JP2006080274A - エッチング方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御性及び安定性が高く、更に高精度且つ高アスペクト比の加工が可能な窒化物半導体のエッチング方法及び該エッチング方法を利用した半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 窒化物半導体層であるp型GaN層103を電解液110中に浸すと主に、紫外線防止膜112等によってp型GaN層103に対する紫外線の照射を抑制しながら、p型GaN層103に対してバイアス源108を用いてバイアスを印加することによりエッチングを行なう。
【選択図】 図2
【解決手段】 窒化物半導体層であるp型GaN層103を電解液110中に浸すと主に、紫外線防止膜112等によってp型GaN層103に対する紫外線の照射を抑制しながら、p型GaN層103に対してバイアス源108を用いてバイアスを印加することによりエッチングを行なう。
【選択図】 図2
Description
本発明は、窒化物半導体のエッチング方法及び窒化物半導体層を有する半導体装置の製造方法に関する。
光デバイスに関する技術として、フォトニック結晶が注目されている。
フォトニック結晶とは、光の波長オーダーの周期的な屈折率の分布を有する構造体である。原子が周期構造の配列を形成している場合に電子に対するバンド構造が形成される(つまり、波数及びエネルギー等が分散特性を示す)のと同様に、フォトニック結晶の場合には光子に対する光バンド構造が形成される(つまり、波数及び周波数等が分散特性を示す)。
また、フォトニック結晶においては、屈折率分布の制御によって光バンド構造を制御することができる。更に、該光バンド構造が結晶全体としての屈折率や群速度などのフォトニック結晶中の光の伝搬の特性を決定する。
このようにして得られるフォトニック結晶の光学特性は、フォトニック結晶を形成する材料の本来の光学特性とは異なる。このため、フォトニック結晶は、人工光学結晶と呼ぶことができる。つまり、従来に無い光学特性を望む場合、従来は望みの光学特性を有する新規材料を開発しなければならなかった。これに対し、フォトニック結晶を用いると、屈折率の周期構造を設計して形成することにより、光学特性そのものを制御して望みの光学特性を得ることが可能となる。これがフォトニック結晶の基本的な利点である。
以上のようなことから、フォトニック結晶の光バンド構造を制御することにより、従来にない微小で高効率な光学素子・光集積回路等を実現することができると期待されている。
ここで、AlInGaNに代表される窒化物半導体は、これまで高い発光強度が困難であった紫外光から青色、緑色の波長帯における、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)や半導体レーザ等の発光素子の有望な材料として盛んに開発されている。特にLEDは半導体レーザに比べて製造及び制御が容易であり、また、蛍光灯に比べて長寿命であるため、窒化物半導体LEDは照明用光源として期待されている。
上記のような背景から、窒化物半導体にフォトニック結晶を導入することが検討されている。しかし、窒化物半導体は化学的に安定であるため、加工が困難である。さらに、フォトニック結晶を形成するためには対応する光の波長サイズの微細構造が必要であるため、紫外光や青色光のように短波長の場合には特に高度な微細加工が要求され、困難となる。
図31に、非特許文献1に記載されている、フォトニック結晶を導入した窒化物半導体LED10を示す。窒化物半導体LED10は、サファイア基板11上にn型GaN層12、n型GaN層12上にInGaN活性層13、InGaN活性層13上にp型GaN層14を順次結晶成長させた構成を有している。
ここで、フォトニック結晶は、p型GaN層14に対し、ドライエッチングによって2次元周期の凹凸の配列を形成することによって導入されている。
フォトニック結晶を形成するp型GaN層14上には、ITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極15が全面に形成され、更に、透明電極15の一部の上にp側ボンディング電極16が積層して形成されている。また、InGaN活性層13及びp型GaN層14の一部がエッチングにより除去されてn型GaN層12が露出し、このようにして露出したn型GaN層12上にn側電極17が形成されている。
一方、窒化物半導体のエッチング方法として、ドライエッチングの他に、ウェットエッチングも試みられている。しかし、室温の酸やアルカリによるエッチングは実現していない。
従来試みられて来たウェットエッチング法の中で、窒化物半導体のエッチングが可能な方法の1つとしては、高温の酸やアルカリによってエッチングする方法がある。しかし、このようなエッチング方法を用いる場合、エッチングマスクも侵食されるため、フォトニック結晶のような微細加工を行なうことは困難である。
窒化物半導体のエッチングが可能なウェットエッチング方法としては、紫外線を照射することによってエッチングを進行させる方法がある(非特許文献2)。これは、エッチング液である電解液中において、窒化物半導体のバンドギャップよりも大きなフォトンエネルギーを有する波長の紫外光を照射し且つバイアスを印加するエッチング方法である。
この方法について、図32を参照して説明する。図32では、KOH水溶液である電解液21中において、サファイア基板11の上に結晶成長されたp型GaN層14をウェットエッチングする場合を示している。p型GaN層14の上にはTiからなるエッチングマスク22が形成され、エッチングマスク22にはPtよりなる対極23が、導線24aによって電気的に接続されている。また、バイアス源24によってエッチングマスク22と対極23との間にバイアスを印加する。
この方法によると、紫外線照射によって窒化物半導体中に電子と正孔とが発生し、これによって化学結合を弱めることができるため、エッチングが進行する。この際、発生させた電子をp型GaN層14から除去するため、エッチングマスク22と電気的に接続した白金電極23を用いる必要がある。但し、エッチング対象の窒化物半導体がn型である場合、エッチングマスク22と白金電極23とは電気的に接続するだけでも良く、バイアスを印加しなくてもエッチングは可能である。これに対し、p型の窒化物半導体をエッチングする場合には、エッチングマスク22と白金電極23との間にバイアスを印加する必要がある。
このような方法により、窒化物半導体であるGaN層の垂直性のよいエッチングが実現している。
K. Orita, 他7名, Extended Abstracts of the 2003 International Conference on Solid State Devices and Materials, Tokyo, 2003, pp. 878-879, F-8-3 J. E. Borton, 他6名, Applied Physics Letters, Vol.77, pp.1227, 2000
K. Orita, 他7名, Extended Abstracts of the 2003 International Conference on Solid State Devices and Materials, Tokyo, 2003, pp. 878-879, F-8-3 J. E. Borton, 他6名, Applied Physics Letters, Vol.77, pp.1227, 2000
しかしながら、従来の窒化物半導体のエッチング方法には、以下のような課題があった。
図31に示した窒化物半導体LED10は、ドライエッチングを用いて形成されたフォトニック結晶が導入されていることにより、フォトニック結晶が導入されていないLEDと比較して光取出し効率が1.5倍に向上している。しかし、論理計算によるとフォトニック結晶の導入によって光取り出し効率は3倍以上に向上すると予想されており、従来の技術によって実現している光取り出し効率を越えている。実現している取り出し効率が予想値に満たない原因の一つとしては、窒化物半導体をドライエッチングによって加工する際に半導体装置に与えられるダメージが考えられる。
つまり、化学的に安定な窒化物半導体を加工することのできるドライエッチング方を用いると、エッチングマスクに用いるレジスト、酸化膜、窒化膜及びメタル膜等もエッチングされやすい。この結果、窒化物半導体に対して高い選択比をもってエッチングを行なうことが難しいため、製造する半導体装置に対してダメージを与えやすいのである。
また、同様に、窒化物半導体に対して高い選択比をもってエッチングを行なうことが難しいことから、エッチングマスクの後退等が生じるため、垂直性の良好なエッチング形状及び高アスペクト比のエッチング形状は実現困難である。
また、非特許文献2に記載の紫外線照射を伴うウェットエッチング法においては垂直性のよいエッチングは実現しているが、エッチング面の平滑性が悪く、ウィスカーと呼ばれる微小な構造体が形成しやすい。これは、窒化物半導体の化学結合を弱めるためには正孔が生成し且つ注入されることで十分であるのに対し、紫外線照射を行なうと、正孔と共に電子も生成されるためである。このようにして生成された電子は、正孔と再び結合し、トラップに捕獲されて微少な領域の電位分布を変化させる。この結果、エッチングがミクロなレベルにおいて不均一になりやすく、ウィスカー発生の原因となっている。
また、マクロなレベルにおいてもエッチングの不均一性が課題であった。これは、紫外線を加工対象のウェハ面等の全域に対して均一に照射するのが困難であることを起因する。また、紫外線は電解液によって吸収されるため、紫外線がウェハ面等に達するまでに電解液中を通過する距離の相違もエッチングの不均一性の原因となる。
更に、p型窒化物半導体の表面にはドーピングに用いたMgが蓄積して酸化膜として存在しており、該Mg酸化膜がエッチングの進行を阻害する。Mg酸化膜はアルカリにも酸にも溶解しにくいために除去は困難である。非特許文献2においては高温のKOH水溶液によってMg酸化膜を除去しているが、高温のKOH水溶液は窒化物半導体もエッチングする。このため、不必要なエッチングが生じ、半導体装置にダメージを与える等の影響を及ぼす。
本発明は、上記を鑑み、化学的に安定な窒化物半導体等について制御性及び安定性が高く、また高精度且つ高アスペクト比の加工が可能なエッチング方法と、該エッチング方法を用いる工程を含む半導体装置の製造方法とを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の窒化物半導体のエッチング方法においては、窒化物半導体を電解液中に浸すと共に、窒化物半導体に対する紫外線の照射を抑制しながら、窒化物半導体に対してバイアスを印加することにより窒化物半導体をエッチングする。
本発明のエッチング方法によると、バイアス印加により供給される正孔によって化学結合を弱めることができるため、エッチングが進行する。この際、窒化物半導体に対する紫外線の照射を抑制しているため、窒化物半導体中に電子が生成するのを防ぎ、電子が正孔と再結合して微少な電位分布の変化が起こるのを防ぐことができる。このため、エッチングのミクロな不均一が発生するのを防ぐことができる。つまり、ウィスカーの形成を防ぎ、平滑なエッチング面を得ることができる。
また、紫外線の照射を行なわないエッチング方法であるから、紫外線照射の不均一性が原因であるマクロなエッチングの不均一も発生しない。
更に、エッチングに必要な正孔は窒化物半導体の凹部に集中しやすいため、垂直性の高いエッチングが可能であり且つ窒化物半導体の表面に酸化膜などの変成膜が形成されていた場合にも影響を受けずにエッチングが進行しやすい。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板上に窒化物半導体層を形成する第1の工程と、窒化物半導体層に凹部を形成する第2の工程とを備え、第2の工程は、窒化物半導体を電解液中に浸し且つ窒化物半導体に対する紫外線の照射を抑制しながら、窒化物半導体に対してバイアスを印加することにより窒化物半導体をエッチングする工程を含む。
本発明の半導体装置の製造方法によると、窒化物半導体層を形成し、本発明の窒化物半導体層のエッチング方法と同様に均一且つ垂直性の高い窒化物半導体層のエッチングを行うことができる。このため、高精度な微細構造を有する窒化物半導体層を含む半導体装置を製造することができる。
尚、本発明の半導体装置の製造方法において、第1の工程と第2の工程との間に、窒化物半導体層上にメタルマスクを形成する工程と、メタルマスク上に絶縁性のレジスト層を形成する工程と、レジスト層及びメタルマスクに開口部を順次設ける工程とを更に備え、第2の工程においては、メタルマスクを電極として窒化物半導体層にバイアスを印加することが好ましい。
このようにすると、メタルマスクを用いて確実に窒化物半導体層にバイアスを印加することができ、レジスト及びメタルマスクに設けられた開口部において、窒化物半導体層に対して確実に凹部を形成することができる。また、絶縁性のレジストをメタルマスク上に形成していることにより、メタルマスクと電解液との間を絶縁することができる。このため、電流がメタルマスクから電解液に対して流れてしまい、窒化物半導体層に注入される正孔が減少するのを防ぐことができることから、エッチングの効率を向上させることができる。以上から、高精度な微細構造を有する窒化物半導体層を含む半導体装置を確実に製造することができる。
また、印加するバイアスは、3V以上であることが好ましい。
このようにすると、バイアスによる窒化物半導体のエッチングを確実に行うことができる。
また、凹部は、2次元周期性を備えた平面パターンを有することが好ましい。このようにすると、2次元周期性を備えた平面パターンを有する凹部を窒化物半導体層に形成することができる。
ここで、2次元周期性を備えるとは、平面内における少なくとも2方向についての周期性を有することを意味する。
また、2次元周期性を備えた平面パターンを有する凹部が形成された窒化物半導体層は、光を回折することが好ましい。
このようにすると、光を回折する機能を有する窒化物半導体層を形成することができる。
また、2次元周期性を備えた平面パターンを有する凹部が形成された前記窒化物半導体層は、2次元フォトニック結晶となることが好ましい。
このようにすると、2次元フォトニック結晶である窒化物半導体層を形成することができる。
また、第2の工程において、印加するバイアスの強度を変化させることにより、2次元周期性を備えた平面パターンを有する凹部を、窒化物半導体層表面からの深さに応じて深さ方向に直交する方向の寸法が変化する凹部として形成する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、印加するバイアスの強度を変化させるという簡単な方法により、窒化物半導体層表面からの深さに応じて深さ方向に直交する方向の寸法が変化する凹部を形成することができる。例えば、深さが大きくなるほど寸法の小さくなるテーパー形状等を容易に形成することができる。
また、第2の工程において、印加するバイアスの強度を周期的に変化させることにより、2次元周期性を備えた平面パターンを有する凹部を、窒化物半導体層表面からの深さに応じて深さ方向に直交する方向の寸法が周期的に変化する凹部として形成する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、印加するバイアスの強度を周期的に変化させるという簡単な方法により、窒化物半導体層表面からの深さに応じて深さ方向に直交する方向の寸法が周期的に変化する凹部を形成することができる。このような構造の凹部は、従来の方法で形成するのは非常に困難であった。
また、窒化物半導体層表面からの深さに応じて深さ方向に直交する方向の寸法が周期的に変化する凹部が形成された前記窒化物半導体層は、3次元フォトニック結晶となっていることが好ましい。
このようにすると、従来の方法は困難であった3次元フォトニック結晶を容易に製造することができ、3次元フォトニック結晶を含む半導体装置を製造することができる。
また、凹部は、幅10μm以下のラインパターン又はホールパターンの少なくとも一方からなる平面パターンを有することが好ましい。
このようにすると、窒化物半導体層表面の平面パターン内部全体に正孔が確実に供給されるため、窒化物半導体層のエッチングを確実に行うことができる。
また、凹部は、幅1μm以下のラインパターン又はホールパターンの少なくとも一方からなる平面パターンを有すると共に、凹部のアスペクト比は1以上であることが好ましい。
このようにすると、従来の技術では困難であった、幅1μm以下であり且つアスペクト比が1以上である凹部を確実に形成することができる。
また、第2の工程よりも前に、窒化物半導体層の表面を窒素プラズマに曝す工程を更に備えることが好ましい。
このようにすると、窒素プラズマは物理的なエネルギーが低い場合でも化学反応性が高いため、例えば、p型窒化物半導体層の表面に存在するMg酸化膜と反応するが、窒化物半導体をエッチングすることはない。この結果、窒化物半導体にダメージを与えることなくMg酸化膜を除去することができる。Mg酸化膜はエッチングを阻害する膜であるため、除去することによってエッチングの効率を向上させることができる。また、p型窒化物半導体層の表面に存在するMg酸化膜に限らず、エッチングを阻害する表面変性層を窒化物半導体層にはダメージを与えることなく除去することができる。
また、第2の工程において、前記窒化物半導体層に対して超音波を印加しながら窒化物半導体層をエッチングすることが好ましい。
このようにすると、エッチングの際にウィスカーが形成された場合にも、超音波の圧力によって該ウィスカーを破壊することができる。このため、ウィスカーが成長することはなく、平滑性の高いエッチング面を得ることができる。
また、第2の工程において、バイアスの印加を行なう際に参照電極を用いることが好ましい。
参照電極を用いない場合、電解液の電位が変動することから窒化物半導体層に対して安定したバイアスを印加するのは難しい。これに対し、参照電極は、平衡反応を利用して電解液と参照電極との間に一定の電位差を維持し、電解液の電位の変動に対して高速に応答することができる。このため、窒化物半導体層と参照電極との間に対して安定なバイアスを印加することができ、安定したエッチングを行うことができる。
また、第2の工程において、バイアスはパルスとして印加することが好ましい。
陽極酸化における反応は高速な反応である。このため、バイアスが印加されると、窒化物半導体層表面付近の領域において、エッチング作用を有する酸又はアルカリ等の反応分子は急速に消費される。具体的には、バイアス印加後一秒程度の間に窒化物半導体層表面付近の領域においては反応分子の濃度が0となる。この後は、窒化物半導体層表面付近の領域に、該領域の外から拡散によって反応分子が輸送され、該反応分子によってエッチングが行なわれる。このような、反応分子の拡散は、メタルマスク及びエッチング装置の形状等によって、大きく影響されるため、印加するバイアスが一定の場合には、安定したエッチングは困難である。
これに対し、バイアスをパルスとして印加し、バイアスが0となる時間を周期的に設けると、該時間中に、窒化物半導体表面付近の反応分子の濃度をバイアス印加前の濃度に戻すことができる。このため、エッチングの速度と安定性とを共に向上させることができる。
また、窒化物半導体層は、導電性を有することが好ましい。
このようにすると、窒化物半導体層に注入した正孔を容易に拡散させることができるため、安定したエッチングを行うことができる。
また、第1の工程は、基板上に第1の窒化物半導体層を形成する工程と、第1の窒化物半導体層上に第2の窒化物半導体層を形成する工程を含み、第1の窒化物半導体層がエッチングされる速度は第2の窒化物半導体層がエッチングされる速度よりも遅く、第2の工程は、第1の窒化物半導体層をエッチストップ層として第2の窒化物半導体層をエッチングする工程を含むことが好ましい。
このようにすると、第1の窒化物半導体層のエッチングされる速度が第2の窒化物半導体層のエッチングされる速度よりも遅いことを利用して、形成される凹部の深さを制御することができる。つまり、第1の窒化物半導体層をエッチストップ層として利用することにより、第2の窒化物半導体層に形成される凹部が第1の窒化物半導体層に達した時点でエッチングを停止させることができる。これによって、形成される凹部の深さを第2の窒化物半導体層の膜厚とすることができるのである。窒化物半導体層の膜厚は、結晶成長等の方法を用いてnm単位で制御することが可能であるから、形成される凹部の深さもnm単位で制御することが可能となる。
また、第1の窒化物半導体層は絶縁性の窒化物半導体層であり、第2の窒化物半導体層は導電性の窒化物半導体層であることが好ましい。
このようにすると、絶縁性である第1の窒化物半導体層については正孔が注入できないことからエッチングされないため、形成する凹部の深さを第2の窒化物半導体層の膜厚によって制御する前記の効果を確実に実現できる。
また、第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層は、それぞれ異なるAl組成を有し、第1の窒化物半導体層のAl組成は、第2の窒化物半導体層のAl組成よりも高いことが好ましい。
Alは水溶液中では非溶解性のAl(OH)3を形成しやすいため、Al組成が高い窒化物半導体はエッチングされにくい。このため、Al組成の高い第1の窒化物半導体層のエッチング速度はAl組成の低い第2の窒化物半導体層のエッチング速度に比べて遅くなる。この結果、第1の窒化物半導体層をエッチストップ膜として利用し、形成する凹部の深さを第2の窒化物半導体層の膜厚によって制御する前記の効果を確実に実現できる。尚、第2の窒化物半導体層がAlを含有しないGaN層である場合にも、同様に凹部の深さの制御が可能である。
また、第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層は、それぞれ異なるIn組成を有し、第1の窒化物半導体層のIn組成は、第2の窒化物半導体層のIn組成よりも低いことが好ましい。
窒化物半導体はIn組成が高いほど結晶性が低下し、またバンドギャップが小さくなるため、エッチング耐性が低下する。このため、In組成の低い第1の窒化物半導体層のエッチング速度はIn組成の高い第2の窒化物半導体層のエッチング速度に比べて遅くなる。この結果、第1の窒化物半導体層をエッチストップ膜として利用し、形成する凹部の深さを第2の窒化物半導体層の膜厚によって制御する前記の効果を確実に実現できる。
また、窒化物半導体層の形成される基板は導電性基板であり、第1の工程と第2の工程との間に、窒化物半導体層上に、凹部を形成する位置に対応する開口部が設けられた絶縁性のレジストを形成する工程を更に備え、第2の工程において、導電性基板を介して窒化物半導体層にバイアスを印加することが好ましい。
このようにすると、窒化物半導体層のうち、凹部の形成される面とは反対側の面に設けられている導電性基板を通じてバイアスを印加することができる。このため、凹部の形成される側の面に形成してメタルマスクを用いてバイアスを印加する場合に比べ、均一にバイアスを印加することができる。このため、より均一なエッチングを行うことができる。また、所定の平面パターンの開口部を有する絶縁性のレジストを形成することにより、所定のパターンの凹部を形成することができる。
また、バイアスは3V以上であることが好ましい。
このようにすると、バイアスによる窒化物半導体のエッチングを確実に行うことができる。
また、第1の工程は、ボンディング基板上に窒化物半導体層を形成する工程と、ボンディング基板に、窒化物半導体層を挟んで導電性基板を張り合わせる工程と、ボンディング基板、窒化物半導体層及び導電性基板により構成される積層体からボンディング基板を除去する工程とを含むことが好ましい。
このようにすると、導電性基板上に窒化物半導体層を形成することが確実にできる。
ここで、基板上に結成成長等の手段によって窒化物半導体層を形成した場合、基板と接している側の面が窒化物半導体層のN面、N面の反対側の面がGa面となる。また、窒化物半導体層のN面はGa面に比べて化学的な安定性が低い、言い換えると化学的な反応性の高い面となっている。
従来、ボンディング基板であるサファイア基板等の上に形成した窒化物半導体層に対するエッチングは、Ga面に対して行なわれていた。これに対し、ボンディング基板を除去した側の面はN面であるから、該面の反応性は高く、エッチングを容易に行なうことができる。
また、積層体からのボンディング基板の除去は、積層体中の窒化物半導体層に対してボンディング基板の側からレーザを照射することによって行なうことが好ましい。
このようにすると、ボンディング基板の除去を確実に行うことができる。
また、第1の工程の後、第2の工程よりも前に、窒化物半導体層におけるボンディング基板と張り合わされていた面の全面に対してエッチングを行なうことが好ましい。
ボンディング基板を除去する際、特にレーザ照射を用いて除去する際には、窒化物半導体層のボンディング基板が張り合わされていた面が荒れた表面となりやすい。このような表面の荒れが大きいと、該面に対してレジストを形成するのが困難になる場合がある。そこで、該面の全面に対してエッチングを行ない、表面を平滑化する。このようにすると、レジストの形成を確実に行うことができる。
また、窒化物半導体層におけるボンディング基板と張り合わされていた面に対するエッチングはウェットエッチングによって行なうことが好ましい。
このようにすると、該面の平滑化を確実に行うことができる。
本発明に係るエッチング方法によると、窒化物半導体を電解液中に浸すと共に窒化物半導体に対する紫外線の照射を抑制しながらバイアスを印加することにより、化学的な安定性の高い窒化物半導体に対し、制御性及び安定性が高く、更に高精度且つ高アスペクト比のエッチングを行なうことができる。これにより、例えばフォトニック結晶等の微細な構造を有する窒化物半導体層が形成された半導体装置を製造することができる。また、エッチングの際に半導体装置に与えられるダメージを抑制することができる。
以下、態を用いて本発明を具体的に説明する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法と、該製造方法の一工程であるエッチングの方法について、図面を参照して説明する。
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法と、該製造方法の一工程であるエッチングの方法について、図面を参照して説明する。
図1(a)は、本実施形態において製造する半導体装置100aの構造を模式的に示している。
図1(a)に示したように、半導体装置100aは、サファイア基板101上にアンドープのGaN層102、アンドープのGaN層102上にp型GaN層103、p型GaN層103が積層して形成され、p型GaN層103には凹部103aが形成された構造を有している。ここで、凹部103aを2次元周期性の平面パターンを有する凹部とすることにより、そのような凹部の形成されたp型GaN層を2次元フォトニック結晶として利用することができる。
次に、図1(b)は、図1(a)に示した半導体装置100aの製造工程を説明するための模式図である。
まず、図1(b)に示したように、サファイア基板101上に、窒化物半導体の多層膜を形成する。具体的には、例えば膜厚1μmのアンドープのGaN層102を形成し、続いてGaN層102上に例えば膜厚1μmのp型GaN層103を形成する。
ここで、GaN層102及びp型GaN層103の窒化物半導体層は、結晶成長等の方法、具体的にはMOCVD(有機金属化学気相成長:Metal-organic Chemical Vapor Deposition )法又はMBE(分子線エピタキシャル成長:Molecular Beam Epitaxy)法等を用いて形成することができる。本実施形態においては、MOCVD法を用いた。
また、本実施形態においては、p型GaN層103について、アクセプタとしてはMgを用いており、Mg濃度は3〜5×1019cm-3である。但し、これに限るものではない。
p型GaN層103の形成後、Mgアクセプタの活性化のため、例えば、窒素雰囲気中、780℃において20分間のアニールを行なう。
該アニールの後、真空チャンバー中において、N2プラズマをp型GaN層103の表面に照射する。この際の処理条件は、例えばマイクロ波電力60W、基板温度300℃且つ時間1分等である。また、チャンバーのベース真空度は例えば1.3×10ー7Paとした。
続いて、p型GaN層103上に、メタルマスク104を蒸着法等によって形成する。本実施形態において、メタルマスク104は、p型GaN層103のエッチングの際にマスクとして使用するのに加え、p型GaN層103にバイアスを印加し電流を流すための電極としても機能する。そのため、メタルマスク104には窒化物半導体に対してオーミック接触する材料を用いることが望ましい。ここでは、膜厚5nmのNi膜及び膜厚15nmのAu膜の積層膜(図1(b)では一層に省略して示している)からなるメタルマスク104を形成しているが、これに限るものではない。
次に、メタルマスク104上に、所定のパターンの開口部105aを有するレジスト105を形成する。続いて、例えばヨード水溶液を用いてメタルマスク104のAu層をエッチングし、更に希硝酸を用いてメタルマスク104のNi層をエッチングすることにより、メタルマスク104をパターン化する。
以上のようにして、エッチングを行なう前の工程まで終了した製造中の半導体装置100が形成される。
次に、図2(a)は、製造中の半導体装置100のp型GaN層103をエッチング方する方法について説明するための図である。
図2(a)に示したように、製造中の半導体装置100のメタルマスク104に対してコンタクト106を接続し、更にコンタクト106を覆うコンタクトレジスト107を形成する。
コンタクト106には導線108aによってバイアス源108が接続され、更に、例えばPtからなる対極109に接続されている。
p型GaN層103のエッチングは、電解液110中において行う。本実施形態では、電解液110としては0.04M濃度のKOH水溶液を用いている。
また、電解液110を満たした容器を水111aの入った超音波槽111中に設置し、紫外線防止膜112によって紫外線の照射を防いでいる。
また、図2(b)には、コンタクト106及びコンタクトレジスト107の接続された製造中の半導体装置100をレジスト105の側から見た平面構成を示している。本実施形態においては、図示したように、同じサイズの円形の開口部105aが配列されたレジスト105を用い、メタルマスク104も同じパターンに形成されている。このようなパターンであるから、メタルマスクは全体が電気的な接続を有しており、一カ所にコンタクト106を接続することによってp型GaN層103全体にバイアスを印加することができる。
以上のようにして、電解液中に浸した製造途中の半導体装置100に対し、超音波槽111を用いて超音波を印加しながらバイアス源108によって例えば5Vのバイアスを印加することにより、3分間のエッチングを行なう。また、比較のための対照エッチング法として、従来技術と同様に紫外線を(200mW/cm2 )照射しながらのエッチングも行った。該対照エッチング法は、紫外線の照射を防ぐのに代えて紫外線の照射を行うこと以外は本実施形態のエッチング方法と同様の条件で行った。
本実施形態のエッチング法によって形成されたパターンを図3(a)に示す。また、対照エッチング法よって形成したパターンを図3(b)に示す。ここで、図3(a)及び(b)は、いずれもSEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)観察像である。
また、図4(a)及び(b)に、順に、本実施形態のエッチング方法及び対照エッチング法によって形成された凹部の模式的な断面図を示す。
図3(a)及び(b)に示したように、本実施形態の半導体装置の製造方法及び従来技術のいずれにおいても、垂直性の高いエッチングが実現されている。しかし、紫外線を照射する対照エッチング法によると凹部の深さは0.49μmであるのに対し、本実施形態におけるエッチング方法によって形成された凹部の深さは0.58μmであり、本実施形態のエッチング方法の方が対照エッチング法より効率良くエッチングできることが判る。
また、図4(a)に示したように、本実施形態のエッチング方法によって形成された凹部はエッチング面が平滑であるのに対し、対照エッチング法による場合には、図4(b)に示したように、ウィスカー201よりなる厚さ40nm程度の層が形成されている。ここで、図4(a)に示したような平滑なエッチング面が得られることが望ましく、本実施形態のエッチング方法はこの目的を達成している。
また、アルカリ溶液中においてバイアスを印加されたGaN層は、陽極及び陰極の表面における以下のような反応に基づいて溶解するものと考えられる。
・陽極(GaN表面)
2 GaN +6 h+ + 6 OH- → Ga2O3 (insoluble) + 3 H2O + N2 ↑
Ga2O3 (insoluble) + 6 OH- → 2 GaO3- 3(soluble) + 3 H2O
・陰極Pt表面)
6 H+ + 6 e- → 3 H2 ↑
ここで、キャリア(ホールh+ 、及び電子e -)は、印加されているバイアスによってGaN表面及びPt面に注入される。
・陽極(GaN表面)
2 GaN +6 h+ + 6 OH- → Ga2O3 (insoluble) + 3 H2O + N2 ↑
Ga2O3 (insoluble) + 6 OH- → 2 GaO3- 3(soluble) + 3 H2O
・陰極Pt表面)
6 H+ + 6 e- → 3 H2 ↑
ここで、キャリア(ホールh+ 、及び電子e -)は、印加されているバイアスによってGaN表面及びPt面に注入される。
GaN表面に注入された正孔は、GaNの結合を弱め、化学反応性を高める。このようにして反応しやすくなったGaN層に対し、アルカリ溶液中のOH- が作用し、エッチングが進行する。つまり、アルカリ溶液中におけるエッチングの場合、エッチングに関与する反応分子はOH- である。
このようなOH- によるGaNのエッチングについて、図5(a)〜(c)及び図6(a)〜(c)を用いて説明する。
図5(a)には、酸素O、水素H、窒素N及びガリウムGaを含むGaN層の表面近傍の構造が模式的に示されている。また、酸素Oの存在する面がエッチングされる面である。
GaN層にバイアスが印加されると、図5(b)に示したようにGaN層の内側から正孔h+ が注入され、ガリウムGaと窒素Nとの間の化学結合が弱くなる。
次に、図5(c)に示したように、正孔h+ の注入されているGaNに、OH- が接近する。
この結果、図6(a)に示したように、ガリウム−窒素間の結合が切断され、代わりにガリウム−酸素間の結合が形成され、窒素が脱離する。
続いて、図6(b)のように更にOH- が接近して結合の組み替えが起こり、図6(c)のように、例えばGa(OH- )4 の形でガリウムGaが脱離する。但し、図6(c)においてはガリウムGaに結合したOH- は3つだけ示している。
以上のように、GaN表面のエッチングにおいて、OH-はGaNの酸化(不溶性Ga2O3の生成)と、GaNの酸化物Ga2O3の溶解の2段階において関与し、Ga2O3ではなくGa(OH-)n を反応の途中に介してエッチングが進むと考えられる。ただしnは1、2又は3である。
ここで、正孔を利用したエッチングを進行させるためには、電荷保存則を満たすため、正孔だけではなく電子も消費する必要がある。この機能は、図2(a)に示した対極109が果たしている。本実施形態においては、対極109には電子の反応を遅延なく進ませる触媒であるPtを用いている。
以上に説明したように、GaN層のエッチングにおいては、正孔が重要な役割を果たしている。紫外線照射を伴うエッチング方法の場合には、正孔だけではなく電子もGaN層中に生成する。このため、生成した電子が正孔と再び結合するためにエッチング速度が低下し、また、トラップに捕獲された電子が微小な領域の電位分布を変化させるため、エッチングがミクロなレベルで不均一になりウィスカーが生じると考えられる。
このような理由から、紫外線照射を伴うエッチング方法の場合、図4(b)に示したようにウィスカー201が発生するものと考えられる。これに対し、本実施形態のエッチング方法の場合には、バイアスによって正孔のみを注入することができるから、図4(a)に示したような平滑なエッチング形状を得ることができる。
次に、本実施形態のエッチング方法を用いて垂直性の高いエッチング形状が得られるメカニズムを、図7(a)及び(b)を用いて説明する、
図7(a)及び(b)は、メタルマスク104及びレジスト105の積層されたp型GaN層103がエッチングされ、開口部105aの位置に凹部103aが形成される様子を示している。
図7(a)及び(b)は、メタルマスク104及びレジスト105の積層されたp型GaN層103がエッチングされ、開口部105aの位置に凹部103aが形成される様子を示している。
図7(a)に示したように一度エッチングによる凹部103aが形成されると、凹部103aの先端ほどバイアス印加により発生する電界が集中するため、メタルマスク104を通じて注入された正孔は凹部103aの先端に集中する。エッチングは正孔によって進行するのであるから、前記のように正孔の集中する凹部103aの先端ほど速くエッチングが進行することになる。この結果、図7(b)に示したように、紡錘型の先端の形状を維持しながら垂直性の高いエッチングが実現することになるのである。
また、平滑なエッチング面を得るためには、超音波を印加することが望ましい。これについて、図8(a)〜(c)を用いて説明する。
図8(a)〜(c)は、いずれも、アンドープのGaN層102上に形成されたp型GaN層103に対するエッチングの結果を示すSEM観察像である。エッチングは、0.2MのKOH水溶液中で5Vのバイアスを印加して5分間、行なった。但し、図8(a)は本実施形態のエッチング方法のように超音波を印加しながらエッチングを行った場合、図8(b)は超音波を印加することなくエッチングした場合、図8(c)は超音波を印加せずにエッチングした後、2MのKOH水溶液中において10分間超音波を印加した場合である。
超音波を印加しながらエッチングした場合には、図8(a)に示したように、凹部の底面及び側面が共に平滑なエッチング面となっている。
これに対し、超音波を印加することなくエッチングを行なった場合、図8(b)に示したように、蓋状構造202及びウィスカー201が発生している。図8(b)の構造を模式的に示したのが図9(a)である。p型GaN層103に形成された凹部には、側面及び底面にウィスカー201が発生している。また、凹部を覆うように蓋状構造202が形成されている、ここで、蓋状構造202は、板状構造202aと板状構造202a下部のウィスカー203cとから成り、また板状構造202aは孔202bを有する。
また、図8(c)の構造を模式的に示したのが図9(b)である。これは、超音波の印加無しにエッチングした後に超音波による処理を行なった場合であり、つまり、図9(a)の構造に対して超音波の印加を行なった場合である。
図9(b)のように、超音波の印加によって、図9(a)の構造の場合に存在した蓋状構造202及び凹部底面のウィスカー201は除去されている。しかし、凹部側面に形成されたウィスカー201は、エッチング後に超音波の印加を行なうことによっては除去されない。
以上のように、超音波を印加しながらエッチングを行なうと、平滑なエッチング面を得ることができる。これは、エッチング中にウィスカーが発生した場合にも、超音波の圧力によって該ウィスカーが成長する前に破壊することができるためである。既に成長したウィスカーについては超音波の圧力によっても破壊できない場合があり、そのため、エッチング後に超音波を印加する方法では図9(b)のようにウィスカーが残存することになる。
また、超音波によって電解液が攪拌されると考えられ、このこともウィスカーの発生防止に効果があると考えられる。
また、本実施形態のエッチング方法を用いると、形成される凹部の深さを精密に制御することができる。以下、このことについて図10(a)及び(b)を用いて説明する。
図10(a)は、本実施形態のエッチングを行なう前の製造中の半導体装置、図10(b)はエッチング後の半導体装置を示している。図10(a)及び(b)において、半導体装置は、サファイア基板101上に第1の窒化物半導体層103x、第1の窒化物半導体層103x上に第2の窒化物半導体層103y、第2の窒化物半導体層103y上にメタルマスク104、メタルマスク104上にレジスト105が順次形成されている。
ここで、第1の窒化物半導体層103xは、第2の窒化物半導体層103yに比べて本実施形態のエッチング方法によってエッチングされ難いものとする。このようにすると、第1の窒化物半導体層103xをエッチストップ膜として利用し、図10(b)に示したように、第2の窒化物半導体層103yがエッチングされた時にエッチングを停止することができる。このため、第2の窒化物半導体層103yの膜厚を調節することによって、形成される凹部の深さを精密に制御できるのである。窒化物半導体層の膜厚は、結晶成長等の方法を用いてnm単位で制御することが可能であるから、形成される凹部の深さもnm単位で制御することが可能となる。
具体的には、例えば、第1の窒化物半導体層103xをアンドープのGaN層、第2の窒化物半導体層103yをp型GaN層とすると、形成される凹部の深さの調節が可能となる。これは、図1に示した半導体装置100の構成であり、図8(a)に示すように、アンドープのGaN層102がエッチストップ膜として機能し、p型GaN層103のみがエッチングされている。
アンドープのGaN層102が本実施形態のエッチング方法によってエッチングされず、エッチストップ膜として機能するのは、GaN層102がアンドープであるために絶縁性の層となっていることによる。つまり、メタルマスクを通じて注入される正孔は、導電性であるp型GaN層103には拡散することができるから、p型GaN層103はエッチングされる。これに対し、アンドープのGaN層102は絶縁性であるため正孔が拡散されず、エッチングされないエッチストップ膜として働くのである。
一方、紫外線照射を伴う従来のエッチング方法等の場合には、絶縁性であるアンドープのGaN層102においても紫外線照射によって正孔及び電子が発生する。そのため、アンドープのGaN層102はエッチングされ、エッチストップ膜としては機能しない。この様子を、図11(a)のSEM観察像及び図11(a)を模式的に示した図11(b)に示している。導電性であるp型GaN層103のみならず、絶縁性のGaN層102についてもエッチングが進行し、ここでもウィスカー201が発生している。
以上の方法によって形成される凹部の深さを精密に制御するには、前記の構成の他に、第1の窒化物半導体層103xをAlGaN層、第2の窒化物半導体層103yをGaN層としても良い。AlGaN層に含有されるAlは、水溶液中では非溶解性のAl(OH)3を形成しやすいため、AlGaN層はエッチングされにくい。これを利用することにより、前記と同様に、AlGaN層である第1の窒化物半導体層103xをエッチストップ膜として利用し、凹部の深さの精密な制御が可能となる。尚、第2の窒化物半導体層103yを、第1の窒化物半導体層103xに比べて低い組成でAlを含むAlGaN層とした場合にも、同様の効果を得ることはできる。
また、第1の窒化物半導体層103xをGaN層、第2の窒化物半導体層103yをInGaN層とすることによっても、形成される凹部の深さを精密に制御することができる。
InGaNを結晶成長させるにはGaNを結晶成長させる場合に比べて成長温度を低くする必要があるため、InGaNの結晶性はGaNよりも低い。また、InGaNは、GaN層等と比較してバンドギャップが小さいので、エッチング耐性が低下する。このような、GaN層とInGaN層とのエッチング耐性の違いを利用すると、前記と同様に凹部の深さの精密な制御が可能となる。尚、第1の窒化物半導体層103xを、第2の窒化物半導体層103yに比べて低い組成でInを含むInGaN層とした場合にも、同様の効果を得ることはできる。
次に、エッチング処理の前に窒化物半導体層に対して行なうN2プラズマの照射について説明する。
本実施形態においては、p型GaN層103についてエッチングを行なう前に、p型GaN層103表面に、N2プラズマの照射を行なっている。このようにプラズマ照射を行なった場合と、プラズマ照射を行なわなかった場合に形成される凹部の構造を、それぞれ順に図12(a)及び図12(b)に示す。また、図12(b)を模式的に示したものが図13である。
プラズマ照射を行なった場合、図12(a)のように、良好な形状及び平滑なエッチング面を有する凹部が形成される。これに対し、プラズマ照射を行なわなかった場合、図13に示したように、孔202bを有する板状構造202a及びウィスカー201が発生している。これは、ドーピングに用いたMgがp型GaN層の表面に蓄積し、Mg酸化物とGa酸化物とを含む表面変性層が形成されているためと考えられる。該Mg酸化物は、アルカリにも酸にも溶解しにくいため、エッチングの進行を阻害するものと思われるのである(これについては、橋詰 保 、電子情報通信学会技術報告、ED2002-209、CPM2002-100(2002-10)、2003等に記載されている)。
このような表面変性層の存在は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)等によって確認することができる。図14(a)及び(b)は、アクセプタとしてMgを含むp型GaN層のXPS測定結果であり、酸素O、窒素N、マグネシウムMg及びガリウムGa等の濃度の深さ依存性を示している。また、図14(a)はMgアクセプタの活性化のためのアニールを行なう前、図14(b)はアニールを行なった後のXPS測定結果を示す。
これらから、p型GaN層の表面(1nm又は2nm程度までの深さの部分)におけるアニール前後の前記元素の濃度の変化が判る。つまり、それぞれのXPS信号強度の変化から、アニールによって酸素Oの濃度及びマグネシウムMgの濃度が増加し、ガリウムGaの濃度及び窒素Nの濃度は減少したことが判る。
このように、本実施形態の場合のように窒素雰囲気下においてアニールを行なった場合にも、アニールによってp型GaN層の表面にマグネシウムMgが拡散すると共に、ガリウムGa及びマグネシウムMgが酸化したことが判る。
このような表面変性層は、先に説明したように、形成する凹部の形状及びエッチング面の平滑性を劣化させる原因となるため、エッチング前に除去することが望ましい。
従来、このような表面変性層は、高温のKOH水溶液によって除去していた。しかし、高温のKOH水溶液は、表面変性層を除去するのに加え、窒化物半導体層をエッチングする。つまり、窒化物半導体層に対してダメージを与える。
これに対し、本実施形態においては、N2 プラズマの照射によって表面変性層を除去する。これは、次のように進行する。
まず、N2 プラズマ中のラジカルもしくはイオンと表面変性層とが化学反応することによって、Mg−O結合およびGa−O結合が切断され、NO、N2 O、O2 分子が形成される。次に、基板を適度に加熱しておくことにより、これらの分子が、分解によって生じたMgとGa原子を伴って表面から離脱する。この化学反応は低エネルギーであるため、N2 プラズマ照射により表面変性層のみを除去することができる。本実施形態のように、ECR(Electron Cyclotron Resonance)によって発生するプラズマを用いると、該プラズマのイオンエネルギーは10〜30eVと低いため、スパッタ現象による窒化物半導体のエッチングは生じないのである。
以上のような前処理方法を用いることにより、不要なエッチングを生じさせることなく表面変性層を除去し、平滑なエッチングを実現することができる。尚、N2 プラズマを窒化物半導体に照射するのではなく、N2 プラズマに対して窒化物半導体を曝すことによっても表面変性層の除去は可能である。
表面変性層は意図せずにプロセスにより発生するため、被エッチング性及び膜厚などの性質が一定ではない。そのため、表面変性層が存在すると、エッチングが不安定になりやすい。従って、安定なエッチングを実現するには、前処理において表面変性層を除去することが望ましいのである。
但し、形成する凹部のパターンによっては、N2 プラズマ照射による前処理を行なわなくても平滑なエッチング面を得ることができる場合もある。例えば、図15(a)に示した、直径3μmの円形のパターンを凹部として形成する場合には、プラズマ照射を行なわなくても良好なエッチング結果を得ることができる。これに対し、同じ円形のパターンであっても、図15(b)のように直径が11μmの場合には板状構造202aが形成された。
図15(b)の構造を模式的に示すと、図16のようになる。つまり、p型GaN層103に対するエッチングによって凹部が形成されているが、該凹部の内側には板状構造202a及びウィスカー202cから成る蓋状構造202が形成されている。
直径の小さい円形構造の場合に、プラズマ照射を行なわなくても良好なエッチング結果の得られた理由を、図17(a)及び(b)を用いて説明する。
図17(a)及び(b)において、いずれもp型GaN層103の上に表面変性層203が存在し、表面変性層203の上にメタルマスク104が形成されている様子を示している。また、p型GaN層103に対し、電解液(図示省略)中からOH- が供給されると共に、メタルマスク104上から拡散されることによってもOH− が供給されている。更に、メタルマスク104を介してp型GaN層103にh+ が供給されている。
ここで、メタルマスク104からの距離が短いメタルマスク近傍領域204においては、h+ 及びOH- が高濃度で供給されている。このため、図17(a)のようにパターンの直径が小さい場合にはパターンの中央までh+ 及びOH- が高濃度で供給されるから、表面変性層203もエッチングされ、エッチングは十分に進行する。これに対し、図17(b)のように、直径の大きなパターンの場合、パターンの中央にはh+ 及びOH- が充分に供給されない。この結果、パターンの中央ではエッチングが十分に進行せず、表面変性層203が残留することになる。
尚、円形のパターンに限らず、ライン状のパターンであっても、幅が十分に小さいラインであれば、プラズマ照射による前処理を行なわない場合にも良好なエッチング結果を得ることは可能である。ここで、パターンの幅は、例えば10μm以下であれば良い。
次に、参照電極を用いることにより、更に安定にエッチングを行なう方法について説明する。本実施形態においては、図2(a)に示したようにメタルマスク104及びPt製の対極109の2電極構成によってエッチングを行なっているが、参照電極を用いた3電極構成とすると、より安定したエッチングが可能となるのである。
まず、本実施形態のような2電極構成のエッチングを行なう場合を図18(a)及び(b)に示す。
この場合、図18(a)に示したように、p型GaN層103を有し且つエッチング前までの製造工程を終えた製造途中の半導体装置100と、対極109とを電解液110中に浸して設置し、バイアスVset を印加する。また、図示は省略しているが、超音波を印加するための超音波槽を用い、電解液110を攪拌する手段と、紫外線の照射を防ぐ手段とが設けられている。
このようにすると、電位構成図18(b)に示したように、印加したバイアスVset は、p型GaN層103と電解液110との間及び電解液110と対極109との間に分配される。しかし、電解液110の絶対電位Vele 及び電解液110と対極109との間の電位差は、電解液110の濃度及びpH等に依存して常に変動するため、エッチングに寄与するp型GaN層103と電解液110との間の電位差VGaN を制御するのは難しい。また、p型GaN層103と電解液110との間の電位差VGaN 及び電解液110と対極109との間の電位差は、それぞれ、p型GaN層103及び対極109の表面から数nmの厚さの電気二重層301における電圧降下により生じる。しかし、p型GaN層103と対極109との間に電流が流れることから、これらの電気二重層301も常に変動し、電位差VGaN も変動しやすい。この結果、図18(a)に示したような2電極構成のエッチングは不安定になりやすい。
これに対し、参照電極を用いた3電極構成のエッチングは安定に行なうことができる。3電極構成においては、図19(a)に示したように、2電極構成の場合に加えてポテンショスタット302及び参照電極303を用いる。尚、図18(a)に示した2電極構成の場合と同じ構成要素については、図18(a)と同じ符号を付している。
ここで、ポテンショスタット302は、高速オペアンプ302aを利用して基準電位の変動に対して高速で応答し、設定電位を一定に維持する機能を有する装置である。
また、参照電極303としては、例えば、図20(a)に模式図を示した飽和カロメル電極を用いる。飽和カロメル電極は次のような構成を有する。つまり、外管401及び内管402を有し、内管402にはイオン等が流通できるように細孔の開いた細孔部403がある。内管402の内側には、ガラス管407に入れられたPt線408が挿入されている。また、内管402には水銀404及び水銀と塩化水銀の混合物405が入れられており、更に、外管401及び内管402は飽和KCl水溶液406によって満たされている。外管401にはソフトセラミック製の塩橋409が設けられており、電解液110と飽和KCl水溶液406との間においてイオンが流通できるようになっている。
このような構成を取る飽和カロメル電極は、図20(b)に示した化学反応により、電解液110に対して常に一定の電位を保つことができる(飽和KCl水溶液中、25℃において、標準水素電極に対して+0.241Vの電位を有する)。この化学反応は高速の電子移動により生じるため、電解液の電位の変動に対して高速で応答することができるのである。
3電極構成の場合の電位構成図を図19(b)に示す。3電極構成の場合、印加されるバイアスはp型GaN層103と電解液110との間及び電解液110と参照電極303との間に分配される。ここで、電解液110と参照電極303との間の電位差は、前述のように一定に保つことができる。また、エッチングのための電流はp型GaN層103と対極109との間に流れるのであり、p型GaN層103と参照電極303との間には電流は流れないから、参照電極303の表面の電気二重層301は安定している。これに加えてポテンショスタット302を用いることにより、p型GaN層103と電解液110との間の電位差VGaN を容易に制御できる。この結果、p型GaN層103のエッチングを安定に行なうことができる。
更にエッチングを安定に行うには、p型GaN層103表面の電気二重層も制御する。これについて、図面を参照して説明する。
KCl水溶液である電解液110中におけるp型GaN層103表面近傍の分子分布を図21(a)に、同じくOH- 濃度分布を図14(b)に示す。ここで、p型GaN層103の表面から位置A(例えば1nm程度)までに電気二重層が形成されている。また、位置B(例えば1〜2nm程度)は、化学反応に寄与する電子の授受がトンネリングによって行なわれる距離を示している。また、p型GaN層103から位置C(例えば10μm〜50μm)よりも離れた範囲においては、攪拌によって電解液110中の分子濃度は均一化されている。言い換えると、位置Cよりもp型GaN層103に近い表面近傍の範囲では、攪拌は濃度分布に影響を与えない。
次に、p型GaN層103に対してバイアスを印加した場合のp型GaN層103と電解液110との間の電位差VGaN 及び電流の計時変化を図22に、図22の時刻T1 〜T4 における電位分布とエッチングに寄与する反応分子の濃度分布とを図23(a)〜(d)に示す。ここで、位置A〜Cは、図21の位置A〜Cと同様のp型GaN層103からの距離を示している。
図22に示したように、時刻T1 においてバイアスを印加する。この時、図23(a)に示すように、p型GaN層103の表面(位置0)まで分子濃度は均一であり、また、電位は直線的に分布している。この後、短時間の後、時刻T2 において、電気二重層が形成されて位置Aまでの範囲に電位が掛かるようになる。また、電気的に引き付けられるため、p型GaN層103表面近傍の分子濃度が上昇する。
次に、エッチングに寄与する分子が消費されるため、時刻T3 においてはp型GaN層103表面近傍の分子濃度が低下している。この後、バイアス印加開始の数秒後の時刻T4 以降において、拡散によってp型GaN層103の表面に分子が輸送され、攪拌の影響を受けない位置Cから位置0までの範囲において電位及び分子濃度が緩やかに分布するようになる。
時刻T4 のように、拡散によってエッチングに寄与する分子が輸送されている場合、その輸送速度によってエッチングの速度が律速される。しかし、前記のような拡散は、攪拌及び試料形状等によって影響され、不安定であるから、エッチングも不安定となる。
これを解決するには、図24に示したように、バイアスの印加をパルス的に行なうのが良い。
このようにした場合の時刻T1 〜T4 における電位分布とエッチングに寄与する反応分子の濃度分布とを図25(a)〜(d)に示す。
図25(a)〜(c)については、一定電圧を印加する場合である図23(a)〜(c)と同様である。時刻T3 において印加する電圧を0とすると、短時間のうちに電流も0に低下する。電流が0となった状態の時刻T4 における電位分布と分子濃度分布を図25(d)に示している。印加電圧が0であるから電位は位置に関わらず0であり、また、攪拌によって分子濃度分布は位置に関して均一になっている。
このように、パルス的にバイアスの印加を行なうと、バイアスが低い期間にp型GaN層103の表面近傍における分子濃度分布がバイアス印加前の濃度まで回復する。このため、次にバイアスが高くなった際には、一定濃度の反応分子がp型GaN層103の表面近傍に存在することになる。以上のことから、バイアスの印加をパルス的に行なうことにより、エッチングを安定に行なうことができる。
尚、このような効果を確実に実現するには、例えば高バイアスの時間幅は1秒以下、低バイアスの時間幅は数秒程度以上とするのが特に望ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態においては、フォトニック結晶を有する窒化物半導体LEDの製造方法を説明する。
図26は、本実施形態において製造する窒化物半導体LEDを模式的に示す図である。この構造自体は従来の窒化物半導体LEDと同様であり、本実施形態では本発明のエッチング方法を用いた製造方法を説明する。
図26の窒化物半導体LEDは、サファイア基板501上にn型GaN層502、n型GaN層502の上にInGaN活性層503、InGaN活性層503の上にp型GaN層504を順次結晶成長させた構成を有している。ここで、p型GaN層504には、2次元周期性を有する凹凸の配列が形成され、フォトニック結晶となっている。
また、p型GaN層504上には、ITOからなる透明電極505が形成され、更に、透明電極505の一部の上にp側ボンディング電極506が積層して形成されている。また、InGaN活性層503及びp型GaN層504の一部はエッチングにより除去されてn型GaN層502が露出し、このようにして露出したn型GaN層502上にn側電極507が形成されている。
次に、図27は、図26の窒化物半導体LEDを製造する工程を示す図である。
図26の窒化物半導体LEDを製造するには、まず、図27(a)に示すように、サファイア基板501上にn型GaN層502、InGaN活性層503及びp型GaN層504を順次結晶成長させる。このための方法は特に限定されないが、例えばMOCVD法等を用いる。
続いて、図27(b)のように、InGaN活性層503及びp型GaN層504の一部をドライエッチング等によって除去し、n型GaN層502を露出させる。このようにして露出させたn型GaN層502上に、蒸着及びリフトオフ等の手法により、Ti/Alよりなるn側電極507を形成する。
次に、図27(c)のように、レジスト510のパターニングを行う。レジスト510には、p型GaN層504に形成する凹部に対応する、2次元周期性を有するパターンの開口部を設ける。本実施形態では、一例として、EB(Electron Beam)露光を行ない、直径0.8μmの円形が1.5μmの周期で配列したパターンの開口部を設ける。また、n側電極507に対して電気的な接続を行なうため、レジスト510のn側電極507上の領域にも開口を設ける。
次に、図27(d)に示すように、n側電極507に対してバイアス源508、導線508a及び対極509を接続し、電解液510中に設置する。更に、超音波を印加するために、水511aを満たした超音波槽511を用いる。また、図示は省略しているが、紫外線の照射を防ぐ手段を設けている。
このようにして、超音波を印加しながら例えば5Vのバイアスを印加すると、エッチングが進行し、p型GaN層504に深さ0.25μmの凹部が2次元周期的に形成される。このような2次元周期性の凹部の形成されたp型GaN層504が、フォトニック結晶として機能する。
この後、レジスト510を除去し、例えばスパッタ堆積法及びエッチングにより透明電極505を形成する。更に、例えば蒸着及びリフトオフ等の方法によって、p側電極508を形成すると、図26に示した窒化物半導体LEDを製造できる。
このようにしてフォトニック結晶を導入した窒化物半導体層LEDについて、電流を注入して光出力を評価したところ、フォトニック結晶の導入されていないLEDと比較して3.2倍に向上した。従来のようにドライエッチングによってフォトニック結晶を導入した窒化物半導体LEDの光出力は、フォトニック結晶の導入されていないLEDと比較して1.5倍の向上であるから、本実施形態のエッチング方法の効果が顕著に表れている。
このような効果は、従来の技術の場合にはフォトニック結晶形成のための窒化物半導体のドライエッチングによってp型GaN層504等にダメージが生じていたのに対し、本実施形態のエッチング方法の場合には、そのようなダメージがほとんど生じないことによると考えられる。
(第3の実施例)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態においては、凹部を形成する窒化物半導体層に対し、凹部を形成する面とは反対の面からバイアスを印加するエッチング方法を用いて窒化物半導体LEDを製造する。
図28(a)〜(d)は、該方法を説明するための図である。
まず、図28(a)に示すように、サファイア基板601a上に例えば膜厚2μmのn型GaN層602を形成する。更に、n型GaN層602上に、Au等からなるボンディング層603aを蒸着等の方法によって形成する。ここで、サファイア基板601aの2つの面のうち、n型GaN層602を形成した面をサファイア基板601aの表、その反対側の面を裏と呼ぶことにする。また、n型GaN層602の2つの面のうち、ボンディング層603aを形成した面をn型GaN層602の表、その反対側の面(サファイア基板601a側の面)を裏と呼ぶことにする。
次に、図28(b)に示すように、蒸着等によりAu等からなるボンディング層603bを形成した、シリコン等からなるボンディング基板601bを用意し、n型GaN層602と貼り合わせる。ここで、貼り合わせは、ボンディング層603aとボンディング層603bとを向かい合わせにして接触させ、真空中において加熱しながら圧力を掛けること等によって行なう。また、ボンディング基板601bとしては、サファイア基板601aよりも面積の広いものを用いるものとする。
次に、図28(c)のように、サファイア基板601aの裏から、サファイア基板601aをスキャンする形でKrFエキシマレーザ(波長248nm)を照射する。このようにして照射されたレーザ光はサファイア基板601aによっては吸収されず、GaN層602によってのみ吸収される。このため、局所的な発熱によってn型GaN層602とサファイア基板601aとの界面付近においてGaNの結合が分解し、サファイア基板601aがn型GaN層602から分離する。
次に、図28(d)のように、n型GaN層602のサファイア基板601aを分離した面(裏)上にレジスト604を形成する。また、ボンディング層603bを介してボンディング基板601b上にもレジスト604を形成する。
n型GaN層602上のレジスト604には、例えばEB露光を用いて直径0.2μmの円形が0.4μmの周期で配列したパターン等の開口部605aを設ける。また、電気的な接続を得るため、ボンディング基板601b上のレジスト604にも開口部605bを設ける。
次に、図29(a)のように、開口部605bにおいて、ボンディング層603bを介してボンディング基板601bに導線608aを電気的に接続し、また導線608aにはバイアス源608と対極609とを接続する。これらを例えば0.1MのKOH水溶液である電解液610中に浸して設置し、更に、超音波を印加するために水611aの入った超音波槽611を用いる。また、図示は省略しているが、製造途中の半導体装置に対して紫外線が照射されるのを防ぐための手段を設けている。
このようにして、超音波を印加しながら例えば5Vのバイアスを印加し、n型GaN層602のエッチングを行なう。これにより、n型GaN層602に、2次元周期性の平面パターンを有し且つ深さ1μmの凹部621を形成することができる。このような凹部の形成されたn型GaN層602は、2次元フォトニック結晶として機能する。
本実施形態のエッチング方法によると、垂直性の高いエッチングが可能であり、そのために例えば直径0.2μmで且つ深さ1μmというようなアスペクト比の高い凹部を形成することができる。
本実施形態においては、ボンディング基板601bを介してn型GaN層602にバイアスを印加することにより、n型GaN層602の裏からバイアスを印加している。このため、n型GaN層602の全面に対して均一にバイアスを印加することができ、エッチングも均一に行なうことができる。
比較として、第2の実施形態の場合には、図27(d)に示したように、n型GaN層502を介してp型GaN層504にバイアスを印加している。この際、電流が十分に拡散して均一なエッチングを行なうためには、n型GaN層502が十分に膜厚を有している必要があった。
これに対し、本実施形態のエッチング方法の場合には、ボンディング基板601bの全面からバイアスの印加を行なうことができるため、均一なエッチングを行なうことができる。第2の実施形態におけるn型GaN層502が膜厚数μmであるのに対し、本実施形態のボンディング基板601bは膜厚が数百μmであり、十分な電流拡散が確保できるのである。
尚、サファイア基板601aの分離に使用する光線としては、サファイア基板601aには吸収されることなく且つn型GaN層602によって吸収される波長の光線であれば良く、KrFエキシマレーザの他には、例えば、YAGレーザの第三高調波(波長355nm)又は水銀灯輝線(波長365nm)等を使用することもできる。
また、基板研磨等を用いてサファイア基板601aの除去を行なうことも可能であり、サファイア基板601aの除去に関して特に方法を限定するものではない。
また、レーザ照射によるサファイア基板601aの除去は、n型GaN層602がレーザ光を吸収して溶解することを利用した除去方法であるため、n型GaN層602のサファイア基板601aを除去した面(裏)が荒れやすい。このような面の荒れが大きい場合には、該面に対してレジスト604を形成するのが困難になる場合がある。このようなときには、n型GaN層602の裏側の面全体に対してエッチングを行ない、該面を平坦化する。このようにすると、面の荒れに起因してレジスト604の形成が困難になるという問題が解決でききる。
ここで、このようなエッチングの方法としては、ウェットエッチングを用いることができる。従来、エッチングによりパターニングが試みられてきた窒化物半導体の面はGa面であるが、この面は化学反応性が低い安定した面である。これに対し、本実施形態においてエッチングを行なうn型GaN層602の裏面はN面であり、該面は化学反応性が比較的高い。このため、ウェットエッチングによる平坦化を容易に行える。ウェットエッチングのためのエッチング液としては、硫酸又はリン酸等の酸を用いることも可能であるし、KOH水溶液などのアルカリを用いることも可能であり、特に限定するものではない。
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態ではボンディング基板601bに対し、n型GaN層602が形成されているのと同じ面(表)からバイアスを印加した。しかし、ボンディング基板601bのn型GaN層602が形成されているのとは反対側の面(裏)からバイアスを印加してもよい。このような場合を図29(b)に示す。
第3の実施形態ではボンディング基板601bに対し、n型GaN層602が形成されているのと同じ面(表)からバイアスを印加した。しかし、ボンディング基板601bのn型GaN層602が形成されているのとは反対側の面(裏)からバイアスを印加してもよい。このような場合を図29(b)に示す。
図29(b)に示すように、第3の実施形態の変形例においては、ボンディング基板601bの裏に裏面コンタクト電極622が形成され、更に裏面コンタクト電極622を覆うように裏面レジスト604bが形成されている。また、第3の実施形態の場合には開口部605bにおいてボンディング基板601bの表側の面に対して電気的に接続されていた導線608aは、第3の実施形態の変形例の場合には、裏面コンタクト電極622を介してボンディング基板601bの裏側の面に電気的に接続されている。
このような方法によっても、n型GaN層602に対して凹部621の形成されている面とは反対側の面から均一にバイアスを印加することができ、均一なエッチングが容易に行える。
(第4の実施例)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態においては、窒化物半導体層に3次元フォトニック結晶を形成する。
まず、第3の実施形態の場合と同様に、図28(a)〜(d)に示した製造工程を行なう。これによって、図28(d)に示したような構造を形成する。つまり、ボンディング基板601b上に二層のボンディング層603b及び603aを順に介してn型GaN層602が形成され、更にn型GaN層602上及びボンディング基板601bのうちのn型GaN層602が形成されていない領域上にレジスト604が形成されている。また、n型GaN層602上のレジスト604には、n型GaN層602に形成する凹部のパターンに対応する開口部605aが形成されており、本実施形態においては直径140nmの円形の開口が200nm周期で2次元周期的に配列したパターンとなっている。更に、ボンディング基板601b上のレジスト604には、ボンディング基板601bと電気的接続を得るための開口605bが形成されている。
次に、図30(a)に示したようにしてエッチングを行なう。ここで、図30(a)の構成は、図29(a)に示した第3の実施形態のエッチング方法の構成と同様であるため、図29(a)と同じ符号を付すことによって詳しい説明は省略する。但し、図30(a)においては超音波槽611の図示を省略している。また、次に説明するように、形成される凹部621bの形状は第3の実施形態の場合とは異なっている。
第4の実施形態において、エッチングのためのバイアスは、例えば、図30(b)のようにパルス的に変調して印加する。つまり、バイアスを印加しない期間を挟んで高バイアスを印加する期間と低バイアスを印加する期間とを交互に繰り返す。言い換えると、高バイアス印加−バイアス印加無し−低バイアス印加−バイアス印加無し、と言うパターンを繰り返すようにする。本実施形態においては、具体的な例の1つとして、高バイアスを5V、低バイアスを3Vとし、各パルス幅(高バイアス又は低バイアスを印加する期間)を1秒、各パルスの間のバイアスを印加しない期間も1秒とした。但し、バイアスの印加方法は特に限るものではなく、形成したい凹部の構造に応じて設定すればよい。
以上のようにすると、図30(a)に示したように、n型GaN層602に形成される凹部621bは、深さ方向に関して周期的に直径の変化する凹部として形成される。本実施形態において具体的には、凹部の直径は深さ方向に200nm周期に変化しており、大きい位置(深さ)では直径140nm、小さい位置では直径70nmである。
このような構造は、高バイアスの期間には直径が大きくなり、低バイアスの期間には直径が小さくなるために形成される。また、2次元周期性を有するパターンとして配列された凹部621bが深さ方向にも周期性を有することから、凹部621bの形成されたn型GaN層602は、3次元フォトニック結晶として機能する。実際に光透過性を調べたところ、波長450nm付近において入射角度に関わらず光の透過率が0となり、フォトニックバンドギャップの形成されていることが確認された。
このように、本実施形態の技術を用いることにより、従来技術では困難であった微細な構造、例えば3次元フォトニック結晶を、化学的に安定な窒化物半導体を材料として容易に形成することができる。
本発明のエッチング方法及び半導体装置の製造方法によると、窒化物半導体に対して制御性及び安定性が高く、また高精度且つ高アスペクト比のエッチングを行なうことができる。これを利用して微細な構造を有する窒化物半導体層が形成された半導体装置を製造することができ、例えばフォトニック結晶の形成された光学素子等にも利用できる。
100a 半導体装置
100 製造中の半導体装置
101 サファイア基板
102 GaN層
103 p型GaN層
103a 凹部
103x 第1の窒化物半導体層
103y 第2の窒化物半導体層
104 メタルマスク
105 レジスト
105a 開口部
106 コンタクト
107 コンタクトレジスト
108 バイアス源
108a 導線
109 白金電極
110 電解液
111 超音波槽
111a 水
201 ウィスカー
202 蓋状構造
202a 板状構造
202b 孔
202c ウィスカー
203 表面変性層
204 メタルマスク近傍領域
301 電気二重層
302 ポテンショスタット
302a 高速オペアンプ
303 参照電極
401 外管
402 内管
403 細孔部
404 水銀
405 水銀と塩化水銀との混合物
406 飽和KCl水溶液
407 ガラス管
408 Pt線
409 塩橋
501 サファイア基板
502 n型GaN層
503 InGaN活性層
504 p型GaN層
505 透明電極
506 p側ボンディング電極
507 n側電極
508 バイアス源
508a 導線
509 対極
510 電解液
511 超音波槽
511a 水
601a サファイア基板
601b ボンディング基板
602 n型GaN層
603a ボンディング層
603b ボンディング層
604 レジスト
604b 裏面レジスト
605 開口部
605b 電極上開口部
608 バイアス源
608a 導線
609 対極
610 電解液
611 超音波槽
611a 水
621 凹部
621b 凹部
622 裏面コンタクト電極
100 製造中の半導体装置
101 サファイア基板
102 GaN層
103 p型GaN層
103a 凹部
103x 第1の窒化物半導体層
103y 第2の窒化物半導体層
104 メタルマスク
105 レジスト
105a 開口部
106 コンタクト
107 コンタクトレジスト
108 バイアス源
108a 導線
109 白金電極
110 電解液
111 超音波槽
111a 水
201 ウィスカー
202 蓋状構造
202a 板状構造
202b 孔
202c ウィスカー
203 表面変性層
204 メタルマスク近傍領域
301 電気二重層
302 ポテンショスタット
302a 高速オペアンプ
303 参照電極
401 外管
402 内管
403 細孔部
404 水銀
405 水銀と塩化水銀との混合物
406 飽和KCl水溶液
407 ガラス管
408 Pt線
409 塩橋
501 サファイア基板
502 n型GaN層
503 InGaN活性層
504 p型GaN層
505 透明電極
506 p側ボンディング電極
507 n側電極
508 バイアス源
508a 導線
509 対極
510 電解液
511 超音波槽
511a 水
601a サファイア基板
601b ボンディング基板
602 n型GaN層
603a ボンディング層
603b ボンディング層
604 レジスト
604b 裏面レジスト
605 開口部
605b 電極上開口部
608 バイアス源
608a 導線
609 対極
610 電解液
611 超音波槽
611a 水
621 凹部
621b 凹部
622 裏面コンタクト電極
Claims (27)
- 窒化物半導体を電解液中に浸すと共に、前記窒化物半導体に対する紫外線の照射を抑制しながら、前記窒化物半導体に対してバイアスを印加することにより前記窒化物半導体をエッチングすることを特徴とする窒化物半導体のエッチング方法。
- 基板上に窒化物半導体層を形成する第1の工程と、
前記窒化物半導体層に凹部を形成する第2の工程とを備え、
前記第2の工程は、窒化物半導体を電解液中に浸し且つ前記窒化物半導体に対する紫外線の照射を抑制しながら、前記窒化物半導体に対してバイアスを印加することにより前記窒化物半導体層をエッチングする工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第1の工程と前記第2の工程との間に、前記窒化物半導体層上にメタルマスクを形成する工程と、前記メタルマスク上に絶縁性のレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層及び前記メタルマスクに開口部を順次設ける工程とを更に備え、
前記第2の工程においては、前記メタルマスクを電極として前記窒化物半導体層に前記バイアスを印加することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記バイアスが3V以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記凹部は、2次元周期性を備えた平面パターンを有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記2次元周期性を備えた平面パターンを有する前記凹部が形成された前記窒化物半導体層は、光を回折することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記2次元周期性を備えた平面パターンを有する前記凹部が形成された前記窒化物半導体層は、2次元フォトニック結晶であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、印加する前記バイアスの強度を変化させることにより、前記2次元周期性を備えた平面パターンを有する前記凹部を、前記窒化物半導体層表面からの深さに応じて深さ方向に直交する方向の寸法が変化する凹部として形成することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、印加する前記バイアスの強度を周期的に変化させることにより、前記2次元周期性を備えた平面パターンを有する前記凹部を、前記窒化物半導体層表面からの深さに応じて深さ方向に直交する方向の寸法が周期的に変化する凹部として形成する工程を含むことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記窒化物半導体層表面からの深さに応じて深さ方向に直交する方向の寸法が周期的に変化する前記凹部が形成された前記窒化物半導体層は、3次元フォトニック結晶となることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記凹部は、幅10μm以下のラインパターン又はホールパターンの少なくとも一方からなる平面パターンを有することを特徴とする請求項2〜10のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記凹部は、幅1μm以下のラインパターン又はホールパターンの少なくとも一方からなる平面パターンを有すると共に、
前記凹部のアスペクト比は1以上であることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第1の工程と前記第2の工程との間に、前記窒化物半導体層の表面を窒素プラズマに曝す工程を更に備えることを特徴とする請求項2〜12のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記窒化物半導体層に対して超音波を印加しながら窒化物半導体層をエッチングすることを特徴とする請求項2〜13のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記バイアスの印加を行なう際に参照電極を用いることを特徴とする請求項2〜14のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記バイアスはパルスとして印加することを特徴とする請求項2〜15のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記窒化物半導体層は、導電性を有することを特徴とする請求項2〜16のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1の工程は、前記基板上に第1の窒化物半導体層を形成する工程と、前記第1の窒化物半導体層上に第2の窒化物半導体層を形成する工程を含み、
前記第1の窒化物半導体層がエッチングされる速度は前記第2の窒化物半導体層がエッチングされる速度よりも遅く、
前記第2の工程は、前記第1の窒化物半導体層をエッチストップ層として前記第2の窒化物半導体層をエッチングする工程を含むことを特徴とする2〜17のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第1の窒化物半導体層は絶縁性の窒化物半導体層であり、
前記第2の窒化物半導体層は導電性の窒化物半導体層であることを特徴とする請求項18に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層は、それぞれ異なるAl組成を有し、
前記第1の窒化物半導体層のAl組成は、前記第2の窒化物半導体層のAl組成よりも高いことを特徴とする請求項18に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層は、それぞれ異なるIn組成を有し、
前記第1の窒化物半導体層のIn組成は、前記第2の窒化物半導体層のIn組成よりも低いことを特徴とする請求項18に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記基板は導電性基板であり、
前記第1の工程と前記第2の工程との間に、前記窒化物半導体層上に、前記凹部を形成する位置に対応する開口部が設けられた絶縁性のレジストを形成する工程を更に備え、
前記第2の工程において、前記導電性基板を介して前記窒化物半導体層に前記バイアスを印加することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記バイアスは3V以上であることを特徴とする請求項22に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1の工程は、
ボンディング基板上に前記窒化物半導体層を形成する工程と、
前記ボンディング基板に、前記窒化物半導体層を挟んで前記導電性基板を張り合わせる工程と、
前記ボンディング基板、前記窒化物半導体層及び前記導電性基板により構成される積層体から前記ボンディング基板を除去する工程とを含むことを特徴とする請求項22又は23に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記積層体からの前記ボンディング基板の除去は、前記積層体の前記窒化物半導体層に対して前記ボンディング基板の側からレーザを照射することによって行なうことを特徴とする請求項24に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1の工程の後、前記第2の工程よりも前に、前記窒化物半導体層における前記ボンディング基板と張り合わされていた面の全面に対してエッチングを行なうことを特徴とする請求項25に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記エッチングはウェットエッチングであることを特徴とする請求項26に記載の半導体装置の製造方法。
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