JP2003158248A - 半導体メモリ - Google Patents

半導体メモリ

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JP2003158248A JP2001357239A JP2001357239A JP2003158248A JP 2003158248 A JP2003158248 A JP 2003158248A JP 2001357239 A JP2001357239 A JP 2001357239A JP 2001357239 A JP2001357239 A JP 2001357239A JP 2003158248 A JP2003158248 A JP 2003158248A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】素子が微細化された場合にも、十分なキャパシ
タ容量を確保することができる半導体メモリを提供す
る。 【解決手段】この半導体メモリは、実質的にL字形状の
断面を有する下部電極5と、下部電極5上に形成された
SBT膜6と、SBT膜6上に形成された上部電極7と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体メモリに
関し、特に、キャパシタを有する半導体メモリに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電体キャパシタを含む半導体
メモリ(強誘電体メモリ)は、高速で低消費電力な不揮
発性メモリとして、精力的に研究されている。また、従
来の強誘電体メモリの中で、1つのメモリセルが1つの
強誘電体キャパシタのみによって構成される単純マトリ
ックス型の強誘電体メモリが知られている。図22は、
従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリのメモリセ
ルアレイを示した等価回路図である。また、図23は、
従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリのメモリセ
ル部分の断面図である。
【0003】図22および図23を参照して、従来の単
純マトリックス型の強誘電体メモリのメモリセル部分の
構造について説明する。この従来の強誘電体メモリで
は、図23に示すように、p型シリコン基板101の表
面上に、LOCOS(Local Oxidation
of Silicon)法による素子分離絶縁膜10
2が形成されている。また、全面を覆うように、シリコ
ン酸化膜(SiO2膜)からなる層間絶縁膜103が形
成されている。層間絶縁膜103上には、IrSiN膜
105aと、Pt膜105bとの積層膜からなる下部電
極105が形成されている。
【0004】下部電極105および層間絶縁膜103を
覆うように、強誘電体膜であるSrBi2Ta29(S
BT)膜106が形成されている。SBT膜106上に
は、Pt膜からなる上部電極107が形成されている。
この上部電極107は、下部電極105と直交する方向
に延びるように形成されている。下部電極105と、S
BT膜106と、上部電極107とによって、強誘電体
キャパシタ110が構成されている。
【0005】次に、従来の単純マトリックス型の強誘電
体メモリの製造方法について説明する。
【0006】まず、p型シリコン基板101の表面上
に、LOCOS法を用いて、素子分離絶縁膜102を形
成する。そして、素子分離絶縁膜102上に、シリコン
酸化膜からなる層間絶縁膜103を形成する。
【0007】次に、全面を覆うように、IrSiN膜1
05aを約50nmの厚みで形成した後、Pt膜105
bを約200nmの厚みで形成する。その後、フォトリ
ソグラフィ技術と、Cl2/Ar系ガスを用いたドライ
エッチング技術とを用いて、IrSiN膜105aおよ
びPt膜105bを所定の形状にパターニングすること
によって、下部電極105が形成される。
【0008】次に、ゾル・ゲル法、LSMCD(Liq
uid Source Misted Chemica
l Deposition)またはCVD法を用いて、
全面を覆うように、強誘電体膜であるSBT膜106を
形成する。
【0009】さらに、SBT膜106上に、Pt膜から
なる上部電極107を形成した後、フォトリソグラフィ
技術と、ドライエッチング技術とを用いて、上部電極1
07およびSBT膜106を所定の形状にパターニング
する。このようにして、図23に示した従来の単純マト
リックス型の強誘電体メモリが完成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の単純マ
トリックス型の強誘電体メモリのキャパシタ構造は、平
坦な上面を有する下部電極105上に、SBT膜106
を介して上部電極107が対向するように形成された平
行平板型であった。このような構造において、素子の微
細化を進めると、下部電極105の幅が小さくなるた
め、その分、キャパシタ面積が小さくなる。このため、
キャパシタ容量も小さくなるという不都合があった。そ
の結果、素子が微細化された場合に、十分なキャパシタ
容量を確保するのが困難であるという問題点があった。
【0011】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、この発明の目的は、素子が微
細化された場合にも、十分なキャパシタ容量を確保する
ことが可能な半導体メモリを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1における半導体
メモリは、実質的にL字形状の断面を有する下部電極
と、下部電極上に形成された酸化物系誘電体膜を含む第
1絶縁膜と、第1絶縁膜上に形成された上部電極とを備
えている。なお、本発明における半導体基板は、通常の
半導体基板のみならず、絶縁基板上に形成された半導体
層なども含む広い概念である。また、本発明の実質的に
L字形状の断面とは、角度が90°の角ばった形状の完
全なL字形状のみならず、90°以外のL字形状に近い
形状や角ばっていない丸みを有するL字形状も含む広い
概念である。つまり、水平部分と垂直部分とを有するL
字形状に近い形状のものを全て含む広い概念である。
【0013】請求項1では、上記のように、下部電極を
実質的にL字形状の断面を有するように形成することに
よって、そのL字形状の水平部分のみならず垂直部分も
キャパシタとして利用することができる。この場合、垂
直部分は、キャパシタの平面積を増加させることなく、
キャパシタとして利用できる面積を増加させることがで
きるので、素子が微細化された場合にも、十分なキャパ
シタ容量を確保することができる。また、下部電極を実
質的にL字形状の断面を有するように形成することによ
って、L字形状の水平部分により、下部電極形成後の製
造プロセスにおいて下部電極が倒れるのを抑制すること
ができる。
【0014】請求項2における半導体メモリは、請求項
1の構成において、第1絶縁膜は、少なくとも下部電極
の一方の表面に接触するように形成されている。このよ
うに構成すれば、容易に、下部電極の垂直部分によりキ
ャパシタとして利用できる面積を増加させることができ
る。
【0015】請求項3における半導体メモリは、請求項
2の構成において、第1絶縁膜は、下部電極の一方の表
面のみならず他方の表面にも接触するように形成されて
いる。このように構成すれば、下部電極の垂直部分の両
面をキャパシタとして利用することができるので、より
キャパシタとして利用できる面積を増加させることがで
きる。
【0016】請求項4における半導体メモリは、請求項
1〜3のいずれかの構成において、下部電極の他方の表
面の少なくとも一部に接触するように形成された第2絶
縁膜をさらに備える。このように構成すれば、第2絶縁
膜によりL字形状の下部電極が支持されるので、下部電
極形成後の製造プロセスにおいて下部電極が倒れるのを
確実に防止することができる。
【0017】なお、下部電極と上部電極とは、互いに交
差するようにマトリックス状に配置されており、第1絶
縁膜は、下部電極と上部電極とが交差する領域におい
て、下部電極と上部電極との間に配置されてもよい。こ
のように構成すれば、マトリックス型の強誘電体メモリ
などに容易に適用することができる。これにより、マト
リックス型の強誘電体メモリにおいて、素子が微細化さ
れた場合にも、十分なキャパシタ容量を確保することが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0019】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態による単純マトリックス型の強誘電体メモリのメ
モリセル部分を示した断面図である。
【0020】以下、図1を用いて第1実施形態における
強誘電体メモリのメモリセル部分の構造について説明す
る。
【0021】この第1実施形態の強誘電体メモリでは、
p型シリコン基板1の表面上に、LOCOS法による素
子分離絶縁膜2が形成されている。また、全面を覆うよ
うに、シリコン酸化膜(SiO2)からなる層間絶縁膜
3が形成されている。層間絶縁膜3上には、約50nm
の厚みを有するIrSiN膜5aと、約200nmの厚
みを有するPt膜5bとの積層膜から構成される下部電
極5が所定の間隔を隔てて形成されている。なお、p型
シリコン基板1は、本発明の「半導体基板」の一例であ
る。
【0022】また、下部電極5は、図1に示すように、
実質的にL字形状の断面を有するように形成されてい
る。また、そのL字形状の下部電極5は、先端部に丸み
を有するサイドウォール形状の垂直部分を含む。また、
隣接する2つのL字形状の下部電極5間には、2つの下
部電極5の側面(他方の表面)に接触するように、シリ
コン窒化膜(SiN膜)4が形成されている。このシリ
コン窒化膜4は、本発明の「第2絶縁膜」の一例であ
る。
【0023】また、層間絶縁膜3、シリコン窒化膜4お
よびL字形状の下部電極5の一方の表面を覆うように、
強誘電体膜であるSBT膜6が形成されている。また、
SBT膜6上には、下部電極5と直交する方向に延びる
ように、Pt膜からなる上部電極7が形成されている。
なお、SBT膜6は、本発明の「酸化物系誘電体膜を含
む第1絶縁膜」の一例である。
【0024】第1実施形態の単純マトリックス型の強誘
電体メモリでは、上記のように、下部電極5を実質的に
L字形状の断面を有するように形成することによって、
そのL字形状の水平部分のみならず垂直部分の一方の表
面もキャパシタとして利用することができる。この場
合、垂直部分は、キャパシタの平面積を増加させること
なく、キャパシタとして利用できる面積を増加させるこ
とができるので、素子が微細化された場合にも、十分な
キャパシタ容量を確保することができる。
【0025】また、下部電極5を実質的にL字形状の断
面を有するように形成することによって、下部電極5形
成後の製造プロセスにおいて、下部電極5が倒れるのを
抑制することができる。さらに、第1実施形態では、上
記のように、実質的にL字形状の断面を有する下部電極
5の他方の表面に接触するように形成されたシリコン窒
化膜4を設けることによって、シリコン窒化膜4により
L字形状の下部電極5が支持される。これにより、下部
電極5形成後の製造プロセスにおいて下部電極5が倒れ
るのを確実に防止することができる。
【0026】さらに、第1実施形態における単純マトリ
ックス型の強誘電体メモリでは、上記のように、L字形
状の下部電極5を、先端部に丸みを有するサイドウォー
ル形状の垂直部分を含むように構成することによって、
先端部が矩形形状である場合に比べて、電界が集中する
のを防止することができる。
【0027】また、第1実施形態における単純マトリッ
クス型の強誘電体メモリでは、上記のように、下部電極
5を、SiNと、金属との複合膜であるIrSiN膜5
aを含むように構成することによって、SiNと、金属
との複合膜により酸素が下方に侵入するのを抑制するこ
とができる。
【0028】図2〜図7は、図1に示した第1実施形態
による単純マトリックス型の強誘電体メモリの製造プロ
セスを説明するための断面図である。以下、図1〜図7
を参照して、第1実施形態の単純マトリックス型の強誘
電体メモリの製造方法について説明する。
【0029】まず、図2に示すように、p型シリコン基
板1の表面上に、LOCOS法を用いて、素子分離絶縁
膜2を形成する。そして、素子分離絶縁膜2上に、シリ
コン酸化膜からなる層間絶縁膜3を形成する。
【0030】次に、CVD法を用いて、全面にシリコン
窒化膜(図示せず)を約500nmの厚みで形成した
後、フォトリソグラフィ技術と、ドライエッチング技術
とを用いて、そのシリコン窒化膜を所定の形状にパター
ニングする。これにより、図3に示すような形状を有す
るパターニングされたシリコン窒化膜4が得られる。
【0031】次に、図4に示すように、全面を覆うよう
に、IrSiN膜5aを約50nmの厚みで形成した
後、Pt膜5bを約200nmの厚みで形成する。さら
に、CVD法を用いて、シリコン酸化膜8aを約500
nmの厚みで形成する。その後、シリコン酸化膜8aを
異方性エッチングすることによって、図5に示すような
形状を有するサイドウォール絶縁膜8が得られる。
【0032】さらに、サイドウォール絶縁膜8をマスク
として、Cl2/Ar系ガスを用いて、IrSiN膜5
aと、Pt膜5bとを異方性エッチングする。その後、
2ガスを用いたプラズマモードドライエッチングによ
りサイドウォール絶縁膜8を除去する。これにより、図
6に示すようなサイドウォール形状を有する下部電極5
が自己整合的に形成される。
【0033】次に、図7に示すように、全面を覆うよう
に、CVD法またはLSMCD法を用いて、強誘電体膜
であるSBT膜6を形成する。
【0034】この後、SBT膜6上に、Pt膜からなる
上部電極7を形成する。そして、フォトリソグラフィ技
術と、ドライエッチング技術とを用いて、上部電極7お
よびSBT膜6を所定の形状にパターニングする。最後
に、上記エッチング工程で、SBT膜6に入った欠陥を
回復するとともに、強誘電体キャパシタ特性を向上させ
るために、600℃〜800℃で30分程度のO2アニ
ールを行う。このようにして、第1実施形態の半導体メ
モリが完成される。
【0035】(第2実施形態)図8は、本発明の第2実
施形態による単純マトリックス型の強誘電体メモリのメ
モリセル部分を示した断面図である。この第2実施形態
では、上記した第1実施形態と異なり、強誘電体膜であ
るSBT膜を、L字形状を有する下部電極の一方の表面
のみならず他方の表面にも接触するように形成した例に
ついて説明する。
【0036】以下、図8を用いて本発明の第2実施形態
における強誘電体メモリのメモリセル部分の構造につい
て説明する。
【0037】この第2実施形態の強誘電体メモリでは、
p型シリコン基板11の表面上に、LOCOS法による
素子分離絶縁膜12が形成されている。また、全面を覆
うように、シリコン酸化膜(SiO2膜)からなる層間
絶縁膜13が形成されている。ここで、第2実施形態で
は、層間絶縁膜13上の全面に、シリコン窒化膜14
(SiN膜)が形成されている。シリコン窒化膜14上
には、約50nmの厚みを有するIrSiN膜15a
と、約200nmの厚みを有するPt膜15bとの積層
膜から構成される下部電極15が所定の間隔を隔てて形
成されている。なお、p型シリコン基板11は、本発明
の「半導体基板」の一例である。
【0038】また、下部電極15は、図8に示すよう
に、実質的にL字形状の断面を有するように形成されて
いる。また、そのL字形状の下部電極15は、先端部に
丸みを有するサイドウォール形状の垂直部分を含む。
【0039】また、シリコン窒化膜14およびL字形状
の下部電極15の表面を覆うように、強誘電体膜である
SBT膜16が形成されている。また、SBT膜16上
には、下部電極15と直交する方向に延びるように、P
t膜からなる上部電極17が形成されている。
【0040】ここで、第2実施形態では、上記した第1
実施形態と異なり、SBT膜16は、下部電極15の一
方の表面のみならず、他方の表面のほぼ全面に接触する
ように形成されている。なお、SBT膜16は、本発明
の「酸化物系誘電体膜を含む第1絶縁膜」の一例であ
る。
【0041】第2実施形態の単純マトリックス型の強誘
電体メモリでは、上記のように、下部電極15を実質的
にL字形状の断面を有するように形成するとともに、S
BT膜16をそのL字形状の下部電極15の一方の表面
のみならず、他方の表面のほぼ全面に接触するように形
成することによって、他方の表面のほぼ全面をキャパシ
タとして利用することができるので、第1実施形態と比
べて、よりキャパシタとして利用できる面積を増加させ
ることができる。これにより、素子が微細化された場合
にも、より十分なキャパシタ容量を確保することができ
る。
【0042】また、第2実施形態では、下部電極15を
実質的にL字形状の断面を有するように形成することに
よって、下部電極15形成後の製造プロセスにおいて下
部電極15が倒れるのを抑制することができる。
【0043】なお、第2実施形態のその他の効果は、第
1実施形態と同様である。
【0044】図9〜図14は、図8に示した第2実施形
態による単純マトリックス型の強誘電体メモリの製造プ
ロセスを説明するための断面図である。以下、図8〜図
14を参照して、第2実施形態の強誘電体メモリの製造
方法について説明する。
【0045】まず、図9に示すように、p型シリコン基
板11の表面上に、LOCOS法を用いて、素子分離絶
縁膜12を形成する。そして、素子分離絶縁膜12上
に、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜13を形成し、
層間絶縁膜13上に、シリコン窒化膜14を形成する。
【0046】次に、CVD法を用いて、全面にシリコン
酸化膜(図示せず)を約500nmの厚みで形成した
後、フォトリソグラフィ技術と、ドライエッチング技術
とを用いて、そのシリコン酸化膜を所定の形状にパター
ニングする。これにより、図10に示すような形状を有
するパターニングされたシリコン酸化膜18が得られ
る。
【0047】次に、図11に示すように、全面を覆うよ
うに、IrSiN膜15aを約50nmの厚みで形成し
た後、Pt膜15bを約200nmの厚みで形成する。
さらに、CVD法を用いて、シリコン酸化膜19aを約
500nmの厚みで形成する。その後、シリコン酸化膜
19aを異方性エッチングすることによって、図12に
示すような形状を有するサイドウォール絶縁膜19が得
られる。
【0048】さらに、サイドウォール絶縁膜19をマス
クとして、Cl2/Ar系ガスを用いて、IrSiN膜
15aと、Pt膜15bとを異方性エッチングする。そ
の後、第2実施形態では、上記した第1実施形態と異な
り、O2ガスを用いたプラズマモードドライエッチング
によって、サイドウォール絶縁膜19と、シリコン酸化
膜18とを同時に除去する。これにより、図13に示す
ようなサイドウォール形状を有する下部電極15が自己
整合的に形成される。
【0049】次に、図14に示すように、CVD法また
はLSMCD法を用いて、全面を覆うように、強誘電体
膜であるSBT膜16を形成する。
【0050】この後、SBT膜16上に、Pt膜からな
る上部電極17を形成する。そして、フォトリソグラフ
ィ技術と、ドライエッチング技術とを用いて、上部電極
17およびSBT膜16を所定の形状にパターニングす
る。最後に、上記エッチング工程で、SBT膜16に入
った欠陥を回復するとともに、強誘電体キャパシタ特性
を向上させるために、600℃〜800℃で30分程度
のO2アニールを行う。このようにして、第2実施形態
の半導体メモリが完成される。
【0051】(第3実施形態)図15は、本発明の第3
実施形態による単純マトリックス型の強誘電体メモリの
メモリセル部分を示した断面図である。この第3実施形
態では、上記した第1実施形態および第2実施形態と異
なり、強誘電体膜であるSBT膜を、L字形状を有する
下部電極の一方の表面のみならず、他方の表面の一部に
接触するように形成した例について説明する。
【0052】以下、図15を用いて本発明の第3実施形
態における強誘電体メモリのメモリセル部分の構造につ
いて説明する。
【0053】この第3実施形態の強誘電体メモリでは、
p型シリコン基板21の表面上に、LOCOS法による
素子分離絶縁膜22が形成されている。また、全面を覆
うように、シリコン酸化膜(SiO2膜)からなる層間
絶縁膜23が形成されている。ここで、第3実施形態で
は、層間絶縁膜23上の全面に、シリコン窒化膜(Si
N膜)24が形成されている。シリコン窒化膜24上に
は、約50nmの厚みを有するIrSiN膜25aと、
約200nmの厚みを有するPt膜25bとの積層膜か
ら構成される下部電極25が所定の間隔を隔てて形成さ
れている。なお、p型シリコン基板21は、本発明の
「半導体基板」の一例である。
【0054】また、下部電極25は、図15に示すよう
に、実質的にL字形状の断面を有するように形成されて
いる。また、そのL字形状の下部電極25は、先端部に
丸みを有するサイドウォール形状の垂直部分を含む。ま
た、隣接する2つの下部電極25間には、2つの下部電
極25の側面(他方の表面)の一部に接触するように、
シリコン酸化膜28が形成されている。このシリコン酸
化膜28は、本発明の「第2絶縁膜」の一例である。
【0055】また、シリコン窒化膜24、シリコン酸化
膜28およびL字形状の下部電極25の表面を覆うよう
に、強誘電体膜であるSBT膜26が形成されている。
また、SBT膜26上には、下部電極25と直交する方
向に延びるように、Pt膜からなる上部電極27が形成
されている。
【0056】ここで、第3実施形態では、上記した第1
実施形態および第2実施形態と異なり、SBT膜26
は、下部電極25の一方の表面のほぼ全面と、他方の表
面の一部とに接触するように形成されている。なお、S
BT膜26は、本発明の「酸化物系誘電体膜を含む第1
絶縁膜」の一例である。
【0057】第3実施形態の単純マトリックス型の強誘
電体メモリでは、上記のように、下部電極25を実質的
にL字形状の断面を有するように形成するとともに、S
BT膜26をそのL字形状の下部電極25の一方の表面
のみならず、他方の表面の一部に接触するように形成す
ることによって、下部電極25の垂直部分の他方の表面
の一部をキャパシタとして利用することができるので、
第1実施形態と比べて、よりキャパシタとして利用でき
る面積を増加させることができる。これにより、素子が
微細化された場合にも、より十分なキャパシタ容量を確
保することができる。
【0058】また、下部電極25を実質的にL字形状の
断面を有するように形成することによって、下部電極2
5形成後の製造プロセスにおいて下部電極25が倒れる
のを抑制することができる。さらに、第3実施形態で
は、上記した第2実施形態と異なり、実質的にL字形状
の断面を有する下部電極25の他方の表面の一部に接触
するように形成されたシリコン酸化膜28を備えること
によって、シリコン酸化膜28によりL字形状の下部電
極25が支持される。これにより、下部電極25形成後
の製造プロセスにおいて下部電極25が倒れるのを確実
に防止することができる。
【0059】なお、第3実施形態のその他の効果は、第
1実施形態と同様である。
【0060】図16〜図21は、図15に示した第3実
施形態による単純マトリックス型の強誘電体メモリの製
造プロセスを説明するための断面図である。以下、図1
5〜図21を参照して、第3実施形態の強誘電体メモリ
の製造方法について説明する。
【0061】まず、図16に示すように、p型シリコン
基板21の表面上に、LOCOS法を用いて、素子分離
絶縁膜22を形成する。そして、素子分離絶縁膜22上
に、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜23を形成し、
層間絶縁膜23上に、シリコン窒化膜24を形成する。
【0062】次に、CVD法を用いて、全面にシリコン
酸化膜(図示せず)を約500nmの厚みで形成した
後、フォトリソグラフィ技術と、ドライエッチング技術
とを用いて、そのシリコン酸化膜を所定の形状にパター
ニングする。これにより、図17に示すような形状を有
するシリコン酸化膜28が得られる。
【0063】次に、図18に示すように、全面を覆うよ
うに、IrSiN膜25aを約50nmの厚みで形成し
た後、Pt膜25bを約200nmの厚みで形成する。
さらに、CVD法を用いて、シリコン酸化膜29aを約
500nmの厚みで形成する。その後、シリコン酸化膜
29aを異方性エッチングすることによって、図19に
示すような形状を有するサイドウォール絶縁膜29が得
られる。
【0064】さらに、サイドウォール絶縁膜29をマス
クとして、Cl2/Ar系ガスを用いて、IrSiN膜
25aと、Pt膜25とを異方性エッチングする。その
後、第3実施形態では、上記した第2実施形態と異な
り、O2ガスを用いたプラズマモードドライエッチング
でエッチング時間を調節することによって、サイドウォ
ール絶縁膜29と、シリコン酸化膜28の一部とを同時
に除去する。これにより、図20に示すようなサイドウ
ォール形状を有する下部電極25と、隣接する2つの下
部電極25間に、下部電極25の垂直部分の他方の表面
の一部と接触するシリコン酸化物28とが形成される。
【0065】次に、図21に示すように、CVD法また
はLSMCD法を用いて、強誘電体膜であるSBT膜2
6を形成する。
【0066】この後、SBT膜26上に、Pt膜からな
る上部電極27を形成する。そして、フォトリソグラフ
ィ技術と、ドライエッチング技術とを用いて、上部電極
27およびSBT膜26を所定の形状にパターニングす
る。最後に、上記エッチング工程で、SBT膜26に入
った欠陥を回復するとともに、強誘電体キャパシタ特性
を向上させるために、600℃〜800℃で30分程度
のO2アニールを行う。このようにして、第3実施形態
の半導体メモリが完成される。
【0067】なお、今回開示された実施形態は、すべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明
ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請
求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が
含まれる。
【0068】たとえば、上記実施形態では、単純マトリ
ックス型の強誘電体メモリを例にとって説明したが、本
発明はこれに限らず、1つのトランジスタと、1つの強
誘電体キャパシタとからなるメモリセルを有する1T1
C型の強誘電体メモリなどにも同様に適用可能である。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、素子が
微細化された場合にも、十分なキャパシタ容量を確保す
ることが可能な半導体メモリを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による単純マトリックス
型の強誘電体メモリのメモリセル部分の断面図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による単純マトリッ
クス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するため
の断面図である。
【図3】図1に示した第1実施形態による単純マトリッ
クス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するため
の断面図である。
【図4】図1に示した第1実施形態による単純マトリッ
クス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するため
の断面図である。
【図5】図1に示した第1実施形態による単純マトリッ
クス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するため
の断面図である。
【図6】図1に示した第1実施形態による単純マトリッ
クス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するため
の断面図である。
【図7】図1に示した第1実施形態による単純マトリッ
クス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するため
の断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による単純マトリックス
型の強誘電体メモリのメモリセル部分の断面図である。
【図9】図8に示した第2実施形態による単純マトリッ
クス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するため
の断面図である。
【図10】図8に示した第2実施形態による単純マトリ
ックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するた
めの断面図である。
【図11】図8に示した第2実施形態による単純マトリ
ックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するた
めの断面図である。
【図12】図8に示した第2実施形態による単純マトリ
ックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するた
めの断面図である。
【図13】図8に示した第2実施形態による単純マトリ
ックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するた
めの断面図である。
【図14】図8に示した第2実施形態による単純マトリ
ックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明するた
めの断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態による単純マトリック
ス型の強誘電体メモリのメモリセル部分の断面図であ
る。
【図16】図15に示した第3実施形態による単純マト
リックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明する
ための断面図である。
【図17】図15に示した第3実施形態による単純マト
リックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明する
ための断面図である。
【図18】図15に示した第3実施形態による単純マト
リックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明する
ための断面図である。
【図19】図15に示した第3実施形態による単純マト
リックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明する
ための断面図である。
【図20】図15に示した第3実施形態による単純マト
リックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明する
ための断面図である。
【図21】図15に示した第3実施形態による単純マト
リックス型の強誘電体メモリの製造プロセスを説明する
ための断面図である。
【図22】従来の単純マトリックス型の強誘電体メモリ
のメモリセルアレイを示した等価回路である。
【図23】図22に示した従来の単純マトリックス型の
強誘電体メモリのメモリセル部分の断面図である。
【符号の説明】
5、15、25 下部電極 6、16、26 SBT膜(第1絶縁膜) 7、17、27 上部電極 4 シリコン窒化膜(第2絶縁膜) 18、28 シリコン酸化膜(第2絶縁膜)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に形成され、実質的にL字形
    状の断面を有する下部電極と、 前記下部電極上に形成された酸化物系誘電体膜を含む第
    1絶縁膜と、 前記第1絶縁膜上に形成された上部電極とを備えた、半
    導体メモリ。
  2. 【請求項2】前記第1絶縁膜は、少なくとも前記下部電
    極の一方の表面に接触するように形成されている、請求
    項1に記載の半導体メモリ。
  3. 【請求項3】前記第1絶縁膜は、前記下部電極の一方の
    表面のみならず他方の表面にも接触するように形成され
    ている、請求項2に記載の半導体メモリ。
  4. 【請求項4】前記下部電極の他方の表面の少なくとも一
    部に接触するように形成された第2絶縁膜をさらに備え
    る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体メモ
    リ。
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