JP2003158113A - 半導体装置の製造方法およびエッチング装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法およびエッチング装置

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JP2003158113A
JP2003158113A JP2001358906A JP2001358906A JP2003158113A JP 2003158113 A JP2003158113 A JP 2003158113A JP 2001358906 A JP2001358906 A JP 2001358906A JP 2001358906 A JP2001358906 A JP 2001358906A JP 2003158113 A JP2003158113 A JP 2003158113A
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Kazuhiro Shigyo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に半導体層が形成された基板の半導体層
をエッチングする工程を備えた半導体装置の製造におい
て、半導体層のエッチングを優れた加工精度で行なう。 【解決手段】 表面に半導体層が形成された基板11を
エッチング液15に浸漬し、半導体層の所望の部分にエ
ッチング液15中から出射された半導体層のバンドギャ
ップ以上のエネルギーを有する光を照射し、この光が照
射された部分の半導体層をエッチング液15中へ溶解さ
せてエッチングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置の製
造方法及びエッチング装置に関するものであり、特に、
表面に半導体層が形成された基板の半導体層をエッチン
グする工程を備えた半導体装置の製造方法及びこの半導
体層をエッチングするエッチング装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】シリコン(Si)により形成される大規
模集積回路(ULSI)、ガリウム砒素(GaAs)、
窒化ガリウム(GaN)等の化合物半導体により形成さ
れるレーザーダイオード(LD)、静電効果型トランジ
スター(FET)は導電性の異なるp型とn型の半導体
膜が積層された構造を有している。また、LDにおいて
は屈折率を変化させるために組成比の異なる化合物層の
積層構造を有する。このような半導体装置を形成する上
で、これらの半導体膜を部分的にエッチングし、溝等の
微細構造を形成する必要がある。Siを用いた半導体装
置の場合、加工は主にドライエッチング法が用いられる
が、加工ダメージや表面の汚染性が問題となる。特にL
Dのようにエッチング後、表面に単結晶膜をエピタキシ
ャル成長させる場合においては、加工方法として再成長
界面の結晶の乱れが少なく、デバイスの高信頼性が期待
できるウエットエッチングが適用される場合が多い。
【0003】窒化物半導体は3eV以上の広いバンドギ
ャップを有するワイドバンドギャップ半導体であり、橙
色から紫外領域までの広い短波長発光素子材料として用
いられる。また、100℃を超える高温でも安定して動
作するため、高温動作用の半導体としての利用が期待さ
れている。窒化物半導体は単膜で使用することは稀であ
り、LDを作製する場合、窒化物半導体を多層膜積層し
て成長し、エッチングによる溝形成や電極を形成する処
理を行なう。
【0004】また、窒化物半導体は化学的に安定な材料
であり、加工は主に反応性ガスを使用してエッチングす
るドライエッチングプロセスが適用されてきた。しか
し、反応性ガスを利用する方法では温度やガス量の差に
よりエッチング端面の平坦性が低下する現象が生じる。
【0005】また、ドライエッチングでは物理的に大き
なエネルギーを有するイオンの雰囲気中に試料をさらす
ため、基板表面にダメージ層を生じる欠点があった。特
にエッチング後の表面に結晶再成長させる場合などはダ
メージ層の影響によりLDの寿命が短い等の問題があ
る。
【0006】一方、化学的に安定な窒化物半導体もバン
ドギャップ以上のエネルギーを有する光を照射すること
でウエットエッチング可能であることが、最近わかって
きた。
【0007】窒化物半導体が液中で溶解するためには、
反応過程で正孔が窒化物半導体/溶液界面に拡散し、消
費される必要がある。窒化物半導体のうち代表的な窒化
ガリウム(GaN)のアルカリ溶液中での溶解反応は一
般的に以下の式(1)であらわされる。 GaN+6OH+3h→GaO3 3-+0.5N2+3H2O・・・・・(1) ここでh+は価電子帯の正孔をあらわす。
【0008】図8はウエットエッチング時におけるn型
半導体の電子バンド構造を説明する図であり、その
(a)はバンドギャップ以上のエネルギーの光の非照射
時の電子バンド構造、その(b)はバンドギャップ以上
のエネルギーの光の照射時の電子バンド構造を説明する
図である。図8において、Ecは伝導帯端、Efはフェ
ルミ準位、Evは価電子帯端である。n型半導体では電
荷移動の担い手として正孔がほとんど存在しない。そこ
で、図8(b)に示すように、半導体のバンドギャップ
以上のエネルギーを有する光をエッチング中に半導体に
照射することによりn型半導体内部で電荷分離を起こ
し、価電子帯に正孔が発生し、この正孔がn型半導体/
エッチング液界面に拡散、消費されることでエッチング
を進行させる。GaNをエッチングする場合には、Ga
N/アルカリ溶液界面に正孔が拡散し、この界面で上記
(1)で表わされるような反応により、GaNがアルカ
リ溶液中に溶解される。なお、p型半導体についてはバ
ンドギャップ以上のエネルギーを有する光を照射しない
場合でも価電子帯に正孔が存在するため、光照射はエッ
チング速度にほとんど影響を及ぼさない。
【0009】半導体層を所望のパターンに加工する方法
として、半導体層上にレジスト等のマスクを形成して半
導体層をウエットエッチングする方法がある。しかしな
がらこの方法の場合、マスクを除去後の半導体層表面に
レジスト残さ物等の汚染が残留し、その後半導体層表面
に結晶再成長する際に、結晶再成長挙動に影響を及ぼす
問題がある。
【0010】また、レジスト等のマスクを用いてウエッ
トエッチングする場合、深さ方向にエッチングが進行す
るとともに横方向にも進行し、この横方向のエッチング
量の制御性がよくないという問題がある。
【0011】これに対し、レジスト等のマスクを使用せ
ずに溝等のパターンを半導体層に形成する方法として、
基板をエッチング液に浸漬した状態で、エッチング液の
外部からエッチング液を介して半導体層にレーザー光を
スポット状に照射し、光照射部分のみをエッチングし、
照射位置を移動させることによって、半導体層を所望の
パターンを形成する方法がある。
【0012】また、レジスト等のマスクを使用せずに溝
等のパターンを半導体層に形成する別の方法として、窒
化物半導体結晶に結晶欠陥を発生させ、結晶欠陥発生部
分を選択的にエッチング除去する方法がある。図9は、
特開平10−233385号公報に示されている従来の
エッチング方法について説明する図である。サファイア
基板61に厚さ10nmのアルミナ膜(Al膜)
62を蒸着し、その後、MO−CVDによりGaN膜を
形成する。サファイア基板61上に形成されたGaN膜
63とアルミナ膜62上に形成されたGaN膜64とで
は結晶欠陥が異なる。アルミナ膜62上に形成したGa
N膜64の方が結晶欠陥が多いために、KOH水溶液中
でのウエットエッチングにより選択的に溶解することが
でき、これを利用してGaN膜に溝65を形成するもの
である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たレーザー光を照射する方法の場合には、半導体層に向
けて照射されたレーザー光がエッチング液を通過する際
に、エッチング液中でレーザー光が拡散するため、加工
精度のばらつきが大きくなるという問題点があった。こ
の方法の場合、加工精度のばらつきは±5μm程度であ
り、LDの溝形成で求められる加工精度である±0.1
μmを実現することは困難であった。このため、この方
法をLDのような半導体装置の製造方法として用いるこ
とができなかった。
【0014】また、人工的に形成した結晶欠陥を選択的
にエッチングする方法の場合も結晶欠陥の方向を制御す
るのが難しく、パターニングの加工精度を±0.1μm
以下にすることは困難であった。
【0015】また、上述したレーザー光を照射する方法
や人工的に形成した欠陥を選択的にエッチングする方法
の場合には、電圧を印加しないためにエッチング速度が
小さいという問題点があった。
【0016】また、レジストなどのエッチングマスクを
用いてエッチングする場合には、上述したようにエッチ
ングが横方向にも進行するため、アスペクト比(高さ/
幅)の高い構造を形成できないという問題点があった。
【0017】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、半導体装置に用いられる半導
体層を優れた加工精度でウエットエッチングするととも
に、高アスペクト比のエッチング断面形状を得ることを
目的とするものである。また、半導体層を優れた加工精
度でウエットエッチングすることができるエッチング装
置を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体装
置の製造方法は、表面に半導体層が形成された基板をエ
ッチング液に浸漬し、半導体層の所望の部分にエッチン
グ液中から出射された半導体層のバンドギャップ以上の
エネルギーを有する光を照射し、この光が照射された部
分の半導体層をエッチング液中へ溶解させてエッチング
する工程を備えるものである。
【0019】また、光の照射が光ファイバーを用いて行
われるものである。
【0020】また、半導体層に対向して配置される電極
と基板との間に電圧印加した状態でバンドギャップ以上
のエネルギーを有する光の照射が行われるものである。
【0021】また、半導体層に対向して配置される電極
が、光ファイバーの先端に設けられるものである。
【0022】この発明に係るエッチング装置は、半導体
層が形成された基板をエッチング液に浸漬して保持する
基板保持部と、半導体層のバンドギャップ以上のエネル
ギーを有する光を出射する光源と、この光源から出射さ
れた光をエッチング液中に導き半導体層に照射する光フ
ァイバーと、を備えるものである。
【0023】また、光ファイバーの先端に電極が設けら
れ、この電極と基板間に電圧を印加し得るように構成さ
れるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1のウエットエッチング装置の構成を示す
図である。図1において、11は表面にエッチングを行
なう半導体層が形成された基板、12は基板11を保持
する基板保持部、13は基板11に接するように設けら
れた基板側電極、14は基板側電極13及び後述する光
ファイバー先端の電極に定電圧を印加するための定電圧
電源である。15はエッチング液、16はエッチング液
を入れるエッチング槽、17はエッチング液を攪拌する
マグネットスターラー、18はUVレーザー光源、19
はUVレーザー光源18から発せられたUVレーザー光
を基板11上に導く光ファイバー、20は光ファイバー
19の先端を基板上の所望の位置に移動させることがで
きる3次元移動ステージである。UVレーザー光源とし
ては、エッチングする半導体層のバンドギャップ以上の
エネルギーを有する光を発するものが用いられる。この
ような光としては、通常300nm以下の波長のものが
用いられる。半導体層のバンドギャップ以上のエネルギ
ーを有する光を発するものであればレーザーに限らず、
ランプであってもよい。
【0025】図2は、この発明の実施の形態1のウエッ
トエッチング装置に用いられる光ファイバー19の先端
部の構成を説明する図である。光ファイバー19の先端
の端面の周縁部には電極19aが形成され、この電極1
9aには図1で示される定電圧電源14が接続されてい
る。電極19aとしてはエッチング液15に溶解しない
ものが用いられ、例えば金、チタンなどの金属材料が用
いられる。電極19aはスパッタ法等により形成され、
光ファイバー側面にも形成されている。光ファイバー側
面は絶縁性のフィルム19bでコーティングされ、光フ
ァイバー19の先端の端面の電極19aのみから電流が
流れるように構成されている。光ファイバー19の先端
の端面の電極非形成部19cから矢印21の方向に光が
出射される。このように光ファイバー19の先端に電極
19aを設けることにより、光照射部の近傍に簡便に電
圧を印加することができる。
【0026】次に、図1及び図2に示されるエッチング
装置を用いて半導体層をエッチングする方法について説
明する。表面にエッチングを行なう半導体層が形成され
た基板11を基板保持部12に保持し、エッチング液1
5に浸漬する。エッチング液15はマグネットスターラ
ー17により攪拌されている。光ファイバー19の先端
はエッチング液15中に浸漬され、基板11の半導体層
が形成された面に対向するように配置される。光ファイ
バー19の先端の位置は3次元移動ステージ20により
3次元方向に移動制御される。光ファイバー19の先端
と基板11との距離が大きいと、これらの間に介在する
エッチング液中で光ファイバー19の先端から出射され
た光が拡散して加工精度が悪くなるので、光ファイバー
19の先端と基板11との距離は、これらが接しない程
度にできるだけ小さくすることが望ましい。
【0027】光ファイバー19の先端に設けられた電極
19aと基板11との間に電圧を印加する。電圧を印加
した状態で半導体層にUVレーザー光を照射する。この
UVレーザー光の照射は光ファイバーで19導かれたU
Vレーザー光源18から発せられたUVレーザー光をエ
ッチング液15に浸漬された光ファイバー19の先端か
ら半導体層に向けて出射することにより行われる。UV
レーザー光が照射された部分の半導体層は、エッチング
液15中に溶解しエッチングされる。光ファイバー19
の先端の位置を順次3次元移動ステージ20を用いて移
動させることにより、半導体を所望のパターンに加工す
ることができる。
【0028】図3はこの発明の実施の形態1のウエット
エッチング方法におけるn型半導体の電子バンド構造を
説明する図である。実施の形態1のウエットエッチング
方法は、バンドギャップ以上のエネルギーの光を半導体
に照射することにより、n型半導体内部で電荷分離を起
こし、価電子帯に正孔を発生させ、さらに電圧印加する
ことにより、エッチング中の電位をアノード方向に分極
することでn型半導体内部に電位勾配を発生させ、価電
子帯の正孔がn型半導体/エッチング液界面に拡散する
速度を増加させるものである。これにより、エッチング
速度を増加させることが可能である。GaNのエッチン
グの場合には、上記式(1)のように、エッチング液中
の反応種とGaNとが、GaN/エッチング液界面の正
孔を消費して反応し、GaNはエッチング液中に溶解し
てエッチングされる。
【0029】図4は、本発明を用いて製造する半導体装
置の断面の構成の一例を示す図であり、例えば特許28
42465号に開示されたCDやCD−R等の情報用L
Dとして代表的な電流ストライプ構造を有する半導体レ
ーザーの断面を示す図である。このような電流ストライ
プ構造を有する半導体装置は生産性の点で優れている。
図4において、31はn型のGaAs基板、32はn型
のGaAsバッファ層、33はn型のGa0.5Al0.5
s、34はGa0.85Al0.15As活性層、35はp型の
Ga0.5Al0.5Asクラッド層、36はp型のGa0.8
Al0.2Asからなるエッチングストッパ層、37はn
型のGa0.35Al0.65As電流ブロック層、37aはス
トライプ状の窓である。38はp型のGa0.5Al0.5
sクラッド層、39はp型のGaAsコンタクト層であ
る。ここで、ストライプ状の窓37aを形成するために
n型Ga0.65Al0.35As電流ブロック層37をウエッ
トエッチングする。図4のようなストライプ型のLD構
造を実現するために、ストライプ窓37aをウエットエ
ッチングで制御性良く形成する技術が必要である。
【0030】現在、図4に示されるようなストライプ型
のLDはGaN等のワイドバンドギャップ半導体では実
現されていないが、ストライプ型のLDは生産性に優れ
ているので、今後ストライプ型のLDの開発は必須にな
ると考えられる。
【0031】ワイドバンドギャップ半導体であるGaN
を用いて図4に示されるようなストライプ型のLDを製
造する場合には、基板31としてサファイア基板を用
い、32〜39の各層として、上述したGaAlAsと
同じ導電型のGaNまたはGaAlNを用いる。32〜
39の各層のGaNまたはGaAlNは、適正な特性が
得られるように、Ga、Al及びNの組成比が選択され
る。
【0032】次にGaNを用いてこのようなストライプ
型のLDを製造するのに必要なウエットエッチングにつ
いて評価を行なった結果について説明する。図5は、こ
の発明の実施の形態1のウエットエッチング方法の評価
に用いた基板の断面の構成について説明する図である。
図5において、41はサファイア基板、42はサファイ
ア基板41上に形成されたp型GaN膜(膜厚200n
m)、43はp型GaN膜42上に形成されたn型Ga
N膜(膜厚600nm)である。サファイア基板41以
外はいずれも有機金属気相析出法(MO−CVD)によ
り積層したものを用いた。エッチング液15としては1
Mの水酸化カリウム(KOH)水溶液を用い、エッチン
グ槽16としてはフッ素樹脂製のものを用いた。評価に
用いた基板の裏面側は導電性がないサファイア基板であ
るため、基板側電極13は基板11の表面側にコンタク
トするようにした。
【0033】光ファイバー19の先端より出射したUV
レーザー光21は基板11にスポット状に照射され、半
導体層により光が吸収されることにより、半導体層内で
伝導体の電子と正孔を形成し、エッチングが進行する。
ここで、光ファイバー19の先端の電極19aと基板1
1との間に3Vの電圧を印加することによって、エッチ
ング反応を加速し、光ファイバー先端部近傍で局部的に
エッチングを進行させることができた。
【0034】光ファイバー19の先端部を移動させるこ
とにより、溝等のパターンを形成することが可能であ
る。また、エッチングしながら深さ方向に光ファイバー
を移動することによって、アスペクト比の高い構造を形
成できた。
【0035】図6は、この発明の実施の形態1の効果を
説明する図であり、その(a)は従来の方法で図5に示
す構成の基板をエッチングした場合の断面形状を示す
図、その(b)は実施の形態1の方法で図5に示す構成
の基板をエッチングした場合の断面形状を示す図であ
る。図6(a)は、開口幅が1μmのレジストマスクを
GaN上に形成してエッチングした場合の断面形状であ
り、横方向へのエッチングが進行する。このため得られ
る溝44の加工精度は悪い。図6(b)は、上述した実
施の形態1の方法により、幅が1μmの光をGaNに照
射した場合の断面形状であり、横方向へのエッチングは
進行しない。このため得られる溝45はほぼ垂直な形状
であり、加工精度が優れ、アスペクト比が高い形状を得
ることができた。実施の形態1の方法により、LDの製
造において求められる加工精度±0.1μmを実現する
ことができることを確認できた。
【0036】このような本発明の実施の形態1のエッチ
ング方法をストライプ型のLDのストライプ窓を形成す
る工程に適用することにより、ストライプ窓の形成にお
いて求められる加工精度を満たすことができるととも
に、アスペクト比の大きい構造のLDを得ることができ
る。
【0037】このように、この発明の実施の形態1の方
法によれば、光ファイバー19の先端をエッチング液中
に浸漬させて基板11とを接近させた状態で光を照射す
ることにより、エッチング液中での光の拡散を防ぐこと
ができ、加工精度が優れたエッチングをすることができ
る。さらに、エッチング中に電圧を印加することによ
り、エッチング速度を高めることができる。このような
エッチング方法を用いることにより、半導体層としてG
aNを用いた場合でもストライプ型のLDを製造するこ
とができる。
【0038】実施の形態2.図7は、この発明の実施の
形態2のウエットエッチング方法の評価に用いた基板の
断面の構成について説明する図である。図7において、
51はSi基板、52はSi基板51上に形成されたp
型SiC膜(膜厚200nm)、53はp型SiC膜5
2上に形成されるn型SiC膜(膜厚600nm)であ
る。Si基板51以外はいずれも有機金属気相析出法
(MO−CVD)により積層したものを用いた。
【0039】エッチング液15としては、2.5%のH
F水溶液を使用した。この場合、光ファイバー19の先
端の電極19aと基板との間に3Vの電圧を印加しつ
つ、上述した実施の形態1のGaNのエッチングと同様
のエッチングを行なったところ、アスペクト比が高く、
LDの製造において求められる加工精度±0.1μmを
実現できることがわかった。
【0040】なお、エッチング液としては、光照射した
際に半導体内に形成される正孔を消費してウエットエッ
チングを進行させる溶液を用いることができる。
【0041】このようなエッチング液として硫酸または
クエン酸を用いることができる。また、反応を促進する
ために、過酸化水素をエッチング液に添加しても良い。
【0042】また、エッチング液としてフッ酸と単体で
はGaNをエッチングしない酸との混合溶液を用いても
同様の効果が得られる。リン酸とフッ酸、塩酸とフッ
酸、硫酸とフッ酸、酒石酸とフッ酸、酢酸とフッ酸、蟻
酸とフッ酸の組み合わせでも良い。
【0043】このような酸を混合したエッチング液に反
応を促進するために過酸化水素を加えても良い。また、
エッチレートを低減させるために水または水酸化ナトリ
ウム、フッ化アンモニウムで希釈しても良い。
【0044】また、ウエットエッチングする材料として
は上述したGaNやSiCに限られるものではなく、ガ
リウム砒素(GaAs)、アルミガリウム砒素(AlG
aAs)、インジウム燐(InP)、インジウムガリウ
ム燐(InGaP)、ガリウムアルミ燐(GaAl
P)、Si、アルミガリウムインジウム燐(AlGaI
nP)でも良い。これらの半導体層を用いた場合にも、
p型の半導体層上にn型の半導体層が形成された構成に
おいて、n型の半導体層のエッチングを上述した実施の
形態1と同様の方法を用いて行なうことにより、図4と
同様の構成からなるストライプ型のLDを製造すること
ができる。
【0045】また、ウエットエッチングする半導体層の
作製方法として、上述したMO−CVDによる作製方法
以外に、分子線エピタキシ法(MBE)、チョクラルス
キー法(CZ)を用いても良い。これらの場合にも上述
した実施の形態1と同様に半導体層を優れた加工精度で
ウエットエッチングできるとともに、高アスペクト比の
エッチング断面形状を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】この発明に係る半導体装置の製造方法
は、半導体層が形成された基板をエッチング液に浸漬
し、半導体層の所望の部分にエッチング液中から出射さ
れた半導体層のバンドギャップ以上のエネルギーを有す
る光を照射し、この光が照射された部分の半導体層をエ
ッチングすることにより、半導体層を所望のパターンに
加工するので、半導体層を優れた加工精度でエッチング
することができる。
【0047】また、光の照射を光ファイバーを用いて行
なうことにより、エッチング液中からの半導体層のバン
ドギャップ以上のエネルギーを有する光の出射を簡便で
かつ確実に行なうことができる。
【0048】また、半導体層に対向して設けられた電極
と基板との間に電圧印加した状態でバンドギャップ以上
のエネルギーを有する光を照射することにより、半導体
層のエッチング速度を高めることができる。
【0049】また、光ファイバーの先端に電極を設ける
ことにより、光照射部の近傍に簡便に電圧を印加するこ
とができる。
【0050】この発明に係るエッチング装置は、半導体
層が形成された基板をエッチング液に浸漬して保持する
基板保持部と、半導体層のバンドギャップ以上のエネル
ギーを有する光を出射する光源と、この光源から出射さ
れた光をエッチング液中に導き半導体層に照射する光フ
ァイバーとを備えるので、半導体層を優れた加工精度で
エッチングすることができる。
【0051】また、光ファイバーの先端に電極が設けら
れ、この電極と基板間に電圧を印加し得るように構成さ
れるので、半導体層のエッチング速度を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のウエットエッチン
グ装置の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1のウエットエッチン
グ装置に用いられる光ファイバーの先端部の構成を説明
する図である。
【図3】 この発明の実施の形態1のウエットエッチン
グ方法におけるn型半導体の電子バンド構造を説明する
図である。
【図4】 この発明を用いて製造する半導体装置の断面
の構成の一例を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1のウエットエッチン
グ方法の評価に用いた基板の断面の構成について説明す
る図である。
【図6】 この発明の実施の形態1の効果を説明する図
であり、その(a)は従来の方法でエッチングした場合
の断面形状を示す図、その(b)は実施の形態1の方法
でエッチングした場合の断面形状を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態2のウエットエッチン
グ方法の評価に用いた基板の断面の構成について説明す
る図である。
【図8】 ウエットエッチング時におけるn型半導体の
電子バンド構造を説明する図であり、その(a)はバン
ドギャップ以上のエネルギーの光の非照射時の電子バン
ド構造、その(b)はバンドギャップ以上のエネルギー
の光の照射時の電子バンド構造を説明する図である。
【図9】 従来のエッチング方法について説明する図で
ある。
【符号の説明】
11 基板、15 エッチング液、19 光ファイバ
ー、19a 電極。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に半導体層が形成された基板をエッ
    チング液に浸漬し、上記半導体層の所望の部分に上記エ
    ッチング液中から出射された上記半導体層のバンドギャ
    ップ以上のエネルギーを有する光を照射し、この光が照
    射された部分の半導体層を上記エッチング液中へ溶解さ
    せてエッチングする工程を備えてなる半導体装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 光の照射が光ファイバーを用いて行われ
    てなる請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体層に対向して配置される電極と基
    板との間に電圧印加した状態でバンドギャップ以上のエ
    ネルギーを有する光の照射が行われてなる請求項1また
    は2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 半導体層に対向して配置される電極が、
    光ファイバーの先端に設けられてなる請求項3記載の半
    導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 半導体層が形成された基板をエッチング
    液に浸漬して保持する基板保持部と、上記半導体層のバ
    ンドギャップ以上のエネルギーを有する光を出射する光
    源と、この光源から出射された光を上記エッチング液中
    に導き上記半導体層に照射する光ファイバーと、を備え
    てなるエッチング装置。
  6. 【請求項6】 光ファイバーの先端に電極が設けられ、
    この電極と基板間に電圧を印加し得るように構成されて
    なる請求項5記載のエッチング装置。
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