JP2002196508A - レジスト表面処理用フッ化水素溶液及びレジスト剥離方法、並びに該レジスト剥離方法を用いた半導体デバイス装置の製造方法 - Google Patents

レジスト表面処理用フッ化水素溶液及びレジスト剥離方法、並びに該レジスト剥離方法を用いた半導体デバイス装置の製造方法

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JP2002196508A
JP2002196508A JP2000390356A JP2000390356A JP2002196508A JP 2002196508 A JP2002196508 A JP 2002196508A JP 2000390356 A JP2000390356 A JP 2000390356A JP 2000390356 A JP2000390356 A JP 2000390356A JP 2002196508 A JP2002196508 A JP 2002196508A
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resist
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hydrogen fluoride
dielectric film
fluoride solution
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JP2000390356A
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Makiko Hashimoto
真紀子 橋本
Kenji Shimoyama
謙司 下山
Kazumasa Kiyomi
和正 清見
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レジストを剥離する方法を提供すること。誘
電体上の場合には誘電体膜の厚さや幅を変化させずに誘
電体膜上に形成されたレジストを剥離する方法を提供す
ること。 【解決手段】 形成されたレジストをフッ化水素溶液で
表面処理した後に、レジストを有機溶剤により剥離する
ことを特徴とするレジストの剥離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジストを剥離す
る前にレジストを表面処理するために用いられるフッ化
水素溶液、該レジストの剥離方法、及び該レジストの剥
離方法を用いた半導体デバイス装置の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に半導体デバイス装置の製造方法
として、フォトリソグラフィー法を用いた製造方法が知
られている。図1に、フォトリソグラフィー法を用いた
半導体デバイス装置の典型的な製造工程を示す。誘電体
膜6上にレジスト8を形成した後(図1(a))、レジス
ト8でマスクされていない誘電体膜をSF6プラズマを
用いたドライエッチングにより除去する(図1(b))。
次いで、有機溶剤を用いて誘電体膜6上のレジスト8を
除去するが、このとき有機溶剤により除去されたレジス
ト粒子の一部は、誘電体膜上に再付着して不溶性レジス
ト残渣9となる(図1(c))。このため、従来はこのレ
ジスト残渣9を除去するために、さらに酸素プラズマを
用いたアッシングを行っていた(図1(d))。
【0003】しかしながら、フォトリソグラフィー法で
形成されたレジスト残渣を上記アッシングにより剥離す
る場合には、誘電体膜が酸素プラズマに直接曝されるこ
とになる。このため、プラズマ密度や強度が高い場合に
は、酸素プラズマが誘電体膜の結晶内に侵入する確率が
高くなり、結晶欠陥の形成、高抵抗化、結晶の酸化など
の現象が起こりやすくなる。また誘電体膜が活性層の近
傍にある場合には、プラズマダメージによる活性層の結
晶構造の崩壊も起こりやすくなる。このため酸素プラズ
マ処理した半導体デバイス装置では高寿命化が図りにく
いという問題があった。
【0004】一方、ウエハー表面に存在する粒子や層を
除去する手段として希フッ化水素溶液を用いた洗浄方法
(特開平10−79366号公報)や、フッ酸による有
機物除去方法が知られている(新版シリコンウエハー表
面のクリーン化技術p383〜385)。これは希フッ
化水素酸で表面処理すると、ウエハー表面がわずかに溶
解(エッチング)し、その結果、ウエハー表面に付着し
ていた粒子等がリフトオフされて、ウエハー表面上の付
着粒子を除去することができるという原理に基づくもの
である。
【0005】しかし、半導体デバイス装置、特にLD、
LED、OEICなどの小型化・薄層化の要求される場
合にこの方法を用いると、誘電体膜を用いたデバイス装
置の場合、誘電体膜が溶解(エッチング)して誘電体膜
の厚さや面積が変わり、特性を変化させてしまうことが
ある。例えば、誘電体膜を電流狭窄膜として使用するリ
ッジ導波路型ストライプ構造半導体LDの場合には、誘
電体膜の厚みや幅が変化した場合、動作電流等に変化が
生じLD特性が変化してしまう。特にフッ化水素酸によ
る表面処理時間が長くなると、誘電体膜がかなりエッチ
ングされてしまうため、LDの製造自体が困難になって
しまう。このように、LDの製造工程において、フッ化
水素酸を用いてレジスト残渣を剥離するのは問題が多か
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かくして本発明は上記
課題を解決するためになされたものであり、レジスト除
去工程におけるダメージを防ぎ、また誘電体膜の厚さや
幅を変えずに誘電体膜上に形成されたレジストを剥離す
る方法、および該方法に有用な表面処理液を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、レジスト除去工程に
おけるダメージを防ぎ、また誘電体膜の厚さや幅を変え
ずに誘電体膜上に形成されたレジストを剥離することに
よって、超寿命で高品質な半導体デバイス装置の製造方
法を提供することも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、レジスト
を剥離する際に、フッ化水素溶液でレジストを表面処理
した後に、有機溶剤を用いてレジストを溶解させると、
良好にレジストを剥離させることが出来ることを見いだ
した。また、誘電体膜上に形成されたレジストを剥離し
た場合には、誘電体膜の厚さ及び幅を変えることなく、
良好にレジストを剥離させることができることを見出し
た。
【0008】驚くことに、このフッ化水素溶液を用いて
レジストを剥離した後に、レジストが形成されていたウ
エハー表面を調べてみると、レジスト残渣のウエハー表
面への再付着が極めて少ないことが分かった。このた
め、これまで必要とされていた酸素プラズマによるアッ
シング工程を省略または短縮することができる。そし
て、このフッ化水素溶液を使用した後にレジストを剥離
して完成した半導体デバイス装置は、ウエハーのダメー
ジも少なく、寿命も長く、かつ歩留まりも向上するとい
う優れたものとなる。
【0009】すなわち、本発明は、第一に、誘電体膜上
に形成されたレジストを剥離する前に、レジストを表面
処理するために用いられるフッ化水素溶液に関する。本
発明のフッ化水素溶液の好ましい態様としては、フッ化
水素の含有量が0.01〜1.0%(w/v)である態
様が挙げられる。
【0010】また、本発明は、第二に、形成されたレジ
ストを剥離する方法であって、レジストをフッ化水素溶
液で表面処理する工程と、レジストを有機溶剤により剥
離する工程を有することを特徴とする前記方法に関す
る。本発明のレジストを剥離する方法の好ましい態様と
しては、レジストが誘電体膜上に形成されている場合は
誘電体膜がSiNx、SiO2、SiOxy、AlOx
ZnO、SiC及びアモルファスSiのいずれかである
態様;レジストが化合物半導体上に形成されている場合
は、化合物半導体がInP、GaInP、AlGaIn
P、AlInP、GaAs、AlGaAs、AlGaA
sP、AlGaInAs、GaInAsPのいずれかで
ある態様;フッ化水素溶液として第一の発明のフッ化水
素溶液を使用する態様;有機溶剤がアセトンなどのケト
ン系有機溶剤、市販されているリムーバー類のいずれか
である態様が挙げられる。
【0011】さらに、本発明は、第三に、レジストを剥
離する工程を含む半導体デバイス装置の製造方法であっ
て、前記剥離工程を第二の本発明により行う方法にも関
する。本発明の半導体デバイス装置の製造方法の好まし
い態様としては、半導体光デバイスであり、さらに好ま
しい態様としては、半導体光デバイス装置が半導体レー
ザである態様を挙げることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のレジスト
表面処理用フッ化水素溶液、レジスト剥離方法、及び該
レジスト剥離方法を用いた半導体デバイス装置の製造方
法について詳細に説明する。
【0013】本発明のフッ化水素溶液は、形成されたレ
ジストを剥離する前に、該レジストをあらかじめ表面処
理するために用いられる。有機溶剤でレジストを剥離し
た後に、フッ化水素溶液で直接ウエハーを処理すると、
再付着したレジスト剥離は容易ではなく長時間の処理を
必要とし、特に誘電体膜上に形成されたレジストを剥離
する場合には、誘電体膜の溶解(エッチング)が起こり
誘電体膜の厚さや幅が変化してしまう。本発明のフッ化
水素溶液は、レジストが誘電体膜上に形成されている状
態で使用するため、誘電体の厚さや幅はほとんど影響を
受けない。
【0014】本発明のフッ化水素溶液は、レジストを効
果的に表面処理しうる範囲でフッ化水素を含有させるこ
とができる。具体的には、フッ化水素の含有量が0.01〜
1.0%(w/v)の範囲であり、0.05〜0.75%(w/
v)がより好ましく、0.1〜0.5%(w/v)が最も好ま
しい。また、本発明のフッ化水素溶液は、フッ化水素以
外の成分を含むものであってもよい。例えば、含有させ
ることができる他の成分としては、フッ化アンモニウム
のような緩衝剤、オゾン水や過酸化水素水などの酸化
剤、硫酸等などの酸類、界面活性剤などを挙げることが
できる。
【0015】本発明におけるレジストの形成方法は特に
限定されない。したがって、レジストの形成には公知の
方法を用いることができる。例えば、フォトリソグラフ
ィー法(g線、i線、KrFエキシマレーザー)、電子
線リソグラフィー法、X線リソグラフィー法などの各種
のリソグラフィーを用いることができる。また、レジス
トを形成するレジストの材料についても特に制限はな
く、レジストを形成し得るいかなる材料をも含む。した
がって、レジストを構成する公知の各種の感光剤、樹
脂、溶媒などをレジスト材料として用いることができ
る。具体的には、好ましいレジストとしては、ノボラッ
ク系樹脂を含むレジストが挙げられる。
【0016】レジストが形成される材料については、特
に限定されない。半導体であれば、Si、GaAs、I
nP、ZnSe等に形成することが可能である。誘電体
膜上に形成したレジストの本発明のフッ化水素溶液を用
いた表面処理では、誘電体膜はレジストで覆われている
ため、フッ化水素によるリフトオフは生じない。したが
って、誘電体膜の材料がフッ化水素と反応し得るSi含
有化合物、例えば、SiNx、SiO2、SiOxy、A
23、ZnO、SiC、アモルファスSからなる群か
ら選択される材料で構成されていても本発明のフッ化水
素溶液で表面処理することが可能である。好ましくは誘
電体がSiNx、SiO2、SiOxyで構成されてい
るものである。また、誘電体膜の厚さについては、半導
体デバイス装置に応じて適宜決定し得る。好ましい誘電
体膜の厚さとしては、10〜500nmであり、50〜
300nmがより好ましく、100〜200nmが最も
好ましい。
【0017】なお、レジストで覆われていない部分につ
いては、通常、レジスト形成後に誘電体膜をエッチング
により意図的に除去してしまっている。このため、レジ
ストで覆われていない部分に、本発明のフッ化水素溶液
が接触したとしても溶解などの問題は生じない。
【0018】本発明のフッ化水素溶液の調製は、公知の
試薬を用いて適宜行うことができる。したがって、一般
に市販されている試薬を用いて所望の配合を有するフッ
化水素溶液を調製することができる。
【0019】次に、このようなフッ化水素溶液を用いた
本発明のレジスト剥離方法について説明する。本発明の
レジスト剥離方法は、形成されたレジストを剥離する方
法であって、レジストをフッ化水素溶液で表面処理する
工程と、レジストを有機溶剤により剥離する工程とを有
することを特徴とする。
【0020】本発明のレジスト剥離方法では、先ずレジ
ストをフッ化水素溶液で表面処理する。このときのレジ
ストが形成された材料、特に誘電体膜である場合の材料
及び厚さ、レジストの形成方法については、いずれも限
定されない。また、フッ化水素溶液は、フッ化水素を含
有するものであれば特に制限されず、上記のフッ化水素
溶液を用いることが好ましい。
【0021】フッ化水素溶液でレジストバターンを表面
処理する方法は、特に限定されない。したがって、例え
ば、全体をフッ化水素溶液に浸すディップ式やフッ化水
素溶液中を滴下しながら回転させるスピン式などを適宜
選択して使用することができる。
【0022】また、フッ化水素溶液での表面処理時間、
表面処理温度、表面処理に使用する装置などについても
特に限定はなく、レジストのサイズ、厚さ、形状、表面
積などを考慮して適宜決定することができる。好ましい
表面処理時間としては、30〜180秒、より好ましく
は45〜150秒であり、最も好ましくは、60〜12
0秒である。また、好ましい表面処理温度としては0〜
50℃、より好ましくは10〜40℃であり、最も好ま
しくは、20〜30℃である。
【0023】本発明のレジスト剥離方法は、さらにレジ
ストを有機溶剤により剥離する工程を有する。フッ化水
素溶液で表面処理されたレジストに有機溶剤を作用させ
ると、レジストが粒子状に分解されて有機溶剤中に溶解
する。そして、本発明の剥離方法では溶解したレジスト
粒子がレジストが形成されていた表面にレジスト残渣と
しては再付着しにくいものとなる。
【0024】本発明の剥離方法で使用する有機溶剤の種
類については、レジストを溶解し得るものであれば、特
に限定されない。このような溶剤としては、例えば、ア
セトンのようなケトン系有機溶媒、2−メチル,2−プ
ロパノールのようなアルコール系有機溶媒、ジクロロメ
タンのようなハロゲン系有機溶剤などの単一又はこれら
を組み合わせた溶剤を挙げることができる。溶解速度の
速さや環境への影響度という理由から、アセトンを用い
るのが好ましい。また、有機溶剤での処理時間、処理温
度、処理に使用する装置などについても特に限定はな
く、剥離すべきレジストに応じて適宜決定することがで
きる。好ましい処理時間としては、60〜600秒、よ
り好ましくは120〜540秒であり、最も好ましく
は、180〜480秒である。また、好ましい処理温度
としては0〜50℃、より好ましくは10〜40℃であ
り、最も好ましくは、20〜30℃である。そして、必
要に応じて、攪拌装置、恒温装置などを使用することも
できる。この処理に関しても、ディップ式やスピン式な
どを適宜選択して使用することができる。
【0025】本発明のレジストの剥離方法は、さらにア
ッシング工程を有する態様も含まれる。上記フッ化水素
溶液表面処理及び有機溶剤による処理を行えば、大抵の
場合はレジスト残渣を除去することができる。しかし、
仮にレジスト残渣が残ってしまった場合には、アッシン
グ工程を行ってレジスト残渣を除去することができる。
特に本発明のレジストの剥離方法では、従来よりも酸素
プラズマ密度、強度を下げて行うことができるため、プ
ラズマダメージを少なくすることができる。
【0026】本発明は、また、前述した本発明のレジス
ト剥離方法を用いた半導体デバイス装置の製造方法も提
供する。本発明の製造方法により製造された半導体デバ
イス装置は、プラズマダメージの少ない高寿命化した装
置となる。
【0027】本発明の半導体デバイス装置の製造方法
は、本発明のレジスト剥離方法による工程を有していれ
ば、その他の工程は特に限定されない。該レジスト剥離
方法による工程以外は、従来からの半導体デバイス装置
の製造方法を用いることもできる。本発明の半導体デバ
イス装置の製造方法の好ましい態様を半導体光デバイス
装置で説明する。基板を形成する工程、第1クラッド層
を形成する工程、活性層を形成する工程、第2導電型第
1クラッド層を形成する工程、電流ブロック層を形成す
る工程、第2導電型第2クラッド層を形成する工程、コ
ンタクト層を形成する工程、電極を形成する工程を含む
半導体レーザの製造方法を挙げることができる。そし
て、本発明の半導体光デバイス装置の製造方法は、さら
に本発明のレジストの剥離方法を実施するため、第1導
電型クラッド層から第2導電型第2クラッド層までを形
成する工程の間に、誘電体膜を形成する工程、レジスト
を形成する工程、エッチングにより誘電体を除去する工
程、本発明のレジスト剥離方法によりレジストを剥離す
る工程を含む。
【0028】本発明の半導体光デバイス装置の製造方法
における結晶の成長方法は、特に限定されるものではな
く、従来から用いられている方法を適宜選択して使用す
ることができる。例えば、ダブルヘテロ構造の結晶成長
や電流ブロック層等の選択成長には、有機金属気相成長
法(MOCVD法)、分子線エピタキシー法(MBE
法)、ハイドライドあるいはハライド気相成長法(VP
E法)、液相成長法(LPE法)等の公知の成長方法を
適宜選択して用いることができる。
【0029】また、各層の具体的成長条件等は、層の組
成、成長方法、装置の形状等に応じて適宜決定される。
例えば、MOCVD法を用いてIII−V族化合物半導体
層を成長する場合、ダブルへテロ構造では、成長温度6
00〜750℃程度(AlGaAsの場合)或いは成長
温度500〜600℃程度(InGaNAsの場合)で
行うのが好ましい。
【0030】特に誘電体膜でマスクして選択成長を行う
部分がAlGaAs、AlGaInPのようにAlを含
む場合、成長中に微量のHClガスを導入することによ
り、マスク上へのポリの堆積を防止することができるた
め非常に好ましい。Alの組成が高いほど、あるいはマ
スク幅あるいはマスク面積比が大きいほど、他の成長条
件を一定とした場合、ポリの堆積を防止し、かつ半導体
表面露出部のみに選択成長を行う(セレクティブモー
ド)のに必要なHCl導入量は増加する。一方、HCl
ガスの導入量が多すぎるとAlGaAs層の成長が起こ
らず、逆に半導体層がエッチングされてしまうが(エッ
チングモード)が、Al組成が高くなるほど他の成長条
件を一定とした場合、エッチングモードになるのに必要
なHCl導入量は増加する。このため、最適なHCl導
入量はトリメチルアルミニウム等のAlを含んだIII族
原料供給モル数に大きく依存する。具体的には、HCl
の供給モル数とAlを含んだIII族原料供給モル数の比
(HCl/III族)は、下限は0.01以上が好まし
く、0.05以上がより好ましく、0.1以上が最も好
ましい。上限は、50以下が好ましく、10以下がより
好ましく、5以下が最も好ましい。ただし、Inを含む
化合物半導体層を選択成長(特に、HCl導入)させる
場合は、組成制御が困難になりやすい。
【0031】本発明の半導体レーザの製造方法の一例
を、さらに図2を用いて具体的に説明する。基板の形成
工程で形成される基板11は、その上にダブルへテロ構
造の結晶を成長することが可能なものであれば、その導
電性や材料については特に限定されない。好ましいもの
は、導電性がある基板である。具体的には、基板上への
結晶薄膜成長に適したGaAs、InGaAs、In
P、GaP、ZnSe、ZnO、Si、Al23等の結
晶基板、特に閃亜鉛鉱型構造を有する結晶基板を用いる
のが好ましく、GaAs、InGaAs、InPがより
好ましく、GaAsがもっとも好ましい。その場合、基
板結晶成長面は低次な面またはそれと結晶学的に等価な
面が好ましく、(100)面が最も好ましい。なお、本
明細書において(100)面という場合、必ずしも厳密
に(100)シャストの面である必要はなく、最大30
°程度のオフアングルを有する場合まで包含する。オフ
アングルの大きさの上限は30°以下が好ましく、16
°以下がより好ましい。下限は0.5°以上が好まし
く、2°以上がより好ましく、6°以上がさらに好まし
く、10°以上が最も好ましい。
【0032】基板11上には、基板の欠陥をエピタキシ
ャル成長層に持ち込まないために厚さ0.2〜2μm程
度のバッファ層をさらに形成してもよい。
【0033】半導体レーザには、活性層とその活性層の
上下に活性層よりも屈折率の小さいクラッド層を形成す
る。クラッド層のうち、基板側の層は第1導電型クラッ
ド層、他方のエピタキシャル側の層は第2導電型クラッ
ド層として機能する。このため、基板11上には、第1
導電型クラッド層、活性層、第2導電型クラッド層を順
に形成する。
【0034】第1導電型クラッド層12を形成する工程
では、基板11上に所望の化合物半導体をエピタキシャ
ル成長させて第1導電型クラッド層12を形成する。第
1導電型クラッド層12を形成する材料としては、光を
閉じ込めるために活性層13よりも屈折率の小さい材料
が好ましい。例えば、第1導電型のInP、GaIn
P、AlGaInP、AlInP、AlGaAs、Al
GaAsP、AlGaInAs、GaInAsP、Ga
N、AlGaN、AlGaInN、BeMgZnSe、
MgZnSSe、CdZnSeTeZnO、MgZn
O、MgO等の一般的なIII−V族、II−VI族半導体を
用いることができ、AlGaAs、GaInP、AlG
aInPを用いることが好ましい。また、第1導電型ク
ラッド層12のキャリア濃度の調整は適宜行うことがで
き、1×1017〜2×1020cm-3のキャリア濃度であ
ることが好ましく、3×1017〜2×1020cm-3のキ
ャリア濃度であることがより好ましい。また、第1導電
型クラッド層12は、単層形成しても2層以上形成して
もよい。
【0035】活性層13を形成する工程では、活性層の
種類は特に限定されない。活性層は、活性層内に有効に
キャリアを閉じ込め、しきい値電流を小さくするこのと
のできる量子井戸構造とすることが好ましい。例えば、
図2に示す二重量子井戸(DQW)構造は、光閉じ込め
層(ノンドープ)51、量子井戸層(ノンドープ)5
2、バリア層(ノンドープ)53、量子井戸層(ノンド
ープ)54及び閉じ込め層(ノンドープ)55を順次積
層した構造を有する。この二重量子井戸(DQW)構造
以外にも、例えば、量子井戸層及び前記量子井戸層を上
下から挟む光閉じ込め層からなる単一量子井戸構造(S
QW)や、3層以上の量子井戸層及びそれらに挟まれた
バリア層ならびに最上の量子井戸層の上及び最下の量子
井戸層の下に積層された光閉じ込め層を有する多量子井
戸構造であってもよい。活性層23を量子井戸構造とす
ることにより、単層のバルク活性層と比較して、短波長
化(630nm〜660nm)かつ低しきい値化を達成
することができる。
【0036】活性層13の材料としては、GaAs、A
lGaAs、GaInP、AlGaInP、GaInA
s、AlGaInAs、GaInAsP、GaN、Ga
InNなどを例示することができる。GaとInを構成
元素として含む材料である場合は、自然超格子が形成さ
れやすいために、オフ基板を用いることによる自然超格
子抑制の効果が大きくなる。活性層内部の井戸層及びバ
リア層は、通常アンドープとするが、高速応答性を実現
するために、バリア層にドーピング(通常はp型)を行
ってもよい。
【0037】第2導電型クラッド層の形成工程で形成さ
れる第2導電型クラッド層は、キャリア(電子・正孔)
を活性層に閉じ込めることができるものであれば、特に
層数に制限はない。第2導電型クラッド層は、単層から
なるものであるとき、その層の厚さは好ましくは0.5
〜4μm、より好ましくは1〜3μm程度である。ま
た、第2導電型クラッド層は複数層からなるものであっ
てもよく、第2導電型クラッド層を2層以上形成するこ
とは活性層への光の閉じ込めの観点から好ましいものと
なる。以下の説明では、活性層13に近い方から順に第
2導電型第1クラッド層と第2導電型第2クラッド層の
2層を有する好ましい態様を例にとって説明する。
【0038】第2導電型第1クラッド層14は、活性層
13よりも屈折率の小さい材料で形成される。第2導電
型第1クラッド層14の材料としては、例えば第2導電
型のInP、GaInP、AlGaInP、AlIn
P、AlGaAs、AlGaAsP、AlGaInA
s、GaInAsP、GaN、AlGaN、AlGaI
nN、BeMgZnSe、MgZnSSe、CdZnS
eTe、ZnO、MgZnO、MgO等の一般的なIII
−V族、II−VI族元素の半導体を用いることができる。
第2導電型第1クラッド層14のキャリア濃度は、所望
の濃度に調整することができ、1×1017〜5×1018
cm-3の範囲が好ましく、3×1017〜3×1018cm
-3がより好ましい。また、第2導電型第1クラッド層1
4の厚さについても所望の厚さに調整することができ、
好ましくは0.01〜0.5μmの範囲で適宜調整され
る。
【0039】第2導電型第1クラッド層14の屈折率
は、第1導電型クラッド層12の屈折率よりも小さい。
このような態様を採用することにより、活性層から光ガ
イド層側へ有効に光がしみ出すように光分布(近視野
像)を制御することができる。また、活性領域(活性層
の存在する部分)から不純物拡散領域への光導波損失を
低減することもできるため、高出力動作におけるレーザ
特性や信頼性の向上を達成することができる。
【0040】第2導電型第1クラッド層14の上には、
キャップ層15を形成することができる。該キャップ層
15を形成することにより、少なくとも開口部内に後述
する第2導電型第2クラッド層を再成長させる際に、再
成長界面で通過抵抗を増大させるような高抵抗層の発生
を容易に防ぐことができるようになる。また、キャップ
層15は酸化防止層又はエッチング阻止層として機能さ
せてもよい。
【0041】キャップ層15の材料は、酸化されにくい
か或いは酸化されてもクリーニングが容易な材料であれ
ば特に限定されない。具体的には、Al等の酸化されや
すい元素の含有率が低い(0.3以下程度)III−V族
化合物半導体層が挙げられる。また、材料と厚みを選択
することによって活性層からの光を吸収しないようにす
ることが好ましい。キャップ層15の材料は、一般に活
性層の材料よりもバンドギャップが大きい材料から選択
されるが、バンドギャップが小さい材料であっても、厚
さが50nm以下、より好ましくは30nm以下であれ
ば、実質的に光の吸収が無視できるので使用可能であ
る。
【0042】電流ブロック層の形成工程で形成される電
流ブロック層17は、第2導電型第1クラッド層14上
に形成され、電流狭窄領域を有する。基本的には、該電
流狭窄領域から活性層に電流が注入される。電流ブロッ
ク層17の材料は、放熱性、劈開性、低コンタクト抵抗
などの利点を有する半導体であれば、特に限定されるも
のではない。電流ブロック層17の材料として半導体を
用いた場合は、誘電体膜と比較して熱伝導率が高いため
に放熱性が良い、劈開性が良い、平坦化しやすいために
ジャンクション・アップで組み立てやすい、コンタクト
層を全面に形成しやすいのでコンタクト抵抗を下げやす
いなどの利点がある。
【0043】また、電流ブロック層17の導電型も特に
限定されるものではない。具体的には、第1導電型又は
高抵抗(アンドープ若しくは深い順位を形成する不純物
(O、Cr、Feなど)をドープ)、或いはこれら2つ
の組み合わせのいずれであってもよく、導電型或いは組
成の異なる複数の層から形成されていてもよい。
【0044】電流ブロック層17の厚みは、あまり薄い
と電流阻止機能が不十分となるため、下限は0.1μm
以上に形成することが好ましく、0.3μm以上に形成
することがより好ましい。一方、厚すぎると、電流狭窄
部となる例えばリッジやグルーブと呼ばれる部分のサイ
ズの制御が困難となり所定の特性が得られない等の問題
も出てくるため、上限は2μm以下に形成することが好
ましく、1μm以下に形成することがより好ましい。
【0045】電流ブロック層17の屈折率は、電流ブロ
ック層17の間に狭窄された後述する第2導電型第2ク
ラッド層18の屈折率よりも低くする(実屈折率ガイド
構造)。このような屈折率の制御を行うことによって、
従来のロスガイド構造に比べて動作電流を低減すること
が可能になる。電流ブロック層16と第2導電型第2ク
ラッド層18との屈折率差は、0.001〜1.0が好
ましい。
【0046】第2導電型第2クラッド層の形成工程で
は、電流ブロック層17の上側層及び電流狭窄領域のキ
ャップ層15の上側層として第2導電型第2クラッド層
18が形成される。第2導電型第2クラッド層18のキ
ャリア濃度は、所望の濃度に適宜調整することができ、
5×1017〜1×1019cm-3の範囲が好ましく、5×
1018cm -3以下がより好ましく、3×1018cm-3
下が最も好ましい。また、第2導電型第2クラッド層1
8の厚さは、薄くなりすぎると光閉じ込めが不十分とな
り、厚くなりすぎると通過抵抗が増加してしまうことを
考慮して、0.5〜3.0μmとすることが好ましい。
【0047】電流ブロック層17と第2導電型第2クラ
ッド層18を形成した後にさらに電極を形成するに先立
ち、電極材料との接触抵抗を低減するために、低抵抗
(高キャリア濃度)のコンタクト層19を形成する工程
を有することが好ましい。特に電極20を形成しようと
する最上層表面の全体にコンタクト層19を形成したう
えで電極を形成することが好ましい。
【0048】このとき、コンタクト層19の材料は、通
常はクラッド層よりバンドギャップが小さい材料の中か
ら選択し、金属電極とのオーミック性を取るため低抵抗
で適当なキャリア密度を有するのが好ましい。キャリア
密度は、1×1018〜2×1020cm-3の範囲で調整す
るのが好ましい。また、コンタクト層の厚みは、0.1
〜10μmが好ましく、1〜8μmがより好ましい。
【0049】電極の形成工程で形成される電極20,2
1は、従来の電極の形成方法を用いて形成することがで
きる。電極20,21の導電型は、通常、クラッド層の
導電型と一致するように形成され、図2に示す半導体レ
ーザでは電極20の導電型は第2導電型であり、電極2
1の導電型は第1導電型の導電性を有する。
【0050】本発明の半導体光デバイス装置の製造方法
は、レジストの剥離方法を実施するため、第1導電型ク
ラッド層12から第2導電型第2クラッド層18までを
形成する工程間に、誘電体膜16を形成する工程、レジ
スト(図示せず)を形成する工程、エッチングにより誘
電体膜16を除去する工程、本発明のレジスト剥離方法
により前記レジストを剥離する工程を含む。誘電体膜1
6の形成方法は、特に限定されることはなく、従来から
の誘電体膜16の形成方法を用いることができる。例え
ば、プラズマCVDなどを挙げることができる。また、
エッチングによる誘電体膜16の削除工程で用いられる
エッチング方法としては、通常のエッチング方法を用い
ることができる。例えば、プラズマエッチング、イオン
ビームエッチングなどのドライエッチング方法や、ディ
ップ式、スピンエッチング式などのウエットエッチング
方法を利用することができる。さらに、レジストの剥離
工程では、上述したような本発明のレジストの剥離工程
が用いられる。
【0051】本発明の半導体光デバイス装置の製造方法
により製造された半導体光デバイス装置は、すべての半
導体発光素子及び半導体受光素子に利用することができ
る。半導体発光素子としては、例えば、半導体レーザ
(LD)や発光ダイオード(LED)などがあり、より
具体的には、通信用信号光源(InGaNAsを活性層
とする1〜2μm帯)レーザやファイバー励起用光源
(InGaAs歪み量子井戸活性層/GaAs基板を用
いる980nm近傍、InGaAsP歪み量井戸活性層
/InP基板を用いる1480nm近傍など)レーザな
どの通信用半導体レーザ装置などの、特に長波長(1μ
m帯)で高出力動作が求められる通信用システムに用い
られる半導体レーザを挙げることができる。また、通信
用レーザでも、円形に近いレーザはファイバーとの結合
効率を高める点で有効である。さらに、遠視野像が単一
ピークであるものは、情報処理や光通信などの幅広い用
途に好適なレーザとして供することができる。また、半
導体受光素子としては、PINフォトダイオード(PI
N−PD)、アバランシェ・フォトダイオード(AP
D)などを挙げることができる。
【0052】
【実施例】以下に具体例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。
【0053】(実施例1)本実施例において、図3に示
す順に各層を形成してリッジ埋込型レーザを製造した。
なお図(a)〜(i)には、構造を把握しやすくするため
に敢えて寸法を変えている部分があるが、実際の寸法は
以下の文中に記載されるとおりである。
【0054】先ず、厚さ350μmで表面が(100)
面であるn型GaAs(n=1×1018cm-3)基板1
01上に、MOCVD法により厚さ1.5μmのn型A
0. 55Ga0.35As(Siドープ:n=1×1018cm
-3)からなるn型クラッド層102を形成した。次い
で、MOCVD法により厚さ0.06μmのAl0.14
0.86As(ノンドープ)の活性層103、厚さ0.2
5μmのp型Al0.55Ga0.45As(Znドープ:p=
1×1018cm-3)からなるp型クラッド層104、厚
さ0.01μmのp型GaAs(Znドープ:p=1×
1018cm-3)酸化防止層105を順次積層してダブル
ヘテロ構造を形成した(図3(a))。
【0055】次に、このダブルヘテロ基板の表面に厚さ
200nmのSiNx誘電体膜106をプラズマCVD
により堆積させ、フォトリソグラフィー法により[01
−1]B方向を長手方向とする横幅Dが22μm、横方
向のスペース間隔Lが250μmのストライプ状のレジ
ストマスク107(D/L=0.088)を形成した
(図3(b))。なお、ここにいう[01−1]B方向と
は、(100)面と(01−1)面の間に存在する(1
1−1)面がAs表面に表れる面と定義される。
【0056】次いで、レジストマスク107で覆われて
いない部分のSiNx誘電体膜106をSF6プラズマを
用いて除去した(図3(c))。さらに希HF水溶液(4
9%HFaq:H2O=1:125)中に90秒間浸漬す
ることによりレジストマスク107を表面処理した後、
アセトンでレジストマスク107を除去した(図3
(d))。このようにしてレジストマスク107を除去し
た後のSiNx誘電体膜106の表面を調べてみると、
レジスト残渣も全く見られなかった。したがって、O2
プラズマによるアッシングを必要としなかった。
【0057】次いで、SiNx誘電体膜106の両脇に
MOCVD法を用いた選択成長により、厚さ0.5μm
のGaAs(Siドープ:p=1×1018cm-3)の電
流ブロック層108を形成した(図(e))。
【0058】次に、フォトリソグラフィー法により[0
1−1]B方向を長手方向とする横幅Dが2.2μmの
ストライプ状にフォトレジストを除去したレジストマス
ク109を形成した。次に、レジストマスク109で覆
われていない部分のSiNx誘電体膜106をSF6プラ
ズマを用いて除去した(図3(f))。さらに希HF水溶
液(49%HFaq:H2O=1:125)中に90秒間
浸漬することによりレジストマスク107を表面処理し
た後、アセトンでレジストマスク109を除去した(図
3(g))。この方法によりストライプ状のSiNx誘電
体膜106の中央に[01−1]B方向に幅2.2μm
のストライプ状の溝を形成した。
【0059】上記ストライプ状の溝部分にMOCVD法
により厚さ1.25μmのp型Al 0.57Ga0.43As
(Znドープ:p=1×1018cm-3)第2クラッド層
110をリッジ埋込型に選択成長させた。同時にGaA
s電流ブロック層108上にもMOCVD法により厚さ
1.25μmのp型Al0.57Ga0.43As(Znドー
プ:p=1×1018cm-3)第2クラッド層110を選
択成長させた。次いで、p型第2クラッド層110上に
MOCVD法により厚さ0.5μmのp型コンタクト層
111を選択成長させた(図3(h))。リッジ部分に成
長したp型第2クラッド層110やコンタクト層111
の厚みを断面観察により測定した結果、その厚みは普通
の基板に全面成長した場合と誤差の範囲で一致した。
【0060】なお、上記MOCVD法では、III族原料
にはトリメチルガリウム(TMG)トリエチルガリウム
(TEG)及びトリメチルインジウム(TMI)を、V
族原料にはアルシン、ホスフィン及びジメチルヒドラゾ
ン(DMHy)を、キャリアガスには水素をそれぞれ用
いた。また、p型ドーパントにはジメチル亜鉛、n型ド
ーパントにはジシランを用いた。
【0061】この後、p側の電極112を蒸着し、基板
を100μmまで薄くした後に、n側の電極113を蒸
着し、アロイした(図3(i))。こうして作製したウエ
ハーにおいて、レーザ光出射端面を形成(1次劈開)す
るようにチップバーに切り出した。このときの共振器長
は250μmとした。端面の非対称コーティングを施し
た後、2次劈開によりチップに分離して寿命試験を行っ
たところ、特性劣化するサンプルが減少し半導体レーザ
の長寿命化を実現することができた。
【0062】(比較例)実施例1と同様の工程で半導体
レーザを作製した。この際、SiNx誘電体膜のドライ
エッチング後に希HF水溶液による表面処理を行わず、
そのまま有機溶剤でレジストマスクを除去した。有機溶
剤で除去した後のウエハー表面を調べたところ、変質し
たレジスト残渣が付着していた。このため、O2プラズ
マによるアッシングが必要であった。最終的に得られた
半導体レーザの寿命試験を行ったところ、特性劣化する
サンプルが多発し、サンプルの長寿命化を実現すること
はできなかった。
【0063】
【発明の効果】本発明のレジスト剥離用フッ化水素溶液
は、誘電体膜上のレジストの剥離工程で誘電体膜の厚さ
及び幅を変化させることなくレジストパターのみを有機
溶媒に溶解することが出来る。また、誘電体膜上だけで
なく、その他表面上に形成されたのレジスト残渣を除去
またはごく少量に抑えることができる。そのため、本発
明のレジストの剥離方法は、レジストを剥離する前にフ
ッ化水素溶液で表面処理するため、誘電体膜上の場合に
は厚さ及び幅を変化させることなくレジストを誘電体膜
から剥離することができる。また、ウエハー表面にはレ
ジスト残渣が存在しない場合には、酸素プラズマによる
アッシングを省略することができ、僅かにレジスト残渣
が存在する場合には、アッシングパワー及びアッシング
時間を低減することができるため、ウエハーのプラズマ
ダメージを減らすことができる。このため、ウエハーの
特性を変化させずに、ウエハーの寿命、歩留まりを向上
することができる。さらには、本発明のレジストの剥離
方法は、これまでアッシングが不可欠であった製品分野
においても応用することができる。さらに本発明の半導
体デバイス装置の製造方法によれば、誘電体膜の厚さ及
び幅に影響を与えないので、プラズマダメージが少なく
結晶品質に優れ、かつ長寿命の半導体デバイス装置を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のフォトリソグラフィー法を用いた半導
体デバイス装置の製造工程におけるリソグラフィー工程
の説明図である。
【図2】 本発明の半導体デバイス装置の製造方法によ
り製造される半導体レーザの構造を示す説明図である。
【図3】 本発明の半導体デバイス装置の製造工程の一
例を説明する工程図である。
【符号の簡単な説明】
1 基板 2 第1導電型クラッド層 3 活性層 4 第2導電型クラッド層 5 キャップ層 6 誘電体膜 7 電流ブロック層 8 レジスト 9 レジスト残渣 11 基板 12 第1導電型クラッド層 13 活性層 14 第2導電型第1クラッド層 15 キャップ層 16 誘電体膜 17 電流ブロック層 18 第2導電第2クラッド層 19 コンタクト層 20,21 電極 101 基板 102 n型クラッド層 103 活性層 104 p型第1クラッド層 105 酸化防止層 106 誘電体膜 107 レジストマスク 108 電流ブロック層 109 レジストマスク 110 p型第2クラッド層 111 コンタクト層 112 p側電極 113 n側電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清見 和正 茨城県牛久市東猯穴町1000番地 三菱化学 株式会社筑波事業所内 Fターム(参考) 2H096 AA25 AA28 CA05 LA02 5F043 AA40 BB30 CC16 5F046 MA02 MA18 5F073 AA13 AA83 CA02 CA05 CA07 CA13 CA14 CA15 CA16 CB02 CB19 DA05 DA06 DA23 DA32 DA35 EA28

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レジストを剥離する前に、レジストを表
    面処理するために用いられるフッ化水素溶液。
  2. 【請求項2】 フッ化水素の含有量が0.01〜1.0
    %(w/v)であることを特徴とする請求項1に記載の
    フッ化水素溶液。
  3. 【請求項3】 レジストを剥離する方法であって、レジ
    ストを前記のフッ化水素溶液で表面処理する工程と、レ
    ジストを有機溶剤により剥離する工程とを有することを
    特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 前記レジストが、誘電体膜上に形成され
    ていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記誘電体膜がSiNx、SiO2、Si
    xy、AlOx、ZnO、SiC及びアモルファスS
    iのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記レジストが、化合物半導体上に形成
    されていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  7. 【請求項7】 化合物半導体が、InP、GaInP、
    AlGaInP、AlInP、GaAs、AlGaA
    s、AlGaAsP、AlGaInAs、GaInAs
    Pのいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記フッ化水素溶液が請求項1又は2に
    記載のフッ化水素溶液であることを特徴とする請求項3
    〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記有機溶剤がアセトン等のケトン系有
    機溶剤のいずれかであることを特徴とする請求項3〜8
    のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記レジストが、ノボラック系樹脂を
    含むレジストであることを特徴とする請求項3〜9に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 レジストを剥離する工程を含む半導体
    デバイス装置の製造方法であって、前記剥離工程を請求
    項3〜10のいずれかに記載の方法により行うことを特
    徴とする半導体デバイス装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記半導体デバイス装置が半導体光デ
    バイス装置であることを特徴とする請求11に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 前記半導体光デバイス装置が半導体レ
    ーザであることを特徴とする請求12に記載の方法。
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