JP2002033305A - 半導体装置の製造方法およびそれを用いて製造した半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法およびそれを用いて製造した半導体装置

Info

Publication number
JP2002033305A
JP2002033305A JP2000217212A JP2000217212A JP2002033305A JP 2002033305 A JP2002033305 A JP 2002033305A JP 2000217212 A JP2000217212 A JP 2000217212A JP 2000217212 A JP2000217212 A JP 2000217212A JP 2002033305 A JP2002033305 A JP 2002033305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
semiconductor device
manufacturing
layer
semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000217212A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Shinoda
和典 篠田
Akira Oya
彰 大家
Hiroshi Sato
宏 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2000217212A priority Critical patent/JP2002033305A/ja
Publication of JP2002033305A publication Critical patent/JP2002033305A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Weting (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶欠陥の少ない埋込再成長界面を実現する化
合物半導体のエッチング方法を提供する。 【解決手段】ドライエッチングにより形成したメサの損
傷層除去に、臭化水素酸濃度0.50±0.25モル/
リットル、臭素濃度0.02±0.01モル/リットル
の範囲の臭化水素酸と臭素と水の混合液によるウェット
エッチングを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化合物半導体素子お
よびその製造方法ならびに化合物半導体素子を用いた光
応用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体のエッチング加工技術は、
半導体レーザ、高電子移動度トランジスタ、光変調器
等、様々な化合物半導体素子の製造に用いられている。
化合物半導体のエッチングには、永らくウェットエッチ
ングが用いられてきた。しかし、近年ではウェハ面内で
の加工寸法均一性向上への要求が高まり、ドライエッチ
ング技術の研究が進められている。ドライエッチングを
用いると、イオン衝撃の効果により加工形状が垂直とな
り、マスクパターン寸法を高精度に基板に転写できるた
めである。
【0003】その一方、イオン衝撃は基板表面および導
波路側面に損傷をもたらす。高速電子素子や半導体レー
ザでは、それぞれ電気的能動層、光学的活性層のエッチ
ングが中心であるため、エッチング時に生じる損傷は素
子の特性や寿命に関する信頼性に甚大な悪影響を及ぼ
す。例えば半導体レーザの光導波路をドライエッチング
で形成した場合、イオン衝撃による活性層側面の損傷層
の影響により、通電試験時の素子劣化の進行が速くなる
ことが知られている。この、ドライエッチング損傷によ
る信頼性低下を避けるために、ドライエッチング後にウ
ェットエッチングにより損傷層を除去する工程が一般的
に用いられている。
【0004】また、このウェットエッチング工程には損
傷層除去効果のみならず、別の効果がある。それは、埋
込ヘテロ構造半導体レーザのように、ドライエッチング
により形成した導波路の周囲を半導体層で埋め込む場合
においては、ウェットエッチングによってマスクパター
ンに庇を形成することにより、マスク上への異常成長の
ない良好な埋込成長が容易に実現されることである。
【0005】従来のウェットエッチング技術の公知例と
しては、ジャーナル・オブ・エレクトロケミカル・ソサ
イエティ、144巻、3940頁に、炭化水素系ガスを
用いたドライエッチングにより形成したInP層とIn
GaAsP層の積層構造からなるメサ構造に対し、幾つ
かの異なるウェットエッチング工程を施した場合の、エ
ッチング断面形状の評価結果が報告されている。この報
告では、燐酸/過酸化水素水/水によるウェットエッチ
ングと、臭化水素酸/飽和臭素水/水によるウェットエ
ッチングの組み合わせにより、メサ側壁に凹凸の少ない
加工形状を得る試みがなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のウェッ
トエッチング技術では、再現性よく、凹凸のないウェッ
トエッチング形状を得ることができないという問題があ
った。上記報告の燐酸/過酸化水素水/水によるウェッ
トエッチングではInGaAsP層が多くエッチングさ
れ、臭化水素酸/飽和臭素水/水によるウェットエッチ
ングでは、逆にInGaAsP層のエッチング量がIn
P層のエッチング量と比較して少ない。すなわち上記報
告ではドライエッチングにより形成したInP層とIn
GaAsP層の積層構造からなるメサ構造を、二段階の
ウェットエッチングによって平滑に加工している。しか
し、このようにエッチングを二段階にしても、二回のエ
ッチング量の調整が困難であり、平滑性の再現性が極め
て悪く、凹凸をなくすまでには到っていない。
【0007】ウェットエッチング後の形状に凹凸がある
場合、それに続く埋込成長工程において、凹凸部分で埋
込成長形状に乱れが生じ、結晶欠陥が生成する。埋込再
成長界面に結晶欠陥が存在すると、半導体素子動作中に
非発光再結合中心が増殖し、素子寿命に関する信頼性に
甚大な悪影響を与える。したがって、このようなメサの
凹凸はできる限り抑制しなければならない。
【0008】また、InPとInGaAsPを等速エッ
チング可能なエッチング液として、臭化水素/過酸化水
素水/水の混合液が知られているが、本エッチング液
は、過酸化水素水が強い酸化力を有し、臭化水素の酸化
が進行するために、エッチング速度の経時変化が極めて
大きく、制御性の観点から半導体素子の製造工程に適用
することはできない。
【0009】本発明の第1の目的は、ドライエッチング
により形成した半導体多層構造からなるメサを、凹凸無
く食刻するための、InPとInGaAsPを等速でエ
ッチングするウェットエッチング方法を提供することに
ある。また、本発明の第2の目的は、本発明のエッチン
グ方法を用いて製造した半導体装置を提供することにあ
る。また、本発明の第3の目的は、本発明のエッチング
方法を用いて製造した半導体レーザを提供することにあ
る。また、本発明の第4の目的は、本発明の半導体レー
ザを搭載した光モジュールを提供することにある。ま
た、本発明の第5の目的は、本発明の光モジュールを搭
載した光伝送システムあるいは光情報処理システム等の
光応用システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
あらかじめマスクパターンを形成した、少なくとも一つ
のIII−V族化合物半導体層を有する半導体多層基板
に、第1のエッチングにより溝を形成する工程と、上記
溝の表面を第2のエッチングにより食刻する工程とを有
する半導体装置の製造方法において、上記第2のエッチ
ングが、臭化水素酸と臭素と水の混合液を用いたウェッ
トエッチングであり、上記混合液の組成が、臭化水素酸
濃度0.50±0.25モル/リットル、臭素濃度0.
02±0.01モル/リットルの範囲であることにより
達成される。
【0011】また、あらかじめマスクパターンを形成し
た、少なくとも一つのIII−V族化合物半導体層を有す
る半導体多層基板に、第1のエッチングにより溝を形成
する工程と、上記溝の表面を第2のエッチングにより食
刻する工程と、上記溝を少なくとも一つのIII−V族化
合物半導体層を有する半導体埋込層により埋込む工程と
を有する半導体装置の製造方法において、上記第2のエ
ッチングが、臭化水素酸と臭素と水の混合液を用いたウ
ェットエッチングであり、上記混合液の組成が、臭化水
素酸濃度0.50±0.25モル/リットル、臭素濃度
0.02±0.01モル/リットルの範囲であることに
より達成される。
【0012】また、上記半導体装置の製造方法におい
て、上記第1のエッチングがドライエッチングであるこ
とにより達成される。また、上記半導体装置の製造方法
において、上記半導体多層基板がInP層およびInG
aAsP層を含むことにより達成される。また、上記半
導体装置の製造方法において、上記半導体埋込層がIn
Pであることにより達成される。また、上記半導体装置
の製造方法において、上記混合液を、臭化水素酸と臭素
水と水との混合により作製することにより達成される。
【0013】また、本発明の第2の目的は、上記半導体
装置の製造方法を用いて製造したことを特徴とする半導
体装置を提供することにより達成される。
【0014】また、本発明の第3の目的は、本発明の半
導体装置の製造方法を用いて製造したことを特徴とする
半導体レーザを提供することにより達成される。
【0015】また、本発明の第4の目的は、本発明の半
導体レーザを搭載したことを特徴とする光モジュールを
提供することにより達成される。
【0016】また、本発明の第5の目的は、本発明の光
モジュールを搭載した光伝送システムあるいは光情報処
理システム等の光応用システムを提供することにより達
成される。
【0017】以下、図6を用いて、本発明の作用につい
て説明する。図6(a)は臭化水素酸/臭素/水の三元
混液における、InP(10)面エッチング速度とIn
GaAsPの(10)面エッチング速度の、混液組成依
存性の測定結果である。図6(b)は、測定試料の断面
形状をあらわす模式図である。
【0018】同図から、InPのエッチングは、臭化水
素酸濃度ゼロにおいて全く進行しないが、臭化水素酸濃
度の低い範囲においては臭化水素酸濃度増大に伴って速
度が増し、臭化水素酸濃度1モル/リットル、臭素濃度
0.015モル/リットルの点においてピーク値を持
ち、臭素濃度の低い範囲では、臭素濃度減少に伴って速
度が低下する。これは、本エッチングが酸化物溶解型反
応に支配されており、臭素と臭化水素酸が、それぞれ酸
化剤および酸化物の溶剤として機能しているために、そ
のいずれの濃度が不足した場合においてもエッチング速
度が低下するためである。ただし、同図から、InPの
エッチング速度は臭素濃度ゼロにおいても一定の値を有
することから、臭素が酸化剤として機能する酸化物溶解
型反応だけでなく、臭化水素酸による直接反応も起こっ
ていることが推認される。
【0019】一方、InGaAsPのエッチング速度
は、臭化水素酸濃度ゼロで臭化水素酸濃度が低い範囲で
は臭化水素酸濃度の増大にしたがって増大し、ピーク値
を持ったのち、臭素濃度の低い範囲では、臭素濃度の増
大に伴って減少する傾向は、InPの場合と同様である
が、臭素濃度ゼロにおいてエッチングが全くおこらない
点が異なっている。このことは、InGaAsPのエッ
チングは、InPで観測された臭化水素酸による直接反
応の寄与はなく、酸化物溶解型の反応が起こっているこ
とを示す。
【0020】このように、InPの場合とInGaAs
Pの場合では、エッチング機構が異なっており、そのエ
ッチング速度は、それぞれ異なる混液組成において最大
値をとっている。このため、二つのエッチング速度曲線
には交差する点が存在し、図から、臭化水素酸濃度0.
5モル/リットル、臭素濃度0.02モル/リットルに
おいて両材料のエッチング速度が一致するのである。こ
の結果、本発明のエッチング液組成を用いれば、InP
とInGaAsPを等速でエッチングすることができ
る。
【0021】また、本発明のエッチング液では、酸化力
の強い過酸化水素を含まないので、エッチング速度は安
定であり、経時的なエッチング速度の変化は全くなく、
再現性、制御性の高いエッチングが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明の第1の実施
例を図1、および図2を用いて説明する。本実施例で
は、本発明のエッチング技術を用いて作製したメサ構造
に埋込成長を施した場合の断面形状の評価結果を述べ
る。
【0023】まず、試料作製フローを図1を用いて説明
する。エピタキシャル成長は有機金属気相成長法により
行った。n型InP基板11上に、n型InGaAsP
光ガイド層12(膜厚100nm、バンドギャップ波長
1.1μm)、アンドープ多重量子井戸型活性層13
(膜厚122nm)、アンドープInGaAsP光ガイド
層14(膜厚100nm、バンドギャップ波長1.1μ
m)、p型InPクラッド層15(膜厚500nm)を順
次形成した。
【0024】ここで、上記多重量子井戸型活性層13
は、7層のInGaAsP歪量子井戸層(膜厚6nm、バ
ンドギャップ波長1.3μm)を、8層のInGaAs
P障壁層(膜厚10nm、バンドギャップ波長1.1μ
m)で挟んだものである(図1(a))。
【0025】メサ形成は、CHF3/C26ガスのドラ
イエッチングにより形成した膜厚400nmのSiO2
ターン16をマスクとし、CH4/O2/H2混合ガスの
ドライエッチングにより行った。加工条件は、CH4
量20sccm、O2流量2sccm、H2流量80sc
cm、エッチング圧力100mT、高周波パワー200
Wである。エッチングは、深さ2μmまで行った(図1
(b))。
【0026】ドライエッチング加工表面の損傷層を除去
することを目的としたウェットエッチングには、臭化水
素酸(47.6%、8.68モル/リットル)、臭素
(100%、19.4モル/リットル)、並びに水を用
いて調合した、臭化水素酸濃度0.5モル/リットル、
臭素濃度0.02モル/リットルの混合液を用いた。ウ
ェットエッチングは、恒温水槽を用いて25℃に温度調
整したエッチング液に、試料を2分間浸すことにより行
った。その結果、本発明のエッチング液の、材料組成に
依らない等速エッチング特性を反映して、エッチング後
のメサ形状として、凹凸のない滑らかな形状が得られた
(図1(c))。
【0027】埋込再成長は、有機金属気相成長法により
行った。埋込層17は、成長形状を可視化するために、
InP層とInGaAsP層の交互の積層構造とした。
InP成長の原料には、In(CH33とPH3を用い
た。基板温度は620℃、成長圧力は50Torrであ
る(図1(d))。
【0028】埋込再成長を行った試料の断面形状を図2
(a)に示す。また、比較のためInGaAsPのエッ
チング速度がInPより遅く、活性層が突出する組成
(臭化水素酸濃度1.5モル/リットル、臭素濃度0.
01モル/リットル)の混合液でエッチングを行ったメ
サ構造に埋込再成長を行った場合の断面形状を図2
(b)に示す。
【0029】図2(b)の、活性層が突出したメサの場
合では、活性層側面のくびれ部分において、複数の方向
からの結晶成長面が交錯していることが分かる。この部
分には、結晶欠陥が生成している。活性層近傍に結晶欠
陥がある場合、素子動作中に非発光再結合中心が増殖
し、半導体レーザの信頼性を著しく低下させる。したが
って結晶欠陥はできる限り抑制しなくてはならない。
【0030】これに対し、図2(a)の、本発明の混合
液(臭化水素酸0.4モル/リットル、臭素0.02モ
ル/リットル)でエッチングしたメサの場合では、メサ
側壁に凹凸がないことにより、結晶がメサ側壁に均一に
成長していることが分かる。欠陥発生の原因となる結晶
成長面の交錯が全くないことから、低欠陥の埋込再成長
界面を実現できたと言える。
【0031】なお、本実施例では、臭化水素酸濃度0.
5モル/リットル、臭素濃度0.02モル/リットルの
混合液を用いた例について説明したが、臭化水素酸濃度
が0.5±0.25モル/リットル、臭素濃度が0.0
2±0.01モル/リットルの範囲の混合液では同様な
効果が得られた。
【0032】(実施例2)つぎに第2の実施例を図3に
より詳細に説明する。n型InP基板21上に有機金属
気相成長法により、アンドープ多重量子井戸活性層2
2、p型InPクラッド層(厚さ1.5ミクロン)2
3、p型InGaAsコンタクト層(厚さ0.2ミクロ
ン)24を順次形成した。ここで、上記多重量子井戸活
性層22は、InGaAs井戸層(厚さ60nm)5層
を、InGaAsP障壁層(厚さ100nm、組成波長
1.15ミクロン)6層で挟んだものである。次に熱C
VD法により厚さ300nmのSiO2膜を形成し、通常
のリソグラフィ技術を用いて幅1.5ミクロンのSiO
2ストライプ25を形成した(図3(a))。
【0033】次にこのウェハを平行平板型電極構造を有
するエッチング装置の陰極上に載置し、エタンと水素と
アルゴンの混合ガス50sccm(混合比4:10:
1)をエッチング処理装置内に導入し、ガス圧80mT
において、試料を配置した電極を陰極とする高周波電力
300Wを供給してグロー放電をおこすことにより、反
応性イオンエッチングを行い、3ミクロンの段差を形成
した。(図3(b))。
【0034】酸素プラズマアッシングによりエッチング
中にSiO2パターン25上に堆積したポリマー(図示
せず)を除去した後、臭化水素酸、飽和臭素水および水
を用いて調合した、臭化水素酸濃度0.3モル/リット
ル、臭素濃度0.02モル/リットルの混合液を用い、
ドライエッチング損傷層の除去とSiO2マスク25に
庇を形成することを目的としたウェットエッチングを行
った。ウェットエッチングは、恒温水槽を用いて20℃
に温度調整したエッチング液に、試料を3分間浸すこと
により行った。その結果、本発明のエッチング液の、材
料組成に依らない等速エッチング特性を反映して、エッ
チング後のメサ形状として、凹凸のない滑らかな形状が
得られた(図3(c))。つぎに、本試料を有機金属気
相成長炉内に搬入し、成長温度600℃にてフォスフィ
ンガス、トリメチルインジウム、フェロセン、および塩
化メチルを導入してFeドープ半絶縁性InP電流狭窄
層(成長厚さ3ミクロン)26を成長した(図3
(c))。
【0035】本実施例のごとくドライエッチング後にウ
ェットエッチングを行うことにより、SiO2マスク上
への結晶の回り込み成長を抑制することができ、半導体
が露出した部分のみを選択的に埋込み、平坦化を実現す
ることができる。埋込み成長後、SiO2ストライプ2
5を希フッ酸で除去し、p側電極27を形成し、基板裏
面を研磨により薄くした後、裏面にn側電極28を形成
した(図3(d))。最後に分割、劈開することによ
り、発光波長1.55ミクロンの半導体レーザを作製し
た。
【0036】作製したレーザ素子は、メサ形状に凹凸が
あった場合に生成する埋込成長界面の結晶欠陥が存在せ
ず、非発光再結合中心による無効電流が少ない本発明の
効果を反映して、室温、連続条件においてしきい値電流
5mA、発振効率0.45W/Aと低しきい値でかつ高
効率な特性が得られた。また、50℃、5mWでの一定
光出力通電試験を行った結果、本発明の欠陥の少ない結
晶構造を反映して、推定寿命として100万時間が得ら
れた。
【0037】本実施例では本発明を1.55μm帯の半
導体レーザに適用した場合について述べたが、1.3μ
m帯や他の波長帯の半導体レーザにも適用可能である。
また、本実施例ではドライエッチングを用いて形成した
メサの欠陥除去に本発明のウェットエッチング液を用い
た場合について述べたが、ドライエッチングに限らず、
劈開やウェットエッチングで形成した異種材料の積層構
造からなる面を、材料組成によらず平滑にエッチングす
ることが求められるあらゆる化合物半導体製造工程にお
いて、本発明のエッチング液が有効であることは言うま
でもない。
【0038】また、本実施例ではマスク材としてSiO
2を用いた場合について述べたが、Si34等他の材料
を用いてもよい。また、本実施例ではInP基板上のI
nGaAsP系材料半導体レーザに本発明を適用した例
について述べたが、InP基板上のInGaAlAs系
材料半導体レーザにも同様に適用可能である。
【0039】また、本実施例では埋込材料として、鉄ド
ープ半絶縁性InPを用いた場合について述べたが、p
型InPとn型InPの積層構造により電流狭窄構造を
形成した場合にも同様の効果がある。また、本実施例で
は半導体レーザの製造に本発明を適用した場合について
述べたが、光変調器、高電子移動度トランジスタ、電界
効果トランジスタ、フォトダイオード、あるいは光導波
路素子などの他の化合物半導体素子に適用することもで
きる。また、本発明は、電界吸収形変調器を集積した変
調器集積半導体レーザや、レンズ機能を集積したビーム
スポット拡大器集積レーザ等のモノリシック集積素子に
おいても実施可能である。
【0040】(実施例3)つぎに第3の実施例を図4に
より詳細に説明する。図4は実施例2の半導体レーザ3
1をヒートシンク32上に実装した後、光学レンズ3
3、後端面光出力モニタ用のフォトダイオード34と光
ファイバ35とを一体化した光送信モジュールの構造図
である。本モジュールの発振特性は、室温・連続条件に
おいて、しきい値電流8mA、発振効率0.4W/Aで
あった。また、本発明の結晶欠陥の少ない素子構造を反
映して推定寿命として100万時間が得られた。また、
85℃の高温においても、しきい値電流25mA、発振
効率0.3W/Aと良好な発振特性が得られた。また、
本発明の優れた加工寸法制御性を反映して、85℃の高
温においても副モード抑圧比40dB以上の安定な単一
モード動作を95%以上の高い製造歩留まりで実現でき
た。
【0041】(実施例4)つぎに第4の実施例を図5に
より詳細に説明する。図5は、実施例3の送信モジュー
ル41を用いた幹線系光通信システムである。送信装置
42は送信モジュール41とこのモジュール41を駆動
するための駆動系43とを有する。モジュール41から
の光信号がファイバ44を通って受信装置45内の受光
部46で検出される。本実施例に係る光通信システムに
よれば100万時間の長期信頼性を有する100km以
上の無中継光伝送を提供できる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、結晶欠陥の少ないドラ
イエッチングメサ埋込成長界面を実現できる。本発明を
用いれば、化合物半導体素子の高信頼化および製造の歩
留まり向上による低コスト化に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の試料作製フローを説明
する断面図。
【図2】本発明の第1の実施例および比較例の埋込再成
長を行った試料の断面図。
【図3】本発明の第2の実施例の試料作製フローを説明
する断面図。
【図4】本発明の第3の実施例を説明する光送信モジュ
ールの部分断面斜視図。
【図5】本発明の第4の実施例を説明する幹線系光通信
システムのブロック図。
【図6】本発明の作用効果の説明図。
【符号の説明】
11…n型InP基板、12…n型InGaAsP光ガ
イド層、13…多重量子井戸活性層、14…p型InG
aAsP光ガイド層、15…p型InPクラッド層、1
6…SiO2マスク、17…InP/InGaAsP埋
込層、21…n型InP基板、22…多重量子井戸活性
層、23…p型InPクラッド層、24…p型InGa
Asコンタクト層、25…SiO2マスク、26…Fe
ドープ半絶縁性InP層、27…上部電極、28…下部
電極、31…半導体レーザ、32…ヒートシンク、33
…光学レンズ、34…フォトダイオード、35…光ファ
イバ、41…送信モジュール、42…送信装置、43…
駆動系、44…光ファイバ、45…受信装置、46…受
光部、51…SiO2マスク、52…p型InP層、5
3…InGaAsP層、54…n型InP層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 5/02 H01L 21/306 S 5/227 21/302 N 5/323 21/306 B 31/10 A (72)発明者 佐藤 宏 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 2H079 AA02 AA13 BA01 CA04 DA16 DA22 EA03 EA08 EB04 HA11 JA07 5F004 AA06 CA02 CA03 DA00 DA02 DA16 DA24 DA26 DB20 DB22 EA10 5F043 AA14 AA15 BB07 BB08 DD07 DD15 EE10 FF05 5F049 MA04 MB07 NA08 NA18 NB01 PA14 QA02 SS04 5F073 AA22 AA45 AA74 CA12 CB02 CB11 DA23 DA35 EA29

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】あらかじめマスクパターンを形成した、少
    なくとも一つのIII−V族化合物半導体層を有する半導
    体多層基板に、第1のエッチングにより溝を形成する工
    程と、上記溝の表面を第2のエッチングにより食刻する
    工程とを有する半導体装置の製造方法において、上記第
    2のエッチングが、臭化水素酸と臭素と水の混合液を用
    いたウェットエッチングであり、上記混合液の組成が、
    臭化水素酸濃度0.50±0.25モル/リットル、臭
    素濃度0.02±0.01モル/リットルの範囲である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】あらかじめマスクパターンを形成した、少
    なくとも一つのIII−V族化合物半導体層を有する半導
    体多層基板に、第1のエッチングにより溝を形成する工
    程と、上記溝の表面を第2のエッチングにより食刻する
    工程と、上記溝を少なくとも一つのIII−V族化合物半
    導体層を有する半導体埋込層により埋込む工程とを有す
    る半導体装置の製造方法において、上記第2のエッチン
    グが、臭化水素酸と臭素と水の混合液を用いたウェット
    エッチングであり、上記混合液の組成が、臭化水素酸濃
    度0.50±0.25モル/リットル、臭素濃度0.0
    2±0.01モル/リットルの範囲であることを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の半導体装置の製
    造方法において、上記第1のエッチングがドライエッチ
    ングであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の半導
    体装置の製造方法において、上記半導体多層基板に、I
    nP層およびInGaAsP層が含まれることを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項2ないし4のいずれかに記載の半導
    体装置の製造方法において、上記半導体埋込層がInP
    からなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の半導
    体装置の製造方法において、上記混合液が、臭化水素酸
    と臭素水と水との混合により調合されたものであること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の半導
    体装置の製造方法を用いて製造したことを特徴とする半
    導体装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし6のいずれかに記載の半導
    体装置の製造方法を用いて製造したことを特徴とする半
    導体レーザ。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の半導体レーザを搭載した
    ことを特徴とする光モジュール。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の光モジュールを搭載し
    たことを特徴とする光応用システム。
JP2000217212A 2000-07-13 2000-07-13 半導体装置の製造方法およびそれを用いて製造した半導体装置 Pending JP2002033305A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000217212A JP2002033305A (ja) 2000-07-13 2000-07-13 半導体装置の製造方法およびそれを用いて製造した半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000217212A JP2002033305A (ja) 2000-07-13 2000-07-13 半導体装置の製造方法およびそれを用いて製造した半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002033305A true JP2002033305A (ja) 2002-01-31

Family

ID=18712357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000217212A Pending JP2002033305A (ja) 2000-07-13 2000-07-13 半導体装置の製造方法およびそれを用いて製造した半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002033305A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004006718A (ja) * 2002-03-26 2004-01-08 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子およびその製造方法
JP2005191401A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Hamamatsu Photonics Kk 半導体受光素子
JP2006344995A (ja) * 2002-03-26 2006-12-21 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子およびその製造方法
JP2006528844A (ja) * 2003-05-13 2006-12-21 レイセオン・カンパニー フォトダイオード不動態化技術
JP2007036266A (ja) * 2002-03-26 2007-02-08 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子およびその製造方法
JP2007299796A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体発光素子の製造方法
CN100476039C (zh) * 2006-05-25 2009-04-08 中国科学院半导体研究所 用于半导体激光器中光栅制作的腐蚀液及制作方法
US7629623B2 (en) 2002-03-26 2009-12-08 Sanyo Electric Co., Ltd. Nitride-based semiconductor device and method of fabricating the same

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004006718A (ja) * 2002-03-26 2004-01-08 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子およびその製造方法
JP2006344995A (ja) * 2002-03-26 2006-12-21 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子およびその製造方法
JP2007036266A (ja) * 2002-03-26 2007-02-08 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子およびその製造方法
US7629623B2 (en) 2002-03-26 2009-12-08 Sanyo Electric Co., Ltd. Nitride-based semiconductor device and method of fabricating the same
US7655484B2 (en) 2002-03-26 2010-02-02 Sanyo Electric Co., Ltd. Nitride-based semiconductor device and method of fabricating the same
JP2006528844A (ja) * 2003-05-13 2006-12-21 レイセオン・カンパニー フォトダイオード不動態化技術
JP4685785B2 (ja) * 2003-05-13 2011-05-18 レイセオン カンパニー フォトダイオード不動態化技術
JP2005191401A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Hamamatsu Photonics Kk 半導体受光素子
JP2007299796A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体発光素子の製造方法
US7736926B2 (en) 2006-04-27 2010-06-15 Sumitomo Electric Industries Ltd. Method for manufacturing a light-emitting device with a periodic structure in an active region
CN100476039C (zh) * 2006-05-25 2009-04-08 中国科学院半导体研究所 用于半导体激光器中光栅制作的腐蚀液及制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2039875C (en) Process for forming the ridge structure of a self-aligned semiconductor laser
JP2823476B2 (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
EP0959540B1 (en) Semiconductor laser having effective output increasing function
US6821801B1 (en) Manufacturing method of semiconductor laser diode
US5737351A (en) Semiconductor laser including ridge structure extending between window regions
JP2002033305A (ja) 半導体装置の製造方法およびそれを用いて製造した半導体装置
CN110459952A (zh) 通过选择性区域生长sag提高半导体激光器芯片可靠性的制作方法
US6103542A (en) Method of manufacturing an optoelectronic semiconductor device comprising a mesa
KR19990006644A (ko) 반도체 레이저 장치
JPH10335756A (ja) 半導体レーザの製造方法
JP3464991B2 (ja) 半導体レーザ発光装置の製造方法
JP2000208870A (ja) 半導体レ―ザおよびその製造方法
US20200350741A1 (en) Semiconductor laser device and method for manufacturing the same
Itoh et al. High-quality 1.3-μm GaInAsP-BH-lasers fabricated by MOVPE and dry-etching technique
JP2000232254A (ja) 半導体レーザおよび半導体レーザの製造方法
JP3523432B2 (ja) 半導体レーザ装置の製造方法
JPH11354507A (ja) ドライエッチング方法および半導体装置
JPH09153657A (ja) 半導体レーザの製造方法
JP2000012975A (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法
JPH11283968A (ja) ドライエッチング方法および半導体装置
JP3200507B2 (ja) 半導体レーザの製造方法
JPH10256236A (ja) ドライエッチング方法および半導体装置
JPH10303179A (ja) 半導体光素子の製造方法およびそれを用いた半導体光素子ならびにそれを用いた光応用システム
CN115051238A (zh) 一种可靠性优化的激光器芯片及其制备方法
JPH11340194A (ja) ドライエッチング方法および半導体装置