直径が5〜35mm、全長が5〜30mm、閉塞先端部の外面テーパー部の傾きは、テーパー角が1〜5°であることが好ましい。
ガスケット3は、図4に示すように、押子2の複数の突出先端部7a,7bを収納可能な内腔部35を備える。そして、内腔部35は、基端側に設けられた基端側内腔部36と、基端側内腔部36と連続し、かつ、ガスケット3の先端方向に延びる略円錐状内面部37aを備える。基端側内腔部36は、ほぼ同一内径にて、所定長軸方向に延びる円筒部となっている。基端側内腔部36の軸方向長としては、4〜8mm程度が好適である。そして、この実施例のガスケット3では、基端側内腔部36の後端に設けられ、開口部方向に拡径する後端テーパー部39を備えている。この後端テーパー部39を設けることにより、押子2のガスケット装着部7のガスケット3の内腔部35への挿入が容易となる。
略円錐状内面部37aは、基端側内腔部36と連続するものの、その後端部の内径は、基端側内腔部36の先端部より大きいものとなっている。いわゆる、基端側内腔部36の上に傘状の広がった形態となっている。そして、略円錐状内面部37aは、ガスケットの先端方向かつ中心軸に向かってテーパー状に縮径している。この略円錐状内面部37aは、押子2の傾斜部72a,72bを収納可能なものとなっている。
このため、略円錐状内面部37aの傾斜内面の長さは、押子2の傾斜部72a,72bの傾斜面の長さより長いものとなっている。
さらに、この実施例のガスケット3では、略円錐状内面部37aの後端部は、環状後端部となっており、さらに、略円錐状内面部37aと基端側内腔部36との境界部に形成され、ガスケット3の基端方向に延びる環状凹部38を備えている。このため、ガスケット3は、図4に示すように、略円錐状内面部と基端側内腔部との境界部(具体的には、基端側内腔部の先端部)に、環状リブ36aを備えるものとなっている。この環状リブ36aと環状凹部38間により、後述する押子2の傾斜部72a,72bの自由端73a,73bを含む後端部の抜け止め機能を有する収納部が構成されている。また、この実施例では、環状凹部38は、基端側に向かって拡径し、かつ、幅が狭くなっている。このため、進入した傾斜部72a,72bの自由端73a,73bが、より抜けにくいものとなっている。
略円錐状内面部37aのテーパー角度Eとしては、20〜60°であることが好ましく、特に、35〜45°であることが好ましい。また、この実施例のガスケット3では、略円錐状内面部37aの先端部内面は、丸みを持った形状、具体的には、半球状、砲弾状内面となっている。
シリンジ用ガスケット3の構成材料としては、従来からシリンジ用ガスケットに使用されている公知のものが使用できる。例えば、ゴム、エラストマー、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。ゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムが好ましく、特に、加硫処理したものが好ましい。エラストマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー及びこれらの混合物が好ましい。上記ゴム、エラストマーの中でも、特に、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン系エラストマーが、好適な硬度、弾性特性を有し、γ線滅菌、電子線滅菌、高圧蒸気滅菌が可能であることから好ましい。
押子2は、図5ないし図9に示すように、断面十字状の押子本体部21と、押子本体部21の先端に設けられた平板部22と、押子本体部21の後端部に設けられた押圧用の円盤部23を備えている。さらに、この実施例では、押子本体部21の途中に設けられた補強用リブ24を備える。そして、押子2は、本体部21の先端より、突出するガスケット装着部7を備えている。
ガスケット装着部7は、本体部21の先端部より、具体的には、平板部22の先端面より、先端方向に突出する複数の突出先端部7a,7bにより構成されている。なお、突出先端部7a,7bは、弾性変形可能なものであることが好ましい。そして、各突出先端部7a,7bは、本体部21より突出するシャフト部71a,71bと、シャフト部71a,71bの先端部に設けられた傾斜部72a,72bを備えている。そして、傾斜部72a,72bは、先端側が本体部21の中心軸側に傾斜しており、さらに、その後端に形成された後部自由端73a,73bを備えている。
この実施例の押子2では、図5ないし図9に示すように、ガスケット装着部7は、向かい合うように2つ設けられた、突出先端部7a,7bを備えている。そして、各突出先端部7a,7bは、シャフト部71a,71bと、傾斜部72a,72bとを備える。この実施例では、シャフト部71a,71bは、平板部22より、押子2の本体部21の中心軸に対してほぼ平行に、先端方向に延びるものとなっている。なお、シャフト部71a,71bは、押子2の本体部21の中心軸に対して所定角度斜め、例えば、押子2の本体部21の中心軸に近付く方向に斜めに延びるもの、押子2の本体部21の中心軸に遠ざかる方向に斜めに延びるものであってよい。
この実施例の押子2では、図3に示すように、押子2にガスケット3が装着された状態において、言い換えれば、押子2の傾斜部72a,72bは、ガスケット3の先端側内腔部37内に収納された状態において、シャフト部71a,71bの基端部は、ガスケット3の内腔部35(基端側内腔部36)の内面に接触するものであることが好ましい。このようなものであれば、ガスケットの装着状態が安定したものとなる。
そして、この実施例の押子2では、図7に示すように、シャフト部71a,71bは、ほぼ同じ太さにて、基端から先端まで延びるものとなっている。シャフト部71a,71bは、弾性変形可能であり、ガスケット3の先端側内腔部37内に傾斜部72a,72bが収納された時、先端側部分が、ガスケット3の中心軸方向(言い換えれば、中心軸側)に湾曲可能なものとなっている。なお、シャフト部71a,71bは、先端に向かって細くなるものであってもよい。この場合、傾斜部72a,72bは、弾性変形可能なものであってもよく、また、実質的に弾性変形しないものであってもよい。
さらには、図10に示すシリンジ用プランジャー1aにて用いられている押子2aのように、シャフト部71a,71bは、基端部に、易変形部74a,74bを備えるものであってもよい。この実施例の押子2aでは、易変形部74a,74bは、肉薄部(言い換えれば、他の部位より断面積が小さい部位)により形成されている。また、易変形部74a,74bは、シャフト部71a,71bの基端部であり、かつ、基端より所定長先端側であり、押子2にガスケット3が装着された状態において、ガスケット3の内腔部35(基端側内腔部36)内に収納される部分に形成されている。
そして、図5ないし図9に示すように、シャフト部71a,71bのそれぞれの先端部に、傾斜部72a,72bが設けられている。傾斜部72a,72bは、先端が本体部21の中心軸方向に近づくように傾斜している。傾斜部72a,72bは、その後端に形成された後部自由端73a,73bを備えている。また、この実施例の押子2では、傾斜部72a,72bは、上述したガスケット3の略円錐状内面部37aの傾斜内面に当接可能な平面部を備える平板部となっている。
また、この実施例の押子2では、シャフト部71a,71bの先端部は、傾斜部72a,72bの先端部に連結されている。具体的には、傾斜部72a,72bは、上述した平板部の先端部において、その下面にて、シャフト部71a,71bの先端部と連結している。そして、傾斜部72a,72bは、その後端に形成された後部自由端73a,73bを備える。そして、傾斜部72a,72bも弾性変形可能である。このため、傾斜部72a,72bは、後部自由端73a,73bとシャフト部71a,71bとの連結部間において、弾性変形可能なものとなっている。また、傾斜部72a,72bは、シャフト部に対して、肉薄に形成されている。
そして、押子2の傾斜部72a,72bは、上述したように傾斜している。本実施例における押子2の本体部21の中心軸に対する押子2の傾斜部72a,72bの傾斜角度(具体的には、傾斜部72a,72bの上面平面部の傾斜角度)D1,D2(図8参照)は、20〜70°であることが好ましく、特に、35〜55°であることが好ましい。傾斜部72a,72bのそれぞれの傾斜角度は、ほぼ同じであることが好ましいが、ある程度の相違があってもよい。また、この実施例の押子2では、上述したように、シャフト部71a,71bは、押子2の本体部21の中心軸に対してほぼ平行に延びているため、傾斜部72a,72bは、シャフト部71a,71bに対して傾斜角度D1,D2にて傾斜するものとなっている。
また、本実施例では、上述した傾斜部72a,72bの傾斜角度D1,D2は、略円錐状内面部37aのテーパー角度Eより大きいものとなっている。このため、押子2の傾斜部72a,72bは、ガスケット3の先端側内腔部37内に収納された時、弾性変形することにより、ガスケット3の略円錐状内面部37aと当接し、さらに、略円錐状内面部37aを押圧する。なお、本実施例における傾斜部72a,72bの傾斜角度D1,D2と略円錐状内面部37aのガスケットの中心軸に対するテーパー角度Eとの相違は、5〜40°であることが好ましく、特に、5〜15°であることが好ましい。
また、この実施例の押子2では、傾斜部72a,72bの傾斜面の長さは、略円錐状内面部37aの傾斜内面の長さより小さいものとなっており、ガスケット3の先端側内腔部37内に収納可能なものとなっている。さらに、この実施例の押子2では、傾斜部72a,72bの上面平面部は、図7に示すように、略矩形状に形成されている。上面平面部の面積としては、5〜25mmが好ましい。また、上面平面部の幅は、3〜6mmが好ましく、長さは、3〜5mmが好ましい。なお、傾斜部72a,72bの上面平面部の形状は、円状、楕円状、多角形状のものであってもよい。
また、本発明のシリンジ用プランジャーとしては、図23に示すシリンジ用プランジャー1cのようなタイプのものであってもよい。このシリンジ用プランジャー1cに用いられる押子2cでは、押子の傾斜部72a,72bは、弾性変形可能であり、ガスケット3の先端側内腔部37内に収納されたとき、略円錐状内面部37aと当接し、弾性変形するとともに、その反発力により、略円錐状内面部37aを押圧するものとなっている。そして、この実施例のものでは、シャフト部71a,71bは、実質的に弾性変形しないものとなっている。また、この実施例の押子2cでは、突出先端部7a,7bは、シャフト部71a,71bが弾性変形しなくても、ガスケット3の内腔部内に挿入および装着可能なものとなっている。具体的には、この実施例の押子2cでは、シャフト部71a,71b間が、上述した実施例より狭いものとなっている。
また、上述したすべての実施例において、図17ないし図22に示す実施例のシリンジ用プランジャー1bのように、押子のガスケット装着部70は、3つ以上の突出先端部7a,7b,7c,7dを備えるものであってもよい。
この実施例のシリンジ用プランジャー1bでは、押子2bは、複数の(具体的には、4つの)突出先端部7a,7b,7c,7dを備えている。そして、複数の(具体的には、4つの)突出先端部7a,7b,7c,7dは、押子2の中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている。この実施例の押子2bと、上述した押子2との相違は、突出先端部の数のみである。この実施例は、上述した押子2が有する突出先端部7a,7bに加えて、2つの突出先端部7c,7dを備えている。突出先端部の数としては、3〜5が好ましい。
そして、突出先端部7cは、突出先端部7aと7b間かつ一方側の中央部に配置され、突出先端部7dは、突出先端部7aと7b間かつ他方側の中央部に配置されている。突出先端部7c,7dの構成は、上述した突出先端部7a、7bと同じである。突出先端部7c,7dは、図17ないし図22に示すように、シャフト部71c,71dと、傾斜部72c,72dとを備える。シャフト部71c,71dは、平板部22より、押子2bの本体部21の中心軸に対してほぼ平行に、先端方向に延びるものとなっている。なお、シャフト部71c,71dは、押子2bの本体部21の中心軸に対して所定角度斜め、例えば、押子2bの本体部21の中心軸に近付く方向に斜めに延びるもの、押子2bの本体部21の中心軸に遠ざかる方向に斜めに延びるものであってよい。
この実施例の押子2bにおいても、図19に示すように、押子2bにガスケット3が装着された状態において、言い換えれば、押子2bの傾斜部72a,72b、72c、72dは、ガスケット3の先端側内腔部37内に収納された状態において、シャフト部71a,71b、71c,71dの基端部は、ガスケット3の内腔部35(基端側内腔部36)の内面に接触するものとなっている。
そして、この実施例の押子2bにおいても、図19に示すように、シャフト部71a,71b、71c,71dは、ほぼ同じ太さにて、基端から先端まで延びるものとなっている。シャフト部71a,71b、71c,71dは、弾性変形可能であり、ガスケット3の先端側内腔部37内に傾斜部72a,72b、72c,72dが収納された時、先端側部分が、ガスケット3の中心軸方向に湾曲可能なものとなっている。なお、シャフト部は、先端に向かって細くなるものであってもよい。また、この実施例においても、図10に示すシリンジ用プランジャー1aの押子2aのように、シャフト部は、易変形部を備えるものであってもよい。
そして、図20ないし図22に示すように、シャフト部71a,71b、71c,71dのそれぞれの先端部に、傾斜部72a,72b,72c、72dが設けられている。傾斜部72a,72b,72c、72dは、先端が本体部21の中心軸方向に近づくように傾斜している。傾斜部72a,72b,72c、72dは、その後端に形成された後部自由端73a,73b,73c、73dを備えている。また、この実施例の押子2bも傾斜部72a,72b,72c、72dは、上述したガスケット3の略円錐状内面部37aの傾斜内面に当接可能な平面部を備える平板部となっている。
また、この実施例の押子2bにおいても、シャフト部の先端部は、傾斜部72a,72b,72c、72dの先端部に連結されている。傾斜部72a,72b,72c、72dは、平板部の先端部において、その下面にて、シャフト部の先端部と連結している。そして、傾斜部72a,72b,72c、72dは、その後端に形成された後部自由端73a,73b,73c、73dを備える。そして、傾斜部72a,72b,72c、72dは弾性変形可能である。このため、傾斜部72a,72b,72c、72dは、後部自由端73a,73b,73c、73dとシャフト部71a,71b,71c、71dとの連結部間において、弾性変形可能なものとなっている。また、各傾斜部は、各シャフト部に対して、肉薄に形成されている。
そして、この実施例の押子2bにおいても傾斜部72a,72b,72c、72dは、上述したように傾斜している。押子2bの本体部21の中心軸に対する押子2bの傾斜部72a,72b,72c、72dの傾斜角度としては、上述した押子2において説明したものと同じであることが好ましい。そして、傾斜部72a,72b,72c、72dのそれぞれの傾斜角度は、ほぼ同じであることが好ましいが、ある程度の相違があってもよい。また、この実施例の押子2bにおいても、各シャフト部は、押子2bの本体部21の中心軸に対してほぼ平行に延びているため、傾斜部72a,72b,72c、72dは、シャフト部に対しても傾斜している。
そして、この実施例の押子2bにおいても、傾斜部72a,72b,72c、72dの傾斜角度は、略円錐状内面部37aのテーパー角度Eより大きいものとなっている。このため、押子2bの傾斜部72a,72b,72c、72dは、ガスケット3の先端側内腔部37内に収納された時、弾性変形することにより、ガスケット3の略円錐状内面部37aと当接し、さらに、略円錐状内面部37aを押圧する。なお、傾斜部72a,72b,72c、72dの傾斜角度と略円錐状内面部37aのテーパー角度Eとの相違は、上述した押子2において説明したものと同じであることが好ましい。
また、この実施例の押子2bにおいても、傾斜部72a,72b,72c、72dの傾斜面の長さは、略円錐状内面部37aの傾斜内面の長さより小さいものとなっており、ガスケット3の先端側内腔部37内に収納なものとなっている。さらに、この実施例の押子2bでは、傾斜部72a,72b,72c、72dの上面平面部は、図21に示すように、略矩形状に形成されている。上面平面部の面積としては5〜20mmが好ましい。また、上面平面部の幅は、2〜5mmが好ましく、長さは、2〜5mmが好ましい。なお、傾斜部72a,72b,72c、72dの上面平面部の形状は、円状、楕円状、多角形状のものであってもよい。
押子の構成材料としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の硬質もしくは半硬質樹脂を用いることが好ましい。
上述したすべての実施例の押子において、突出先端部の形態は、図24に示す押子2dが備えるタイプのものであってもよい。この実施例の押子2dでは、突出先端部7a、7bの傾斜部72a,72bは、シャフト部71a,71bの先端より、先端方向に突出する前部自由端75a,75bを備えている。特に、この実施例の押子2dでは、シャフト部の先端部は、傾斜部72a,72bの軸方向の中央部付近と連結されている。このため、傾斜部72a,72bは、連結部76a,76bから前部自由端75a,75bまで延びる前部延出部を備えている。同様に、傾斜部72a,72bは、連結部76a,76bから後部自由端73a,73bまで延びる後部延出部を備えている。
また、この実施例の押子2dでは、傾斜部72a,72bは、連結部76a,76bを支点として、若干回動するものとなっている。このため、この押子2dでは、突出先端部7a、7bが、ガスケット3の先端側内腔部37内に挿入され、上述の前部延出部が略円錐状内面部37aに当接すると、傾斜部72a,72bの前部延出部が押され、ガスケットの中心軸方向に倒れ、かつ、これに対応するように、傾斜部72a,72bの後部延出部が起き上り、略円錐状内面部37aを押圧するものとなっている。
次に、本発明のシリンジ用プランジャー1を用いたシリンジ、さらに、そのシリンジを用いたプレフィルドシリンジ10について、図14ないし図16を用いて説明する。
この実施例のプレフィルドシリンジ10は、上述したガスケット3を備えるシリンジ用プランジャー1と、外筒4とからなるシリンジと、外筒4に取り付けられた封止部材(シールキャップ)5と、外筒4内(シリンジ内)に充填された薬剤11とからなる。ガスケット3を備えるシリンジ用プランジャー1としては、上述したすべての実施例のものを用いることができる。
そして、プレフィルドシリンジ10では、ガスケット3が、外筒4内に摺動可能に収納されており、ガスケット3には、上述した押子2が装着されている。また、外筒4の先端部には、液密に密封するためのシールキャップ5が装着されておる。そして、薬剤11は、外筒4とガスケット3とシールキャップ5により形成される空間内に収納されている。
薬液11としては、どのようなものでもよいが、例えば、高濃度塩化ナトリウム注射液、微量元素類、ヘパリンナトリウム水溶液、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、シクロスポリン、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリンのような抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正用電解質、抗ウイルス剤、免疫賦活剤等、いかなるものでも良い。
外筒4は、透明もしくは半透明材料により、好ましくは、酸素透過性、水蒸気透過性の少ない材料により形成された筒状体である。外筒4は、外筒本体部41と、その先端に設けられたノズル部42を備える。外筒本体部41は、ガスケット3を液密かつ摺動に収納するほぼ筒状の部分であり、ノズル部42は、外筒本体部41より小径の筒状部となっている。また、外筒本体部41の先端部(肩部)は、ノズル部42に向かってテーパー状に縮径している。そして、外筒4は、後端にフランジ部44とを備える。フランジ部44は、図14および図15に示すように、外筒4の後端全周より垂直方向に突出するように形成された楕円ドーナツ状の円盤部となっている。
さらに、この実施例の外筒4では、図16に示すように、ノズル部42を取り囲むように設けられたカラー部46を備える。また、シールキャップ5は、図16に示すように、キャップ本体50と、キャップ本体内に収納されたシール部材61とを備える。キャップ本体50は、ノズル部42を収納可能かつシール部材61を収納する一端が閉塞し、他端が開口した円筒状のノズル部収納部51と、ノズル部収納部51の内面に設けられ、かつ、収納されるノズル部42と接触しないシール部材保持部56と、ノズル部収納部51を取り囲むように形成され、かつノズル部収納部51との間に外筒4のカラー部46を収納する一端が閉塞した円筒状のカラー部収納部52とを備える。シール部材61は、シール部材保持部56により保持もしくは内側に圧縮された状態となっている。
さらに、外筒4は、カラー部46の内面に形成された螺旋状溝部47を備え、キャップ本体50は、ノズル部収納部51の外面に螺旋状溝部47と螺合可能な螺旋状突出部53を有する。この実施例のプレフィルドシリンジ10では、螺旋状溝部47と螺旋状突出部53との螺合により、外筒4のノズル部42にシールキャップ5が装着され密封状態となっている。
外筒4の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。
シールキャップの形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。
シール部材61としては、外筒4の先端45の開口を液密に密封可能なように弾性部材であることが好ましい。シール部材61の形成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を使用することが好ましい。
次に、本発明のシリンジ用プランジャー1の作用を図11ないし図13を用いて説明する。
図11ないし図13には、押子2が装着されていないプレフィルドシリンジ10が、押子2を装着する操作が図示されている。
ここで用いるプレフィルドシリンジ10では、外筒4内に薬剤11が充填され、外筒4の後端部内にガスケット3が収納されている。図11に示すように、最初に、押子2のガスケット装着部7を構成する突出先端部7a,7bの先端部を外筒4内に挿入し、突出先端部7a,7bの傾斜部72a,72bの上面平面部をガスケットに押しつける。これにより、図11に示すように、ガスケット3の内腔部35内(基端側内腔部36内)に、突出先端部7a,7bの傾斜部72a,72bの先端側部分が進入する。
さらに、押子2をガスケット3内に押し込むと、図12に示すように、突出先端部7a,7bのシャフト部71a,71bは、押子2の中心軸方向(言い換えれば、ガスケット3の中心軸方向)に湾曲し、傾斜部72a,72bは、その後端部がシャフト部71a,71bに近接する方向に変形し、突出先端部7a,7b間の幅が狭くなる。
さらに、押子2のガスケット3内への押し込みを継続すると、図13に示すように、突出先端部7a,7bの傾斜部72a,72bが、ガスケット3の先端側内腔部37内に到達する。そして、先端側内腔部37内に到達することにより、突出先端部7a,7bの傾斜部72a,72bは、ガスケット3の基端側内腔部36による押圧が解除され、略円錐状内面部37aの傾斜内面に当接する状態となるまで広がる。そして、傾斜部72a,72bの後部自由端73a,73bは、基端側内腔部36の環状リブ36aを乗り越え、略円錐状内面部37aの環状凹部38間に進入し、収納され、図13の状態となる。
押子2の突出先端部7a,7b(ガスケット装着部7)は、ガスケット3に装着された状態において、図13に示すように、シャフト部71a,71bは、押子2の中心軸方向(言い換えれば、ガスケット3の中心軸方向)に湾曲した状態となっており、傾斜部72a,72bは、略円錐状内面部37aの傾斜内面に当接し、原形状まで復元していない。このため、押子2の突出先端部7a,7bの傾斜部72a,72bは、ガスケット3の略円錐状内面部37aを押圧しており、この押圧力により、ガスケットを保持している。また、ガスケット3の押子2の後端側への移動も規制している。さらに、図13に示す状態では、押子2の傾斜部72a,72bの後部自由端73a,73bは、ガスケット3の略円錐状内面部37aの環状凹部38に収納されているため、ガスケット3の押子2の先端方向への移動も規制されている。
1 シリンジ用プランジャー
2 押子
3 シリンジ用ガスケット
4 外筒
7 ガスケット装着部
21 押子本体部
7a,7b 突出先端部
71a,71b シャフト部
72a,72b 傾斜部
73a,73b 後部自由端
35 内腔部
36 基端側内腔部
37 略円錐状内面部
38 環状凹部

Claims (15)

  1. 閉塞した先端と、開口する後端とを備える筒状体であるシリンジ用ガスケットと、前記ガスケットに取り付けられたまたは取り付け可能な押子とを備えるシリンジ用プランジャーであって、
    前記押子は、本体部と、前記本体部の先端部より、先端方向に突出する弾性変形可能な複数の突出先端部を備え、前記突出先端部は、前記本体部より突出するシャフト部と、前記シャフト部の先端部に設けられた傾斜部を備え、前記傾斜部は、先端側が前記本体部の中心軸側となるように傾斜し、かつ、後端に後部自由端を備え、
    前記ガスケットは、筒状本体部と、前記筒状本体部の先端部に設けられた閉塞先端部と、前記押子の前記複数の突出先端部を収納可能な内腔部を備え、前記内腔部は、基端側内腔部と、前記基端側内腔部より先端側に設けられた先端側内腔部を備え、さらに、前記先端側内腔部は、前記基端側内腔部の先端部より大きい後端部内径を有し、先端方向に向かってテーパー状に縮径し、かつ、前記押子の前記傾斜部を収納可能である略円錐状内面部を備え、
    前記押子の前記突出先端部が、前記ガスケットの前記内腔部に収納され、かつ、前記押子の前記傾斜部が、前記ガスケットの前記先端側内腔部内に収納された時、前記押子の前記傾斜部は、前記ガスケットの前記略円錐状内面部と当接し、前記略円錐状内面部を押圧するものであることを特徴とするシリンジ用プランジャー。
  2. 前記ガスケットは、前記略円錐状内面部と前記基端側内腔部との境界部に形成され、前記ガスケットの基端方向に延びる環状凹部を備え、前記押子の前記傾斜部の前記後部自由端は、前記環状凹部内に進入可能である請求項1に記載のシリンジ用プランジャー。
  3. 前記突出先端部は、向かい合うように2つ設けられている請求項1または2に記載のシリンジ用プランジャー。
  4. 前記押子は、前記突出先端部を3つ以上備え、かつ、前記複数の突出先端部は、前記押子の中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている請求項1または2に記載のシリンジ用プランジャー。
  5. 前記押子の前記シャフト部は、弾性変形可能であり、前記ガスケットの前記先端側内腔部内に前記傾斜部が収納された時、先端側部分が、前記ガスケットの中心軸方向に湾曲するものである請求項1ないし4のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
  6. 前記押子の前記傾斜部は、弾性変形可能であり、前記ガスケットの前記先端側内腔部内に前記傾斜部が収納された時、前記ガスケットの前記略円錐状内面部と当接し、弾性変形するとともに、反発力により、前記略円錐状内面部を押圧するものである請求項1ないし5のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
  7. 前記傾斜部は、平板部であり、かつ、前記シャフト部の先端部は、前記傾斜部の先端部に連結されている請求項1ないし6のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
  8. 前記突出先端部の前記シャフト部および前記傾斜部ともに弾性変形可能である請求項1ないし7のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
  9. 前記突出先端部の前記シャフト部は、弾性変形可能であり、前記傾斜部は、実質的に弾性変形不能である請求項1ないし7のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
  10. 前記突出先端部の前記傾斜部は、弾性変形可能であり、前記シャフト部は、実質的に弾性変形不能である請求項1ないし7のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
  11. 前記突出先端部の前記傾斜部は、前記シャフト部の先端より、先端方向に突出する前部自由端を備えている請求項1ないし10のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
  12. 前記ガスケットは、前記基端側内腔部の後端に設けられ、開口部方向に拡径する後端テーパー部を備えている請求項1ないし11のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
  13. 前記プランジャーは、前記先端部に平板状部を備え、前記突出先端部は、前記平板状部の先端面より突出している請求項1ないし12のいずれかに記載のシリンジ用プランジャー。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載のシリンジ用プランジャーと、前記シリンジ用プランジャーの前記ガスケットを摺動可能に収納した外筒とを備えることを特徴とするシリンジ。
  15. 請求項1ないし13のいずれかに記載のシリンジ用プランジャーと、前記シリンジ用プランジャーの前記ガスケットを摺動可能に収納した外筒と、前記外筒内に充填された薬液と、前記外筒を封止する封止部材とを備えることを特徴とするプレフィルドシリンジ。
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